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分類不能2

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orz1414

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■分類不能2


ここは幻想郷。人間と妖怪が住む世界。
妖怪は人間を襲うということが常識な世界…


ここは人間が暮らす里。ここに暮らす人間。りりという少年の物語…

僕はいつものように友達たちにバカにされていた…
「お前は相変わらずバカだな~妖怪は人間を襲うものだ!っていってるのに」
いつもこの話でバカにされてしまう。でも…
「いや、きっと分かり合えるはずだよ。だって…」
「こらこら喧嘩をするなよ。いったい何を揉めているんだ?」
「あ、慧音さん」
慧音さんは僕たちに歴史やいろいろなことを教えてくれる。そして僕にとってお姉さんのような人だ。
里の人が言うには慧音さんは里を守っているらしい…
「慧音さん、りりが人間と妖怪は仲良くするべきだって聞かないんですよ」
「ふむ、そういえばりりはよく私に妖怪のことを聞きにくるな。そうか仲良くか…どうしてそう思うんだ?」
「だって妖怪とは話ができるんでしょ?だったら…」
「やっぱお前はバカだな~みんなこんな奴ほっとこうぜ」
いつもこんな感じで流されてしまう。僕は間違ったことは言ってないと思うのに…
「まったくあいつらは…ところでりり。妖怪と本当に仲良くしたいか?」
「あ、はい。いろいろ話してみたいしそれに…」
「それに?」
「空を飛んでみたいです。妖怪は空を飛べるんでしょ?慧音さん」
ん?あれ慧音さん?
「慧音さん?」
「あ、すまん。そうだな妖怪は空を飛べるぞ。それにしても空かりりいまいくつだ?」
「え、いま12才ですけど…いいじゃないですか!空を飛ぶことに憧れても」
「いやいやすまん。でもなりり。人間でも空は飛べるぞ?」
「本当ですか?」
「ああ、本当だよ。里の外にも人間はいるんだよ」
「僕、里から出たことないからな…慧音さんが羨ましいな」
「はは、でも無闇に里から出るなよ?」
「わかっていますよ。あ、そろそろ家に帰らなきゃ」
「ん、そうかそれじゃあまたなりり」
「それじゃあ、失礼します慧音さん」




僕の家は、里の外れの方にある。夜になるとたまに妖怪を見れたりする。それが僕の楽しみだったりする。
「ただいまーってまだ父さん帰ってないんだ…」
僕の家族は父さんと僕の二人で暮らしている。母さんは僕がまだ1才のころに妖怪に殺されてしまったそうだ…母さんのことはよく覚えていない
「あ、父さんお帰り」
「お、りり早いなもう帰ってたか」
「だって今日は母さんの命日だからね」
「そうだなじゃあ…」
そう言って僕と父さんはしばらく黙とうした。
「それじゃあ、夕食の準備をするか」
「僕も手伝うよ」


夕食も済ませ床に就く。妖怪か…やっぱり父さんも里のみんなも嫌いなのかな…僕だけおかしいのかな……今度父さんに聞いてみよ…


僕は夜中に目を覚ました。
あれ?いま何か聞こえたような……やっぱり何か聞こえる!どうしよ…外出ようかな…
父さんは…寝てるか。ちょっとぐらいいいよね?


着替えて外に出てみる
「何もないかな…」
夜中の里はとても静かだった。里の中を歩いてみる。
「やっぱり、気のせいなのかな」
そう思って家に戻ろうとしたとき…ふと里の外に誰かが見えた。
「あれ、誰だろこんな時間に」
僕は里の外に出てしまった。


そこにいたのは怪我をした慧音さんだった…
「あ、慧音さん?慧音さんでしょ?」
「な、りり?なんでお前が!早く家に戻れ!!」
慧音さんが僕に怒鳴った。
「それよりその怪我どうしたんですか?怪我してるのにほっとけませんよ」
「あら?人間の方から出てくるなんて今夜はラッキーね」
え?思わず声のする方を見る。そこには悪魔のような羽が印象的な女の子とナイフを持っている女性が居た
「く、りり逃げろ…」
ど、どういうことだろ…妖怪な、のかな…
「咲夜、そこのワーハクタクの相手しててくれる?」
「わかりました」
「りり!くそ!」

いま僕の目の前には女の子がいた。やっぱり妖怪なのかな…?
「こんばんは、坊や」
ハッと正気に戻される
「こ、こんばんは」
返事を返してしまった。しかも…
「あの…」
「あら、どうしたの死ぬ前に言っておきたいことでも?」
や、やっぱり僕…死ぬんだ…妖怪は人を襲うか…でも
「どうして人間を襲うんですか?」
小さい声で思わず口に出てしまった。妖怪と人間について
「ふふ、坊やはお腹が空いたらどうする?何か食べるでしょ?それといっしょよ」
…違う…
「それは違うと思います」
言ってしまった…この手の話になると熱くなってしまう。すると女の子は不機嫌そうに
「何が違うのかしら?そもそも私は吸血鬼よ?人間の血や肉が欲しいのわかる?」
「え、吸血鬼?で、でもやっぱりおかしいよ…そんな理由で襲うなんて」
「そんな理由?私にとっては大事な事なの。まぁいいわ。死になさい!!」
そう言うと女の子はおもむろに手を僕に向けた。
「こら!あなた達!」
上の方から声が聞こえた。
上を見ると誰かが空にいる。そこには神社の巫女さんのような格好をした女の子がいた
「邪魔が入ったみたいね。咲夜帰るわよ」
そう言うと吸血鬼の女の子は僕から離れていく。
僕は腰を抜かしていた。そこへ
「君、大丈夫?」
「りり!大丈夫か?」
そう声を掛けられて安心したのか僕は、その場で倒れてしまった…




うん?なにか聞こえる話声?…父さんと…慧音さんかな…
「本当にすまない!」
「いえ。慧音様、気にしないで下さい。この子が勝手に外に出たのが悪いんですし」
「やっぱり私の責任だ。私の力がなかったばかりに…もし巫女が来なかったらりりもお前の妻のように…」
「慧音様!!」
「す、すまない」
「いえ、こちらこそ失礼しました…それよりこの子も妖怪と仲良くしたいと思っていたとは…」
「知らなかったのか?」
「はい。そうか…この子は母親似ですね」
何か話しているみたいだけど…とりあえず起きなきゃな…
「う、、ん。父さん?慧音さん?」
「お、りり起きたか。どうだ具合は?」
具合?
「えっと…なんともないよ…でも……お腹、、空いたかも…」
「はは、そうかそうか。もう夕方だからな。すぐ用意するよ」
周りを見てみると僕の…家だ。まあ、当然かなっとふと慧音さんと目が合った。かなり怒っているみたいだ
「この馬鹿者!!」
怒られてしまった…思わず仰け反る
「無闇に里の外に出るな!といつも言っているだろ!!」
え...そっか昨日のはやっぱり夢じゃなかったんだ…そういえば慧音さん怪我してる…
「すいません。ほんとに…」
「まったく…もう少しでお前は死ぬところだったんだぞ」
昨日のことが思い出される…僕は吸血鬼の女の子に殺されそうになったんだ…思い出した途端震えがきた。
「あれ?そういえばなんで僕生きているんですか?」
「覚えていないのか?」
「…はい」
「そうか…お前が殺されそうになった時な博麗の巫女が助けに来てくれたんだ」
そういえば、空に巫女さんがいたような…
「そうだったんですか…あの…」
「ん?どうした?」
「その巫女さんも妖怪ですか?それと昨日の吸血鬼は?それに…」
「まあ、待て。まず巫女は人間だよ。名は博麗霊夢といって博麗神社の巫女をしているんだ」
え、人間?空を飛んでいたのに?
「そして、吸血鬼の方はレミリア・スカーレットっていうんだ。そしてその近くに女性がいたのを覚えているか?その者も人間で名は十六夜咲夜だ」
え....?吸血鬼と人間が?…
「吸血鬼と人間がいっしょにいるんですか!?す、すごい!」
素直に喜んでしまった。だって僕の夢だった妖怪と人間の共存がすでにされていたんだから
「こらこら。十六夜咲夜は特別なんだよ。昨日お前は何をされそうになったか忘れたのか?」
そうだった…でも可能性がゼロじゃないんだ。と同時に思ってしまった。そこへ
「よーーし、出来たぞ。どうです?慧音様も食べていかれますか?」
「そうだよ。慧音さんもいっしょに食べようよ。まだ聞きたいことあるし」
「はは、そうか。ではお言葉に甘えていただくか」


夕食も終わり僕は慧音さんと父さんに一つのお願いをしていた
「あの、慧音さん父さん。博麗神社に行きたいんだけど…その…霊夢さんに昨日のお礼も言いたいし。それに…」
慧音さんは溜め息ついた
「やっぱり言い出すと思ったよ。ダメだと言っても勝手に行きそうだからな」
「え、じゃあ?」
「私も同行するという条件なら連れて行ってやろう。私も彼女に礼を言いたいしな」
「やったー!父さん!慧音さんとなら行ってきてもいいでしょ?」
「ああ、そうだな。慧音様がいっしょなら安心だからな。いいぞ」
「父さん、ありがとう!」
「慧音様よろしくお願いします」
「ああ、ちゃんとこの子をしっかり守るよ」
「じゃあ、いってきまーーす」
僕はウキウキしながら慧音さんと神社に向かった。はじめて里の外の風景を見ながら…




しばらく歩いて境内へ続く階段まで着いた
「はぁはぁ。つ、疲れましたよ。少し休みませんか?」
「ほらほら後は階段を登るだけだ頑張れ!」
そう言われて数分…ひぃひぃ言いながらなんとか境内に着いた。おもわずその場に座り込む
「まったくだらしないなお前は」
慧音さんに笑われてしまった。それにしてもすごいな慧音さん。全然元気だ。
「あら?慧音じゃないどうしたの?それに君は」
声の主の方を見るとそこには昨夜助けてくれた巫女さん…霊夢さんがいた
「おお、霊夢。この子が昨日の礼を言いたいと言ってな。ほらりり」
慧音さんに呼ばれてハッとする。
「あ、あのき、昨日はあ、ありがとうご、ございました」
緊張してうまく喋れなかった…
「私からも礼を言うよ霊夢」
「ああ、いいわよーだって妖怪退治は私の仕事だから」
か、かっこいいなっと思ってしまうほどあっさりと答えた。妖怪退治か…人間なのにすごいな…
「おおーーい!れーいーむ!」
ふと霊夢さんを呼ぶ声が聞こえた。
「あ、魔理沙ね。そっか…今日は宴会の日ね」
魔理沙という女の子が空からやってきた。黒と白が印象的な子だ
「お、珍しいな一番乗りは慧音か。ん?それと里の人間か?」
おもむろに魔理沙という女の子がこちらに目をやる
「この子は昨日レミリアに襲われそうになったのよ。それでわざわざお礼を言いにきてくれたの」
「ふ~ん、霊夢が妖怪退治か…いままでただののんびり屋だと思ってたぜ」
ポカッ!霊夢さんのツッコミが入った。それを見て緊張が解れてきた。あれ?
「慧音さん?どうしたんですか?」
慧音さんが明らかに慌てているようだった
「りり帰るぞ!」
「ん?なんだお前ら帰るのか?宴会は多いほうが楽しいぜ?」
魔理沙さんが宴会参加を促がしているがそこへ…

「こんばんは霊夢」
僕は凍り付いてしまった。そこにいたのはレミリア・スカーレットと十六夜咲夜だった
「二人ともいつもより早いわね」
「館にいても暇なのよ。宴会の準備はまだでしょ?咲夜に手伝わせるわ」
そういって後ろにいた十六夜咲夜にレミリアが目をやる。彼女は無言で霊夢の手伝いをし始めた。
「魔理沙とあら?あなたがいるなんて珍しいわね?慧音と…それに人間…?」
こちらに気ずいたレミリアはこちらに歩み寄ってきた。どうやら僕のことは覚えてないみたいだ…
「私たちはいまから帰るとこだ。いくぞりり」
慧音さんが僕の手を引っ張る。ここは危険なのはわかるが僕は…
「あの…慧音さん…宴会に参加してもいいですか?」
「な、お前!!ここの宴会は妖怪が八割を占める。普通の人間であるお前は危険だ!」
「妖怪が多いなら…なおさら参加したいです…」
そんなやりとりをしていると霊夢さんが
「いいじゃない。心配ならあなたもここにいたら?私もいるしその子の安全は保障するわよ」
「そうか…わかった…」
そう言って慧音さんは、渋々宴会参加を許してくれた。ふとレミリア・スカーレットが笑みを浮かべたような気がした…


宴会が始まりざっと辺りを見渡しても里の人とは明らかに違う者ばかりがいた。でもみんな人間とあまり変わらないなと思った。
「慧音さん。ここにいる人達は妖怪ばかりなんですよね?」
「ああ、そうだがどうした?」
「魔理沙さんや霊夢さんの周りにいるのは?」
「妖怪だ」
す、すごいな。妖怪とあんなに仲良くしてるなんてっとそこへこちらに気ずいた魔理沙さんがやってきた。
「どうだ?楽しんでるか?なんか暗いぜ?」
うう~ん。お酒臭い…
「い、いやなんか緊張しちゃって。それにお酒はちょっと…でも楽しいです」
そこへ霊夢さんもやってきた。
「魔理沙あんまり困らせちゃダメよ」
「困らせてないぜ。な~っとそういえばお前名前は?」
「そういえば自己紹介まだだったわね」
「あ、僕りりっていいます」
「私は霧雨魔理沙だ」
「私は博麗霊夢よ」
お互いに自己紹介をした。それを見ていた慧音さんがようやく笑顔になった。
「ふふ、では私は少し里に戻るよ。遅くなってきたしお前の父親に遅れると伝えねばならないからな。りりはまだここにいたいだろ?」
「いいんですか?」
「その二人がいれば安心できるしな。あとりり。ここを動くなよ」
じゃあ、といって慧音さんは里に向かって行ってしまった


しばらくして霊夢さんと魔理沙さんはまた別のところへ移動していた。僕は一人になった。
「それにしてもすごいな~ここの神社は…」
「ここの何がすごいの?」
へ?突然返事が返される。さっきまで慧音さんが座っていたところ誰かがいた…
「ここの何がすごいの坊や?」
レミリア・スカーレットだった…焦っちゃダメだ。と自分に言い聞かせる。
「え、いや人間と妖怪がその……」
「いっしょにいるのが珍しいの?」
「い、いや珍しいと言うか…そういう形が一番正しいのかなってだからこの神社はすごいなと…思いました」
黙ってお酒を飲んでいたレミリアは
「あの子たちは特別よ。普通の人間だったらとっくに喰われてるわ。坊やみたいなね」
ビクッ!一瞬レミリアから殺気が出たような…その場に倒れそうになる。が
「なんでそうなるんですか?そんな考えだから人間と妖怪はいつまで経っても共存できないんだ!」
「ふふ、共存?坊やが言っているのは理想論ね。まるで現実が見えてないみたいね。人間だって妖怪との共存なんて望んじゃいないはずよ?」
「そんなことあるもんか!妖怪が人を襲うことをやめればきっと…」
「昨日も同じこと言っていたわね。また同じこと言わせる気?」
ぼ、僕のこと覚えてたんだ…で、でも
「でも、解決の道はきっとあると思います!吸血鬼は血が必要なんでしょ?里のみんなに頼めば…」
「じゃあ、人間の肉を食らう妖怪相手にはどうするの?」
く、答えられない。どうしよう…
「やっぱりダメね。共存なんて無理なのよ。わかった?坊や?」
でも…これだけは…
「あの…」
「なにかしら?」
「妖怪や吸血鬼は人間の肉を食べないと生きていけないんですか?」
「生きていけなくはないけど…」
え?だったら!
「じゃあ、妖怪が我慢すれば…」
「なんで好きなものを我慢しなきゃいけないのかしら?」
バッサリ切られてしまった…でも…
「僕も…好きなものを我慢します…だから」
レミリアは、突然笑い出した。変なこと言ったかな
「まったく何を言い出すのかしら」
レミリアはかなり不機嫌になっていた。そこへ慧音さんが戻ってきた
「りりから離れろ!」
「突然怒鳴ることないじゃない。私はこの子と話をしていただけよ?」
「そうだよ慧音さん。ただ話しをしてただけだよ」
一瞬レミリアが僕を睨んだような…気がした…
「そうか…それよりそろそろ帰ろうりり。もう十分だろ」
「そうですね。そろそろ帰ります」
僕は霊夢さんと魔理沙さんに帰ることを伝えにいった。
「またいらっしゃいお茶ぐらいなら出してあげるわよ。今度来たときにはお賽銭入れてね」
「じゃあな、りり!!」
「あ、はい。それでは失礼します」
ペコリと頭を下げて神社をあとにした



私は一人でさっきの人間のことを考えていた。
「お嬢様。あの少年となにを話されていたのですか?」
突然咲夜に話しかけられる。
「子供の夢を聞いていただけよ」
「夢…ですか?」
そう...ホントにつまらない...夢...理想...
「お嬢様。そろそろ日が昇ります」
「そう、わかったわ。帰りましょうか」
「それでは、霊夢たちに伝えてきます」
そう言って咲夜が私から離れる。そこへ…
「随分面白い話だったわね」
「お前…八雲の…盗み聞きかい?相変わらず趣味が悪いわね」
「ふふ♪否定はしないわよ。ただ…あなたは一瞬迷ったわね?」
「迷ったって何のこと?」
「惚けても無駄よ?あの少年の話をあなたは少しでも正しいと思ったんじゃなくて?」
「そんなことある訳がないわ!あんなのただの戯れ言よ!」
「あら?どうしたの焦っちゃって?」
「弾幕ごっこでもやる?」
「遠慮しておくわ。今夜は面白い話も聞けたし。それじゃあね~」
あのスキマ妖怪…
「お嬢様?」
「咲夜遅いわよ」
「すいません、魔理沙に絡まれてしまったもので」
「まあ、いいわ。帰りましょ」
私は...あんな子供の夢なんか...




ううーーーーーん。まだ眠いな。昨日帰りが遅かったからな…父さんが先に寝ちゃうぐらい…
もう少し寝ちゃおっかな。いま誰もいないみたいだし…zzz
ハッと目が覚める。二度寝してしまった…外を見ると…太陽が沈みかけていた
や、やってしまった…なんて不規則な生活を…
「おお~りりようやく起きたか」
「父さん、ごめん昨日は遅くなって」
「そんなこと気にしなくていい。それより飯出来てるぞ」
起きて早速夕食か…まあ、いいかたまには(二日連続だけど)
「ところでりり宴会はどうだった?」
「うん。楽しかったよ。いろいろな妖怪が見れたしね」
「そうか」
「見かけは人間とあまり変わらなくてね。あ、あと霊夢さんと魔理沙さんって人と友達になったんだよ」
「そうか」
?なんだか父さんの元気がないような気がした…


夕食を済ませ床に就く。そろそろ規則正しい生活に戻さなきゃね
ううーーーん。やっぱり眠れない。どうしよ。少し夜風に当たってこようかな
里の外に出なきゃ大丈夫だよね…そうして外に出る。今日は綺麗な満月か…
「あーーー夏の夜風は気持ちーーな」
「本当気持ちいわね」
へ?返事が返ってきた?辺りを見渡すが誰もいない
「こっちよ~」
声の主は僕の家の屋根の上にいた。僕が気ずくと屋根から降りてきた
「こんばんは♪」
この人…昨日宴会の時に見たような…
「こ、こんばんは。あの…昨日宴会にいた人ですか?」
「あら、覚えてくれているなんて光栄ね。私は八雲紫っていうの。あと私は妖怪よ」
綺麗な人だなぁ。あ、妖怪だっけ
「あ、失礼しました。僕はりりっていいます」
「そう、りり君ね」
とてもニコニコしてるな。でも妖怪ってことは人間を襲いにきたのかな
「あの…人間を襲いにきたんですか?」
「いいえ、私はあなたに見せたいものがあってきたのよ」
「見せたいものですか?」
「とりあえずついて来てくれるかしら」
「あの…勝手に里の外に出るなって言われているんでちょっと」
「ついて来ないとあなたの父親を殺すって言ったらどうする?」
紫さんが笑顔でそんなことを言い出した
「そ、そんなの…ひ、卑怯だと思います」
勇気を出して言ったが声が震えていた。そんな僕を見て紫さんは
「ふふ冗談よ。ごめんなさいね。君の安全は約束するからついて来てくれないかしら?あなたにどうしても見せたいものなの」
うーん…どうしよ。良い妖怪みたいだしな…それに見せたいものってなんだろ…僕は…
「わかりました。紫さんを信じます」
「ふふ、ありがとう。それじゃあ、いきましょうか」
そう言うと紫さんはふわっと浮いた。おもわず見とれる。それに気づいたのか紫さんは
「そっか、あなた飛べないのよね。ちょっと待っててね」
とりあえず待つしかない僕…紫さんはなにかを呼び出していた。
そしてそこに現れたのは狐…かな?耳がある。そして尻尾が…九つあった。
やっぱり妖怪なのかな…
「紫様なんでしょうか?あの人間を捕らえるのですか?」
「違うわよ。あの子をおんぶしてあげて」
「へ?」
その紫さんに呼び出された妖怪はキョトンとしていた
「この子は八雲藍っていって私の式なの。さぁりり君早くいきましょう」
「は、はい」
式?妖怪っていっても本当に分類が多いな…
「むぅ~まぁ紫様がそう言うならしかたないか…さぁ乗れ人間」
「あ、失礼します」
そうして僕は藍さんにおんぶしてもらう形になった


そして…僕は…ハシャいでいた。
「すごーーい!!空飛んでるんだ!!」
「人間。静かにしてもらえないか?耳元で騒がれると困るんだが」
「あ、すいません。でも空飛んでるなんて…その…はじめてなもので」
藍さんはやれやれとした感じで紫さんに続く。そして数分後
「あれね。藍降りるわよ」
そこは里から少し離れた何も無い平地だった
「あの?見せたいものって?」
「ほら、あれよ」
紫さんが見ている方をみるとそこで誰かが戦っていた。あれは…よく見えないな
「あの…妖怪同士の喧嘩ですか?」
「見えない?なら、もう少し近ずきましょうか」
ゆっくり歩いていくたびに段々見えてきた……見えてしまった…
慧音さんが妖怪と戦っていた。ただ慧音さんはいつもと様子が違っていた。
「見えたかしら?」
「あ、あれは?慧音さん?」
「そうよ」
あれが慧音さん?いつもは青い服を着ているがいまは緑の服。
いつもは帽子を被っていたがそれが無く、角が二本生えていた。おまけに尻尾まで…
「あ、あれが慧音さん?あれじゃあ、まるで…」
「妖怪みたいでしょ?」
僕が言おうとしたことを紫さんが言った。確認させるかのように…
「あの子はああやって里を襲おうとする妖怪と戦っているのよ」
…そっか…あの日の夜もレミリアから人間を守るために…実際僕は慧音さんがどう里を守っているのか僕は全く知らなかった。
今思えば慧音さんは僕が小さい時から見た目が変わらなかった…その時点で気ずくべきだったのかな…人間じゃないと…
「何か言いたいことある?」
紫さんに感想を求められる
「えっと…その…ちょっと頭の中が真っ白で…ただ慧音さんと話したいな」
紫さんはニコリと笑みを浮かべ
「それじゃあ、いきましょうか。藍、その子をおぶってあげて」
そういって僕はまた藍さんにおんぶしてもらう。そして慧音さんが戦っているところへ


慧音さんのに近ずくにつれ戦闘は段々沈静化していった。残りの妖怪はあと三体ほどだった。
「む、スキマ妖怪?それに…りり?」
慧音さんがこちらに気づいた
「八雲紫!どういうつもりだ!こんなとこにこの子を連れてきて」
慧音さんが怒ってる…そういえばこの頃慧音さん怒らせてばかりだな。
「それよりもいまは、あっちの妖怪をなんとかするんでしょ?手貸すわよ?」
慧音さんは僕を見るなり背を向けてしまった。
「手助けは…必要ない。それよりその子を…」
「大丈夫よ。りり君は藍が命がけで守るから」
藍さんがまたもキョトンとする。僕は紫さんと慧音さんに聞きたいことがあった…
「あの……あの妖怪達と話できませんか?」
「な、何を言っているんだ!早くここから離れろ!」
慧音さんにまた怒られる。でも紫さんは
「できるわよ。藍、弾幕避けながらあの妖怪達に近づきなさい」
「紫様それはいくらなんでも…」
「いいからやりなさい!援護してあげるから!」
そんなやりとりをしてる間に三体の妖怪が攻撃を仕掛けてきた
何かが飛んできたがほとんど見えなかった。これは?弾?というか数がすごいな。
僕が驚いてると紫さんに声をかけられる。
「大丈夫?やっぱりやめとく?」
そう言われるがここまできたら…
「いえ、藍さんお願いします」
藍さんは観念したかのように
「しっかり掴まっていろよ。人間」
藍さんが敵の弾の雨を避けながら妖怪達に近づいた。
妖怪たちの方を見てみる。やっぱり人間とたいして変わらないな…
妖怪たちも僕の存在に気づいた。
「なんで人間と妖怪がいっしょにいるのよ!」
一体の妖怪がそう言い出した。すかさず
「なんで人間と妖怪がいっしょにいちゃいけないんだ!」
するともう一体の妖怪が
「人間は妖怪に襲われる価値しかないんだよ!」
藍さんに数発の弾が当たりそうになったが目の前の空間が開きそこに弾が吸い込まれた
これは?紫さんが?それよりも…
「あなた達は人間と共存する気はないんですか?」
三体目の妖怪が迫ってくる
「人間と共存?それは無理ですね。人間は私たちのエサに過ぎません」
く、この妖怪たちは!…そこへ紫さんが
「悪いけどそろそろね。藍も疲れてきてるみたいだから」
「はい…わかりました…」
藍さんと妖怪達の間に紫さんと慧音さんが入る。
紫さんと慧音さんは三体の妖怪をあっという間に片付けてしまった。
すごいな…何をしたのか全くわからなかった…


戦闘も終わり僕の隣では藍さんがぐったりしていた。
そこへ紫さんと慧音さんがきた
「どうだった?弾幕見るのは初めてでしょ?」
「弾幕?あの弾の雨のこと?」
「そう」
「正直…ほとんど見えなかったんで…」
そんな話をしていると慧音さんが
「りり!なんであんな事を!危ないだろ!」
びくっ
「ご、ごめんなさい。慧音さん。でもどうしても妖怪と話してみたかったから…」
「まぁまぁ。無事だったんだからいいじゃない。ところでりり君話したいことがあるんじゃないの?」
そうだ。慧音さんに…
「あの…」
僕が喋ろうとした時
「私のこと、嫌いになったか?お前ももうわかっているだろうが私は、人間じゃない…」
「嫌いになんてなりませんよ。それよりも…うれしいんです」
「なぜだ?私はいままでお前を騙すよなことをしてきたんだぞ?」
「確かにそうかも知れない…でもずっと前から妖怪と共存できてたことがうれしいんだよ。慧音さんはなんで人間を守っているの?」
「私は…人間が好きだから…」
「そっか…じゃあ僕といっしょですね」
「うん?」
「僕も妖怪が好きだから…」
それを聞いていた紫さんは
「それじゃあ、私はそろそろ失礼するわ。いくわよ藍」
は~いと元気なさそうな藍さんが起き上がりそして空間が開きそこに入ろうとしていた
「あの…紫さん、藍さん今日はありがとうございました」
「紫様の命令だったからな…気にするな」
「楽しかったわよ、りり君。またそのうち…ね」
そう言って二人は消えてしまった。
「それじゃあ帰ろうか」
「はい。ところで慧音さんも飛べるんですか?」
「ん?ああ飛べるよ。飛んで帰ろうか?おんぶしてやるぞ?」
「え、いいんですか?じゃあお願いします!」
そうして僕は慧音さんにおんぶしてもらい里に帰った…里に着いたころには慧音さんはいつもの格好に戻っていた。満月の時だけ変身するんだと言っていた。
「慧音さんが妖怪だったんだ。やっぱりうれしな」
「うん?そんなにうれしいか?」
「うれしいですよ!それに、慧音さんにいろいろ聞きたいことできてしまいましたよ!」
「ふふ、そうか。でも今日はもう寝るんだぞ?いいな?」
僕は渋々は~いと答えた



この時僕はまだ気づいていなかった……この夜のことが後に大変なことになるのを……




ここは紅魔館レミリア・スカーレットの住処である。そこのレミリアの部屋に妖怪がやってきた。
「こんばんは~」
私はその相手を睨む
「お前…八雲の…何の用かしら?今日が満月なのを分かってきたの?」
八雲紫は笑いながら、一言
「あの少年に会ってきたわ」
「あの少年?」
「本当はわかっているんでしょ?あの子に現実を見せてあげたのよ」
「あんな人間のことなんて私には関係ないわ。いちいちそんなこと言いにくるな!」
「あの、少年に…」
八雲紫は話を進める
「慧音の正体をみせたの。そうしたらあの子なんて言ったと思う?」
「だから!関係ないっていってるでしょ!」
「あの子…喜んでたわ…とても…ね」
「…………」
「しかも慧音と戦っていた妖怪にあなたの言う理想論を言っていたわ」
「………ただの馬鹿ね…その子の運命は死…ね」
「あら?殺すの?」
「勝手に死ぬ…わ…」
「そう…ちょっとかわいそうね」
そう言うと八雲紫は消えた…レミリアは少し考え咲夜を呼んだ…
「なんでしょうか?」
「明日の…昼ごろね…魔理沙と人間の子供が来るわ」
「それを止めろと?」
「いえ、館に入れてあげて頂戴…それじゃあ私は眠るわ」
「え、はい…わかりました。あの…もうお休みになるのですか?」
「その客人のためにね…早めに眠るの」
そう言って私は眠りについた…そして咲夜は疑問に思いながら部屋を出て行った…




ううーーーん…もう朝か…いや昼前かな?やっぱり不規則な生活だな…とにかく起きよ…
起き上がると机の上にはご飯と味噌汁が置いてあった。
「そっか。父さんが作ってくれたんだ…」
この頃父さんを心配させてばかりだな…なんか…申し訳ないな…
とりあえず朝ごはん(昼ごはんかな?)を食べて家の中でボーッとする
いままでに体験したことを自分なりに整理してみようと思った…
「うーーん、吸血鬼・式そしてワーハクタクか…昨日のことも無我夢中だったからな」
正直整理しようにもほとんど記憶が曖昧だった…
「慧音さん来ないかな…霊夢さんにも聞いてみたいな…博麗神社に行こうかな…」
僕はいろいろ考えながら博麗神社に行こうとしていた。まだ昼間だし…妖怪もいないかもしれないから…
「父さん…ごめん…」
僕はそうつぶやいた…

家の外に出る。久々の太陽がまぶしかった…そして僕は里の外に歩き出す…

里から神社までは結構離れている…そういえば里の人達は霊夢さんのこと知ってるのかな?そんなことを考えていると…
「おーーい!」
ん?なんだろ?上?そこにいたのは…魔理沙さんだった
「よお!りり。どこ行くんだ?」
「あ、こんにちは魔理沙さん。あの、博麗神社に行こうと思いまして」
「ふーーん…そうだ!いまからおもしろい所に行くんだけどいっしょに行かないか?」
魔理沙さんからの突然のお誘いが来た。僕は困ったが…魔理沙さんも妖怪のこといろいろ知ってそうだしな…
「あ、じゃあ行きま…」
「ダメだ!」
僕が行きますと言おうとしたとき、誰かに止められた…振り返るとそこには慧音さんがいた。
「まったく、家にいないと思えばこんなところに…里の外に出るなとあれほど…」
慧音さんのお説教がはじまろうとしていたとき
「なんならお前もいっしょに行こうぜ」
魔理沙さんが慧音さんも誘い出した
「む?ところでこの子をどこに連れて行くつもりだったんだ?」
「紅魔館だぜ」
魔理沙さんは一言そう言った…紅魔館?なんだろそれ?
「ダ、ダメだ!あんな所にいったら!この子はすぐに殺されてしまう!」
「け、慧音さん?何なの紅魔館って」
「りり…紅魔館って言うのは…レミリア・スカーレットの住処だ」
レ、レミリア…あの吸血鬼…でも、もしかするといまもっとも話したい相手…かも…
「レミリアだけじゃない。あそこには他にもかなりの妖怪がいる。そんなところにお前が行けば…」
「行っちゃダメですか?慧音さん」
「お前…私の話を聞いていたのか!!」
「だって…妖怪のこと知りたいから…だからお願いします!」
僕は慧音さんに頭を下げる。黙って見ていた魔理沙さんが
「あー…とりあえず私が面倒みてやるから大丈夫だぜ?」
「そうは言ってもやはり」
「慧音さんお願い。なるべく早く帰ってくるって約束するから」
「それにレミリアの奴なら今頃寝てるんじゃないか?」
魔理沙さんが一言そう言った…え?そうなんだ…でも咲夜って人とも話してみたいしな…
「はーー…わかった…」
慧音さんは観念したように紅魔館行きを許してくれた
「やったー!慧音さんありがとう!」
「正し!魔理沙!この子を日が暮れるまでには里に帰してやってくれ」
「努力するぜ」
「あれ?慧音さんは行かないの?」
「私はまだやることが残っているからな」
そっかちょっと残念だな…
「それじゃあ…おい、りり!私の後ろに乗れ!」
魔理沙さんが箒にまたがり僕にそう言った
「あ、失礼します。じゃあ慧音さん行ってきます」
「くれぐれも気おつけるんだぞ」
「りり!しっかり掴まっていろよ!」
そう言った次の瞬間空に舞い上がった…



紅魔館に向けて空を飛ぶ…それにしても…かなり速いな…藍さんの時とはまた違う…
「か、かなり速いですね」
「ん?そうか?普通だぜ」
これで普通なんだ…同じ人間とは思えなくなってきてしまった…特別か…ふとレミリアに言われた言葉を思い出した…
「お、見えたぜ?」
僕が必死に前を見るとそこには…洋館?らしきものが見えた…あれが紅魔館…

紅魔館の前に降りた僕たち。そこには立派な館があった…
「…すごい…」
「おーい!置いてくぞー」
ボーっとしてしまったが魔理沙さんに呼ばれて気がついた。走って魔理沙さんに追いつく。あれ?館の前に誰かいるみたいだ…妖怪かな?…
「お、門番か」
魔理沙さんの知り合いなのかな?ちょっと安心した
「あ、また貴方ですか…今日という今日は館に入れません!」
「その台詞前にも聞いたぜ?」
ど、どうするんだろ…僕はすでに震えていた
「よーーし!強行突破だな」
門番がええーーっと言わんばかりの顔をしていた
「待ちなさい!」
館の入り口に誰かが…十六夜咲夜がいた
「お、門番は交代してたのか?」
魔理沙さんの発言に門番さんは首を振っていた
「美鈴。その二人は客人よ。通してあげて」
「あ、はい!!」
咲夜がそう言うと門番…美鈴は僕たちを通してくれた。


館の中に入ると外から見た時よりさらに大きく感じてしまうほど広かった。
「それじゃあ、図書館にいくぜ」
と魔理沙さんは歩き出す。僕もそれについて行った…僕と魔理沙さん後ろには咲夜がいた…
「ところで今日はなんで、すんなり入れてくれたんだ?」
魔理沙さんが咲夜に向かって聞く
「お嬢様に言われていたの…魔理沙とそこの少年が来るから入れてあげてって」
へ?僕らが来るのをわかっていたの!?そ、そんな…
「震えているようね?そうね君はお嬢様に喰われてしまうかもね」
咲夜は僕を見てそう言った…この人も…やっぱり里の人間とは違うな…特別…か
「そうならないように私がいるぜ」
魔理沙さんの言葉で僕は少し落ち着けた…


魔理沙さんが歩みを止めた。どうやら図書館に着いたみたいだ。
ドアを開け魔理沙さんが入っていく。慌てて僕もそれに続いた。
「すごい…本がこんなに…」
「な!すごいとこだろ」
「はい。すごいです」
魔理沙さんはそう言いながらさらに奥へ歩いた。するとそこには女の子が座っていた。
印象としては…む、紫かな…髪も服装も紫だった…
「おう!パチュリー!」
魔理沙さんが声を掛ける…名前からして人間じゃなさそうだな…
「あら?魔理沙と…そちらの子は?」
「こいつはりりっていってな妖怪に興味があるみたいだから連れてきたんだ」
魔理沙さんが紹介してくれた。でもいちお挨拶しとかなきゃな…
「ぼ、僕りりっていいます」
「そう…あなたが…私はパチュリー・ノーレッジよ。適当に座って」
パチュリーさんはそう言うと僕の顔をジッと見た後、魔理沙さんとなにやら話し始めた
とりあえず椅子に座り改めて図書館を眺めていると…
「そんなに珍しい?」
咲夜に話しかけられる
「ええ、まあ」
「そういえば自己紹介がまだだったわね。私は十六夜咲夜。紅魔館のメイド長をしている…人間よ」
よく見ると僕より全然年上そうだな…それよりなんで自分から人間なんて…
「あ、僕は…」
「りり君でしょ?さっき聞いたわよ」
そう咲夜さんに苦笑いされた。そして咲夜さんはどこかへ歩いていった…


しばらくして咲夜さんが戻ってきた。お茶を持ってきてくれたみたいだった。
トレーの上には…カップが四つあった…咲夜さんは魔理沙さんとパチュリーさんの前にカップを置く。そして僕の前で止まった…
「りり君あなたのことを待っている方がいるの来てくれる?」
え?も、もしかして殺されちゃうのかな…そう思っていると僕の考えを察したのか
「大丈夫…たぶん何もされないわよ」
たぶんか…そこに魔理沙さんが
「待ってるって誰なんだ?」
パチュリーさんもこちらを見る。咲夜さんは答える
「お嬢様です」
「あー…ダメだな…私はそいつを守れと言われているんだ」
魔理沙さんが助けてくれた。それを聞いていたパチュリーさんが
「魔理沙…きっとお嬢様はなにもしないわ」
「そうは言ってもな…りりどうする?お前が決めろ」
魔理沙さんがそう言うと一斉に四人の視線が注がれる。僕は…
「わ、わかりました。その…お嬢様に会います…」
レミリアに会うことにした…そうっと言って咲夜は歩きだした。僕はそれについて行った。


数分ほど歩き部屋の前で咲夜さんが止まった。
「ここよ」
そう言い中に入っていく。僕は無言で頷いた
「お嬢様。お連れしました」
僕は気をしっかり持ちレミリアの方へ歩く
「こちらに座ってください」
咲夜さんにそう言われ僕は椅子に座った。そこの机に咲夜さんがお茶を出す。
「ありがとう咲夜。そしてようこそ紅魔館へ坊や」
す、すごい威圧感って言うのかな…震えてきてしまった
「うん?どうしたの?ああ、大丈夫よ殺したりしないわよ」
レミリアは笑みを浮かべる
「あ、あの僕はあ、あなたに言いたいことが…あります」
「そう慌てないで…おまえ名前は?」
「あ、そのりりっていいます」
「そう…私はレミリア・スカーレットよ。まず先に言っておくわ…もう妖怪と関わるのはやめなさい。死ぬだけよ」
いきなり僕の死の予告がされる…が
「僕もレミリアさんに言いたいことがあります!」
「…………」
レミリアさんが黙っている。言え!ってことなのかな
「僕は最近知りました。僕が妖怪と共存しているのを」
「………ワーハクタクのこと?」
「そうです。そして僕は慧音さんに聞きました。何で人間側にそして何で人間を守ってくれるのかを」
「…………」
「そうしたら人間が好きだからと言いました。その時僕は思いました。人間も妖怪のことを好きになればきっと人間が襲われることは無くなるって」
「…………」
「だから僕は決めました。妖怪のことを好きになろうと…」
「………話は終わりかしら?」
冷たく言い放たれる。
「あなたの戯れ言なんかどうでもいいわ。それより今後里から出るな。妖怪と関わろうとするな」
「いやです」
「そんなこと言ってるとあなた死ぬわよ。これは坊やのために言ってるのよ?」
でも、僕は続ける…
「それでも…妖怪を信じたい…昨日だって…やさしい妖怪にあったし…それに…」
「…………」
「それに僕はあなたがやさしい吸血鬼だと思います。だから…」
黙っていたレミリアさんが笑い出す…そして僕を睨んで
「ふざけるな!」
「ふざけてなんかいません!だって僕に忠告までしてくれたし。それに咲夜さんを見たらなんかわかります」
咲夜さんは黙っていた…
「坊やになにがわかるの!わかったような口を聞くな!」
「正直僕はあなたたちのことは吸血鬼と人間ってことぐらいしかわからないけど…これから分かり合えばいいだけだ!」
「………くだらない。咲夜もういいわ。馬鹿は死ななきゃ直らないみたいだし」
レミリアさんがそう言うと咲夜さんが僕の方へきて
「さぁそろそろ日が暮れますよ?」
あ、そうか…
「は、はい…」
そして僕はそう言って咲夜さんに図書館まで送ってもらった


図書館に戻ると魔理沙さんが本を持って僕を待っていた
「お、もういいのか?じゃあ帰るか」
するとパチュリーさんが
「その本ちゃんと返しなさいよ」
「気が向いたらな」
そんなやりとりが終わり…僕は魔理沙さんに里の近くまで送ってもらった
「今日はありがとうございました」
「まぁ私も次いでだったからな気にするな。それじゃあ、またなーー」
そう言い魔理沙さんは飛んでいってしまった。僕は里に向かって歩きはじめた




「どうしたの?咲夜?」
「いえ、先ほどの少年の話…」
「馬鹿げた話だったでしょ?」
「あ、はい。そうですね。でも…あんなお嬢様は、はじめて見ました」
私…何か変だったかしら?
「何か変だった?」
「いえ、あんなに怒るお嬢様は見たことなかったもので」
そんなに怒ったかしら…でも…
「そういえば初めて言われたんじゃないんですか?やさしい吸血鬼って」
私はあの子の話を思い出していた…分かり合えるか…好きになれば…か…
「咲夜、少し外に出るわ」
「わかりました。お付き合いしましょうか?」
「一人でいくわ…ただの散歩よ?」
そう言って私は夜を待ち外に出た…




いまは夕方といったところかな。僕は魔理沙さんに降ろしてもらったところからそんなことを考えながら里に向かって歩いていた。するとそこへ
「こんにちは。人間」
僕に話しかけたのは昨日慧音さんと紫さんに倒された三体の妖怪の中の一体だった。
「あ、こんにちは。……僕を襲いにきたんですか?」
僕は自分からそう聞いた…
「いえいえ。君が言ったことを思い返してね。人間と妖怪は共存するべきだ。と思ったからここに来たのです」
え?あまりに思いがけない言葉に僕はしばらく黙ってしまったが
「ほ、本当ですか!?じゃあ…どうしよ…とりあえず慧音さんに教えてあげなきゃ」
「いえ、お待ちください。私の仲間も共存しよう思っているのです。でも私も含めて人間を完全には信じていない…」
「え、そうなんですか…どうしたら信じてもらえるのかな…」
僕が悩んでいるとその妖怪は…
「今夜昨日の平地まで来てもらえますか?いますぐと言いたいですがそれではこちらがあなたを襲うと言っているようなものですからね」
「わかりました。あなたを信じます。どちらかが信じないと一生手を取り合えないですからね」
「ふふ、ありがとう。それでは私は仲間達を集めにいきますので…そうそう一人で来てもらえますか?」
「え?一人ですか?」
「そうです。あのワーハクタクがいるといきなりこちらに撃ってきそうなので」
うーーん…どうしよう…でもこの機会を逃したら…
「わかりました。一人でいきます…」
「ありがとう。待っていますよ」
そう言って妖怪は飛んでいった。




しばらく歩いて僕の家に着く。
「ただいまー」
家の中には父さんと慧音さんがいた
「おかえり、りり」
「まあ、ぎりぎりセーフだな」
慧音さんにちょっと睨まれる
「魔理沙は約束を守らないかと思っていたがな…」
慧音さんがそんなことを呟いた。そして
「それでは私は失礼するぞ」
「もう帰っちゃうんですか?」
「ああ。私も用事があるのでな」
「りり、無理に引き止めたらダメだぞ」
父さんにそう言われ僕は慧音さんを見送った。


夕食を済んだ頃には外は夜になっていた…そして僕と父さんは床に就いた。
僕は父さんが寝てることを確認し…外に出た…


約束では夜にって言っていたけど…僕は小走りで昨日の平地に向かった
数十分後昨日の平地に着いた…あたりを見渡すがだれもいない…
やっぱり、遅かったかな…そう思いながら少しずつ歩いていると
「約束守ってくれたんですね」
僕の後ろから声がした。振り返るとそこには夕方の妖怪がいた。
「すいません。遅くなって。あ、ちゃんと一人できましたよ」
「…」
ん?なんだろ?
「ふふ...いや失礼。信じてくれてありがとう人間。いま仲間を呼びます」
そう言うとその妖怪は手を上にかざした。その瞬間僕の周りは妖怪だらけになった。
「な!?」
「驚かれましたか?この幻想郷にいる野良妖怪を片っ端から呼んだんですよ。君のためにね」
す、すごい数だ…百なんてものじゃない…千は…いそうだな…
なにも無かった平地は妖怪だらけになってしまった…
「どうなされましたか?人間?」
「い、いえ。す、すごい数なので…」
「そうですね。こんなにいるとまるで里にいる人間を皆殺しに行くみたいですよね?」
妖怪は笑いながら僕にそう言った。そして
「そろそろ、共存するにはどうしたらいいか教えてもらえますか?人間?」
あ、そうか…あまりの数に固まっていたが、なんとか喋ろうとする
「そ、そうですね。まず…人間のことを好きになればいいと思います…そして…」
僕は自分の考えを述べ始める…が周りの妖怪がくくっと笑い出す。そして僕の目の前の妖怪が
「好きになればですか。くっく...いやこれは失礼。それより私達の考えも聞いてもらえますか?」
「…あ…はい」
「私はね。人間が毎日十人ほど私達に捧げられるのがいいと思いますよ」
な、何を言い出すんだ…すると痺れを切らせた妖怪の一体が
「もう言っちまえよ!お前を殺して人間の里に行くってさ」
その妖怪の言葉に驚いて…体が動かなくなってしまった…
「勝手にネタばらししないでもらえますか?まったく…」
僕は勇気を出して言った
「あ、あの…どういうことですか?共存したいって言っていたじゃないですか?」
「共存したいですよ。人間は私たちのエサになってもらうのです。そして私たちは人間の里に住むのです。どうです?共存してるでしょ?」
「…そ、そん…な…」
「ああ、後…君は私が殺してあげますので」
そう言ってその妖怪が手を僕に向けた…レミリアさんの言う通りになっちゃったな…僕は…死を覚悟した

「待ちなさい!!」
ふと上から声がした。その声の主は…レミリアさんだった…それを見た妖怪は
「これは、これは。どうですか?いまから里に人間狩りに行こうとしているのですが」
僕は黙ってレミリアさんを見ていた…
「結構よ。それよりその子をこちらに渡しなさい!」
「なぜですか?よもや夜の王と言われた貴方が人間に情を…」
「違うわよ!その子は私が先に獲物として見つけたの。早く渡さないと殺すわよ…」
それを聞いていた僕はそれでも確かめたいことがあった…目の前の妖怪に…
「僕を騙していたんですか?」
「そうですけど…なにか?」
「なんで…なんで…信じてたのに…」
「うるさいですよ!人間!!」
そう言うと妖怪は僕をレミリアさんの方に投げた
それをレミリアさんがキャッチしてくれた
「う、うう…ご、ごめんなさい。レミリアさん…」
僕はレミリアさんに泣きながら謝っていた…
「…………よ…」
レミリアさんが何かを喋っているがよく聞こえない。僕がレミリアさんに聞こうとしたその時だった。
妖怪たちが一斉に僕とレミリアさんを攻撃し始めた
「く、この雑魚ども!」
レミリアさんは妖怪達の攻撃を避ける。でも僕を抱えている状態では反撃することもできない。攻撃しながら妖怪が…
「ふふ、夜の王もそれではお終いですね」
「雑魚のクセにうるさいわよ!!」
「そうですか。でもあなたは攻撃できない。私たちが貴方に一斉攻撃したらどうなると思いますか?」
妖怪がそう言うと周りの妖怪達に合図を送った。
妖怪達が一斉に僕らを狙う…弾幕と言うかもはや壁だ…こんなの避けられる訳がない
「さようなら…夜の王よ…そして…馬鹿な人間よ…」
僕はレミリアさんを突き飛ばし彼女の盾になった…
「ち、ちょっと!!…」
「レミリアさん…父さん…慧音さん…ごめ…」
そう言って僕は弾の壁を受けて消し炭となった…




僕はどうなったんだろ………妖怪の攻撃を受けて…
気がつくと目の前には女性が二人いた…
「あ、あなた達は?」
赤い髪の女性が驚き言った
「た、魂の状態で喋った!」
魂?そっかやっぱり僕…死んだんだ…
緑の髪の女性が
「私は、四季映姫・ヤマザナドゥ。そしてこの子は小野塚小町」
「…………」
「そして私はそうね…わかいやすく言うと閻魔ね。そして小町は死神。小町が貴方をここに連れてきたのよ」
閻魔様か…本当にいたんだな…ってことは
「僕は地獄行きですか?」
一瞬、映姫さんが驚いたがすぐに
「それを決めるのは貴方じゃないわ。でも貴方は地獄行きね」
「…………」
「あなたの身勝手な行動でいま人間の里は危険にさらされようとしています」
「…………」
「それ以外にも貴方は自分の夢や理想を相手に押し付けたりもしましたね?それに妖怪に関わるなと言われてもそれを無視したり…」
「…………」
僕は映姫さんのお説教を黙って聞いていた
「よって貴方は地獄行きね」
「…そう…ですか…」
僕の言葉を聞いた映姫さんはある物を出した……人形かな?
「そ、それは…」
小町さんが驚いている。が映姫さんはそれを無視して僕に言う
「この人形に魂を入ると…そうね一言で言うと生き返れるわ」
「…え……?」
「そしてこの人形で生き返った者はその魂の想いの力によって無限に近い力を手に出来ます」
「…あの…」
僕の言葉を無視して説明を続ける映姫さん
「しかし、それなりのリスクもあります」
「…………」
「想いの力を悪用すれば想いの力は暴走してあなたの魂もろとも人形を破壊します。
そして地獄よりも辛いことが待っています…」
「あ…あの…」
「いま貴方は地獄に行くか人形入るかです」
え?地獄行きじゃ?…映姫さんに二択を突きつけられる。生き返れるか…でも僕は…
「人形を選んだところで僕はその力を自分のために使ってしまうと思います。だから…」
映姫さんは少し笑っているみたいだった。
「だから、地獄に行きたいと?」
「…はい…」
「そう…わかったわ。貴方は人形に入りなさい!」
思いもかけない言葉が返ってきた…
「な、なんでですか?」
「決めるのは私だと始めに言ったでしょ?」
「な、なんで…ですか?」
「もし。貴方が真っ先に人形に入ることを選べば私は貴方を地獄行きにしたわ」
「………でも、僕は人形に入ったところで得た力を自分のために使ってしまう…」
「地獄を選んだ貴方はきっと力を悪用したりしないわ。ところで自分のためって具体的に何に使うの?」
何に?僕は…
「あの妖怪たちを止めたいです…そして…人間と妖怪が手を取り合える世界に…」
「なら何の問題もないわ」
「え?だってさっきは…自分の理想を相手に押し付けたことに…」
僕は先程のお説教を思い出す
「確かにそう言ったわね。でもそれは貴方だけが思い描いているわけじゃない。それは悪用って訳じゃないのよ」
僕は少し考えてから…
「わかりました…人形に入ります…」
そう言うと映姫さんは僕の前に人形を持ってきた。近くで見ると人形というより粘土の塊かな…そんなことを考えていると映姫さんが説明を始めた
「目を閉じて自分の姿を想像しなさい」
「はい…」
僕は言われたとおりに目を閉じて自分の姿を想像した…
「もういいわよ」
目を開けると…僕はすでに人形に入ったらしい…手足がある…それに服まで…
映姫さんが鏡を向けてくれた…完全に僕だな…
「すごい…」
「すごいのは貴方よ…想いの力が弱いとそうはならないわ。まぁ魂の状態で話すことが出来るほどなんだから当然ね」
「あの…力が得られるって言いましたけど…何も変わってないみたいです…」
「そうね…誰かの力で空を飛んだことがあるでしょ?それを想像しなさい」
僕は藍さんや魔理沙さん、慧音さんそしてレミリアさんのことを思い出した。
うーーん…想像って言ってもな…すると突然小町さんが声をあげた。
「ひゃっ!」
ん?僕は小町さんの方を見ると小町さんは僕の背中を見ているみたいだった。そこには…モヤモヤしているがまぎれもなく翼が付いていた。
その翼はレミリアさんの翼と少し似ていたが大きさはこっちの方がかなり大きい。
色は紅かった…レミリアさんが紅いからかな…そんなことを考えていると
「う、うわ…」
僕の体は浮き始めていた…えっと想うんだっけ…僕は降りたいと想った…
そしてなんとか降りれてホッとする
「力のコントロールはできるみたいね。それじゃあそろそろ行きなさい」
あ、そうかあの妖怪達を…それにレミリアさん…
「あ、はい。それじゃあ、僕行きます…あの、いろいろありがとうございました」
「お礼ならいいから手遅れになる前に早く行きなさい。あの門を出たら迷わず真っ直ぐ飛びなさい。そうすれば貴方の目的地に着くはずよ」
「は、はい」
そう言って、映姫さんと小町さんに背を向けて正面の門に向かおうとする。
すると映姫さんが
「あ、言い忘れたことあるわ。そのままでいいから聞きなさい。いま貴方にできる善行は里を妖怪から守ることよ」
「はい!!」
背中を向けながら僕が返事をすると映姫さんが
「貴方の夢…叶うといいわね…」
僕はそれを聞いて…すぐに門に向かって飛んだ。
僕の想いが強いのか魔理沙さんのスピードより数倍速く。あのときは目を開けるのに必死だったが、いまはまったく平気だった。
「早くいかなきゃ!手遅れになる前に…」




私はあの子を見送くりながら
「私は最低の閻魔ね…」
すると小町がこちらを振り向き私に
「なぜです?」
「あんな…危険な人形をまだあんな子供に渡してしまったんだから。あの人形にはまだ問題がたくさんあるのに…」
「そういえばなぜ、あの子に人形を?映姫様は彼の魂を見た時から変だったですよ?」
む、小町にしては鋭いわね…
「そうね……昔っていっても十年ほど前ね…ここにある魂がきたの。それは女性の魂でね、私に言ったの」
「喋ったんですか?」
「ええ、その魂は私は地獄行きかって」
「…………」
「私はその魂が生前何をやったのか見たの。そうしたら彼女は妖怪と人間が手を取り合うことを望んでいたの。自分の考えを妖怪に話し…そして…」
「殺されたと?…」
「そう。それで私はさっきの少年と同じ説教をしたの。自分の理想を押し付けるなと」
「…………」
「その時にあの人形も出したわ。地獄行きかの二択で」
「その魂はなんて…?」
「断ったわ。私は自分ために力を使ってしまう。だから地獄に行きますって」
「…………」
「それで私は人形に入ることを命じたわ。でも」
「でも?…」
「その魂は私に言ったの。もし私以外に妖怪と手を取り合いたいと願う魂がきたらその魂にその人形を与えてください。と」
「それで…どうしたんですか?」
「私は、その願いを聞いてしまったわ」
「じゃあ、その魂は?」
「天国よ。地獄に行く理由は彼女にはなかったのよ。そして十年程経ってあの子が…」
「…………」
「始め魂を見た時思ったわ。あの女性の子供だとね…」
「魂でわかったんですか?」
「ええ、そっくりよ本当に…」
「魂はどれも同じにしか見えませんが…」
「貴方にはまだわからないかもね……そしてあの子が生前に何をしてたのか見て驚かされたわ。あの女性と同じだったんだから」
そう言って私は歩き始めた。
「映姫さま?どちらへ?」
「少し散歩にいこうと思ってね。それに貴方がここにいる時点で私の仕事はなさそうだし」
そう言って私は小町に笑いかける
「え、映姫様わ、笑ってないですよ…」
私は門に向かって飛び立つ。その後ろに
「映姫様~あの少年のところに行くんでしょ?だったら私もいきます」
「好きになさい」





後編へつづく。



<あとがき>
ここまで読んでくれてありがとうございます。まず主人公に名前付けてすいません!
うーーん。なんてゆうか…長くてすいません。自分でも長く感じました(爆)
後編はもっと短くしたいと思っていますんで~

この主人公はリアルの自分とまるで正反対な性格なもので言動が少しおかしいところが
あるかもしれません。もしおかしいところがあったら教えてくれるとありがたいです。
あと臭い台詞テンコ盛りで書いてて恥ずかしくなったり…

初めてSS書いてて思ったのですが…書き言葉難しいよ!日本語難しいよ!と思って
しまいました。「食う」と「喰う」ってどう違うんだよorz
もし漢字の使い方がおかしいかったら教えてくれるとこれまたありがたいです。

>>399

備考:テーマがあるからちゃんと練れば創想話でいいんじゃなかろうか…

───────────────────────────────────────────────────────────

私はあの子が殺されてから、怒りにまかせて妖怪を倒しまくっていた。
「よくも!よくも!!」
倒しても倒しても妖怪は減らない。
弾幕を展開するたびに相手の弾幕を受けている。私って弱いのね…こんなやつらに…
スペルカードももう使い切ってしまったし…でも…あの妖怪だけは…許さない!!
「あの妖怪どこ行った!!くっ!!」
また被弾した…ほんとにそろそろ限界ね…
…そこへ…
「な、なんて数の妖怪だ…これは…いったい……」
そこへ現れたのは慧音だった。
被弾しながらも私は慧音に近づいた。
「お前…レミリア?これはどういうことなんだ?それにお前…怪我を…」
「そんなことはどうだっていい!それより里を早く隠しなさい!こいつら里が見えてるみたいよ!」
「そ、それが…りりが里にいないんだ…どこへ行ったのかは知らないが里を見えなくすると…」
「…あの子は…殺されたわ…」
「なに!?」
「殺されたのよ!!あの妖怪達に騙されて!!…そして私はあの子を助けられなかった…」
「…くっ…」
「わかったら早く里を隠しなさい!!」
「………わかった……お前はどうするんだ?」
「私は…ここで時間を稼ぐ…」
「…お、お前……わかった…すぐに戻る。…それまで…死ぬなよ…」
そう言って慧音は里に向かって飛んでいった…妖怪達が私に追いつく。そしてあの子を騙した妖怪が私に話しかけてきた。
「おや?あなたは人間を守るのですか?人間を襲う側のあなたが」
「お前…やっと出てきたわね……私は人間を守る訳じゃないわ…ただお前達に腹が立つだけよ」
「ふふ、そうですか…それでは精々頑張ってくださいよ。それでは…」
そう言ってその妖怪は群れの中に消え…妖怪達が私に攻撃を仕掛けてくる。
「待ちなさい!!くそ!……こいつら!」
ほんとに…もう限界ね……



…そういえば…私なんでこんなことしてるんだろ…人間を守りたいから?妖怪達が憎いから?……
ダメよ…私…何を考えてるのかしら……あの子も死ぬ前にいろいろ考えてたのかしら…



「レミリア!」
気がつくと私の前に霊夢と魔理沙がいた…
「レミリア大丈夫?話は慧音に聞いたわ」
「おい!ほんとに大丈夫か?」
あのワーハクタク……
「正直…飛んでるだけでも辛いわ…」
「あなたが弱音を吐くなんて…ほんとに辛いみたいね…」
「まあ…あとは私達に任せろ!って言ってもすごい数だな…」
「そうね…さすがに二人じゃきつそうね…でもやるしかないわよ!」
「わかってるぜ」
そう言って二人は弾幕を展開して妖怪に攻撃をする…が…
「くっ!動き回らないないとすぐに囲まれるわよ!魔理沙!」
「わかってるぜ!…おっと!これじゃあマスタースパークも撃てやしないな…」
あの二人ですら…やっぱり質より量ってことか…そこへ
「遅れてすまない!!っておい!しっかりしろレミリア!」
「……あ、、遅いわよ……早くあの二人と……」
「あ、ああ。わかった」
慧音も妖怪たちと戦い始める……
………妖怪の攻撃を…もう何度受けたことか……避ける力もなくなってきてるみたいね…

「お嬢様!」
この声…咲夜?
「お嬢様しっかりして下さい!」
「咲夜…なん…で?」
「帰りが遅いので捜していたんです…そうしたら…」
「……そう……そんなに…時間経ってたの…ね…散歩のつもりだったの…に…」
「お嬢様もう喋らないで下さい!紅魔館に帰って治療を…」
妖怪達の弾幕が迫る。それを咲夜は私を抱えて避ける…でも…すぐに囲まれてしまった…
「くっ!このままじゃ!」
「…咲夜…私を…捨てて逃げなさい…」
「そんなことできません!!」
「…私を抱えたままじゃ…いずれ……それに…咲夜まで失いたくないの…」
「……え……それは?…」
「…いいから…早く…」
私達を囲んでいた妖怪達が一斉に私と咲夜に弾幕を展開する…
私は咲夜を突き飛ばし妖怪達の弾幕を少しでも止めようとした……
「っ!!お嬢様!!」
「…結局…あの子と…同じことを……咲夜……あなただけでも…」
…?私の目の前にあったはずの弾幕が消えていた…それに周りにいた妖怪達も…
咲夜も驚きを隠せない様子だった…いったいどういう…こと?
「お嬢様……上…」
…?咲夜に言われて上を見る…するとそこには……死んだはずの人間がいた。







「レミリアさん!咲夜さん!ここは僕が止めます!」
僕は二人の前に出る。そして弾幕を展開する。
「あなた…なんで?それになんで飛んでいるの?その翼は?それに弾幕まで…」
「話は後です!それより…咲夜さん!レミリアさんを連れて早く下がってください!」
「え、、ええ。わかったわ」
そう言って咲夜さんはレミリアさんを抱えて飛んでいこうとしたが…
「勝手なこと言わないで…まだ全然平気よ」
レミリアさんが強がりを言っているみたいだ…
「……その言葉信じますよ。レミリアさん」
「咲夜いくわよ!」
「わ、、わかりました」
三人で弾幕を展開し妖怪達を蹴散らす…そして慧音さん、霊夢さん、魔理沙さんと合流した…
「りり!?お前死んだんじゃ?それにその翼…」
「私も慧音からそう聞いたけど…」
「お前幽霊なのか?」
「あとで話します!それよりお願いがあります!」
僕は弾幕を張りながら話す
「妖怪達をできるだけ分散させてください。分散したところを僕が攻撃します」
「え?なんで?みんなで弾幕張ったほうがいいと思うけど」
霊夢さんに聞かれる
「いいじゃない。この子の言う通りにしましょう」
霊夢さんが驚いている。
「うわ!って紫?」
「え?紫さん?」
僕も後ろを見た
「霊夢。彼の弾幕に被弾した妖怪を見てみなさい」
それを聞いていた慧音さん、魔理沙さん、咲夜さん、レミリアさんも同時に見る。
妖怪は地上にいた。そして妖怪達は…
「おい!どういうことだ?あいつの弾幕くらっても傷も痛みもねぇ。そのかわり…」
他の妖怪も言う
「ああ。弾幕が出せねぇ。それに空も飛べねぇよ」
それを見た霊夢さん達は…
「あ、あれは…どういうこと?」
霊夢さんの問いに紫さんが答える。
「どうやら…あの子…相手の能力を殺せるみたいね…」
霊夢さんたちが驚いているが…僕が少し訂正した…
「能力を殺している訳じゃありません。一時的に能力を止めているんです」
そう僕は妖怪達を止めたいと想って弾幕を展開しているのだ。その結果相手の能力を止めることになっている。
「ってことみたいよ?この子は里を守り妖怪達も止めたいと願ってるの協力してあげない?」
それを聞いていたレミリアさんが
「…ふふ…あなたほんとに馬鹿ね………できるだけ敵を引き付けてみるわ」
そう言ってレミリアさんは飛んでいった…
いまのレミリアさんじゃ心配だな……
そう思っていると僕の考えを察してか紫さんが
「…あの吸血鬼は私が援護しに行くわ…りり君こっちは最後でいいから……それじゃあ頼んだわよ」
そう言って紫さんはレミリアさんを追って行った。
霊夢さんたちも口を開く
「…私も妖怪達を引き付けてみるわ」
「攻撃しちゃまずいのか?無茶言うぜ。まっ…やってみるか」
「りり…無茶はするなよ…って言ってもすでにしているな。この戦いが終わったら説教だからな」
「…私もやってみるわ」
そう言って四人はそれぞれ散る。



僕は一人になり弾幕をより一層展開する。人形に馴染んできたのか、妖怪の弾幕が手に取るようにわかる。
弾幕を避けそして反撃の繰り返し…
そこへ…映姫さんと小町さんがきてくれた。
「力をちゃんと使えてるみたいね。状況からして妖怪を引き付ければいいのね?」
「よ、よくわかりましたね…そうですお願いします」
「小町はそっちに行って!妖怪に弾幕当てたらダメよ」
「そ、それはさすがに…」
やりなさい。と映姫さんが言うと
「わ、わかりましたよ~」
「それじゃあ、私も行くから」
僕はただそれに頷き映姫さんも妖怪達に向かって行った。






私は必死に妖怪達の弾幕を避ける。がすぐに次の弾幕が迫る。
被弾しそうになったが突然スキマが開き弾幕が消えた。
これは!…八雲紫ね…
「お前の助けなんか必要ないわ」
「そう?でもいまは無茶言うもんじゃないわよ?」
「……無茶なんかしてない……」
「素直じゃないわね。私はあなたを守るわよ?あなたが死なないように私がいるんだから」
「……あの子に頼まれたの?」
「いえ。私が勝手に来たのよ」
「……………」
「あなたはまだ死ぬ訳にはいかないでしょ?やりたいこと見つかったんじゃないの?」
「…お前に隠し事はできないみたいね…」
「それじゃあ、お互い頑張りましょうか…」
「…ふふ…頑張るなんて言葉が聞けるなんてね」





僕は霊夢さんのところから行く。
「見えた!…数は…50…60ってとこかな」
そう想うと弾幕を展開し妖怪達を撃った。妖怪達は地に落ちていく。
「よし!すぐ次に行かないと…」
「す、すごいわね…って見とれてる場合じゃなかった。私はあっちね」



次は…慧音さんがいた…少し辛そうだな…早く撃たなきゃ
「よし!これで!!」
弾幕を展開し妖怪達を撃つ…
「りり……お前…」
慧音さんに呼び止められたがすぐに僕は次の場所を目指していた。
この戦いを止めればたくさん話はできるんだから……



そして、小町さんと合流し映姫さんの所に行き妖怪達を撃ち落とす。
「ほんとにすごいな。おまえさんは」
そう言って小町さんが僕の頭を撫でてきた
すると映姫さんが
「ここまですごいなんて……相当純粋な想いなんでしょうね」



そして、次は……魔理沙さん、咲夜さん、霊夢さんそして慧音さんがいた。
「…結構多いな……でも」
僕は集中し想う。そして弾幕を展開し妖怪達を撃ち落とした。
「ふう…あとは…紫さんと…レミリアさんか…」
僕はすぐに飛び立つ。すると魔理沙さんは
「おいおい…すごいなあいつ…しかもスピード出しすぎだぜ」
「ふふ、それだけ想う相手がいるんじゃない?さっきよりも速いわ」
そう映姫さんが言葉を漏らす。
僕は夢中でレミリアさんと紫さんのところへ向かった。



「あとはあの妖怪達だけだ…」
すると一体の妖怪と目が合う。その妖怪は僕を騙した妖怪だった。
「人間!?馬鹿な!君はあの時たしかに…」
「…………」
僕は黙って集中し弾幕を展開した。
「な、なぜ人間が…なぜ空を…弾幕まで…」
僕は妖怪達を次々に撃ち落とした…そして落ちていく妖怪…
その場に残っているのは僕と紫さんとレミリアさん……
「これで…終わったのかな…」






みんなのおかげで妖怪達を止めることに成功し、僕は地上に降りた…それに続いてみんなも降りる。
…僕はゆっくりと一体の妖怪のところへ歩いた。妖怪達は静かに僕を避けるように道を開ける。
そして僕は止まった。僕を騙した妖怪の前で…
「…人間。私を殺しにきたのですか?」
「…違います…僕はあなたを殺さない……」
「なぜです?君には私を殺すだけの理由がある!」
「…僕はあなたを殺すために生き返ったんじゃない…」
「…………」
「僕はあなた達を止めるために戻ってきたんです」
「止める?なにを言っているんです?いまここで私を殺さないとまた里に攻め込みますよ?」
「その時は…また止めます…」
「…君は本当に甘いですね……あとで後悔しても知りませんよ…」
「確かに後悔するかもしれない。でも……あなたが僕に言ったことまだ信じたいんです」「……あれは君を誘い出す嘘ですよ…」
「嘘でも…僕は信じます……妖怪が好きだから…妖怪と共存したいから…」
「…………」
僕がそう言った後、妖怪達は何も言わずにどこかへ歩いていった…



僕が振り返るとみんなが僕に笑いかけてくれた…レミリアさんを除いて…
「なんで?なんでよ?あの妖怪はあなたを騙したのよ!!それに!!」
レミリアさんは怒りながらそう言った
「…そうですね…でも…僕はやっぱり…妖怪と共存し…」
そう言いかけてレミリアさんが僕に飛び込んでくる。僕は受け止められずに倒れた。
「あんた…ほんとに…馬鹿よ…」
そう言って一発ビンタされた…そして僕の胸に顔を埋める…
「ごめんなさい。ほんとに…あ、里を…人間を守ってくれてありがとうございました」
レミリアさんは泣いていた…
「あ、、レミリアさん…その……死んでも馬鹿治りませんでした…」
するとレミリアさんは顔を上げ…もう一発ビンタした。



僕が死んでからどうなったのかをみんなに話した。そして僕が人形であることも…
それでも、みんなはただ……たまには閻魔もいいことするな~などと言って映姫さんを怒らせていた。
みんな僕のことを化け物扱いしないんだな……僕は一人笑みを浮かべた…



そして…
「それじゃあ、そろそろ帰ろうかな。安心して眠くなってきちゃったし」
霊夢さんがそう言うと魔理沙さんも
「そうだな。そろそろ帰るか…りり、今夜は楽しかったぜ」
た、楽しかったって……僕も含めてみんなおいおいといった様子だった。
「それでは、お嬢様。私たちも…」
「そうね………」
ん?なんだろ?レミリアさん何か言いたそうだな…
「あなた、、私の従者にならない?妖怪のこといろいろ教えてあげるわよ?」
従者?おとものことかな…ってことはあの館で暮らすことになるのかな…
「すいません……僕には帰りを待っている人がいるので…」
「…そう………」
「でも…友達にはなります。というか…その…なりませんか?」
「友達?……ふふそうね…いいわよ…友達になりましょう」
「あ、ありがとうございます!」
「それじゃあ、友人として紅魔館に招待するわ。ケーキでも用意させて待ってるわ」
「ケーキ?」
「ケーキを知らないの?それじゃあその時に教えてあげるわ」
「はい!」

「それじゃあ、私もそろそろ失礼するわ」
そう紫さんは言った。そうだな…僕もそろそろ…帰らないとな…
それじゃあ…
「あの…今夜は本当にありがとうございました。みんなの協力がなかったらきっと…」
「気にしなくていいわよ。だって…私も守りたかったんだから…」
そう答えたのはレミリアさんだった…
「そうね。わたしもこの娘と同じよ」
紫さんもそう答えた。意外といえば意外な二人がそう答え僕は…
「二人にそう言ってもらえるとすごくうれしいです!」
素直に喜んだ…妖怪が人間を守るために戦ってくれたんだから…


そして霊夢さん、魔理沙さん、咲夜さん、紫さん、レミリアさんは各々の帰る場所へと飛んでいった…


「それじゃあ、私たちもそろそろ帰ろう」
慧音さんに声を掛けられる…が
「すいません。先に行っててもらえますか?すぐに僕も行きますから」
「え、、ああわかった…」
そう言って慧音さんは飛び立つ



僕は慧音さんを見送り後ろに振り返る。どうしてもお礼を言いたい相手…
「映姫さん、小町さん本当に…」
「礼はいいと言ったはずよ。それに人形の力を見れたしね。ほんとに見事だったわ」
「映姫さん…」
「その人形には問題がまだあるんだけど聞いておく?」
「いえ。いいです。それを知っても僕のやろうとすることは変わりませんから」
映姫さんは少し笑って
「ふふ、そうね。それじゃあ小町、私は帰るけどあなたはちゃんと仕事をしなさいよ!」
「は、はい!」
そう言って小町さんがどこかへ飛んで行った…
「そうそう最後に名前…教えてくれる?あなたの口から聞きたいの」
「僕は…りりです」
「それじゃあ、ね。りり」
「はい!!」



そして僕は里に向かって飛んだ…
「慧音さーーん!」
「お、さすがに速いな。…空自分で飛べるようになったな」
「え?」
「この前空を飛ぶことに憧れてると言っていただろう?」
「あ、そういえば…最近いろいろありすぎてて忘れてました…慧音さんその…」
僕は慧音さんに勝手に里から出たことを謝ろうとした。
「……謝らなくていいぞ…それに……」
「……それに?」
「お前の戦っている姿を見てたら怒る気もなくなったよ。そして…妖怪に対する態度もしっかりしていた。ここ数日で成長したな」
「慧音さん…ありがとう」

そして里に着くころには朝日が昇ろうとしていた。




「あの…僕一人で大丈夫ですから」
慧音さんが僕が死んだことや人形であることをいっしょに父さんに話てくれると言ったのだが
「やっぱりこれは自分で言うべきだと思います。だから…」
「そうか…わかった。りりもすっかり大人になったな」
「え…?」
それじゃあ、と慧音さんは帰っていった…




僕は家の前で止まって少し考えていた…すると家の戸が開き父さんが迎えてくれた。
「おかえり…」
その言葉で僕は泣き出してしまった。
「どうした?」
「うぅ……心配ばかりさせて…ごめん…」
「りりが帰ってきてくれれば…それでいいよ。それより家の中に入りなさい」
「うぅ…」
「りりに……話ておかなきゃならない話があるんだよ…母さんのことを」
「ぼ、僕も……父さんに話したいことがあるよ」






私は紅魔館に戻って咲夜に怪我の治療をされている。
「怪我なんてほっといても大丈夫よ。すぐに治るわ」
「ですが!」
「それより紅茶を頂戴…二つ…」
「二つですか?」
「来客よ」
「は?はあ…」
疑問に思いながら咲夜は部屋を出て行った…
「八雲紫いるんでしょ?」
「あら?ばれてた?」
「お前に答えてほしいことがあるの」
「なにかしら?」
「なんであの子にあそこまで肩入れしたの?」
私はいままで疑問に思っていたことを聞いた。八雲紫は少し黙って口を開いた…
「…妖怪にできないことは人間にできる。人間にできないことは妖怪にできる…」
「…え?」
「昔…一人の人間に会ったの…そして私にそう言ったのよ…」
「…どういう意味なの?」
「私もどういう意味なのか聞いたわ。でもその人間は私にただ笑いかけて去っていったの…」
「…………」
「その人間がどうなったかは知らないけど…あの子に肩入れした理由はその言葉の意味を知りたかったから…ね」
「…あの子がその意味を教えてくれると?」
「それはわからないわ…でもあの子はその答えを知っているのかもしれないから」
「…………」
「始め宴会であなたと話してるのを聞いてた時はなんて馬鹿な子なんだろって思ったの。でもあの時のその言葉を思い出してね…」
「それであの子に接触したのね。でもなんでいちいち私のところへ来たの?」
「さあ…ね。私もよくわからないわ」
「なによそれ……ねえ」
「なに?」
「もしかして、その人間に会ったからお前は人間を襲わないの?」
「さぁ?どうかしらね……あなたはどうなの?あの子に会って…まだ人間を襲うの?」
私は少し考えそして
「さぁ…どうかしら」
私たちはくすくすと笑いあった…そこへ
「お嬢様。入りますよ?」
「あ、咲夜ね」
「それじゃあ、そろそろ帰ろうかしら」
八雲紫はそう言ったが
「紅茶…飲んでかない?咲夜の入れた紅茶はおいしいわよ」
「あなたから誘われるとは思わなかったわ。そうね…たまには紅茶もいいかもね…」








あれから一週間ほど経ち…
「それじゃあ、父さん行ってきます!」
「ああ、時間は気にしなくていいからな…ただ…」
「わかってるよ!ここは僕の帰るところだからね。ちゃんと帰ってくるよ」
そう言って僕は博麗神社に向かって走り出す。
必要以上に人形の力を使うのは控えているため神社まで飛ぶのをやめている。
って言ってもこの人形は疲れ知らずだからずっと走っていられたりするが…
ちなみに今日は神社で宴会がある。
昨日紅魔館に行ったときレミリアさんに教えてもらったのだ…というか来なさい!って言われた…



僕は階段を駆け上がり境内に到着する
「やっと…着いた」
「遅い!!ここまで飛んで来なさいよ!りりはかなり速いんだから!」
レミリアさんにいきなり怒られる…
「あ、ご、ごめんなさい」
「…まあいいわ。こっちに来なさい」
「あ、はい…」
そう言われレミリアさんの隣に座る。っとなんか視線を感じる…
そちらに目をやると…女性かな…二人が僕を見ている。
すると僕と目が合って一人がこちらにやってきた。
「霊夢と魔理沙に聞いたんだけど…あなた本当に人形なの?」
その女性はいきなり僕のことを聞いてきた。
「あ、その、あなたは?」
「質問で返さないでよ。まあいいわ、私はアリス・マーガトロイド。それより私の質問に答えてよ」
レミリアさんとは別の威圧を感じるな…
「あ、その…人形です」
「ちょっと見せて!」
アリスさんはそう言うといきなり僕の腕を握る
「体温がある…やっぱり信じられないわ。それに…」
黙って見ていたレミリアさんが口を開く
「ちょっと!勝手に触るな!」
うーーん…それ僕の台詞のような…
「何よ!いいじゃない!少しぐらい」
「いいからその手を離せ!」
ひ、ひぇぇぇぇ…こ、こわい。



するともう一人の女性に話しかけられる。
「すいません。あなたのことを取材したいんですけど」
「取材ですか?」
「はい。申し遅れました。私は射命丸文といいます。
「あ、僕は…」
「知っていますよ。りりさんですよね」
「…そうです」
「なぜ知ってるのって顔してますね?取材をする相手のことを調べるのは当然のことですから!」
文さんはへへんと胸を張っている…
「ところでなんで僕の取材を?」
「いまあなたは妖怪の間で有名人なんですよ?知らなかったですか?」
え?そうだったんだ…
「えっと…知りませんでした…」
そんな僕を見た文さんは
「一週間前の事覚えていますよね?」
「は、はい」
「その時の妖怪達いまどうなったのかご存知ですか?」
そういえばあれ以来どうなったんだろ…慧音さんは最近妖怪達が現れてないと言っていたけど…僕の力はすでに消えているはず…
「どうなったんですか?」
「私が取材したところ…どうやら一部の妖怪達が人間を襲うのはやめて共存しようと言っているそうです」
「…え?」
「それで私はあなたを取材したいのです。いいですか?」
「あの…」
「はい?」
「取材した後どうするんですか?」
「文々。新聞に載せようと思ってます。あ、新聞って言うのはですね…」
「あ、僕知ってますよ」
レミリアさんのとこに遊びに行った時よく見てるからだ…でも見てるとよく怒られるが…
「あ、知ってますか?…それは失礼しました…で受けてくれますか?」
「その新聞ってのはどの辺りに配るんですか?だいたいでいいですから…」
「幻想郷全体ですね。あと配るというより……撒きます」
幻想郷全体ってすごいな…新聞かどうしよ…でもその一部の妖怪達に…
「わかりました。取材を受けます。その代わり条件が…」
「なんでしょうか?」
「その新聞撒く前に僕に見せてもらえませんか?その…一部の妖怪達に伝えたいことがあるので…それに確認もしときたいんで…」
「はい!わかりました!それじゃあ早速…」
そうして僕は文さんに僕が妖怪と共存するにはどうしたらいいか?
人間はどうするべきか?妖怪はどうするべきか?質問されて僕の考えを述べた。
「…よし!これで終わりです。ありがとうございました」
「いえ、こちらこそ」
「それでは、出来上がり次第お見せします。あ、そうだ!一部の妖怪達に伝えたいことってなんですか?」
「………壁はたくさんあるけどあきらめないでください…と書いてください」
「わかりました。それではまた…」
そうして文さんは飛んでいった




ふと隣を見るとレミリアさんが笑っていた
「よかったわね…りりの頑張りが報われてきたんじゃない?」
でもまだ頑張らないとな…
「まだまだですよ…でも…いまはうれしいです」
「りり一つ聞いてもいい?」
「なんですか?」
「妖怪にできなくて人間にできること、人間にできなくて妖怪にできることってなに?」「なぞなぞですか?」
「いいから!わかるなら教えなさい!」
うーーんと……
「人間にできることは…畑を耕すことかな?妖怪にできることは…野菜の収穫の時に一度にたくさん運ぶことかな?」
そう言ってレミリアさんを見ると少し怒ってるような気がする
「な、なによ!それ!」
「まあまあ、いいじゃないの」
そこへ紫さんが現れた
「だって…こんな答えは…」
「あの…まだ途中なんですけど…」
僕はレミリアさんにそう言って
「そのなぞなぞの答えは……助け合っていきましょうってことじゃないですか?」
レミリアさんと紫さんは顔を見合わせて…笑い出した…変なこと言ったのかな……







次の朝…文さんに号外を見せてもらった。
「………うん。いいかな。文さんありがとうございます」
「もういいんですか?それではこの新聞を幻想郷中に撒きますんで…あ、満遍なく撒くんでしたね」
「はい。よろしくお願いします」
「それでは失礼します」






自分のしていることが正しいかはわからない。
でも、母さんがやろうとしていたことを僕はしたい……
それに…僕は……妖怪が好きだから……そしていつか僕と母さんの夢を現実に……










<あとがき>
ようやく後編終了!ここまで読んでくれた方ありがとうございます。
前編より短くしようとした結果…話が飛びまくってます…話の展開が速いです。
とりあえず、大学のレポートも溜まってきしテストも近いのでSS書くのはしばらくお休みかな?
って言ってもすぐ書きそうな予感…一度書くと楽しいですな…まぁ無駄話はこのくらいにして


この話…あきらかに種臭いな…ガンダムSEEDみたいw俺…種厨か_| ̄|○
主人公の翼はマジンカイザー(名前わからんけど翼)をイメージしてます…
またロボ系か…どうやら俺はスパロボマニアのようです_| ̄|○
って言うかまた無駄話を…


SS書いてて思ったことは楽しいですね。時間を忘れられるというか…
でも疲れますね。そう考えるとシリーズものを書いている37氏とか人間じゃねぇw(冗談ですよ)
…あとタイピングが早くなったぜ!ってこれあんまり関係ないか…

最後はまともに終わらせたかったのに…あ、今回は誤字はないはずです。二回ほど読み直したので~
って前編も二回ほど読んだのに誤字だらけでしたが…気がつくと喋り続けちゃうな…それでは!!

さらに無駄話ですが…フランを出しそびれてしまった…それに冥界組みも…
っていうかキャラの口調あってるかな…花映塚やりこんでないから…小町とか映姫とか口調わかんねえ_| ̄|○

今度こそあとがき終了!!

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