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■分類不能4


修羅場? 2>>85-86より

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

C選択の続き

「───ということで、芋はこの品種を使ってる。造り方の詳細は……企業秘密って事で」
「えぇ~、そこが独占取材の醍醐味なんですけどぉ。まぁ、仕方ないですね」
 酒造方法まで新聞に載ってしまうと商売にならないから、苦笑交じりにコメントは
控えさせてもらった。文も笑って諦めてくれた辺り、理解してくれているようだ。
「さてと、到着だ。悪いね、俺の我侭聞いてくれて」
 長く長く続く階段を昇りきった所で立ち止まり、文に礼を言う。一通りの取材の後、他の
絶景スポットを紹介してもらう予定だったが……
 位置的に近かった事もあり、博麗神社に赴く事にした。やはり、酒は大勢で囲むモノだし、
もうすぐ日が暮れる。時刻も丁度ころあいじゃなかろうか。
 まぁ、先程の萃香と文の険悪な雰囲気の建前、少々心配だったが。
「もう、謝らないで下さいよお兄さん。あんなの普段の会話となんら変わりありませんし。
というか、あれで怒るほど天狗も鬼も短気じゃありませんて。ね?」
 疑うべき事柄は全く無いぞ、とにこやかにウィンクを見せてくれる。案じていた事が晴れた
か、自分も気分が和らいだ。文の笑顔を見たのも、和らぐ要員の一つだろう。
「わかった、ありがとう」
「あ、でも……我侭を聞いてあげたわけですし、貸しが一つ、ですよ。今度、私の我侭も聞いて
下さいね」
「了解。俺ができる事ならなんなりと」
 文と手を繋ぎ、神社の奥へと向かう。一緒に歩く文は随分と嬉しそうだった。


 卓袱台と片手で数える程度の家具があるだけの質素な和室。敷き詰められた畳の良き匂いを
纏う空間に二つの、憩いを楽しむ人の形。
「やぁ、久々。ウチの酒を持ってきたんだが皆でどうだい?」
 挨拶をすると、茶を啜っていた巫女の少女が顔をこちらに向け、少々驚いた後……パタパタと
こちらに駆け寄ってきた。
「珍しいわねぇ、そっちから来るなんて。私、あんたのトコのお酒好きなんだよねぇ~」
 結構な勢いで来るもんだから萃香ばりに体当たりかまされるのかと思いきや、酒だけかすめ
取られて霊夢は既に部屋に戻ろうとしていた。
「……お兄さん。霊夢さんて魔理沙さん以上の───」
「言うな、言ったら多分俺たちの負けだ」
 呆然と霊夢の背中を見つめる文の肩を軽く叩く。同じく俺も、鏡を見たら相当苦い顔をしている
かもしれない。
 まぁ、部屋で一緒に茶を飲んでいたもう一人も呆れているようだが。
「霊夢、無礼がすぎるぞ今のは。差し入れを貰ったからには、それ相応の対応があろうに」
 頬杖を突いてため息まじりに霊夢を咎めるのは、慧音。俺と目が合い、互いに会釈を交わす。
霊夢と違って、礼儀を絵に描いたような対応だ。
 軽く見回して……萃香の姿は見当たらなかった。来てないのか?
「なぁに言ってるの。私とあんたの仲なんだから、ねぇ?」
 部屋に上がった俺と文に座布団を渡しつつ、悪ぶれた素振りなく俺に返答を求める。
「いや、まぁ……親しく想われてるなら、ありがとうって言っとくけど」
「ま、真面目に答えなくていいわよっ。まったく、生真面目な奴ねぇ~」
「霊夢さん、顔赤いんですけど」
 にやけた文がわざとらしく撮影器を向けると、キッと睨み付けた後バツの悪い表情になる。
「そのぐらいにしなさい。せっかく持ってきてもらった酒の味が悪くなるよ」
 苦笑しながら、膨れっ面になった霊夢を宥める慧音。こういう時は、頼れるお姉さん的存在に
見えるな、慧音って。
「ははは……ささ、呑み会の準備をしようか。文も手伝ってくれ」
「はぁ~い。折角カワイイ霊夢さんの顔が撮れると思ったのに」
「あんま悪乗りすると怖いぞ───ってうぉっ!」
 注意を促すも後の祭り。霊夢の周囲は大量の陰陽玉が宙を泳いでいる。俺も慧音も文も青ざめて
声が出なくなる。殺意に満ちた鋭い眼光が涙すら流させてくれない。
「あんたら人の事おちょくるのもいい加減に……」
「かわいい霊夢が見れると聞いてやって来たわよぉ~」
 緊張感皆無の声。こんな時に来るのか!?
「……あら?」
 割れ目のできた天井から逆さまに顔を出す紫。好奇心で霊夢を見に来たはずが、そこにいるのは
人の鬼。
「ムッコロス」
「え? えぇっ? ちょ、れいむ!? いやあああぁぁぁぁ、いたいたいたたたたたぁぁぁぁい!!」
 剛速球でぶん投げられた陰陽玉の束が紫ごとスキマに吸収され、聞こえるは間抜けた断末魔。
「うわぁ~……」
 文が感情表現しずらい声を漏らす。意味するのはおぞましさか、おそろしさか。
「あ~、スッキリした。何か食べる物でも用意してくるね」
 一転、清々しく背伸びをして御勝手に向かう霊夢。怒りの矛先が明後日? の方向に向けられたので
救われたものの……なんていうか、ご愁傷様とも言いたい。
「へ……へびぃだわ……ガクッ」
 服も身体もボロボロでて天井から畳へ落下する紫。痛々しい傷はないものの、服が破れて見え隠れする
白い肌のせいで、目のやり場に困る。
「自業自得、というより狙ってたな、紫。好きモノにも程があるぞ」
 片手を額に当てて何度目かのため息をつく慧音。常識人ほど、苦労する場所なのは確かかもしれない。
「これが私の逝きるみちぃ~、でも流石に、やりすぎて満身創痍よ」
「だろうね……なぁ○○、隣の部屋に紫を運んでやってもらえないか。確か、布団があったはず」
「あぁ、わかった。紫、ちょっと失礼するよ」
「優しくしてねぇ」
 慧音に促され、ゆっくりと紫を抱き上げる。途端、首元に両腕を絡められてぎゅっと寄り添われる。
 漂う妖艶な女性の色香。意識が引き込まれそうになり、眩暈を起こしそうになった。
「何遊んでるんですか、紫さん。怪我人は安静に休んでて下さいよ」
 言うが早いか、文が隣の部屋で布団の準備を始めていた。このままくっつかれてても自分がどうにか
なりそうだったので、さっさと紫を布団に横たわらせ、毛布を被せる。
「じゃ、少しの間安静にしててくれよ。大丈夫、酒はちゃんと残しておくから」
「こういう時は、お粥を食べさせてくれたり、手厚く看病してくれたりするのが殿方ではなくて?」
 怪しい微笑を浮かべ、俺の手の甲を指でなぞってくる。また脳内が揺さぶられるような感覚に陥った
が、慧音の咳込みで我に返り、部屋から出て襖を閉めた。
「あんまり、紫に遊ばれてると取り返しがつかなくなるぞ? ○○でも、何となくはわかるでしょう?」
「なんとなく……そうだな、なんとなくわかる」
「そうか。よし、霊夢ももうすぐ来るだろうし、私達で先に始めようか」
「はい、そうですね。ささお兄さん、座って下さいっ」
 文に背中を押され、卓袱台に湯飲みが差し出される。杯やら徳利のような洒落たものよりは、コレで
ぐいっと呑む方が俺達らしいやり方だ。
 まぁ……そんな洒落た品が元から無いのだが。


○性懲りもなく口出しシステム
①:霊夢の手伝いをしに御勝手に向かおうじゃまいか
②:文と慧音にお酌をしてもらおうぜ!
③:寝床で寂しい想いをしている紫の相手をするのが漢の役目ナリ
④:気配がするぞ……『ぺたんこ鬼っ子出ておいで~!!』と叫ぶんだ!!


ごめんなさい、いつもこんなちんちくりんな展開で(´ω`)

備考:前の部分は萃香&文1の>>85-86。

4スレ目 >>137-138

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「よし、神綺様。早口言葉で勝負だ!」
「フッフッフ、神は全知全能だと言う事を教えてあげるわ!」
「うるへー!負けさせて泣かせた後髪形を50回くらい変えちゃるわ!」
「貴方を負けさせて二度と『ちんきさまおこったー、かわいー』とか言えなくしてやるんだから!」
「それじゃあ早口言葉のお題はこれっ!」

【赤まきまき 青まきまき 黄まきまき】

「え、これなんか違「はいスタート!」ちょ、まっ!」

「赤まきまき青まきまき黄まきまき
 赤まきまき青まきまき黄まきまき
 赤まきまき青まきまき黄まきまき!はい!」

「え?え?
 赤まきまき青まきまき黄まきまき
 赤まきまきあまきまき黄まきまき
 赤がびゃきまき青まきまき黄まきまき!」

「勝ったぞぉぉぉぉぉ!!」
「ちょ、ちょっと待っってー」
「ええい言い訳無用!」
「普通『赤巻紙 青巻紙 黄巻紙』じゃないの!?」
「HAHAHA、予め噛んだ言葉にすることにより元々の言葉を間違って言うのを誘発させたのさ!」
「は、はかったなー○○!」
「貴女は偉い人だったが、貴女のアホ毛がいけないのだよ。さぁ、こっちへいらっしゃい」
「いやだー!アホ毛は私のチャームポイントなのー!」

そう言いながらクローゼットの中に入り込む神綺様。
何だかんだで我が家も面白い事になってるなーと思う自分であった。



【現在の状況】
押入れ上段:映姫様(やっぱり上が良いとの事なので入れ替え)
押入れ下段:えーりん(別の構わないとの事なので入れ替え)
クローゼット:ちんき様(ここで寝れるのはある意味才能だと思う)

備考:押入れ云々は映姫1の>>129→永琳3の>>163で見ると分かるかも。

4スレ目 >>210

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436 名前: 名前が無い程度の能力 投稿日: 2006/07/09(日) 14:54:10 [ 0wQ8OAEc ]

なあみんなきいてくれ!
昨日勇気を出して咲夜さんにコクってきたんだ!
したらさ、柄にもなく顔を真っ赤にした咲夜さんを見た次の瞬間もうそこには咲夜さんがいなくて、
かわりになにかの頬に違和感を感じたんだけど、
これって何だと思う?


437 名前: 名前が無い程度の能力 投稿日: 2006/07/09(日) 15:01:36 [ vWf1Z.sI ]

>>436
末永くお幸せに。


438 名前: 名前が無い程度の能力 投稿日: 2006/07/09(日) 15:33:21 [ W0A470X2 ]

>>436
そういえばさっき俺のところに咲夜さんが来て
「男の人ってどんな料理を作ってあげたら喜ぶのかしら」
って聞いてきたから、一応妥当な所で「肉じゃがかな」って言っておいた。
もしかしたらもしかすると期待してもいいかもしれんぞ?


何かその話をした後ルナサが俺に肉じゃが作って持ってきてくれたんだが、急に何なんだろう?


439 名前: 名前が無い程度の能力 投稿日: 2006/07/09(日) 15:55:57 [ J1yCDX4k ]

毒見係だよ
ルナサは今俺の家で肉じゃが作ってる


440 名前: 名前が無い程度の能力 投稿日: 2006/07/09(日) 16:22:12 [ XQuncQ7U ]

>>439
あんたって人はぁー


441 名前: 名前が無い程度の能力 投稿日: 2006/07/09(日) 16:42:08 [ bERRQD42 ]

じゃあ俺は美鈴のために肉じゃが作るかな…


442 名前: 名前が無い程度の能力 投稿日: 2006/07/09(日) 16:54:05 [ EXY9Ui6E ]

何なんだろうな、この流れは・・・


さて、魔理沙に味噌汁を作らなくちゃな。


443 名前: 名前が無い程度の能力 投稿日: 2006/07/09(日) 17:03:55 [ CcwmL9vQ ]

この流れを霊夢に言ったら「家に肉があると思う?そもそもジャガイモも無いわよ」と言われた
一緒に泣いた


444 名前: 名前が無い程度の能力 投稿日: 2006/07/09(日) 17:08:12 [ pQ1Cqt3o ]

この流れに便乗してか魅魔様がエビフライ作ってきた。
とりあえず美味かった。


445 名前: 名前が無い程度の能力 投稿日: 2006/07/09(日) 17:40:42 [ OJJxCqHM ]

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4スレ目 >>436-445

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なあみんな聞いてくれよ。
うちに霊夢が遊びに来るから、チルノにスイカ冷やしといてくれってたのんだんだ。
俺は家の裏手の井戸に水をくみにいった。

水汲みが終わって帰ってみると、なんか酒臭い。
これは予想通りの展開か?とおもって覗いてみると、
チルノと霊夢とうどんげが冷酒で酒盛りしてた。
これはなにがあったんだ?
目撃情報プリーズ。

4スレ目 >>513

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☆ルーミアの場合

──うお! 風呂場が真っ暗だ! ルーミア、闇を出しちゃ駄目だよ。
ル「うぅー、だって恥ずかしいもん」
──それは、まあわかるけどさ。これからは夫婦なんだよ。
ル「それはそうだけどー」
──それに滑るから真っ暗だとあぶな・・・うおっ!?
ル「だ、大丈夫!?」
──つー、なんとか。石鹸が落ちてたのか。
ル「立てる? つかまってー!」
──ああ、ありがと。 ん? このふんにゃりとした感触は……
ル「きゃあ☆◎×△■~~!!?」
──おい、暴れると危ないって。
ル「わあっ! いたいー」
──もごっ!? ど、どいてくれ。
ル「え? わあ~~~っ!」
──大丈夫?
ル「うん。あ、あの」
──ん? 何?
ル「つ、続きはお布団で、その……?」
──あはは、わかったよ。ま、とりあえず闇を何とかしてよ。一緒にゆっくり暖まろう?
ル「うんっ」

☆チルノの場合

チ「おはよーっ!」
──ああ、おはよう。うん、味噌の香ばしい香りにぬか付けの酸っぱい匂い。最高だな。
  しかしそれにも勝る、このでんぷんが炭化した臭い…
チ「朝ごはんできてるわよ!」
──僕のお椀が茶色と白のまだら模様なんだけど。君のお椀なんて白より黒が多いような。
チ「こ、焦げちゃったのよっ」
──焦がしたんだよね?
チ「あ、あたいは悪くないわよっ! 水の量だってちゃーんと1対1.2だし!」
──火加減は? 最初からゴウゴウ薪をくべなかった?
チ「そのへんはフィーリングよ! あたいは天才だから花嫁修業なんてしなくても大丈夫なの!」
──その結果がこのご飯ってわけだ。
チ「う……文句あるなら食べなくたっていいわよっ!」
──え? あの……チルノ?
チ「折角早起きして作ったのに……。ぐすっ」
──いやいやいやいや、君が頑張ってるのはわかるし、一番炊き具合のいい所を僕に
  くれたのだってわかってるってば!
チ「ぐすん……でも焦げちゃった」
──うーん、そうだ。お握りにしよう。おこげのお握り、美味しいよ。
チ「そうなの?」
──うん、一緒に作ろう。
チ「わかった!」

チ「もぐもぐ、おいしー」
──ま、ちょっとやそっとの失敗なら二人でなんとかできるもんさ。
チ「そうね! でもご飯の炊き方はちゃんと調べて、もう失敗しないようにするから」
──そうだね、頑張って。
チ「任せて!」

☆美鈴の場合

美「あなたー、起きてよ。そろそろ準備して出発するわよ」
──うー、も少し寝かせて。日頃の疲れがー。
美「何言ってるの。共働きじゃない。私なんて肉体労働よ?」
──君の元気は特別だよ。
美「そんなことないって。自転車漕ぎながら美味しい空気を吸えばすぐにしゃきっとするわよ」
──うーん、焦らなくてもサイクリングは逃げないよ。
美「今日はいい天気よ。こんな日に寝てるなんて勿体無い」
──うぐー。
美「さ、さっさと起きる!」
──うぐぉ!? ふ、布団ー。
美「もう干しちゃったわよ。さっさと洗面して着替えて。」

美「うーん、緑が青々。気持ちいいわねー」
──確かに爽やかだ。
美「来て良かったでしょ」
──うん、そうだな。
美「美味しい飲茶の準備もしてきたんだから」
──そりゃ楽しみだな。
美「うふふ」

──そ、そろそろ飲茶にして折り返さないか?
美「まだ七合目よ? 折角だから頂上まで行こうよ」
──あ、汗がだらだら出て、息が切れて、足が痛いんだよ
美「情けないなあ。帰りは漕がなくても一気に降りられるんだから、
  ゆっくりでも頂上を目指そうよ。ねっ」
──うーん、もう少しだけ頑張ってみるか。

──美味い! このゴマ団子、最高だ。
美「ね、頂上まで頑張ってよかったでしょ?」
──そうだなあ。七合目で食べても、この満足感はなかったかもなあ。
美「そりゃそうよ。やりとげてこそ、明日からの活力も沸いてくるわ」
──そういうものかな。
美「そういうものよ」

──うがー、体が動かん。
美「もう、情けないわね。私は休めないから看病できないわよ」
──僕だって筋肉痛で休むなんてできないよー。
美「じゃあ頑張って出社してね。私はもう出るわよ」
──殺生なー。

☆パチュリーの場合

パ「むー、なんでこうなるのかしら」
──何を悩んでるんだい?
パ「いい所に来たわ」
──同じ家じゃないか。
パ「本の通りにやっているはずなのに、うまくいかないのよ」
──編み物か。
パ「ええ。寒くなるから、二人分のセーターを作ろうと思って」
──見せてみて。
パ「わかるのかしら? 本の通りなのよ」
──うーん、これは毛糸を編みこむときの張力の問題かな。
  うまくやらないと、歪んだりよれたりしちゃうんだよ。
パ「本にそのことは書いてあったわ」
──言葉で全てを伝えるのは難しいからね。これはコツや経験が必要だと思うよ。
パ「著者の描写力の問題ってわけね」
──いやいやそうじゃない。いきなりセーターにチャレンジしたのが問題なんだ。
  難度も高いって書いてあるじゃないか。
パ「そうなの。もっと簡単なもので経験をつむ必要があったわけね」
──そうだね。
パ「はぁ……」
──どうしたの?
パ「それじゃ冬に間に合わないわ」
──うーん、そうかもね。
パ「折角、二人でお揃いのセーターで歩きたかったのだけど」
──じゃあマフラーならどうだい。簡単だし、作業量も少ないよ。
パ「でも、それでは体は寒いわ」
──腕を組んで歩けばいいじゃないか。
パ「……それでいいの? 貴方は恥ずかしくない?」
──君と腕を組むぐらいで恥ずかしいわけないじゃないか。
  それに、お揃いのセーターを着るのだって似たようなものだしね。
パ「そう?」
──当然だよ。というわけで、マフラーを楽しみにしてるよ。
パ「ええ、わかったわ。ちゃんと完成させてみせる」

☆咲夜の場合

──ひゃあ、見事に片付いたものだな。埃一つ落ちていない。
咲「お褒めいただいて光栄ですわ」
──おいおい、君は僕の家政婦じゃない。妻なんだからため口でいいよ。
咲「はい……えと、う、うん。わかった」
──ふふっ。それとね。
咲「何かしら?」
──いくらなんでも、ここまで根詰めなくていいんだよ。
  二人が快適でいられれば十分なんだから。
咲「わかったわ。ほどほどにしておくわね」

──うーん、何も変わってないなあ。相変わらず埃一つ落ちてない。
咲「お屋敷でそうしているから、癖になってるのね」
──お屋敷ではここまで求められるのかい?
咲「普通はそんなことはないわ。ただ、上司として部下の手前もあるし、
  お嬢様のご機嫌が悪いときに何か気にされるかもしれないし」
──なるほど。ま、うちについては二人でやろうよ。共働きなんだし。
咲「あら、それもそうね」

──相変わらず一人で片付けちゃうんだね。
咲「時間の心配は要らないじゃない。二人の時間はたっぷりあるわ」
──そういうことじゃなくてね。あのさ、君って潔癖症なところがあるのかな?
咲「あら? そんなことはないわ」
──じゃあ掃除洗濯にそこまで根詰める必要はないじゃないか。
  何より、君が倒れてしまうのが心配だよ。顔色も疲れが出てるみたいだし。
咲「私は元気よ。ほら、この通りね」
──じゃあ……その疲れた顔は心の疲れが出てるのかな? 僕が何か配慮できてないとか。
咲「違うわ! そんなことない、そんなことないの。むしろとっても幸せなのよ。
  貴方と一緒になれて、お屋敷ではお嬢様に仕えられて」
──ふぅん、成る程ね。そういうことなら。んっ。
咲「んむっ!? 突然どうしたのよ?」
──君は多分心配なんだね。僕の隣とか、お屋敷とか、今の居場所にいつまでいられるのかって。
  だから隙なく完璧にやって、追い出されないようにしようって無理をしちゃう。違う?
咲「え? そ、それは」
──だったら心配要らないよ。ここは君と僕の家なんだ。当然いつまでだっていられる。
咲「貴方……」
──僕の言葉を信用してもらえないならしょうがないけど、これから子供もできて、
  ますます人生忙しくなるから、君を絶対手放さないつもりなんだけどな。
咲「貴方のことは信用しているわ。いつだって」
──じゃあ、もう不要な心配はしないで。無理はしないでほしいんだ。先は長いんだしさ。
咲「うん、わかった。有難う」

☆レミリアの場合

レ「ねえ、これはどうすればいいのかしら?」
──これはアイロンだよ。
レ「見ればわかる。そうじゃなくて、使い方よ」
──ここに炭火をいれ、ここに水を入れるんだ。そうすれば蒸気でシュンシュン言い出す。
レ「成る程。それでズボンの折り目を強調すればいいわけね」
──そうそう。
レ「むー」
──どうだい?
レ「黙ってなさい。むむー」
──苦戦してるようだね。折り目がひどいことになってるよ。
レ「はぅ、咲夜はどうやってこれをうまくやってたのかしら」
──僕も普通にやってたよ。ちょっと貸してみて。
レ「いや! なんとしても私がやって見せるわ。嫁に出てアイロン一つかけられないんじゃ
  名門スカーレットの名を汚すわ」
──名門貴族のお嬢様が嫁に行くときって、家事をおぼえてるものなのかな……?
レ「それはわからないわ。けど、庶民に嫁いだ以上は必要なことのはずよ!」
──んー、まあいつまでもできないんじゃ困るけどさ。
レ「そういうわけで……あ、あーっ!」
──ど、どうしたの?
レ「どうしよう。焦げちゃった」
──あ……、あーあ。
レ「もう着られないわね」
──これじゃあね。
レ「あーん、もう嫌! 咲夜を呼んでやらせるわ!」
──なんで今更咲夜さんを呼ぶんだよ。出来ないなら僕がやればすむことだから。
レ「旦那様にそんなことさせたら私の立場がないわよ!」
──かつての家に戻って元部下を呼んだんじゃなおさらだよ。
レ「うー。……ちょっと」
──何?
レ「後悔してる? 後悔してるんでしょ?」
──な、何をだい?
レ「こんな出来損ないの嫁を貰って後悔してるんでしょう?」
──馬鹿を言うなよ。君を貰えて誇りに思ってるよ。
レ「当然ね。言ってみただけよ」
──おいおい。
レ「そんなことよりアイロンよ! どうやったらうまくいくのかしらね」
──だからそれはねぇ。
レ「黙ってて。なんとしても自己解決するわ」
──さっき使い方を教えたのにだまってるも何もないと思うんだけど……
レ「気分の問題よ」
──プライドの問題ってことだね。
レ「むー、あーっ! また焦げた!」
──やれやれ。しばらくはズボンを履けない日々が続きそうだよ
レ「そうならないように……努力してみるわ」
──あ、おい。手元!
レ「そんなぁ! また焦げたわ! これ、不良品じゃないの!?」
──そんなわけないよ。僕がずっと使ってたんだから。
レ「うー! やっぱり咲夜を呼んでやらせるわ!」
──だから、それなら僕がやるよ。
レ「駄目! 駄目だったら駄目! なんとしても自己解決するわよ!」
──はいはい。はぁ……

4スレ目 >>878(本文は別のスレ)

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31 名前:名前が無い程度の能力[] 投稿日:2006/08/20(日) 04:10:38 ID:0T6bUdTE
流れを読まずに神に願う!

「貴女と共に歩みたい、貴女と共に笑いたい
 そして、貴女の背負うものを少しでもいい 背負って生きたい
 貴女のことを どうしようもなく愛しているから
 貴女と居る事を 何よりも祈っているから…」 to 神綺

32 名前:名前が無い程度の能力[sage] 投稿日:2006/08/20(日) 04:30:28 ID:2vPaR8Sw
                                  のアホ毛
33 名前:名前が無い程度の能力[] 投稿日:2006/08/20(日) 04:51:41 ID:0T6bUdTE
>>32
貴方って人はぁーーー!! (笑

34 名前:名前が無い程度の能力[sage] 投稿日:2006/08/20(日) 05:49:45 ID:GW/sb9Ng
>>32
たくましすぎるわw

35 名前:名前が無い程度の能力[sage] 投稿日:2006/08/20(日) 07:32:20 ID:etU/8oVA
スペースの位置が絶妙すぎるww

36 名前:名前が無い程度の能力[sage] 投稿日:2006/08/20(日) 13:42:55 ID:MXK69hUI
(…………愛してる? 私を? ……貴方、本気で言ってるの?)
「当たり前だ! 俺は為なら神様にだって喧嘩を売ってみせる!」

 俺の突然の告白に戸惑いの意を露にする彼女(?)。
 確かに俺と彼女(?)が出会ってそう長くも無い。
 だがこの気持ちは真剣だ。一時のものや遊びじゃないと断言できる。

(貴方の気持ちは嬉しいわ。私も、貴方のことは、その、嫌いじゃないし……)
「じゃあ!」
(でも、駄目、駄目なの!! だって、私は……)

 数瞬の沈黙。
 その沈黙、俺には一日にも、一ヶ月にも感じられる。

(アホ毛なんだから!)

 その叫びの瞬間、俺は彼女(?)を抱きしめていた。
 腕の中に納まる彼女(?)はとても小さく、花よりも儚げに感じられた。

「君が何者だろうと関係ない! 俺は君を全力で愛してみせる!」
(○○……)

 ――ガラガラ。

「あー、○○? 恥ずかしながら、私の髪の毛の一部分がどこかに行っちゃったんですが、ど こ  に……」

 俺と彼女(?)の逢瀬の時に現れたのは、彼女(?)の主、魔界神、神綺。

 なにやらご機嫌斜めどころか、沸点を超えているらしい。
 貼り付けたかのような無表情。
 その貌は、禍々しくも神々しく。

 ――何故だろう。その顔を見て、俺が小さい時に死んでしまった、大好きだった祖母を思い出したのは。

「…………」

 ――ざわり。

 神綺様を中心に、風が巻き起こる。ここは室内であるにも関わらず。
 色を持った殺気が視界を黒に染め、溢れた魔力が紫電を放つ。
 大気そのものが自分の敵になったかのような錯覚。
 その光景及び錯覚から連想するものは、自分の考え得る最も凄惨な死に様。いや、それすら生温いだろう。

 ――あ、死んだ。

 我ながら実に呆気ない思考。あまりの絶望的状況に恐怖心も麻痺したらしい。
 ……とか思った瞬間、殺気も魔力も嘘のように霧散。

「……え?」

 間抜けな声を漏らす。
 みっともなく膝が震え、冷や汗が忘れたかのようにダバダバと流れ出る。正直漏らさなかったのは奇跡だろう。
 そして数秒後、今この瞬間生きてる事に感謝しながらも、疑問に思う俺の目の前には涙目の神綺様。

「うわーん! よりにもよって自分のアホ毛なんかに負けたー! ○○のばかー! イボ痔になれー!」

 意味不明な叫びをしながら魔界神、三頭身で泣きダッシュ。
 ちょっとかわいいと思ったのは俺だけの秘密だ。



 >>31
 >>32に便乗してみた。反省はしてない。
 あ、たくましいなwの音声部分は○○の脳内保管で。

───────────────────────────────────────────────────────────

一部の幻想郷の少女(疑問形含む)達全てに…

「小さくったって、全然気にしませんから」

えぇ俎板だろうが人鳥(ペ○ギ○)だろうが自分は全く気にしませんから。
だからさぁ、安心して俺の胸に飛び込んでおいで!


…え、言い切っちゃダメだって?そうなんですか、そうですか…


※余談・逆のベクトルに位置する方々へ
「その大霊峰にアタックさせてください!」
…登山隊員募る!

5スレ目>>181

───────────────────────────────────────────────────────────


空気を読めない俺がいつぞやの続きを投下しますよ、と



 これは【本の精】が暇を潰しに【転生の書】で遊ぶだけのお話

◆ ◇ ◆ ◇ ◆
――紅魔館

「…暇だ。暇すぎる」

俺は自室のベットでゴロゴロと寝転がっていた。

『退屈は人を殺す』というのは本当なのかもしれない
―― まぁ、今の俺は【本の精】なんだが

「…暇だ」


今は昼間だからロリミア(注:レミリア)とフランは寝てるし、ナイフメイドとこぁは忙しいし、紫もやしは相手してくれないし、みりんはマホ使い(魔理沙)に轢かれて昏倒中だし……

かと言って、トランプは昨夜ずっと一人でやっていて飽きたし【転生の書】も読み飽きた。
――― というか最初の七頁と名前、種族欄以外は白紙だしな。


「散歩にでも行こうか……」

紅魔館では数少ない窓から、外をチラリと見る。


―― いかにも雨が降りそうな、灰色のブ厚い雲が太陽の光を遮っていた。



俺は【本の精】になった副作用なのか水や火に弱くなっていた。
以前、そのことを知らずに激しい雨の中、傘も指さずに博麗神社に忘れ物を取りに行ったのだが。
最初は身体がピリピリする程度だったのだが、神社に着く頃には雨にうたれる度に激しい激痛に襲われ、体の一部が溶けていた。

まぁ、紅白の家に上がり込んで身体を乾かしたら溶けた部分は再生したけどな。
それ以来、湿気の多い場所や雨の日の長時間外出は避けている。


風呂は短時間ならオーケーだって紫もやしが言ってた。

「ハァ、俺が他の種族だったらな」

妖怪なんて贅沢は言わない。
せめて人間に

「あ、そうだ」

【転生の書】と筆入れをベッドの脇にある、机のヒキダシから出す。
因みにその机のヒキダシには.ha■k//G.U.や前作.h■ckのvol.1~4とか<中略>など俺の持ち物が入っている。
友人に貸したゲームなどを返して貰った帰り道に、幻想郷に迷い込んだので殆どがゲームというわけだ。



―― でも、何故筆入れを持っていたんだろう。


自分でも不思議でならない。教えてエロい人


それはさておき。
俺は椅子に座り、机の上で【転生の書】の種族欄のある頁を開いた。

そこには相変わらず、注意書きに俺の名前と【本の精】の文字。
よく見ると俺の名前と【本の精】鉛筆で書かれてある。

もしかしたら、紫もやしはたいぶ前に図書館に忘れた俺のバルバドス(バトエン)を使ったのかもしれない

筆入れからシャープペンシルと消しゴムを取り出し、改めて注意書きを読む。


―― 3、使い魔の種族はこの書に書き込んだ種族となる。


「フフフ、ハハハ……アハハハハハハ !」

来た、ついに俺の時代がやって来たぞ !!

これで俺は、新世界の神となる……じゃなかった。

俺は雨の日でも外に出られるようになる !
(↑雨の日に異様にテンションが上がるタイプ)


「ヒャホーイ !」


◆ ◇ ◆ ◇ ◆
―― 〇〇の部屋の前

〇〇『フフフ、ハハハ……アハハハハハハ !』

メイドA「〇〇さん一人で笑ってますね」

咲夜「たぶん病気なのよ……頭の」

〇〇『ヒャホーイ !』

メイドB「…治ると思いますか ?」

咲夜「もう手遅れよ、きっと」

……という失礼なやり取りがあったとか無かったとか

◆ ◇ ◆ ◇ ◆

思う存分叫んで落ち着いた所で早速、書き換えてみよう。


「………」

そういえば俺、種族なんて人間と吸血鬼とメイドぐらいしか知らないんだった。

いや、人狼とか人魚とかは思い付くんだが実際にいるのか解らないし、実際にいる種族じゃないとどうなるか解らない。

白紙の頁にガリガリと、スケ〇ス(アバター使用)とかカービ〇とかを描きながら、何にしようかと考える。

「まぁ、無難所で…「【吸血鬼】はどう ?」そうだ【吸血鬼】があったな」

…そうだ。
とりあえずは吸血鬼になってみよう。
実際に存在してるし、考えるのはそれからでも遅くはない。

そう思い【本の精】を消そうとして、ふと気付く。



―― この部屋に俺以外の誰か居たっけ ?



バッと振り返ると扉の近くに昼間は寝ている筈のロリミアがいた。

「ここに来るなんて珍しいな。ロリミア」

ロリミアはジト目で俺を睨み、溜息を吐く。

「……レミリアよ。いつになったら覚えてくれるのかしら ?」
「三文字以上の人名を覚えるのは苦手で…」

実は苦手なだけで、一応は三文字以上の名前も覚えられる。
ただし、最低でも五十回以上ノートに書かないと覚えられないけどな。

ふとレミリアが吸血鬼だという事を思い出し、とりあえず窓のカーテンを閉める。

「ならレミィでいいわ。それより面白そうな事してるじゃない」

なんで知ってるんだ ?
もしかしたら最初から見られていたのかも知れない。

―― まぁ、いいか。参考までに彼女に聞いてみよう

「わかったロリィ。そうだ、ロリィは何て書いたら良いと思……ん ?何で顔が赤いんだ。暑いのか ?しかも震えてるし、寒いのか。どっちだ」
パタパタと微妙に動いていた小さな翼がピタリと止まり、ロリィの拳が霞んっ……!


―― ボグシャアアア!


吸血鬼の渾身の一撃を受けた俺の身体が今、どんな状態なのかは言うまい


あえて言うなら、ネギトロ



《本の精再生中》



再生終了、と。

便利な便利な【転生の書】これのお陰で死なない(死ねない)ステキアイテム。
ありがとう。
ある意味死んだ方がマシな痛みに襲われたけどな !

「いきなり何をするんだ。ロ…「次にロリィと言ったら殺す」ハイ」
目がマジです。
何が悪いか解らないけど、とりあえずごめんなさい。

ああ、三途の河が懐かしい(遠い目


「―― って、あれ ?」

【転生の書】がかなり薄くなってる気がする。
気になったので、残り何頁か調べてみる。

「嘘……だよな ?」

さっきまで三百五十頁あったハズ。
さっき死んだから三百四十九頁のはずなのに、なのに……ッ!

「残り三百四十頁だとっ !?」
「ひゃっ」
いきなり俺が大声を出したので、ビックリしたのかロリィが可愛い声をあげる。

一撃で十回も殺すなんて。
レリィ…恐ろしい娘っ !
「しかも、さっき描いたスケィ〇とカ〇ビィが消えてる !」
近年稀に見る程の調子の良さで、上手く描けた超自信作だったのに……orz


◆ ◇ ◆ ◇ ◆

―― 〇〇の部屋の前

〇〇『残り三百四十頁だとっ !?』

メイドA「また叫んでますね」
咲夜「一人であんなに盛り上がれるなんて……本当に病気かしら」

〇〇『しかも、さっき描いたスケィ〇とカ〇ビィが消えてる !』

メイドB「もしかしたら二重人格なのかもしれませんよ ?」
咲夜「……後で永遠亭に連れて行かないと」


◆ ◇ ◆ ◇ ◆

まぁ、まだ三百四十回死ねるんだし……と自分を無理矢理納得させる。
とっとと死ににくい種族に書き換えよう。そうしよう。

―― でないと今日一日で命を使い切ってしまいそうで怖い

サッと消しゴムで種族欄の【本の精】を消し、神速でシャープペンシルを閃かせ
る。

種族欄にはこう書かれていた ―― 【十六夜 咲夜】と

「〇〇…」
「何だ。レミュ」
「私はあなたの事、人の名前は覚えられないだけで普通の、常識のある人間だと思ってたわ…」
「ハハハ。幻想郷に常識を求めるなんて、何処かおかしi…(ゴキン)ぎゃああ !腕がぁっ !」

レミュに折られた腕の骨が即座に再生していく ――【転生の書】ばんざい。

レミュは【転生の書】のある一点を食い入るように見つめ、震えている。

? 何処かおかしな所でもあったのか?

俺はちゃんと十六夜(じゅうろくや)咲夜(さきよ)と種族欄に書いた筈だ。



……あ



「個人名書いてどうするのよ」
「返す言葉もございません」
レミュは書から視線を外し、溜息を吐きながら振り返る。
そして俺が視界に入った瞬間、驚愕に目を見開き、魚のように口をパクパクとさせ始めた。

「どうした ?」

―― 違和感

自分は少し疲れているようだ。
さっきより声が高いような気がするし、胸が微妙に重い。


「あなた、〇〇……よね ?」

俺はレニィの訳の解らない発言に首を傾げる。

「当たり前じゃないか。他の誰かにでも見えるのか ?」

レミィはそっと何かを指差す。
そっちに視線を向けると、俺の身長程ある備え付けの鏡があった。

自分の姿を見ろと言うことだろうか ?

その鏡にはダブダブの服 ―― 俺の服を着た咲夜(さきよ)が映っている。
髪は黒いが、確かに咲夜だ。
そこに俺の姿は無い。

右手を上げてみる。
鏡の中の咲夜も右手をあげた。
少しジャンプしてみる。
鏡の中の咲夜もジャンプ(ry

自分の胸を触ってみ…

―― ガッ!

レミィに殴られた。

「何するんだレミュ 」

「…しらないわよ !」
ぷい、とそっぽを向くレミュ。

少しだけ可愛いと思った俺。
いや、変な意味じゃないぞ。猫とか見たときの可愛い、だ。


ホントダヨ ?


まぁ、その話しは窓から投げ捨てて…。


「それにしても、いい加減だな。この本」

この分だと架空の人物にもなれてしまいそうだ。

「あまり驚かないのね」
「人間って言うのは意外と順応能力が高いんだよ(遠い目」
それは喜んで良いのか。
それとも悪いのか。

本当に、幻想郷では殆ど何でもありな気がしてくる。
「まぁ、そろそろ戻るか」

種族欄の【十六夜 咲夜】を消して、【〇〇(人間)】と書き換える。

身体の違和感が消える。
やっぱり、自分の姿が一番だと思う
レミィは眠たくなったのか小さく欠伸をし、部屋から出ていった。


◆ ◇ ◆ ◇ ◆

―― 数分後、部屋の扉が突然開く。

驚いて扉の方を向くが、その時は既に咲夜に羽交い締めにされていた。


混乱の中で俺は先程確認した事を言ってみる。
「咲夜の胸パッド疑惑はデマ(殺人ドール」

ナイフの雨にハリネズミのようになる俺。
ナイフが全部急所から外れてる辺り、本気でキレた訳では無いようだ。

他のメイドが俺を担ぎ上げるが、ナイフが両手足の神経部分を切断しているらし
く、全く身動きが出来ない。

「何処へ連れていくつもりだ…」

無言の咲夜に問い掛ける。

「信じて〇〇。これはあなたの為なのよ」

そんなこたぁ聞いてない。もしかしてあれか ?
ずっと、館で働かずに遊び歩いていたから追い出してやる。みたいなノリか ?
なら、みりんに伝言を…

「咲夜(さきよ)、みりんに伝えてくれ。愛している、と」

ナイフが刺さったままの俺は、痛みのあまり意識を失った。



→永遠亭へ


残り頁数

     ―― 三百三十九頁

補足
〇〇が未だに中国の名前をちゃんと覚えられていないのは、紅魔館内に中国の本名を覚えている人が中国以外に居ないから

NG1

サッと消しゴムで種族欄の【本の精】を消し、神速でシャープペンシルを閃かせ
る。

種族欄にはこう書かれていた ―― 【中国】と

「あれ ?身体が……」















―― 〇月◆日、紅魔館が吹き飛んだ。

原因は不明

全ては中国大陸になった〇〇だけが知っている

NG2
右手を上げてみる。
鏡の中の咲夜も右手をあげた。
少しジャンプしてみる。
鏡の中の咲夜も(ry

自分の胸を触ってみ…

―― ガッ!

レミィに殴られた。

「何するんだレ…ミ……ィ ?」

「…しらないわよ !」
ぷい、とそっぽを向くレミリア


あれ ?レミリアってこんなに可愛いかったっけ ?

「〇〇 ?」

レミリアは怪訝そうに眉をひそめる。

いったい何なんだ。
胸の中を掻き混ぜられるみたいな感覚は。

「萌え」
気が付けばそう呟いていた。

「え ?」

今の俺にはレミィしか見えない。
俺は本能のままレミィを
(省略されました。全てを見るには、満月の夜の某真祖の姫君とフランドールを三十秒以内に倒して下さい)

5スレ目>>193~196

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