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    <title>剣客バトルロワイアル@まとめwiki</title>
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    <description>剣客バトルロワイアル@まとめwiki</description>

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    <title>参加者人別帖（ネタバレ）</title>
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    <description>
      ※赤字となった名前は死亡者です。
　赤字の名前の左側にある●をクリックすると、その登場人物の死亡話に移動します。

21/36【史実】 
○足利義輝/○伊藤一刀斎/○伊東甲子太郎/[[●&gt;http://www15.atwiki.jp/kenkaku/pages/251.html]]&amp;color(red){岡田以蔵}
○沖田総司/[[●&gt;http://www15.atwiki.jp/kenkaku/pages/264.html]]&amp;color(red){奥村五百子}/[[●&gt;http://www15.atwiki.jp/kenkaku/pages/277.html]]&amp;color(red){小野忠明}/○上泉信綱 
[[●&gt;http://www15.atwiki.jp/kenkaku/pages/99.html]]&amp;color(red){河上彦斎} /[[●&gt;http://www15.atwiki.jp/kenkaku/pages/90.html]]&amp;color(red){清河八郎}/○近藤勇/[[●&gt;http://www15.atwiki.jp/kenkaku/pages/68.html]]&amp;color(red){斎藤伝鬼坊}
○斉藤一/[[●&gt;http://www15.atwiki.jp/kenkaku/pages/274.html]]&amp;color(red){斎藤弥九郎}/○坂本龍馬/[[●&gt;http://www15.atwiki.jp/kenkaku/pages/89.html]]&amp;color(red){佐々木小次郎} 
[[●&gt;http://www15.atwiki.jp/kenkaku/pages/281.html]]&amp;color(red){佐々木只三郎}/○白井亨/○新免無二斎/○芹沢鴨 
○千葉さな子/○塚原卜伝/○辻月丹/○東郷重位 
○富田勢源/[[●&gt;http://www15.atwiki.jp/kenkaku/pages/60.html]]&amp;color(red){中村半次郎}/[[●&gt;http://www15.atwiki.jp/kenkaku/pages/255.html]]&amp;color(red){新見錦}/○服部武雄 
[[●&gt;http://www15.atwiki.jp/kenkaku/pages/245.html]]&amp;color(red){林崎甚助}/○土方歳三/[[●&gt;http://www15.atwiki.jp/kenkaku/pages/246.html]]&amp;color(red){仏生寺弥助}/○宮本武蔵 
[[●&gt;http://www15.atwiki.jp/kenkaku/pages/71.html]]&amp;color(red){師岡一羽}/○柳生十兵衛/○柳生連也斎/[[●&gt;http://www15.atwiki.jp/kenkaku/pages/261.html]]&amp;color(red){山南敬助}



&amp;color(red){0/1【明楽と孫蔵】} 
[[●&gt;選んだ道]]&amp;color(red){明楽伊織} 
1/1【明日のよいち!】 
○烏丸与一 
1/1【暴れん坊将軍】 
○徳川吉宗 
&amp;color(red){0/1【異説剣豪伝奇　武蔵伝】} 
[[●&gt;http://www15.atwiki.jp/kenkaku/pages/144.html]]&amp;color(red){佐々木小次郎(傷)} 
2/2【うたわれるもの】 
○オボロ/○トウカ 
1/1【仮面のメイドガイ】 
○富士原なえか 
2/2【銀魂】 
○坂田銀時/○志村新八 
1/1【Gift－ギフト－】 
○外薗綸花 
&amp;color(red){0/1【月華の剣士第二幕】}
[[●&gt;http://www15.atwiki.jp/kenkaku/pages/254.html]] &amp;color(red){高嶺響}
1/1【剣客商売】 
○秋山小兵衛 
2/2【魁！男塾】 
○赤石剛次/○剣桃太郎 
&amp;color(red){0/1【里見☆八犬伝】}
[[●&gt;http://www15.atwiki.jp/kenkaku/pages/236.html]]&amp;color(red){犬塚信乃(女) }
&amp;color(red){0/1【三匹が斬る！】} 
[[●&gt;http://www15.atwiki.jp/kenkaku/pages/247.html]]&amp;color(red){久慈慎之介}  
&amp;color(red){0/3【シグルイ】}  
[[●&gt;http://www15.atwiki.jp/kenkaku/pages/252.html]]&amp;color(red){伊良子清玄}/[[●&gt;http://www15.atwiki.jp/kenkaku/pages/243.html]]&amp;color(red){岩本虎眼}/[[●&gt;義手と偽手]]&amp;color(red){藤木源之助} 
1/1【史上最強の弟子ケンイチ】 
○香坂しぐれ 
&amp;color(red){0/2【神州纐纈城】} 
[[●&gt;http://www15.atwiki.jp/kenkaku/pages/257.html]]&amp;color(red){三合目陶器師(北条内記)}/[[●&gt;http://www15.atwiki.jp/kenkaku/pages/274.html]]&amp;color(red){高坂甚太郎} 
&amp;color(red){0/2【駿河城御前試合】}
[[●&gt;http://www15.atwiki.jp/kenkaku/pages/235.html]]&amp;color(red){屈木頑乃助}/[[●&gt;http://www15.atwiki.jp/kenkaku/pages/237.html]]&amp;color(red){座波間左衛門}
1/1【椿三十郎】 
○椿三十郎 
1/1【東方Project】 
○魂魄妖夢 
1/2【八犬伝(碧也ぴんく版)】 
[[●&gt;http://www15.atwiki.jp/kenkaku/pages/264.html]]&amp;color(red){犬坂毛野}/○犬塚信乃(男)
1/1【バトルフィーバーＪ】 
○倉間鉄山 
1/2【刃鳴散らす】 
[[●&gt;http://www15.atwiki.jp/kenkaku/pages/264.html]]&amp;color(red){伊烏義阿}/○武田赤音 
&amp;color(red){0/1【ハヤテのごとく】} 
[[●&gt;疾風の如く！]]&amp;color(red){桂ヒナギク}
&amp;color(red){0/1【BAMBOOBLADE(バンブーブレード)】}
[[●&gt;http://www15.atwiki.jp/kenkaku/pages/272.html]]&amp;color(red){川添珠姫}
1/1【必殺仕事人(必殺シリーズ)】 
○中村主水 
1/1【Fate/stay night】 
○佐々木小次郎(偽) 
&amp;color(red){0/1【用心棒日月抄】} 
[[●&gt;燃え尽きるまで]]&amp;color(red){細谷源太夫} 
&amp;color(red){0/1【らんま1/2】} 
[[●&gt;http://www15.atwiki.jp/kenkaku/pages/236.html]]&amp;color(red){九能帯刀}
1/1【ルパン三世】 
○石川五ェ門 
2/6【るろうに剣心】 
[[●&gt;http://www15.atwiki.jp/kenkaku/pages/100.html]]&amp;color(red){鵜堂刃衛}/○神谷薫/[[●&gt;燃え尽きるまで]]&amp;color(red){志々雄真実}/[[●&gt;http://www15.atwiki.jp/kenkaku/pages/93.html]]&amp;color(red){四乃森蒼紫}/ 
[[●&gt;http://www15.atwiki.jp/kenkaku/pages/84.html]]&amp;color(red){瀬田宗次郎}/○緋村剣心 



見せしめ 
&amp;color(red){0/1【斬】}
[[●&gt;http://www15.atwiki.jp/kenkaku/pages/59.html]]&amp;color(red){村山斬}



*43/80（第116話まで）    </description>
    <dc:date>2011-04-03T00:31:18+09:00</dc:date>
  </item>
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    <title>第二回放送までの本編ＳＳ</title>
    <link>http://www15.atwiki.jp/kenkaku/pages/259.html</link>
    <description>
      *【朝】

|NO.|タイトル|作者|登場人物|
|095|[[寛永四年八月の虎／哭いて血を吐く不如帰]]|[[◆F0cKheEiqE]]|山南敬助、烏丸与一、トウカ、藤木源之助|
|096|[[過失なき死]]|[[◆cNVX6DYRQU]]|塚原卜伝、伊烏義阿、宮本武蔵、奥村五百子、犬坂毛野|
|097|[[波紋(前編)]]&amp;br()[[波紋(後編)]]|[[◆cNVX6DYRQU]]|秋山小兵衛、徳川吉宗、魂魄妖夢、富田勢源、香坂しぐれ、果心居士、志々雄真実|
|098|[[すれ違い続ける剣士達]]|[[◆cNVX6DYRQU]]|芹沢鴨、沖田総司、石川五ェ門、細谷源太夫、桂ヒナギク、東郷重位、緋村剣心、神谷薫|
|099|[[夢十夜――第三夜『暗夜行路』――]]|[[◆F0cKheEiqE]]|富士原なえか|
|100|[[人の道と剣の道(前編)]]&amp;br()[[人の道と剣の道(後編)]]|[[◆UoMwSrb28k]]|伊東甲子太郎、服部武雄、川添珠姫、外薗綸花、小野忠明、坂本龍馬、斉藤一 |
|101|[[義士達に更なる試練を ]]|[[◆cNVX6DYRQU ]]|足利義輝、犬塚信乃、剣桃太郎、坂田銀時、塚原卜伝、宮本武蔵、富田勢源、辻月丹|
|102|[[弟子と向き合う]]|[[◆cNVX6DYRQU]]|斎藤弥九郎、千葉さな子、宮本武蔵、高坂甚太郎|
|106|[[三剣士、復活を志す]]|[[◆cNVX6DYRQU]]|近藤勇、土方歳三、佐々木小次郎(偽)|
|109|[[悪夢の終わり]]|[[◆cNVX6DYRQU]]|柳生十兵衛、志村新八、オボロ、新免無二斎、佐々木只三郎、富士原なえか|

*【午前】

|103|[[名刀の鞘]]|[[◆cNVX6DYRQU]]|伊藤一刀斎、香坂しぐれ、椿三十郎、志々雄真実|
|104|[[技比べ]]|[[◆cNVX6DYRQU]]|芹沢鴨、桂ヒナギク、細谷源太夫、沖田総司、石川五ェ門、白井亨、柳生連也斎|
|105|[[待ち望んだ対決]]|[[◆cNVX6DYRQU]]|小野忠明、柳生宗矩|
|107|[[主水、不運を嘆く]]|[[◆cNVX6DYRQU]]|明楽伊織、倉間鉄山、赤石剛次、中村主水、東郷重位|
|108|[[顔合わせ]]|[[◆cNVX6DYRQU]]|上泉信綱、武田赤音、宮本武蔵、柳生連也斎|
|111|[[秘技伝授]]|[[◆cNVX6DYRQU]]|塚原卜伝、足利義輝、犬塚信乃、剣桃太郎、坂田銀時|
|113|[[選んだ道]]|[[◆cNVX6DYRQU]]|柳生宗矩、明楽伊織、倉間鉄山、赤石剛次|

*【昼】

|110|[[妖薙ぎの剣]]|[[◆cNVX6DYRQU]]|秋山小兵衛、徳川吉宗、魂魄妖夢、志々雄真実|
|112|[[疾風の如く！]]|[[◆cNVX6DYRQU]]|芹沢鴨、細谷源太夫、桂ヒナギク、沖田総司、石川五ェ門、志々雄真実、徳川吉宗、秋山小兵衛、魂魄妖夢、近藤勇、藤木源之助|
|114|[[義手と偽手]]|[[◆cNVX6DYRQU]]|辻月丹、富田勢源、徳川吉宗、秋山小兵衛、魂魄妖夢、藤木源之助、香坂しぐれ、佐々木小次郎(偽)、細谷源太夫|
|115|[[燃え尽きるまで]]|[[◆cNVX6DYRQU]]|芹沢鴨、沖田総司、細谷源太夫、緋村剣心、神谷薫、志々雄真実|
|116|[[決戦前]]|[[◆cNVX6DYRQU]]|新免無二斎、柳生十兵衛、オボロ、志村新八、赤石剛次、坂本龍馬、伊東甲子太郎、斉藤一、服部武雄、外薗綸花、富士原なえか|    </description>
    <dc:date>2011-03-31T00:32:34+09:00</dc:date>
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    <title>義士達に更なる試練を</title>
    <link>http://www15.atwiki.jp/kenkaku/pages/271.html</link>
    <description>
      *義士達に更なる試練を ◆cNVX6DYRQU


「二十三人もか」
剣桃太郎は、先程の放送で名前を呼ばれた死者の数を呟く。
先輩である赤石剛次の名はなかったが、この島で出会った岩本虎眼の名は呼ばれた。
あれだけ尊崇していた虎眼が本当に死んだのならば、弟子の藤木源之助のショックはどれ程だろうか。
まあ、死んだ筈の者が実は生きていた、というのも世の中ではよくある事で、彼等が本当に死んだとはまだ言い切れないが、
それでも、人の命を弄び、死を嘲笑うかのような主催者のやり口が許せない事には違いがない。
「ったくよう、いい加減に名前の間違いは直しやがれってんだ。
　いくら人斬りなんかやってた馬鹿野郎共でも、死んだ時まで名前を間違えられたんじゃ浮かばれねえだろうが」
いつものように軽い口調で言う坂田銀時だが、その瞳の奥で怒りの炎が燃えているのを、桃は見抜いていた。
「行くか」
二人が城に着いたのはつい先刻であり、休憩が十分とは言えないが、今は休んでいる気分ではない。
早く主催者を探し出そうと二人は城の外に出かけ、門の所で辺りを探っているらしい二つの人影があるのに気付く。

「何だあ、自分達はイロモノとは縁のない正統派主人公です、みたいな面しやがってよ。
　言っとくけど、俺達は天下のジャンプ漫画の主人公だからね。アニメになって、映画化なんかも……」
「銀さん」
出会った二人組がイケメン揃いだったのが気に入らないのか、意味不明な文句を付ける銀時を制して桃が前に出る。
「すまない。俺は剣桃太郎、あんた達は？」
「余は征夷大将軍参議源朝臣義輝。この名に覚えがあるか？」
二人の内、桃達に近い側に居た、水干を着た男が堂々とした態度で答えるが……
「やべえよ、また頭がアレな人が来ちゃったよ。ここはそんな奴ばっかりか？」
「待て、銀さん。名簿には確かに足利義輝の名があった筈。他にも、塚原卜伝やら宮本武蔵やら、過去の剣豪が山盛りだ。
　この人が言うのも、ただの冗談や妄想じゃないかもしれないぜ」
ひそひそと話す銀時と桃。その様子を見た義輝は、怒るでもなく彼等の接触に気付いて寄って来た相棒に言う。
「信乃、どうやら、この者達も先程の沖田と同じく、我等より先の時代から来たらしい」
「沖田ぁ！？」

「成程、そなたは新撰組の友なのか。では、正午の会合にはそなたも参加するか？」
「何でだよ！俺は断じて真撰組なんぞと友達になった覚えはねえよ。まあ、精々腐れ縁ってとこか？
　それより俺には保護してやらねえといけない奴がいるから、あんな奴等に付き合ってる暇はねえんだ。
　あいつ等なら、どうせ自分の身くらいは自分で守れるだろうしな」
「ふむ。口は悪いが、要は沖田等を信頼しているという事か」
「人をツンデレみたいに言うな！ていうか、あんたこそ連中にあんま期待してると実物に会った時にがっかりするぜ？
　腕はともかく、あいつ等バカばっかだから。幹部連中はどいつも変態だし」
「うむ、忠告は承った。心配せずとも、表面的な言動で彼等を侮るような事はせぬ」
「だからあ！」
貴人の鷹揚さと、この面子だと自分がツッコミ担当だという自覚がかみ合い、どうにか会話を成り立たせる銀時と義輝。
一方で、桃と信乃はもう少し真面目な話をしていた。
「タイムスリップか死者蘇生か……連中がとんでもない力を持っているのは間違いなさそうだな」
「ああ。だが、それだけでは説明が付かない事もあるんだ。……安房の里見家の事跡を知っているか？」
そのまま歴史談義に入る桃太郎と信乃だが、少し話したところで、義輝との会話に耐えられなくなった銀時が割って入る。
「もう行こうぜ。あんまり長居して、真撰組のゴリラに会っても面倒臭えし」
「そうだな。話し合いじゃ俺達に出る幕はなさそうだし、その間に出来る事をやっておくか」
「俺達もここで漫然と新撰組とやらの長を待つ気はないが……手分けするのもいいかもしれないな」
何となく、再び二手に分かれる方向に話が進む。
殺気が城下のあちこちから感じられる所を見るに、複数の危険人物が城下町にはいるようだ。
だとしたら、情報交換は後回しにして、手分けして戦いの芽を摘むのが賢い選択かもしれない。
「では、ひとまず別れるか。新撰組の者に会ったら、そなたが心配していたと伝えておこう。……そう言えば、名は？」
「だから、心配なんかしてねえから。名前は坂田銀時。ちなみに、坂田金時とは何の関係もないからそこんとこよろしく」
「ああ、俺もまだ名乗っていなかったな。俺は里見家家臣、犬塚信乃戍孝だ」

「銀さん、どうしたんだ？」
信乃の名を聞いた途端、眉に皺を寄せて考え込み始めた銀時に、桃が声を掛ける。
「いや、こいつの名前に聞き覚えがあるような気がするんだが、設定的に俺が知ってていいのか微妙な気が……」
「よくわからんが、犬塚信乃ってのはさっきの放送で真っ先に呼ばれてただろう？覚えがあって当然だぜ」
「あん？そうだっけ」
「それについては、俺も疑問に思ってたんだ。俺と同じ名を持つ者が他に居るなんて……」
人別帖に信乃の名前が二つあったのは、どうもただの書き間違いなどではなかったようだ。
義輝はもう一人の信乃はこの信乃の親族か、もしくは子孫ではないかと言ったが、それはまず有り得ない。
そもそも犬塚の姓は、信乃の父である番作が、大塚の姓を改めて名乗ったもの。
だから、父が死んだ今となっては、同姓の兄弟を持たない信乃に、犬塚を名乗る親族など居る筈がないのだ。
そしてまた、許婚の浜路を非業に喪った信乃には、他の女子を娶る気はなく、子孫という線も有り得ないだろう。
浜路の霊が、同名の女子に憑依して現れ、自身の代わりにこの者と縁を結べと告げられた際には心が動いたが、
その浜路姫が、主君である里見義成の娘とわかった以上、一家臣に過ぎぬ己と縁を結ぶなど有り得まいし。
「まあ、八犬伝は有名だからな。その好漢に肖った名を持った奴が三人くらいいても不思議はあるまい」
「八犬伝？」
事も無げに告げる桃の言葉に食い付く信乃。八犬伝……名前からして、八犬士に関わりがありそうだ。
もし仮に、それが信乃達の事跡の記録や、それを基に作られた物語なら、その内容を知る事は未来を知る事に繋がる。
未来を知ってしまうのは必ずしも良い事ばかりではないが、信乃は「八犬伝」の事が知りたかった。
何か予感があったのか、信乃を苦しませんとする悪霊の囁きか、或いは、女神が敢えて彼に与えた試練なのか。

「大丈夫かな、犬塚さん」
一通り「八犬伝」について聞いた信乃は、一人で考えたいと城内に入って行ったきり、音沙汰がない。
「信乃ならば大丈夫とは思うが、しかし、先程の話は真なのか？」
「ああ。間違いなく犬塚信乃は曲亭馬琴が書いた小説に登場する架空の人物。実在はしない」
とすると、あの信乃は、架空の人物の名を騙っているか、もしくは妄想に囚われているという事になる。
しかし、信乃が嘘吐きや狂人だとは、短い時間とはいえ同志として過ごした義輝にはどうしても思えないのだ。
それに、人別帖に犬塚信乃や、同じく架空の人物である筈の犬坂毛野の名があった訳だし。
かと言って、目の前の桃太郎も嘘吐きには見えず、また、義輝と信乃の歴史に関する知識に大きな齟齬があったのも事実。
「とすると……。だが、そんな事が本当に有り得るのか？」

物語に登場する架空の人物が具現化する、などという事が本当に有り得るのか……有り得る、と信乃の知識は告げている。
本朝における巨勢金岡の馬をはじめ、絵に描かれた者が霊を持って抜け出てきたという話は枚挙に暇がない。
ならば、挿絵と文章によって構成される物語の人物が書から抜け出て来るという事も、有り得なくはないだろう。
実際、唐土では、三国志演義の周倉、西遊記の孫悟空、水滸伝の時遷など、架空の人物が神として祀られた例は数多い。
中でも、斉天大聖として信仰される孫悟空は霊験あらたかな神として知られ、
作り話の神と己を誹謗した商人に罰を与え、その者が心を改めたら今度は福を与えた、という話が伝わっている。
このように、元は架空の存在であっても、人の思いが集まれば、それに感じて霊が生まれる事は考えられ、
架空の人物が神にすらなる事があるのならば、物語から人が生まれるくらいの事はあっても不思議はない。
「もっとも……」
信乃は苦笑する。己が物語から生まれた架空の人物なら、この知識もまた馬琴なるものの創作なのかもしれないが。
そう考えると、信乃は宙に放り出されたような気分になる。
父の遺命、浜路の献身、義兄弟との日々、里見家臣としての戦い……全てが一人の人間の想像による作り事だったのだ。
ならば、自分はこれからどう生きれば良いのか。
いくら考えても結論が出る筈もなく、ぼんやりと窓から外を見た信乃の眼に、その光景が飛び込んで来た。

「なあ、もう行こうぜ。ってか、俺はもう行くから」
「しかし、銀さん……」
確かに、今の信乃に対して、自分が出来る事などないという事は、桃にもよくわかっていた。
あの信乃が本当に小説の世界から実体化したのなら、そんな非現実的な現象は桃の理解の外にある。
より現実的に、彼が洗脳か何かで自分が犬塚信乃だと思い込まされてるのだとしても、打つ手がない点では同じ事。
ならば、ここは多少なりとも信頼関係のある義輝に任せ、自分達は別に為すべき事をするべきなのだろう。
だが、信乃の打ちひしがれた様子や、あの虎眼がやられたらしい事からもわかる城下の危険さが、桃を躊躇わせた。
「ったくよう、ちょっと由緒がある小説出身だからってお高く留まりやがって。
　あれか？ガキ向け漫画の主人公なんかとはご一緒できませんってか？」
門の所で振り返ってまたよくわからない事を言い出す銀時に答えようとした桃は、いきなり刀を抜きざま投げ付けた。

「うおお！？いきなり何しや……」
咄嗟に身をかわして文句を言おうとする銀時だが、すぐ後ろで刀が叩き落される音を聞いて事態を悟る。
何者かが忍び寄って背後から銀時を襲おうとし、それに気付いた桃が剣を飛ばして防いだのだ。
「何だ、てめえは！」
銀時が木刀を構え、義輝と桃がそれぞれの得物を手に駆け寄る。
対する男は、武器こそ刀を二本と木刀の計三本を所持しているものの、体は一つ。
三対一という圧倒的に不利な状況でありながら、男は笑みさえ浮かべて嘯く。
「俺は新免武蔵。ふむ……稽古台としては、まあ悪くない腕だな」
そう言いながら武蔵は上段の構えを取った。
「武蔵」の名、或いはその構えに三人は驚愕の表情を浮かべるが、真っ先に立ち直った桃が前に出る。
「あんたがあの宮本武蔵さんか。伝説の大剣豪が実際にどれ程の腕前か、見せてもらおうか」
不適に笑うと、前に踏み出して得物を正眼に構える桃。
「勇ましいこと言ってるけど、手元をよく見てー。それ、武器じゃなくてハリセンだから」
「うむ。それでこの者の相手をするのは難しかろう。ここは余が相手をしよう」
「それを言うなら、あんた達の得物も木刀だろう？俺のと大して違いはないさ」
「全然違えよ！漫才でツッコミ役が相方を木刀でしばき倒した日には、客どん引きだろうが！
　ハリセン持った奴に真顔でボケられるとツッコミ辛えよ！」
誰が戦うかで言い争う三人の様子を気に留める様子もなく、武蔵は一歩踏み出すと、手近に居る桃に剣を振り下ろす。 

武蔵の振り下ろしをハリセンで受ける桃。
義輝や銀時はああ言ったが、ハリセンは、攻撃力はともかく、防御力に関してはそう馬鹿にしたものでもない。
戦国時代には紙の鎧が実用されていたくらいで、日本刀のように重量ではなく切れ味で斬る武器には紙による防御も有効だ。
加えて、桃は氣を注入する事で、ハリセンであっても、短時間ならかなりの硬度を持たせる事ができる。
だからこそ、桃は木刀を持つ二人を制して前に出たのだが、しかし、桃のハリセンは、武蔵の太刀にあっさりと切り裂かれた。
「何！？」
武蔵がそのまま桃を切り裂こうとした瞬間、激しい衝撃を受けてのけぞる。
横合いから義輝が咄嗟に武蔵の剣を木刀で突き、桃への致命の一撃を防いだのだ。
義輝を睨む武蔵。
未完成とはいえ、あの老人から盗み取った奥義に突きで割り込むなど、軌道を完全に読んでいなければ不可能。つまり……
「その技は一の太刀。それを伝授される程の剣士が、どうしてあのような者の言葉に乗せられる！」
やはり一の太刀か。武蔵は、義輝の言葉のその部分にのみ着目し、一人納得していた。
老人の動きから、新当流かその分派の剣士である事は推測でき、新当流の奥義と言えばやはり一の太刀。
用心深さを認めて跡継ぎとした嫡男彦四郎にすら、流祖卜伝がついに伝授を許さなかったという秘伝中の秘伝。
加えて、足利義輝など、一の太刀を伝授されたというごく少数の高弟達が揃って横死を遂げ、失伝したとも言われていたが、
ひそかに使い手が生き残っていたとは、さすがに歴史ある香取神道流の裔だけあって層が厚い。
そうした剣士を連れて来て技を盗む機会を与えてくれた主催者には、武蔵はむしろ感謝しているくらいだ。
だが、武蔵はこのような心中の呟きを表に出す事はなく、無言で義輝に剣を叩き付けた。
一の太刀を見抜いた事から、義輝が新当流に縁のある人物である事は明らか。
その口から、武蔵が一の太刀を盗んだ事があの老人に伝われば、折角の優位があっさりと崩れ去ってしまう。
故に武蔵は義輝を第一の目標に定め、問答の手間も惜しんで斬り伏せんとする。

「くっ！」
武蔵の強烈な一撃を義輝は受け止めるが、その勢いをいなしきれず、刃が木刀に僅かに食い込む。
そのまま鍔迫り合いになると、武蔵は左手を剣から外し、腰に差したもう一本の所に持って行く。
この間、義輝は両腕で武蔵の片腕で押し合う事になったのだが、尋常でない武蔵の膂力に簡単には押し切れず、
また、武蔵の刀が木刀に切り込んでいる為に、そこが引っ掛かって剣を外す事も難しい。
「でりゃあああぁ！」
武蔵が刀を抜いた瞬間、銀時が掛け声と共に木刀で殴り付ける。
大仰な声を上げた為に、簡単に留められるが、銀時の目的は武蔵の気を逸らして義輝を救う事なのだから問題ない。
これで義輝と銀時は二人掛かりで武蔵を挟撃する形になり、明らかに有利、の筈なのだが……
(動かねえ！どんな化け物だ、こいつは)
銀時が心中で毒づいたように、武蔵は右の剣で義輝、左の剣で銀時と、それぞれ片手対両手で鍔競り合いしながら、
岩の如く堅固に二人の圧力を支え、少しも押される様子を見せず、逆に押し返して行く。
武蔵の膂力が尋常でないのもあるが、二対一でも優勢を保っていられる最大の要因は真剣と木刀の差。
無闇に押し込めば武蔵の剣によって木刀が切断される危険があり、そちらに神経を使いながらでは全力が出し切れない。
それでも、木刀での闘いに慣れている銀時はどうにか武蔵の刃筋をそらしつつ力を加えているが、義輝は苦戦していた。
堕ちたりといえども将軍であった義輝には、木刀で真剣に立ち向かう羽目になった経験はないし、
松永の兵に襲われた際、無数の名刀を取り換え取り換え戦ったという話からもわかるように、刀を労わる戦い方とは無縁だ。
為に、鍔競り合いの中で武蔵の刀が義輝の木刀に切り込んで行き、遂に、木刀が切り落とされようとする。

二対一の戦いならば、そのまま武蔵の剣が義輝を斬り捨てていたかも知れないが、この場に居る剣士は三人ではなく四人。
投げた刀に続いてハリセンを失った桃は、一時的に身を引いたが、義輝の危機を見ると、拳を固めて飛び掛った。
それを見た武蔵は落ち着いて鍔競り合いを外して後ろに跳び、桃の拳をかわす。
そして、いきなり支えを失った義輝と銀時が、飛び込んで来た桃を打たない為に動きを止めたのを確かめると、今度は前に跳ぶ。
義輝を救わんとして焦った為に、拳撃を放った後の体勢が崩れていた桃の胸に、武蔵の渾身の体当たりが決まる。
並の剣士ならば死んでもおかしくない一撃だが、無手の体術に関しては桃の方が一枚上手。
瞬間的に胸に氣を集中させる事で桃は身体を硬化させ、武蔵の肩を受け止めた。
それにより桃はダメージは免れるが、同時に、肉体の変形で衝撃を逃がせない為、数間も跳ね飛ばされる結果を生む。
こうして桃を追い払った武蔵は、二本の刀を回転させ、義輝と銀時を分断しに掛かる。
素早く飛び退いてかわす二人だが、義輝は門扉に身体を打ち当てて体勢を崩し、その衝撃で傷んでいた木刀が折れた。

「使え！」
武器を失い隙を見せた義輝に武蔵が向き直るのを見た銀時は、己の木刀を投げ渡す。
武蔵はこの展開も予測していたのか、剣を振りかぶると、木刀が傍を過ぎた瞬間、それを追う軌道で手裏剣打ちに投げる。
大きく身をかわせば木刀を取れず、武蔵のもう一本の剣を素手で受けなければならなくなる公算が高い。
そう判断した義輝は、手を伸ばして木刀を取ると、柄を回して武蔵が投げた刀を強く打つ。
「くっ！」
辛うじて剣の軌道を変える事に成功した義輝だが、逸れた剣は義輝の袖を貫いて門扉に深々と刺さり、縫い止めた。
この手裏剣打ちは、武蔵にとっては、義輝が一瞬でも防御に気を取られてくれれば十分、という程度の意図での布石。
偶然とはいえ、袖を縫い止めて義輝の動きを封じられたのは望外の成果だ。
そして、武蔵は本命の一撃……振り向きざまの、木刀を失った銀時に対する片手斬りを放つ。

だが、銀時は武蔵の必殺の一撃を読んでいた。むしろ、その一撃を誘う為に、わざと木刀を投げ無手になったと言うべきか。
身をかわしつつ足を蹴り上げると、地面から刀が跳ね上がり、銀時の手に納まる。
この戦いの始めに、桃が銀時を守る為に投げ、武蔵によって叩き落された備前長船だ。
物干竿をしっかりと両手で握った銀時は、片手斬りを空振った武蔵の刀に思い切り叩き付けた。
片手斬りは間合いでは優るが、精密さや衝撃を受けた時の耐性では、どうしても両手で剣を握るのには及ばない。
「ちいっ！」
……にも関わらず、銀時の渾身の一撃は、武蔵の太刀を折る事も叩き落す事も出来ず、跳ね返される。
五本の指を巧みに使って衝撃を受け流し刀の破損を防ぎ、同時にしっかりと保持して剣が失われるのを防いだのだ。
片手による剣の扱いを長年研究しただけあって、武蔵の器用さ、握力は図抜けていた。
続いて、武蔵が素早く腰の木刀を抜いての一撃を、地に転がり辛うじてかわす銀時。
しかし、武蔵は追撃の暇もなく振り向き、袖を破って突進して来た義輝と剣を交わす。
「木刀に気を付けろ！」
銀時の叫びが終わらない内に、二人の身体が交錯し、入れ違って向き直る。
義輝の額に浮かぶ汗……銀時の忠告がなければさすがの義輝も無傷では済まなかったかもしれない。
武蔵の刀に木刀を切られた記憶も新しい義輝は真剣の方に気を配りがちだったが、真に恐ろしいのはむしろ木刀の方。
二刀流で知られるだけあって、武蔵は片手でも、両手を使う場合に近い速度・精密さで真剣を扱える。
そして、真剣より軽い木刀の場合、片手でも両手で真剣を持つのを上回る程に速く正確な一撃を繰り出せるのだ。
更に、刃を持たず刃筋を立てる必要のない木刀は、打突の瞬間に不規則に軌道を変え、受け手を惑わす事も可能。
自身も木刀を持つ義輝だが、彼にとって木刀は真剣の代用品に過ぎず、木刀への理解・工夫では劣る事を認めざるを得ない。
ここで銀時が立ち上がり、跳ね飛ばされた桃も物干竿の鞘を抜きつつ帰って来る。
再び三対一の態勢となるが、自分達が有利だという認識は、義輝達にはなかった。 

「言っとくが、この話の主役は俺だからな。これでも化け物退治には慣れてるんでね」
義輝と桃を牽制する銀時。
天人が闊歩する世界からやって来た銀時が、人の範疇から外れた怪物達と闘い慣れているのは事実だ。
しかし、戦闘種族だの光の戦士だの宇宙怪獣だのがいる天人の基準で考えても、武蔵の強さは明らかに規格外。
それでも、銀時は、この戦いでは唯一真剣を持つ自分が前面に立とうと決意していた。
使い慣れない木刀や、鞘なんていう武器とも言えない武器で、武蔵と真っ向から打ち合うのはあまりに無謀。
さっき武蔵が投げた刀を義輝か桃に取らせる事が出来れば状況は一変するが、その刀は今、武蔵の後ろにある。
あれだけ深く刺さった刀を抜くには一手間かかりそうだし、固執すると逆に隙を作る結果になりかねない。
自分が活路を切り開くしかないと、銀時が前に出ようとし、その気配を察した武蔵は二刀を上段に構える。

(あの構えは！？)
先程、桃のハリセンを一撃で破壊した技の構え。
……こう書くと何も凄くないように読めるが、一の太刀なる技が、必殺技と言うべきものである事を、銀時は悟っていた。
もっとも、本来一刀の技である一の太刀を二刀で使えば、十全の威力は発揮できまい。
だから、物干竿で防御に徹すれば防ぐのはそう難しくなかろうが、その選択は銀時には有り得ない。
今までの短い戦いだけでも、武蔵が恐ろしく狡猾な剣士である事はわかっている。
銀時が防御の構えを見せれば、武蔵は迷わず、二刀で義輝と桃を狙うだろう。
不完全であっても、木刀や鞘で一の太刀を防ぐのは至難。
故に、銀時としては、卜伝が他の二人を狙えば隙を衝ける構えを見せつつ、真っ向から二刀一の太刀に立ち向かうしかない。
決死の覚悟を固めた銀時に武蔵が剣を振り下ろそうとした時、それが天から降って来た。 
「信乃！」 

悩みながら城の外を眺めた時、仲間達を襲おうとする武蔵の姿が見えた事は、信乃にとって幸運だったと言えよう。
自分の今までの人生が架空の物語だったと聞かされ、拠って立つ足場を失った信乃。
親も仲間も主も実在しない可能性を知り、生きる意味も、行動する指針も、全てを失ったような気すらしていた。
しかし、義輝が危機に曝されようとしているのを見て、己には未だ最も大事な物、即ち、仁義の心が残っている事に気付く。
仮に主、親、義兄弟も架空の存在ならば忠孝悌は無意味になるかもしれないが、五常の徳まで揺らぐ事はない。
親に人道を教わった思い出は幻かもしれず、この世界では神仏が正義の人を助けてはくれない可能性もあるだろう。
だが、信乃が人道を尊ぶのは親に教えられたからだけではなく、ましてや神仏の援助を期待してのものでもないのだ。
古人曰く、仁義礼智は心の外に存するに非ず、人が固有に持つ性なりと。
これが全ての人間に当てはまるかどうかは議論のある所だが、信乃個人に関しては全面的に正しいと言える。
たとえ、信乃の今までの人生全てが否定されたとしても、持って生まれた本性までが消え去る訳ではない。
そしてまた、義輝の信乃に対する好意と、彼を守るという誓いも、間違いなく現実。
よって、義輝の危険を悟った瞬間、信乃の悩みは消え、窓から飛び出した。
無論、迷いが信乃の脳裏を去ったのは一時の事であり、再び状況が落ち着けば、信乃はまた悩む事になるだろう。
それでも、自身の本性を肌で実感できた事は、今後も信乃が己の未来を定める上で欠かせぬ道標となる筈だ。

これらの事を明示的に認識した訳ではないが、活き活きとした軽快な動きで信乃は城の屋根を駆ける。
都合良く傍に張り出していた樹の枝に飛び乗ると、闘いが門付近で行われているのを見て塀の上に跳ぶ。
そのまま戦場に駆け寄り、闘いが膠着したのを見ると、武蔵が背にしている門扉の上から躍り掛かった。
咄嗟に足元の行李を蹴り砕いて目くらましとして義輝等を牽制すると、武蔵は十字受けで頭上からの攻撃を留める。
そのまま振り回して義輝達にぶつけようとするが、信乃が鳩尾を蹴り付けてきたので、投げ放さざるを得ない。
それでも、信乃が空中に居る間が攻撃の好機。
一瞬だけ振り向き、斬り込んで来た銀時の剣を受け止めると、向き直って未だ着地していない筈の信乃に剣を向け……
武蔵の予測に反して、彼が体勢を戻した時には既に、信乃は着地していた。
いや、着地という表現は適切ではないか。信乃は、地面ではなく、門扉に突き立った刀の上に降り立っていたのだから。
信乃の剣と武蔵の木刀が交錯する。
先に述べたように、武蔵が片手で振るう木刀は速く、信乃の全力の一撃にも決して劣るものではないだろう。
しかし、足場の高低差から、信乃が切り下ろしで武蔵を狙えるのに対し、武蔵は木刀を切り上げなくてはならない。
この条件が加わった事により、信乃の剣が紙一重だけ先行し、武蔵は後退を余儀なくされた。
初めて隙を見せた武蔵に義輝と桃が殺到し、銀時も武蔵の剣を弾いて間合いの内側に踏み込んだ。 

一瞬の攻防の後、塊の中から武蔵が弾き飛ばされ、地面を二転三転して立ち上がる。
その隙に信乃も地に降り立ち、義輝は信乃の足場になっていた刀を素早く抜き取って、桃に手渡す。
派手に転げた割に武蔵に目立った負傷はなさそうだが、四対一、しかも四人中三人が真剣を持っているのでは圧倒的に不利。
にもかかわらず、武蔵の闘志はいささかも衰えていなかった。
信乃の参戦まで三人相手に優勢に戦った武蔵だが、それは、最初の奇襲で得た武装の優位を巧みに利用したからこそ。
純粋な腕前においては、武蔵と、義輝達一人一人を比べても、差は殆どない。
信乃の斬撃で隙を作られた武蔵が、三人と乱戦になりながら、無傷で切り抜けるなど、まず出来る筈がないのだ。
なのに武蔵が無事だった原因は、武蔵ではなく、その敵達の側にある。
一つは即席の集団である故の連携の齟齬。そしてもう一つ、より大きいのは、彼等の殺気が不足していた事。
事情も聞かずに武蔵を殺す事への躊躇いか、或いは大勢で一人を殺す事を卑怯と考えているのか、
どちらにせよ、三人の刀には僅かに鋭さが欠けており、そこを衝く事で、武蔵は死地を脱したのだ。
そして今、彼等は武蔵を生け捕りにする事も不可能ではないだけの優位を手にしている。
大きすぎる優勢さは余計な欲と油断を生み、作戦次第では逆転も十分可能。武蔵は、そう計算していた。だが……

「ちっ」
舌打ちと共に武蔵は大きく後ろに跳躍すると、打刀の鞘を投げて牽制に使いつつ、身を翻して駆け去った。
漸く不利を悟った、という訳ではないし、義輝達がむざむざ彼を逃がした主原因も、武蔵が投げた鞘ではない。
全ての原因は城の外から近付いて来る剣気、そして白刃を引っ提げた男の姿。
剣気に含まれる威、そして、こちらの人数を知りながら殺気を隠そうともしない余裕が、義輝等の警戒心を喚起する。
距離が近付くにつれて緊張が高まり、開戦かと思われたその時、彼等は互いの顔を見分けた。
「卜伝か！」
「公方様！？生きておわしたのか！」
かくして、主催者に対抗する集団の要たらんと志す義輝は、島を血の海にせんとする修羅の最強の者の一人と再会した。
志では全く相容れず、しかし剣の上では父とも言える師と邂逅し、義輝は、そして仲間達はどう行動するのか。 

【ほノ参／城の外/一日目/朝】

【宮本武蔵＠史実】
【状態】健康
【装備】中村主水の刀＠必殺シリーズ、木刀
【所持品】なし
【思考】
最強を示す
一:一の太刀を己の物とする
二:一の太刀を完成させた後に老人（塚原卜伝）を倒す
【備考】
※人別帖を見ていません。


【ほノ参／城門の前/一日目/朝】

【塚原卜伝＠史実】
【状態】左側頭部と喉に強い打撲
【装備】七丁念仏＠シグルイ、妙法村正＠史実
【所持品】支給品一式(筆なし)
【思考】
1:この兵法勝負で己の強さを示す
2:勝つためにはどんな手も使う
【備考】
※人別帖を見ていません。


※師岡一羽の死体の傍にあった木刀は宮本武蔵が持ち去りました。

【ほノ参／城門の内側/一日目/朝】

【足利義輝＠史実】
【状態】打撲数ヶ所
【装備】木刀
【所持品】支給品一式
【思考】基本：主催者を討つ。死合には乗らず、人も殺さない。
一：正午に城で新撰組の長と会見する。
二：卜伝、信綱と立ち合う。また、他に腕が立ち、死合に乗っていない剣士と会えば立ち合う。
三：上記の剣士には松永弾正打倒の協力を促す。
四：信乃の力になる。
【備考】※黒幕については未来の人間説、松永久秀や果心居士説の間で揺れ動いています。
※犬塚信乃が実在しない架空の人物の筈だ、という話を聞きました。

【犬塚信乃＠八犬伝】
【状態】顔、手足に掠り傷
【装備】小篠＠八犬伝
【所持品】支給品一式、こんにゃく
【思考】基本：主催者を倒す。それ以外は未定
一：義輝を守る。
二：義輝と卜伝、信綱が立ち合う局面になれば見届け人になる。
三：毛野、村雨、桐一文字の太刀、『孝』の珠が存在しているなら探す。
【備考】※義輝と互いの情報を交換しました。義輝が将軍だった事を信じ始めています。
※果心居士、松永久秀、柳生一族について知りました。
※自身が物語中の人物が実体化した存在なのではないか、という疑いを強く持っています。
※玉梓は今回の事件とは無関係と考えています。

【剣桃太郎＠魁！！男塾】
【状態】健康
【装備】打刀
【道具】支給品一式
【思考】基本：主催者が気に入らないので、積極的に戦うことはしない。
１：銀時に同行する。
２：向こうからしかけてくる相手には容赦しない。
３：赤石のことはあまり気にしない。
※七牙冥界闘終了直後からの参戦です。

【坂田銀時＠銀魂】
【状態】健康 額に浅い切り傷
【装備】備前長船「物干竿」＠史実
【道具】支給品一式（紙類全て無し）
【思考】基本：さっさと帰りたい。
１：危ない奴と斬り合うのはもう懲り懲り
２：新八を探し出す。
※参戦時期は吉原編終了以降
※沖田や近藤など銀魂メンバーと良く似た名前の人物を宗矩の誤字と考えています。 

宮本武蔵・塚原卜伝という、狡猾さでも殺意でも最高級の剣士に立て続けに出会った四人の剣士達。
彼等がこんな試練を受ける事になったのは偶然か、城という目立つ施設に立ち寄った為か、主人公格が揃っていたせいか。
ただ、少なくとも、己に逆らおうとする者を叩き潰そうという主催者の差し金、という訳ではなさそうだ。
何しろ、実際に主催者の一人に重傷を負わせた彼が、強敵とぶつけられるどころか、またも助け人に出会ったのだから。

「橋だ。足元に気を付けよ」
「どうも。本当に助かりました」
「何、困った時はお互い様よ」
言葉を交わしているのは富田勢源と辻月丹。
しぐれが待つ道祖神の祠を目指し、傷付いた足で急いでいた勢源は、伊庭寺を発った月丹に出会った。
勢源の事情を聞いた月丹が先導役を買って出、二人は並んで南に向かっている。
その代わりに、という訳ではないが、勢源は月丹に先程の体験を話す。
夜明けと共に島中に響いた声の主に会った事、そして、その者が白洲で少年を殺した技の正体を。
最後に、あの妖人が残して行った服を見せると、黙って話を聞いていた月丹が呟く。
「その者は、果心とやらかもしれぬな」
「御存知の者ですか？」
「そうではないが、これにな」
言って、月丹は懐から一冊の書物を取り出す。
そう言えば、勢源と出会った時にも、月丹は何かを読みながら歩いている風だった。
一瞬、それを勢源に見せようとする月丹だが、彼の眼の事を思い出し言葉で解説を始める。
「これは寺にあった日誌での。未だ読めたのは一部だけだが、後半部分に島が襲撃された事が記されておる。
　そして、唐人服を着た者が賊と親しげに話しており、首領に果心と呼ばれていたとか」
果心……確か、大和国にそのような名の凄腕の術者が居るという噂を聞いた覚えがある。
あの左道使いがその果心なら、主催者の頭目は別に居るということか。
「では、首領とは何者ですか？」
「首領についてはこの日誌の主もさして知らぬようだ。恐ろしく残忍だという他は、名しか書いておらぬ」
「その名は？」
「伏姫、と呼ばれていたそうだ」

【はノ漆／街道/一日目/朝】

【富田勢源＠史実】
【状態】足に軽傷
【装備】蒼紫の二刀小太刀の一本(鞘付き)
【所持品】なし
【思考】：護身剣を完成させる
一：香坂しぐれと合流する
二：死亡した佐々木小次郎について調べたい
※佐々木小次郎(偽)を、佐々木小次郎＠史実と誤認しています。

【辻月丹＠史実】
【状態】：健康
【装備】：ややぼろい打刀
【所持品】：支給品一式（食料なし）、経典数冊、伊庭寺の日誌
【思考】基本：殺し合いには興味なし
一：富田勢源をにノ陸の道祖神まで送る。
ニ：徳川吉宗に会い、主催であれば試合中止を進言する
三：困窮する者がいれば力を貸す
四：宮本武蔵、か……
【備考】
※人別帖の内容は過去の人物に関してはあまり信じていません。
　それ以外の人物（吉宗を含む）については概ね信用しています（虚偽の可能性も捨てていません）。
※椿三十郎が偽名だと見抜いていますが、全く気にしていません。
　人別帖に彼が載っていたかは覚えておらず、特に再確認する気もありません。
※1708年（60歳）からの参戦です。
※伊庭寺の日誌には、伏姫が島を襲撃したという記述があります。著者や真偽については不明です。


*時系列順で読む
前話:[[人の道と剣の道(前編)]] 次話:[[弟子と向き合う]]
*投下順で読む
前話:[[人の道と剣の道(前編)]] 次話:[[弟子と向き合う]]

|[[過失なき死]]|宮本武蔵|[[弟子と向き合う]]|
|[[過失なき死]]|塚原卜伝|[[秘技伝授]]|
|[[偸盗／藪の中]]|足利義輝|[[秘技伝授]]|
|[[偸盗／藪の中]]|犬塚信乃|[[秘技伝授]]|
|[[街角の小さな出来事～通りすがりの義理と人情物語～]]|剣桃太郎|[[秘技伝授]]|
|[[街角の小さな出来事～通りすがりの義理と人情物語～]]|坂田銀時|[[秘技伝授]]|
|[[波紋(前編)]]|富田勢源|[[義手と偽手]]|
|[[夜明け前に]]|辻月丹|[[義手と偽手]]|    </description>
    <dc:date>2011-03-30T20:24:47+09:00</dc:date>
  </item>
    <item rdf:about="http://www15.atwiki.jp/kenkaku/pages/283.html">
    <title>秘技伝授</title>
    <link>http://www15.atwiki.jp/kenkaku/pages/283.html</link>
    <description>
      *秘技伝授 ◆cNVX6DYRQU


「おいおい。あいつ、あの恐そうな爺さんを跪かせてるよ。え、マジに将軍なの？」 
「何だ、まだ信じてなかったのか、銀さん？」 
足利義輝と、その前に平伏している塚原卜伝を盗み見ながら、坂田銀時と剣桃太郎はこそこそと囁き交わす。 
「しかし、義輝さんが本物だとしたら、あの爺さんも本物の塚原卜伝って事になるのか……」 
名だたる剣聖との出会いに、桃太郎は覚えず好戦的に目を輝かせる。 
「有名な御仁か？」 
「ああ。塚原卜伝と言えば、史上最強と評価する奴もいる、高名な剣豪だぜ」 
桃太郎の言葉に、信乃は若干の警戒をもって義輝と卜伝を見守る。 
そこまで高名で、しかも義輝が師と崇める程の人物であれば、相当の剣客である事は間違いあるまい。 
仲間となってくれれば心強いが、それに関して、信乃には懸念が一つ。 
義輝は今迄、信乃と共に主催者に対抗する仲間を募って来たが、師に関しては、勧誘する事に積極的な素振りは見せなかった。 
手合わせをして己の剣技の進捗を見てもらうという事ばかり言い、協力要請はそれに付随して行うといった感じだろうか。 
とすると、首尾良く出会った二人がこれからまずする事は…… 

「異なる時代から？」 
卜伝は、再会した弟子義輝の口から出た突飛な言葉に眉を顰める。 
「うむ。間違いあるまい。この場には、遥かに先の時代、或いは過去より来た剣客が多く居る」 
もしかしたら書の中にある物語の世界から来た者すら居るかもしれない、とは義輝も流石に言い控えた。 
卜伝にしてみれば、義輝の言は荒唐無稽に聞こえるが、確かにそれが事実ならば死んだ筈の義輝が生きている説明も付く。 
廻国修行で全国の武芸流派を見聞し尽くした筈の卜伝が、見た事のない技を使う剣士とこの島で幾人も出会った事も。 
そこで、卜伝はひとまず、義輝の言葉を信用する事とする。 
もっとも、義輝の言葉の真偽がどうあろうと、卜伝の行動は特に変わる筈もないのだが。 

「卜伝、そなたはこれからどうするつもりだ？」 
「東西の、いや、公方様の御言葉が真ならば古今未来から一廉の剣客が集うこの場で、剣士たる者が為すべき事は一つ」 
卜伝の言葉に、義輝はやはりと嘆息しつつ頷く。 
三好松永の輩でなくとも、他人に強制されて殺し合うなど義輝には我慢ならない事だが、卜伝にはそうとも限らない。 
聞くところによれば、若き日の卜伝は貴人権門の気まぐれで武芸者との真剣勝負を求められる事が幾度もあったとか。 
だが、卜伝はそれを厭うどころか逆に好機とし、全ての立ち合いに勝利して己の剣と名声を高めたという。 
そんな経験があれば、この御前試合の受け止め方も義輝とは違っていて当然。 
義輝も、この師に対して意に染まぬ企てに協力させる事ができるとも、そうしたいとも思っていない。 
「公方様は、如何なされますか？」 
「この御前試合を企てた者共を成敗致すつもりだ」 
だから、下手な勧誘などせず、ただ己の決意のみを語る。 
「公方様なら、そうでしょうな」 
卜伝もまた、他者の意のままに動く事を決して肯じ得ない義輝の気性は理解しており、了解の意を示す。 
「ならば、最後に一手だけ、伝授致しましょう」 
平伏の体勢から卜伝が剣を突き出したのを見て、咄嗟に駆け出そうとする銀時・桃太郎・信乃の三人だが…… 
「手出し無用！すまぬが、二人だけで立ち合わせてくれ」 
「かまいませぬぞ。兵は将にとっての剣であり、良い兵を集め従えるのも将軍には欠かせぬ技。 
　公方様の集めた兵共が使い物になるや否や、見て進ぜよう」 
「あの者達は余の配下ではないし、何より、余は卜伝に一個の剣士として挑みたいのだ、頼む」 
最後の「頼む」は卜伝よりも仲間達に向けた言葉。彼等はやむなく立ち止まる。 
「けっ、むかつく爺だぜ。俺達をその他大勢みたいに言いやがって」 
銀時が毒づくが、信乃は卜伝の立ち居振る舞いから、その言葉のもう少し別の側面を読み取っていた。 
「あの老人、口で言う程には俺達の事を軽視してはいないようだ。 
　先の言葉も、俺達が義輝の家来ではないと知った上で、俺達の加勢を防ぐ為に敢えて言ったのかもしれない」 
「なるほど、評判通りの食えない爺さんって訳か」 
桃太郎などは卜伝の巧妙な兵法に更に闘争心を刺激された様子だが、義輝の思いを尊重して自重する。 
「何にしろむかつく事に変わりはねえな。おい、手出しはしねえから、刀はこいつを使え！」 
銀時が物干竿を抜いて素早く義輝に投げ渡す。 
義輝も、木刀でこの大剣豪に立ち向かう無謀は知っているので、その好意は素直に受けた。 
「すまぬ。では卜伝……参るぞ！」 

正眼に構えた二人の剣が交わる……と見えた瞬間、義輝が動く。 
剣尖を抑え込もうとして来る卜伝の剣を、己の剣をその周りに旋回させる事で外しつつ、電光の突きを放つ。 
「さすがは卜伝」 
突き出された物干竿の切っ先は、卜伝の身には届かず、その袂を僅かに裂くのみでかわされていた。 
義輝は感嘆の息を吐く。卜伝との再会の日の為に開発したこの技も、やはり卜伝から一本を取るには足りなかったかと。 
だが、実は感嘆していたのは卜伝の方も同じ。 
義輝の剣は、数年前に会った時に比べて、明らかに長足の進歩を遂げていたのだ。 
義輝が卜伝よりも前の時代から来ているらしい事を考えると、その進捗の速度は凄まじいとすら言える。 
これだけの技がありながら、松永の軍勢如きに討たれるとは、信じられなくなる程の腕前。 
いや、或いは、この進歩の多くは、御前試合が始まってからの戦いの中で身に付けたものなのだろうか…… 
どちらにしろ、義輝の素質はやはり相当の物。 
足利将軍家などに生まれていなければ、卜伝の後継者にも成り得たかもしれない。 
これだけの弟子を、万が一にも妖術師如きに討たせる訳にはいかないと、卜伝は気合を入れ直して最後の教授を始めた。 

暫し睨みあった後、卜伝はいきなり駆け出すと、城の中に駆け込む。 
長大な物干竿に対するのに、室内に入る事でその間合いの利を枷と為そうという事か。義輝もそうはさせじと後を追う。 
城の中に入っても、これだけ大きな城ならば、物干竿を存分に振るえるだけの広さを持っている部分も多くある。 
その領域に居る間に追いつこうとする義輝だが、卜伝に上手くかわされて間を詰められない。 
走力ならば若い義輝の方が断じて上回っているのだが、問題は卜伝の知識。 
卜伝の学んだ神道流は剣術のみならず、あらゆる武器に加え、軍配術や築城術をも含む総合武術。 
そして、卜伝はそれら全ての技を極め尽くしている。 
無論、義輝とて征夷大将軍として軍略を修めてはいるが、城に関する知識では卜伝が上回っているようだ。 
その知識を活かし、卜伝は城の構造を読み切り、無駄のない計算され尽くした動きで進んで行く。 
やがて、遂に卜伝が自ら足を止めた。 
そこは立ち並ぶ柱や低い鴨居が邪魔となり長刀を振るうには難がある、卜伝にとっては絶好の地形。 

地の利を味方に付けて義輝に対する卜伝だが、愛弟子の構えを見て表情を変える。 
剣を下段に付けたその構えは、明らかに卜伝の教えた新当流ではなく、新陰流のもの。 
足利義輝は卜伝だけでなく上泉伊勢守にも師事して新陰流を学んだのだから、それも不思議ではない。 
だが、上泉伊勢守と言えば、己を史上最強の剣士と堅く信じる卜伝が意識する数少ない剣客の一人。 
その伊勢守に伝授された技を卜伝に用いようとするとは…… 
思わず地形を盾にするのも忘れた卜伝が豪剣を繰り出すと、義輝は紙一重でかわして素早く身を転じた。 
死角からの奇襲に備えて正眼の構えを取る卜伝。 
多少は広い空間に身を移した義輝も、即座に攻勢には出ずに、向き直ると同時に正眼に構えて卜伝と剣を交える。 
次の瞬間、二人は互いに剣を四半回転させ、相手の剣を正中線から外そうと鬩ぎ合う。 
だが、義輝は筋力で勝る上に、身を転じた瞬間に握りを変えて剣で相手の押し退ける力を溜めていた。 
自身の剣の位置を保ったまま卜伝の剣を外し、素早く構え直して必殺の一撃を放つ。 
卜伝も同様に動くが、競り勝って正中線の位置を保っていた義輝の有利は、剣の重量による不利を補って余りある程。 
一瞬早く義輝の物干竿が唸り……空を切る。 
愕然として動きを止めた義輝に、一瞬遅れて振り下ろされた卜伝の剣が突きつけられた。 
「おわかりか？」 
「これは……妖術か？」 
卜伝は頷く。 
香取神道流はただの武術ではなく、忍術や陰陽術・方術・風水・陀羅尼など、魔の領域にも深く踏み込んだ流儀。 
それを学んだ卜伝自身がこれらの術を使えるという訳ではないが、術の効果を見破るくらいの事は十分に可能。 
卜伝の眼から見ると、この城の中には時空の歪みとでも言うべきものが存在していた。 
基本的には殆ど問題にもならない程度のものだが、この一角……ここでだけは歪みが相乗し、無視できない程になっている。 
具体的には、確実に卜伝を捉える筈だった義輝の剣が、軌道を逸らされて目標を外してしまうくらいに。 
「これを為した者は、おそらくは法師か居士」 
卜伝は推測する。城を覆うこの邪気は、法力の類によるものだと。しかも…… 
「主催者には外道の術者が付いているようですな。この歪みはおそらく、外道の術の使用に付随して生まれた産物」 
「外道の法師か居士……話に聞く立川流の類か？」 
外道の居士と言われて果心居士を思い出す義輝だが、その宗派、またそもそも真の仏徒なのかも、噂は語っていなかった。 
「いえ。それら左道邪教と呼ばれる者共も、仏を崇め、仏の力で事を為そうとする点においては仏道の中に居ります。 
　この場合の外道は、仏を信じながら仏を拒み、仏道を外れし者。左様な者は、必ずその根底に歪みを抱えておる筈」 
卜伝は言う。外道とは、通常は道に外れた願いや、道に則っていては得られぬ力を望んだ者が堕ちるもの。 
だが、仏道の場合、仏尊とは凄まじく多様な存在であり、その力・慈悲は無辺。 
確かに仏の教えには厳格な法が含まれるが、悪人成仏の教えに見られるように、仏の力と寛容さは容易く法を超越する。 
仏道の中には男女或いは稚児との性愛で仏と合一せんとするもの、殺戮によって悟りに近付かんとする教えすらあり得るとか。 
そして、法力を究めた者は、或いは如来と成り、或いは根源仏と合一し、無尽蔵な力を振るえるという。 
つまり、法師や居士は、仏道の中で右道左道を選べば如何なる望みでも叶えられる訳で、わざわざ道を踏み外す必要は皆無。 
にもかかわらず外道の法力を使うからには何らかの歪みを抱えている筈であり、此処の時空の歪みもその表れであろうと。 

「公方様。法力破りの技を伝授する暇はありませぬが、公方様ならば、必要な時が来れば自ずと使えるようになりましょう。 
　剣は全ての基にして、外道は必ず正道を恐れるもの。ただそれだけをお忘れあるな」 
観念的な言い様ではあるが、実際、卜伝の剣は時空の歪みなどものともせず、精確に義輝を襲っていた。 
それを見ただけでも……剣術が妖術の効果に打ち克つ事ができると確信できただけで、義輝にとっては大きな収穫だろう。 
言うべき事を言い終えると、愛弟子への最後の教授を終えた卜伝は一礼して剣を納め、立ち去る。 
二人の戦いを見守っていた義輝の仲間達は一顧だにせず……少なくとも、関心を示した様子を表には出さない。ただ、 
「今は去り申すが、次にお会いした時には、公方様等の御首級、頂戴致すでしょう。それまで御健勝で」 
そんな不吉な言葉を残して。 


【ほノ参／城内/一日目/午前】 

【塚原卜伝＠史実】 
【状態】左側頭部と喉に強い打撲 
【装備】七丁念仏＠シグルイ、妙法村正＠史実 
【所持品】支給品一式(筆なし) 
【思考】 
1:この兵法勝負で己の強さを示す 
2:勝つためにはどんな手も使う 
【備考】 
※人別帖を見ていません。 
※参加者が様々な時代から集められたらしいのを知りました。 

【足利義輝＠史実】 
【状態】打撲数ヶ所 
【装備】備前長船「物干竿」＠史実 
【所持品】支給品一式 
【思考】基本：主催者を討つ。死合には乗らず、人も殺さない。 
一：正午に城で新撰組の長と会見する。 
二：信綱と立ち合う。また、他に腕が立ち、死合に乗っていない剣士と会えば立ち合う。 
三：上記の剣士には松永弾正打倒の協力を促す。 
四：信乃の力になる。 
五：次に卜伝と出会ったなら、堂々と勝負する。 
【備考】※黒幕については未来の人間説、松永久秀や果心居士説の間で揺れ動いています。 
※犬塚信乃が実在しない架空の人物の筈だ、という話を聞きました。 

【犬塚信乃＠八犬伝】 
【状態】顔、手足に掠り傷 
【装備】小篠＠八犬伝 
【所持品】支給品一式、こんにゃく 
【思考】基本：主催者を倒す。それ以外は未定 
一：義輝を守る。 
二：義輝と信綱が立ち合う局面になれば見届け人になる。 
三：毛野、村雨、桐一文字の太刀、『孝』の珠が存在しているなら探す。 
【備考】※義輝と互いの情報を交換しました。義輝が将軍だった事を信じ始めています。 
※果心居士、松永久秀、柳生一族について知りました。 
※自身が物語中の人物が実体化した存在なのではないか、という疑いを強く持っています。 
※玉梓は今回の事件とは無関係と考えています。 

【剣桃太郎＠魁！！男塾】 
【状態】健康 
【装備】打刀 
【道具】支給品一式 
【思考】基本：主催者が気に入らないので、積極的に戦うことはしない。 
１：銀時、義輝、信乃に同行する。 
２：向こうからしかけてくる相手には容赦しない。 
３：赤石のことはあまり気にしない。 
※七牙冥界闘終了直後からの参戦です。 

【坂田銀時＠銀魂】 
【状態】健康 額に浅い切り傷 
【装備】木刀 
【道具】支給品一式（紙類全て無し） 
【思考】基本：さっさと帰りたい。 
１：危ない奴と斬り合うのはもう懲り懲り 
２：新八を探し出す。 
※参戦時期は吉原編終了以降 
※沖田や近藤など銀魂メンバーと良く似た名前の人物を宗矩の誤字と考えています。 


|[[義士達に更なる試練を ]]|塚原卜伝||
|[[義士達に更なる試練を ]]|足利義輝||
|[[義士達に更なる試練を ]]|犬塚信乃||
|[[義士達に更なる試練を ]]|剣桃太郎||
|[[義士達に更なる試練を ]]|坂田銀時||    </description>
    <dc:date>2011-03-30T20:19:15+09:00</dc:date>
  </item>
    <item rdf:about="http://www15.atwiki.jp/kenkaku/pages/202.html">
    <title>◆cNVX6DYRQU</title>
    <link>http://www15.atwiki.jp/kenkaku/pages/202.html</link>
    <description>
      **◆cNVX6DYRQU　氏

*氏が手がけた作品

|話数|タイトル|登場人物|
|009|[[凸凹コンビ結成]]|徳川吉宗、秋山小兵衛 |
|016|[[剣聖の決意、狂犬の末路]]|上泉信綱、岡田以蔵 |
|019|[[剣を失いし剣士達]]|斉藤伝鬼坊、細谷源太夫、石川五ェ門 |
|029|[[剣が主か主の剣か]]|白井亨、柳生連也斎 |
|034|[[狼狗相食む]]|佐々木只三郎、斉藤一 |
|041|[[魔境転生]]|柳生十兵衛、三合目陶器師、志村新八 |
|049|[[すれ違う思惑]]|新見錦、桂ヒナギク、沖田総司、犬塚信乃(男)、足利義輝 |
|053|[[失われた剣を求めて]]|瀬田宗次郎、東郷重位 |
|064|[[妖怪たちの饗宴]]|志々雄真実、久慈慎之介、トウカ、千葉さな子、緋村剣心、神谷薫、座波間左衛門、三合目陶器師 |
|067|[[名刀妖刀紙一重]]|小野忠明、佐々木小次郎(傷)、新免無二斎| 
|068|[[戦慄の活人剣]]|上泉信綱、林崎甚助、服部武雄|
|071|[[束の間の邂逅]]|土方歳三、山南敬助、烏丸与一|
|074|[[一人脱落、一人参戦]]|坂本龍馬、屈木頑乃助、斉藤一、富士原なえか|
|077|[[か細い絆]]|中村主水、明楽伊織、倉間鉄山|
|078|[[偽りの再会]]|富田勢源、佐々木小次郎(偽)|
|079|[[焦燥の中で]]|塚原卜伝、宮本武蔵、伊烏義阿|
|081|[[霊珠に導かれて]]|岩本虎眼、藤木源之助、柳生連也斎、高坂甚太郎|
|082|[[活人剣の道険し]]|上泉信綱、林崎甚助、武田赤音、神谷薫、岡田以蔵、緋村剣心|
|083|[[すれ違う師弟]]|小野忠明、斎藤弥九郎、千葉さな子|
|084|[[忠誠いろいろ]]|奥村五百子、佐々木只三郎、犬坂毛野|
|085|[[修羅の道行き]]|久慈慎之介、トウカ、志々雄真実、山南敬助、烏丸与一|
|087|[[夜明け前に]]|徳川吉宗、秋山小兵衛、魂魄妖夢、椿三十郎、辻月丹|
|089|[[ただ剣の為に]]|赤石剛次、明楽伊織、倉間鉄山、中村主水、伊良子清玄、白井亨|
|091|[[迷いの剣]]|伊東甲子太郎、外薗綸花、川添珠姫、新見錦、服部武雄|
|092|[[有り得ざる邂逅]]|伊藤一刀斎、新免無二斎、東郷重位|
|093|[[日の出]]|近藤勇、土方歳三、三合目陶器師、果心居士、柳生宗矩、南光坊天海、徳川忠長|
|096|[[過失なき死]]|塚原卜伝、伊烏義阿、宮本武蔵、奥村五百子、犬坂毛野|
|097|[[波紋(前編)]]&amp;br()[[波紋(後編)]]|秋山小兵衛、徳川吉宗、魂魄妖夢、富田勢源、香坂しぐれ、果心居士、志々雄真実|
|098|[[すれ違い続ける剣士達]]|芹沢鴨、沖田総司、石川五ェ門、細谷源太夫、桂ヒナギク、東郷重位、緋村剣心、神谷薫|
|101|[[義士達に更なる試練を]]|足利義輝、犬塚信乃、剣桃太郎、坂田銀時、塚原卜伝、宮本武蔵、富田勢源、辻月丹|
|102|[[弟子と向き合う]]|斎藤弥九郎、千葉さな子、宮本武蔵、高坂甚太郎|
|103|[[名刀の鞘]]|伊藤一刀斎、香坂しぐれ、椿三十郎、志々雄真実|
|104|[[技比べ]]|芹沢鴨、桂ヒナギク、細谷源太夫、沖田総司、石川五ェ門、白井亨、柳生連也斎|
|105|[[待ち望んだ対決]]|小野忠明、柳生宗矩|
|106|[[三剣士、復活を志す]]|近藤勇、土方歳三、佐々木小次郎(偽)|
|107|[[主水、不運を嘆く]]|明楽伊織、倉間鉄山、赤石剛次、中村主水、東郷重位|
|108|[[顔合わせ]]|上泉信綱、武田赤音、宮本武蔵、柳生連也斎|
|109|[[悪夢の終わり]]|柳生十兵衛、志村新八、オボロ、新免無二斎、佐々木只三郎、富士原なえか|
|110|[[妖薙ぎの剣]]|秋山小兵衛、徳川吉宗、魂魄妖夢、志々雄真実|
|111|[[秘技伝授]]|塚原卜伝、足利義輝、犬塚信乃、剣桃太郎、坂田銀時|
|112|[[疾風の如く！]]|芹沢鴨、細谷源太夫、桂ヒナギク、沖田総司、石川五ェ門、志々雄真実、徳川吉宗、秋山小兵衛、魂魄妖夢、近藤勇、藤木源之助|
|113|[[選んだ道]]|柳生宗矩、明楽伊織、倉間鉄山、赤石剛次|
|114|[[義手と偽手]]|辻月丹、富田勢源、徳川吉宗、秋山小兵衛、魂魄妖夢、藤木源之助、香坂しぐれ、佐々木小次郎(偽)、細谷源太夫|
|115|[[燃え尽きるまで]]|芹沢鴨、沖田総司、細谷源太夫、緋村剣心、神谷薫、志々雄真実|
|116|[[決戦前]]|新免無二斎、柳生十兵衛、オボロ、志村新八、赤石剛次、坂本龍馬、伊東甲子太郎|

*登場させたキャラ(九十八話まで)

3回
上泉信綱、志々雄真実、徳川吉宗、秋山小兵衛
緋村剣心、神谷薫、東郷重位、

2回
斉藤一、柳生連也斎、岡田以蔵、林崎甚助、
千葉さな子、小野忠明、佐々木只三郎、久慈慎之介、トウカ、
山南敬助、烏丸与一、白井亨、中村主水、倉間鉄山、魂魄妖夢
明楽伊織、新見錦、服部武雄、新免無二斎、三合目陶器師、土方歳三
奥村五百子、犬坂毛野、塚原卜伝、宮本武蔵、伊烏義阿、果心居士
細谷源太夫、石川五ェ門、桂ヒナギク、沖田総司、

1回
斉藤伝鬼坊、、柳生十兵衛、
志村新八、犬塚信乃(男)、足利義輝、瀬田宗次郎、
座波間左衛門、佐々木小次郎(傷)、坂本龍馬、屈木頑乃助、
富士原なえか、富田勢源、佐々木小次郎(偽)、
岩本虎眼、藤木源之助、高坂甚太郎、武田赤音、斎藤弥九郎、仏生寺弥助、
椿三十郎、辻月丹、伊良子清玄、明石剛次、芹沢鴨
伊東甲子太郎、外薗綸花、川添珠姫、伊藤一刀斎、近藤勇、
柳生宗矩、南光坊天海、徳川忠長、香坂しぐれ


*作品に寄せられた感想
#comment
-----------    </description>
    <dc:date>2011-03-30T12:26:40+09:00</dc:date>
  </item>
    <item rdf:about="http://www15.atwiki.jp/kenkaku/pages/270.html">
    <title>【101～150】</title>
    <link>http://www15.atwiki.jp/kenkaku/pages/270.html</link>
    <description>
      |NO.|タイトル|作者|登場人物|
|101|[[義士達に更なる試練を ]]|[[◆cNVX6DYRQU ]]|足利義輝、犬塚信乃、剣桃太郎、坂田銀時、塚原卜伝、宮本武蔵、富田勢源、辻月丹|
|102|[[弟子と向き合う]]|[[◆cNVX6DYRQU]]|斎藤弥九郎、千葉さな子、宮本武蔵、高坂甚太郎|
|103|[[名刀の鞘]]|[[◆cNVX6DYRQU]]|伊藤一刀斎、香坂しぐれ、椿三十郎、志々雄真実|
|104|[[技比べ]]|[[◆cNVX6DYRQU]]|芹沢鴨、桂ヒナギク、細谷源太夫、沖田総司、石川五ェ門、白井亨、柳生連也斎|
|105|[[待ち望んだ対決]]|[[◆cNVX6DYRQU]]|小野忠明、柳生宗矩|
|106|[[三剣士、復活を志す]]|[[◆cNVX6DYRQU]]|近藤勇、土方歳三、佐々木小次郎(偽)|
|107|[[主水、不運を嘆く]]|[[◆cNVX6DYRQU]]|明楽伊織、倉間鉄山、赤石剛次、中村主水、東郷重位|
|108|[[顔合わせ]]|[[◆cNVX6DYRQU]]|上泉信綱、武田赤音、宮本武蔵、柳生連也斎|
|109|[[悪夢の終わり]]|[[◆cNVX6DYRQU]]|柳生十兵衛、志村新八、オボロ、新免無二斎、佐々木只三郎、富士原なえか|
|110|[[妖薙ぎの剣]]|[[◆cNVX6DYRQU]]|秋山小兵衛、徳川吉宗、魂魄妖夢、志々雄真実|
|111|[[秘技伝授]]|[[◆cNVX6DYRQU]]|塚原卜伝、足利義輝、犬塚信乃、剣桃太郎、坂田銀時|
|112|[[疾風の如く！]]|[[◆cNVX6DYRQU]]|芹沢鴨、細谷源太夫、桂ヒナギク、沖田総司、石川五ェ門、志々雄真実、徳川吉宗、秋山小兵衛、魂魄妖夢、近藤勇、藤木源之助|
|113|[[選んだ道]]|[[◆cNVX6DYRQU]]|柳生宗矩、明楽伊織、倉間鉄山、赤石剛次|
|114|[[義手と偽手]]|[[◆cNVX6DYRQU]]|辻月丹、富田勢源、徳川吉宗、秋山小兵衛、魂魄妖夢、藤木源之助、香坂しぐれ、佐々木小次郎(偽)、細谷源太夫|
|115|[[燃え尽きるまで]]|[[◆cNVX6DYRQU]]|芹沢鴨、沖田総司、細谷源太夫、緋村剣心、神谷薫、志々雄真実|
|116|[[決戦前]]|[[◆cNVX6DYRQU]]|新免無二斎、柳生十兵衛、オボロ、志村新八、赤石剛次、坂本龍馬、伊東甲子太郎、斉藤一、服部武雄、外薗綸花、富士原なえか|    </description>
    <dc:date>2011-03-30T12:08:41+09:00</dc:date>
  </item>
    <item rdf:about="http://www15.atwiki.jp/kenkaku/pages/253.html">
    <title>連絡掲示板</title>
    <link>http://www15.atwiki.jp/kenkaku/pages/253.html</link>
    <description>
      *連絡掲示板

PC、携帯共に規制されている、
などの事情に付き、本スレに書き込めない場合、
連絡用に御利用下さい


*連絡コメント
- 避難所に　東郷重位、高嶺響、香坂しぐれ、富田勢源　投下しました。代理投下お願いします  -- ◆F0cKheEiqE  (2010-05-23 03:02:26)
- 再度テストコメント  -- ◆F0cKheEiqE  (2010-05-23 03:20:01)
- 代理投下感謝します  -- ◆F0cKheEiqE  (2010-05-23 21:56:34)
- 避難所に、富士原なえか　投下しました　代理投下お願いします  -- ◆F0cKheEiqE  (2010-07-12 02:11:02)
- 代理投下感謝します  -- ◆F0cKheEiqE  (2010-07-12 20:07:53)
- すいません。二日ほど予約延長　お願いします　本スレに書き込めないのでこちらに  -- ◆F0cKheEiqE  (2010-07-28 21:34:17)
- 誰かwikiの更新手伝って  -- 名無しさん  (2011-01-12 21:42:50)
#comment
-----------    </description>
    <dc:date>2011-01-12T21:42:50+09:00</dc:date>
  </item>
    <item rdf:about="http://www15.atwiki.jp/kenkaku/pages/260.html">
    <title>第二回放送までの死者</title>
    <link>http://www15.atwiki.jp/kenkaku/pages/260.html</link>
    <description>
      **第二回放送までの死者 

|時間|名前|殺害者|死亡作品|死因|凶器|
|朝|山南敬助|藤木源之助|[[寛永四年八月の虎／哭いて血を吐く不如帰]]|『流れ』により額から頭蓋を斬られる|一竿子近江守＠史実|
|朝|伊烏義阿|奥村五百子|[[過失なき死]]|歯で頸動脈を噛み切られる|五百子の歯＠史実|
|朝|奥村五百子|塚原卜伝|[[過失なき死]]|『一の太刀』で縦に両断される|七丁念仏＠シグルイ|
|朝|犬坂毛野|宮本武蔵|[[過失なき死]]|仕込み刀で胸を突かれる|中村主水の刀＠必殺シリーズ|
|朝|川添珠姫|小野忠明|[[人の道と剣の道(前編)]]&amp;br()[[人の道と剣の道(後編)]]|『夢想剣』により額を割られる|木刀・正宗＠ハヤテのごとく！|
|朝|斎藤弥九郎|千葉さな子|[[弟子と向き合う]]|居合で斬られる|童子切安綱？|
|朝|佐々木只三郎|富士原なえか|[[悪夢の終わり]]|柳生十兵衛との交戦中に、『夢想剣？』にて両断される|壺切御剣＠史実|
|午前|高坂甚太郎|宮本武蔵|[[弟子と向き合う]]|背骨を打ち砕かれる|木刀|
|午前|小野忠明|柳生宗矩|[[待ち望んだ対決]]|死角に入り込まれ斬られる|三日月宗近＠史実|


&amp;color(red){以上合計32人【残り48人】}

**最期の言葉

|名前|最期の言葉|
|山南敬助|（切っ先が伸び――ッ！？）|
|伊烏義阿|「！」|
|奥村五百子|「あなた様が塚原卜伝とは信じられぬ」|
|犬坂毛野|(こんな所で、死ぬ訳には……！)|
|川添珠姫|「突きいいいぃぃぃぃぃぃっっっ！！」|
|斎藤弥九郎|「しかし、そなたの剣には一点の曇りもなかった。……すまぬ」|
|佐々木只三郎|「くっ！」|
|高坂甚太郎|「おおっと！」|
|小野忠明|(この動きは、柳生……！！) |

**殺害数
|順位|該当者|人数|このキャラに殺された人|生存状況|スタンス|
|一位|伊烏義阿|☆☆☆|鵜堂刃衛、九能帯刀、犬塚信乃(女)|&amp;color(red){死亡}|中立（特定人物狙い）|
||小野忠明|☆☆☆|佐々木小次郎（傷）、仏生寺弥助、川添珠姫|&amp;color(red){死亡}|優勝狙い|
|三位|仏生寺弥助|☆☆|中村半次郎、河上彦斎|&amp;color(red){死亡}|無差別|
||東郷重位|☆☆|瀬田宗次郎、高嶺響|生存|優勝狙い|
||塚原卜伝|☆☆|師岡一羽、奥村五百子|生存|優勝狙い|
||宮本武蔵|☆☆|犬坂毛野、高坂甚太郎|生存|優勝狙い|
||千葉さな子|☆☆|座波間左衛門、斎藤弥九郎|生存|中立|
||富士原なえか|☆☆|屈木頑乃助、佐々木只三郎|生存|中立|
|九位|岩本虎眼|☆|斎藤伝鬼坊|&amp;color(red){死亡}|無差別|
||佐々木只三郎|☆|清河八郎|&amp;color(red){死亡}|優勝狙い|
||屈木頑乃助|☆|佐々木小次郎（史実）|&amp;color(red){死亡}|優勝狙い（ストーカー）|
||岡田以蔵|☆|四乃森蒼紫|&amp;color(red){死亡}|無差別|
||柳生連也斎|☆|岩本虎眼|生存|対主催＋特定人物狙い|
||神谷薫|☆|林崎甚助|生存|対主催|
||志々雄真実|☆|久慈慎之介|生存|無差別|
||武田赤音|☆|岡田以蔵|生存|危険対主催|
||赤石剛次|☆|伊良子清玄|生存|危険対主催？|
||服部武雄|☆|新見錦|生存|脱出＋特定人物狙い|
||土方歳三|☆|三合目陶物師|生存|無差別|
||藤木源之助|☆|山南敬助|生存|優勝狙い＋特定人物狙い|
||奥村五百子|☆|伊烏義阿|&amp;color(red){死亡}|危険対主催|    </description>
    <dc:date>2010-12-05T13:05:00+09:00</dc:date>
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    <item rdf:about="http://www15.atwiki.jp/kenkaku/pages/243.html">
    <title>霊珠に導かれて</title>
    <link>http://www15.atwiki.jp/kenkaku/pages/243.html</link>
    <description>
      *霊珠に導かれて ◆cNVX6DYRQU  


「先生、しっかりして下さい」
藤木源之助は石を枕に川辺で臥せる岩本虎眼の額に、川の水に浸した手拭を乗せる。
城下町で坂田銀時に殴られて気絶してから暫し、虎眼は時々うなされるばかりで一向に眼を覚ます気配がなかった。
木刀の当たり所が悪かったのか、他の原因があるのか、どちらにせよ藤木には打つ手がない。
どうしたら良いかわからず、辺りを見回した藤木の眼に、淡い光が映る。
不審に思って光の源をよく見ると、そこには小石に混じって光る珠が一つ転がっていた。珠の表面には「忠」の文字。
興味を持って拾い上げると、珠を持った手から温かみが伝わり、疲労が癒えて行く。
それを悟った瞬間、藤木は弾けるように動いてその珠を虎眼に握らせる。
効果覿面、師の荒れていた呼吸が穏やかになって静かな眠りに入ったように見え、ひとまず息をつく藤木。
だが、直後に虎眼が握る珠の光が強くなり始め、藤木は慌てて珠を取り上げると周囲を見回す。
と、北の方から、珠の光と同質の淡い光が、これもやはり徐々に光を強めながら人魂のように飛んで来ていた。

虎眼の枕元に刀を一本置くと、脇差を手挟んで珠を掲げつつ慎重に人魂に歩み寄る藤木。
近付くにつれて珠と人魂の光は呼応するように強くなって行き、珠の変化はあの人魂のせいだとはっきり悟る。
更に近付くと、既に予想していた事ではあるが、それが人魂ではなく、同様の珠を持った人間だとわかった。
だが、相手が化生の者でなかったという事実は、必ずしも藤木を安心させはしない。
今のような、背後に意識がない師を抱えた状況では、長大な木刀を持ち殺気立った男は妖怪以上に用心の要る存在だ。
警戒の念をあからさまにしないよう気を付けつつ男の出方を伺う藤木に対し、向こうは直截に話し掛けて来た。
「失礼。先程、この河を流されて来た者が居る筈だが、御存知ないか？」
言いながら、藤木の背後で寝ている虎眼を気にする様子を見せる。
この男がその流されたという者を見つけてどうするつもりなのか知らぬが、今は余計な事に巻き込まれたくはない。
「俺は藤木源之助、あちらは岩本虎眼先生だ。先生の具合が悪い為、少し前からここにいるが、誰も見ておらぬ」
正直に言って追い払おうとするが、相手は完全には納得していないようだ。
「ふむ、確かにこちらに来ている筈なのだが……。ああ、申し遅れた。拙者は「柳生！」」

いきなりの大声に驚いて振り向くと、眠っていた筈の虎眼が起き上がり、打刀を手にずんずんと歩いて来る。
その全身から溢れ出る殺気と、男に向けられた鋭い眼光を見れば、何をしようとしているかは火を見るより明らか。
対する男……虎眼が看破した通り柳生一族の正嫡たる厳包もそれに応じて珠を懐にしまうと木刀を構える。
あの老人にも岩本虎眼という名にも覚えはないが、柳生と名指しした上での挑戦を避ける事など厳包には考えられぬ。
藤木の戸惑いをよそに、虎眼と厳包の戦意は互いに刺激しあって高まり、戦端が開かれようとしていた。

「お待ち下さい、先生。もうしばらく身体を休めなくては」
未だに混乱が収まっていないようだが、言葉を発するようになっただけ改善している。
そう考えた藤木は何とか虎眼を止めようとするが、虎眼の注意は厳包にのみ向けられていて藤木の事は眼中にない。
その間に虎眼と厳包の間合いはどんどん詰まって行き、そろそろどちらかが仕掛けてもおかしくない距離になっている。
「待ってくれ、先生は今っ！？」
二人の間に立ち塞がって今度は厳包を説得しようとした藤木だが、それは果たせなかった。
虎眼が無言のままの抜き打ちで藤木の背に斬りつけ、それとほぼ同時に厳包が木刀で藤木の鳩尾を突いたのだ。

虎眼も厳包も、特に藤木を害そうとして武器を振るったのではない。
虎眼にしてみれば、藤木は憎き柳生に斬り付けるのに邪魔な障害物であり、どかす為に切りつけただけの事。
対する厳包は、虎眼が刃を藤木に埋めたのを見、その身体が虎眼を牽制する良い武器になると考えて突いたまで。
そして、厳包の狙い通り、藤木の身体は突かれた勢いで吹き飛び虎眼にぶち当たろうとする。
虎眼は身をかわすが、藤木の身体に切り込んでいた刀が持って行かれて体勢を崩す。
そこに厳包は必殺の一撃を打ち込み――ガンッ――弾き飛ばされそうになって慌てて体勢を整える。
厳包の一撃を弾き返したのは虎眼の拳……拳撃を木刀の一撃に合わせ、受け止める所か逆に跳ね返したのだ。
(今の世にこのような技を使う流派が残っていたのか……)
前に戦った白井の洗練された剣とは真逆の、戦国期にもそうはなかっただろう虎眼流の荒々しさに戦慄する厳包。
だが、相手が強敵である事で厳包の戦意が削がれることは決してない。
それどころか、初めて見る異質な剣に興奮した厳包は、必死に探していた白井の事すら半ば忘れて虎眼に挑みかかる。

虎眼流開祖岩本虎眼と新陰流五世柳生厳包。
その実力は完全に拮抗していたが、実際の戦いは虎眼優勢で進んで行った。
二人の優劣を分けているのは情報量の差。
虎眼は若き日に厳包の大叔父宗矩と立ち合っており、その時に宗矩が見せた動きは目に焼きついている。
その上、虎眼が道場を置いていた駿府藩の藩士は大半が旗本の子弟で、柳生新陰流を学んだ者も多かった。
一方、厳包は虎眼流など知らないし、その手筋は彼が見知っているどの流派と比べても異質な物だ。
こちらの動きを読み、十一本の指を駆使した精妙な剣で攻める虎眼の前に厳包は追い詰められ、遂に木刀を切断される。
切断されたと言っても、切られたのは木刀の切先数寸のみであり、殺傷力が大幅に減じたとは言えないだろう。
むしろ、切先が鋭く切断された事で突きの威力は上昇するかもしれない。
それでも、勢いで虎眼が勝っているのは間違いない事実。新陰流ならばここで一歩引いて体勢を立て直そうとする筈。
その動きに乗じて一気に踏み込んで厳包を斬り捨てようとする虎眼だが、意に反して厳包は退かず、逆に攻撃して来た。

岩本虎眼は柳生新陰流を熟知している……先にそう述べたが、虎眼が知っているのはあくまで江戸柳生の剣。
江戸と尾張、根は同じ新陰流でも、時代の変遷に合わせて各々工夫を重ねる内に、少しずつ差異が現れている。
無論、同じ術技から出発して、類似点の多い境遇で同じ時代の変化を味わったのだから、その差は決して大きくない。
だからこそ、虎眼もここまで厳包の動きを読めていたのだが、江戸と尾張の剣には一つだけ根本的な違いがあった。
それは、尾張柳生が武芸者の剣であるのに対し、江戸柳生は貴人の剣になったという点だ。
嘗て、徳川家康が上泉伊勢守の甥にして高弟である疋田文五郎の剣を「匹夫の剣」と評したという逸話がある。
一軍の大将には、敵を討ち取る為の剣術は不要で、危急の際に部下が駈け付けるまで難を逃れる技があればいいと言うのだ。
そんな家康に指南役として仕える以上、伊勢守から石舟斎に伝えられた新陰流では重用される筈もない。
それ故、宗矩は己の新陰流を改革し、原型の新陰流よりも防御を重視した剣術体系に編み直した。
だからこそ虎眼はここで厳包が防御に回ると読んだのだが、尾張の新陰流にはここで退くという法はない。
将軍や多数の大名を弟子とした江戸柳生程ではないにしても、尾張柳生とて尾張藩主など、貴人の弟子を多く抱えている。
だが、尾張の柳生家は彼等の為に新陰流を改変して貴人の剣にしようとはしなかった。
新陰流正統としての、武芸者としての誇りが、そういう形で権力にすり寄る事を許さなかったのだ。
故に、厳包がこの場面で選択したのは攻め。
放たれた決死の剣は、相手の反撃を予想していなかった虎眼に防御の暇を与えず、鍔越しにその右拳を強かに打つ。

「おのれ、柳生……！」
右拳に一撃を受け、親指を破壊された虎眼は厳包を睨みつけながら呻く。
元々虎眼は常人より一本多く指を持っているのだから、指一本潰された所で相手と五分になっただけとも言える。
それよりも致命的なのは、肝心の場面で敵の動きを完全に読み違えた事。
この男の新陰流は、宗矩のそれと一見似ているようで、根本の部分に差異があるらしい。
つまり、江戸柳生の知識のみを基に厳包の動きを予想するのは危険を伴うという事だ。
敵の動きを読み切れないなら、虎眼の打つべき手は唯一つ。どんな動きをしても防げない必殺の奥義を叩き込むのみ。
虎眼は刀を水平に構えると左手でその切先を掴む……虎眼流「星流れ」の構えである。

厳包は虎眼の構えを見て何らかの奥義の類いを放つつもりだと悟るが、ここでも選択したのは守りでなく攻め。
構えの形から虎眼の次撃が右方向への横薙ぎだと判断すると、舞うような動きで瞬時に虎眼の左側面に回り込む。
そのまま虎眼の左拳を破壊しようとしたところで、厳包の身体を戦慄が走り抜ける。
虎眼が横薙ぎを放つと同時に身体全体で回転することで、剣を一回転させて左側にいる厳包に届かせたのだ。
それを完全に見切った訳ではないが、厳包は本能が危険を察知すると同時に跳躍し、背面跳びの要領で虎眼の刃を飛び越えた。
しかし、跳躍の結果、厳包は虎眼に空中で背中を見せてしまう。
如何に柳生厳包と雖も、この状態で攻撃されれば対処の仕様がない。
一歩前に出て一息に厳包を両断しようとする虎眼だが、踏み出した足が柔らかい物を踏んで体勢を崩す。

そこにあったのは藤木源之助の身体。
厳包は、打ち倒した藤木の位置を意識の片隅で覚えておき、跳躍する際に、それが防壁となるように方向を調整したのだ。
万全な状態であれば、虎眼がこの程度の策にかかる事はなかったであろう。
しかし、今の虎眼は憎き柳生の面影を持つ男に出会った事で強烈な復讐心が喚起され、平常心を失っている。
強い想いは虎眼の剣に常以上の冴えを与えたが、一方で厳包に執着するあまり、他の者が目に入らなくなってしまった。
それによって生じた一瞬の遅滞……虎眼が藤木の身体を蹴り飛ばして構え直したときには、厳包は既に着地済み。
しかし、そんな事で虎眼は怯まない。大上段に構えると、渾身の殺気を籠めて腕を振り下ろす。

もしも、二人の戦いを傍で見ている剣士がいたならば、その者にはこう見えたであろう。
岩本虎眼が上段からの片手切りを放ち、柳生厳包が木刀の鍔でそれを受け止めたと。
だが、それは錯覚。岩本虎眼が振り下ろしたのは剣を握っていない空手であり、厳包の木刀にはそもそも鍔などない。
虎眼の凄まじい殺気と、それに応ずる厳包の気迫のぶつかり合いが、そんな幻を生じる程に激しかったのだ。
しかし、このぶつかり合いも所詮は前哨戦。続いて、虎眼の今度は刀を握った手を振り下ろす。
豪剣の使い手の渾身の一撃を木刀で受けるのは無謀。
そう判断した厳包は、間合いを外してかわそうとするが、そこで振り下ろされる刀の間合いが変化している事に気づく。
虎眼は斬撃と同時に柄を手の内で滑らせ、剣の間合いを伸ばしたのだ。
今からではかわしきれない、そう悟った厳包は、かわすのではなく攻勢に出た。
肋一寸……肉を斬らせて骨を断つ新陰流の剣理だ。
もっとも、厳包がこれから受ける傷は一寸程度の深さでは済みそうもないが、それでも止まるつもりはない。
例え自身が致命傷を受けようとも、必ず反撃をやり遂げて虎眼を斃す覚悟を厳包は固める。
そうなると、危険なのは虎眼の方だ。相手の身体に刀を埋めた状態で攻撃されれば満足な防御も回避も不可能。
だが、厳包が決死の反撃を狙っているのを気配で察しても、虎眼は剣を振り下ろす勢いを弱めようとはしない。
相討ち必至の状況でありながら、二人は己の剣が紙一重だけでも早く相手の息の根を止めると信じ、剣を振るう。
そして、二人の剣が交錯する。刃が肉を裂き木が肉を貫く音が周囲に響き、血が飛び散った。
一瞬の静止の後、二人の身体が同時に崩れ落ち……倒れる寸前、片方だけが踏みとどまる。

幾度か倒れそうになりながらもどうにか城下町に入ると、目に付いた民家の一軒に転がり込んだ。
中に誰も居ない事を確認して戸締りし、漸く一息付いて座り込む。
あの戦いの場からここまで、誰にも出会わずに来れたのは幸運だったとしか言いようがない。
もし、戦いの気配を感じた剣客が現れ、勝負を挑まれていたら最期だったろう。
今になって漸く仏の加護が顕れたかと、彼……柳生厳包は苦笑する。
本当に加護が欲しかった白井亨の捜索については、この状況ではしばらく休止するより他にあるまい。
その間に余計な事を言い触らされたら、という危惧はあるが、こんな身体で白井を見つけても討たれるだけだ。
あの老人の斬撃は、本来ならば間違いなく厳包の命を刈り取っていた程のものだったのだから。

厳包は懐に手を入れ、己の命を救ってくれた珠を取り出した。
「あの子供には感謝せねばならぬな」
白井を探す自分に、それらしい男が流れて行ったと教え、提灯代わりにとこの光る珠をくれた少年の事を思い出す。
肝心の白井は見付かっていないが、珠の方は提灯どころか厳包の命を救ってくれた。
あの時、虎眼の剣が懐にあったこの珠に当たり、そのお蔭で厳包は辛うじて致命傷を免れたのだ。
と、取り出した珠を見つめる厳包の眼が訝しげに細められる。
記憶違いでなければ、あの高坂という少年に渡された時、この珠には「仁」の文字が浮かんでいた筈。
しかし、現在この珠に浮き出ているのは「如」の文字。
不可解な現象を怪しんだ厳包だが、すぐに考えを改めて珠を置き、傷の手当を始める。
そもそも珠が光っている時点で十分に不可思議な現象だ。今さら文字が変わったくらい気にするほどの事か。
加えて、「如」の字は父利厳の号「如雲斎」の頭文字であり、厳包にとっては縁起の良い文字と言えよう。
そう考えれば、先程この珠が虎眼の剣を防いでくれたのも父の加護だったのではないかと思えて来る。
ならば、父の名を汚さぬ為にも早く回復し、白井を見つけ出して今度こそ討ち取らねば。
決意を新たに、新陰流正統継承者は、暫しの雌伏の時に入る。

【ほノ肆　城下町/一日目/早朝】

【柳生連也斎＠史実】
【状態】胸部に重傷
【装備】打刀＠史実
【所持品】支給品一式、「仁」の霊珠(ただし、文字は「如」に戻っています)
【思考】
基本：主催者を確かめ、その非道を糾弾する。
一：少し休んで傷と体力を回復させる。
二：白井亨を見つけ出し、口を封じる。
三：戦意のない者は襲わないが、戦意のある者は倒す。
四：江戸柳生は積極的に倒しに行く。
【備考】※この御前試合を乱心した将軍(徳川家光)の仕業だと考えています。 

重傷を負いながらも岩本虎眼を倒した柳生厳包が、虎眼の刀だけを奪ってよろめき去ってからしばらく後。
一人の男……いや、少年が惨劇の現場へと忍び寄って来た。
「やっぱりここにもう一つ珠があったか。道理でさっきからこいつの光り具合が妙な具合だったはずだ。
　にしても、置いて行ってくれるたあ、あの侍、見込んだ通り気が利くね」
倒れた藤木の手に握られた珠を見ながら呟く少年……高坂甚太郎の手にもまた、「智」の字が浮き出た珠が握られている。
あの時……甚太郎が草叢にて柳生厳包に会った時、甚太郎は既に二つもの宝珠を手にしていたのだ。
それだけでも後の大泥棒の面目躍如だが、のみならず彼は、この宝珠の有効な使い方をすぐに発見した。

複数の珠を手にすればすぐにわかる事だが、これらの珠の光は、別の珠と近付けば近付くほど強くなる性質を持つ。
つまり、珠の一つを誰かに持たせれば、光の強弱でその者との大まかな距離の変遷が見分けられるのだ。
そして、甚太郎は己の歌にひかれてやって来た柳生厳包に、珠の一つ……「仁」の珠を与えた。
厳包には珠を提灯代わりにしろと言ったが、実際には珠を持った厳包自身を己の提灯代わりにするのが甚太郎の狙い。
いや、提灯と言うより、戦国の世に生きた甚太郎には通じぬ例えだが、鉱山で使われる金糸雀と言う方が正確か。
厳包と同じ歩調で歩く甚太郎が持つ珠の光が一定で保たれれば、それは即ち厳包が順調に進んでおりそこが安全だという事。
逆に光が強くなって来たら、厳包が誰かに襲われるなどして進めなくなった事を意味し、立ち止まって様子を見るべき。
それからまた「仁」の珠が動き出せば、厳包が危険を排除したか、誰かが厳包を殺し珠を奪ってさったと推測できる。
珠が長く留まったままなら、厳包が殺されて死体が珠ごと放置されたか、相討ちか、延々と殺しあってるのか、
何にしろ珠の傍には死体か長く戦って弱った奴しかいない筈なので、漁夫の利を得るのは容易いだろう。
そういう訳で、甚太郎は厳包を、先行して道中の安全を測る提灯に仕立て上げたのだ。

甚太郎の見るところ、厳包はこういう使い方をするのに最適の人物である。
大声で歌う甚太郎に寄ってきた事や、肝の据わった態度から考えて、襲われた時に襲撃者を放置して逃げる心配はまずない。
かと言って、甚太郎を問答無用で襲ったりはしなかったように、危険でない者を無用に襲ったりもしないだろう。
そして何より甚太郎にとって好都合なのは、厳包が白井とかいう男を探すのに非常に焦っていた事。
まず、休憩したり危険でない人物と長話をしたりすまいから、足を止めれば危険人物と会ったのだとすぐにわかる。
そして、こちらがより重要なのだが、厳包にとっては己が殺した者の死体を漁る事すら無駄な時間だと感じられる筈だ。
要するに、厳包が誰かに襲われて首尾良く返り討ちにすれば、その場には手付かずの死体が残る公算が高い。
そう考えて甚太郎は厳包に珠を渡したのだが、その目論見は見事に当たった。
この場には厳包がやったと思しき死体が二つあるのだが、老人の方の得物が見当たらない以外は、行李も珠も残されている。
特に、ここでもう一つ珠が手に入るのは甚太郎には有難い。
血の跡から見て厳包は城下に入ったようだが、入り組んだ町の中では、光の変化だけで厳包の位置を正確に探るのは困難。
だが、二つの珠をうまく使えば、町の中でも厳包を効率よく使えるはず。
ほくそ笑みつつ死体が握っている珠を取ろうとした甚太郎は、死体の手がぴくりと動くのを見てぎょっとした。
慌てて死体を見直すと、その見開かれた眼がぎょろりと動き、凄まじい形相で甚太郎を睨み付ける。
「ひゃあっ」
肝を潰した甚太郎は、珠を取るのも忘れ、一目散に城下町へと駆け込んで行った。

【ほノ肆　城下町入り口/一日目/早朝】

【高坂甚太郎＠神州纐纈城】
【状態】健康、驚愕
【装備】竹竿＠神州纐纈城
【所持品】支給品一式(握り飯を幾つか消費)、「智」の霊珠
【思考】：適当にぶらぶらする。
一：珠の性質を利用して安全を図る。
二：まずは島をぐるっと回ってみる。
三：襲われれば容赦しない。
【備考】※霊珠の、他の珠に近付くと感応する性質を把握しています。 

高坂甚太郎が死体と見た若い男……藤木源之助は死んではいなかった。
そもそも、藤木の背を斬った虎眼にも、鳩尾を突いた厳包にも藤木を殺す意図はなかったのだから。
二人共、藤木を単なる障害物や道具として扱っただけであり、その剣は彼の命を奪いはしなかったのだ。
ただ、心身に受けた強い衝撃で身体が麻痺し、今まで動けなかっただけの事。
その鍛え抜かれた身体と、手放さなかった珠の加護のお蔭で、藤木は間もなく動けるようになるだろう。
しかし、命を落とさなかった事が藤木にとって幸いだったと言えるのかは誰にもわからない。
衝撃で身体は動かなくなっても、その眼と脳は機能を失わず、彼は全てを見ていたのだ。
師が最期まで己を障害物としか扱わなかった事も、実際に己が障害となって師があの男を斬るのを妨げてしまった事も、
そして、そのせいで師があの男に木刀で心臓を貫かれる場面も、藤木源之助は見ていた……全てを。
間もなく夜が明け、日が昇るだろう。しかし、師を失った藤木の心に光が射す事は決してない。
無明の世界へと放り出された藤木源之助が行く道は……

&amp;color(red){【岩本虎眼＠シグルイ　死亡】}
【残り六十五名】

【にノ肆　川辺/一日目/早朝】

【藤木源之助＠シグルイ】
【状態】背中に軽傷、鳩尾に打撲、麻痺(治りかけ)
【装備】脇差＠史実
【所持品】「忠」の霊珠
【思考】基本：？？？
一：虎眼の仇を討つ
【備考】
※人別帖を見ていません

※岩本虎眼の死体と藤木源之助の傍に二人の行李が放置されています。


*時系列順で読む
前話:[[焦燥の中で]] 次話:[[活人剣の道険し]]
*投下順で読む
前話:[[運命とか知ったり知らなかったり]] 次話:[[活人剣の道険し]]

|[[街角の小さな出来事～通りすがりの義理と人情物語～]]|岩本虎眼|&amp;color(red){【死亡】}|
|[[街角の小さな出来事～通りすがりの義理と人情物語～]]|藤木源之助|[[寛永四年八月の虎／哭いて血を吐く不如帰]]|
|[[高坂甚太郎、叢に柳生連也に逢うとの事]]|柳生連也斎|[[技比べ]]|
|[[高坂甚太郎、叢に柳生連也に逢うとの事]]|高坂甚太郎|[[弟子と向き合う]]|    </description>
    <dc:date>2010-12-02T20:59:57+09:00</dc:date>
  </item>
    <item rdf:about="http://www15.atwiki.jp/kenkaku/pages/247.html">
    <title>忠誠いろいろ</title>
    <link>http://www15.atwiki.jp/kenkaku/pages/247.html</link>
    <description>
      *忠誠いろいろ ◆cNVX6DYRQU

犬坂毛野は早足で歩きながら、隣にいる女人……奥村五百子の顔をそっと伺う。
毛野の名を聞いた時に見せた妙な反応について、さり気なさを装いつつ、前に会った事があるのか聞いてみると、
「自分は見ていないが里見の八犬士は肥後でも有名だ」という、要領を得ない答えが返って来た。
犬士が既に八人揃って里見家に正式に仕官したような言い方であるのも妙と言えば妙だが、
それだけなら噂が肥前まで伝播する内に内容が歪んだと考えればまあ納得できる。
問題は、五百子の言葉を信じるならば、自分達の噂が遠く肥後にまで伝わっている事になるという点だ。
確かに自分達は多少は世間の評判になり得るような騒動を幾つか起こしはした。
しかし、その程度で肥後にまで噂が広まるというのはまず考えられない。
現に関東でも毛野の名はそうは知られていないし、里見家との縁まで知っているのはごく限られた者のみだ。
ここから考えると、五百子の言葉は疑わしく、実際は別の筋から自分の事を知ったと考えられる。
にもかかわらず肥後で噂を聞いたなどという虚言を使っているのならば、この女はかなり胡乱な人物だと言えるだろう。

以上は五百子の言葉を考察する事で得られる結論……だが、彼女の面相から得られる印象はそれと相反していた。
毛野には風鑑の心得がある。風鑑とは要は観相術の事で、表に出た相を分析してその者の内面や運命を知る技術だ。
見るべき相としては手相や黒子、声質などもあるが、最も重要なのは身体中の気が集まる顔の相。
毛野は先程から五百子の顔を見てその相を鑑定していたが、その結果は上の推測とはまるで一致しない。
信義に溢れ、有為の人物を多く救い、国に尽くし、生涯誠を貫く人物……それが五百子に関する毛野の見立てである。
言動から推測される人物像は大嘘つきなのに、相はこの上なく誠実な人物のもの。この矛盾が毛野を戸惑わせていた。

加えて、朧にいきなり斬り付けたあの行動も毛野の戸惑いの原因になっていた。
確かに朧の風体を見れば怪しむのも当然だが、素性を問い質す事もなく殺しに掛かるのは流石に乱暴すぎだ。
この行動だけを見れば五百子は粗暴で無思慮な人物だと断定したくなるが、ここでも風鑑がその判断に異を唱える。
朧……あの男の顔には主に刃を向ける不忠の相、そして兄を斬る不悌の相が浮かんでいたのだ。
但し、異形の耳を見るに朧は尋常な人間では有り得ず、遠い異国の出身か、禽獣が年を経て化けた者であろう。
禽獣や夷狄ならば、未だ教化が到らぬ故に人倫を知らず、性が善なのにもかかわらず不徳を為す事も有り得る。
この場合、朧に倫理を教えてやって、犯す筈の罪を犯さぬように導いてやるのが霊長たる人間の務め。
そう思ったからこそ朧を徒に疑わなかった毛野だが、実際には単に性悪な妖怪だったのかもしれない。
そして、五百子が何らかの手段で朧の本性を見抜いて斬り付けたのであれば、責めるいわれは何もない事になる。
五百子の言動と人相、互いに矛盾する二つのどちらが彼女の本質を表しているのか……毛野は惑っていた。

考え事をしていたせいか、毛野がその気配に気付いたのは五百子が立ち止まった後だった。
気配の源である森に目を遣ると、中から男が歩み出て来る。かなり憔悴した様子だ。
「肥前佐賀、奥村五百子と申します。率爾ながら、御名前を伺いたく」
そんな男を警戒する様子も、気遣う様子もなく淡々と呼び掛ける五百子。
だが、毛野は知っている。この何気ない様子から五百子は即座に相手を殺す事が出来るということを。
素早く男の人相を観察すると、忠烈の士の面構えだ。しかし、非業の死を暗示する凶相も出ている。
そう見立てた毛野はそっと五百子に近付き、「あれは忠烈の士だ」と囁く。
五百子が単に血を好むだけの女で、彼女に不意討ちされて殺されるのがこの男の凶相の由来ではないかと危惧したのだ。
その上で毛野は五百子の動きを警戒する。
こう釘を刺したのを無視して五百子が男を斬ろうとするようであれば、毛野の観相が外れであったと断じて良かろう。

「済まぬが、人別帖を見せて頂けぬか？こちらの人別帖には不審の点があってな。見ろ……」
毛野と五百子の尋常でない様子に気付かぬのか、男はそう言って行李から人別帖を取り出しつつ歩み寄って来る。
(人別帖か……)
そう言えば人別帖をきちんと調べていなかった事を今になって毛野は思い出す。
仲間の犬士達がこの場にいるのか、朧や五百子の名が人別帖に有るのかも確かめていない。
俄かにそれが気になり始め、男が五百子に手渡そうとする人別帖を覗き込もうとする毛野。
この時、男が仕掛けて来た。

前触れなく抜き打ちに切り込んできた男の刃を、五百子は素早く抜き掛けた刀で防ぐ。
間を置かずに二人は空いた手で互いの腕を掴むと、同時に繰り出した蹴足が衝突し、その勢いで互いに腕をもぎ離す。
この一連のやり取りの間、毛野は虚を衝かれて反応できなかった。
人別帖に気を取られていた上に、五百子の方が男を不意打ちする事を警戒していたのだからこれはまあ仕方がない。
逆に、不意打ちを受けながら、それを予期していたかの如き素早さで反応した五百子の方が異常だと言えよう。
もちろん、五百子は男の不意打ちを予期していた訳ではない。ただ、このような事態に慣れきっていただけだ。
葉隠に曰く、朝毎に懈怠なく死しておくべし。
鍋島武士でも実践している者は僅かであるこの教えを、五百子は忠実に守っている。
毎朝、観念の中で様々な死に方を体験し、死の覚悟を養う。
そんな生活の中で、五百子は己の考え得る限りの死に様を想像して来た。
親しげに話しかけて来た者に不意を討たれて死ぬ、などというありふれた死に方は、それこそ幾度体験したか数え切れない。
故に、男の突然の攻撃に対しても動揺する事も怖れる事もなく、即座に対応できたのだ。

不意打ちを奥村五百子と名乗る女に外された佐々木只三郎だが、状況は自分に有利だと考えていた。
攻撃を防がれたとはいえ、只三郎は五百子の間合いの内に入り込んでおり、この距離では小太刀を持つ彼が数段有利。
無論、五百子は間合いを離そうとするだろうし、もう一人の小柄な男も介入して来るだろう。
しかし、只三郎も小太刀の技に関しては絶対の自信がある。
五百子に間合いを離させず、逆にその身体を盾にして男の手出しを防ぐ……それを可能とするだけの技が、只三郎にはあった。
五百子が刀を抜き放つのと同時に、只三郎はソハヤノツルギを翻して攻め立てる。
十分に間合いが近ければ、取り回しの良い小太刀の方が太刀よりも手数の点で有利。
それを最大限に利用し、五百子を防戦一方にしてその動きを思いのままに操るのが只三郎の戦術だ。
だが……

ソハヤノツルギが走り、五百子の肌から血が飛沫く。
しかし、舌打ちして飛び離れたのは有利な筈の只三郎の方だった。
手数を活かした只三郎の攻めに対して、五百子は防御を放棄して反撃して来たのである。
慌てて飛び退いて五百子の攻撃をかわしたものの、そのせいで只三郎の攻撃も掠り傷を与えるに留まった。
それよりも重大なのは、せっかく詰めた間合いを自分から手放してしまった事。代償が掠り傷一つではとても割に合わない。
「貴様……死人か」「然り」
只三郎の呻きと五百子の短い答えが交錯し、それを掻き消すように男の気合が響く。
二人の身体が離れて同士討ちの危険がなくなった事に力を得た男が脇差を抜いて打ち掛かって来たのだ。

只三郎のソハヤノツルギと男の脇差が激しく絡み合う。
武器の質と小太刀の技では只三郎が優位だが、その体格に似合わぬ身体能力に支えられた激しい剣は決して馬鹿にできない。
まして、あの不気味な女を加えての二対一では……
退く事を考え始めた只三郎に対し、脇差の男が問い掛けて来る。
「お前、何者だ！？どうしてこんな事を！」
「……俺は佐々木只三郎」
事ここに到っては名を秘すのも無意味。そう考えた只三郎は名乗りを挙げる。
意外な事に、その名前に反応したのは無表情で刀を構えていた五百子の方であった。
「貴殿が佐々木殿か。御高名は聞き及んでいる。幕臣ながら骨のある御仁だと」
幕臣ながら……か。幕府を侮っているともとれる発言だが、幕臣に骨のある者が少ないのは只三郎も常々思っていた事だ。
「俺などはそう褒められた男ではないさ。主君がこのような愚行を為すのを止める所か、気付きもしていなかったのだからな
　せめて幕府の最後を美しく飾る為、迷惑であろうがお前達の命は俺が貰い受ける」
決意を発露して構えを取る只三郎だが、それを聞いた男は戸惑いを見せ、五百子の鋭い殺気も僅かに鈍る。
「何を……何を言ってるんだ、お前は！？」
叫ぶ男に対し、只三郎は二人の拍子を測りつつ答えを返す。
「どうも俺のような微禄の者が何を進言したとて、上の方々はまともに聞いてはくれぬようだ。だが、俺が勝ち抜けば……
　如何なる願いも聞き届ける……そうまで言った以上、俺が勝ち残れば献策が容れられる公算が高い。そういう事さ」
そう言うと同時に、只三郎は後ろに跳躍し、身を翻して森の中に駆け込む。
只三郎の言葉に呆れたのか怖れたのか、二人の殺気が薄れ、その場を離脱する隙が生まれたのだ。

「追っては来ぬか……」
森の中で二人が追って来るのを待っていた只三郎だが、その気配がないのを知って刀を納める。
木の茂る森の中ならば、二対一でもやりようがあったのだが……そう思いつつも、只三郎はどこかほっとしていた。
脇差の男はともかく、あの女は明らかにおかしい。自分で言っていたように本当に死人なのかもしれない。
清河の事も考え合わせると、この御前試合にはかなりの割合で亡霊が参加しているのだろうか。
「死人が相手となれば闘い方を変えねばならぬな」
そう、亡霊と戦う事を考えた只三郎が第一に感じたのは恐れなどではなく、ただ困惑。
既に死んでいる者は己の死を恐れぬのやもしれず、そうなれば尋常な人間との戦いを前提に編まれた剣術では不便がある。
清河の戦い方もあの狡猾な男にしては妙であったし、五百子には有利な状況を作りながら思わぬ不覚を取った。
死人を打ち破るには如何なる剣を用いれば良いか……只三郎の考えは既にそこに到っている。
全ては幕府の為に。幽鬼でこそないが、彼もまた一種の鬼と言えるのかもしれない。

【はの弐　森の中/一日目/早朝】

【佐々木只三郎＠史実】
【状態】健康、精神的肉体的疲労
【装備】ソハヤノツルギ、徳川慶喜のエペ(柄のみ)
【所持品】支給品一式
【思考】
基本：主催者の命に従い、優勝する
一：何故清河が…？
【備考】※この御前試合の主催者を徳川幕府だと考えています。
※斉藤一の名前を知りません。
※参戦時期は清河八郎暗殺直後です。

只三郎が逃げ去ると、五百子はあっさりと刀を納め、毛野もそれに倣う。
森の中では小太刀の達人である只三郎は手強い相手だし、視界が利かぬ為に同士討ちの危険さえある。
毛野としては、後を追って只三郎の発言の真意を問い質したい気持ちもあったのだが……
「あんたの目利き通りだったね」
いきなり五百子に言われて、毛野は意味がわからずに戸惑う。
「試合に優勝して己の進言を主に容れさせる為に闘おうとは、見上げた忠義の心たい」
目を細めた表情を見ると、皮肉ではなく本気で只三郎の心意気と毛野の風鑑に感心しているらしい。
「ま、待ってくれ。それはつまり……」
あの男の言う通り、この非道なる御前試合を開催したのが幕府だと認めるつもりなのか。
仮にそうだとしても、己の進言を容れさせる為に無関係の者を殺すのが忠と言えるのか。
まずはこのような非道な催しは即刻中止するように諌言するのが忠の道なのではないか。
御前試合に荷担して幕府に非道を為さしめれば、むしろその不徳の為に幕府が滅びる因を作る事になるのではないか。
言い連ねる毛野に対し、五百子は不同意のようではあるが、敢えて議論しようとはしなかった。ただ、
「崩れるものを無理に崩すまいとするのは見苦しいたい。その点、佐々木殿はさすがに潔い」
とだけ言い、その言葉がまた毛野を混乱させる。
つまり、五百子は幕府の崩壊が不可避だと言うのか。そう言えば、只三郎も幕府の最後を飾るなどと言っていた。
確かに、応仁の乱以来、幕府の権威の凋落振りには目を覆うものがあるが。
「だが、当代の御所様は有徳の君と聞く。そう簡単に幕府が倒れるとは……」
「盛衰は天然、善服は人の道。それとこれとは関係ないたい」
「なっ！？」
五百子の思わぬ発言に毛野は絶句する。盛衰は天然……つまり天、神仏の為す事。
それはその通りだが、何を栄えさせて何を滅ぼすか、それを神仏が定めるにあたっての基準は当然、その者の善悪だ。
毛野の印象としては五百子はかなり学の有る女人であり、この因果応報の理が理解できないはずがないのだが。
五百子には誠があり、只三郎には忠がある。毛野の風鑑はそう告げるが、その見立てと現実の間には何か違和感が有る。
もしや、自分と彼等では誠や忠といった徳目の基準に大きな差異があるのでは。
そんな有り得ない疑いを抱きそうになるほど、毛野の心は戸惑いに揺れていた。

【はの参　森の外/一日目/早朝】

【奥村五百子】
【状態】：左手に刃傷、肩に掠り傷
【装備】：無銘の刀
【所持品】：支給品一式
【思考】 ひとまず殺し合いに乗る気はない。
１： 犬塚毛野を名乗る少年と行動を共にする。
２： この凶事は妖怪やそれに類する者の仕業ではないか。
【備考】
※1865年、20歳の頃より参戦。
※犬塚毛野のことを、八犬士の犬塚毛野の役を演じている旅芸人か放歌師の類と考えています。
※オボロの事は、狐か狸の変化と考えています。また、それら妖物がこの凶事の原因かと考えています。

【犬坂毛野＠八犬伝】
【状態】：健康、戸惑い
【装備】：脇差
【所持品】：支給品一式
【思考】
基本：主催者の思惑を潰し、仲間の元に戻る。試合に乗った連中は容赦しない。
一：五百子と同行する。
二：五百子が八犬士の何かを知っているのか気になる。
三：智の珠を取り戻す。
四：主催者に関する情報を集める。柳生十兵衛との接触を優先。
【備考】
※キャラクター設定は碧也ぴんくの漫画版を準拠
※漫画文庫版第七巻・結城での法要の直前から参加です。
※智の珠は会場のどこかにあると考えています。
※オボロを妖怪変化の類だと認識しています。



*時系列順で読む
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|[[忠臣、亡霊と会い、少女、闇に消える。]]|佐々木只三郎|[[悪夢の終わり]]|
|[[怪力乱心を語らず]]|奥村五百子|[[過失なき死]]|
|[[怪力乱心を語らず]]|犬坂毛野|[[過失なき死]]|    </description>
    <dc:date>2010-12-02T20:56:03+09:00</dc:date>
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