※この物語はフィクションであり
登場する人物・団体・その他名称とは一切関係ありません……
分かったかヨ?この変態ロリコン野郎!
2月14日。
俗にバレンタインデーと呼ばれる今日は、世の男達が2種類に分かれる日だ。
「君へのこの気持ち、まさしく愛だ!」「貴様は歪んでいる!」「そうしたのは君だ!君とバレンタインデーだ!チョコを貰う為に戦えと言ったのは、君のはずだ!!」「俺は言ってない!!!」
あそこでチョコレートを所望している金髪の男が、
その1〝チョコレートをもらいにいく派〝だ。
つーかあの金髪男がチョコレート求めてんの、どう見ても男だよな……?
まぁ、愛の形は人それぞれか……
そして、
「少年……」
自販機と自販機の隙間にいる、変な仮面をかぶった金髪男。あれが、
その2〝完全無視を決め込む派〝だ。
何故自販機の隙間!?とツッコミを入れたいところだが抑えておこう。
とまぁ、そんな事を考えているうちに目的地に着いた。
「こんにちは、マネージャーさん」
「糞マネの分際で加奈子より来んの遅いってどーゆー事だよ!」
「おぅ、ブリジットちゃん、加奈子。遅れて悪かったな……」
今日はメルルのイベントがあり、俺は再び加奈子とブリジットのマネージャー役をやる事になった。
受験生なのに大丈夫かって?
なーに、一応A判定ももらってるし、たまには息抜きしないとな!
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「それではここでゲストの登場です!かなかなちゃん、ブリジットちゃん、どうぞ~~っ!!」
「リアルメルルキターー(゜∀゜)ーー!」「ブリジットたんペロペロ!」「抱きしめたいな、ガンダムッ!」「デュフフwww」「二人ともマジ天使」
「こんにちはーーっ!かなかなで~す♡」
「こ、こんにちは!楽しんでいってください!」
イベントが始まり、加奈子とブリジットが登場したところで会場が一気に沸き上がる。
「……凄まじい熱気だな」
しっかし、加奈子の豹変ぶりはいつ見ても凄いな。
お茶の間に顔を見せる芸能人なんかもあんな感じでキャラ使い分けてるんだろうか……
「プロってすげぇんだなー」
素直に感心するぜ。
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「それでは、皆からの質問に答えちゃうよ!」
司会者がそう言いながら、あらかじめ募集した質問が書かれているだろう紙を取り出す。
「Q.メルル4期はいつやりますか?」
「A.皆の応援しだいですね」
「どうやったら魔法使いになれますか?」「30歳まで待て」「メルルと結婚したい」「精神科へGO!」
質問が読まれ、メルルの監督さんや、出演声優さん達がが答えていく。
「次は……ブリジットちゃんに質問です!」
「ふぇ……?あっ、はい、な、何ですか?」
「Q.ブリジットちゃんは本命チョコを渡したい人はいますか?」
まさにバレンタインデー、って質問だな……
「え、えーっと……い、います……」
「なんとっ!?」「そいつは爆発しろ、今すぐニダ!」「ナ、ナンダッテー!?!?!!」「ウボァーーーー!!」
会場の男共、騒ぎすぎだ……
「おおーっ!ブリジットちゃんからチョコを貰えるなんて幸せ者ですね!それで、その方はどんな方なんですか?」
うん、気になるな。
「えっと……そ、そんなにたくさんお会いしたことはないんですけど……や、優しくて……お兄さんみたいだなーって思ってて……大好きです。」
ブリジットからあんなに思ってもらえるだなんて、本当に幸せもんだな。
ふと、こう思っちまったんだ。
「そいつは早く爆発しろ!爆発してもお釣りがくるだろ!早く爆発しろ!」
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「2人ともお疲れさん!」
「加奈子にかかりゃあ楽勝、楽勝!」
「ありがとうございますっ、マネージャーさん!」
ここは控え室。
2人の出番は無事終了した。
「さて、やる事やったし、帰……「マ、マネージャーさん」……ん、どうしたブリジットちゃん?」
「えと、その、ちょっとお時間よろしいですか?」
「おぅ、構わないぜ」
「ありがとうございますっ」
ブリジットは礼儀正しくていい子だな。見てると癒やされるよ。
「んじゃ加奈子は帰るなーー」
「お疲れさん、またな」
「またね、かなかなちゃん!」
部屋をでていこうとし、直前、振り返る。
「オイ、ブリジット」
「な、なに、かなかなちゃん?」
「がんばれヨ~?」
「えっ、あっ、う、うん!」
「?」
ニヤニヤしながら加奈子が言った。一体なんのことだ?
「じゃ、今度こそ帰るなー」
そう言って加奈子は帰っていった……
「……マネージャーさん!」
「うおうっ!……な、何だ?」
「こ、コレを……」
ブリジットが手に持っているのは、リボンの結ばれた可愛らしいハート型の包み。
「これは……?」
「その、バレンタインデーですし、チョコレートを…… 」
よもやこんな幸運が訪れようとは……生き恥を晒した甲斐があったというもの!
「ありがとな、ブリジットちゃん!義理でも超嬉し「義理じゃないです!」い……?」
「義理じゃ、ないです……」
「今年は、パパとマネージャーさんにしか作ってないです」
「なん……だと……」
「嘘じゃないです……」
自分の父親を〝お兄さんみたい〝とは表現しないはずだ。
と、いうことは……
「さっきイベントで言ってた人ってのは……?」
「マネージャーさんのことです。……マネージャーさん!」
「おっ、おう!」
消えそうな声で話していたブリジットの目に強い光が宿った。
「わたし、マネージャーさんの事が大好きです!!よ、よかったら、お付き合いしてください!」
……驚いたよ。ブリジットが俺の事を好きだったなんて。
俺はこの思いに真剣に答えなきゃならんな。
「ブリジット!」
ブリジット・エヴァンス。
メルルのコスプレイヤー。
礼儀正しくて、見てると癒やされた。
俺はこいつのマネージャーみたいなものをやってる。
だが今はマネージャーとか関係ねぇ。
「本当に俺なんかでいいのか?ただの凡人だぜ?」
「わたしは……あなたが、大好きです」
「そうか……なら、俺から1つお願いがある」
「はい……きゃっ!」
目の前の可憐な乙女を抱きしめる。鼻腔をくすぐるいい香り。このまま抱きしめ続けていたいな!
もう後もどりはできん。腹をくくれよ、俺!
「俺と……付き合ってくれ」
「……はい……!」
ブリジットがそっとうなずく。
そして、俺達はそっと唇を近づけーーー
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月日は流れ、とある日。
「親父、話がある」
「……なんだ、言ってみろ」
「彼女ができますた」
「グフッ、ゲホッ!」
むせちまったよ……
「……本当か?」
「あぁ、本当だぜ」
「なら、今度紹介してもらおうか」
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数日後、高坂家リビングにて
兄貴が彼女を連れてきた。
ホントにいたんだ……
「紹介するよ、彼女が俺の恋人、ブリジットだ」
「ブリジット・エヴァンスです。きょ、きょうすけさんの彼女です!」
ブリジット・エヴァンス……?同性同名なんかじゃない、本物のブリジットちゃん!?
「京介の父、大介だ」
「母の佳乃です。京介、本当にこんなカワイイ娘が本当にアンタの彼女なの?」
「ひでぇなお袋!」
「……おい、桐乃?」
「……あ。妹の、桐乃です」
も、もし兄貴がブリジットちゃんと結婚したら、義理の姉妹!?
「あ、あたしの義姉がこんなにかわいいわけがない!!!!!」
「いきなりどうした!?つーかそれ俺の台詞!」
「うっひょおおおーい!キタキタキタキターーーー!!!!」
「いったいどうしちまったんだよおぉぉォォォォォーーーー!!?!!!?!?」
ーーーーつづけーーーー
最終更新:2011年02月14日 16:14