ディズニー、自然環境テーマの映画部門設立
 
ウォルト・ディズニー社は、劇場公開用の自然環境映画の制作部門「ディズニーネイチャー」を新たに発足したと発表した。
同部門は北極熊のドキュメンタリー映画「アース」を来年4月22日(アースデイ)に封切し、さらに2010年に「オーシャンス」、2012年に「チンパンジー」を公開する予定である。

【「皇帝ペンギン」の成功例】
同部門はパリ郊外にオフィスを開設、長年ディズニー映画フランス支社の支配人だったカミレリ氏をトップに据えた。
ディズニーのアイガーCEOは、ワーナーインディペンデント映画の「皇帝ペンギン」が興行的に大成功を収めたことに刺激を受けたという。
この映画は2006年のアカデミー賞を受賞。カミレリ氏は共同プロデューサーで、300万ドル(3億円)の制作費で予想外の1億2740万ドル(128億円)を売上げた。
またディスカバリーとBBCが共同制作した地球環境問題のミニシリーズ「プラネット・アース」のテレビ視聴率が好調だったことも刺激となった。来年封切の「アース」にはこのシリーズからの映像が多く使用されている。

【ブランド拡大を狙う】
 〝こうしたヒットコンテンツにディズニーのブランド名が付いていたらどんなによかっただろう″というのがアイガーCEOの同部門設立の正直な動機らしい。これからヒット作を世に出して、ディズニーのブランドを拡大を狙っている。
ディズニーは2006年にはコスト削減の一環で、映画制作の本数をそれまでの年間20本から12本までに減らし、全映画をディズニーという単一のブランドで封切った。
ロゴも、より中央、前面に出してディズニーの映画部門の認知度を高めた。
 これが功を奏し、ディズニー映画は海外でも大きな成功を収めているため、アイガーCEOは、この新ブランドも海外で通用することを期待している。

【派生ビジネスにも期待】
 また「ディズニーネイチャー」の映画が興行的に成功すれば、DVDや写真集といった関連商品の開発、遊園地で同映画を3D上映するなど派生アトラクションも視野に入ってくる。

 

最終更新:2008年04月26日 07:15