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 このところ、自己実現の研究を「一緒にしたい」という学生や教授たちが大勢訪ねてくる。彼らの大部分に対して大いに疑念を抱いている自分、どちらかといえば落胆し、彼らからはほとんど何も期待しないようになっている自分に気づいた。数多くの非現実的な学をきどるひと(ディレッタント)──大口叩きで、計画だけは壮大で、甚だ熱狂的な人びと──と長いことつきあわされた末に得た結論だが、彼らは少々骨折りが必要な段になると、まるで役に立たなくなるのだ。そこで、こうした人びとに対しては、励ましの言葉などかけず、無愛想な厳しい態度で接してきた。私はこれまでにも(労働者や実践家と対比する形で)こうしたディレッタントについて語り、この手の人間に対する軽蔑の念を示してきている。以前にも述べたことだが、気まぐれから興味を覚えたような人びとに対しては、面白くはないが重要で価値ある課題を与え、実力をテストすることにしている。結果は20人中19人が不合格というありさまだ。


 自己実現者についての私の研究は、非常にうまくいったことを告白しなければならない。結局、それは大きな賭であり、直感的な信念を頑固に追及したのであり、その過程では、科学的方法の基本的基準や哲学的批判のいくつかを無視したりした。それは私自身が信じ、受け入れていた基準であったし、私は薄氷の上をスケートしていることもたいへんよくわかっていた。この探求は、不安、葛藤、そして自己疑惑などに逆らって進められたのである。