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分類不能3

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■分類不能3


 一人の人間が樹海の中を歩く。その人間がここへ何をしに来たのかは分からない……
 ただ、その中を歩き続け……そして樹海を抜ける。そこは……幻想郷



「じゃあ、咲夜行ってくるから」
 紅魔館の主であるレミリアは日傘を持ち、後ろに居る咲夜に振り返る。
「霊夢のところですね?」
「ええ、夜には帰ってくるから」
「分かりました。お気をつけて」
 咲夜に背を向け、レミリアは博麗神社に向かって飛び立つ。

「ふっふふ~ん、早く霊夢のところへ~」
 日傘を片手に、なんとも言えない鼻歌を歌いながら博麗神社に向かう。
 今日の彼女は、なぜだか上機嫌である。
「ん? なんだろ……人間?」
 レミリアはふと地上に人間らしき影を見つけた。
 鼻歌をやめ、注意深く観察する。
「こんなところに人間は来ないと思うけど、まぁ一部例外はあるけどね……」
 レミリアは苦笑いを浮かべ、さっき見えた影を追い始める。
 燃料補給を兼ねて、食ってしまおうかと考えていた。
「さ~て、どこいったかな」
 レミリアは楽しそうに人間を探し始める。
 でも、ここは何も無い平地なため、彼女にはすでに見えていた。
「掴っかまえたっ!」
 レミリアは地上に向かって急降下して人間の背中にタックルする。
 人間は「げふっ!」と声を上げ正面から倒れて、うつ伏せ状態になっていた。
 彼女は人間の背中に乗りながら「あひゃひゃ」と楽しそうに笑っている。
「いってーーー!! なにすんねん!!」
 人間は、ばっと顔を上げて、なぜか関西弁で抗議し、背中に乗っているレミリアを睨みつける。
「うん? お前幻想郷の人間?」
 レミリアは人間の背中に乗ったまま、人間である彼を見る。
 彼はレミリアの冷静さに呆気にとられるが、その容姿に「うわ!! 悪魔少女!!」と驚きの声を上げた。
「そう、私は悪魔だよ。それよりお前のその格好……外の人間ね?」
 レミリアは彼の背中から下りて、日傘を持ち直す。
「えっと……どうやら、ここは夢の中みたいだな。でもさっき痛かったわ!! 夢じゃない!!」
 立ち上がった彼はズボンの砂を払いながら、一人でボケて一人で突っ込みをしていた。
「まあ、夢であった方がよかったかもね」
 レミリアは人間を見据え、殺そうと身構える。その手には紅い槍があった。
「ちょっと待った!! 殺すならタイム!!」
 彼は必死にレミリアを制止する。
 レミリアの手にある紅い槍が恐過ぎたからである。
「ダメ」
「えっと、えっと……何でもしますから!!」
 レミリアの冷たい言葉に負けじと、彼は出まかせだと思われる言葉を発する。
「なんでもってアンタ何かできるの?」
「……なにができればいいでしょうか?」
「殺そう」
「あ!! 掃除とかかな? できることは……」
「人手は足りてる……かな? 咲夜に聞かなきゃわからないわ」
 レミリアの手から紅い槍が消え、人間はホッとする。のも束の間
「でも、血は今飲むからね」
「え?」
 彼が気づいたときには、レミリアは眼前にまで迫っていた。
 レミリアは人間の首筋に噛み付き、血を吸う……が
「なにこれ! まずっ!!」
 レミリアはぺっ、ぺっと口に含んだ血を吐き出す。
 人間はそれを見て少しショックを受けていた。
「……不味いか……それじゃあ、俺はこれで失礼します」
 人間はじゃあ、と手を上げこの場から逃げようと後ずさるが、逃げられる訳がなかった。
 レミリアの手にはまた紅い槍があった。
「やっぱり、失礼しません」




「お嬢様、どうかされたのですか?……その者は?」
 レミリアはさっき掴まえた人間を紅魔館に連れて戻ってきた。
 咲夜に出迎えられ、レミリアは連れてきた人間を咲夜の方に放り投げる。
「いてて……投げることないじゃん!」
「咲夜、いま人手足りてる? 足りてるならこの人間殺すから」
「な、なんですとーーっ!!」
 レミリアによって彼の生死は咲夜に委ねられる。
 彼は咲夜に涙目で手を合わせてお願いする。願うしかなかった。
「貴方、外の人間ね……お嬢様人手足りてますから」
「そっ。じゃあ、覚悟はいい?」
「いい訳ねーよ! いや、いい訳ありません」
 彼は必死の思いでレミリアに土下座をしてお願いしている。
 そんな人間を見かねてかレミリアと咲夜は笑い出した。
「ふふ……あっははは」
「ふふ、お嬢様。そろそろいいですね?」
「そうね。十分楽しんだわ」
 彼は頭を上げ二人を交互に見ている。
「えっと……どういう事?」
「貴方はここで働くってことよ」
「そういうこと。それじゃあ、咲夜お願いね」
 咲夜は彼を起こし「ついてきて」と言って歩き始める。



「ええー! これは無理でしょ」
「いいから着る!」
 彼と咲夜は言い争いを始めていた。争いの原因はメイド服であった。
 紅魔館での制服であるメイド服なんて着たくないと彼は言っているのだ。
 彼は必死の抵抗を続けるが、咲夜の手にナイフが出されると彼は渋々承諾した。
「着ますよ、着ればいいんでしょ! いや、着たいです」
 咲夜に睨まれると彼はすぐに態度を変えた。なんともその様子が情けない。
「……あの~着替えるんですけど」
「それがどうしたの?」
「後ろ向いててもらえますか?」
 咲夜は顔を赤くして彼に背中を向ける。
「ププッ、照れるなよ。さ・く・や」
 咲夜は振り返り無表情で、彼を無数のナイフで串刺しにした。

「これ、恥ずかしいなーーおい」
 彼は顔中にナイフを付けたまま、感想を漏らす。
「まさか、20歳にもなってスカート履くことになるとはな~」
 彼は「やっぱ嫌だよ」といいながら咲夜に抗議する。
 しかし、咲夜は下を向き口を両手で押さえたまま、震えていた。
 彼のメイド服の姿に笑いが堪えきれない様子ですぐに噴き出す。
「あっははは。やめてー! 笑い死ぬー!」
「(……この野郎)」
 彼はその様子を無言で見ていることしかできなかった。


 笑いを堪えきれてない咲夜に連れられレミリアの部屋に向かう。がそこでも彼はただの
笑いものにされていた。
「プーー、何よその格好! やめてーー! 死ぬーー!」
「お、お嬢様、笑ってはいけませんよ。あーははは」
「(……こいつら)」
 彼はまた無言でその様子を見ていた。


 その後レミリアと咲夜は10分程笑い続けて笑い疲れたのか、ようやく彼に向き直る。
「ひぃひぃ、さて折角そんな格好してるんだから何かしてもらわないとね」
「それじゃあ、なにか雑用でもしてもらいますか」
「はいよ……はい!」
彼はいい加減な返事をすると咲夜にキッと睨まれたので、返事を高らかにする。
「いい返事ね。それでは……っと、そういえばこの者の名は?」
「メイドDとかでいいんじゃない? というか決定ね」
「……なんじゃそら」
「じゃあ、変態メイドでいいのね」
「メイドDでお願いします」
 彼は即答で答える。彼としては変態メイドだけは避けたかったので
メイドDになることをお願いした。
「(そもそも俺、変態じゃないがな……たぶん)」


 そして、彼の紅魔館での生活が始まった。
「よっしゃ! まずは何すればいいですか?」
 彼は両手で頬を叩き、気合を入れて咲夜に何すればええねん、と尋ねる。
「そうね……部屋の掃除でもしてもらいましょうか」
「は~い。じゃなかった、はい!」
「よろしい。はい、これ」
 彼は咲夜に掃除道具を渡され、早速一部屋目の前に案内される。


 部屋の中は洋物が占めていた。ベットが一つと隅の方には壺が飾ってある。
「へ~、お客さんが泊まる部屋みたいですね」
 その部屋を見て彼はすごいなーっとベットに転がる。がそんな行動が許される訳が無かった。
「……覚悟はいい?」
「冗談ですよ、冗談」
 咲夜はナイフを彼に向けニコリと笑みを浮かべる。彼は必死に咲夜を抑えて
すぐに雑巾を手に部屋の掃除を始めた。
 その様子を見た咲夜は、ナイフをどこかにしまい、部屋を出て行った。

「あ、やっべ」
 部屋にあった壺を落として割ってしまった。
「やばいどうしよ……ああっ!! またかよ」
 壺の破片を片付けようとしゃがみ込むと、壁に立てた箒が倒れそのまま壺を押し倒して割る。
「こんなのありかよ……しくしく。 っ!!」
 泣き真似でもしながら破片をちびちび片付けていると、どこからともなく現れた咲夜に
彼は蹴り飛ばされた。
「まったく! 貴方は一体何をやってるの!!」
 咲夜は彼を叱り付けるが、当の本人は余りの痛さに床でゴロゴロ転がっていた。


 その後、咲夜は痛みで転がる彼を無理やり起こして、レミリアの元へと連れて行った。
「お嬢様! この者は使い物になりません!」
 咲夜は部屋に入るなり彼を投げ入れる。
「あら、メイドBがどうかしたの?」
「……変わっとるがな」
 彼の突込みは無視し、咲夜は話を続ける。
「一つの部屋も掃除できないだけでなく、壺を二つも割るという失態をしました」
 彼はその場に正座をして、目を閉じ、どんな罰でも受けます。と言った態度を示している。
「ふ~ん。それじゃあ、部屋の掃除以外やらせたら?」
「えっ? ……お嬢様がいいと言うのなら」
「よっしゃー! レミリア最高!」
「……やっぱり殺そうか」
「そうですね」
「じょじょ、冗談ですよ。レミリアお嬢様」
 彼はレミリアに土下座をしてひたすら謝る。
 それを見たレミリアはふふっと微笑んでいた。

 
 その後、階段の掃除をやることになり終わった頃にはすっかり夜になっていた。
「俺の寝室ですか?」
 掃除道具を片付けていると不意に咲夜に声を掛けられる。
「そうよ。付いてらっしゃい」
 咲夜はそう言って歩き始める。彼は道具を片付け、急いで咲夜の後を追った。

「それじゃあ、ここが貴方の寝室ね」
 咲夜が案内した部屋は彼が掃除に失敗したところであった。
 壺の破片はすでに掃除されていた。
「ここか……まあ丁度いいかな」
「丁度いいかな?」
「すごくいい部屋でうれしいです!」
「……それじゃあ、明日もよろしくね」
 咲夜が部屋を出て行き、彼はそれを見届けベットに体を預ける。
「あーー、こえーーよ。鬼かあれは」
 天井を見ながら愚痴を零す。メイド長である、咲夜の迫力に彼は参っていた。
 そして、今日起こったことを頭の中で考えニッと笑って、そのまま眠りに就いた。



「お嬢様はあの男に対して甘すぎませんか?」
 咲夜はレミリアの部屋に入るないなや、主に対して不満をぶつけていた。
「甘いって?」
「彼に優しすぎませんか? ってことですよ」
「そんなことないよ。まぁからかってて面白いからいいじゃない」
「まぁ、そこは否定できませんが……」
「それに、非常食にもなりそうだし……でも血はすっごく不味いけどね」
 レミリアは彼の血を吸ってしまったことをいまだに後悔していた。
 彼の血は吸血鬼殺しの血だとレミリアの中で決まっていた。
「まぁ、咲夜。アイツのことは大目に見てやってよ」
「……はい、わかりました。それでは、失礼します」
「待って、咲夜」
 レミリアは思い出したように咲夜を呼び止める。
 咲夜は不思議そうにレミリアに振り向いた。
「どうかなさいましたか?」
「アイツ…… ――――って聞いてきた?」


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「起きなさい!」
「起きてます! 起きてます! だからやめてくれーー!」
 朝、咲夜は彼がちっとも起きてこないので部屋まで、訪れたのだが
当の本人は気持ち良さそうに眠っていた。
 その様子を見た咲夜は、ベットに上がり布団に包まっている彼を蹴ること10発。
 ようやく咲夜も気が済んだのかベットから下りる。
「いきなり、殺す気かーー!!」
「殺す気よ」
「んなっ!!」
「冗談よ。それより早くきなさい」
「いま、行きますから」
 彼はすぐにベットから下りて咲夜の後を追った。
 咲夜……恐すぎ……彼の中で恐怖の対象が一番上になっていた。


「それで、今日は何をすれば?」
 紅魔館の廊下を歩きながら、彼は前を歩いている咲夜に声を掛ける。
「その前に紹介しなければならない方がいるから」
「ふ~ん」


「ここよ」
 数分歩き、部屋の前で咲夜は彼に振り返り声を掛ける。
「はぁ……この部屋に居るんですな?」
 咲夜は彼の言葉に頷いて扉を開け中に入っていき、彼もそれに続いた。
「うわーーすっげ……あたっ」
 入った部屋の中は、図書館であった。
 彼はその本の量を見て驚き、足を止めていると、咲夜にバシッと頭を叩かれる。
「こっち!」
 咲夜は図書館の奥へと歩を進め、彼に声を掛ける。
「あそこに居る方がパチュリー様よ」
「紹介したいってあの子のことですか? たしかに可愛いですね」
「……」
 彼の言葉を聞いて咲夜は何処からかナイフを出して、彼に向けていた。
「ちょ、冗談ですからそのナイフしまってくだせぃ」
「咲夜、ここでナイフ投げないでよ」
 パチュリーは二人に気がつき、読んでいた本を机に置いて咲夜に声を掛ける。
 咲夜は慌ててナイフをしまい、パチュリーに頭を下げた。
「す、すいません」
 彼は咲夜の様子をニヤリと見て、パチュリーを見据える。
 パチュリーって子は咲夜の上か……と彼の頭の中にインプットされた。
「それで咲夜何の用?」
「あ、この新入りを紹介しておくようにと、お嬢様に言われたので」
「いまご紹介にありました。メイド……たぶんDです!」
 咲夜の紹介を受けて、彼は元気をアピールするかのように名乗りを挙げる。
 でも、彼はまずメイド服を着ていることに対して笑われるのを待っていた。
「そう」
 パチュリーは一言言ってまた本を読み出した。
 その様子に彼は唖然とした様子でしばらく立ち尽くす。
「ほら、戻るわよ」
「あ、はい」
 咲夜に声を掛けられて、二人は図書館を後にした。


 今日の彼の担当場所は調理場で、他のメイド達も居たおかげで何のミスもなく終わった。
というより彼はほとんど何もしてないのだが
「ふう……」
「これをパチュリー様のところへ持っていって下さい」
 彼が一息ついていると、メイドの一人に声を掛けられる。
 そのメイドの持っていた物は紅茶の乗ったトレイだった。
「は~い」
 彼はそのトレイを受け取り調理場を出て行く。
 メイド達の前だから明るく振舞っていたが、廊下に出たとたんに彼は沈み込んでいた。
 彼はパチュリーに対して苦手意識を持っていたからだ。


 図書館の扉を開け、中に入っていく。
「……なんか不安だな」
 彼は呟きながら、パチュリーが居るであろう奥の机に向かう。
 パチュリーはさっきと同じように、ただ本を読んでいた。
「これ、紅茶です」
「……」
「あの……」
「適当に置いといて」
 彼は勇気を出してパチュリーに声を掛けるが、冷たくされる。
 これが普通なのかな……それに今日会ったばかりだしなっと彼は思い図書館を出ようとした。
「……ちょっと、紅茶置いていかないの?」
「あ、忘れてた」
「ふふ、しっかりしなさい」
「へへ、面目ないです」
 パチュリーに声を掛けられ、彼は初めて紅茶を持ったまま帰ろうとしていたことに気がついた。
 彼女はその様子をくすっと笑っていたので彼も笑顔で返事を返していた。

「えっと、メイドDだっけ?」
 彼はパチュリーの前に紅茶を置くと、彼女に呼び止められていた。
「はい、そうですよ。たぶんDです」
「貴方、外の世界から来たの?」
「……そうみたいです」
 パチュリーの言葉にさっきまで笑顔だった彼は暗い顔つきで答えた。
 その様子を見たパチュリーは机に本を置いて、彼に向き直る。
「……あまり聞かれたくないことみたいね。ごめんなさい」
「いえ、謝らないで下さい。その……」
「無理に話さなくてもいいから」
「パチュリーさん優しいですね。抱きついてもいいですか?」
「……」
 パチュリーは無言で彼を睨む。彼はその様子を見てすぐさま土下座をする。
「本当にすいませんでした!」
 その様子を見たパチュリーはうっすらと笑みを浮かべて、また本を読み出した。


「あーー、疲れたーー」
 図書館を出た後、咲夜に掴まり、階段掃除をやらされてしまったのだ。
 彼は、くたくたの様子で自室のベットに倒れるようにうつ伏せになる。
「あー、今日はもう寝よっかな。また、咲夜さんに何されるか分からないし」
 朝のことを思い出し恐怖が蘇る。
 彼はすっかり、メイド服にも慣れていた。
 二日間ずっとメイド服を着ていて彼の中に変な気持ちが……出来てはいない

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「起きてますよ」
 朝、咲夜が彼の部屋に入ると彼は勢いよく体を起こし布団から顔を出す。
「……それなら、いいわ。早くいらっしゃい」
 咲夜はちっ、と舌打ちをして彼を廊下に呼ぶ。
「は~い」
 彼は少し眠そうに返事をして咲夜の後を追った。


「それで、今日は何をすれば?」
 彼は前を歩く、咲夜に声を掛ける。
「今日は、お嬢様の妹様に会ってもらうから」
「お嬢様の妹様って何か噛みそうですね」
 彼は笑いながら、数回ほどお嬢様の妹様と言って遊んでいると振り返った咲夜に脛を蹴られて
床で転がっていた。


「ここよ。入って」
 紅魔館の奥……地下に到着する。
「ほぇ~、変な扉」
 妹様が居るであろう扉には、変な文字やら何やらいろいろ書き込んであった。
 それを彼は珍しそうに観察していると、咲夜の様子がおかしいことに気づいた。
「あれ? 入らないんですか?」
「貴方一人で入りなさい」
「えーー!! 妹って言うぐらいだから恐いよ、いっしょに行こうよ~」
 彼は子供のように駄々をこね、咲夜のスカートにしがみ付く。咲夜は彼の頭に拳骨一発入れた。
 そして彼の腕を握る。
「っ!! うおっ!!」
 咲夜は扉を開け、その中に彼を蹴り入れる。
「いってーーっ!! ってあれ? 開かないっ!!」
 彼は起き上がり、すぐに扉に駆け寄るが扉が開かなくなっていた。
「咲夜さーん! 開けてくださいよーー!」
 扉を叩き、ひたすら絶叫する彼の後ろに女の子がひょっこりと現れた。
「アンタ五月蝿い!」
 その声に彼は振り返り、これが妹様に違いないと判断する。しかし、彼女は怒っている様子で
彼はどうしようと考え込む。
「あなた様が妹様ですね? なんと素敵な方でしょう!」
 彼は妹様の怒りを静めようと誉めちぎる作戦を始めるが、彼女は彼の姿を見るなり噴出していた。
「プーーーっ、何よその格好!! 馬鹿みたい、あーっははは」
「(……こ、こいつ)」
 彼はメイド服を着ていることを思い出して赤面する。
 下手に出てれば……っと彼はムスッとしていた。

 それから数分、笑い続けている妹様を彼はジトーっと恨めしそうに見ていた。
「ひぃひぃ、お前面白いね!」
「……それは、どうもです」
 別に好きでこんな格好をしてる訳じゃねーーよっと彼は言いたかった。
「二人とも楽しそうですね」
 彼の後ろの開かずの扉がギイッと音を立てて開く。
 入ってきたのは紅茶二つをトレイに乗せた咲夜だった。
「ああ!! さっきはよくも!」
「まあ、いいじゃないの。生きてたことだし、メイド服に助けられたわね」
「……生きていたって、まさか!」
「そうよ。普通だったら殺されていたでしょうね」
「さらっと言うなよ……いえ、言わないで下さいよ」
 彼が調子に乗ろうとすると咲夜がすぐに睨みを利かせる。
 とりあえず彼はメイド服にサンキュっと心の中で呟いた。
 彼は着ていたメイド服がいつの間にか誇りと呼べる物になって……ねーか。


「それより、妹様お茶でもどうですか?」
「うん! こっち持ってきてーー」
 妹様は楽しそうに部屋の奥に走り出す。それを見た咲夜と彼は笑みを浮かべて歩き出す。
 奥に進んでようやく部屋の中がよく見えた。
 彼は部屋を見渡して「おおっ」と言葉を漏らす。
 この部屋は洋風というより子供部屋を思わせるところであった。部屋の真ん中の机で妹様は
椅子に座って手を振っている。どうやら彼を呼んでいるようである。
「こっち座って」
「あ、は~い」
 彼は言われた通り椅子に座り、咲夜はその机に紅茶を二つ置く。
 妹様は楽しそうに彼に話し掛け始める。
「ねぇねぇ、何て名前?」
「いまは、メイドDだと思われ……」
「きゃはは、変な名前!」
「俺もそう思うよ。だってレミリアに付けられ……いや、
 レミリア様に付けて頂いた名前ですから変じゃないです」
 咲夜が隣に居ることを忘れていた彼はすぐに自粛し、言っていたことを180°変える。
「そういえば、君は何て名前なの?」
「フランドールだよ!」
「いい名前だね。少なくとも俺のよりは」
「きゃはは、当たり前じゃん!」
 フランドールに笑われるが、彼はそれが心地良さそうで、彼もいっしょに笑っていた。
 その様子を笑顔で見ていた咲夜は、トレイを彼に渡し部屋を出て行こうとする。
「それでは、私は失礼します。貴方はカップを持ってきてね」
「バイバ~イ、またね~咲夜」
「は~い」
 彼は軽く返事をして、椅子から立ち上がりトレイにカップを乗せて咲夜を追うはずであった。
「メイドはここに居てよ!」
「ええーー!!」
「……ふーん、嫌なんだ」
 さっきまで笑顔であったフランドールの顔は無表情になり、手のひらでカードを転がしていた。
「嘘です、嘘ですここに居たくてしょうがないです!」
 彼は嫌な予感がしてすぐに態度を変える。
 それを聞いたフランドールは笑顔に戻った。
「じゃあ、もっとお話しよう!」
「是非、是非」


 結局彼がフランドールに開放されたのは夜であった。
 調理場にカップを乗せたトレイを置き、自室へと歩を進める。
 自室に帰る途中、咲夜に『出られてよかったじゃない。もう出てこないかと思ったわ』と笑いながら言われた。が
彼はそれよりも思い悩むことが出来ていた。
 それはフランドールに『また、明日ね。もし来なかったら壊しちゃうから』と言われてしまったのだ。
「はぁ~どうしよ……って行かなきゃ殺されるよな」

 彼は疲れが溜まった顔で、自分の部屋に帰ってきた。
 部屋に入るなりベットに倒れ、そのまま眠りについた。


----------


「……」
 咲夜は彼の姿が見えないので、さてはと思い彼の部屋に来ていた。
 思っていた通り彼は爆睡していた。
「さて、どうしてくれようか……」
 部屋の中で一人ぶつぶつと呟き、彼が眠っているベットに上がる。
「やっぱり、これね」
 布団に包まっている者に向かって殴る蹴るの応酬が始まった。
「っ!!」
 彼はやめて! と言ようとするが、咲夜のラッシュのすごさに声が出せずにいた。
―数分後
「おふぁようございます。咲夜さん」
「起きたわね。それじゃあ、早くいらっしゃい」
 咲夜はすっきりした様子でベットから下り、扉の前で彼を待っていた。
 彼は急いでベットから下りて咲夜と共に廊下に出る。


「えっと……なぜに外?」
 廊下を歩きながら咲夜に今日は何すればええねん、と聞くと彼女はいつも道理ついてらっしゃいと
一言言って、彼が連れて来られたのは館の外であった。
「今日は貴方に門番をやってもらいます」
「へ? 門番って何するの?」
「侵入者を見つけたら追い払うの」
「いーやいやいや、俺、弱いです。ボコられます」
「わかってるわ。元々貴方にそんな期待してないから」
「……そんな」
「いま門番をやっている者といっしょにやるの」
 咲夜はそう言って、館の門の方向を指差す。
 彼も門の方向を見るとそこに人影があった。
「あの、門番がサボらないように見張るの。わかった?」
「ああ~なるほど、そういうことですか。楽そうでよかった」
「じゃあ、よろしくね」
 そう言って咲夜は館の中へと入っていった。


 彼は門の方に歩き始めて、門番に声を掛ける。
「今日、いっしょに門番をすることになった者ですが……」
 門番をしている者が彼に声を掛けられ振り返り……笑い出す。
「ププッ、なんですかその格好! あははは」
「(どいつもこいつも……)」
 結局いつもの流れに、彼は黙って耐えるしか選択肢が無いのであった。
 

 それから数分後、笑いが収まった門番が自己紹介を始める。
「私は紅美鈴です。よろしく、変質者さん」
「ちょ、違う、違う。メ・イ・ド・Dです」
「プッ、変な名前ですね。変質者さん」
「……とりあえず、よろしくお願いします。美鈴さん」
 彼のことをかなり舐めている態度の美鈴を尻目に彼は怒りに耐えて挨拶をした。
 美鈴は彼に挨拶されると、先ほどまでゲラゲラ笑っていたが急に真剣な顔になる。
「貴方いま、私のこと何て呼びました?」
「美・鈴・さ・ん」
「……もう一度」
「み・す・ず・さ・ん」
「あー! やっぱりー! ちゃんと呼んで下さい!」
「貴女こそ俺のことちゃんと呼んで下さい!」
「変質者さーん。ほら呼びましたよ」
「なんじゃそら、まったく、みすずさんは……」
 二人は妙ないい争いを始める。
 次第に二人の様子が変わっていき、壊れ始めていった。

「プッ、あっははは」
「あーははは」
 言い争いをしていた二人は完全に壊れ、突如大声で笑い出した。
 しかし、紅魔館の前で大声を上げるなど、咲夜に許される訳がなかった。
 突然二人の前に現れた咲夜によって、二人はボコボコにされ、館の壁にもたれ掛かるように座り込む。
「今度遊んだらどうなるか分かってるわよね? 二人とも?」
「はい!!」
 咲夜にビビリまくりの二人は即答で返事をする。
 それを見た咲夜は館の中に消えていった。

「……ふう、恐かった」
「貴方の所為で私まで怒られたじゃないですか」
「それはこっちの台詞ですよ。っとこんなことしてたら、また怒られるな」
「……そうですね」


 二人は真面目に門番をしていたがすぐに愚痴が零れ出す。
「いつもこんなに暇なんですか?」
 彼は楽だけど、暇なのも悲しいなっと美鈴に声を掛ける。
「まぁ、こんな感じですね」
「大体門番って必要なのかな? 中には咲夜さんいるし」
「それ、言えてますね。お嬢様だっているし、パチュリー様だっているし」
 二人はお互いに不満をぶつけ合い出していた。
 その対象が徐々に咲夜へと移行する。

「咲夜さんが鬼のように恐いんですよ」
「それ、分かります。咲夜さんいつも恐いですからね」
「ごほんっ!  咲夜さん  恐いよ恐い  咲夜さん」
「プッ、それ俳句のつもりですか?」
「そのつもりで詠ませて頂きました」
「それじゃあ、私も  咲夜さん  いいからよこせ  コッペパン」
 彼はおおーー!と拍手し、二人で笑い合う。
 その後も二人は暇潰しから始まった俳句の詠み合いを続ける。
 お題は咲夜から変わらずに……
「うーんと……   咲夜さん  ナイフしまって  鬼ですか
 これは常日頃から思っていることを詠んでみました」
「プーーーッ」
 ついには解説まで付けるようになる。
 美鈴は腹を抱えて笑い出していた。
「……」
 その時、彼は見てはいけないものを見てしまっていた。
 腹を抱えて笑っている美鈴の後ろに……鬼がいたので、彼は凍りつく。
「あっははは、あれ? どうしました?」
「美鈴よ  振り返るなよ  鬼が居る」
 彼は美鈴の問いかけに俳句で答えていた。
 そして、ついに鬼が口を開けた。
「二人とも  わかっているな  お仕置きだ」
 なぜか、鬼も俳句を詠み出した。内容はこれから何が始まるか知らせるものであった。
 美鈴はその声を聞いて、その場で震えだした。
「さ、さ、咲夜さん!?」
 美鈴は慌てて距離を空け、凍りついてる彼の隣に並ぶ。
「お互いに  生きて会おうぜ  我が友よ」
 彼は美鈴にそう言って、咲夜に背を向けて走り出す。
 がすぐに彼は大量のナイフによって串刺しにされ、その場にぐったりと倒れた。
「ひっ、ひぇぇぇぇ。咲夜さん! 許して下さい!」
 彼の背中にナイフの山ができているのを見て、ああはなりたくないと美鈴は咲夜に土下座を
して許しを請う。
「さあ美鈴  今度は貴女よ  殺人ドール」
「プッ、咲夜さん下手すぎ……ぎゃーーっ!!」
 門の前にはハリネズミが二匹完成していた。


「まったく、今日は酷い日だったな……」
 彼は夜に意識を取り戻し、自室に向かっていた。
 背中に大量のナイフを付けている姿がなんとも異様である。
「あーー!! 見つけた!!」
 背後で声がするので、彼は振り返るとそこにはフランドールが居た。
 それを見た彼は手を顔に当て「やってしまった」とその場で呟く。
 フランドールはご立腹の様子で彼に近づいていく。その手には奇妙な形の杖のような物があった……彼の脳裏に
殺されますよと浮かんでいた。
「あ、えっと、そうだ! これから行こうとしてたんだよ! あはは」
「嘘だ!」
「嘘です」
 彼は泣きながら嘘であることを告白する。そして、その場に土下座をした。
「本当にすいませんでした!」
「ダメだよ。許さないから!」
「そんなこと言わないでよ。悪気は無かったんだから……しくしく」
「……プッ」
 フランドールは彼の姿が余りにも滑稽だったので、笑いを噴出した。
「きゃははは、なんでナイフそんなに付けてるの? 馬鹿みたいだよ」
「どうも、馬鹿なメイドです」
 彼はフランドールに合わせるように会話をする。
 彼自身も少し楽しくなってきていた。

「あら? 妹様とハリネズミ?」
 笑い声を聞きつけて咲夜がその場に現れる。
「あ、咲夜さーん。いい加減これ取ってよー」
 彼は咲夜に背中のナイフ取れこら!っと声を掛ける。
 咲夜は、ハイハイ、と荒々しくナイフを拭いていく。
「いってーー!! それで全部?」
「これで全部よ」
「あははは、やっぱりメイド……えっとFだっけ?」
「……お好きなように」
「とにかく面白いね~」
 フランドールはペットを可愛がる様に、床に座り込んでいる彼の頭を撫で始めた。
「いまから、遊んでくれたら許してあげる!」
「いまからは、無理でしょ」
「……ふーん」
 彼の頭を撫でている手に何かを感じたのか、彼は冷や汗を流し言葉を翻す。
「いま、ものすごく遊びたいです」
「ふふ、いい子だね」
「あ、ありがと~」
 フランドールにペット扱いされ、彼は泣きながら喜んでいた。
 その夜、フランドールの部屋で彼女が眠くなるまで、話をするのだった。
 彼が寝ようものなら、フランドールに叩き起こされ、彼は心身ともに疲れきっていた。



「レミィ、入るわよ?」
「パチェ? 珍しいのね貴女から来るなんて」
 普段ならレミリアが図書館に行くパターンが多かったため、パチュリーの
突然の訪問に驚いていた。
「どうしたの?」
「いえ、少し話でもと思って」
「ふーん……まぁ座って」
 パチュリーは椅子に座り、一息ついてから話し始める。
「この頃、紅魔館も明るくなったわね」
「えっ? そう?」
「最近、メイド達も笑っているのよ。彼を見て」
「ああ、なるほど。うん、まぁ笑うかもね。あの格好だし」
 レミリアは彼の姿を想像してプッと小さく笑う。
「ふふ、確かに彼、可笑しな格好よね」
「それにやってることも面白いって咲夜が言ってたわ。
 アイツすっかり紅魔館に馴染んでるみたいなの」
 レミリアは笑顔で話しているが、パチュリーは真剣な顔つきになり、レミリアに本題を切り出した。 
「……彼、外の世界から逃げてきたんじゃない?」
 パチュリーは彼と話した時から気になっていることを話す。レミリアも真剣な顔つきになった。
「アイツから聞いたの?」
「いえ、彼は俯いていただけ。でもあの様子だと多分訳ありね」
「……そっか、やっぱりか」
「気づいてたの?」
「なんとなくだったけどね。アイツ幻想郷に来てから今日まで一言も言わないから
 どうやって元の世界に帰れるんですかって、普通真っ先に聞くはずよ」
「咲夜にでも聞いてるんじゃないの?」
「ううん。毎晩咲夜に聞いてるけどそのことに関しては聞かれてないって」
「じゃあ、やっぱり訳ありってことね」
「今度聞いてみようか。紅魔館の主として知っておきたいね」
 レミリアは興味本位で聞いてしまえと笑顔で言っていると、パチュリーが彼、可愛そうねと
苦笑いするだけで、彼女自身も興味があった。


------------------

「ね、眠過ぎる」
 フランドールの部屋を出たころには朝になっていた。
 彼は自室で眠ろうと歩いていると、咲夜が「あら? 今日は早起きね」と
嫌味を言いながら、彼の腕を引っ張る。
「ほら、掃除」
「ちょ、今日はお休み下さい」
「ここは有給とかないから。ほら、しっかり歩きなさい」
「ふぇーん」
「そんな情けない声で泣かないでよ」
 
 彼は泣きながら調理場の掃除を始める。
 他のメイドさん達も居たので比較的、楽であったが睡魔が襲うたびに、どこからともなく
現れた咲夜に頭を叩かれる。
 その度にメイド達はクスっと笑い、それを見て彼も少しずつ元気になっていった。

「これお願いしてもいいですか?」
 彼が掃除をしているとメイドの一人に声を掛けられて、振り向くと彼女の手には
紅茶の乗ったトレイがあった。
「えっと……すいません。俺のとこまだ終わってないです」
「そこ私がやっておきますから、これ運んで部屋で休んでください」
 彼はそのメイドの言葉に涙を浮かべてその場で土下座をして感謝した。
 その姿を見ていた、メイド達は笑っていた。
 メイドからトレイを受け取り「パチュリー様のところです」と声を掛けられ
彼は調理場を出て行った。


「失礼しま~す」
 彼は図書館の扉を開けて中に入り、奥で本を読んでいるパチュリーの元へと向かう。
 パチュリーは彼に気づき、本を置いて声を掛ける。
「随分眠そうね。咲夜に聞いたけど、妹様の相手をしてたんでしょ?」
「うおっ! その通りです!」
 彼は精一杯のリアクションをとりながら、パチュリーの前に紅茶を置く。
「でも、話してて楽しいですよ。ちょっと強引ですが」
 フランドールに何度も頭を撫でられたり、叩かれたりとしたことを思い出して涙を流す。
「ふふ、貴方泣いてるじゃないの」
「嬉し泣きですよ」
 パチュリーに突っ込みを入れられても、彼は強がりを言う。
「泣くほど嬉しいの?」
「……いままでフランドール様はずっと地下で一人、孤独だったんだと思います。
 だから、相手してあげたいと思ってますよ。涙が出るほど」
 彼は真面目に話しパチュリーに笑いかけるが、その笑顔はどこか影があった。
「あなたも孤独だったの?」
「え?」
 突然のパチュリーの言葉に彼は呆然と立ち尽くしていた。
「あ、ごめんなさい」
「……いえ、突然すいません。失礼します」
 彼は足早に図書館を去っていった。
 その後、彼は自室に戻りすぐに眠りに就いた。目はすでに涙で腫れていた。


――コンコン、コンコン
 扉をノックする音が部屋に響き彼は目を覚まして、返事を返す。
「あ、はい。今開けます」
 彼はベットから下りて扉を開ける。そこには神妙な面持ちの咲夜がいた。
「……随分眠っていたわね」
 咲夜に言われて、部屋の窓を見ると外は暗くなっていた。
「あ、すいません」
「怒っているわけじゃないわ。それより、お嬢様がお呼びなの」
 咲夜の言葉に彼は頷き、廊下へと出る。咲夜はレミリアの部屋でなく図書館に向かって歩き出した。


「咲夜さん、ここは……」
 咲夜が図書館の前で止まるので彼は疑問に思って声を掛ける。
「ここに居るの。さぁ」
 咲夜は扉を開けて彼を先に中に入れる。入ったところは紛れも無く図書館であった。
 彼は疑問を残したまま、図書館の奥へと歩き出す。
 奥に居たのは、レミリア、パチュリー、美鈴にフランドールであった。
 四人は無言で彼を見ていた。咲夜は彼の隣に立ち彼女も何も喋らなかった。
「……あの、どうかしましたか?」
 沈黙を破ったのは彼だった。
 彼自身、なぜ呼び出されたのか見当がついていた。
「率直に聞くわ。お前は外の世界から逃げてきたの?」
 レミリアはフッと一息入れて彼に問いかける。彼はその問いかけに頷いた。
 そして彼は目を閉じ深呼吸して、口を開く。
「俺は……自殺しようとしてました」
「え? なんでよ?」
「レミィ、そんな聞き方したら」
「いえ、大丈夫ですよパチュリーさん。……俺は毎日働きもせず周りから、親からもゴミの様に扱われました。
 ……いちお、働きもしたんですけど、失敗ばかりで対人関係もうまくいきませんでした。それで仕事を辞めて
 そして、親に家を追い出されて……何日もただ当てもなく歩いてました。たった一人で……」
「孤独だった?」
 机に座っていたフランドールは消えそうなほど小さな声で彼に問いかける。
 彼はフランドールに笑顔を向け、頷いた。
「そっか。なら毎日遊んであげるね!」
「ありがとう」
 彼は涙を浮かべてフランドールに軽く頭を下げる。

「その後どうしたの?」
 話に入ってきたフランドールを止め、レミリアは彼に話を続けさせる。
 彼はレミリアの言葉に頷き、続きを話始める。 
「俺は……気がつけば、生きたいって気持ちが無くなっていて、死ぬことを決意してました。
 それで、どこかの樹海の中に入っていて、しばらく歩き続けると急に樹海を抜け出したと思ったら……
 その時ですよ、レミリア様にタックルされたのは」
「……ああ」
 レミリアはあの時かと思い出していた。それと同時に疑問も出てきていた。
「でもお前は死にたくないと言っていたわよ? それに死にたいと思っている人間にも見えなかったし」
「あの時は自分でも驚きましたよ。こんなに生に執着していたことに」
 彼は目を閉じ、幻想郷に来たことを思い出すように話す。

「話を戻すようで悪いけど、貴方が対人関係で苦労していたようには見えないわ」
 黙って聞いていたパチュリーは彼に疑問をぶつける。
 パチュリーからしてみれば、彼は対人関係に苦労はしないだろうと思っていた。
「……外の世界では大人になると、俺のようにふざけた奴は無視されるんですよ。
 でもここは、みんな笑ってくれて、時に叱ってくれて……へへ、最高の場所かもしれませんね」
 彼は涙を堪えながら笑っていた。彼の様子を見ていた五人もホッとしたように緊張が解れて
笑顔を彼に向ける。
「お前は、もう大丈夫ね」
「え?」
 不意に彼はレミリアに肩を叩かれる。
「もう、お前は生きたいって気持ちが出来てるでしょ? いま、いい顔してるわ。メイドD」
「へへ、ありがとうございます!」
 
--------------

 次の朝、咲夜は彼の自室の前に来ていた。彼の姿が見えないのでわざわざ起こしに来たのだ。
 しかし、昨日の話を思い出して無理矢理起こすのは止めようっと思っていた。
「……え?」
 扉を開けて中に入ると部屋に彼は居なかった。ベットの上は綺麗に掃除されており、布団も
綺麗に畳まれていた。
「もう、起きてたのかしら」
 ただ、見かけないだけかと思い部屋を出て行こうとすると、ふと枕の上に二つに折った紙切れが置いて
あることに気付きそれに手を伸ばす。
「これは?」
 咲夜はその紙切れを開き、すぐに部屋を出て行った。


「お嬢様! 起きてください!」
 咲夜はレミリアの部屋に勢いよく入り、レミリアを叩き起こす。
「ちょ、ちょっと咲夜、いきなり何するのよ! 痛いじゃない!」
「す、すいません。じゃなくて、これを」
 咲夜は持っていた紙切れをレミリアに見せる。
 レミリアは眠そうに目を擦りながら紙切れに目を通した。
「……ふふ、そっか」
 レミリアはただ笑顔でベットから下り、背伸びをする。
「それだけですか?」
「フランは……まだ寝てるわね。その紙切れパチェに……いや、メイド達にも見せてあげたいわね」
「それよりも彼を追わなくていいんですか?」
「咲夜、図書館に行きましょう」
 レミリアはそう言って部屋を出て行き、咲夜は納得しないまま後を追った。


「咲夜に……レミィ? こんなに朝早くどうしたの?」
 パチュリーは読んでいた本を置き、二人に向き直る。
「えっと……咲夜」
 レミリアは咲夜に紙切れを見せるように言い、咲夜はパチュリーの元へと近づく。
「パチュリー様これを」
 咲夜は紙切れをパチュリーに渡す。パチュリーはそれを見て、ただ笑顔を浮かべるだけだった。




「帰られるんですか?」
「あ、美鈴さん。そうですね、この数日間で生きる希望ってのが見つかった気がしましたから」
「生きる希望……ですか」
「美鈴さんにもあるんじゃないですか?」
 彼の問いかけに美鈴は額に指を当てながら「うーーん」と考え、思い出したように口を開く。
「ふふ、ありますね」
「へへ、よかったです」
 彼は美鈴に向き直り頭を下げる。
「美鈴さん、短い間でしたけどありがとうございました」
「こちらこそ、楽しかったですよ」
 美鈴は彼に手を差し出し握手を求める。彼はそれに笑顔で答え、手を差し伸べ握手を交わした。

「それじゃあ、またいつか……いつかまた、二人で咲夜さんにボコられましょう」
「ふふ、そうですね。待っていますよ、メイドDさん」
「それじゃ!美鈴さん」
 



「あ、咲夜さん」
「『あ、咲夜さん』じゃないでしょ! 彼は? ここ通ったでしょ?」
「ええ、通りましたよ。外の世界に帰れる見込みもなく歩き出しましたよ。あれ? それなんですか?」
 美鈴は咲夜が持っている紙切れをひょいっと盗み見る。






  『これを誰かが見る頃には俺はもう紅魔館に居ないと思います。

  まず勝手に出て行ったことを許してほしいです。
  
  あと、このメイド服貰っていきますね。俺の服なくなっていたので

  それから皆への感謝の気持ちは書ききれないほどあるから一言だけ
        
        紅魔館のみんな大好きだぜ!!

                 
                         メイド(たぶん)D』

>>493

───────────────────────────────────────────────────────────


 二月十四日。
 世間で、その日はバレンタインデーと呼ばれる日だった。
 幻想郷と切り離された向こうの話ならば、それは祭りたてるほどの日なのだが、
こちら、つま幻想郷ではそれほど祭りたてるような出来事ではなかった。

 ――つまり、結局の所いつも通りで、向こうが騒ぐ日だろうと、のんびりとした日常が
あるだけなのであった。

 もちろん、それなりに例外は存在しているのだが。

 いつも通りの幻想郷に店を構える香霖堂。
 店主である森近霖之助は、いつもと違う雰囲気を空気から感じ取っていた。こんな奇妙
な空気は年に一回あるかないかと言ったところだろう。
 そうして彼は日付を確認する。

「――二月の十四日か」

 つぶやきながら、はて何があったかと思案する。
 特別変わったことがあるわけでもない普通の日。風水的に悪い日とか、そういう話は聞いた
覚えは無い。
 それでも何処か、別の事で聞いたことがある気がした。

「うーっす、香霖」
 考えても、答えが出ず全く金を払う気が無い客を出迎えた。
「やぁ、魔理沙」
 魔理沙も、一応常連客のようなものだろうか。いや、客というにはまずは代金を払ってもらわなければ
客とは呼べない。百歩譲って常連だろう。

「それで一体何の用だい?」
 読んでいた本を閉じて、目を向ける。
「あぁ、この店ってチョコレートはあるか?」
 チョコレートというと、あの甘い菓子のことだろうか? いや、それ以外のチョコレートなんてものは
考え付かない。そうして、魔理沙がチョコレートの話題を出したことによって、彼の思考に一本の線が見えた。

「あぁ、バレンタインデーか」
 外では女性が男性にチョコレートを送る日とか何とか、この前読んだ雑誌に書いてあったはずだ。
「そうそう、それでだ。チョコレートが欲しいんだ」
「僕から貰って嬉しいのかい? 魔理沙は」
「違う違う、誰も香霖から貰う気は無いぜ。私から渡す奴が居るんだよ」
 いつもツケを溜めている魔理沙でも、本日はどうやらまともな買い物らしい。
 一応、外の世界から流れ着いたモノの中にチョコレートとなるものはあった。これが幻想のものとなる日は
遠くないのかもしれない。
「これでいいのかい?」
 商品の中には材料から創るものと、すでにチョコレートとなっているものがあった。
 既に出来ているものは便利だろう。だが、この前味見をしたら、それほど美味しいものとは思えなかった。
既に出来ているものというのは、恐らく質を損なってしまうのだろう。

   からんからん

 扉の音と共に、もう一人入ってくる影があった。
「どうも」
 入ってきた二人目の客は紅魔館でメイドを勤めている十六夜咲夜だった。袋だけ持っているところを見ると
彼女もまた買い物客であるらしい。

「もしかして、君もチョコレートを?」
「あら、よくご存知で」
「なるほど、メイド長も渡す相手が居るのか、誰だ? 恋愛係の私に教えてくれよ」
「残念ね。人に教えるような無粋な真似はしません。それに中等部じゃあねぇ」

 考えてみれば、チョコレートを購入するということは、渡す相手が居るということだ。
 そうして更に考えてみると、ここ最近は、妖怪人間に拘らず女性と接点を持つ男性が増えているらしい。
例えば魔理沙は最近、弟子を取ったと聞く。女性ではなく男性だと聞いたし、他にも紅魔館で働く者の中に
男性の姿があると聞いた覚えがあった。
「それで、チョコレートはありますか?」
「あぁ、あるよ」
 すぐ机の上に置いてあった既に作られたチョコレートを彼女に見せた。
「……湯煎は大丈夫そうね」
「買うのかい?」
「えぇ、ひとまず頂きますわ」
 彼女は代金を払いチョコレートを受け取ると、急ぐように出て行った。
 魔理沙はそのまま他のチョコレートを眺めている。
 チョコレートに大した違いは無い。どれもこれも同じようなものだ。違う点といえば、一から作るか
既に作られているかの違い。その味の違いはよく分からないが、きっと作ったほうが美味になることは
分かる。

「それじゃ、私もそろそろ行くぜ」
 彼女も外に出て行く。どうやら、既製品すら眺めるのが飽きたらしい。
 そうして気付いた。代金を払わずにチョコレートだけ持っていかれた。

 彼女たちが去った後も、ひたすらに客が香霖堂に押しよせた。
 その日だけでも売り上げは、いつも以上だ。もちろん、忙しさもいつも以上で、厄介ごともいつも
以上だった。
 魔女や妖怪が買い物に来るなんて、幻想郷の中でないと考えもしないだろう。

「ふぅ……」

 ため息を吐いて、チョコレートがあった戸棚を見る。今日だけで売り物のチョコレートは全て無く
なった。
 手元に残っているのは、売り物ではないチョコレートだけ。これはちょっとした調理に使うために
残したのである。
 別の棚に目を移すと、そこには何の変哲もないパンがあった。しかし、このパンは洋と和が組み合
わさった合作『アンパン』だ。
 アンパンと言えば、日本の饅頭の餡子を使用したパンである。この前、流れ着いてきたので食して
みるとなかなか美味だった。
 そうしてそれから対抗するように出来たのがチョコ饅頭である。『チョコまん』とも呼ばれている
らしいが……。手元には出来立てのチョコまんが三つ、湯気を立てている。

  からん からん

 今日何度目か分からない扉の開く音が聞こえた。

「こんにちは、霖之助さん」
 立っていたのは博麗神社の巫女、博麗霊夢だった。もしかしたら彼女も普通にチョコレートを……
と考えて、その根本的な間違いに気付いた。
 そもそも、彼女がこういう行事を知っているとは到底思えない。

「やぁ、いらっしゃい霊夢。チョコレートは売り切れだよ」
「チョコレート?」
 疑問符を浮かべる霊夢。どうやら、やはりチョコレートを買いにここに来たわけではなさそうだ。
「いや、今日はバレンタインデーだからね。チョコレートを買いに来るお客が多かったのさ」
 数えるだけで両手の指が軽く往復できてしまうかもしれない量だった。そもそも妖怪も人間もこの店に
チョコレートを買いに来たからだが。
 無論、そんな話をして彼女が誰かにチョコレートを渡すとは考えづらいが。
「あぁ、そうなの。じゃあ、そこのお饅頭を頂いていいかしら?」
 何が「じゃあ」なのか分からないが、彼女は目ざとくチョコまんを指した。
「高いよ?」
「ツケでいい?」
 内心、ため息が出た。いつもこんな感じで、霊夢と魔理沙にはツケにしている。そのツケを彼が生きている
うちに払う日が来るのだろうか?

「ほら、二つだ。どうせ誰かと食べるんだろう?」
 確か彼の記憶が正しければ、霊夢の知り合いにも男性が居たはずだ。
 どうやって出会ったのかも、どんな性格なのかも知らないが、きっと妙な接点を持っていたりするのだろう。
「うん、まぁ……あいつって、食べるのかな? これ」
 袋に入ったチョコまんを持って、彼女は出て行く。冷めないように目的の人物に渡すために駆け足で。

  からん からん

 今日の売り上げに霊夢と魔理沙は貢献しなかったが、他の客でフォローできたから良いだろう。
「バレンタインか……」
 今日売れたチョコレートだけでも相当な値になる。
 それが全て男性に配られるとすれば、これだけ利益になることも無い。
 霊夢や魔理沙、咲夜も……他のチョコレートを買いに来た客も、誰かに渡すだろう。果たしてどれだけの
思いが届くのだろうか?

「うん、あまり美味しくない」
 既製品のチョコレートの入ったチョコまんを食べて、彼は呟いた。






あとがき――

 再び、○○を出さずにSSを書いてみた、今は反省している。


===チョコまんの中===

読み方によっては、東方キャラ全員から貰ってしまう
シチュエーションで見てしまう人も居るかもしれない。

まぁ、人の見方しだいでしょうね。これって。

絵板を見て、何とかバレンタインのネタを想像した。今は反省している。

===チョコまんの中ここまで===

>>525

───────────────────────────────────────────────────────────

156 名前: 名前が無い程度の能力 投稿日: 2006/01/14(土) 21:07:20 [ 8AcdYoTc ]

現代東方のスレとかぶりそうで悪いが、
逆に現代世界に東方のキャラを案内するとしたらどこがいい。
俺だったら妖夢を動物園とか水族館に連れて行きたい。

「あっ! ほら、見てください。あのライオン、今こっちを見ましたよね!?」
なんてはしゃぎながら檻の前から離れない妖夢。


157 名前: 名前が無い程度の能力 投稿日: 2006/01/14(土) 23:34:42 [ mtPp07PY ]

ルーミアと一所に遊園地。
一日中遊びまわって、最後に観覧車へ。
バタンとドアが閉められてから、ほんの少したった頃の事だった。

「お腹へったねぇ・・・・・・」
「あ、ルーミアご覧よ! さっきのったバイキングがもうあんなに小さくなってる!
 いやあ、あれは乗った時は怖かったけど、今から思えば全然対した事なかったねぇ!えへへえへ!」

残り四分の三周、燃え上がれ俺の気晴らしトーク!!

3スレ目 >>156-157

───────────────────────────────────────────────────────────

流れをちょっと中断してこんなの。
プロポーズされた後の反応が見たかった、というレス。よし、ならば反応だけ考えてみた。
逆に東方キャラがプロポーズする方も、俺としてはいいんだが。
もし、ほかに東方キャラのプロポーズの反応が思いついたら支援頼みます。

藍「承諾した。これより、貴方の式となることを天神地祇にかけて誓おう」

魔理沙「い、いいけど…………や、やさしくしろよ…じゃなくて、……やさしくして、ね」

文「ふふふ、次の文々。新聞の一面はこれで決まりですね」

霖之助「でも、いいのかい。僕の店は万年閑古鳥が鳴くような店さ。君に苦労をかけるんじゃないかな」

パチュリー「読書の邪魔にならない程度にだったら、そこにいても構わないわ。………ずっと、ね」

紫「貴方は幻想の国に迷い込んだのよ。もう決して逃れられない。もう決して迷えない。
だってもう、私が貴方を離さないのだから。さあ、真実と偽りの境界の中、共に踊り明かしましょう」(アリプロっぽく)

3スレ目 >>232

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

レミリアを思いついたので書いてみる。

「咲夜より美味しいお茶を淹れることね。話はそれからね」

こういうのもアリか?

3スレ目 >>243

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

映姫「え…えーっと、わ、必ず私を幸せにする事!これが今の貴方が積める最大の善行です!」

3スレ目 >>244

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

橙「え、ホント? それじゃ明日から毎日遊ぼうねっ!」
・・・なんか違うか?
るみゃ「えー・・・っと私も好きー・・・かな。じゅるっ」
アリス「そ、そこまで言うなら人形作りのサポートにもなりそうだし、う、受けてあげてもいいわよ。・・・そこの毛糸取って」

アリスしっくり来ないなあ

3スレ目 >>245

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

妖夢「…では明日からは猛特訓をしなければなりませんね。
   …何故って、そんな程度でお師匠様に認めてもらえるはずがないじゃないですか。」

3スレ目 >>259

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

260 名前: 名前が無い程度の能力 投稿日: 2006/01/17(火) 23:51:14 [ RYps9QmE ]

ネタを提供してくれる人たちにとても感謝。

ルナサ「え……と、気持ち……嬉しいけど。………その、妹たち二人も一緒じゃ、ダメ?」

輝夜「いいわ。ならばようこそ、永遠の遊戯へ。ならばようこそ、悠久の苦界へ。
地が摩滅し、月が消滅し、陽が尽滅するまで、この私だけが貴方を魅せてあげる」

妖夢「今の私はまだ未熟です。……私が白玉楼の庭師として大成できたとき。
そのときならば、貴方の問いに答えられると思います。今は…………どうかお引取り下さい」

フランドール「私とあそんでくれるんだ? なにしてあそぶ?」
A・恋人ごっこ
B・弾幕ごっこ
C・女王様ごっこ
D・お葬式ごっこ

たしかに幻想郷の少女たちで熱血直情ってあんまりいないよね。


262 名前: 名前が無い程度の能力 投稿日: 2006/01/17(火) 23:53:34 [ YcriNTYI ]

>>260
D・お葬式ごっこ

それはごっこじゃなくなるwwww


3スレ目 >>260>>262

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

永琳「ごめんなさい…、姫を置いて私だけ幸せにはなれないわ。」
フられた


最近霊夢が愛しくてたまらん。何故だ

3スレ目 >>261

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ゆかりんで一つ。被っちゃうけどさ
紫「あら、それじゃあ明日は宴会ね。珍しいお酒をいっぱい持ち寄ってもらおうかしら」

3スレ目 >>263

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

264 名前: 名前が無い程度の能力 投稿日: 2006/01/18(水) 00:15:55 [ n54g5XiI ]

輝夜「私は――、そうね、もしそうだとしたら、どれくらいあなたの隣に居られるのかしらね。 
   何秒間かしら、何分間かしら、何年間かしら、それとも何光年かしら?」

さいこうなー せーかーいへー


265 名前: 名前が無い程度の能力 投稿日: 2006/01/18(水) 00:20:35 [ Lnnbfy8. ]

>>264
ちょ、最後距離ww


266 名前: 名前が無い程度の能力 投稿日: 2006/01/18(水) 00:25:34 [ eAkUWZKU ]

>>264
勘違い輝夜テラモエスwwww


269 名前: 名前が無い程度の能力 投稿日: 2006/01/18(水) 00:38:24 [ OH7cWptk ]

>>264
それなんてイエモン?


3スレ目 >>264-266>>269

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

267 名前: 名前が無い程度の能力 投稿日: 2006/01/18(水) 00:26:00 [ u1WY3mxM ]

けーね「ハァァ………フゥゥ………」

色々な意味で失敗。


268 名前: 名前が無い程度の能力 投稿日: 2006/01/18(水) 00:27:08 [ PgOMFm9A ]

>>267
それ俺としては大成功


3スレ目 >>267-268

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

ふと思いつきで。

妖夢「あ、あの…半霊と相談してきますっ!」

結果は好きに妄想してください。

3スレ目 >>288

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

大妖精「……えーっと、これといった名前も無い私でよければ、これからもよろしくお願いしますね……。でいいんでしょうか? この場合」

俺の大妖精はホンワカお姉さんでガチ。

3スレ目 >>292

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

アリス「人形以外に興味ないの。さよなら」
俺「……すいませんでした(´・ω・`)」
フられてみたけど、もはや既出かな

3スレ目 >>303

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てるよ「ねえ、一緒に永遠亭でのんびりしましょ。三食昼寝付よ」

ゆかりん「せっかくだからマヨヒガに来ないかしら。うーんとだらだらできるわよ」

けーね「ほら、次は幻想郷史の中世から近代だ。明日試験をするから、ちゃんと覚えておくようにな。役人になりたいんだったら、これくらいはできて当然だからな」

怠惰に堕ちていくてるよやゆかりんの誘いよりも、俺はけーねと一緒なら科挙の猛勉強でもオッケーネ。

3スレ目 >>406

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430 名前: 名前が無い程度の能力 投稿日: 2006/03/25(土) 23:11:16 [ dSzEfBkA ]

パチェとなら手をつないでもらうくらいでいいと思うが、
文には素敵な笑顔で後ろから飛びついてほしいとか、
魔理沙となら酒飲んで一緒に騒ぎたいとか、相手によって過ごしたいシチュってないか?


431 名前: 名前が無い程度の能力 投稿日: 2006/03/26(日) 20:31:56 [ oEHxuPJQ ]

なんというか、相変わらず過疎っているねぇ・・・
いつ落とされるか分からなくてヒヤヒヤするよorz

>>430
ゆうかりんだったらとことん虐め倒して欲しい。

魔理沙とだったら、一緒に無茶をやってみたい。
あれだ。紅魔館に特攻仕掛けたりとか。

俺「頂くもんは頂いたッ!今日も大漁、ズラかれーッ!!」
魔理沙「言われずとも逃げるぜ」

~門前~
門番「今日こそはアンタ達を帰らせはしないわぁあああああ!!!」
俺「ギャース!捕まったぁああああ!!ぼ、ボスケテ魔理沙ぁああ!!」
魔理沙「○○。お前の事は一生忘れないぜ。南無。」
俺「何ィイイイイ!!?魔理沙の白状ものぉおおおおおおおお!!!!」
門番「覚悟なさぁああああああああいぃいいい!!」

で、普段から色々と鬱憤が溜まっている門番に
ストレス解消の捌け口に袋叩きにされる、とorz

3スレ目 >>430-431

───────────────────────────────────────────────────────────

434 名前: 名前が無い程度の能力 投稿日: 2006/03/27(月) 03:40:30 [ bMoPED92 ]

師匠「(厳しい顔で)永遠亭に住み込むのはいいわ。誰といちゃついたって構わない。
  だけど、あんまりいろんなのといちゃいちゃされると困るわね。
  せめて一人だけに絞りなさい。絞れないなら出て行ってもらうわよ。」

1.俺は輝夜一筋だ!
2.師匠、ウドンゲを僕にください!
3.せっかくだから俺はこのてーちゃんを選ぶぜ!
4.僕が好きなのは師匠、あなたです!


435 名前: 名前が無い程度の能力 投稿日: 2006/03/27(月) 07:58:22 [ rAeGtJZ2 ]

つ2


436 名前: 名前が無い程度の能力 投稿日: 2006/03/27(月) 09:35:32 [ .cnhBdNg ]

つ5.何言ってんですか。雑魚イナバたちの誰に絞れと?


437 名前: 名前が無い程度の能力 投稿日: 2006/03/27(月) 12:12:21 [ AtmhnP6Y ]

つ4


438 名前: 名前が無い程度の能力 投稿日: 2006/03/27(月) 18:19:03 [ TnrPSN7w ]

1


備考: 1:5票 2:1票 3:1票 4:2票 5(雑魚イナバ):1票
    輝夜が人気。なんというか、意外n(玉の枝)

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620 名前: 名前が無い程度の能力 投稿日: 2006/05/02(火) 23:49:55 [ nBrc5cgg ]


 ちょきちょき

「……なぁ」
「ん?」

 ちょきちょき

「痒いとこはないか?」
「そういうのって、頭を洗っている時に言うんじゃないの?」

 ちょきちょき

「……しかし、何でいきなり髪を切れ、だよ。髪は女の命じゃねえの?」
「普通なら髪って鬱陶しくなったら切るでしょ?」
「そりゃそうだろうけど……。素人同然の人間に切らすのってどうよ」
「変な風に切らなければいい」

 ちょきちょき……

「……綺麗な髪だな」
「どうも、ありがと」
「……好きだぞ」
「この髪が?」
「あー、うん……そういうことにしておいてくれ」

 ちょきちょき……

―――

結局告白できてないチキンの図。
相手が誰かは人の脳内次第


621 名前: 名前が無い程度の能力 投稿日: 2006/05/03(水) 00:00:32 [ 5ID7/SuQ ]

個人的には輝夜だと思う。髪はまさに女性の命。
これはこれでいい雰囲気。


622 名前: 名前が無い程度の能力 投稿日: 2006/05/03(水) 00:26:32 [ CqtXUrIg ]

俺は霊夢に見えた


623 名前: 名前が無い程度の能力 投稿日: 2006/05/03(水) 00:38:40 [ OwVp7VU. ]

俺はアリスだったな


624 名前: 名前が無い程度の能力 投稿日: 2006/05/03(水) 01:02:41 [ kEEUZGdw ]

俺も最後までアリスだと思ってた


626 名前: 名前が無い程度の能力 投稿日: 2006/05/03(水) 01:31:00 [ PHTUGf3k ]

咲夜さんに見えた俺はどうやら異端らしい


627 名前: 名前が無い程度の能力 投稿日: 2006/05/03(水) 02:14:26 [ HK/zV/ZI ]

こりゃ霊夢


備考:素人に切ってもらうのに頓着しないところが霊夢っぽい。

3スレ目 >>620-624>>626-627

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667 名前: 名前が無い程度の能力 投稿日: 2006/05/09(火) 20:34:07 [ VD7D8z4A ]

 もぐもぐ

「……なぁ」
「何?」

 もきゅもきゅ

「料理、上手かったんだな」
「女は料理が作れるものでしょ? 普通それなりに」

 もぐもぐ

「そういうもんか」
「そういうものよ」

 むぐむぐ

「ご馳走様でした」
「何か飲む?」
「あぁ……もらうよ」

 かちゃかちゃ

「あー、うん……美味かったぞ」
「さっき聞いたわよ」
「いや、料理が上手とかの意味じゃなくて、普通に料理の味が美味かったと」

 …………

「お世辞を言っても何も出ないわよ?」

 かちゃかちゃ

「と言いつつ、何を用意してるんだ。お前は」

――――
 脳内シリーズ第二段。
 相手が誰かは人の脳内s(ry


668 名前: 名前が無い程度の能力 投稿日: 2006/05/09(火) 23:52:14 [ EKN.8WCg ]

咲夜さんの姿を幻視してちょっとだけ萌えた。


669 名前: 名前が無い程度の能力 投稿日: 2006/05/10(水) 00:08:03 [ 60yK0t1g ]

じゃあ俺はアリスを幻視しながら寝る


670 名前: 名前が無い程度の能力 投稿日: 2006/05/10(水) 00:40:59 [ Al3xxtVk ]

なぜか霊夢だった。


671 名前: 名前が無い程度の能力 投稿日: 2006/05/10(水) 01:47:43 [ JL1VikUk ]

霊夢だと思った。
寝る。おやすみ。


672 名前: 名前が無い程度の能力 投稿日: 2006/05/10(水) 10:53:45 [ PJtpQaqk ]

霊夢を幻視した。


673 名前: 名前が無い程度の能力 投稿日: 2006/05/10(水) 11:06:39 [ XpWn8AcE ]

面白いな、俺はアリスだった


備考:霊夢かアリスかな

3スレ目 >>667-673

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679 名前: 名前が無い程度の能力 投稿日: 2006/05/12(金) 16:08:01 [ 9KfDGuwY ]


「……なぁ」

 そう呼びかけたものの、俺の呼びかけに彼女はまったく反応せず今やっている事に没頭していた。

「いつからだっけ」

 そんな事はいつもの事だったりもするので、余りへこたれずに独り言のように俺は話す。

「こんな上下関係ができたの」

 出会いがいけなかったのか、俺は彼女にまったく頭が上がらなくなってしまった。

 一種の奴隷のようなものである。

 時たま出てくる無茶な命令に対し何度か講義したものの、結果は惨敗だった。

 それが続いたせいで、俺は彼女の奴隷としてしっかりと定着してしまった。

 しばしの沈黙。

「……俺はお前が好きだよ」

 あまりに無視してしくるのでつい本音を言ってしまった。

 まあいいか、どうせ無視なんだし。

 と、そこで彼女が俺の名を呼んだ。

 次に出てきたのはなんて事はない簡単な命令だった。

「ん、わかった」

 そう言って俺は立ち上がった。

 いつもなら不満を言うものの、何故か今回は何も言えなかった。

 その理由はなんとなくわかった。



 彼女の赤い顔から彼女の思いが全てが伝わってきたからだと思う。


便乗して脳内系を書かせていただいた。
相手が誰かは人の脳内s(ry


680 名前: 名前が無い程度の能力 投稿日: 2006/05/12(金) 20:40:21 [ MYlafnwM ]

パチュリーにしか見えない。

見えない。


備考:パチュリー以外に誰がいるか。パチェm(ry

3スレ目 >>679-680

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681 名前: 名前が無い程度の能力 投稿日: 2006/05/12(金) 21:25:20 [ dzEao5hs ]


おい

「なぁに…?」

なぁに?じゃない、背中にひっつくなっての。

「なんで?」

暑苦しいんだよ。それに…

「それに?」

その…丸くてやわらかい物が…二つだな…

「あら、わざとやってるのよ」

そうか、わざとか……ってやめろっての!

「いいじゃない、私は89のDよ。」

いや、大きさの問題じゃなくてさ

「それに……○○の背中って暖かいんだもん……」

いや、時期が時期だからむしろ暑苦しいんじゃ…

「いいの。もう少しこのままでいさせて……ね?」

ハァ……しかたねぇな……



まぁ、誰が相手かはわかる人にはわかるよな……
ちょっと思い立って書いてみた俺妄想。後悔はしてない。


682 名前: 名前が無い程度の能力 投稿日: 2006/05/13(土) 00:51:37 [ d8.dxd6c ]

私には紫に見えたデスよ。


683 名前: 名前が無い程度の能力 投稿日: 2006/05/13(土) 00:57:39 [ mc/0ekKw ]

>>682
やぁ、俺。


684 名前: 名前が無い程度の能力 投稿日: 2006/05/13(土) 01:07:04 [ 7oo/VJj6 ]

HAHAHA!ミーにはアリスに見えましター!

異端だな俺。


685 名前: 名前が無い程度の能力 投稿日: 2006/05/13(土) 01:16:18 [ o/gL0tOg ]

良い幽香さまですね


686 名前: 名前が無い程度の能力 投稿日: 2006/05/13(土) 01:39:48 [ 9uh2UaZo ]

久々に幽香様ですな


3スレ目 >>681-686

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702 名前: 名前が無い程度の能力 投稿日: 2006/05/14(日) 00:58:30 [ 8NmWVh9M ]


 ゆっさゆっさ

「ほら、起きなさい」
 んあ……もうこんな時間か

「そう。もうこんな時間よ」
 こんな時間かぁ……起きたくない、お休み

 ゆっさゆっさ

「こら。いつまでも寝てない」
 だって、眠いし……もうしばらく寝かせてくれ

「仕方ないわね……」
 …………

 ガンッ!

 あたぁっ!?
「起・き・な・さ・い」
 もうちょっと優しく起こしてくれても……
「いいじゃない。別に」
 ……なぁ
「何?」
 着替えるんだが
「そうね」
 おーい、誰か着替えの行方を知らんかー?
「でもあんたの着替えならちょっと見たいかも」
 おい、待て

「冗談よ。あと着替えは枕元」
 そうか。サンキュー
「ご飯の準備は出来てるから、すぐ来ることね」
 はいよ

―――
脳内シリーズ第三d(ry
相手が誰かは人の脳n(ry


703 名前: 名前が無い程度の能力 投稿日: 2006/05/14(日) 02:39:20 [ h0N9xhPQ ]

俺の脳はアリスだけだ


704 名前: 名前が無い程度の能力 投稿日: 2006/05/14(日) 11:15:25 [ vKvIaHKs ]

実はチルノ


705 名前: 名前が無い程度の能力 投稿日: 2006/05/14(日) 11:39:39 [ H41s3yv2 ]

先生、チルノが冗談を言うようには思えないんですが。
そして俺は鈴仙を幻視した。


706 名前: 名前が無い程度の能力 投稿日: 2006/05/14(日) 11:52:23 [ tDezOSBU ]

私は咲夜さんを幻視しました教授!


707 名前: 名前が無い程度の能力 投稿日: 2006/05/14(日) 11:59:23 [ gP8LReQ2 ]

書き込みの時間からお嬢様かな、と私は思った。


3スレ目 >>702-707

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 げほっ、ごほっ……

「酷い咳ね」

 うるさい。お前にこの苦しみが分かるか

「あぁ、出来れば分かりたくは無いわねぇ。風邪の苦しみなんて」

 ……この野郎

「あら、女に対しては野郎じゃないでしょう?」

 ぐぬぬ……

「まぁ、適度に看病くらいならしてあげるわよ」

 その言葉が全く信用できないんだが

「信用するかしないかは貴方次第よ。信用するならせいぜい安静にしてなさい」




 そうして俺は結局彼女の世話になることになったわけだが……

「独り言は聞こえないように言うことをお勧めしとくけど」

 うむ、善処するよ。で、何を作った?

「お粥を作らせて貰ったわ」

 粥とは病人食であるか

「病人食以外に見えたら穴ね。目が節穴」

 うるさいな。真面目に感動してるんだ。まさかこう……看病シチュエーションがあるとは

「ほら口を開けて」

 あーんか!? あーんなのか!?

「それ以外に何があるって言うのよ。ほら、口を開けて」

 ……何でそっちは恥かしがらんのだ。不公平じゃないか

「そういうことは対等になってから言うことね。隙あり」

 ぐむっ……!?

もぐもぐ

 ……くやしいな。まったく

「味の方は?」

 聞かれるまでもない気がするけど、美味い……

「そりゃ丹精込めて作ったからね」

 嘘だろ

「さぁ? 自分の胸に手を当てて考えてみれば分かるかも」

 …………

「どうしたの? 急に黙り込んで」

 ……ありがとな

「どういたしまして。で、どうして礼を言うのを恥かしがるのかしら」

 ……照れるだろうが。普通は

「あぁそう。私は別に気にしないわね。もっとも礼を言いたくない奴は居たりするけど」

―――

 脳内シリーズ第四d(ry
 相手が誰なのかは人n(ry


備考:瀟洒に咲夜さんが合いそうな。

3スレ目 >>725
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