第一章 悩む開拓者
ツァンダと空京の間にある孤島 南東海岸
白いラッコらしき動物が浜辺で悩んでいる、彼の名前はヨハン。
ヴォルケタイガーと呼ばれるラッコに似た動物だがラッコではない
彼はこの孤島に村を作ろうと立ち上がった者の一人である。
しかし・・。
ヨハン「一人じゃなにもできないよ~!」
ヴォルケタイガーは二匹で新たな地に偵察を兼ねた旅に出る。
目的地に着いてから安全を確認してから
仲間に安全だと伝えに戻ってから仲間の中から新たな村に住みたい者達を集める。
その中でメスや子供達を先に行かせ、オス達は後を追うように遅めに泳ぐ。
これはオス達がわざと天敵に狙われるためである。
そのため犠牲者は後を絶たないのと村づくりに大きな影響を与えている。
これが大まかであるがヴォルケタイガーの移住方法となる。
ヨハン「あああ~!覚悟はしてたけどあそこにいたくなかっただけなんだよね~」
顔を両手でゴシゴシしながら嘆いていると
女性の声「はっ!ここはどこでござるか!」
ヨハン「へっ?」
ヨハンが目を開けると目の前には魔女の短衣を着た、金髪の魔女が立っていた。
ヨハン「わ~~~~~~~~~!おばけ!」
ヨハンは驚き後ろを向くと急に視界が奪われた
ヨハン「あれ?」
女性の声「あれ?私は寝ていたのに・・。」
ヨハンは驚き!その場に丸くなった
ヨハン「ああ~~!オミェギャイダギャラ!オメェギャイダギャラオイノティニャギェワア~」
(お願いだから!お願いだからお命だけは~)
ヨハンがぶつかったのはドレスを着た赤い瞳の赤髪ヴァルキリーだった。
赤髪のヴァルキリー「あら、かわいい。どうしたの?」
赤髪のヴァルキリーは丸くなったヨハンを抱っこした。
赤髪のヴァルキリー「こわくないよ?私はマナ、マナ・オーバーウェルム。」
ヨハンはゆっくりと顔を上げマナを見つめた。
マナ「落ち着いた?おチビちゃん」
ヨハン「オチビ・・・ちゃん・・じゃ・・ない・・よ」
ヨハンはまんざらでもない様子だった。
マナ「ごめんなさい、かわいくて小さいからつい」
ドス!
ヨハンの心にその刺さった・・。
なぜなら一般的なヴォルケタイガーは子供までは白い毛で大人になると毛の色が変わると言うが一匹一匹に違いがあり
オスは何色、メスは何色とは決まってないのである。
ヨハン「子供なんかじゃないやい!」
ヨハンはプンプン!怒りながらとマナの腕の中で頬を膨らまし、ぷいっと横を向いた。
マナ「くすっ!ごめんなさい、所であなたは?」
マナは金髪の魔女に聞くと
金髪の魔女「これは挨拶が遅れて面目ない。拙者、鬼崎(きざき)・フリューデルと申す。寝床に着いたのだが気がついたら」
男の声「うおおおおおおおおおおお!どこかわかんねええがつっぱしるぜええええええええええ~!」
フリューデル「なにやつ!」
遠くから男の声が聞こえる、その声の主が誰か気づいたのは
マナ「マイト!?あの人また!」
だっだっだっ!
音がする方を向く一同。音が聴こえてくるのは海岸の目と鼻の先の森からだ。
よく見るとすごい勢い煙が舞い上がりながらで森の中からすごい勢いで何かが走ってくる!
フリューデル「なんだ!?」
マナ「はぁ~また走り回って!」
ヨハン「知り合い?」
ヨハンが首をかしげマナに聞くと
マナ「腐れ縁といいますか・・。」
マナはため息をはいた。
森から騎士の鎧を来た黒の短髪の男が槍と盾を構え、すごい勢いでマナ達に近づいてくる。
フリューデル「危ない!」
マナ達はその場から離れる
マイト「おらおらおら~~~~気をつけねえと串焼きにすんぞ~~~!」
ビュ~ン!
マイトはすごい勢いで雲海へと突進した。
ヨハン「ちょっと待って!雲海には!」
男性の声「無理ですよ。あの人はああなったら一言、いや一文字も聞こえていませんよ。」
ヨハン「へ?」
ヨハンが後ろを向くと鎧を纏ったポニーテールの男が立っていた。
ヨハン「びゃあああ~~~!!おびゃうぇ(おばけ)~」
ヨハンは飛び上がりマナの元へ一目散に走り、右足の後ろに隠れ、ふるえていた。
マナ「あらあら、意外と怖がり屋さんなのね。かわいい」
マナ「あれ?あなたはウィング・ヴォルフリートさん?」
ウィング「キミは確か、マナ・オーバーウェルム。」
マナ「また、お会いいたしましたね」
マナとウィングは前回で一緒だったのか面識あるようだ。
ウィング「所でここは?」
ウィングは周囲を見渡すと
フリューデル「それが拙者達にもわからぬのだ・・。」
ウィング「キミは?ぬ!」
ウィングは両肩に何か乗ったように感じた
女の子の声「そやつの名前は鬼崎・フリューデル。」
女の子の声「この姫小路・虹色印玖(ひめのこうじ・ぱすてる)のぱぁとなあ(パートナー)じゃ。」
ヨハン「ぎゃあ~女の子の幽霊!なんまいだ~なんまいだ~」
ウィングの肩に乗ったのはロープを来た三本編おさげ
ヨハンはあまりの怖さにマナの右肩に飛び乗り、両手で女の子をおがんだ。
マナ「まるでマンガから出てきた子ね。」
マナはヨハンを見てくすっと笑う。
フリューデル「虹色印玖殿!そちらにおられましたか!」
虹色印玖(これ以降パステル)「フリューデル、ここはどこじゃ?見たところ無人島っぽいのじゃが。」
ウィング「私達にもわかりません。所でお嬢ちゃん、降りてもらってよろしいでしょうか?」
パステルはウィングの肩車している状態だった。
パステル「出来たら、このままがよいのじゃが迷惑はかけとうないしのぅ~。わかった降ろしてたもれ」
ウィング「その前に!」
パステル「そこの女子(おなご)に抱きついてる白いラッコ!」
ウィング「私は幽霊じゃありません!」
パステル「わらわは幽霊ではない!」
ヨハン「だってぇ~!」
震えながら滝のような涙を流すヨハン、怖がるのもわからぬわけではない。
急に目の前や背後から気配もなく近づかれたらは誰もが驚く。
数分の説得となんとか誤解も解けた。
ヨハン「へえ~この世界以外の人達だったんだ、あっ自己紹介まだだったね。僕はヨハン!ここに村を作ろうと来たんだ。」
ヨハン「そんなことしてる場合じゃない!あの人助けないと!」
マナ「ほっといていいよ。マイトはいつもああだから気にしてたら疲れるよ・・。」
女性の声A「危ないなら助けに行こうよ、わたしもエマも協力するよ。」
女性の声B「私も協力しますぅ~」
女性の声C「森から出れてよかった・・。」
声は森の方から聞こえてきた、一同が振り向くと森から女性らしき人影が見えてきた。
森を抜けてきたのは
コンバットアーマーを着た乳白金の髪をしたツインテールの少女と
騎士の鎧を纏った少女がいた、ピンクの髪は横で束ねられている。
あと、一人遅れてローブを来た銀髪の少女
シア「わたしの名前はシア!シア・メリシャルア!こっちはわたしのペットのエマシェルちゃん!」
鎧を纏った少女「もう!私はパートナーですぅ~!シアちゃんのいじわるぅ~!」
エマシェルは半泣きで言うも罪悪感もなく笑い飛ばすシア。
エマシェル「ぐすん、エマシェル・アリナですぅ。よろしくおねがいしますぅ~・・。」
銀髪の少女「一時はどうなるかと思ったよ・・。私はファティ・クラーヴィス!」
ウィング「ファティ、よかった。あなたもここ。」
ファティ「ウィヴォタン~!」
ファティはウィングにいきなり抱きついた。
ファティ「森の中!骨だからで!じめじめしてて怖かったよぉ!」
ヨハン「ウィヴォタン?」
不思議そうにウィングを見るヨハン
ウィング「勝手にあだなつけるんですよ・・。ファティは・・。」
こうしてメンバーがそろい今後を考えていくのであった。
どこかの雲海
マイト「うおお!目見えなくたって!耳が頼りだぜ!」
ただし、この男は荒い雲海の中、耳のみを頼りにモンスターと命のやり取りをしていた・・。
第ニ章 森と雲海
離島・南東海岸
お互いの自己紹介をしながら話す一同。
そんな中マナの肩から降りるヨハン、彼は材料集めに協力して欲しいウィング達にお願いする。
ヨハン「お願いがあるんだけどいいかな?」
パステル「なんじゃ?もうしてみい。」
ヨハン「実はこの近くの森と雲海から家を建てる材料を取ってきて欲しいんだ。」
シア「いいよ!探検してみたいと思ってたし!」
エマ「シアちゃんがそういうなら私もデ。」
ファティ「おもしろうそう!私も参加する!所でシェルッチ、もしかしてシアアンとデートしようとか?」
エマ「へんな呼び方しないでくださいぃ~エマシェルですぅ~」
エマはファティがつけたあだ名に不安があるようだ。
ウィング「お、おもしろうそうですね。私も参加させてください。はは」
このファティの癖が火種にならないかとウィングは不安をよぎらせている・・。
マナ「まあ、することないし協力するぜ。」
パステル「わらわはかわいいから旅をすべきじゃ!フリューデルもよしなに」
フリューデル「はっ!パステル様をお守いたす!」
一同は快く引き受けてくれた。
ヨハン「ありがとう!」
ちょっと待って!この森と雲海は契約をしている人達で入ることが今は出来ないんだ。」
ウィング「それは厄介ですね・・。でもなぜそのような」
ヨハン「断絶の流(だんぜつのながれ)が今流れてるんだ。異界の人同時の契約した者だけを殺めると言われてる潮で。」
ヨハン「一緒に行くと危ないよ。契約してない人達同士で組まないと」
ウィング「そうですね。まずは編成を決めましょう」
相談をしながら自分はどこの探索に行くのか相談しあった。しかし
マナ「マイトが雲海に言ってしまったので私は、森ね。」
マナ、一人だけ選択肢なしの強制だった。
マナ「私も行きたかったなぁ~、雲海。」
右手を思いっきり握るマナ、その目にはマイトへの怒りでいっぱいだった。
数分後、話し合った結果このような結果になった。
森探索班
ウィング
マナ
フリューデル
エマ
雲海探索班兼 兼 マイト救出
パステル
ファティ
シア
ヨハン
となった。
ヨハン「決ま・・えええええ~」
ヨハンは近くにある木にしがみつき、ウィングに抗議した。
ヨハン「僕!戦えないよぉ~ん!」
ウィング「私に言われても・・。」
ファティはヨハンを抱っこして
ファティ「きゃあ~もふもふして落ち着く~!」
ファティ「風と大地の精霊よ・・・彼の者に天の祝福を与えたまえ・・パワーブレス!!」
ファティはウィング、シアにパワーブレスをかけた。
ファティのSP17→SP3
ウィング、シア 力UP
ファティ「ぜんいんはきついか・・。でもだんだんと湧き上がってくる~」
ヨハン「え?そうなの?」
ファティのSP3→SP9
ヨハンには自覚がないようだ。
パラミタの夢世界では、ヴォルケタイガーの毛にはセラピー(癒し)効果があるために
プリーストやマジシャンの多くは毛を拾いマフラーにしたりしている。
しかし、ヴォルケタイガーの毛だけでは効果が薄く、SPが1分に少々しか回復しない。(SP回復量 1)
パステル「わらわも抱っこさせてたもぉれえ~」
ファティ「はい、ナナちゃん」
虹=七色からナナちゃんとあだなをつけたファティ。
パステルは気にしてないようだ。
ウィング「ではみなさん、30分くらいしたら海岸で集合ということで・・。」
ヨハン「ええ~!僕も・・。」
ファティ「いいじゃない、ヨンヨン。仲良く行こうよ」
ファティが抱っこ歩くと
ヨハン「ヨンヨン・・。」
ヨハンはまんざらでもないだが頬が赤くなるのを手で隠した。
こうしてメンバーは別々に行動し、各自で材料を集めを開始した。
どこかの雲海
マイト「うおお~!どこをどういってるかわかねえけど!大物取ってるぞお~!」
マイトは目も耳も使えない状態でただただまっすぐに突き進み、でっかい雲海藻(海藻みたいなの)を
槍に突き刺したまま爆走していた。それを追いかける黒い影達
マイトの身に危険が!
3章へ続く!
最終更新:2009年12月31日 14:04