残響時間

響きの長さを表す量で、室内に放射された音が平衡状態に達した後、音を急に停止し、その後のエネルギー密度が音源停止直前のエネルギー密度に比べて100万分の1、レベルにして-60[dB]になるまでの時間を表したもの。単位は[s]。残響理論は拡散音場を仮定して導かれているため、吸音材量の位置、音源位置、観測位置がどこであっても、残響時間は変わらないとされている。

残響公式

Sabineの残響公式

Sabineは、室の容量Vが大きく、壁の吸音力が小さいほど残響時間が長くなることを観測し、次の式を立てた。

 T=\frac{KV}{A} = \frac{KV}{S \bar{a}} =  \frac{0.161V}{S \bar{a}}

これをSabineの残響公式といい、K:室定数、A:吸音力、S:室内壁面の総面積、\bar{a}:壁面の吸音率である。

この式は、\bar{a}が小さい場合において、よく実験結果と一致する。しかし、この公式は元々拡散音場を仮定して導出された式であるため、 \bar{a} = 1(完全吸音)においても、残響時間がある一定値をもつという矛盾をもっている。

Eyringの残響公式

そこでEyringは、平均自由行路という概念を導入し、以下の式を導いた。

 T= \frac{KV}{-S\log(1-\bar{a})} 

Knudsenの残響公式

さらにKnudsenは、伝搬中の空気による吸収を考慮して、

 T= \frac{KV}{-S\log(1-\bar{a}) + 4mV} 

を導いた。ただし、m:平面音波が単位長さを伝搬するときの音響吸収による減衰率である。

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最終更新:2009年01月22日 18:00
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