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    <title>勇者の館データベース @Wiki</title>
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    <description>勇者の館データベース @Wiki</description>

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    <title>勇者の館SideR/第八章/－第一幕－</title>
    <link>http://www15.atwiki.jp/houseofhero/pages/3150.html</link>
    <description>
      *第八章－第一幕－　哀愁のアイゼンカグラ

[[第七章－第三幕－&gt;勇者の館SideR/第七章/－第三幕－]]
[[第八章－第二幕－&gt;勇者の館SideR/第八章/－第二幕－]]

----

勇者軍はダイギン城を放棄し、空中戦艦に乗り込んだと思しき
シドミード国王と白虹騎士団を討伐すべく、
発進直前のタイミングで発見し、強引に乗り込む。
そして中を進んで兵士を蹴散らしつつ、
とにかくエンジンルーム、もしくはブリッジを探すのだった。 
「おかしい……本当にここは戦艦なのか！？」
あまりにもあっさり侵入出来たことも驚愕だが、
接触した兵士の人数も少ない。気付かれていないとしか思えない。
それほどの不自然さである。そもそも勇者軍主力部隊は、
思い切り発見される覚悟で堂々と乗り込んできており、
発見されていないとすれば、むしろ理不尽であろう。
（もちろんクロカゲが何かした、ということでもないし、
　ましてや策士であるウォルフ王子やカイトが
　何かしたという事も、この短時間ではあり得ない事だ）
「……泳がされている？」
「そうかもしれないね」
ウォルフ王子がぽつりと呟く、カイトもそれを一旦は肯定した。
が、すぐに首を振って訂正した。
「……違うね。僕達は泳がされているんじゃない。
　シドミード国王に遊ばれているのかもしれない。
　彼は武門の出だというし、お手並み拝見というところかもね」
「なめたことを！　エンジンルームへ行って
　エンジンを直接叩き壊してやろうか！？」
ローザが怒ってハンマーを振り回す。
「ちょっ、危ないッス！　落ち着いて！！」
慌ててレオナがそれを止めた。
「それにこれ以上探すところが見当たらない。
　一旦デッキに上がって別のハッチを探した方が
　ブリッジもしくはエンジンルームに近付けるかもね」
「よし、カイトの意見を採用するぜ、急げ！」
ロバートが是も非も無く受け入れるので、
上部ハッチを開けて、デッキに全員登った。
馬を登らせるのは一苦労だったが、流石は遺伝子調整動物。
実に器用にデッキに登ってくれて、内心騎兵一同は安心した。
巡航速度で飛んでいるらしく、勇者軍の脚力を持ってすれば
この程度の風は無風に等しく、安心して立っていられる。
戦艦自体が馬鹿でかいのも助けになってはいるが。

すると、すぐに上にペガサスナイトがいるのに気付いた。
「あれは……！？」
ずだん！
確認する暇も無くペガサスから飛び降りてきた女性がいた。
ペガサスは臆病らしく、あまり戦闘に適していないようだ。
「お久しぶりです、姫様」
「メゴ！」
「……その呼び方はやめて下さい。私は秘書兼副官の
　メゴ＝アイゼンカグラ。王命により、
　あなた達を空中戦艦メガ・アルバトロスより排除します」
アンリ姫お付きのメゴ＝アイゼンカグラ。
今はシドミード国王の秘書兼副官という立場らしかった。

「メゴ！　シドミード王はこんな物騒な巨大戦艦を作って
　一体何を目的としておるのじゃ、答えよ！」
「姫様、答えが分からないとすぐに解答を求める……
　悪い癖でございますよ、相変わらずではありますが」
アイゼンカグラはすぐに攻撃を開始する。
弓による遠距離射撃だ。もしエリックが飛行可能なら
脅威となっただろうが、幸か不幸か、彼は飛べない。
「姫様、模擬戦で一度も私に勝利したことの無いあなたが、
　今この緊急事態に、落ち着いて私を退けられますか？」
「勝つ！　わらわはもう姫ではない、それ故にじゃ！
　この胸に刻んだ反逆の魂が、燃えておるのじゃ！！」
「勇ましいこと……」
アイゼンカグラは引き続き弓で射撃するが、
アンリ姫が一気に距離を詰めると、弓をしまって
爪を装備して攻撃してくる。実に素早い動きだ。
「メゴ！　勇者軍にでなくともよい！
　わらわの事を想うなら、わらわと共に行くのじゃ！
　独裁の道をひた走ってはならぬのじゃ！」
「私は王国の戦士、それに逆らう道はございませぬ」
「ならばせめて手を引け、関わるでないぞ！」
「生きるためにはそれも難しゅうございます、姫様」
更に弓を持ち替えて近接射撃に切り替えるアイゼンカグラ。
この距離では命中は必至、重傷確定コースである。
「せっかくこうならないように逃がして差し上げたのに、
　わざわざ乗り込んでくるなんて……馬鹿な人達。
　大人しく自国の領土に帰っていれば良かったのに」
綺麗な顔をして凄まじい毒舌である。
アイゼンカグラは舌戦にも長けているようだ。

だが、彼女は読み違えている。
ロバート＝ストレンジャーという男の将器を。
彼は、良くも悪くも破格なのだ。
「おうおうおうおう！　黙って聞いてりゃ好き勝手！」
「あなたが……勇者軍リーダー！？」
想像以上の柄の悪さにびっくりするアイゼンカグラ。
「たとえ貴様が勝とうとも、絶対にこのガキは殺らせねぇ！！
　胸に刻んだ反逆魂！　千里の道も一歩から！！
　不撓不屈の闘魂燃えて、咲かせてみせろ、矜持が華！
　哀愁反逆ストレンジャー！　貴様等の絆を繋いでやらぁ！」
「ロブ！　流石はわらわのツレなのじゃ！
　響いたぞ、その魂の髄、どこまでもなのじゃ！！」
きっ、とアイゼンカグラを一睨みするアンリ姫。
完全に闘志に火が点いている。
アンリ姫は銃を、それもかなりゴツいアサルトライフルを抜く。
「ちょっと痛いけど、我慢するのじゃぞ、メゴ！」
「小娘のくせに……！」
自分の技量にプライドがあるのか、アイゼンカグラは弓を構える。

「支援を！」
エナが手を出そうとするが、それをマリーが制する。
「あれは避け得ぬ一騎討ちだ。白虹騎士団の姑息な攻めや
　無謀な単騎駆けとは違う。それぞれ己が存在理由や
　相手への想い、そういうのを抱えての戦いなのだ。
　それを邪魔してはならぬ。たとえアンリ姫が負けても」
「……はい……」

先に動いたのはアイゼンカグラだった。
寸断無く速射で追い詰めようとする。多くが回避されたが、
それでも結構な数がアンリ姫をかすっていった。
アンリ姫も凄まじい速度で３点バースト射撃を見舞うが、
狙いが読まれて、まったく当たらない。
「正確過ぎる射撃……子供だわ」
アイゼンカグラが半ば呆れたように、
弾切れしたのを見計らって反撃に移ろうとした。
マガジン交換の隙をチャンスと見たのだ。
だが、アイゼンカグラが目を見開いた。
「フレイムシューター！」
射撃をしながらしっかり呪文を詠唱していたのだ。
アイゼンカグラは忘れていた。アンリ姫が稀代の
魔法のエキスパートでもある事を。当然、回避の暇など無い。
「あぐっ！？」
足を撃ち抜かれて大きく怯むアイゼンカグラ。
そこへマガジンを交換したアンリ姫が突っ込む。
銃口を容赦なく腕へと向け、腕も撃ち抜いた。
「あああああッ！」
激痛に悶え苦しむアイゼンカグラに更に銃を向けるアンリ姫。
今度は頭だ。王手を取ったのである。
「メゴ、王手は取ったのじゃ！」
「姫様……私の意表を突くとは、成長なされて……
　私は、とても嬉しゅうございます……」
「降参せよ、メゴ！　わらわとそなたが討ち合うような
　痛々しい戦、見たくないし、したくはないのじゃ！」
「……分かりました……」

しおらしく膝をつくアイゼンカグラ。
「ヒナタ！」
かと思いきや、いきなり愛馬を呼んで、
撃たれていない方の左腕だけで跳躍して跳び乗る彼女。
「メゴ、そなたまだ諦めておらんのか！？」
「あのような口約束を信じるとは、甘すぎます。
　ですが負けは負け、とならば大人しく退いて、
　後は事の推移を、王のお傍にて見守らせていただきます。
　あなた達が勝つようであれば、道を交える日もありましょう」
アイゼンカグラと愛天馬ヒナタは別のハッチへ逃げていった。
「メゴーっ！」
「追うぞ。奴は王の傍で見守ると言った。
　ならば、奴の行った方向に重要人物がいる可能性がある！」
エリックがそう言うので、全員彼に続いて動く。

しかし、艦載機もアイゼンカグラが撃退された事で危機感を強め、
デッキ上で勇者軍を迎撃しきろうという動きに出始めた。
空中戦艦メガ・アルバトロスの戦闘は
激化の様相を呈しようとしていた。

----

＜[[第八章－第二幕－&gt;勇者の館SideR/第八章/－第二幕－]]へ続く＞    </description>
    <dc:date>2012-05-21T01:06:13+09:00</dc:date>
  </item>
    <item rdf:about="http://www15.atwiki.jp/houseofhero/pages/3143.html">
    <title>勇者の館SideR/第五章/－第三幕－</title>
    <link>http://www15.atwiki.jp/houseofhero/pages/3143.html</link>
    <description>
      *第五章－第三幕－　マリーの誇り

[[第五章－第二幕－&gt;勇者の館SideR/第五章/－第二幕－]]
[[第六章－第一幕－&gt;勇者の館SideR/第六章/－第一幕－]]

----

迎撃態勢を取ったアンリエッタ王女に向かい、
真紅の鎧を着た騎士が鞭を振るって襲い来る。
もはや、戦闘は不可避となっていた。
馬にも乗っていないというのに、騎乗しているアンリエッタ王女に
肉薄するとは、恐ろしい話である、と言えた。 
「わらわの命を狙い来るのか、そなたは！」
「白虹騎士団……レッドナイト。俺は世界の事象を熟知し、
　貴殿という存在の重要性をも認識している。故に、御首頂戴する」
「させぬぞ！　ポニー！」
相手を撹乱するように動き回る愛馬ポニー。

その動きに一瞬戸惑うが、その後は躊躇せず突撃を行う。
だがそのレッドナイトを的確にアンリエッタ王女は捕捉していた。
「フレイムキャノン！！」
火の魔法を乱発するアンリエッタ王女。
レッドナイトは回避に移るが、狙いが的確で回避は不可能だ。
「見事な狙いだ。だが相手がまずかったな！
　俺は……貴殿が火の使い手である事を認識している！
　そして俺自身も火の使い手である事も分かっている！
　ならば、格闘能力に秀でた方が、勝つ！」
「くっ！」
杖に持ち替えて殴りかかるレッドナイト。
対してアンリエッタ王女も杖で応対。かろうじて一撃を凌ぐ。
「遅い！」
連続で仕掛けてこようとするレッドナイトだったが――

「遅いのは、貴様だッ！」
ずがんッ！
「ぬぐぉッ！？」
レッドナイトの鎧を槍で一突きにしたのは、マリーと愛馬ステファン。
「そこまでだ。私は、私が何をすべきかを知っている！
　貴様が、貴様自身が何をすべきかを知っているのと同様にな！」
「くっ！」
受け身を取って防御するレッドナイト。
「ありがとうなのじゃ！　そなたは誰なのじゃ？」
「私はマリー＝ジーニアス。意味は、分かるな？」
「……そういう事なのじゃな！　分かったぞ！」
自分の味方が来た事を悟り、喜ぶアンリエッタ王女。
そこへ、少し遅れてウォルフ王子と愛馬ターミネーターも到着した。
「アンリエッタ王女、大丈夫ですか！？」
「おお、そなたの事は知っておるぞ！
　ザン国のアーム家王子殿じゃな！？」
「なんと、知っておられたか。今、お助けします！」
「好き勝手を……！」
レッドナイトが立ち上がり、真っ直ぐにマリーへ仕掛ける。
「悪くない動きだ。だがこの程度は私でも出来る」
ひらり、ひらりと華麗に回避し、カウンターを叩き込むマリー。
「その程度で全ての事象を熟知したつもりなど、笑止千万！
　貴様は、いや貴様等はまだ知らぬのだ。
　勇者軍を敵に回す事の根源的な恐ろしさをな！」
「戯言を！」
レッドナイトが背中のブースターを展開する。
先程はこれで馬のポニーに追いついてきたのだ。
「遅いのは貴様だ！」
レッドナイトの鞭の連打がマリーに叩き込まれる。
大きく怯むマリー。隙が出来てしまった。
だが、それを見過ごす勇者軍ではない。
「マリー！」
「ウィンドキャノン！」
ウォルフ王子の斧と、アンリエッタ王女の魔法が叩き込まれた。
マリーを囮にして、その隙に攻撃を叩き込む形になった。
「ぬうぅ！　猪口才な！」
「貴様は理解していない。そうやって賢しらに語りはするが、
　絆の重要性が最終的な戦力の差だ。何が事象を理解する、だ。
　貴様に理解されたいなどとも思わぬ！　消え失せろ！」
マリーは更に武器を持ち替え、棒術から銃撃へと連携させる。
もちろんウォルフ王子と、アンリエッタ王女もフォローを忘れない。
「ぬぅぅぅぅ！？」
それにしても呆れた頑強さであった。これだけの攻撃を受けて、
まだ平然と立っていられる辺りは賞賛に値する。

だが、それも長くは続かない。
ロバート達の率いる本隊が追いついてきたからだ。
「おらぁぁッ！　そこどけぇッ！！」
ロバートは巨大マントを展開している。
ウォルフ王子達をそのマントで押しのけると、
思い切り拳でレッドナイトを殴り倒した。
直後、間髪入れず上にまたがり、マウント・ポジションを確保。
ずどんどんどんどんどん！
そして、その状態のままでゼロ距離の銃の乱射。
正直、相手が人間ならやり過ぎの攻撃と言えた。
だが、相手は人間ではない。生物かどうかも分からない。
そんな敵に遠慮するほど、ロバートはお人好しではない。
穴だらけになったレッドナイトは、ロバートを押しのけ、
強引にジャックナイフ機動で立ち上がる。
一応ダメージは受けているようで、息も荒い。
「ふぅー……ふぅー……どうやら不利なのは認識出来た。
　だが、このままで済むとは思わないことだ。
　貴様等はこの、シドミード王国全体を敵に回したのだからな」
捨て台詞を吐いて、レッドナイトは逃亡した。

「ふう……少しは溜飲が下がりやがったな」
清々しそうに一息つくロバート。
「助けてくれて、ありがとうなのじゃ！」
礼儀正しくちょこん、と挨拶するアンリエッタ王女。
「わらわはアンリエッタ＝スターリィフィールド。
　長くて面倒だからアンリと呼んで欲しいのじゃ！」
「ふわあー。可愛いッスねー」
頭をなでくり回すレオナ。保護欲をそそられたらしい。
「この国は２年前に軍事クーデターで父上が殺されてから、
　シドミードが国王に成り代わっておるのじゃ。
　なので、わらわを亡命させて欲しいのじゃ」
「つまらねぇな」
ロバートがダメ出しをする。
「何がつまらぬのじゃ。母上はわらわに生きろと言ったのじゃ。
　わらわは、それを守り通す義務があるのじゃ」
「ただ守って身を固めて、それが何になる。
　貴様がシドミードの野郎を許せないなら、
　答えは一つ……反逆に決まっているだろうが！」
「ロブ、また貴様は！」
マリーが制止しようとするが、それをエリックが止める。
「止めるな、エリック！」
「いや、今はロバートに一理がある。そう見るが」
「むむ……確かに今のこの国の現状が良いとは思えぬ。
　だが、仮に反逆したとして、わらわが同じように
　君主に成り上がろうという気は、毛頭無いのじゃぞ？」
「そんなの知った事か。許せないから叩き潰す！
　後の事はやる気のある奴にやらせやがれ」
「…………そなたの言う事にも一理あるのじゃ。
　わらわは、父上を滅し、母上をも社会的に抹殺した
　シドミード王を許せぬのじゃ！　ならば反逆なのじゃ！
　よう言うてくれた、そなたの名は何と言うのじゃ！？」
「ロバート＝ストレンジャー。今は貴様の上司と呼ぶべき男だ」
「ロブじゃな、覚えたぞ！　そなた達は今日から
　わらわの大事なツレなのじゃ！　仲良うして欲しいのじゃ！」
笑顔満面で、アンリエッタ王女は全員に挨拶する。

アンリエッタ王女が加わったことで、一気に戦力を増し、
勇者軍の意気は否が応にも上がるのだった。

----

＜[[第六章－第一幕－&gt;勇者の館SideR/第六章/－第一幕－]]へ続く＞    </description>
    <dc:date>2012-05-21T00:47:11+09:00</dc:date>
  </item>
    <item rdf:about="http://www15.atwiki.jp/houseofhero/pages/24.html">
    <title>クラス・スキル－は行</title>
    <link>http://www15.atwiki.jp/houseofhero/pages/24.html</link>
    <description>
      *クラス・スキル－は行

[[ハイパーガード]]
[[ハイパーヒール]]
[[ハイプリースト]]
[[パイレーツ]]
[[パイロット]]
[[バウンティハンター]]
[[バーサーカー]]
[[バード]]
[[パラディン]]
[[ハンマーファイター]]
[[ハンマーマスター]]
[[飛行]]
[[ビーストテイマー]]
[[ヒーラー]]
[[ファイター]]
[[ファイターナイト]]
[[フィストファイター]]
[[フィストマスター]]
[[フライト]]
[[プリースト]]
[[プリーストナイト]]
[[プリンス]]
[[プリンセス]]
[[プロフェッサー]]
[[ペガサスナイト]]
[[翻訳]]    </description>
    <dc:date>2012-04-13T22:59:50+09:00</dc:date>
  </item>
    <item rdf:about="http://www15.atwiki.jp/houseofhero/pages/3195.html">
    <title>勇者の館SideR/第二十章/－第四幕－</title>
    <link>http://www15.atwiki.jp/houseofhero/pages/3195.html</link>
    <description>
      *第二十章－第四幕－　今こそ触れよ、禁忌の力

[[第二十章－第三幕－&gt;勇者の館SideR/第二十章/－第三幕－]]
[[第二十章－第五幕－&gt;勇者の館SideR/第二十章/－第五幕－]]

----

正体を現し、多くの人間の死体を食らって、新たに力を増した
グロフィス・イグジスターはウォーミングアップの段階で
勇者軍主力部隊を弄びつつあった。かろうじて動きを捉えても、
パワーも敵の方が上であり、更にグロフィス・イグジスターは
本気を出そうとしている。膠着状態を打破出来る手段は、未だ無い。 
「…………！」
グロフィス・イグジスターは魔方陣のようなものを宙に描く。
「データロード……ヒストリーオールアーカイブス！」
グロフィスの目が光りだす。
「何をする気だ、奴は！？」
危険を感じたローザは一目散に敵の方へ突っ走る。
発動前に打撃を加えたかったのだ。
「超怒級雷電脚！」

ばちぃッ！

「ううおおおッ！？」
雷のキックを受け、大きく後ずさるローザ。
「これはかつて、勇者エドウィン＝ストレンジャーと
　行動を共にしたチャン＝フェイロンの最終奥技……
　歴史の味を身に染みて感じたかな？」
と笑うグロフィス・イグジスター。
その破壊力と懐かしさに、ヴァジェスはむしろ戦慄した。
あの頃の勇者軍メンバーの実力は今の彼等とは一味違う。
そんなものを連発されたらただでは済まないだろう。
「ヒストリー……オールアーカイブスだと！？
　まさか、他の技も乱発してくる気か！？」
それはすなわち、アーム王家の幻杖ミームと同等か、
あるいはそれ以上の効果を持ちうることになる。
まさに反則そのものと言って良かった。
「メシア・タイプのスーパーコンピュータにアクセスして
　もらった知識だから、不完全だけど、色々あるねぇ」
ニコニコと楽しそうに笑いながら次の技の準備を進める
グロフィス・イグジスターに、ヴァジェスは桁の違う脅威を感じた。
「ミスト・ブレス！」
「レーザー・ブレス！！」
ヴァジェスとグロフィス・イグジスター両者のブレスが激突し、
共に相殺して消滅した。流石にヴァジェスは
当時の勇者軍メンバーだけあって、
一つ位の低いブレスでも最高の奥技に対抗出来てはいるが、
ヴァジェス一人だけでは充分とは言い難い。

「…………ッ！」
イノはアックスボンバーを構え直し、
当たるが幸いの牽制砲撃を加える。
少しでも技の発動を遅らせて、味方の隙を作りたかった。
だがそれを無視して、グロフィス・イグジスターの再攻撃。
「ニノンの翼最大戦速！　ゴッド・バード！」
炎を纏い、そのままレオナに突撃してくる。
「ナノ・マシン！　ピンポイント散布！」
だが、構わずにグロフィス・イグジスターは突撃。
「絶対耐性！？」
「あははははは！　ナノ・マシンも作ってみたんだ！　凄いだろ！？」
「レオナ！」
イノが飛び込み、何とか押し出す形でゴッド・バードを回避。
すんでの所で二人共、かろうじて無傷で済んでいる。
「ありがと、イノちゃん！」
「借り一つだったものね。返しただけ」

「全員で一斉にかかれ！　そうすればッ！」
エリックの指示でロバート、マリー、クロカゲが一斉攻撃。
「うおおおおおッ！」
「そう来ると思ってた！　アースクラスト！」
地面からの膨大な量の石つぶてと砂嵐が巻き起こり、
三人共に吹き飛ばしてしまう。
「！？」
だが、直後に飛んできたエナのソーサーに対しては
奥技による迎撃を行わず、多少無理な回避を行ったようだ。
「……外しちゃいました……！」
悔しそうに唸るエナだが、不愉快そうに舌打ちした
グロフィス・イグジスター。

それを見てカイトとウォルフ王子は共に疑問を抱いた。
（何故時間差攻撃にだけ反撃しない？）
そして、カイトは次の攻撃が展開されるのを見てすぐ気付いた。
「あの奥技には致命的な弱点がある！
　展開するのに、多少時間がかかるんだ！
　少数ずつ波状攻撃を仕掛けて時間差をかけよう！
　遠距離攻撃が出来るエナ君とイノ君の戦力は特に重要だ。
　悪いけれど、もう一踏ん張りしてくれ！」
「はい！」
「分かった」
二人はいつでも遠距離攻撃出来る態勢に入り、
直接攻撃要員の攻撃の合間を縫って援護する。
非常に鬱陶しいのか、グロフィス・イグジスター側に
少しずつだが、余裕が無くなってきている。

「種が割れてしまえば底が浅いな、イグジスター！！」
エリックが嘲笑うように仕掛けてくるが、
グロフィス・イグジスターはそれを難なく叩き返す。
「だから何だい？　この奥技が使い勝手が悪いとしても、
　攻撃力、防御力、機動力、魔力全てが父さん達より上なんだ。
　それも、魔法で抑制されていての結果だよ？　現実を見てよ」
「そうだな」
その事実を素直に認めるエリック。
「仮に動きを捉えても決定打がないうちは、ジリ貧で負けさ。
　大人しく丸呑みされた方が楽だと思うんだけどね？」
「決定打だと？　笑わせる。そんなものはもう来たぞ！」
「何ッ！？」

上空を見ると、勇者軍謹製の大陸間弾道輸送カプセルが飛んできた。
「何だ、あれは！？」
「ネイの差し金だろうな」
驚くウォルフ王子に、エリックは不敵に笑いかける。
「あの野郎！　粋な事してくれやがるじゃねぇか！」
ロバートも思わぬ助け舟に狂喜する。

ずがん！

岩盤に叩き込まれた輸送カプセルから四つの装備が飛び出す。
「ミーム！　ミームなのじゃな！」
「みー」
黒いボールのような戦術思考共有コンピュータ『怪球ミーム』が
持ち主であるアンリ姫の手に渡った。これで彼等は一切の無駄なく、
完全な空間把握能力と思考のリンクによって、
超怒級戦術的連携を取る事が出来るようになる。
ちなみに、持ち主に懐くという性能もある。

次いでローザの手には聖杯ライブチャージャーが渡った。
「おお、前からずっと持ってみたかったんだ、ありがてぇ！」
あらかじめチャージした生命力を持って圧倒的な治癒力を
使い手から与えることが出来る最高の支援道具である。

更にウォルフ王子の手には幻杖レプリアーツが渡る。
「これさえあればあんなデッドコピーが何だと言う！」
エネルギー性の技や魔法を許容量の許す限り吸収し、
いつでも乱発出来るという反則兵器である。
ただし、技のストックには本来の持ち主が必要だが、
現在のキャパシティはゼロ。たくさんの技や魔法がぎっしりだ。

そして、ロバートには鞘に入った大剣が渡った。
ロバートの懸念を、マリーが口にする。
「まさか、これは……！？」
マリーは手を掲げ、自らの装備の名を呼ぶ。
「我が手に戻れ！　カオスリキッド！」
すると、大剣を包んでいた呪鞘カオスリキッドが
一枚のコインとして、マリーの手元に戻った。
そこに残されたのは、負のエネルギーを大量に纏い、
かつてないほどの切れ味を思わせる、
ストレンジャー家の進化の剣、ストレンジャーソードだ。
「天下無双にして絶対勝利の剣に、
　カオスリキッドの力を加える……正気か！？
　こんな反則技、魔神王でもなきゃ誰も受けきれねぇぞ！」
口では非難するような素振りを見せながら、むしろ嬉々として
ロバートは強化ストレンジャーソードを手に取った。

「エンジェルランプ……！　今は俺に力を貸せ！
　あンのクソ野郎を木っ端微塵に叩き切ってやるんだ！」
一時凌ぎではあるが、聖剣エンジェルランプを更に融合させ、
正と負の力を共に纏った恐るべき剣が完成した。
「人・業・魔・神・剣！！　ギガス！　カリバァァァッ！！」
人の業と、魔と神の力を全て併せ持った存在自体が凶器そのものの
膨大な出力を持つエネルギーソードが完成した。
一時的な展開とはいえ、まともに受ければ誰も生存出来ない。
かつての迎業神剣エクスカリバー同様、絶対耐熱フィールドの中に
凄まじい熱量を持ったビームの刃を封入しているが、
決定的に違うのはその温度である。なんとオリジナルを超越し、
三千二百万℃に達するのだ。もはや物理的な防御は不可能である。
「なんてエネルギー量だ……！」
その凄まじいエネルギーを感じ取り、
グロフィス・イグジスターは初めて理解した。
勇者軍を敵に回す事の本当の恐ろしさを。

一方、部外者たるイノもそのあまりの力量に驚愕している。
「あれが、彼の本気なのね……勝てない」
エリックが勢いづいて、ロバートをけしかける。
「何とかその剣で一撃加えろ！　俺にも切り札がある！
　皆、そのために動くんだ！　これは皆で行う反逆だ！！」
「任せるのじゃ！」
アンリ姫が膨大な魔力をチャージして魔法を展開する。
「アビリティ・コントロール・オーバー・ブースター！」
マスター・ブースターの強化版魔法だろうか。
その割には短所が補われていないような気がする。
いや、むしろ短所はより強くなったようにも思える。
「これは何……？　不思議な感覚」
アイゼンカグラが怪訝に思う。
「この魔法は短所がより強調される代わりに、
　その余剰分の『スペック』をもっと長所に回せるのじゃ！
　ローザ、物凄く力が湧いてこぬか！？」
「おう！　魔力はオケラだが、こいつぁすげぇぞ！」
いつもより景気良くハンマーを振り回して言う。
「馬鹿な……弱点をより明確に晒すのか？　クレイジーだ……！」
呆れてグロフィス・イグジスターは口を開けてしまう。

「いいや、ちょうどいいね。どうせ一撃もらえばお陀仏だ！
　弱点がどうあろうが大差無ぇ。むしろこれでいいんだ！
　覚悟しやがれ、イグジスター！！」
ロバートがギガスカリバーを握ってにじり寄る。
「くっ、武器が増えたからってスペックが上がったわけじゃない！
　この僕に勝てるだなんて思うなよ、下層生物が！！」
「敵は慌てています。この隙に攻めなさい！
　勇者軍特務戦技教導隊指導要項１５番
＜人海戦術＞の教則に倣い！
　ウォルフ＝テオ＝ザン＝アームⅣ世が波状攻撃を命令します！
　各員、任意に攻撃開始！　隊長とエリックさんに繋ぎなさい！」
「応！」
全員が応じる。特に素早く切り込んだマリーとレオナは
思い切り引っ掻き回して、必死に
グロフィス・イグジスターに食らいつく。
「素早さだけの貧弱共が！　邪魔だよ！」
「貧弱で結構！　貴様を追い詰められればそれで充分だ！」
「っス！！」
二人で散々追い掛け回した上、アイゼンカグラの弓やら、
ヴァジェスのブレスやら、エナのソーサーやらが
次々と撃ち込まれ、次第に回避も困難になっていった。
「くそぉぉぉぉ！　勇者軍メンバーさえ丸呑みしたこの僕が！
　装備いくつか追加されるぐらいで負けるっていうのかぁぁッ！」
「だから貴様は負け犬なんだ！　それが貴様の底の浅さだ！
　丸呑みぐらいで勝てると吼える！　その傲慢こそが自業自得！
　人業反逆ストレンジャー！　歴史への冒涜は断じて許さねぇぞ！」
「くうううううッ！」
「ギガスカリバー！　中のエンジェルランプが
　ブッ壊れても構わねぇ！　こいつだけは
　生かして逃がすなぁッ！！！　フルパワーだぁぁッ！」

ざしゅっ！！

三千二百万℃のビームで斬られるグロフィス・イグジスター。
横薙ぎで上半身と下半身を完全に分断され、蠢きもがく。
大勢は決した。勇者軍は辛勝ながら、
勝利を迎えようとしていたのだ。

----

＜[[第二十章－第五幕－&gt;勇者の館SideR/第二十章/－第五幕－]]へ続く＞    </description>
    <dc:date>2012-03-19T21:50:59+09:00</dc:date>
  </item>
    <item rdf:about="http://www15.atwiki.jp/houseofhero/pages/3193.html">
    <title>勇者の館SideR/第二十章/－第二幕－</title>
    <link>http://www15.atwiki.jp/houseofhero/pages/3193.html</link>
    <description>
      *第二十章－第二幕－　教皇の誤算

[[第二十章－第一幕－&gt;勇者の館SideR/第二十章/－第一幕－]]
[[第二十章－第三幕－&gt;勇者の館SideR/第二十章/－第三幕－]]

----

最終奥技『カース・プレデター』を発動させ、
周囲の墓場から怨霊を招きよせたエッセ教皇は、
ロバートばかりかイノまでも簡単に撃退しつつあった。
しかし、そこに勇者軍主力部隊が駆けつけ、
戦局は急転の様相を呈していた。 
「ははは！　まだまだ怨霊は腐るほどいるぞ！
　もっとも怨霊の身体の本来の持ち主はとうに腐りきるどころか
　大半は風化しきっておるかもしれんがな！」
カース・プレデターにより招来した怨霊が
容赦無く勇者軍主力部隊に迫り来る。
「くうう……厄介なッ！」
ここはあまりにエッセ教皇に有利であり過ぎる。
まさにホームフィールドと言っていい程であった。
勇者軍の敵には純粋に力に長けていたり、策を巡らせて
苦戦させてくる者などが多いが、こうも純粋に
地の利を味方に付ける相手は極めて稀である。
その事にウォルフ王子は少なからず動揺していた。

それを掻い潜って天馬ヒナタに跨ったアイゼンカグラが
一気に空を飛んだまま、エッセ教皇に近付く。
「ダークマージとネクロマンサーを複合した技術かしら。
　でも、魔族であるペガサスと、それに乗った私には
　その能力はほとんど効き目が無い……！！」
意外に冷静に相手の能力を見極め、切り込み役を買って出たのだ。
「メゴ、無理をするでないぞ！」
アンリ姫が一応声をかけるが、アイゼンカグラは聞く気が無い。
「隊長には悪いけど、仕留めさせてもらいます！」
弓をガンガン射掛けるアイゼンカグラ。
「ぬうう、小癪な小娘めが！　ダークキャノン！」
闇の魔法である。光の精霊の加護を受けているアイゼンカグラには
非常に厄介な魔法である。回避も困難だ。
「うっ！」
直撃を食い、大きく後退するアイゼンカグラ。
「メゴ！　避難するのじゃ！」
「申し訳ありません、姫様……一歩及びませんでした」
だが、そのアイゼンカグラは囮であった。カイトの指示で
エッセ教皇の真横から、既にクロカゲとローザが迫っている。
「もらった……！」
「覚悟しやがれ！！」
二人同時の攻撃を、エッセ教皇は難なくかわす。
危うく同士討ちになるところを、二人はよろけながらも止めた。
「ふん！　未熟者め！」
その隙を突かれて、二人共祭壇から叩き落とされた。

「さあ、そろそろ復活の時は近い！　我が眼前に
　その御姿をお見せなさいませ、魔神王様！！
　そして貴方様のお力で、安寧の統治をこの星に！」
エッセの持っている復活予測タイマーのカウントが十秒を切った。
「まずい！　止められんのか！？」
「もう遅いわ！」
大笑いするエッセ教皇。

……………………しかし、タイマーがゼロになっても、
ただひたすら静寂のみが訪れただけであった。
「……何故だ！？　何故魔神王様は我が眼前に訪れぬ！？
　魔神王様がいつ復活してもいいようにこの地の霊脈を整え、
　良き養分と土壌を作り、ここが復活に最適の地となったはず！
　何故だ！　答えろ、答えろ！　ターレットぉぉぉ！
　我が理論が間違っていたなどとは言わさぬぞぉぉぉぉ！！」
「そのターレットはあなたの指示で死んだ。
　忘れたとは言わせない……！！」
イノはその哀れな誤算を目の前に、ゆらりと立ち上がる。
「私が、あなたを討つ。これは私が決めた事よ」
「よく言った！　いい目をしてやがらぁ！」
途端にヴァジェスがイノを誉める。
「あなたは？」
「俺は勇者軍の協力者。竜王ヴァジェス＝バハムートⅡ世。
　あるいは聞いたこともあるかもしれんが、今はどうでもいい。
　これを貸してやる！　お前の斧に付けて使いやがれ！！」
それは槍の刃だった。
「……これは？」
「竜族秘伝より作られし槍『ゲイ・ボルグ』の刃だ。
　大地の力が、奴の闇の力を制するはずだろう。
　ただし、貸すだけだ。後でちゃんと返せよ？」
「……ありがとう。この縁は絆だと思っておく。
　合身！　竜牙砲槍斧『ニア・ゲイボルグ』！」
新たにハルバードの機能をも備えた借り物の力が、
ゲイ・ボルグに近い物として一時的に能力を上昇させた。

「レオナ君、例のアレだ。イノ君が仕掛けるタイミングで頼む」
カイトの指示を察し、レオナが了承する。
「アレっスね。了解ッス！　イノちゃん！　援護するッスよ！」
「ちゃん……まあいいけど」
渋々同意するイノに、レオナは何がしかの共感を感じた。
大雑把に言うと『放っとけない感じ』なのだが。
「あとは各員、それぞれ任意に攻撃ないし防御！
　絶対に一人たりとも討ち取られないでほしい！
　それが、きっと討ち取られた彼女の戦友の願いだから……！」
カイトは救えなかった悔しさを込めて言う。
「了解！」
全員が唱和し、最後尾にイノとレオナが突っ込む。
残りはそれより先行し、指揮役のカイトと負傷したアイゼンカグラ、
その彼女とイグジスター識別装置のマスターハードを守るアンリ姫。
治療役に控えたエリックとエナを残して突撃する。

「この目で魔神王様の復活を見るまでは死ねるものか！
　かくなる上は貴様等全員を駆逐し、脱出して教団を再興するのみ！」
「させねぇよ！」
「貴様はここで終わりだ！」
ロバートとマリーが突撃。
「私は死ねん！　死ねんのだ！　ダークブラスター！」
凄まじい魔力量だ。たちまち二人は弾き飛ばされる。
「もう一度だ、クロカゲ！」
「分かった……！」
ローザとクロカゲも何とか隙を作ろうと一斉に攻撃をかける。
「こういうのもある！　フリーズランチャー！」
なんと魔道書まで隠し持っていた。まともに攻撃を受けた二人は、
またも無念の一時後退を余儀なくされてしまった。
「ファイアー・ブレス！」
ワイバーン形態に戻ったヴァジェスが炎のブレスを吹きかける。
「リフレクトフォース！」
しかし防御魔法にも長けたエッセ教皇は難なく凌ぐ。

ウォルフ王子が更に続いた。
「これだけ連続攻撃をされれば対処は難しいはずだ！」
だが、エッセ教皇は爪杖ベアーズクローで辛うじて防いで見せた。
「着眼点は悪くない……だが、私の集中はまだもつ！」
「くぉっ！」
爪で引き裂かれ、かなりの出血を見せるウォルフ王子。
命には幸い別状は無いようだが、まともに動くのは難しい。
「させるか！」
ヴァジェスがウォルフ王子を掴み、そのまま逃れる。
この対応の見事さは流石に、歴戦の戦巧者であった。

だがこれだけの猛攻の間に、イノとレオナは祭壇の左右から
挟撃をかける準備が出来ていた。
「もう来たか、イノめ！」
雑兵だとばかりにレオナは無視するエッセ教皇。
先にイノを蹴散らそうというのだ。だがその油断こそが、
レオナの切り札にとって隙でしかない。
「ジャミング・ナノ・マシン！　ピンポイント展開！」
「ぬうッ！？」
五感を大きく、しかも突然狂わされたエッセ教皇は
ふらつき、攻撃も大きく外してしまう。
「イノちゃん！」
レオナがＯＫサインを出すと同時にイノは仕掛けていた。
「エッセ＝ギーゼン！　その傲慢な他力本願の報いを受けなさい！」
ニア・ゲイボルグの槍の部分で心臓を一突き。
「がっはッ！？」
何が起こったのか理解出来ないままのエッセ教皇に追撃。
更に斧で一撃叩き込み。流れるように斧の刃をパージ。
砲撃モードでエッセ教皇の口に突っ込み。三連射。

ずだんずだんずだん！！

そのあまりに容赦の無い攻撃はエッセ教皇の頭部を吹き飛ばし、
首無しの斬殺死体と成り果てたエッセ教皇はその場に倒れた。
イノは微塵の未練も憐憫も見せる事無く、振り返り、
ゲイ・ボルグの槍の部分をパージすると、
即座にヴァジェスに投げ返す。
「いい槍ね。でも私にはこれは使いこなせない」
「そいつぁどうも」
槍の刃を受け取り、ヴァジェスはそれをしまった。

「やったスね！　あたし等、案外いいコンビになるかも！」
レオナは抜群のコンビネーションを喜ぶ。
「それは残念ね。私は勇者軍に入るつもりは無い」
「およ、意外」
「……勇者軍にも負けない軍閥を私が作り上げるの。
　だからごめんなさい、あなたとコンビを組む事は出来ない」
いささか申し訳なさそうに謝罪するイノに、
レオナは何だか面白そうな事を思いついたような顔をする。
「……どうしたの？　えと……」
「レオナ。レオナ＝タブーフィールダーっス。
　君とは一緒に頑張る運命のような気がしただけッス。
　だから、改めてよろしくするッスよ！」
「はあ……」
意味を図りかねて、イノはただ頷く。

そんなレオナは一旦さておいて、イノはやはり涙を流すこともなく、
ただ散った戦友達に、ただ一つ報告をするのだった。
「……みんな。魔神王教団は終わりで、約束の一つは果たした。
　もう一つの約束は、これからしばらく時間をもらう事にするから」
少し微笑むと、彼女は勇者軍の輪の中へ一時的に戻る。
最終的に彼等とは相容れないと知っていながらも、
ほんの少しの間だけの安寧を乞うが如くに――

----

＜[[第二十章－第三幕－&gt;勇者の館SideR/第二十章/－第三幕－]]へ続く＞    </description>
    <dc:date>2012-03-19T21:45:36+09:00</dc:date>
  </item>
    <item rdf:about="http://www15.atwiki.jp/houseofhero/pages/3180.html">
    <title>勇者の館SideR/第十六章/－第一幕－</title>
    <link>http://www15.atwiki.jp/houseofhero/pages/3180.html</link>
    <description>
      *第十六章－第一幕－　分断

[[第十五章－第三幕－&gt;勇者の館SideR/第十五章/－第三幕－]]
[[第十六章－第二幕－&gt;勇者の館SideR/第十六章/－第二幕－]]

----

勇者軍主力部隊が旧グラード・シティにて大半が合流、
ローザの合流を待って突入作戦を結構しようかという時、
コントロールルームを制圧し、隔壁を全て上げた
ロバート、イノは新たにソル＝ハイドを加え、
とりあえず持久戦に備えて食料庫を既にガサ入れしていた。 
「……よく食うねえ、お前さんは」
「あんたもむしろもっと食っとけよ、ソル」
そこら辺にあった食パンを丸々一斤食い尽くしてからロバートは言う。
ソルは半ば呆れ顔だ。量よりはむしろジャムもバターも付けず、
それだけの量を平然と平らげる野性味に呆れたのだろうか。
「満腹したら被弾した時、死亡率が上がるぞ。
　ここの信者は銃でも何でも持ってるからな？」
「一般信者の事なんて気にかけてられないでしょ？
　ほら、いいから食べておいた方がいいと思う」
と、自らはオレンジを丸々三個食い尽くしてから言うイノ。
「アップルパイは無ぇのかよ？　少し甘いの食い溜めしてぇけどな」
「あるわけないでしょ。それよりチョコレートアイスは？」
「……どっちも無いに決まってるだろうが」
自らは黒糖パンをかじりつつ適当に返事するソルだった。
返事というより、半ばツッコミに近いものがあったが。

胃袋を満たしてから、ゆっくりと立ち上がる一同。
「さて、少しポーチに食いモン入れとくか。じゃあ行くか」
「おう」
「ええ」
ソルの指示に従い、一同は歩き出す。
食料庫を出て、引き続き周囲を警戒しながら動く。
道が複雑なところでは三手に一度別れ、
全方位を更に厳重警戒しながら歩く。

が、それがより一層まずい事態を招いた。
敵はその好機を待っていたのだ。
ロバートが気付いた時にはもう遅かった。
「イノ、ソル、戻れ！　これは罠だ！！　隔壁が……！」
隔壁が凄いスピードで下ろされていく。
強引に割り込もうかと思ったが、潰されてもつまらない。
ロバートにはそれ以上抗する術は無かった。
「駄目、間に合わな……！」

ずずん！

そこまでイノが遠くから応答した時に、隔壁は下ろされ、
三人はそれぞれ完全に分断されてしまっていた。
敵はコントロールルームをわざと制圧させてロバートを安心させ、
何とか他の者と分断する機会を狙っていたのだ。
一方でソルはいち早く下ろされる隔壁に気付いたものの、
それはわずかな差でしかなく、
下りる隔壁に割り込むまでには至らない。
「くっ、早速やってくれる。流石は教皇だ……！」
すると、天井からターレットが降りて来た。
ソルの脱走を阻止するため、雑魚でなく幹部を送り込んだのだろう。
「なあ、ソル……嘘だって言ってくれよ。
　あんたはこんな拉致された俺にも良くしてくれたじゃねぇか。
　そんな俺まで裏切って、さっさと逃げようってのか？」
「悪いな、ターレット。お前を裏切るつもりは無いんだが、
　教皇はイグジスターの危険性を理解しちゃいねぇ。
　そんな上司についていってもお先は見えている。
　ターレット、何だったらお前も来いよ。教皇、嫌いなんだろ？」
「そ、それはそうだが……俺は怖い。あんたより、教皇が」
ターレットは義手を構え、抗戦の構えを取った。

「悪いが、手加減はしてやらねぇぞ」
ソルは一足飛びに至近距離へ飛び込むと、
蛇腹剣にて切り裂こうとする。
だが、ターレットは地面に義手をついてリールを延ばす。
その反動で空中へ移動し、次いで証明にリールナックルを巻きつける。
扱いが短い割には、まあよく使いこなしている方だと言えよう。
「数ヶ月前までの俺と一緒だと思うなよ！」
必死に虚勢を張り、ターレットは空中からリールナックルを伸ばし、
ソルを的確に捉え、リールの先の義手で掴み取った。
「もらった！　リールスローコンボだ！」
壁なり床なりに敵を投げつけ、リールナックルでそのまま殴打する、
現時点でのターレットの最高威力の技だった。
いわば切り札と言ってもいい。
「……案外才能があるんじゃなかろうかな。だが、惜しいな」
ソルは蛇腹剣を壁に付きたて、壁への衝突を防ぐ。
「そんな……！」
第二撃に移ろうとしていたターレットに向かい、
ソルはゆらゆらと蛇腹剣を動かし、
急に刺突の態勢に入る。鞭のようにしなる蛇腹剣は、
文字通り蛇のアギトのごとく、ターレットの肩を刺した。
「……スネーク・バイトだ。観念するか？」
「ひぃぃ……」
技量差を思い知り、思い切り怯むターレット。
「悪いが俺の勝ちだ、お前は以後、教皇ではなく、
　俺に従ってもらう。どうせ死ぬなら、あの教皇に
　一泡吹かせたいとは思わないのか？」
ターレットはその魅力的な誘惑に惹かれだした。
「それは……是非やってみてぇ」
「なら来い。この反逆の首謀者はあのロバートだ。
　おまけに、イノまで加わってくれている。更にお前で四人目だ。
　これだけいて、他の幹部に負けることはまずないだろう。
　案外、実現の可能性はそう低くないんじゃないかと思うが……」
「分かったよ、やってやる……！　腹を括ったぜ……！」
ターレットの目が据わりだした。本気になったのだ。
「良し、交渉成立だ。よろしくな、ターレット。
　怪我したとこを悪いが、ハッキングでこの隔壁を上げてくれねぇか？」
ターレットの治癒をしながら、頼むソル。
「任せろ。俺のツールで何とかしてやるぜ！」
むしろテンションの上がってきたターレットは、
ようやく反逆出来る好機に、むしろ嬉々として作業に入った。
「おう、当てにしてるぜ、ターレット」
ソルの思惑通りに、ターレットは説得に乗ってくれた。
彼の臆病な性質と魔神王教団入信の経緯を知っていれば、
彼がエッセ教皇に反感を持っているのは当然分かるはずである。
あとは、他の幹部を引き入れられれば言う事は無かった。
それだけの実力が、彼等にも自らにもあるとの確信があったのだ。
だが、今のソルはターレットの作業を待ちつつ、
他のメンツの無事を祈るしかなかったのであった。

だが彼はまだ気が付いていない。自分と同じく、
他の二人も自分と同様の脅威に晒されている事を――

----

＜[[第十六章－第二幕－&gt;勇者の館SideR/第十六章/－第二幕－]]へ続く＞    </description>
    <dc:date>2012-03-19T21:18:41+09:00</dc:date>
  </item>
    <item rdf:about="http://www15.atwiki.jp/houseofhero/pages/3179.html">
    <title>勇者の館SideR/第十五章/－第三幕－</title>
    <link>http://www15.atwiki.jp/houseofhero/pages/3179.html</link>
    <description>
      *第十五章－第三幕－　振り撒かれる滅び

[[第十五章－第二幕－&gt;勇者の館SideR/第十五章/－第二幕－]]
[[第十六章－第一幕－&gt;勇者の館SideR/第十六章/－第一幕－]]

----

ウォルフ王子の率いる勇者軍主力部隊は、輸送機を用いて
全人員及び騎馬を一気に旧グラード・シティまで運ぶ。
旧グラード・シティ直上から一気にパラシュートで味方を投下。
勇者軍は静まり返る滅びた都市へと、一気に降り立った。 
グラード・シティ。ついこの間までそこそこの都市として機能し、
海運業などで栄華を誇った都市の名前である。
だが、今は静まり返り、音信普通になっている。
イグジスターに襲撃された可能性が
高いとされる最危険区域の一つだった。
だが、カイトは敢えてこの都市に駐留し、
イグジスターへの抵抗勢力たる人間をまとめにかかっているらしい。
だからこそ、ここを目標地点に選んだのだ。

高所から見れば、船の大半が焼き討ちされ、破壊されている。
が、人間らしき生命体が普通に街中を移動していたりした。
「……どういう事だ？」
真っ先に降り立ったマリーが訝るが、
人気の少ない方を見れば、すれ違う二人の人間。
と思いきや、うち一人が擬態を解き、すれ違いざまに
人間を一人丸呑みしようとしていた。
「疾風！」
凄まじい健脚で一気に飛び降り、そのイグジスターを薙ぎ斬る。
破片が飛び散り、凄まじい勢いで市民が怯む。
「あまり出歩くな、そこの民間人！
　今がどういう時か分かっているか！？」
「分かっているさ、獲物が来たことぐらいな！」
なんとその市民もイグジスターだったのだ。
擬態を解き、マリーに襲いかかるが、
後から続くエナのソーサーがそのイグジスターを切り裂いた。
「危なかったですね……」
「ふん、これしきの事態は脅威とは言えんな」
礼も言わず、マリーは槍を収める。

すると、街中から悲鳴が聞こえてくる。
また市民が一人、丸呑みにされたのだ。
一瞬にしてその市民に擬態し、イグジスターは獲物を探し出す。
この方法で何千人も既に人間が葬られている。
まさに醜悪という他無かった。
「とんでもない事になっていますね……」
「ああ。だが我等の目の前で好きにはさせん」
「……とは言うもののどうしましょうか。
　適当に斬り散らして人間だった日には目も当てられませんし」
更に後ろからウォルフ王子が来て語りかける。
エリックやレオナ、ポメも一緒だ。

「……？　いつの間に……」
すると、そこにクロカゲが現れた。ビルの壁に、真横に張り付いている。
「……カイト、いる場所……案内する」
「分かった、行こう」
エリックはグロフィスの入った檻を引きずったまま応答する。
他の者もそれに続き、クロカゲの先導に従う。

少し歩くと、公園のような場所に到達した。
するといるわいるわ、人だかりである。生き残りが集められたようだ。
「カイトさん！」
レオナが呼びかけると、カイトはにこやかに応じる。
「やあ、来たね。今から人間を隔離にかかるところさ」
「隔離？」
エリックが訝る。
「君達も見ただろう？　誰が人間で誰が擬態イグジスターかも
　定かではない状態だ。ここにいる生き残りはそこそこ多いが、
　これから一人ずつ、全員を隔離しようと思う」
カイトは、わざと民衆に聞こえるように言った。
「そういう事ですか……やって下さい」
あっさりウォルフ王子が了承したため、
市民が軽くブーイングを飛ばすが、王子はそれを無視した。
「今から全員、我々の用意した完全密閉カプセルに入ってもらう。
　拒否した場合はイグジスターと見なし、問答無用で攻撃するよ。
　中に入った場合は、徐々に酸素濃度を下げ、一度失神してもらう。
　この条件下で意識レベルが保っていられる者は、
　少なくとも人間ではないと見させてもらうから、覚悟してね」
つまりイグジスターに選択の余地を残さないのだ。
少々非人道的だが、毒をもって毒を制しなければ
この状況での識別は困難なのであろう。
そう思ってエナも反論したい気持ちをグッと抑えた。

と思っていたら、いきなり一部の市民が暴れ出す。
「そそ、そんなふざけた事いちいちやっていられるかぁー！」
「そうだそうだー！」
とかもっともな事を言い出すかと思えば、
炙り出しのプレッシャーに耐えかねていきなりボロを出した。
集まった市民の実に半数近い数が、擬態を解除し、
イグジスターとして他の市民を丸呑みにしようとしたのだ。

「レオナ君！」
「あいさ！」
レオナが勇者軍以外の無差別広範囲において
ジャミング・ナノ・マシンを展開。
イグジスターどころか市民まで前後不覚に陥り、
ふらふらと動き始める。それが幸いして、
イグジスターの捕食攻撃はまったく命中しなくなった。
「後は言わなくても分かるよね？」
「おう……やってやる！　ダークキャノン！！」
エリックの攻撃魔法がイグジスターを早速撃破。
それを口火に、全員が一気にイグジスターを撃滅しにかかる。
まともに動く事もままならないイグジスターを一方的に殲滅し、
ウォルフ王子の指揮力もあってか、効率的に敵を駆逐する。
特に多くの敵を屠っているのは脚力自慢のレオナだった。
二本の槍でまったく違う敵を攻撃し、二倍のスピードで駆逐する。
「こうも簡単にボロを出すとは思わなかったな。
　少々拍子抜けしたぐらいだよ……愚物だね」
最後の一匹を冷徹に鎌で切り裂くカイト。
ちなみにクロカゲはうっかりイグジスターの攻撃が当たらないように
市民を投げたり押したり、色々していたらしい。

「ふう、これで片付いたな。じゃあ市民をシェルターに」
カイトはあっさり言うと、未だふらふらしている市民を
押し込めるように、半ば強引にシェルターに放り込んだ。
レオナ曰く、ナノ・マシンはあと五分ほどで切れるだろうとのことなので、
おおむね完全勝利と言っても良かった。
馬鹿なイグジスターを炙り出し、ふるいにかける事に成功した。
「カイト、その拷問カプセル、本当にそんな機能があるのか？」
「ん？　無いよそんなの。だってこれ潜水カプセルだし。
　深海の様子を有人で見るためだけに設計されたものだからね。
　機密性と頑強さは凄いから、確かに密室には出来るけどもね」
「……ハッタリか……」
呆れ帰って開いた口も塞がらないマリー。
「識別装置も無い以上、これは完全に賭けでしたからね。
　全員まとめてシェルターに放り込んで全員丸呑みされるより、
　一応マシってぐらいのレベルでしかありませんが」
「この腹黒め」
最大の賞賛をしてから嘆息し直すマリー。
「だけどこれでイグジスター識別の困難さと、
　識別装置の重要性と必要性が露呈しただけになったね。
　アンリ姫とか世界の技術者にも頑張ってもらわないと……」
カイトも嘆息する。己が策士としての限界を嘆いているのだ。

するとクロカゲはウォルフ王子に語りかけた。
「我、任務成功……次、どうする？」
「我々にそのまま合流でいいと思いますよ。
　で、我々主力部隊は急いでこっちに向かっていると主張する
　ローザさんを待って、ロブの救出に向かいます」
「分かった……！」
クロカゲは後ろの方へ引っ込んでいく。
「カイトさんもそれでよろしいですか？」
「ああ。隊長並の人間が二人もいるなら持久戦に持ち込めるだろう。
　こっちが態勢を整えなくては話にならないからね。待とう」
「ローザさん、急いで……！」
必死にローザの速い到着を、一人祈るエナであった。
そのエナを激励するように、ポメは甘噛みを繰り返した。

----

＜[[第十六章－第一幕－&gt;勇者の館SideR/第十六章/－第一幕－]]へ続く＞    </description>
    <dc:date>2012-03-19T21:17:56+09:00</dc:date>
  </item>
    <item rdf:about="http://www15.atwiki.jp/houseofhero/pages/3173.html">
    <title>勇者の館SideR/第十三章/－第三幕－</title>
    <link>http://www15.atwiki.jp/houseofhero/pages/3173.html</link>
    <description>
      *第十三章－第三幕－　そして毒は、猛毒へと化す

[[第十三章－第二幕－&gt;勇者の館SideR/第十三章/－第二幕－]]
[[第十四章－第一幕－&gt;勇者の館SideR/第十四章/－第一幕－]]

----

エリックがイグジスター擬態嫌疑のある長男、グロフィスを連れて
アーム城に駆け込んできた事によって、
アーム城内は一気に緊張感を高める。
急遽特注で車輪の付いた出来る檻付きの隔離用荷台を用意し、
未だあどけなさを残すグロフィスを完全隔離するに至った。

もしこれがまともな人間なら人道的に問題があるし、
本人にもトラウマになるかもしれない。だがイグジスターは
そんな生温い事を言っていては
もっと多くの人間を殺傷する危険がある。
その嫌疑がかかっているのに、
むざむざと外に出すわけにはいかなかった。
「ごめんな、ロフ。もうちょっと我慢してろよ。
　お前は、今外に出ると危ないから、ここで我慢するんだ」
「？」
理解していないような顔ではあるが、父親を信頼しているのか、
納得したような顔で、しかしつまらなそうに同意する。
遊び盛りだ、無理も無かろう。
ただし、まともな生き物であればの話だが。
流石にこの扱いにはたまりかねて、エリックも陳情する。
「王子、ロフの扱いはどうにかならんか？
　俺達はいいが、他所の連中に見つかると
　要らんバッシングを受けるぞ」
「言いたい人達には言わせておけばいいのです。
　それともあなたは、むざむざ私の部下や自分の部下を
　危険に晒しておけと？　これは最大限の譲歩です」
「分かっている……分かっているが……！」
「落ち着いてください、エリックさん。
　そのような調子では、彼がもしイグジスターだった場合、
　自らの手で討ち取る事など出来ませんよ？」
「俺に直接……手を下せと、敢えて言うのか？」
「親ならそうありたいと望むものではないのですか？
　そう決心したからこそ、危険を顧みず、
　自らの胸に抱いてここまで連れてきたのでしょう？」
「……それはそうだ……が……！」
苛立つエリックに、エナはたまらずオロオロする。
「分かっている。俺より王子の方がよほど冷静だ。従おう」
「流石の自制心ですが、情に流されすぎないよう、お願いします。
　人目につく時は、場所を移しておくしかないでしょう」
「ああ……！」
二人の間で話がまとまったので、ようやくほっとしたエナ。

ピピピピピピピ！

するとそのタイミングで、甲高い電子音が聞こえる。
ホットラインが稼動しているのだ。
国賓級の相手から通信がかかってきた事になる。
ウォルフ王子がストレスに疲れた顔のまま、応じた。
「こちらアーム城のウォルフです。どちらで？」
『わらわじゃ！　アンリなのじゃ！　王子、無事か！？』
溌剌とした少女の声が聞こえる。
元シャンゼリー王国王女、アンリエッタ＝スターリィフィールド姫。
勇者軍メインメンバーであり、頼りになるメカニックでもある。
「おお、アンリ姫！　元気そうで何よりです。
　私やエナ、エリックさんは無事ですが……エリックさんの子は……」
『……残念な話なのじゃ。それにロブは……』
「ええ、捕らわれています。エリックさんの子に比べれば、
　クロカゲさんも捜索に動いてくれていますし、
　様々な状況から、まだ楽観的な状態だと見ています。
　なので、そちらはロバート本人の決断に任せます」
『ウォルフ王子、大変なのじゃな。声が疲れておるぞ』
「ええ、流石に少し……エリックさん？」
「俺に応対させてくれ！　エナ、映像も出せ！」
「は、はい！」
慣れない手付きで映像も出力させる。
互いのモニタにお互いの姿が映る。
アンリ姫の後ろにはメゴ＝アイゼンカグラ副官の姿もあった。
『どうしたのじゃ、エリック殿』
すると、モニタの前に土下座するエリック。
「すまない、アンリ姫。我が生涯最大の頼みになりかねん！
　重責とは思うが、俺の頼みを……どうか聞いてくれ！」
『……申してみよ』
「アンリ姫からもイグジスター識別装置の開発を頼む！
　アンリ姫の技量や技術を見込んでの頼みだ、
　そして俺に、グロフィスに引導を渡すかどうかの
　決断を後押しする手伝いを、その腕で手伝ってくれ！
　頼む！　どうか頼む！　この通りだ……ッ！！」
ガンガンと床に頭を打ち付けて懇願する。
『エリック殿……』
見ていられない、という面持ちだったが、
自分も仇敵を討つのに助けてもらった経緯もある。
決断は即座に近いものであった。
『分かったのじゃ、エリック殿！
　我が技術が今役に立つのならやってみようではないか！
　ツレの覚悟が分かった以上、わらわも覚悟を決めるのじゃ！
　だがもし、自らの手で子を討つのが辛ければ、
　わらわに頼っても良いのじゃぞ、エリック殿？』
「もしその時はそれには及ばん！
　自らの覚悟は自らで責任を取るまでの事！
　我が妻もそれを承知しておる故に！」
『よく言ったのじゃ！　それでこそわらわのツレなのじゃ！』
むしろ快活とした表情でアンリ姫は言う。
「もういいですか、エリックさん？」
「あ、ああ。王子、すまない」
エリックは受け入れてもらえた事に満足し、素直に退く。

だが、話はそれで終わりではなかった。
「アイゼンカグラさん、いいですか？」
「はい」
仕事をやめて、アイゼンカグラは姿を前に出す。
「あなたの現在の仕事は？」
「知っているのに訊くのね、悪趣味な人。
　王族のくせに趣味が悪いとか、どうかと思う」
相変わらずの毒舌である。
「アンリ姫の護衛ですよね……確認したまでの事です。
　あなたは既にダイギン共和国の重臣ではありますが、
　アンリ姫と行動してもらうなら、勇者軍に参入する方が
　都合がいいかと思われます。この際なので、どうです？」
「何度も言わせないで。分かっている事を訊くな、と。
　姫がここにいる以上、是があっても非などあり得ない。
　それが私の忠よ。好きにしたらいいわ。このボンボン」
「は、はい。では、そのように……」
自分に向けられるとは思っていなかったその毒舌ぶりに
少々冷や汗をたらしつつ、なんとか笑顔で応じるウォルフ王子。

『おお、そう言えばエナはおるかの？』
と、ずずいと前に出てアイゼンカグラを押しのけるアンリ姫。
「あ、はい。ここに！」
慌てて前に出てくるエナ。
『ロブがおらぬでも気を落とすでないぞ？
　わらわが、そちの味方をしてやる故にな？』
「き、気落ちなどしていません！」
慌てて顔を真赤にして全否定するが、意味が無い。
『照れずとも良い。わらわに反逆の意思が芽生えたように、
　そちにも絶対反逆の魂が既に根付いておるのじゃ。
　そちはロブの愛弟子であろう？　自信を持たれよ！』
「反逆の魂……」
『わらわもそちも、ロバートの毒が感染したのじゃ。
　もしやと思うが、マリーはもっと早くそうかもしれぬし、
　捕らわれた先でも、誰かを毒にかけておるかもしれぬぞ？
　痛快な事ではなかろうか？　のう、エナ？』
「はい……」
曇りがちだったエナの顔に生気がじわじわと戻る。
それを見て、飼い猫のポメもどことなく嬉しそうだ。
『どこの誰がわらわ達の隊長殿を連れ去ったのか知らぬが、
　人類史上最強の私設軍筆頭にして、
　勇気と、技と、機智との象徴、
　絶対勝利かつ絶対反逆の勇者である、
　ロブの反逆の意思が屈服するはずがないと、
　五臓六腑から臍下丹田に至るまで、
　まんべんなく思い知らせてやろうぞ！　壮絶にな！』
「ええ……壮絶なる反逆を、私達の手で！」
恐ろしく物騒な言葉を吐きながら結束を高めるエナとアンリ姫。
同じ人間に救われた境遇が、彼女達の信頼を高めていた。

ロバートの反逆と、エナの反逆。
二つの反逆が、少しずつ再び交わろうとしていた。
それはか細いながらも、実は恐ろしく強い蜘蛛の糸のようであった。

----

＜[[第十四章－第一幕－&gt;勇者の館SideR/第十四章/－第一幕－]]へ続く＞    </description>
    <dc:date>2012-03-19T21:01:20+09:00</dc:date>
  </item>
    <item rdf:about="http://www15.atwiki.jp/houseofhero/pages/3172.html">
    <title>勇者の館SideR/第十三章/－第二幕－</title>
    <link>http://www15.atwiki.jp/houseofhero/pages/3172.html</link>
    <description>
      *第十三章－第二幕－　ロバートの毒

[[第十三章－第一幕－&gt;勇者の館SideR/第十三章/－第一幕－]]
[[第十三章－第三幕－&gt;勇者の館SideR/第十三章/－第三幕－]]

----

過剰な程の血の匂いに動揺し、またイノの人柄に触れたロバートは、
イノがまだ正気でいられるうちに反逆を煽動し、
二人で脱走する算段を図るため、イノの心に揺さぶりをかけ始めた。
だが、魔神王教団の内部刺客が、ロバートを襲ったのだ。
イノにかわばれ回避したが、戦闘は不可避となったのであった。 
「ふぅぅぅぅ……ふぅぅぅぅ……！」
異様に息が荒いサキ。まともな状態ではない。
目が血走っていたり、いきなり汗だくなのもおかしい。
「サキ！　彼は教皇が決めた幹部候補生よ！　やめなさい！」
「殺す……殺す……死ねッ！」
「サキ！」
制止しようとしたが、サキはイノを無視して
ロバートの前に躍り出る。
「うおッ！？」
「しゃあああッ！」
サキが鎌を振り回す。ロバートはかろうじて手甲で受けた。
「このッ！」
ロバートは空いている利き腕で銃を抜き、
ゼロ距離から即、射殺の構えを見せる。
警告のつもりだったが、これにはイノが過剰に反応する。
「ロバートもやめなさい！　サキは欠くべからざる人物よ！
　どっちも死んだり殺したりとか、そういうのは無し！」
「俺に言うな！　こいつに言えよ！」
ギリギリと押し込まれそうになりながらロバートは抗弁する。
話をしていただけなのに殺されてはたまったものではない。
「サキ！　やめなさいって言ってるでしょ！　教皇に報告するよ！？」
「がぁぁぁぁぁッ！」
聞く耳持たず、といった感じで攻撃を続けるサキ。
「ちいッ！」
強引にパワーでサキを押しのけるロバートだが、
退きざまにサキは鎌に付いた鎖を投げつける。
先端にはトゲ付きのハンマーだ。
「また変な武器を！」

バン！　ギィン！！

銃でハンマーの軌道を逸らす。
マグナム銃でなければ無理だっただろう。
「しょうがない……共同戦線ね。ロバート、いい？
　二人がかりで失神させる。出来ないとは言わせない」
「それなら乗った！」
イノがロバートに加勢し、一気に有利となった。
すると、サキはイノさえも敵対勢力と見なしたか、
急にターゲットをイノに変更してきた。
「サキ！？」
「がぁぁッ！」
イノは速やかに斧の刃を外して盾代わりに使う。
柄は砲身と化し、片手で精密射撃を行う。
「ごめんなさい、サキ！」

ばごん！

ゼロ距離砲撃だったが、サキも流石のもので、
鎖鎌のハンマーの部分で砲弾を叩き潰した。
が、その後の動きに精彩を欠いている。
荒っぽいだけの、直線的な動き、
イノも、ロバートも難なく回避し続ける。
「いい加減にしやがれッ！」
ロバートは地面を蹴り大ジャンプ。
直後態勢を入れ替え、壁から天井へ、天井から真下へジャンプ。
一気にサキを叩きのめそうというのだ。
「うぅぅぅぅ！」
防御と回避に関しては凄まじい執念を見せるサキ。
攻撃の時とは打って変わって凄まじい反応速度で回避する。
が、イノがその後ろに回り込んでいる。

「そこまでよ」
がすっ！
人体急所である首筋に手刀を叩き込む。
「がはっ！」
サキは一瞬気を失ったかと思いきや、更に抵抗してくる。
「……お仕置き！」
やむなくイノはもう一撃手刀を叩き込む。
すると気を失い、ようやく大人しくなった。
目を確認しても、先程の異常な感じはなくなっており、
手で開いても血走ったりしている様子は無い。
正常に戻った、と見るべきだろうか。

「ふう、落ち着いたかしら」
と、イノは一息つく。
「いいコンビネーションだったんじゃないかしら？
　案外、上手くやっていけそうだと思うんだけど？」
イノが素直にロバートを誉めるが、ロバートは素直には同意しかねた。
既にロバートの頭は彼女を保護し、
脱走する算段を立て始めているからだ。
「……私にはあなたの言う事がなんとなく分かる気がする。
　けれど、私はこの組織で育ち、
　この組織で生きる人間なのかもしれない。
　今はどうするかとか、何をするべきかも、よく分からない。
　いずれこの組織が消える運命だとして、それに殉じるべきなのか、
　それとも自分が成すべき事を新たに見つけて生きるべきなのかも、
　まだ、何も知らない、分からない……だから今はこのまま……」
イノは己の境遇が異常である事を自覚し、自嘲した。
「あなたの言う事は広義では反逆罪に当たるのかもしれない。
　だから過剰反応はともかく、サキも襲ってきたのかもしれない。
　けれど、私にはあなたを咎める気にもなれない。
　……ごめんなさい、ロバート。今はこれで満足して欲しい」
「……ああ……慌てる必要は無い。そのぐらいなら待ってやる。
　どの道対イグジスター戦をするという立場においては、
　結局俺の立場は勇者軍だろうとここだろうと、変わらん」
「……そうね。あなたはたぶん、そういう人なんだと思う。
　けれど、だとしたら私は……恐らく、より一層惨めね」
「……そうだな」
「否定はしないのね？」
「俺から見れば事実だ」
「……ええ」
イノは沈鬱な表情をするが、ロバートはそれを見守る。
それがまるで、己が反逆の姿の具現であるかの如く。

回る回る、ロバートの毒が回る。そう、反逆の毒が。
その毒は以前はエナに、そして今はイノに回ろうとしている――

----

＜[[第十三章－第三幕－&gt;勇者の館SideR/第十三章/－第三幕－]]へ続く＞    </description>
    <dc:date>2012-03-19T21:00:49+09:00</dc:date>
  </item>
    <item rdf:about="http://www15.atwiki.jp/houseofhero/pages/3171.html">
    <title>勇者の館SideR/第十三章/－第一幕－</title>
    <link>http://www15.atwiki.jp/houseofhero/pages/3171.html</link>
    <description>
      *第十三章－第一幕－　反逆が目を覚ます

[[第十二章－第三幕－&gt;勇者の館SideR/第十二章/－第三幕－]]
[[第十三章－第二幕－&gt;勇者の館SideR/第十三章/－第二幕－]]

----

エナが駆け込み、エリックが苦悩していた頃、
魔神王教団に仮入信し、幹部候補生となった
ロバート＝ストレンジャーは、幹部である
教皇親衛隊長イノ＝ヘレティックの案内を受けていた。 
「……宗教集団だって言うから、俺はてっきり
　定期的に祈りを捧げたりとか、教本を読んだりすんのかと思ったが」
ロバートはひとしきり施設の中身を見て回ったが、
特に目についたのは教室らしき部屋ぐらいであった。
あとは居住区や電算室が大半で、
およそ宗教結社という印象からは程遠い。
「魔神王教団唯一の教義は魔神王復活の積極的促進と、
　復活後の被支配を受ける事。そのためだけの組織よ。
　それとも、銅像や焚き火をする場所でもあると思ったの？」
「おう、思ってた」
景気良く笑うロバート。
「そんな事したら目立つでしょ？　いくら地下に施設を作っても
　そういう事したら、外部にバレてしまうわ……」
「バレるのが怖いって事はやましい事してる自覚はあんだな？」
「！」
ズバリと指摘するロバートに、イノはびっくりする。
まるで初めてその事実に気付いたかのように。
「な、何言ってるの？　わ、私は教皇に育てられて……
　そ、その恩返しをしないといけなくて、だから……！」
「嘘だな。貴様の心がそれを望んでいない。
　自らの心の向くモノを吐き出せ。
　それが貴様のためになるだろう」
「……！　そうやってからかって……嫌いよ！」
顔を真赤にして否定する。それしか知らないからだ。
「そうかい。まあこれからしばらく世話になるんだ。
　ま、仲良くやろうや……ククク……」
含み笑いをしてイノの頭を撫でる。
これではどちらが先輩か分かったものではない。

そして二人で歩いていると、一枚のドアが見えた。
「お、ここは案内してもらってねぇ……な？」
違和感にすぐロバートは黙る。
鼻を動かし、匂いを嗅ぐ。
ロバートは、ドアを開けようとするが、イノが制止する。
「開けない方がいい。私は慣れてるけど、
　今のあなたが見たら正気を失いかねない。
　幹部候補生になるあなたは、そんな目に遭わせられない」
「開けなくたって分かるに決まってるだろうが……！
　これは血の匂い……何の血かも大体分かる……！！」
ロバートはイノの胸ぐらを掴み上げ、
血走った目でイノを睨み据える。
「言え……ここには何人分の死体がある？
　これは貴様がやったのか！」
「数えられない。多すぎるもの。
　知っているのは定期的に増えたり減ったりするという事だけ。
　それに詳しく知らない方がいい。そうなれば私は、
　あなたを全力で押さえ込まなければならなくなる。
　お願いだから、私にそれをさせないで。
　あと、この仕事は私の管轄外なの……」
「……そうかよ」
それだけ言うと、ロバートはイノを降ろした。

ロバートは降って早々、ここに至って早くも決心した。
イノはまだ正気だ。彼女をこの教団から引き剥がして
保護する必要性が、何としてでも、ある。
この狂気の場所で、かろうじて正気を保っている彼女を
そのままにしておいていい理由は何一つ無かった。
ロバートは隙を見て脱走するだけのつもりだったが、
彼女を巻き込んで、となると難易度が大幅に跳ね上がる。
しばらく様子を見なくてはならないだろう。
彼女を説得するにも時間がかかりそうだ。
色々と熟考し、ロバートは押し黙ってしまった。

（イノ＝ヘレティック。こいつはここにいちゃいけねぇ。
　外の世界を知り、ここから離れなきゃいけねぇ存在だ。
　そのためには反逆だ、反逆しかねぇんだ……！！）
反逆の息吹を吐く男が覚醒しつつあった。
絶対反逆の精神が目を覚ましつつあったのだ。
だが、さりげなくも、他者から見たらあからさまに
イノを糾弾するロバートに対し、殺意が向けられている事に、
迂闊にもロバート本人は気が付いていなかった。

物陰では、息を荒げつつ武器を構えている少女が一人。
魔神王教団の内部粛清の渦が、ロバートを巻き込もうとしていた。
「反逆容疑者…………死ね！」
物陰より躍り出るサキ＝ボラッシュ。
「危ない！」
「うおッ！？」
どんッ！
鎌による一撃が叩き込まれる前に、イノはロバートを突き飛ばし、
何とか両者とも難を逃れた。

「ってぇ……何すんだオラぁッ！」
ロバートはイノを押しのけ、銃を抜き応戦の構えを取った。
サキもまた、鎌を構えて、いつでも飛びかかれる態勢に入った。
一触即発の雰囲気が、イノにプレッシャーを与えつつあった……

----

＜[[第十三章－第二幕－&gt;勇者の館SideR/第十三章/－第二幕－]]へ続く＞    </description>
    <dc:date>2012-03-19T20:58:57+09:00</dc:date>
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