ルネサンスとバロック

ルネサンス音楽とは、15世紀から16世紀末にかけて展開された音楽で、中世とバロック期の間に位置する音楽を指す。ルネサンスとは「再生」を意味するフランス語であるが、イタリアを中心に起こった文化史上新しい精神の興隆のことである。音楽の場合、その中心はイタリアではなく、フランス中部からオランダにかけてで、宗教音楽が中心であった。第一期ではデュフォイらによるブルゴーニュ楽派やイギリスのダンスタブルなどが代表的で、第二期のフランドル楽派が大きな頂点を形作った。第三期では、フランドル楽派に加えて、ローマ楽派、ヴェネツィア楽派などのイタリアの音楽家の活動も目立つようになる。

音楽的な特徴として、中世に試みられたポリフォニーが、各声部の均等化、声部数の拡大、和音の充実などの要素を基盤として、模倣諸法を取り入れながら変化して行った時期である。ルネサンス末期には、主旋律を通奏低音で支える形の音楽が台頭する。

一方、バロック音楽とは、17世紀から18世紀中頃にかけて、ルネサンスの後に位置づけされる音楽を指す。具体的にはオペラの成立からバッハの死までとされており、通奏低音が音楽の基礎を担った。時代背景としては、ルイ14世らによる絶対王政の時代で、新旧両教会の存在や、市民都市などの存在があり、音楽家もそれらに属していた。ルネサンスが各声部の均衡と響きの調和を目指したのに対して、バロック期の音楽は異なるものの対比の効果を重んじた。その幕開けはヴェネツィアのG.ガブリオーソであるといわれており、ピアノとフォルテの急激な交代や、旋律的アリアと朗唱的レチタティーボの対比、即興的トッカータと厳格的フーガの組み合わせなどがその代表的な手法である。一方、フィレンツェでは、ポリフォニーに対する反動として、歌詞の意味を重視し、モノディが発展した。モノディでは、単旋律の独唱の伴奏を、楽器の通奏低音が行うというものである。

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最終更新:2009年01月23日 10:52
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