録音機材

録音機材

大昔は今のようにDTMやシンセがあるわけでもなく、生演奏を録音して媒体に記録するしか曲を残す方法がなかったわけです。もちろんそのことはじめはかのエジソンですね。それ以来音の波の信号を何とかしてきれいに、いっぱい残そうという努力がなされてきて現在に至ります。

録音機材って何があるの?

録音の代表格はご存知、マイクロフォンです。それ以外にギターやシンセのライン録りがあります。ここでは特にマイク録りについて述べていきたいと思います。

マイクの種類

マイクの種類にはいくつかありますが、大きく二つのベクトルにわかれます。一つはダイナミックかコンデンサか、もう一つは単一指向性か無指向性かです。

ダイナミックとコンデンサ

ダイナミックマイクロフォンはコイルに通した永久磁石の動きを、誘導機電流によって取り出し、その電圧によって空気の振動を記録するマイクロフォンです。カラオケやライブ演奏などで良く使われる、頭の丸い形状のマイクロフォンですね。通称ごっぱーといわれる、SM-58が有名です。このダイナミックマイクロフォンの特徴は、なんといっても物理的に、そして電気的に強いということです。なにしろ永久磁石にコイルという発電機と同じしくみなので、床に転がして踏んだりしてもびくともしません(って本気でやっても責任もてませんがw)。そのかわり特性はあまり繊細ではなく、細かい音を録音するのには向いていません。もちろんそれは使い方次第で、エレキの大音量などはこれで録音したりします。
一方のコンデンサマイクロフォンは、その名の通り中身がコンデンサになっていて、二枚の電極が静電気を溜めこみ、その電極の距離によって変化した静電容量を取り出して記録するマイクロフォンです。つまり静電気を溜めるために一定の電圧をかけないとこのマイクロフォンでは音を記録することができません。これをファンタム電源と呼びます。そのファンタム電源によって電極間に一定の電位差ができて、電極間の距離が広がるほど静電容量が少なくなることを利用して空気の振動を記録します。素材をとても軽く作ることができるため、繊細な音まで記録することができます。もちろんマイクロフォン自身も繊細です。なにしろ電極の間が狭く、振動に弱く作られているので(当たり前ですが振動に強く作ったら音がとれない)、間違って床に落としたりなんかしたら悪夢を見ることになります。また前述の理由から湿度や熱などにも敏感です。結露なんかしたら電極の間で水が・・・考えるだけでも怖いですねwよく知られているのはRODEのNT系とかかな?

指向性

いわゆる、どの方向からきた音に特化して録音できるかという特性です。大は小を兼ねると言うことで全方向から録音できるのがベストじゃないかと思う人もいるかもしれませんが、用途によって使い分けます。ここでは特に単一指向性と無指向性について説明します。
単一指向性とは特定の方向からきた音だけを録音することができるマイクです。このマイクはよくオンマイクとして、ボーカルや楽器そのもののピュアな音を録るのに用いられます。つまり部屋に反射した楽器の音とか、プレイヤーの出すノイズなどを極力排除するための配慮といえます。ドラムなどの複数の場所から音が出ている場合は、それに見合った数だけマイクを用意したりします。
一方、無指向性とはどの方向からきた音も録音することができます。このマイクはよくオフマイクとして、ステージ全体やドラムなどの楽器全体などを録音するのに使われます。バラードなど、あらかじめアンビエンスが欲しいなどという場合にもオフマイクをたてたりします。
またよくある定番の方法がオンマイクとオフマイクを同時に録音する方法です。ソフト音源にもオンとオフが同時に収録されていてその割合を変えられるモノが増えてきています。オンの音にリバーブをかけただけでは得られない臨場感があります。

オーディオインタフェースとプリアンプ

再生と違い、録音は同時に複数しなければならない場合があります。またコンデンサマイクロフォンのようにファンタム電源がないと動かないものもあります。パソコンに同時に録音しようと思ったら、それだけ高価なオーディオインタフェースが必要になります。DTM環境としてはどれだけ録音に力を入れるべきかは若干疑問になりますがwまたライン入力とマイク入力はその信号の大きさが全然違います。ですから間違ってもマイク入力のかわりにライン入力が使えるとか思わないでください。この場合はマイクプリアンプと呼ばれる増幅器で増幅してあげないといけません。
マイクプリを使う利点はただ増幅させるだけではなく、音質が改善したり、イコライザーやコンプレッサーなどの処置をあらかじめできたりするところにもあります。特にオーディオインタフェースに内蔵されているプリアンプを信用しきってしまうのはどうかと思います。録音を考えている人は、一台くらいプリアンプを持っていてもいいでしょう。

ライン入力

ライン入力は主にミキシングとトラックダウンなどで使われます。例えばシンセサイザーから出た音を、そのままスピーカーに繋がずいったんオーディオインタフェースから撮り込んでDAWでMIXして出力する、また特定トラックのエフェクターを通した音を入れ直すなどです。もちろんギターのライン録りやシンセのトラックダウンなどもこの入力が主になります。ライン入力で音質を上げる基本はできるだけ大きな振幅で、なおかつクリップしないようなボリュームで録音することです。そして無音区間ではゲートをかけてノイズを極力減らしましょう。これはボーカルの録音でも同じですね。例外としてギターのアンプの音などを意図的に残す場合もありますが・・・。またプロのマスタリングスタジオなどでは専用のアウトボードとハードウェアのマスタリング機材を用いてマスタリングをしたりします。一時期のwavesマンセー時代でもプロの現場ではハードウェアのツールが根強く人気なようです。

デジタル入力

ハードウェアシンセの中にはディジタルアウトを備えている機種もあります。またオーディオインタフェース間をディジタルで繋げば、劣化せずに出力を取り込むこともできます。ディジタルデータは光ファイバによって接続しますが、結構硬くて曲げられないので取り扱いは面倒です。ディジタルアウトを備えたシンセはあまりないですし、全体的な流れを考えるとわざわざこれを使う意義は薄いので(ハードウェアシンセの中もディジタル処理ならソフトウェアシンセと同じこと、ハードウェアシンセの中がアナログでディジタルで出力しているならA/D変換をシンセがしているだけ)あまり気にしなくてもよいでしょう。
最終更新:2010年03月25日 11:44
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