レイジー=ネグレッタ



大宇宙(だいうちゅう/すごもり)そら~Sky buildings~空に浮かぶ摩天楼~


■性別:両性 ■所持武器:結晶生命体:クリスタルの内翼(氷の翼)
■攻撃力:15
■防御力:0
■体力:2
■精神力:0
■自己分裂性:13
■特殊能力名
anti-neoz-ion
■特殊能力内容

[希望発動率100% 成功率100%]

紋様が,桜の花びらのように結晶体から浮かび上がり,翼が宿主の背中から展開する.桜色の光が辺りに乱れ散るとともに,空間は引き裂かれ,天空には闇夜が出現する.周囲の光は闇夜の中心へと誘われる.朔の夜を差し込む月の光と成したそれは,彼(か)の存在のみをほのかに照らし出し,その月夜の有効範囲内に絶対領域を生み出す.
月明かりの下に桜吹雪の幻は映し出され,桜吹雪は月夜を彩る.
消えゆく花弁は積もり,重なり,花色の地平と漆黒の空は,延々と世界に広がっていく.


※情報が雑多ですが,基本的には周囲2マス全員体力3ダメージを,使いにくく,かつ範囲を制限したような感じとなります.それ以外の要素は基本的には形骸で,形だけで意味はないものと処理してください.



【効果】シンボル設置:
【範囲】周囲2マス全員(召喚自体は同マス,結晶体の出現範囲):
【時間】一瞬:
【制約】敵陣営の行動提出を原因とする死亡(状態異常:『分裂体』):
【制約】発動成功時に範囲内味方全員即死:
【調整】シークレット:
【調整】術者死亡時非解除:
【調整】凄惨な死:


自己分裂(※原理の詳細はキャラクター説明参照)し,それを目撃したものを皆殺しにする.そして同マスに「分裂体」を置いて,自身は戦場から離脱する.実験体は,分裂体(の中の幼生)を媒介して,分裂体のいる「マス空間」に解除コード「~*71*79*85*103*127*156*164*169*182*196*199*200*204*216*244*247*259*268*279*287*300*305*324*326*328*342*345*347*348*350*351*358*361*364*391*404*411*416*420*438*442*451*506*510*557*568*615*618*640*644*649*650*651*657*659*660*665*669*672*684*687*688*689*694*695*716*718*732*738*792*821*828*833*861*869*877*890*913*921*923*939*942*977*1001*1008*1011*1029*1039*1094*1127*1323*1330*1347*1378*1338*1389*1408*1444*1459*1497*1500*1506*1548*1549*1565*1601*1609*1651*1656*1659*1661*1664*1666*1669*1680*1685*1701*1724*1734*1749*1750*1764*1787*1788*~」を打ち込み,skybuildings(第三陣営(npc))を召喚する.skybuildingsは,対象に対して,(青白くほのかに輝く水晶のような生命体=緑血球―アーコサイト―=メ
フィストフェレス=)結晶体(α,β,γ....)を打ち込み,即座に永続戦線離脱する.
skybuildingsは,毎コンマ,パターン変化するコードを,一瞬で空間に直接打ち込まなければ,出現しないため,この能力以外で,出現することはない.
結晶体は,人類と同じように知能を発達させた生命体であり,かつて旧性人類の一部に宿り操って「天使」を名乗り,「永久氷土」と呼ばれる,彼らの活動の際に生じる負のエネルギー場を発生させて,旧性人類を滅ぼしたとされる.
結晶体は,ほとんどの新性人類に対して,まだ適応できておらず,データを対象に取り付く(瀕死の対象に留めを差す)と,彼らは事実上戦場からは永続的戦線離脱をし,最終的には死亡して砕け散る.
結晶体に寄生されたものは,基本的にはそのデータ採取のため,麻薬物質を体内に分泌される.それは対象をトリップ状態に陥らせるが,結果的に対象は能力を限界まで解放され,ある種の覚醒状態になる.


~Sky buildings~空に浮かぶ摩天楼~

  • 性別:無性
  • 所持武器:結晶体
  • 攻撃力:150
  • 防御力:150
  • 体力:150
  • 精神力:150
  • 時間の流れ:-570
  • 特殊能力名:アンチ=ネオシオン(段階2)
[発動率- 成功率-]
出現した「次のターン」に結晶体を7体召喚する.召喚位置は,周囲2マス内ランダム(独立試行).
  • キャラクター説明
空高くに浮かぶ巨大建造物群.第二次世界大戦中,アメリカ軍によって初めてその存在が確認された.地球の周囲に広く分布し,大気圏外や衛星軌道上にも無数にその存在が確認されている.
その建築様式が,地球上に存在するどの建築様式とも完全には一致しないことから,さまざまな憶測を呼んでいる.
テレビ番組などでも取り上げられるが,一般的にはまだオカルトのレベルであり,話半分であることが多い.


結晶体(α,β,γ,δ,ε,ζ,η)

  • 性別:両性
  • 所持武器:シグナル・シナプス
  • 攻撃力:0
  • 防御力:15
  • 体力:15
  • 精神力:0
  • 人体適性:0
  • 特殊能力名:アンチ=ネオシオン(段階3)
[発動率- 成功率-]
結晶体それぞれが,同マスにいる敵1人に体力3ダメージを与える.
また一番近い敵ユニットを適当に追尾する.
移動力は通常キャラクターと同じ(2マス).
  • キャラクター説明
skybuildingから飛来する未知の生命体.
構造としては単細胞生物に酷似しており,加えて内部に大核と小核を合わせ持つ.
外観は鉱物のようでありながら,海月や,烏賊のように,無数の「あし」を持つ.
原理は分かっていないが,空中を浮遊し,さらに非常に敏捷な動きをする.
また,内部に強力な発光器を持ち,辺り一面を照らし出すほどの冷色光や暖色光を放つ.
内部は幾層にも仕切られており,体外から取り込んだ血液は,ここを通る.そのとき外部からは「桜の花」の模様が浮かび上がっているように見える.
どこで思考をしているのかは判明していない.
幼生の段階と比べると,まるで違う生命体であり,幼生は多細胞であり,組織や器官,器官系などがあり,外見は緑色で不透明,脊椎があり,外骨格がなく,代わりに内骨格があることを除けば,ワラジムシと似たような様態をしている.
ただし,幼生は乾燥に非常に弱く,空気中ではすぐに死んでしまうため,体内に産みつけられる.
幼生は最終的には宿主の全神経と細胞融合と分裂を繰り返し,脳さえも取り込んで,宿主と精神を同化させる.
幼生は生体内で,蛹になり,また羽化する.
羽化後も,宿主が死なない限り,結晶体も基本的には残り続ける.
蛹というのも,普通によく見られるものとは異なり,宿主の身体そのものが繭のように働き,幼生は宿主の生体内でほとんどの細胞が死滅し,養分に変わる.また,蛹に入るころの状態になると,宿主のゲノムは本来のものとはかけ離れたものに変わっている(見た目はほとんど変わらないが).幼生を構成しているほとんどの細胞が養分に変わった後,宿主の脊髄と融合していた幼生の細胞の一つが分裂を始め,器官(増殖器官.その他の細胞は,結晶体へ成長する)が形成される.そこで,雌細胞と雄細胞が形成され,雄細胞は雌細胞に取り込まれる形で融合する.雄細胞を取り込んだ雌細胞は,器官内部に次々に蓄えられる.やがて増殖器官は結晶体内部移動し,そこで,雌細胞は分裂を始める.細胞死や他の雌細胞との融合を繰り返しながら,一個の細胞に統一されていく.
細胞が統一されると,結晶体は宿主の体内に幼生を植え付け,宿主とは分離する.結晶体が分離すると,結晶体が関与していた脳機能は,特に記憶に大きな障害を来す.新たに植え付けられた幼生は,宿主の脳へ神経を伸ばし,障害をきたした細胞と融合して,その機能を補完し,修復する.
宿主と分離した結晶体は,その内部で新たな宿主となる個体を発生させ,その記憶を写し込む.
元々の肉体も,幼生によって,記憶の一部は修復されるが,これらを繰り返すうちに,その脳は補完不可能なまでに最期は破壊される上,異種間との融合が繰り返されるので,もはや全く別の生命体へと遺伝子構造が変化する.
一方,新たな個体は元々の肉体と同一の個体へと異常な速さで成長し,ある程度成長すると,結晶体の核が,その個体の中に移動した後に,結晶体はその個体を吐き出す.新個体の中に移動した核は,周りの細胞を取り込んで,元の結晶体へ復元する.結晶体は,体内で,発光器官へと変形する.
結晶体は非常に堅い構造をしており,電気刺激により,幾重にも重なる網目状の構造体が,互いにずれ込み,また延び縮みし,柔軟に体を変形させることを可能にしている.
生体内では,結晶体は扁平形となり,骨格に密着するように体内に収まっている.幼生の場合は,そこまではできず,内臓と内臓の隙間に入り込むように存在する.そのため,宿主の内臓は一般的な個体より小さくなる.その代わり,幼生が生体内で,その機能をカバーする.


■能力原理

青白く瞬く結晶体が飛来し,対象に取り憑き寄生する.
寄生した結晶体は,対象の動血管と融合し,自らを対象の循環系の中に加える.対象の心臓から送られる血液から,対象の生物学的な情報を解析し,さらには神経を伸ばして,対象の脳細胞と融合する.この神経は一方向への伝達しかできない.この神経は麻薬物質を分泌する.対象からデータを得ると,結晶体は双翼状に変形し,自分そのものを一つの発光器官に変え,律動的に,1分間に八十回以上の速さで,強く発光(体内に取り込んだヘモグロビンによって光色は,結晶体の体色も影響して桜色へ変わる,取り込む血が赤でないなら,色は別の色になる)する,そして他の結晶体と共鳴しながら,司令器官へ変化した別の結晶体へと情報を伝達する.司令器官となる結晶体は,その場にいる結晶体の中からほとんど無作為で決定されるが,生物学的な優勢などもわずかに関わっている.
司令器官となった結晶体は,受け取った情報を解析し,イルミネーションのように最大七色の光を放ち,その解析した情報を生殖器官へと伝達する.生殖器官となれる結晶体は,先天的に決まっている.
司令器官は生殖器官に情報を伝達すると同時に,周囲の発光器官に対して,発生に必要とするエネルギーを生産するよう,命令を発する.
命令を受けた発光体は,空間からエネルギー(ある空間内において,ある物体が別の何かの状態へと進行するための「場」として消費されるエネルギー,力学とは異なった時間的エネルギーの存在を想定しており,人間において,それを捉える感覚には相対性とそれに伴う歪みが存在する)を奪い,光エネルギーと合成して,それを利用可能な電気エネルギー(転送時に損失したエネルギーは光へ変わる)へと変換,司令器官へと転送する.エネルギーを奪われた空間内の時間は限りなく0へと近づく.さらに光を奪われたことで,発光器官と彼らからエネルギーを転送される司令器官とを直線で結んだ周囲を除き,空間は闇に飲まれる.
発光器官と司令器官は空間からの光の供給を失いながら,自らの生命を削って発光し,他の発光器官と共鳴して,エネルギーの生成とその転送効率を高める.
そして,内部のエネルギーを使い切ると,結晶体は宿主と共に砕け散り,その破片を周囲に散らす.


■キャラクター説明

解釈Ⅰ「神話篇」



永久氷土と呼ばれる,決して融けることのない氷の上に造られた,巨大高層建造物群を操作し,支配する少女.
永久氷土とは,旧性人類「アダム」と呼ばれる,現人類とは比べものにならないほど進んだ科学力を有する存在がまだ地球上にいた頃,彼ら,旧性人類は,地球環境を支配し,生態系を破壊し,あらゆる生命を搾取していた.自らの科学力の強大さに驕り高ぶっていた彼らは,「神」と自らを呼び,その勢力圏を太陽系全体へ広げようとしていた.そんな彼らを見てきた,ある種の異次元生物らは,その愚かしさを見て嘆き悲しみ,「天使」と名乗り彼らの前に現れた.そして,彼らの想像を絶する能力で,彼らの文明を焼き払い,彼らを駆逐していった.旧性人類は追い詰められ,太陽系の外へと逃げ,地球ごと天使らを滅ぼそうとした.しかし,天使らはそんな彼らを包み込んで,この地球まるごとリセットを図った.
それに伴い,時間が極限まで遅延し,その影響下にある空間は凍ったかのように固まる現象が起こった(現在では,その影響下にある空間は,外から見ると氷に包まれたように見える,そのため「絶対零度または~Time-freeze~」と二つの名で呼ばれる)この現象が地球上のあちこちで発生するようになった.
地球から逃げようとしていた残りの旧性人類らも,一瞬で飲み込まれ,地球の表面積の半分以上が凍結した.そして,地球上から「最後の1人」を残して,すべてこの氷土に飲み込まれ,旧性人類の歴史はそれ以降ずっと停止したまま.また,そのときの影響で地球上の他の生物種の大半も,彼らとともに凍りつき,地球上から消えることになった.
その後何らかの要因で,永久氷土は地下深く,または大気圏に上昇し,過去に栄えた人類の痕跡をたどるすべは地球上からはなくなった,と言われている.


それから後に,進化の過程で新性人類(現人類「カイン」)が生まれ,再び空へと進出したとき,スカイビルディングスと呼ばれる建造物群を,世界各地のパイロットたちが目撃するようになった.
その浮遊する巨大建造物群は,その形も規模も,目撃者によって証言が変わっており,今もなお,深い謎に包まれている.また,調査に向かった機体の多くが,行方不明となっていることについても,この建造物群の神秘性を強める要因となっている.

各地の"sky-buildings"の周囲には,時間の停止した領域があり,それが永久氷土と現在は呼ばれている.その形状はクリスタルに酷似しており,そのため境界線を肉眼では捉えるのは難しい.
しかし,肉眼でその内部を確認できることから,領域内の時間は完全に停止しているわけではなく,その流れが非常に緩慢なだけであるとも考えられており,領域の境界面に映っている景色が,想像を絶するはるか過去からそこに存在し,それが今に映し出されているのではないかと,現在も考察が進められている.
満月とともに表面が一時的に融解する性質があることが分かっているが,内部への侵入が行われたという発表は公式にはない.
また,旧性人類がいた時代においては,この領域は暗黒であったとするのが定説である.どれほど経過時間に差があるのかについては,旧性人類の存在した時代から,現在までで,ある程度は計算可能とされるが,旧性人類が存在した時代が正確にわかってはおらず,さらに,どの国の研究機関においても,旧性人類の条項は,トップシークレットであるため,一部の研究者から存在が匂わせているのみで,文献など,資料はほとんど公表されていない.そのため,sky-buildingsの研究者の中には,その存在を疑問視する声も多い(旧性人類の存在を主張する一般の"自称専門家"の中には,旧性人類はビッグバン以前に存在していた,と主張しているものもいるが,多くの研究者は相手にしていない).
ロシアのある文豪のものとされる,現代新たに見つかった最後の手記において,結晶体と考えられる「ある生命体」の存在がほのめかされており,その中ではゲーテの『ファウスト』にちなんで「メフィスト・フェレス」と彼らは表現されている.これは現代における結晶体組織の人体への移植実験を予見し,また警鐘を鳴らしたものではないか,と根拠のない憶測が飛び交っている.
また日本のある科学者は,結晶体を『アーコサイト』と名付け,別の学者が『緑血球』と解釈した.前者は,また,結晶体が人体にとりつく一連の現象を『ニューロ・コイタル』と呼んだ.




解釈Ⅱ「巣籠そら篇」


「そら」は,親に天文学者の父と,空軍パイロット(下記に同じく,日本は正式な軍隊を保有)の母を持つ少女であり,親子別姓(1991年11月28日の段階で,日本の法律上,認められているものとする)であり,父は名字を巣籠と書く.
母が訓練中に行方不明となり,それから数年後に,父が国に(黒服に)連れて行かれ,父までもそのまま失踪,また,さらに数曰後に,そら自身が軍の研究機関に連れて行かれる.そして,軍がある事件を介して偶然手に入れた「結晶体と呼ばれる生命体の内部組織」の移植実験の被験者にされる.彼女が被験対象に選ばれたのは遺伝学的な理由が関係していると言われる.
そらの父は,天文学者であったが,過去,空軍に籍を持っていたパイロットでもあり,そらの母とはそこで知り合った.
日本政府が,skybuildingsを捉えた最初の事件である有森事件(1997年:そらの母が率いる小隊が,訓練中に突如,通信が途絶え,そのまま行方不明となった事件.その1年後に,行方不明となったはずのパイロット(パラシュートを開いた状態)とともに,炎上した機体が町に降り注ぎ,近隣の住民に多数の死傷者を出した(第二次-),奇跡的に生存していたパイロットたちは,意識不明に陥り,すぐさま搬送されたが,まもなく呼吸が停止,そのまま亡くなっている.公式発表では,そらの母と彼女の搭乗していた機体は見つかっていない)


解釈Ⅲ「結晶体篇」


結晶体は旧性人類に対して,特に適応したため,新性人類に対しては適性を持たない.旧性人類に対して新性人類は,その精神構造がいかれているために,多くの結晶体は,新性人類と同化(=共生≠能力「アンチ=ネオシオン」≒寄生)できない.無理に共生すると,結晶体は精神が汚染され,自壊(ひびが入る)し,発狂し,砕け散る.
旧性人類は新性人類や他の動物種に対して,寿命が非常に長く,また死ににくく,さらに自ら炭水化物を生産する能力を持っていたために,非常に大らかな精神構造を持っていた(しかし,一方で,他の動物種とのあまりの差異故に,自らを「神(超越種)」と名乗るようになっていたと言われる).
一方,結晶体の精神構造自体は,あまり新性人類と変わらない.しかし,変わらないが故に,結晶体が「双方向の神経」を伸ばした際には,干渉する側の結晶体の方に重い負担がかかり,人の精神に飲まれ安くなり,加えて低次元なものに比べその処理が容易でないと考えられる.
結晶体に同化されると,強制的に,一度分裂させられ,同化された個体は生殖能力を失う.オリジナルの肉体に対して,分裂した肉体(以降,分裂体)には結晶体の幼生(全長20㎝ほどの青みがかったエメラルドグリーンの陸上の節足動物のような外観)が宿り,幼生は成体になるまで,その分裂体と同化し,そして最終的にはその精神を乗っ取るとされる.
軍の実験によって結晶体がそらに埋め込まれたとき,オリジナルのそら(このそらを特に実験体と呼んでいる,また戦闘に参加するのはこちら)から分裂した分裂体のうち1体(以降,SS1などに登場する「そら」は基本的にはこれを指す)は,精神が幼生と同化する前に,幼生を摘出し,軍の実験を受ける前のそらの人格を移植した(記憶を操作し,人体実験の記憶を忘れさせるため)ため,実験によって,ヒトでなくなった実験体(そら)の代わりに,学校へ通っている.
一方,実験体は,そら(分裂体)とは違い,軍による洗脳を施された状態におかれた(同化した結晶体は,宿主の精神を破壊するものと,仮説づけられた.公にはその方が都合がいいので,軍によって洗脳を施されたのは,実験体の精神ではなく,結晶体の精神に対してだと,機関は説明している).

実験体は,そらの父が管轄する施設において,研究されており,結晶体と同化したものは,最初の分裂から,以降6ヶ月から12ヶ月に2~3体に分裂(これら分裂により生じた個体を娘個体とする)し,若返りをはかる.そのため,そのうちの古い方(母個体と呼ぶ)(古いとは言っても,それは共生している結晶体のことであり,宿っている肉体を構成する細胞はこちらの方が若い.そのため,宿主の本当の記憶は,分裂体の方に残っているとされていたが,研究を進める過程で多く矛盾が出ている)は廃棄処分されるか(オリジナルである第1世代の母個体(=実験体)は,軍が保管),他の研究期間に渡される.
結晶体の幼生を除去された娘個体は,以降,普通に歳を重ねるようになるが,寄生されていた日数に比例して,幼生を抜かれた個体の寿命は極端に短くなる.理由としては,幼生の発する何らかの因子が,人体の幼生に対する依存度を高めているものと思われる.
幼生は六ヶ月ほどで,成体になり,宿主を分裂させる.
分裂を繰り返すたびに,分かれた娘個体には老いが蓄積され劣化していく.
幼生はデータバンクとして機能し,宿主に必要な記憶を提供する.また,宿主が得た記憶を蓄積し,他の仲間とネットワークを形成する.
幼生には記憶の完全なバックアップ能力がなく,成体になるまで,宿主は記憶を幼生から,引き出していかなければならないためが失われた状態になる.幼生は,人でいえば胎児と等しい状態のため,体外では生きられない.

解釈Ⅳ「転機篇」


元の生活に戻されたそら(分裂体)は,軍にさらわれたときの記憶もなく,何の問題もなく父と二人で暮らしている.
好きなテレビ番組は,「動物大百科」と「ふしぎ天体」
公立の普通の学校に通っている.
部活はバドミントン部.
好きな食べ物は,カレーに,購買のアイスクリームパン.



その後,実験体の方は,何らかの理由で,洗脳が解け,さらには軍の施設を破壊し,逃亡.30分後に施設内で発見され射殺(生命維持装置に繋がれ,後に蘇生).

また,混乱に乗じて,廃棄が決まっていた3体の分裂体ら(第四-02号~実験体から分裂した四体目の娘個体を母個体とする,整理番号02の娘個体~から分裂した第7~9世代の娘個体ら.分裂速度が不定期かつ,鼠算のように増えるので,研究に不必要な個体は,殺処分される.そのため,廃棄決定される個体には,番号はつかない)が逃げ出し,施設から脱走.
その後,うち1体はそらの父に接触を試み,その場で処分.
さらにもう1体は,数日後,直接「そら」にコンタクトを取ろうと,学校施設に忍び込もうとしたところを,そらの父に命じられて,その場に待ちかまえていた,斎藤はなに捕縛され,施設内にて処分.なぜ,彼らがこのような行動をとったのかは不明.幼生を介して母個体の記憶を受け継ぐのでは,という意見もあったが,都合が悪いため否定される.
残り1体の行方は分かっておらず,軍は回収に急いでいる.

結晶体は脊髄から,人間の神経に介入し,さらには脳全体に支配を及ぼす.
結晶体は,skybuildingsと交信する際,自身の体を展開し,外気に触れている部分を翼のように変形する.
この翼はアンテナのような役割を果たしているのではないかとされる.
また,結晶体(または,その共生者)に対してストレスを与えた際にも,この翼は展開し,さらに細かく振動する.
また,これを切除しようとすると,激しく抵抗し,無理に切除すると感情表現に対して重度の障害が現れる.
翼は,分裂や,個体間のコミュニケーション(?)のときにも展開する.そのときは,翼を立てて,それを互いに寄せ合う.翼は一定のパターンで,オーロラのように光る.
共生している結晶体はそれらの行動の目的に対して,明確な答えをしない(研究員の中には,彼らは機械的な存在ではないか,とするものも,わずかにいるが,現段階では生命体として扱われている)


実験体は,騒動の最中に,廃棄が決まっていた3体の分裂体のうち1体と入れ替わり,脱走に成功する.軍はこれに気づくが,実験体のロストは,軍の進退にかかわるような重大な失態であるため隠蔽される.
実験体は,そらの人格を未だに有しているのではないか,と指摘されており,そのことが問題視されていることに加え,このことまでもが露見すれば,他研究機関に対するアドバンテージまで失うことにもなりかねない,最悪,他国の機関に逃亡した「実験体」を奪われる恐れもある.
実験体(そら)は世界でも数少ない貴重な完全な適合例であり,さらにこれらの実験体は分裂体が結晶生物の幼生によって命を削り取られるのに対して,完全な適合体は,そのようなリスクを負わず,また体組織や遺伝子の変化が漸進的であるため,観察に適している(分裂体と親個体の間の遺伝子は,体組織などが近縁種同士ほどに異なっている,また,分裂体はそれ以上遺伝子や体組織に変化が見られず,寿命もごく短い).







最終更新:2011年07月13日 22:02