位相固定(または位相同期)とは、音の波形の特定位相に対応して神経発火がみられる現象。
蝸牛の有毛細胞によって、音の情報は神経インパルスに変換されるが、この神経インパルスの発火が、特定の位相においてのみ生じることを位相固定という。位相固定により、波形の時間情報が伝達される。
位相固定は、4〜5kHz以下の周波数の音に対してみられ、それ以上の周波数の音に関しては、位相固定は生じない。位相固定が生じない場合、どの時点でもほぼ等しい確率で神経インパルスは発火する。
なお、音の強さが増すことによっても神経インパルスの発火頻度は増加する。また、音が無い状態でも一定の頻度で発火しており、これを自発性放電という。
参考文献
- よくわかる最新音響の基本と仕組み (秀和システム)
- 聴覚と音響心理 (コロナ社)
最終更新:2009年01月22日 16:40