脚本は小説ではない。戯曲ともまったく違う。
映画の脚本は、小説や演劇とは違う。映画は基本的なストーリーをドラマにする視覚的な媒体である。映像と音で語るのである。
脚本の本質は、映像を扱うという点にある。ストーリーを語る会話とト書きが、劇的な構造を持つ文脈の中に、映像によって配置されたものであると言えよう。
これがもっとも重要な本質である。
なぜなら、脚本は、映像で語られるストーリーだからだ。
脚本は映像によってストーリーを語るものであり、共通して、"発端"、"中盤"、"結末"の三つの部分を持つ。
会話は二つの大きな目的を持っている。会話によってストーリーが前に進むということと、主要登場人物の情報を明らかにしていくということである。この二つのうち、一つでも達成していなければ、その会話部分は不要である。