色見本作り



畑で採集した草木染料として
使えそうな植物を煮出して染色実験を行います。


まずは植物をお茶濾し袋に計量して
詰めていきます。




開墾日誌でも紹介した謎の実。
上手く染まるかドキドキです。






草木染料の使用量は草木によって違うのですが
今回はo.w.f(生地の目方に対する重さ)で100%使用します。








こちらは山ぶどう


水量も計算します。
浴比(生地の重さに対する水の量)1(生地):20(水)に
設定しました。






ステンレス製のコップの中に
茶濾し袋に入れた草木と水を入れます。







蓋をしっかり閉めます。
蓋にはそれぞれ番号が入っていて
どの草木が何番に入っているのか管理出来ます。

今回は「謎の実」「山ぶどう」「しそ」「大根の葉」の
4種類を実験しました。



コップを機械にセッティングしてスタートです。

機械の溶剤はペグと呼ばれる油が使われます。
この油を電熱コルクで熱してコップの中の染液を
湯銭ならぬ油銭して昇温させていきます。

コップはたえず回転して中の染液と生地は攪拌状態にある為
ムラ無く染色出来ます。



沸騰温度で30分煮出しました。
謎の実の色素が取り出されました。
結構濃い色が出てるので期待出来そうです。


染める生地を用意します。
生機(きばた)のフライス生地です。
生機とは編みたて上がりの無漂白素材です。

綿素材を草木染めする際には予め前処理が必要となります。
生地の汚れを落とす精錬、そして草木染料が
付き易くする処理で豆汁や牛乳などのタンパクを含ませる事が必要です。
今回は色目確認の試験染めなのでタンパク処理を
濃染処理と呼ばれる工業加工で代用してます。

生地にもナンバーを入れて管理します。

色素を抽出したコップに生地を投入して
80℃×30分間 染色します。


染色が終わったら生地をコップから出して
水洗します。

そして次は媒染と呼ばれる工程に入ります。
媒染は色止め効果と発色効果があります。
様々な種類の媒染材が使用されますが、今回はアルミ媒染で
処理する事にします。


アルミ媒染液


染め上がりの生地を媒染材が入ったコップに
攪拌しながら10分間沈めます。


媒染が終わると水洗し、再び80℃×20分間 染色します。

草木染めの染色はこの媒染と染色を繰り返し行う事で
色を重ね色目を作り、濃色を出していきます。

1日に染める事の出来る回数は多くて2回まで。
更に重ね染めする場合は生地を一旦乾燥させ、色を落ち着かせる
必要があります。





染め上った生地をプレス仕上げして
適度な大きさにカットしファイリングしていきます。

使用した媒染剤などのデーターを記載しておく事で
草木染めといえどある程度の再現性が見込めます。










最終更新:2008年12月10日 21:16