水俣港百間船だまり・百間排水路等の底質ダイオキシン類対策事業に関する意見書(水俣市議会)


水俣港百間船だまり・百間排水路等の底質ダイオキシン類対策事業に関する意見書

水俣市は、有機水銀による環境汚染で世界に類例を見ない悲惨な公害病を経験したまちであり、昨年、水俣病公式確認から50年の年を迎えましたが、水俣病問題についてはいまだ全面解決に至らず、被害の全容も定かでない状況にあります。

また、水銀ヘドロを封じ込めた水俣湾埋立地も、恒久的に安全であるということではなく、熊本県におかれても定期的な監視等を実施されていますが、住民にとりましては、将来にわたり不安を抱いていることは否めない事実であります。

さらに、水俣港百間船だまり・百間排水路等に堆積している底質ダイオキシン類の対策につきましては、熊本県におかれ、汚染原因の特定、処理方法等の検討など御尽力いただいております。

しかしながら、昨年10月26日に開催されました住民説明会におきましては、将来にわたり再汚染の危険性があり、現計画には賛成できないという意見が数多く出され、理解が得られない状況であります。

国の環境基準を超える有害物質を放置することなく、将来にわたり禍根を残さないための早急な対応は喫緊の課題であり、水俣市民だれもが望むところであります。さらに、環境汚染という同じ過ちを二度と繰り返してはいけないという強い思いがあります。

したがって県におかれては、水俣港百間船だまり・百間排水路等の底質ダイオキシン類対策事業については、下記の事項について特段の御配慮をいただきますよう強く要望します。


1 処理方法については無害化を理想とするが、困難であれば住民が納得できる安全な処理について、水俣市とも協議の上、早急に実施されること。
2 事業主体である熊本県におかれては、底質ダイオキシン類の処理場所はチッソ構内を優先に考慮されること。
3 本市は環境モデル都市を目指しており、それにふさわしい先進的な処理事業ができないか、国の関係機関に積極的に働きかけること。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出します。

平成19年3月2日
水俣市議会

熊本県知事  潮 谷 義 子  様
最終更新:2007年07月19日 14:07