音色とは、音の性質の1つであり、その狭義・広義な捉え方によって、いくつかの定義が存在する。
定義
JISによる定義
聴覚にかかわる上の音の性質の一つで、2音の大きさおよび高さが共に等しくても、その2音が異なった感じを与えるとき、その相違に相当する性質
であると、JISでは定義されている。この定義によって定められる音色はティンバー(timbre) と呼ばれる。
より一般的な定義
音響用語辞典(2003)によると、
より一般的には、つぎのような2面性を有する性質として定義するのが妥当であると考えられる。
(i) 音源が何であるか認知(識別)するための手がかりとなる特性
(ii) 音を聞いた主体が音から受ける印象の諸側面(多次元的属性)の総称で感情的色彩を帯びる。この音色的印象は様々の音色表現語で記述しうる。
とされている。この定義によって定められる音色はサウンドクオリティ(sound quality) と呼ばれ、同書によると音質も意味するとされている。
影響要因
音色に影響を及ぼす要因としては、
- 音の時間波形(およびそのスペクトル)
- 音の時間波形(およびそのスペクトル)の時間変化
に集約される。
前述の一般的な定義にあるように、音色は多次元的な性質をもつ。その因子を音色因子といい、代表的には
に集約される。それぞれは形容詞で表現することができ、金属性因子であれば「鋭い」「鈍い」「固い」「柔らかい」、迫力因子であれば「迫力のある」「物足りない」「力強い」「弱々しい」、美的因子であれば「澄んだ」「濁った」「きれいな」「汚い」等の言葉で表わすことができる (岩宮, 2007)。
岩宮(2007)によると、この音響因子はSD法によって得られたものであり、音色を表現する言葉は3ないし4次元程度の空間上の座標で表されるとされている。
参考文献
- 音響用語辞典 (コロナ社)
- よくわかる最新音響の基本と仕組み (秀和システム) - [岩宮, 2007]
最終更新:2009年01月22日 15:27