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24時間テレビ1

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放送日時 - 1978年8月26日(土)20:00~27日(日)20:00

概要

  • 「日本テレビ開局25年記念番組・テレビ25年スーパースペシャル」として「愛は地球を救う」をキャッチフレーズに、日本各地でチャリティーキャンペーン活動を行う番組として誕生した。当時『11PM』のスタッフだった都築忠彦が、アメリカのラスベガスで毎年開催されているチャリティーテレソン『レイバー・デイ・テレソン』を見て、日本でもやれると考え企画し、当時制作局長の井原高忠を口説き落として実現した。『11PM』の「巨泉の考えるシリーズ・世界の福祉特集」から誕生したものでもある。第1回目は1953年に日本でのテレビ放送が始まって25年を迎えたテレビが、みんなの募金で寝たきりの老人に巡回お風呂カー(現在は名称が「訪問入浴車」に変更されている)を、体の不自由な子供たちにスクールバス(リフト付きバス)と電動車いすを寄贈しようというものであった。

  • 当時、終夜放送は年末年始や緊急時(大規模な地震・台風などの自然災害や、戦争・紛争、交通ストライキなど)、ならびにオリンピックのうち、時差の関係で日本時間の深夜に開催されるヨーロッパ・アフリカやアメリカ大陸で開催する場合を除いて行われておらず、通常の放送を休止し特別番組を終夜放送することは当時としては画期的な企画で、福祉をテーマにしたことから実現可能であった。第1回でスタジオ総合司会を務めた大橋巨泉は、「これから24時間、今までやっていた通常の放送をすべてお休みにして、全く白紙に戻して、テレビが一体何ができるのかやってみたい。地球に住む我々が一体何が幸せかをかみしめたい。世の中にいる社会的弱者がテレビを通して役立つかどうか。テレビを通してチャリティーをやりたい」と述べている。

  • 当時の民放番組のスポンサー体制は一社提供が主流であり、複数社が提供を行う形とした本番組の仕組みにスポンサーが難色を示していたことに加え、週末のゴールデンタイムの番組が固定されていた関係で、局内からも本番組の放送には反対の声が多かった。当初は1回限りの予定だったという。しかし、放送開始と同時にスタジオの募金を申し込む電話が鳴り止まず、24時間で189万本もの電話があったという。しかしスタジオに繋がったのはたったの7万本だった。さらに募金額が予想以上に多く、スタジオ置かれていた募金を換算するための機械も金額の多さに読み取りが間に合わない状態で、機械の周りには男1人では持ち上がらないほど大きく膨れ上がった募金がつまった袋が換算を待っている状況だった。この状況にグランドフィナーレで登場し、スポンサー、代理店、系列局、募金をしてくれた国民に感謝を述べた当時日本テレビの小林與三次社長は、「ご支持いただくなら、日本テレビとしてはそういう必要がある限り何度でもやります!」と述べ、翌年以降も開催することが決定した。

  • 日曜日の夕方には当時あった渋谷パルコパート1横の公園広場から青山通りを通ってグランドフィナーレの会場となった代々木公園までをパレード。パレードの出しに募金を持ってこようと寄ってくるものもあり、危うく事故になりかけるアクシデントもあった。さらに、代々木公園にもテレビを見ていた視聴者が会場に押し寄せ、後方のカメラからでも入りきらないほどの人だかりとなり、途中子供や体の不自由な群衆らが下敷きになりかける、迷子の子供が出るアクシデントもあった。グランドフィナーレの途中には街頭で募金を集めていたタモリが黄色いTシャツに白い短パン姿、青と白のシマシマ靴下で、聖火ランナーとして登場。聖火台に点火した。

  • 大橋巨泉は番組の最後に、「『24時間テレビ』今もう終わるんですが、まだ電話は鳴り続けています。たった一日の冒険でしたけども、明日から普通のテレビに戻りますが、この番組が終わる前に、僕、二つだけ言いたいことがあるんです。一つは(募金額の)99%が1円玉、5円玉、10円玉だと思うんですね。金額は少なくとも量は。ということは、貧しい…、決して豊かでない人たちが僕たちの企画に賛成してくれて、募金してくれたと思うんです。僕が言いたいのは、福田(赳夫)総理大臣を始め、政府の方、全政治家の方に、本来はあなた方がやることだと思うんです。ですから、福祉国家を目指して良い政治をして頂きたいと思います」と時の政権に訴えかけていた。さらに募金をしてくれた視聴者や代々木に集まった観衆たちに「お金を寄付したからもう終わりではなく、一番大事なのは意識だと思うんですよね。強い者が弱い者を蹴っ飛ばして世の中を作るんじゃなくて、弱い人たちと一緒に行く。だから今日募金してくれた人は、明日から車があったらそこへ割り込もうとかおれの方が運転がうまいとか、殴り合いになったら俺が強いから先に入るということじゃなくて、ちょうど先進国であるように一台、一台、車で一つの道で入っていくというそういう運転にしてもらいたい…。運転だけじゃなくて(竹下景子「全てへの心配りがね」)そういう意識、大事だと思うんです。」と呼びかけている。

  • 番組終了の段階での募金総額は、4億3864万1852円(19時半現在。ただし、Gスタジオで既に集計を終えた寄金のみ。代々木公園のステージの募金、Gスタジオのまだ集約していない募金、系列局にある募金という集計に時間を費やすものは放送終了後も集計を行った。また、募金受付も9月14日まで継続した)。全ての集計を終えて、最終の募金総額は1978年11月2日の木曜スペシャルで放送された『24時間テレビ ありがとう番組』で発表され、最終総額は11億9011万8399円に達した。この記録は2011年の第34回(募金総額 19億8641万4252円)まで破られることはなかった。

番組開始当時の企画趣旨

  • 第1回放送時に発売されたサウンドトラックに都築が記した、番組開始時の企画主旨の説明を兼ねたレコードの解説が掲載されている。これはその解説から企画設立当時の番組趣旨の部分を、原文のまま引用したもの(データ・呼称は1978年当時のもの)。



番組制作にあたって 

この番組はテレビ誕生25周年を記念して、テレビの社会的使命をPRし、その進歩的な役割を遺憾なく発揮するため、

1:テレビの情報機能の精華として現代社会のあらゆる最新の情報を24時間でコンパクトに整理し提供する映像百科全書的番組

2:テレビの同時性と視聴者参加の機能を発揮するため恵まれない人たちに日本中の視聴者が愛の基金を寄せる24時間の涙と感動のドラマ中継ドキュメンタリー

の2つの要素を有機的に統合した24時間番組です。

 1の要素は、24時間一貫して司会するスタジオキャスター(大橋巨泉)が、宇宙中継、VTRロケ、アニメーションなどあらゆるテレビ的テクニックを駆使して、現在の人類に関する事実を、現代人として欠くべからざる必須の知識として緊密に構成し、月曜の11PM風のオモシロ、オカシイやりとりのうちに視聴者に納得させるものです。例えば、エネルギーはあと何年もつか、その後はどうなる、人口問題は、食糧危機は、現在地球上の人類は何億の人口を持ち、どんな国や文化に分れてくらしているか、中国は、アジア、アフリカは、ラテン・アメリカはといった知識から、将来人類は宇宙空間に進出するのか、超能力やUFOは存在するのかといった興味までをわかりやすくダイナミックに畳み込んでいきます。

 これらは、放送時間帯に応じて視聴者対象を分析したうえで配列されます。

 2の要素は、チャリティパーソナリティ(萩本欽一)を先頭に、多彩なタレント人が24時間、不眠不休でキャンペーンし、その模様を随時系列各局をリレーしながら生中継します。
 ネットワーク各局は、それぞれの地方の特色を盛り込んだ募金センター「愛のチャリティ・バンク」を設け、随時募金に立ち寄る人人をナマ中継します。特定のネットワーク各局には、ローカル・カラー豊かなチャリティ・タレント(読売テレビでは横山やすし、西川きよし、笑福亭仁鶴、桂三枝)が、中継部分のパーソナリティ役を務めます。日本テレビのGスタジオでヤングチャリティボランティアによる募金受付センターが設けられ、全国からの電話による募金の申し込みと、チャリティパーソナリティーへの激励のメッセージが、続々と舞い込みます

 このスタジオには募金額表示電光板が設けられ、刻々と募金額がスポットで放送されます。別に電話申込の額が電光表示されます。
 会場中央には合計金額の表示がひときわ大きく電光掲示されます。

 土曜日の8時~10時と、日曜の5時~8時は、各局を結んで、オープニング及びフィナーレのTVショーが催され、オープニングでは番組の趣旨説明、全国国民への呼びかけ、パーソナリティへの激励が人気タレントにより豪華に行なわれ、フィナーレでは同じく人気タレントのショーの最中に、マラソンの優勝者の如くチャリティパーソナリティが倒れ込んで帰って来ます。ここでそう募金金額が放送され、寄金の具体的な使途が映像で視聴者に説明され、涙と感動と興奮の幕切れが演出されます。全国の学生組織及び老人のマラソンクラブなどボランティアによる協力募金運動が同時に組織され、生中継されます。東京では、「愛は地球を救う・ヤングチャリティボランティア東京委員会」が組織され、メンバーを募集します(応募先・東京麹町郵便局秘書箱50号 日本テレビ・チャリティ係)。

 番組中では、この寄金によって、どこの誰が、どんなに仕合わせになるかといったことが、ドキュメンタリーの形でわかりやすく放送されます。

 1と2の要素を結びつけるのは「愛だけが地球を救うことができる」という現代の冷厳な事実です。地球の寿命は46億年を数えますが、あらゆる「種」はそれに較べれば一瞬の生を享受して絶滅していきます。恐竜は7500万年前に突然絶滅しました。人類も現在40億の人口を抱え、30年毎に倍増しています。
地球では200億人は生存できないといわれています。その限界に達するのは、そんな遠い未来の事ではありません。その間に人類のとるであろう選択は二つしかありません。
 一つは偏見と差別に満ちた19世紀以来の勢力のしのぎ合いです。
 もう一つはとぼしきを分ちあい、人種・性別・海草などで差別しない理性的な人類福祉社会です。攻撃的なポリシーを撮るか、連帯合いによる均衛経済の地球家族をとるかということです。
 前者は、究極的にエネルギーや資源の浪費を招き人類の住みにくさを加速度的に増していきます。とすれば、地球を救うのは連帯しかありません。そして、その連帯はこの「危機にあるという事実」を人々が知ることから可能です。そのためには「テレビ」が大きな役割を果します。

 1の部分でっは、そうした事実をわかり易く提供し、世界の人々の生活が24時間で伝えられます。そして2の部分で、その連帯合いの実験的実践が放送されます。
 かくして、番組当初では、異質な要素であった1と2の部分が、大団円では一種の運命的な帰結として一体のものになります。これはたんに24時間番組を埋めてみた、という放送ではありません。ひとつの強いメッセージを持った壮大なテレビドキュメンタリードラマです。

 現在のところ次の二つの目標を設定しています。
1:身体障害児のための「リフト付きバス」と「電動の車椅子」
2:ねたきり老人のための「巡回浴槽乾燥車」(移動お風呂カー)

 1は肢体不自由児などの社会性をはぐくみ、明るく逞しく育ってもらうことを願うものです。こうした子どもたちはハンディキャップのゆえにともすれば在宅学習などを強いられるものですが、こうしたバスがあれば、もっとたくさんの仲間たちの中にとびこみ、遊んだり勉強したり出来ます。一方、健常児たちもこの子たちの事を学びいたわりと連帯の精神を培うことにもなります。また、電動の椅子で、身障児は話発さを増すことになるでしょう。

 2は全国で50歳以上をとってみれば百万人以上(65歳以上のねたきり老人は37万人)と推定される寝たきり老人にお風呂に入ってもらうための「移動お風呂カー」です(全国3185自治体に現在わずか75台しかありません)。信じられないかも知れませんが、1年や2年お風呂へ入れないねたきり老人はザラで、宮城県では何と12年間もお風呂に入れない老人もいました(以上全社調べ)。その人は、「12年間も入浴できないのは悲しいが、あきらめている。あきらめるとラクだから」といっています。日本人として生れて来て、一生働き通したあげく、お風呂へ入れないという現実をテレビでアピールするとともに、たとえ何台かでも寄贈して入浴してもらおうという狙いです。


主要出演者

  • 総合司会:萩本欽一、大竹しのぶ
  • 東京キャスター:大橋巨泉、竹下景子
  • チャリティー・パーソナリティー:ピンク・レディー
  • 大阪キャスター:横山やすし・西川きよし

タイムテーブル

8月26日
20:00 グランド・プロローグショー 第一部
20:54 ニューススポット
21:00 グランド・プロローグショー 第二部
22:00 パロディーショー「ギャグマシーン」
23:00 宇宙中継「地球家族会議」
23:45 チャリティー電話
25:00 このかげがえのない星
26:00 音楽は世界をめぐる
27:30 夜明けのロック
29:30 夜明けののど自慢大会
8月27日
6:00 世界の福祉・日本の福祉
8:00 日本列島120分
10:00 手塚治虫原作・スペシャルアニメ「百万年地球の旅・バンダー・ブック」
12:00 昼のニュース
12:15 SF的テレビショー 2001年・未来の旅
13:15 チャリティー・キャンペーン「愛にありがとう」
14:15 大爆笑!関西芸能人募金獲得大作戦
15:45 日本の110年~映画で綴る現代史~
17:20 チャリティー大行進
18:00 NNN日曜夕刊
18:25 天気予報
18:30 グランドフィナーレ「愛は地球を救う」
第1部「チャリティー・ウォーク」
19:00 第2部
19:30 第3部

備考

  • この回だけ静岡地区は静岡県民放送(愛称「静岡けんみんテレビ」 現:静岡朝日テレビ)が参加。

詳しくはこちらを参考

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