不思議の国とは

 むかしむかしある所に、一つの国がありました。
 
 その国はとても平穏な国で、
 これといって珍しいものはありませんでしたが
 人々は争い事もない平和な毎日に満足していました。
 
 ある日、その国に一人の少女がやってきました。
 その少女は国の何処もかしこも見て回り、ぽつりと呟きました。
 
 『まあ。なんてつまらないところなの』
 
 そのたった一言で、
 平凡な世界は彼女が望む"面白い"世界に変わりました。
 
 いたる所に人の言葉を話す動物や、奇妙な形をした生き物が現れ、
 突然姿を現した王様は人々を支配し、
 その機嫌一つで多くの罪のない者たちを処刑したのです。
 
 平穏な日々は、少女のたった一言に消え去りました。
  
 人々は、自分たちの苦境に嘆きながら、
 全てを狂わせた来訪者への憎しみを、ひたすらに募らせていったのです。 
 


(随時更新)
最終更新:2009年09月17日 23:37