俺の恋人が…



カチッカチカチ…カチ。
「ふぅへへへぇ、あやかちゃんのタコ壺可愛いよ…」
『お兄さん…私、まだ○学生なんですよ……こういうことはイケナイ、っんぁ、です、つうほぉ、しますよ……?』
「イケナクないよ。もうぜんぜんイケナイことじゃないよ。イケナイっていうヤツはアタマいかれてるんだよ!」
『そうなんですか…?でも○学生に手を出すなんて、世間ではロ
「ロリコンじゃないよ。もうぜんぜんロリコンじゃないよ。ロリコンっていうヤツはアタマいかれてるんだよ!!」
……どうしようもない最低な人ですね、お兄さんは……でも、愛してます…チュッ』
「あ、あやかぇ…」

俺の名前は高坂京介、ひょんなことから妹にエロゲーをプレイすることを強要されている男子学生だ。
ちなみに今も絶賛エロゲーをプレイ中である。
タイトルは「俺のラブタッチがこんなにEX(エクスタシー)なわけがない」っつって、前に桐乃がハマっていたラブタッチってあるだろ?あれのR-18バージョンだ。
オリジナルのラブッタッチでは通常、名前呼び(京介くん、とか)がデフォだったんだが、
今作では『兄貴』とか『兄さん』とか『お兄さん』とか『お兄様』とか『おにいちゃん』とか呼ばれ方も色々選べるらしい。
しかもそれだけじゃなくて、たとえば登場する女の子を『妹』とか『可愛い後輩』とか『妹の親友』とか『深窓の令嬢』とか『幼馴染』とかにも自由に設定できる優れものだ。
何を言っているのかわからないと思うが、実は俺も何を言っているのかわかっていない。
シナリオ担当とか血反吐を吐きそうだけど、まあその辺は頑張ったんだろう。
そんなこんなで、俺はもちろん黒髪ロングのあやせ…、じゃなかったあやかちゃんを妹の親友って設定にして攻略している真っ最中というわけだ。
…あくまで強要されてプレイしてるんだからね?そこを勘違いしないように。

『あ、お、お兄さんっ!? ぃやぁ…そんなところ、舐めないでくださぃ…』
「ふぇふぇふぇふぇふぇぇそんなところってどこかなぁ?名前で言ってくれなきゃわからないなぁ」
『お、お兄さんはぁ…んぁ、へ、変態、です。妹の親友に、そんなこと言わせるなんてぇ…』
「馬鹿だな…妹の親友だからいいんじゃあないか…ほら言ってごらん、オから始まる言葉だよわかるね?」
『お、オ…オマ、オ、オマ…コ………いゃぁ…変態、変態、変態ぃ……』
「もはは、もはもはは。よいではないかよいではないか」

……今のあんた、押しも押されぬ立派なエロゲオタね」
!!!!!??!?!!!!
「き、きりきりきり、桐乃っ!!!!??」
気がついたら俺の妹が、俺の背後にいて、俺のことを哀れむような蔑むような目で見下していた。
いや、お前がプレイしろって渡してきたんだろ!そんな目で俺を見るんじゃねぇ、泣くだろが。
「…て、手前ぇ桐乃! 部屋にはノックして入れって何っ回も何っっ回も、何っっっ回も言っているだろォーーがぁ!!」
「……ハァ? ノックならちゃんとしましたケドぉ~、あんた『俺タッチ』にハマりすぎてて気付かなかったんじゃないの~?うっえ~キモぉ~」
っっっぐっぎがががが、か、可愛くねぇ!アメリカから連れ帰ってきてこっち、少しは可愛いかもと考えを改めてたけど、やっぱ俺の妹は全っ然可愛くねぇ!!
「…つーかぁ、あんたはやっぱ黒髪ロングのあやかちゃんから攻略してんだ」
「やっぱとか言うんじゃねぇ!」
お前はもう少し妹にエロゲの攻略傾向を把握されてる兄貴の気持ちを考えたほうがいいよ?
「キモ…あやかちゃんはあたしの嫁なんだから、アンタには釣り合わないっ…てか何?あんた…『妹の親友』モードでプレイしてんの?」
画面を見る桐乃の目が険しくなる。マジ怖いんですけど…。
「お、おう、まぁな…」
「…前々から思ってたんだけど、あやかちゃんってどことなくあやせに似てるよねぇ、それを『妹の親友』モードでプレイしてるんだぁ、ふ~ん」
…部屋の気温が3℃くらい下がった気がした。
「そ、そうか?俺は全然、まったく、これっぽっちもそんなこと思わなかったぜ?」
超ウソである。
ったってよ~あやかちゃんからラブリーマイエンジェルあやせたん(←かわいい)を連想しないわけないだろ?
実は以前のラブタッチ事件(ドラマCD参照)の時もあやかちゃんにエロい声出させてたのはわざとだしなっ!!

「……ねぇ、あんたってさ、…あやせのコト、好き…なの?」
!!!
「あんた、あやせと会うとデレデレニヤニヤしてるし……あやせだって…」
!!!!!!
「……………」
「おい、『あやせだって…』なんだっ!?まさかあやせが、俺の事を何か好意的に言ってたってのか、どうなんだ桐乃!」
俺、超必死。である。
だって、実はあやせが『お、お兄さん…初めて会った時からずっと好きでした』とか
一人寝で寂しい夜、無意識に『あぁ…これはお兄さんの指…』と、しとどに濡れすぼる蜜壺に指を這わせている状態だったらどうしてくれるんだっ!!
お前が『あやせだって…』の続きを言わないと苦しい思いをするのは俺じゃない、あやせなんだぞっ!?
それをわかっているのか、わかっているのか桐乃ォォオォォォオォォォォォォオォォ!!!
「…………キモ、キモキモキモキモ超キモい!!!」
桐乃は何が気に食わないのか、いきなり肩を震わせ大声を出して俺を罵り始めた。
「あんたなんかにあやせが釣り合うわけないじゃん!ッハ、現実見たらぁ~童貞の分際でっ!!」
「ど、どどど、童貞じゃありませんっ! 」
「…へぇ~、……じゃあ、あんたやっぱり、地味子ともう済ませちゃってるわけ?」
とんでもない誤解を俺の妹様はしているみたいだ。
「だ~か~ら~、俺と麻奈実はそんな関係じゃないっていつも言ってんじゃねーーーか! …あと地味子って言うんじゃねぇっ!!」
「うっさい童貞!…地味子とそういう関係じゃないんなら、あんたみたいなの相手にしてくれんの、心優し~い二次元キャラぐらいのモンじゃん、うひぃ~キモぉ~」
うるせーよ!二次元とマジ恋愛しちゃってるのはウチの部長だけで十分だ!!


「……あ、あとあんたの相手してくれそうな娘なんて、…………ぁたし…とか…くらい…?」
「……てかお前、ドサクサに紛れて何言ってんの…?」
何言ってんのコイツ、桐乃が俺の相手をするって?ッハ、ないない、それはない……。
「~~~~~っ、だ、だからっ!あんたはシスコンなんだから、シスコンはシスコンらしく妹を相手にすればいいじゃん!!」
そう言って顔を真っ赤にした桐乃はおもむろに俺のベルトに手を掛けた。
「ちょ、っおま、な、なにやってんだよ、手離せって!!」
「ほら……あんた、もうこんなんなってんじゃん。…さすがシスコン、妹に欲情するのもお手の物ってカンジ?」
「こ、これはちげーーーーーっての!?」
「なにが?妹に…その、アレを触って貰えるかと思って、そんな状態になったんじゃん?」
とんでもない誤解である。これは…その、さっきまで『俺タッチ』やってたんだしさぁ、わかってくれよ妹様よぉ!!?
うぅ…こ、これじゃあ兄としての威厳が…
「素直に認めればぁ~?そしたらご褒美に…」
そう言って一呼吸おいたかと思うと、頬をさらに赤くしながら
「あ、あんたのそれ、特別に口でしてあげてもいいケド…」とのたまった。
え、どっちの口に?と一瞬思っちまった俺は、もうすでに立派なエロゲ脳かもしれない……。
「ちょ、ちょっと何いきなり固まってんのよ、なんか反応くらいしてよねっ!」
っは!! ふぅ…今俺は妹からとんでもない爆弾発言を聞かされたような夢を見たようだけど、そんなことはなかったな。
「ははは、桐乃、兄ちゃん、ちょっとよく聞こえかったんだ、もう一回言ってくれよ」
「だ、……だから、………口でしてあげよっか!!……って言ったんだケド…聞こえた?」
思いっきり現実だったよ、チクショウ!!!

「きっききききききっききききり、きりきりきり桐乃っ!!?!?!???」
「き、キモいから顔近づけないでっ! これは……そう『人生相談セカンドシーズン』よっ!!」
「な、なんだよその『人生相談セカンドシーズン』って……人生相談は終わったんじゃないのか?」
「だ、だからセカンドシーズンっつってるんじゃん、つまり第二期がこれから始まるのよ!!!」
……まったく意味がわからない。
「も、もういいでしょ。このあたしがシてあげるって言ってんだから、あんたは大人しくしてればいいのっ!!」
そう言いながらも桐乃はズボンを脱がす手を緩めない。ギャーーーッ勘弁してくれ!
「ま、待て待て待て待て待て! これ以上はシャレになんねぇってばよっ!」
「…シャレでこんなこと出来るわけないじゃん。いいからあんたは黙って天井のシミでも数えてなさい、すぐ終わるから」
それって暗に『あんたどうせ早漏なんでしょ……プッ、ださ』って言ってるんでしょうか。 俺は早漏じゃねえよ!
ってツッコむ所はそこでもなければ口でもねぇーーーっ!!
「ま、待てって、桐乃! お前、わかってるのか?使い古された言葉だから言いたくはないが、俺たちは兄妹なんだぞ!!」
「……わかってるに決まってんじゃん。あんたは兄貴であたしは妹。だから何?」
「だから何って…お前……」
困ったことに桐乃の目は本気だった。
「そんなの決まってんだろ、兄妹でそんなこと出来るわけねぇじゃねぇか、常識的に考えて…」
そもそも常識なんてお前が一番弁えてるだろうが、そうじゃなきゃあ世間体なんて気にするわけないもんな。
「常識って、何?」
「何…だと…?」
「…あんたの言いたいことは、わかってる。理解した上であえて言うけど…それがどうしたの?」

………………お前はどこの自称革命家さんだよ…。
たしかに彼が言うように、その言葉はこの世で一番強い台詞だった。
どんな正論も雄弁もこの言葉にかかれば意味を失っちまう。だってそれって言い換えれば「あんたの意見?ッハ、聞くわけないじゃん」って事だもん。
…マジかよ…俺は一体いつ妹と恋愛フラグを建てちまってたんだ…?
「…じゃ、脱がす、よ……?」
いつの間にか俺のズボンは脱がされて、防波堤はパンツのみになっていた。
「…今日は中身に用事があんだから……」
わけのわからないことを言いながら桐乃は最後の防波堤を壊しにかかる。
そこで俺は───

① ハンサムな高坂京介は突如として反撃のアイディアを思いつく
② 仲間が来て助けてくれる
③ 脱がされる。現実は非情である

俺がマルをつけたいのは答え②だが期待は出来ない…放課後に別れた黒猫や麻奈実たちがあと数秒の間にここに都合よくあらわれて
アメリカンコミック・ヒーローのようにジャジャーンと登場して『待ってました!』と間一髪助けてくれるってわけにはいかねーゼ
逆にここはエロパロだからそのまま3Pや4Pに発展しかねないかもしれねえ。

「…大人しくなったじゃん、そうしてれば優しくしてあげるから…」

答え-③ 答え③ 答え③



「……待って桐乃!!」
「…え? だ、誰っ!!」
った、助かった!?…今まさに桐乃の手によって決壊しようとしていた防波堤はすんでのところで無事だったようだ。
まさか②だとは思わなかったが…。
「だ、誰?隠れてないで出てきなさい、兄貴との逢瀬を邪魔するヤツは馬に蹴られて死んじゃえばって…!!」
その時、パァと部屋が閃光で満ちていく……!
「ま、眩しい!」」
光の奔流が止んでいくとそこには人影が一つ浮かんでいた。
「ま、まさか…あんたは」


「桐乃…やっぱり、お兄さんとそういう関係だったんだ…」


パソコンの画面から一人の天使が舞い降りていた。

「あやせ!天の御使いにして『神の楯(イージス)』……あんたもこちらの世界へ『跳んで』くるなんてっ!」
「ふふ、愛する桐乃…あなたを追って、ここまで来たの……」
「そ、そんな、まさかあやかちゃんを媒介に『物質界(マテリアルプレーン)』へ顕現するなんて…っ!」
「…あやせ、あたしは天上には帰らないっ! ここに、この世界に来て真実の愛を知ったんだからっ!!」
「そんなこと言って…かつて天の御使いであり『神の剣(レーヴァテイン)』と讃えられたあなたがここまで堕落するなんて…」
「あやせ、あんたにはわからないっ!…ここに堕ちてきて、こいつの妹として暮らしてきたあたしの気持ちはっ!!」
「…桐乃の気持ちって…? まさかお兄さんのことを愛してるとでも言うんですか?」
「…私たちは天上人とはいえ『物質界(マテリアルプレーン)』にいる間はその法則に組み込まれてしまいます」
「つまり、ここではあなたとお兄さんは兄妹…血縁者です。近親は天上でもっとも禁忌とするところ…親友の桐乃がそんな業を背負うのはどうしても、我慢できない…」
「……あやせ、あんた何を考えているの…っまさか!?」
「そうです、お兄さんを殺せば、桐乃は私の桐乃でいてくれる!この男が邪魔なの、すごく!」
って、おい!俺殺されちゃうのかよ!? 話についていけなくなっていたが、ラブリーマイエンジェルあやせたんに殺されるなら……
い、いや違うぞ京介!そう思わせることがこの天使の思惑なんだ!
ちくしょう、俺は…生きる!生きてあやせと添い遂げる!
「待て……殺さないでくれ……」
「駄目です、お尻の穴から手を突っ込んで奥歯をガタガタ言わせます」
あ、あやせはそんなこと言わないっ!!
「やらせない、たとえあんただろうと、…こいつはぜったいやらせないっ!!」
「…そう、私のお願い、聞いてくれないんだ、桐乃は…」
「!?あ、あんた羽根が、黒く……っ 駄目!正気に戻って、あやせ!! このままじゃ、あんたッ……!!」
「私は桐乃を愛していたわ、たった一人の親友だもの、当然よね。」
「でも親友じゃなかった……そして、私を見捨てた……。」
「手に入らないのなら、いっそ……。」

「堕天(フォールダウン)を起こしちゃうッ!!!」

「続く」
「続くじゃねえ!ここまで風呂敷広げておいてなんだそれは!」
……ここは現実世界で俺、高坂京介の自室である。
今日は黒猫が新作の漫画を描いたというから、学校帰りに俺の家で品評会を開くことになったってわけだ。
「つーか最後は滅茶苦茶すぎて置いておくとして、だ。 前半の俺はキモすぎて明らかにキャラ崩壊だろーがっ!」
しかも名誉毀損で訴えてもいいレベルで。
「あら先輩、自分の事を過大評価しすぎではないのかしら?私の目には先輩はこう見えているのだけれど……」
「さも意外そうに言うんじゃねえ!しまいには泣くぞ!!」
まったく、いつもそうだが隙あらば毒を吐くなこいつは…。
「それにしても、お前は桐乃をブラコンって設定にするの好きだよな…これ、あいつが見たら今度こそただじゃすまねぇよ…」
「…あらそうかしら、案外『……ホントの事、知りたい?』という、それなんてエロゲ?展開になるかもしれないでしょう?」
ないないない、俺の妹に限ってそんな事は絶対ない、断言できるぜ!
…まあ、黒猫は俺をからかって遊んでるだけなんだろうが、性格歪んでんなぁ…。
「お前も桐乃の親友のくせに、全然わかってねーな…俺の妹がそんなに可愛いわけがないだろ?」
「……フッ、わかっていないのは果たしてどちらの方なのかしらね…」
俺が怪訝な顔で黒猫を見ると『冗談よ…』とほとんど聞き取れない声で囁いた。
「あなたは周りの人間関係には敏感なのに…自分の事となると、とても鈍感……まるでエロゲの主人公ね」
「よりによってなんて比喩してくれてんだ、コラ!」
「本当の事でしょう?…はぁ、エロゲならあの娘も攻略対象になるのでしょうけど…」
「?……すまん、言ってる意味がよくわからんのだが」
「いいのよ、先輩にはわからないように言っているのだもの…」
黒猫は何かを諦めるように小さく首を振ってから、俺の胸元へ顔を埋め、囁いた。

「…彼氏なのだから妹ばかりではなく、初体験を終えたばかりの彼女をもう少し労わって頂戴……」



おまけ

まあ、そういうわけで今、俺と黒猫は絶賛ピロートーク中だったりする。
いや、情事の後としてはかなり色気がないけどなっ!!
だってしょうがないじゃん。 コトが終わった後、黒猫が『見せたいものがあるのだけれど…』って見せてきたんだもん。
これに何か意味あるんスかね、黒猫さん?
ん……?っていうか今俺凄いことに気がついたっ!! く、黒猫が俺のことをか、彼氏って……。
付き合い始めてそんなに経ってないせいか、案外恥ずかしいな、彼氏呼ばわりされるのって。
「べ、別に妹ばかりに構ってる訳じゃないぞ!じ、自分の、か…彼女を放っておいて妹に走るとか、ありえねーって。」
俺の言葉に黒猫がビクンッっと反応する。
「そ、そうかしら?貴方シスコンだし…。 か、彼女よりも妹に走るのかと思っていたわ」
な、なんか今日は妙に絡んでくるな…。
「というか…………先輩に彼女呼ばわりされたの、今日が初めてなのだけれど…」
えーーーっ!?そ、そうだったっけ…? 俺がリードされてどうするんだよ。相手は超恥ずかしがりぃの黒猫なのに…。
「そ、そうだったか? スマン、っか~、お前に先に言わせるなんて、サイアクじゃん、俺」
「別にいいわ、あなたの妹に『今、あなたのお兄さんに押し倒されてるのだけれど、どうしましょう』と電話を掛ければ済む話だもの」
「す、すみませんでしたーーーーーーーーーーーーーーーっ!!!」
俺、必死である。必死の土下座である。
「…許してほしいのかしら……?」
「は、はい。この不肖高坂京介めに出来ることならなんなりと」
「な、なら、私が今一番して欲しい事をして頂戴…」
「一番して欲しいこと……?」
なんだろう?と思って黒猫の顔を見つめていると、黒猫は『や、やっと理解したようね…』と呟き目を閉じた。
あ、そういうことか…察し悪ぃなぁ、俺…。
「じゃあ、するぞ黒猫…」
「いちいち断らないで頂戴。…仕様がない雄ね」
恥ずかしそうに、顔を真っ赤にさせて目を閉じている黒猫を見ていると、胸の中に何とも言えない愛おしい気持ちが溢れてくる。
「…勘違いしないように言っておくけれど、これは『契約』よ…」
だってしょうがないだろう?俺の恋人が…
「私と一生離れないという契約…違えることは許されないわ……自慢じゃないけどね、私は嫉妬深いのよ」

…こんなに可愛いんだから。





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最終更新:2010年10月20日 00:53
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