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    <title>勇者の館データベース @Wiki</title>
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    <description>勇者の館データベース @Wiki</description>

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    <title>勇者の館SideＧ/第３部序章/－第二幕－</title>
    <link>http://www15.atwiki.jp/houseofhero/pages/3040.html</link>
    <description>
      *第３部序章－第二幕－　人の運命は一期一会


[[第３部序章－第一幕－&gt;勇者の館SideＧ/第３部序章/－第一幕－]]
[[第３部序章－第三幕－&gt;勇者の館SideＧ/第３部序章/－第三幕－]]

----

バスク＝ランドルフはアーム城から自宅への帰路へと着いていた。
しかし、立ち寄ったロクに名前も知らない村で、
彼は運悪く豪雨の直撃をもらっていた。
挙句、傘も持っていなければレインコートも着ていない。
そもそも天気予報を見ていないので雨など予想出来ていなかったのだ。 
そんな不運なバスクは、とりあえず傘を売っていそうな所を見渡したが、
相当な田舎町、もとい村だ。商店の一つもロクに無さそうだった。
人ごみを嫌ってこんな所を通過する己の愚を呪う彼であったが、
たまたま発見した廃バス亭の雨除けスペースに座る事にした。
「ふう……運が悪いな。
　食事する店も無いから一休みもロクに出来ない。
　なあ、ヴィッセル。お前も濡れるの嫌だもんな？」
「ぶるるっ」
全面同意、と言わんばかりにひと鳴きする愛馬のヴィッセル。

ざぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ…………！

更に大きな音を立てて豪快に雨が強くなってきた。
もはや地面はまともに見えず、軽く脛ほども水浸しだ。
この状況が長く続けば、民家で床下浸水が発生するかもしれない。
だとすれば、これ以上の長居は無用ではあるまいか、
と内心でバスクが悩み始めたところで、男女の姿が見える。
しかも騎乗している……あれは――
「あのー！　確か隊長の妹さん、でしたっけ？」
「？」
雨で視界も悪い上に一頭の馬に二人乗りなので、
男女は訝り、バスクへと近寄ってきた。
何故か男の方はギプスを巻いている。足でも折ったのだろうか。
「あなた……は？　勇者軍の人。そうなのね？」
「あ、ええまあ、はい。分かるんですか？」
「シエル。失礼ではないか？」
男の方が嗜めるように言ってくる。
「ごめんなさい。私はシエル＝ラネージュ。
　この人はジーク＝ルーンヴィッツァー」
「エスパーなのだ、彼女はな。だから、分かる」
「あ、聞いてます。僕はバスク＝ランドルフ。
　今から家に帰るところですけど、そちらは？」
「随分と会っていないからね。お兄ちゃんに会いに行くの。
　確か方角は一緒でしょう？　どうせなら随伴してみる？
　こっち、傘は二本あるけど……どう？」
「あ、じゃあ馬にはちょっと無理をさせちゃいますけど、
　早くここの村を離れようと思います、是非一緒に」
そう言ってバスクは立ち上がり、傘を受け取るべく、
ジークとシエルの方へ、一人近寄る。
ばしゃばしゃとうるさい水音を立て、歩くバスク。

だが、刹那――

「がぼっ！？」
どぼんッ！！
凄まじい速度でバスクの体が地面の下へと消えていく。
「ひひぃぃん！！」
愛馬ヴィッセルが主人を心配し、消えた地点へ踏み込む。
がぼんッ！！
しかしヴィッセルも前足だけ地面の下に沈んだ。
「バスク！？　どこへ消えたの！　バスク！」
慌ててシエルはジークの愛馬、エンテより降りて周囲を調べる。
「待て、シエル！　バスクの消えた地点は危険だ。
　私の不運はいつもの事だが、今回は近くにいたことで
　たまたまバスクが巻き込まれてしまったのだろう」
「何言ってるの！　早く助けないと！」
「気付かないか？　マンホールだ。蓋が外れているようだな。
　それで、端末で彼の生命反応を追っている」
「……いつの間に？」
「不運は慣れていると言った。肩代わりしてもらったに等しい。
　後で彼には何か奢ってやらんといかんだろう。
　それにほら、端末の反応を見るといい」
「ん？」
シエルはジークの端末を覗き込む。
「これは……」
端末ではＸ線検査機か何かを通すかのごとく、
サーモグラフ映像的な人型の何かが、器用に立ち泳ぎで凌いでいた。
状況と形状と位置関係を考えれば、バスクに違いないだろう。
下水道に流されまくっているが、
実にタフな事にまったく無事なようだ。
正直それを見て、シエルはホッとするより呆れてしまった。
何故ならそれに似た光景を以前に見たからだ。デジャヴと言っていい。
「まあ、大丈夫ならいいんだけどね……」
「ほどなく、とは言わんが、雨がやみ次第自力で出てくるだろう。
　確か親族がいるはずだ。その人に連絡しておけばいいだろう。
　研究部だったか？　そこを経由させておいてくれ、シエル」
「はいはい……ジークの肩代わりだなんて、不運な子」
ぼやきながらも、とりあえず研究部に連絡を入れるシエルだった。
その一方で寂しそうな愛馬ヴィッセルの治療も忘れてはいない辺りが、
彼女の美徳であるのだろう、となんとなくジークは思うのだった。

一方、その頃バスクはと言うと……
「ふんぬ、ふんぬ、ふんぬ、ふんぬっ！」
気合を入れて強引な力任せの立ち泳ぎの最中だった。
もう即時合流は不可能なのは分かっていた。
水の勢いで相当の距離を流されている上に、
別のマンホールから外に出ようとしても、
上から上から水が降ってきているので、
人間技で地上に出るなどもちろん無理だったし、
下水道を破壊して、というのは尚更論外である。
かくなる上はいっそ海から外に出るか、
かなり遠くまで走ってからマンホールから外に出るかしか無かった。
食料も無いのにいつ、やむか分からない雨の終わりを待つほど
バスクは人間が出来ていないし、余裕も無いのだった。
家族にロクに連絡も入れないままだったし、
そのまま死ぬなど論外にも程がある。
「ふぬーがばばばばべばば！！」
一瞬、水の勢いに飲まれそうになったが、再び脚力だけで凌ぐ。
普段からアホのように脚力を鍛えていたのが幸いしていた。
とはいえ、そう何時間も流されて無事な保証などどこにもない。
体力に余裕があるうちに、打開策を取らなければならないだろう。

「おっと、なんだこりゃ？　生き物か？」
ひょいっ、と棒に引っ掛けられてバスクは釣り上げられた。
（こんな所に……人！？）
咳き込みながらもバスクは驚いて自らを棒で釣り上げた主を見た。
「うわっ、亀！？」
人型の巨大な亀が棒でこちらを釣り上げていたのだ。
「亀とは失礼な。いや確かに亜人族だが」
「亜人族？」
亜人族――デミ・ヒューマンと呼ばれる半人半獣の種族である。
どの生物も遺伝子の大半が人間に準じている事からそう呼ばれるが、
こんな亀の亜人の話は、バスクも聞いた事が無かった。
まして、文献や資料でも見た事がない。
「まあ、マイナーだからね。ウェアタートルってんだけど、
　知らなくて当然かもしれないね。普通人間の前には姿を見せないし」
「はあ。とにかく助けてくれてありがとうございます」
「いやいや。君は筋がいい。普通の人間ならとっくに死んでる。
　なんか知らないけど只者じゃないみたいだね」
「ええまあ、一応勇者軍メンバーですからね」
「なるほど、君があの勇者軍のメンバーかい。こりゃ光栄だ」
「バスク＝ランドルフです。あなたは？」
「……」
急に黙り込む亀の亜人族。
「あの、何か悪いこと言いました？」
「ああ、いや特に問題は無いんだが、本名はあんまり
　おおっぴらに公表したくなくてね。じゃあ仮名でいいかな。
　Ｄタートルとでも呼んでくれればいいよ。他にも
　Ｌタートル、Ｒタートル、Ｍタートルっていう仲間がいて、
　一緒に下水道に居住空間を作って生活してるんだ。今出張中だけど」
「こんな下水道にねぇ。物好きな……」
「はは。我々だって好きでこんなトコ住んでないよ。
　それに慣れると意外に悪臭とかどうでも良かったりするしね。
　雨がやむまでは僕等の家にいたらいいと思うよ」
「こんなトコに家持ってる人も初めて見ましたけど、
　お世話になります。よろしく、Ｄタートルさん」
「はは、任せておいて」

かくて、地下道を歩き出す二人。
ほどなく部屋と呼んでいい空間に出た。
意外と中は広く、何故か家電製品がごちゃごちゃと並んでいる。
正直、そこらのアパートよりよほど快適そうではあった。
「うわあ。これ無断ですか？」
「そう。電気も勝手に引っ張ってきて。僕、得意なのよね」
と、どや顔でリアクションするＤタートル。
「メカいじり、好きなんですか？」
「うん、そういうの僕の担当だし」
Ｄタートルは冷蔵庫から冷えたミルクを取り出した。
「飲むといいよ。服も乾燥機使っていいから」
「あ、はい。ありがとうございます」
バスクが礼を言ったところで、Ｄタートルはバスクの武器に気付いた。
「棒？　君も棒術か何かを使うのかい？」
「ええ、まあ。普段は騎士としてですので、
　派手な動きもしませんが、一応これを専門に戦っています」
「ふむ、伸び代がありそうだね。僕が一つ技を教えてあげようか？」
「えっ、いいんですか？」
「うん、これも一つの縁だからね。それにどこかで自分の使う技を
　別の誰かが使ってくれるのは、案外嬉しいと思うしね。
　それに馬に乗れない時の保険も必要だろ？　どうだい？」
「是非！　もっと強くなりたいんです！」
「ああ。そうするといいよ。でもＬタートル達には内緒だぜ？」
「はい！」
「服が乾いたらトレーニングルームへ行こう。そこで訓練だ」
Ｄタートルはそう言うと、電子レンジから取り出したピザを
美味そうにつまんだ。どこで入手したかは知らないが、
実に優雅な事であった。周囲の悪臭を除けば、だが。

バスク＝ランドルフ軍曹。１４歳になったばかり。
一人だけ成長の行き遅れていた彼は、
今ようやく師と仰いでいい人物と出会い、
そして人知れず新たな境地。即ち『奥技』へと導かれるべく、
その伸び代を一期一会の運命の中、
静かに引き出されようとしていたのだった。
まるで、それが最初から決まっていたかのように――

----

＜[[第３部序章－第三幕－&gt;勇者の館SideＧ/第３部序章/－第三幕－]]へ続く＞    </description>
    <dc:date>2012-02-14T02:20:55+09:00</dc:date>
  </item>
    <item rdf:about="http://www15.atwiki.jp/houseofhero/pages/2987.html">
    <title>ネイチャー・ファンダメンタル本部施設</title>
    <link>http://www15.atwiki.jp/houseofhero/pages/2987.html</link>
    <description>
      *ネイチャー・ファンダメンタル本部施設

[[妖精の森]]から実はそう遠くない位置にある
[[ネイチャー・ファンダメンタル]]の本部施設。

兵舎に始まり、責任者の私室や
[[マキナ&gt;デウス＝エクス＝マキナ]]の収容部屋、
果ては何故か牢獄まで完備しているようで、
主に東棟、西棟、中央棟で管理されている。

[[ルシェット＝イルチェッカ]]の手により管理されていたが、
[[ソニア＝メーベルヴァーゲン]]を拉致された事に
激怒した[[勇者軍主力部隊]]が、実に無茶な事に
問答無用で[[スチールボールボム]]を施設のド真ん中に
叩き込んだため、施設はほぼ半壊状態に陥って瓦礫の山と化し、
まともに使い物にならなくなり、後に解体されている。

ちなみに蛇足だが５階建てであり、収容人数は
数万人レベルという仮説が立てられていたようだ。    </description>
    <dc:date>2012-02-14T01:52:10+09:00</dc:date>
  </item>
    <item rdf:about="http://www15.atwiki.jp/houseofhero/pages/3091.html">
    <title>ドラゴンナイト</title>
    <link>http://www15.atwiki.jp/houseofhero/pages/3091.html</link>
    <description>
      *ドラゴンナイト

[[竜族]]に騎乗して戦闘する[[ナイト]]の亜種。
存在自体が非常に稀少であり、滅多に見かけるものではない。

ただしそれ相応に強力な兵種でもあり、
非常に強力な戦闘能力を保持している。    </description>
    <dc:date>2012-02-03T01:29:15+09:00</dc:date>
  </item>
    <item rdf:about="http://www15.atwiki.jp/houseofhero/pages/661.html">
    <title>勇者軍</title>
    <link>http://www15.atwiki.jp/houseofhero/pages/661.html</link>
    <description>
      *勇者軍

勇者軍は、宇宙歴３２５６年、[[ラルフ&gt;ラルフ＝ギル＝ザン＝アームⅠ世]]王の宣言によって
結成され、代々[[ストレンジャー家]]をリーダーとする
『自衛組織』である。行動理念は自分の大事なもの
（身内や住居を置いた町、もしくは勇者軍メンバー同士など）を
守るための組織であり、断じて世界防衛のための
組織では無い事を理解しなければならない。

なお、モラルを最大限までもっていくために
『自分の身内のみを守るという行為は
　最大のエゴイズムであり、それを成す自らは
　世界最大のエゴイストである事を自覚する義務を有する』。
という独自の理念をもって活動している。

既に１万年近い歴史を持ち、この部隊の活動を
絶対視するような風潮もあるが、本人達にとっては
大いに心外であり、噴飯ものであると言える。
その性質を知らない故のトラブルも数多いが、
単なる自衛組織でありながらも、二百人に満たない規模で、
ありとあらゆる軍事組織を警戒させるような
その実力にもある意味、問題があると言えなくはない。

ちなみに人類史上最強の私設軍を自称しているが、
基本はコストパフォーマンス無視の人員募集などで
量より質を極めた人員ばかりを集めていることが
主原因であり、経済感覚としては最悪の部類に入る。
これにハッタリと血筋と、スポンサーの力が加わって
危ういバランスで何とか体裁を保っている状態である。

また[[宇宙暦]]時代と[[銀河暦]]時代では、
義勇軍的な気質から自衛組織としての性質へ
多大に変貌しており、自衛組織としての枠を守りつつ、
互助を基本方針として活動している事が基幹にある。
ただし惑星レベルの危機に陥るや否や、
すぐに以前の体質が顔を出してしまうため、
その事を悪し様に非難したり嫌ったりする者も多い。    </description>
    <dc:date>2012-01-21T23:03:11+09:00</dc:date>
  </item>
    <item rdf:about="http://www15.atwiki.jp/houseofhero/pages/3085.html">
    <title>フィアナ＝マーベル</title>
    <link>http://www15.atwiki.jp/houseofhero/pages/3085.html</link>
    <description>
      *フィアナ＝マーベル

[[ザン共和王国民政部]]の議員。以前は冒険者をしていた。
劇中登場時にして２４歳、女性。
身長１６６ｃｍ、体重５３ｋｇ。茶髪のセミロングヘア。

[[アマゾネス]]という特殊なクラスに属している。
一人称は自分の名前。荒っぽい口調で喋るキャラなのだが、
何故か国民にはそれも個性として
受け入れられている辺り、得な性質である。

自然保護団体の名誉役員も兼務しており、
一部では[[ネイチャー・ファンダメンタル]]との関係も噂されるが、
本人としては黙して語らず。否定もしなければ肯定もしない。
曰く『言いたい者には言わせておきゃいい』だそうである。
[[ＦＳノア４９]]の存在に関しては臍を噛む思いで見ているが、
環境関連が専門という事もあり、解決策こそ求めているが、
自分単独の意思のみで何かを為す事は避けていた。

動物好きが高じて、ビーストテイマーという獣使いの資質を得るが、
それは極めて希少な資質であるため、近年は冒険者ギルドから
議員なぞやめてとっととウチへ来いというスカウトを断る事が多い。
（ただし劇中では残念ながら発揮する機会は無かった）
ある意味日課に近いとも言える、とは本人の談である。

なお、本来扱うのは[[自然生命族]]としての普通の動物ばかりであるが、
補助魔法をも使いこなし、[[遺伝子調整動物]]並みに戦えるように
援護するという優しさと戦術の巧みさが
同居した戦法も取ってみせる。

一方で雑然とした人ごみを嫌う傾向が強く、
休暇の大半をネイチャーゲームに当てているという奇特な人物。
[[アマゾネス]]としての技量も高く、違和感無く自然に溶け込む。
戦闘力も決して低い方ではなく、更に森林地帯以外でも
カメレオン並みの擬態能力で過ごすなど、凄まじい技量を誇る。
それらの能力で[[勇者軍]]を存分に苦しめる活躍を見せている。
しかし若干独りよがりなところがあり、
部下を足手纏いとして見るなど、
独善的な戦闘スタイルが目立つ部分もある。

彼女単体の性格としては理想主義の行き過ぎた人物。
それが度を越して欲深い人物と見られがちな事があるようだ。
総合的に言うなら排他的な性格であるが、
人間として問題のある所まではいかない。

ちなみに好物は海の幸、山の幸全般。
一方で普通の人間が主食とする
穀物類などを好まないという、
ちょっと人間離れした嗜好を持っている。    </description>
    <dc:date>2012-01-15T02:38:04+09:00</dc:date>
  </item>
    <item rdf:about="http://www15.atwiki.jp/houseofhero/pages/3155.html">
    <title>勇者の館SideR/第九章/－第三幕－</title>
    <link>http://www15.atwiki.jp/houseofhero/pages/3155.html</link>
    <description>
      *第九章－第三幕－　茨を剥く猛毒の徒花

[[第九章－第二幕－&gt;勇者の館SideR/第九章/－第二幕－]]
[[第九章－第四幕－&gt;勇者の館SideR/第九章/－第四幕－]]

----

シドミード王を駆逐した勇者軍主力部隊は、
とりあえずアイゼンカグラをアンリ姫の護衛として臨時に迎えつつ、
無理をさせぬように陣の後方に下がらせることから始めた。
あとは、自作自演の虚偽侵略たる象徴たる、
この空中戦艦『メガ・アルバトロス』を排除すれば
概ねの作戦目標は達成されうるかと思われていたのだが―― 
「敵を目の前に馴れ合いを続けていたか、所詮は温い生き物だ」
突如、アンバーナイトと思しき声が響く。
「出て来い、白虹騎士団！　いっそここで決着だ！」
ローザの怒号に反応し、アンバーナイトが降り立つ。
「まずは食事といこうか……傷を癒さねばならぬ故に」

がちゃん！

アンバーナイトは鎧を全てパージした。その中にいるのは、
ただ黒い液体のようで、固体のような何かだ。
まともな生き物でないのだけは確かだが、
その正体など確かめようもなかった。

その黒いゲル状の何かは、放置されていた
シドミード王を包み込むように覆い、そして包んで溶かす。
不気味な音が漂っており、人類の生理的嫌悪感を誘発させた。
「や……やめるのじゃ！　その人はそなた達が
　手を出してよい者ではない！　気高き王者だったのじゃ！！」
「王者だろうが庶民だろうが我々には関係ないことだ。
　全ての生命は、我等が食事の対象に過ぎぬのだからな」
止めようとする無茶なアンリ姫を、
何とかアイゼンカグラが懸命に阻止する。
今近付けば、巻き込まれかねないからだ。
更に、レッドナイトも降り立ってきた。
それに続き、残りの五名も次々と降りて、鎧をパージ。
アンバーナイトだった黒いモノと融合するように溶け合う。
更には切り離したはずの鎧そのものまで飲み込み、
白虹騎士団の全てが、シドミード王を溶かして一つに混ざる。

「き、気持ち悪い……！　私が、恐怖している？」
嫌悪感を催して、ウォルフ王子が呟く。
やがて全てが一体化した中から、真っ白な鎧が姿を現す。
意匠も豪華な、ホワイトの鎧だ。一部、シドミード王の
鎧の装飾が採用されており、風格すら感じさせた。
鎧は綺麗に人型を模り、その中に黒いモノ全てが入る。
「勇者軍主力部隊の力、まずは見事と認めるほかあるまい。
　だが末期形態＜ホワイトナイト＞を具現させた以上、
　貴様等人類に、敗北以外の道があると思うな……！
　この星の生態系もろとも、我が支配下に置かせてもらう！
　このメガ・アルバトロスはその役に立ててくれる！」
ホワイトナイトと名乗ったそれは、アンバーナイトが所持していた
可変武装マルチプルブリンガーを握り、エンジンの前に立つ。
すると、小馬鹿にしたようにアイゼンカグラが笑う。
「重臣気取りの上に支配者ぶって、何も知らないとは愚かな事ね」
「ただの秘書風情が何を笑うのか！」
「メガ・アルバトロスを支配の役に立てる？　無理だわ。
　ブリッジとエンジンは、確かに
　オーバースペックの戦艦のものだけれど、
　兵器プラントも、主砲も副砲も、
　銃座も各部砲門も、弾薬も対人兵器も、
　ライディング・アーマーもライディング・フレームも、
　ジャマーも格納庫の倉庫も、食料庫も運搬機材も全部ハリボテよ。
　艦載機はさっき出した分で全部だし、全てオートパイロット。
　人間なんて誰も乗ってないし、ブリッジのＣＯＣだって不可能だわ。
　こんな無駄な作戦に人命も費やせないから、人も乗っていないし」
ＣＯＣ――チェンジ・オブ・コントロールも不可能。
それは即ち、そもそもホワイトナイトが
この艦の掌握を出来ないという事だ。
「偉大なるシドミード王が、
　あなた達ごときの反逆に気付かないと思って？
　王は自らが死んだ先さえ見越して、私には、私にだけは
　その真意を明かしてくれていた。
　浅はかだとも内心思っていたけれど、
　これしきの事が予想できないで
　支配者気取りとは……駄犬の戯言ね。
　ついでに言わせてもらえば、私に取り入って信用を得たつもり？
　残念ながら、顔も本名も正体も明かさない怪しい相手を
　信用するほど、私は凡愚ではないと思って欲しいけれど……
　まあ、駄犬には無理……おっと、失言ね。犬に失礼だったわ。
　……それに、そもそも人間側がコントロール可能だった自爆装置は、
　王に託されて私が持っているもの。ほら、ここにね」
と、アイゼンカグラはこっそりと無線スイッチを取り出した。
「よせ、このような高価なものをむざむざと！
　この艦には貴様の愛する国民の血税が注ぎ込まれ――！！」

ぽちり。

制止しようとするホワイトナイトの声さえ
まともに聞かず、躊躇無くスイッチを押すアイゼンカグラ。
「悪いけど、私は躊躇はしない主義。見かけは立派だけど、
　この程度の艦が王の反逆の大義の前に、何だと言うの？
　阻止しようと思っても無駄よ。メインコンピュータに
　わざと外部接続用の端子を設けていないし、
　ユーザインタフェースも取り外させているから。
　もう私にも、誰にも、怪球ミームでさえ止められないわ」
鼻で笑ってさえのけるアイゼンカグラ。
出血もおびただしく、満足に動けないにも関わらずこの度胸。
彼女もまた、絶対反逆の軍にふさわしい女傑なのであった。
綺麗な花には毒があるとは言うが、彼女の毒は猛毒。
茨から棘を飛ばし放題という、極めて危険な猛毒の徒花である。
「さあ、逃げましょう、隊長殿」
コケにされて怒りに震えるホワイトナイトを
一瞥さえする事も無く、ロバートに撤退を促すアイゼンカグラ。
その頭にポン、と手を乗せて、彼は最大級の賛辞を示す。
「いい反逆だったぞ、メゴ」
「その呼び方をしていいのは一人だけよ。
　図に乗らないで、このやんちゃ小僧」
アイゼンカグラはその猛毒舌をロバートにも向ける。
「ぶはははははは！　ますます気に入ったぜ！
　お前もまた、俺のいる軍に相応しい反骨原人だ！」
さぞ愉快であるように、アイゼンカグラの肩を叩くロバート。
歯向かわれるのを、心底楽しんでいるのだ。
まったくもって悪趣味という他無い。
「さあ、脱出だ！！」
ロバートの声を合図に、未だ震えているホワイトナイトを無視し、
まずは、エリックとアンリ姫、
アイゼンカグラがデッキから空中へと飛ぶ。
それに続けて、カイトとクロカゲも飛翔した。

エリックは自らの翼を展開し、何とか自分の体重を支えて滑空。
まだ修復も不完全な翼では、せいぜいこれが限界であった。
真価を発揮するには、数ヶ月は要するだろうか。
アンリ姫はアイゼンカグラと共にヒナタに乗る。
カイトは自ら持ち込んでいたパラシュートで離脱。
クロカゲもムササビの術にて速やかに退避した。

だが、残る面子の脱出方法が思い浮かばない。
「どうするのです、ロブ！」
「知らん！　脱出装置を探すぞ！」
揉め始めた二人を他所に、エナがソーサーを全部展開する。
「これに総員、乗って下さい！」
「やるじゃないか、新入り！　その手があったか！」
思わぬ助け舟にローザが喜んだ。
エナの念動干渉によって重力を無視して飛ぶソーサーに飛び乗る。
まずはエナ本人、続けざまにレオナ。
更にはローザにマリー、ウォルフ王子にロバートだ。
残る四つのソーサーに馬達を乗せて下へ降ろす。
器用な事に、馬の上に馬がのしかかって何とか凌ぐ。
ポメはというと、さっさとロバートの頭の上に乗っており、
これまたかろうじて難を逃れた状態であった。

「これで全員揃っているか！？」
「大丈夫みたいッスよ！」
エリックの声に、かろうじてレオナが答える。
降下時の風圧がきつくて、あまり話が出来ない。
十分ほどの時間をゆっくりかけて、地上に降り立ち、
各員は離脱及び合流に成功したのであった。
と、その瞬間――

ごごぉぉぉぉぉぉぉん…………！

遥か彼方からの閃光と爆音、そして衝撃波と地響き。
メガ・アルバトロスがシドミード王の目論見通り、
何一つとして成し遂げる事も無く、空中で爆散した。
いや、何か成し遂げたとしたなら、白虹騎士団の殲滅。
ハリボテとはいえ、随分と高くついたものだが、
むしろアイゼンカグラは本望でさえあっただろう。
「王よ、末期の贈り物、ホワイトナイトの殲滅――
　ありがたく、お受け取りしました……！」
またも死者を悼むように黙祷するアイゼンカグラ。

「まだだ！　この程度で我が滅びると思ってか！？
　仮にもシドミード王の力を飲み込んだこの我がだ！」

ずがん！

突如、地面を砕いて地表に降り立つ影。
白虹騎士団の真のリーダー、ホワイトナイトだ。
あちこち煤だらけだが、確かに無事であった。
「たかだか、いち生命体風情が……！
　よくもこのホワイトナイトを愚弄してくれたな！
　いずれ、この星の生態系を根本から破壊し尽くしてくれる！
　全てを食らいつくし、死の星に変えてくれるわ！
　貴様は我々に対し、それだけの罪を犯したのだ！
　だが、手始めは貴様等だ、覚悟をするがいい！！」

ホワイトナイトが猛り、怒り、吼える。
勇者軍主力部隊は疲れもあまり癒えぬまま、
マルチプルブリンガーを構えるホワイトナイトを迎撃するべく、
各々、武器を構え、臨戦態勢を取るのだった。

----

＜[[第九章－第四幕－&gt;勇者の館SideR/第九章/－第四幕－]]へ続く＞    </description>
    <dc:date>2011-12-21T21:35:18+09:00</dc:date>
  </item>
    <item rdf:about="http://www15.atwiki.jp/houseofhero/pages/3135.html">
    <title>勇者の館SideR/第三章/－第一幕－</title>
    <link>http://www15.atwiki.jp/houseofhero/pages/3135.html</link>
    <description>
      *第三章－第一幕－　勇者軍対勇者軍

[[第二章－第三幕－&gt;勇者の館SideR/第二章/－第三幕－]]
[[第三章－第二幕－&gt;勇者の館SideR/第三章/－第二幕－]]

----

ヴェール・シティへ向かう道を歩く
ロバート、エナ、レオナ。そして新しく加わった
クロアシネコのポメ（名前は確定した）。

だが、のんびりとした無目的の旅路はそれまでだった。
遂にウォルフ王子、マリー、エリック、
そしてホムラ＝クロカゲ（ただし気配は消している）の四名が
追走の末、ロバート達に追いついてきたのであった。

「ロブ、そこまでです！　大人しくしなさい！
　ゼン・ヴィレッジやセート・タウンの件もあります！
　今なら話し合いだけで済ませられますよ！」
あくまで話し合いだけで済まそうとするウォルフ王子だったが、
ロバートが警戒の態度を示すと、迷わずマリーが飛び込む。
彼女は槍を握っていた。
「貴様という奴は、いつもいつも心配ばかりさせて！
　どれだけこちらが気を揉んでいると思っている！！」
「俺の勝手だ！　貴様の知った事か！」
ロバートは速やかに回避し、銃で反撃するが、
その銃弾のことごとくを回避されてしまった。
「貴様の勝手で村一つ壊滅させたりするたびに
　あちこちから勇者軍は目の敵にされるんだぞ！
　自衛組織が敵を自ら作ってどうする！？」
「俺のやっているのは歪みへの反逆だ！
　事実、救われている奴だっているだろうが！」
「そのための犠牲が多すぎる！　無駄を減らせ！」
「それこそ貴様の知った事か！」

罵詈雑言の嵐と攻撃の応酬を繰り広げるロバートとマリー。
その一方で、ウォルフ王はエナと対峙していた。
「エナ＝ギャラガーさんですね。
　お父様とお母様は勇者軍で身柄を保護していますよ。
　大人しく話を聞いてみてはいただけませんかね？」
「私の命は……既にロバートさんに預けています。
　彼が従う気が無いのなら、私だって……！」
「やれやれ、では新入隊員の実力テストといきますか」
ウォルフ王子は仕方なく斧で斬りかかるが、
一応本気ではない。エナもよたよたと回避し、
隙あらばと攻撃呪文やそこらの石ころを叩き込む。
緩やかながら、意外に隙の無い動きに王子は驚いた。
「やりますね。ロブが目をかけているだけはあります」
「まだまだです！」
いつに無く強い語気でエナも返した。

「さて、ちょうど三対三だ。君の相手は私がしよう。
　エリック＝ルストだ。よろしく頼むよ」
「レオナ＝タブーフィールダー。行くッスよ！」
二人が正面から打ち合うが、
体重差がかなりあり、まともにレオナが押し負ける。
「ふんっ！」
ずざざざざッ！
大きく杖で打ち払うと、レオナは後ずさった。
「やるッスね！？」
「仮にもメインメンバーだからな。
　ヒーラーだと思って舐めてかかるなよ！」
「まだまだッスからね！」
すると、エリックが大きく距離を取る。
「ヘイヘイ！　ビビってるッスか！？」
「三対三とは言ったが、まさか真っ向から信じるとはね！
　正直は美徳だが、時に痛い目を見る事を覚えておけ！
　出番だ、クロカゲ！　軽く手合わせしてこい！」

……しかし何の音沙汰も無い。

「クロカゲ！？　奇襲のタイミングだぞ、おい！」
「策士、策に溺れたッスか！？　無様ッスよ！」
勢いに乗って、うろたえるエリックへ仕掛けるレオナ。
「ナノマシン、展開！」
「何ぃッ！？」
ジャミング用のナノマシンを展開し、
エリックの視覚を強力に撹乱するレオナ。
「勝負有り！　ッス！」
視覚が戻った時には首筋に槍が二本突きつけられていた。
「……クロカゲめ、どこへ行ったぁッ！？」
心底悔しそうに、真っ先に脱落したのを人のせいにするエリック。
無論、ナノマシンのせい、と言うべきであろうが……

一方、その頃のクロカゲは……
「猫……」
「にゃう？」
何故か敵意を見せないポメを、とりあえず撫でて和むクロカゲ。
「我……猫……撫でる……！」
そんな事をしている間に上司がピンチなのを忘れていたのだった。

エリックとクロカゲの意思疎通不充分はともかく、
戦局は次第に膠着の様相を呈し始めていた。

----

＜[[第三章－第二幕－&gt;勇者の館SideR/第三章/－第二幕－]]へ続く＞    </description>
    <dc:date>2011-12-21T20:48:54+09:00</dc:date>
  </item>
    <item rdf:about="http://www15.atwiki.jp/houseofhero/pages/3149.html">
    <title>勇者の館SideR/第七章/－第三幕－</title>
    <link>http://www15.atwiki.jp/houseofhero/pages/3149.html</link>
    <description>
      *第七章－第三幕－　白虹騎士団のリーダー

[[第七章－第二幕－&gt;勇者の館SideR/第七章/－第二幕－]]
[[第八章－第一幕－&gt;勇者の館SideR/第八章/－第一幕－]]

----

ダイギン城の城門に到達した勇者軍主力部隊は、
クロカゲを呼び戻す暇も無く、城門を撃砕し、
いよいよ敷地内へと踏み込むのであった。 
「…………！？」
だが、アンリ姫はその異常な静けさに気付く。
誰の気配もしないのだ。文字通りに。
「王子……これは……」
「ええ……止まりなさい、ロブ！」
「どうした、ウォルフ」
ウォルフ王子がロバートを止める。
「あまりに静か過ぎる。空城の計……でしょうか？」
「……あり得ん事も無いが、意味は何だ？」
「……躊躇してもしょうがありませんか。
　そもそも真っ向勝負を挑みに来ているのですから」
ウォルフ王子が嘆息する。
罠なら跳ね除ければいい。そもそもそれだけの実力が
勇者軍に備わっている事を失念していたようであった、と
ウォルフ王子は一人、思うのだった。
「進撃！」
「よし、行くぞ！」
ウォルフ王子の号令に従い、再突撃する一行だった。

だが、城の中に入ってもやはり、人がいない。
廃墟なら分からないでもないが、妙に小奇麗なのが逆に不気味だ。
「俺達は城を制圧しに来たんじゃねぇ、
　奴等に反逆しに来たんだ。これじゃ意味が無ぇ」
ロバートがぼやくが、マリーは冷静だった。
「玉座の間へ移動だ。そこに何も無ければ本当にもぬけの殻だろう」
「おし、行くぜ！」
更に奥へと突き進む。

玉座の間に到達すると、一人の騎士が玉座の前に立っていた。
琥珀色とも思えるが、おおむね橙色と表されるべき色の騎士。
今までのパターンからして、明らかに白虹騎士団だった。
「本当に来るとは……自らの実力に傲慢な勇者軍らしい」
「一人で粋がるんじゃないッスよ！」
レオナが相手の態度にカチンと来たようだ。
「ふ……徒党を組めば勝てると思う方が愚物よ。
　我が名はアンバーナイト。白虹騎士団を統べる者よ」
「リーダーってわけかい。流石に偉そうな態度だな」
エリックが挑発するも、黙って剣を取り出すアンバーナイト。
「黙れ。このマルチプルブリンガーの錆にしてくれるわ」
敵が取り出したのは一本の巨大な剣だが、それだけでもなさそうだ。
「かの名高きマルチ・マジック・ブレードの最新進化系……
　その威力と巧妙さは己が身で確かめるが良いわ！」

アンバーナイトが突撃する。ターゲットはレオナだ。
「来るッスか！　ナノ・マシン展開！」
「絶対耐性にそんなものが効くか！」
「なっ！？」
ジャミング・ナノ・マシンはまったく効いていない。
無視して突っ込んで斬りかかってくる。
「くっ、させないッス！」
何とかかわして反撃に移るが、相手もさるもの、防御も完璧だ。
「ハイパーガード！」
凄まじい防御力でガードする。まったく通じていない。
「テレパス！」
こちらの心を読み、後ろへ回り込んだアンバーナイト。
だが、エナがそれを防ぎにかかる。
「ソーサー！」
１０個のソーサーの半分を攻撃に回し、レオナを支援する。
そのおかげでかろうじて、レオナは直撃を受けずに済んだ。
「ありがとッス！」
「余所見をしている暇があると思うな！」
セルフバサークと呼ばれるバーサーカー特有の技能を展開する。
防御力と精神力を代償に、攻撃力と敏捷性を引き上げる技能だ。
「この器用貧乏めが！」
見るに見かねて、マリーやローザがアンバーナイトに仕掛ける。

どがん！

凄まじい攻撃がアンバーナイトを襲う。
思いの他、直撃は容易で、しかも与えたダメージは大きかった。
が、彼は慌てず、騒がず魔法を展開。
「ヒールシューター！」
自らへの回復だ。しかもハイパーヒールによる
回復量増加が尋常ではない。
「なんて……野郎だ！」
純粋なスペックだけならブルーナイトなどに劣りそうではあったが、
こうも技能が多彩では攻めあぐねてしまう。とにかく手数も足りない。
「だから言ったはずだ。己が技能に傲慢である、とな」
アンバーナイトは笑うかのように身体を揺する。
「さあ、まずは一人始末といこうか」
構えた。スタッブと呼ばれるアサシン特有の暗殺技能だ。
クリーンヒットすれば一撃で昇天する危険も秘めている。
ターゲットは明らかにアンリ姫だった。
「かわせーッ！」
ローザの指示が飛ぶが、もう遅かった。

がきん！！

だが、スタッブはスタッブで止められた。
止めた主は言うまでもない。離れていたクロカゲだった。
「させぬ……！」
「増援の可能性を考慮していない、とは甘かったね。
　ロバート、ウォルフ王子。助けに来たよ」
隣にはカイトまでいる。どうやら外で合流したらしい。
「さて、この城にはＮＢＣ兵器を叩き込ませてもらう。
　君も、死にたくなかったら逃げた方がいいと思うけど？」
「何ですって！？」
ウォルフ王子が驚く。カイト本人からもそんな話は聞いていない。
「正気か。市民が巻き添えになるぞ」
「気にしてもいないのに、気にしている振りはやめた方がいい。
　これだけやってくれたんだ。僕も手段を選ばないよ」
「ちっ……狂っておるわ！」
カイトの発言に脅威を感じたのか、アンバーナイトは離脱する。
「たわけ、止めるのじゃ！　市民を巻き添えにしてはならぬぞ！」
アンリ姫が足りない身長で必死にカイトの胸ぐらを掴む。
「安心していいよ。あれ全部嘘だから」
「嘘ぉ？」
拍子抜けする一同。アンリ姫も手を放した。
「あんなハッタリに引っかかる辺り、まだまだだね、王子」
「……あなたには敵いませんよ、カイトさん」
肩をすくめる王子だった。

「それより、クロカゲ君と急いで来たのは理由がある。
　まずは白虹騎士団についてだが、
　ナイトギルドに該当データがあった。
　ただし、全員死亡扱いとなっている七名、であるとの事だ」
「死んだはずの奴が暴れているのか？」
エリックが問い詰める。
「白骨死体も見つかっているんだ。ただし装備は行方不明なので
　彼等に成り代わっている何者かである可能性が高いだろうね」
「奴等……やはり……不気味……
　手応え……薄い……人間……違う！」
彼等の異常さを、そう説明する二人。
「それに情報部がごく最近掴んだ最新情報がある。
　どうもダイギン城の庭の地下に、異常な熱源反応があるらしい。
　それがシドミード国王の真の切り札である
　可能性があると推測されるね」

ゴゴゴゴゴゴゴゴゴ…………！

地響きがした。方向は庭の方だ。
「早速切り札を出してきやがったか、行くぞ！」
ローザの号令に、皆が駆け出す。

そして、庭に出てみれば巨大な戦艦が出てきていた。
離陸準備を行っているようだ。
「今離脱されるとせっかく掴んだ所在が不明になる！
　急ぐんだ、絶対に逃がすんじゃねぇぞ！！」
「おう！」
ロバートの声に全員が従い、また走り出す。
シドミード王国の空中戦艦での戦いが始まろうとしていた。
シドミード王の真の目的も未だ見えぬままに。

----

＜[[第八章－第一幕－&gt;勇者の館SideR/第八章/－第一幕－]]へ続く＞    </description>
    <dc:date>2011-12-16T03:45:38+09:00</dc:date>
  </item>
    <item rdf:about="http://www15.atwiki.jp/houseofhero/pages/3132.html">
    <title>勇者の館SideR/第二章/－第一幕－</title>
    <link>http://www15.atwiki.jp/houseofhero/pages/3132.html</link>
    <description>
      *第二章－第一幕－　ゼン・ヴィレッジ消滅

[[第一章－第三幕－&gt;勇者の館SideR/第一章/－第三幕－]]
[[第二章－第二幕－&gt;勇者の館SideR/第二章/－第二幕－]]

----

ロバートがレオナを仲間に加えた直後辺りの頃、
壊滅したとされるゼン・ヴィレッジへと足を運んでいた
ウォルフ王子は、明らかに不機嫌な顔をしていた。 
まず露骨に気に入らないのは、
ウォルフ王子当人も聞かされていなかった
ゼン・ヴィレッジ独自の惑星アース純血種限定定住政策の事である。
そんな馬鹿げた考えが未だに残っているとは思ってもいなかった。
あげくが迫害を末にロバートを招いての自滅である。
ウォルフ王子でなくとも、リアルに頭痛がしても仕方が無い。

その次に気に入らないのは村人の媚び諂う態度である。
異能者として自分達を嫌っているくせに、いざとなると、頼り、
平気で頭を下げてくるそのプライドの無さが気に要らなかった。
自らがクソ真面目な男、と評するのに相応しく、
曲がったことは決して許すつもりのないウォルフ王子だった。
随伴しているマリー＝ジーニアスもそのウォルフ王子の空気を
感じ取って、神経質になっていた。
いくら自分の国の領民とはいえ、許せない事は許せない。
その思いが、ウォルフ王子という人物を端的に現している。

「ですから、村人達の生活の場の保障をお願いしますぞ！」
「そーだそーだー！」
自分達で災いを招いておいてのこの態度である。
本来の被害者であるギャラガー夫妻は、悔しさをこらえて
ジッと押し黙っている。ロバートに言われた通り、
何を言われようと最後まで事態を見守る覚悟なのである。
「……いいでしょう」
一拍置いてから、ウォルフ王子は頷いた。
「おお、では、村の再興を！　純血種達の村を再び！」
「黙りなさい！！」
遂に怒りが頂点に達したウォルフ王子が叫ぶ。
気迫だけで周囲の生き物が死んでしまいそうであった。
「あなた達のような身勝手な思想を放置してはおけない。
　一人残らずバラバラの地域に移住させるから覚悟しなさい！」
「そんな殺生な！　我々はこれ以外の生き方を知らぬ！
　異能者達の住む場所になど送り込まれて、
　我々が迫害されない保障など、どこにもありますまい！」
村長がめいっぱい抗議するが、意にも介さない。
「それは人という生き物を知らぬ愚者の台詞！
　人の事をあなた達は改めて考えてくる必要がある！
　人に揉まれ、人に溺れ、人に塗れて出直して来なさい！！」
鶴の一声を発してから、恐慌している村人は放置して、
ウォルフ王子は手だけでマリーを招き、
肝心のギャラガー夫妻のもとへ歩み寄る。

「ウォルフ＝テオ＝ザン＝アームⅣ世です」
（まあ必要は無いが）軽く自己紹介してから、頭を下げる。
「今までこのような不法行為を見つけ出す事が出来ずにいた
　我が身の不明と不徳、どうかお二方にはお許しいただきたい」
突然の態度に、こちらはこちらで恐々としている。
「いえ、そんな恐れ多い……！」
「どうか頭をお上げ下さい、王子！」
「そして、娘さん……エナ＝ギャラガー嬢を、
　我等勇者軍は、全身全霊、魂魄一片たりとも残さず、
　すべての本音と本心をもって、歓迎致します」
そしてマリーが前に出る。
「それと同時に、あなた達も勇者軍の扱いになります。
　相応の責任と義務、そして権利を伴いますこと、お覚悟を」
「私達が……」
「勇者軍！？」
寝耳に水であった。ロバートからはそんな事実は語られなかった。
だがここまで深く踏み込んでしまっているのだ。
たとえ影であれ脇役であれ、もはや逃げ出すという選択肢は、
もはやギャラガー夫婦には無いのであった。
「参りましょう。もうこのゼン・ヴィレッジは消滅しました。
　彼等も、あなた達も、新しい人生を歩みましょう」
そう宣言して、さっさと歩き出すウォルフ。
マリーも、そしてギャラガー夫婦も後を追うのだった。

その直後、端末にメールが届いた。
追わなければならないはずのロバートからだ。
「……また新入隊員ですか。彼も新しい仲間を引き入れるなら
　こちらの人事部を通してからにしてくれればいいのに」
と言いながらも、自分の権限で了承するウォルフ王とマリー。
追う者、追われる者の関係であっても、
根本的に勇者軍同士である事に変わりは無い。
新しい仲間、しかも有能な人材を拒む理由は無かった。
「レオナ＝タブーフィールダー。ランスファイター、ね」
軽く確認してマリーも頷く。

ぴぴぴっ！
更に情報端末に通信。緊急コールだ。
「マリー、ギャラガー夫婦を城下街へお連れして下さい。
　私は緊急コールにまず最優先で対応します」
「分かった、頼むぞ！　さあ、急げ！」
「は、はい！！」
マリーは二人を連れて走り出した。
端末を開いて、通信の主との話を始める。
「カイトだ、救援要請を聞いたかい、ウォルフ王子」
「聞いていません。カイトさん、内容を！」
「アーム城に暫定的に設置された
　情報支部が攻撃を受けているようだね。
　侵入者は一名だが、サブメンバーにひけを取らない強さで、
　城兵や、援軍に寄越したウチの兵も手を出しあぐねている。
　申し訳ないが、至急、救援に向かってもらえるかい？」
「分かりました、今すぐ行きます！」
通信を切って馬笛を吹き、愛馬を呼ぶ。
「はっ！」
そしてひらりと飛び乗ると、ウォルフ王子は愛馬の腹を蹴った。
「城まで全力疾走です、行きますよ！」
彼と愛馬は駆け出す。エリックの援軍も期待は出来ない。
一時帰宅中なので仕方が無いといえた。
「勇者軍に真っ向から一人で仕掛けるとは……何者です！？」
焦燥感に駆られつつ、ウォルフ王子は帰り道を急ぐ。
ロバートを追跡出来ない事にも困っていたが、
本拠地が襲撃されてはそれどころではないからである。

アーム城と城主であるウォルフ王子に訪れた危機は、
彼の到着を待つかのように、着々とゆっくり進行していた。

----

＜[[第二章－第二幕－&gt;勇者の館SideR/第二章/－第二幕－]]へ続く＞    </description>
    <dc:date>2011-12-15T02:26:11+09:00</dc:date>
  </item>
    <item rdf:about="http://www15.atwiki.jp/houseofhero/pages/3128.html">
    <title>勇者の館SideR/序章/－第三幕－</title>
    <link>http://www15.atwiki.jp/houseofhero/pages/3128.html</link>
    <description>
      *序章－第三幕－　出会い

[[序章－第二幕－&gt;勇者の館SideR/序章/－第二幕－]]
[[第一章－第一幕－&gt;勇者の館SideR/第一章/－第一幕－]]

----

勇者軍主力部隊から逃亡を続けるロバートは、
ゼン・ヴィレッジなる村に到着していた。
なにやらひっそりとしており、物静かである。
人によっては息を潜めているかのようだ、という感想を抱くだろう。 
ロバートは、その街の物陰で泣いている女性を見つけた。
何故だか生卵まみれになっている。
お節介だと分かってはいるものの、放置してはおけなかった。
「…………女、どうした？」
びくり、と肩を震わせ、過剰反応する女性。
物言いが物言いなので仕方が無いかもしれないが、
敵意が無い事が分かると、一転して警戒を解く。
「すん…………」
とはいえ、泣いたままではあるが。
「泣いていても分からん。何故生卵まみれだ？」
「私に近寄らない方が……いいと思います。
　あなたも苛められますよ。離れて下さい……」
どこか寂しそうに微笑む女性。
「苛められる？　貴様は苛められているのか？」
「ええ……私や母は『純血者』ではありませんので……」
「純血者？」
聞き覚えの無い専門用語なので、おうむ返しに答えるロバート。
「はい。私は惑星アース人類の純血者の父を持ちます。
　一方、惑星アースの人類のほとんどは何らかの形で
　アルファ＝ストレンジャーの血を引いており、
　母はそれらの部類に入ります。このゼン・ヴィレッジは
　純血者のみが住める、と定められた保護・隔離区域なんです」
あまりの馬鹿げた構想に、ロバートは一瞬黙る。

「するとアレか。貴様が純血者でないから、
　出て行くように迫害を続けている、ということか？」
「はい……」
流石に泣き止んで、明確に答える女性。
「村の連中はそれで当然と思っているんだな？」
「はい……」
「貴様はそれが許せるのか？
　貴様の親父やお袋はそれが許せるのか？」
「……分かりません。掟を破って婚姻し、
　故郷を離れるに忍びないまま、惰性の生活……
　そんなところなのでしょう。私個人としては……
　こんな迫害され続けるだけの人生は……嫌です」
「だろうな。ここを出て行ったからといって
　その先どうすべきかも見えていない。だからそうなる」
「え？」
「だが出て行ったら出て行ったで、案外どうにでもなる。
　しばらく前の俺が実際そうなんだからな」
「…………」
「だが、許せんのは村の連中だ！」
どだん！
急に激昂して、足を踏み鳴らす。
「人を迫害し、無辜の貴様等を叩き出しておいて
　自らが正義であるという愉悦に浸っているだけのクズめ！
　女、貴様が取るべき態度は恭順か！？　それとも服従か！？」
「え？　な、何を……？」
「違う！　貴様の取るべき道は反逆だ！
　めいっぱい逆らい抜け！　そうしてから堂々と出て行けばいい！
　俺が見ていてやる、行くぞ、女！！」
「え、え、えっ！？」
手を引かれるまま、ロバートと女性は村役場へと向かった。

そして、村役場で村長に直談判する。
「貴様が村長か……」
凄まじく威圧的なロバートの態度に、村長も若干身を引いている。
「エナか！　まだお前は村にいたのか！
　しかも純血者でなどないと見える男を連れ込んで何のつもりだ！
　黙ってこの村から家族もろとも出て行くがいい！
　ここは惑星アース純血者のための村だと
　いくら言っても分からんか！」
村長も負けじと、何故か女性――エナに向かって怒鳴りたてる。
びくりと身を震わせ、そして周囲の湯呑みやら何やらが浮き上がる。
「ほれ見ろ！　その怪しげな力が純血者でない何よりの証拠だ！
　それが惑星アース純血者を滅ぼす力であると断言出来るな！」
純粋な防衛反応からエナのサイキック能力が発動したのだ。
上級の念動力であるが、本人は意識してはいないようである。
「待てオラ！　ただ静かに住みたいって言ってるだけだろうが！
　一人の例外も認められないっていうのかよ！　えぇ！？」
「お前も黙ってろ！　異能者めが！！」
どこから取り出したのか、リンゴを投げつける。
エナは決死の覚悟でリンゴを念動力で止めた。
「や……やめて……」
「あぁん、聞こえんな！？」
村長は更にリンゴを投げつける。
「やめて下さい！　私は……私も人間です！
　あなたと同じ、人間です！！　この方も、あなたも人間です！」
それは精一杯のエナの反抗、いや反逆であった。
「エナ！　それが貴様の取っていい態度か！
　守衛！　こいつらをまとめて叩き出せ！！」
どこに隠れていたのか、守衛と呼ばれた者達が
何名かエナに向かって警棒で殴りかかろうとする。

「よく言った、女！！」
ロバートはむしろどこか嬉しそうに、守衛を一人殴り倒す。
「わっ！？　抵抗するのか、貴様！」
「抵抗じゃねぇ、反逆だ！　そして女！！
　いい反逆っぷりだったな、その反逆、俺が引き受けた！」
「おのぉぉれぇぇぇ……かかれぇぇぇぇーッ！！」
守衛に加えて一般の役人までもが襲い掛かる。
「俺を敵に回してただで済むと思うなよ！！」

ロバートは敢えて銃は抜かず、拳で対応することを決めた。
こんな雑魚相手なら、それで充分だと判断したからだ。
「人が右向きゃこの俺ぁ左！　白と言われれば黒と叫ぶ！
　花も嵐も踏み越えて、ひたすら歩くは茨の道よ！
　宿命反逆ストレンジャーとは
　俺の、事だぁぁぁぁぁぁぁぁらぁぁぁぁぁッ！！！」
「なぁにぃぃぃぃぃぃぃッ！？」
全員がこの場にいるわけが無い人物の姓に驚く。
それは勇者の性、異能者代表の性であったはずだからだ。
「俺に目をつけられたら未来は無ぇ！
　身をもって肝に銘じやがれぇぇぇぇッ！！」
「う、うわぁぁぁぁぁぁぁッ！？」

この数十分後、ザン共和王国のアーム城に
ゼン・ヴィレッジ壊滅の報が届き、その犯人が
ロバートだという事実が発覚したのであった。
だが、当のロバートはエナの手を引いて、
唯一無事だったエナの実家に向かっていたのだった。

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＜[[第一章－第一幕－&gt;勇者の館SideR/第一章/－第一幕－]]へと続く＞    </description>
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