三話

<前編>

暗闇を走る少年。何かから必死に逃げている。
足もとが疎かになり転倒。力尽きて気絶する。

ジェンガ。秘技側面飛ばし。

タギが少年を拾ってくる。彼の身体に虐待を思わせる跡を見つけるが、
倒れた理由は疲労なので、とりあえず寝かせておくことに。
タギにショタコンの容疑がかかる。

タギの拾い癖からティルの話に。狼のグリフォンである彼をきっかけに
混血人種グリフォンの説明をされるが、つぐみとロンはまだ何か隠している
ようなそぶりを見せる。
一方、外からキホハウスを眺める京太は意味有り気に微笑む。

翌朝、新聞に殺人鬼として指名手配されたティルの記事を見つけるタギ。
村人を皆殺しにしたこの事件、目撃者の存在に疑問を感じた一行は調査に向かう。
(続く)


<後編>

村を調べる一行。ティルが操られ、殺人鬼に仕立て上げられた可能性に辿り着く。
この時、タギは呪術師であり、つぐみは医師であることを知る。
一行は村を後にし、ティルの行方を追うことに。

キホハウスにて、眠るヴェントの傍らで悲しげに彼を見つめるキホ。
ここに来てはいけなかったとつぶやく彼女のもとに京太が現れ、世界に対する
歪んだ憎悪を語る。

トメさんの功績によりティルを見つける一行。
タギが流されたり流されたりしながらティルと合流する。
再会を喜ぶタギとティル。
しかし、ティルが無自覚ながらも殺人を犯したことは確かであった。

考えあぐねる一行をよそに、水汲みに一行を離れた詩乃とティルのもとに
京太の影が忍び寄る。京太はティルが殺人を犯したことを教え、
人殺しは嫌われる、嫌われたくなければ殺すしかないと暗示をかける。

暗示にかかったティルは共にいた詩乃を襲い、ついでつぐみとロンにも襲いかかる。
一方、ティル達を探しに出ていたタギは倒れた詩乃を見つけ、慌てて引き返す。
その脳裏には出会ったばかりの頃の、人に怯えながらも人のぬくもりを求める
ティルの記憶が蘇っていた。

テントに駆け戻ると、無残にも倒れ伏すつぐみとロンの姿が。
京太の強力な暗示をかけられたティルは師と慕うタギにも切りかかる。
ティルの攻撃を紙一重で避けながら、タギはティルに語りかける。
――信じなくても構わない。お前がどう思おうと勝手だ。
――でも俺は今まで一度もお前を嫌ったことはない。お前のことが大好きだ。

記憶の中の彼と変わらぬタギの言葉にティルは正気に戻りかけるが、
京太はみたび強く暗示をかける。
自身の記憶と京太の暗示との間で混乱するティル。
抗いきれない暗示の力に、ティルはわずかに残った理性で『大好き』とほほ笑んで
自ら命を絶つ。

救えなかった命にうなだれるタギ。
その横でまるで玩具が壊れただけのような反応をする京太に、タギは怒りを爆発させる。
しかし京太の力は強く、なすすべがない。
万事休すかと思われたところへ目を覚ましたロンが加勢する。
無意識のうちにティルが手加減したため無事だったのだ。

興をそがれた京太は『ヴェントをよろしく。アリスの事は黙っていてあげる』
と言い置いて姿を消す。
口外していないはずの詩乃のことを言い当てられ、驚愕する一同。
ロンはその言動と彼の気配から京太の正体に気付く。京太もまたアリスだった。

無事家に帰り着くも、重苦しい空気を拭えない一行。
彼らの前に目を覚ました少年が現れ、キホが彼も居候になることを告げる。
少年の名はヴェントといった。





最終更新:2009年09月12日 04:54