18スレ目小ネタ

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5 名前:超小ネタ『魔法少女・まぎかなこ』 ◆h5i0cgwQHI [sage] 投稿日:2011/04/22(金) 00:19:43.38 ID:hrgnflQK [1/4]
「ねぇ加奈子、加奈子の願いって何?」
「んー、願い?」
「そう……」

あやせってば急に何言ってんだー?
そーだなぁ、加奈子の願いはぁ~―――

「モデルになることかな」
「そう、モデルね」
「でもさーモデルって、でかいブスの方が優遇されんじゃん」

ちらっとあやせの顔を見てみた。
んー、なんだ?もっと怒ると思ったのに。
つまんねーの。

「加奈子、その願い、叶えてあげる」
「ほぇ?」
「だから―――」

あやせの目が怖ぇ……
なんか逆らえる雰囲気じゃねーんだけど

「だから加奈子、魔法少女になってよ」

おわり


6 名前: ◆h5i0cgwQHI [sage] 投稿日:2011/04/22(金) 00:22:45.69 ID:hrgnflQK [2/4]
以上でした。

京介(恭介)を麻奈実(緑)にとられた桐乃(青)の魔女化とか
黒にゃん(ほむほむ)とか
実はけっこーネタにできそうです。

あやせたんマジQB





593 名前:短編『付き添い』 ◆ACPRLbMxAk [sage] 投稿日:2011/05/12(木) 23:35:24.76 ID:VgerZr9D
「そろそろ時間よ」
「はい‥‥‥」

珠希はいつもなら「はいー」という明るい感じの返事なのに、今日は暗い。
まあ、それも当然のことね。今日は歯医者に行く日なのだから。
食後に歯を磨く癖をつけておけば、こんな呪わしく愚かなことにはならないのに。

「姉さま。やっぱり、痛いのでしゅか?」
「そうね。痛いでしょうね」
「う、ううう」
「ちゃんと歯を磨いておくべきだったのよ」

そう。全ては油断だ。
妹たちだけは悪魔の呪縛に囚われないよう、私はいつも気にかけていた。
それなのに、こんな莫迦なことになるなんて。
歯医者までの道程は、何らの変遷も無く、いつもの町並み。
だが珠希には歪な風景に見えることだろう。
歯科医院の白い外観の建物は、これから始まる悪魔的儀式を想像させないものだ。
だが、この中でどれだけの苦しみが展開されたであろうか。

「初診でお願いします」

受付で保険証を出してから、私と珠希は待合室の椅子に腰を掛けた。

「―――さん、どうぞ」

受付に陣取る小悪魔の呼び出しに応じ、一人の雄が診察室に入って行った。
待合室には珠希と私の二人だけ。
ということは、次の呼び出しで覚悟をしなくてはならない。
不安そうな顔をする珠希と目が合った。

チュイ――――ン

診察室から漏れてくる禍々しい音に反応して珠希が身を縮こまらせる。

「とても痛そうでしゅ」

泣きそうな目で深い不安の底に沈んだ珠希を救うために、私は珠希を抱きしめた。

「これは殆どの人が通るなのよ。この軛から逃げてはいけないわ」
「はい‥‥‥」
「大丈夫。千葉の堕天使が、この苦しみから解放してあげてよ」
「はい‥‥‥」

「五更さーん、診察室にどうぞ」

遂にやってきた。

「はいっ!」

私は立ち上がって診察室に向かった。

「姉さま、がんばってね」

無邪気な顔で私を励まそうとしている珠希が愛らしい。
クッ‥‥‥私ともあろう者が、虫歯になるなんて。


『付き添い』 【おしまい】





677 名前:短編『スターティングブロック』 ◆ACPRLbMxAk [sage] 投稿日:2011/05/16(月) 23:52:44.33 ID:374EA6ie
隣のレーンには強敵が居る。
無駄や隙を微塵も感じさせない様子でスターティングブロックに着くその強敵は
あらゆる“トラック”で好成績を連発している女の子だ。

彼女とはこれまで、同じ“競技”でぶつかることは無かった。
だからこれまでは、安心して自分の“ゴール”を目指すだけでよかった。
それが最近になって、彼女はどういうわけか同じ“競技”に参加するようになった。

―――勝ちたい。でも正直、勝てる気がしない。彼女は強敵過ぎる。

「位置について」

そんな彼女に気圧されながらスターティングブロックに着く。
自分の体が重く感じられる。そんな筈はない。ベストの体重は維持している。
心理的なものかも知れない。スタート前から彼女に心で負けているのが悔しい。

「用意」

―――そして、二回の号砲が耳に届いた。

彼女に勝ちたい想いのあまり、フライングをしてしまった。
もう失敗は許されない。ますます心理的に追い詰められてしまう。
不安な様子が顔に出ているのだろうか。隣のレーンの彼女が話し掛けてきた。

「リラックスしなよ、あやせ!」
「う、うん。ありがとう、桐乃!」

桐乃の言葉で落ち着きを取り戻したわたしはスターティングブロックに着き、
遙か遠くに見える“ゴール”を見据えた。
そして、“ゴール”に向かって心の中で囁いた。

「お兄さん‥‥‥」

と。


『スターティングブロック』 【おしまい】





754 名前:短編『konozama』 ◆ACPRLbMxAk [sage] 投稿日:2011/05/20(金) 23:18:54.61 ID:W/jAJu0+
「たっだいまー」

げっ! なんでコイツもう帰って来てんの? 明日帰って来るんじゃないの?

「部活の合宿先の建物が急遽工事になったんで、合宿中止さ」

マズイ。通販で買ったのはいいケド、“konozama”を喰らっている最中。
発送メールだとアイツの合宿中に届くはずだったのに、合宿中止だなんて!
エロゲとかアニメBlu-rayなら見られても平気だけど、今回のだけはマズイ。
届いたところを見られるのだってイヤ!

その時、

ピンポーン

キタ―――!!
フヒヒヒという笑いを抑えていると、アイツが玄関に出ようとした。

「ちょ、待ちなさいよ! ドコ行くつもりよ?」
「ん? 届け物を受け取るだけだぞ? どうせオマエのエロゲか何かだろ?」
「い・い・か・ら! 余計なことすんなっての!!」
「オイ、何すんだ!?」

アイツを抑えようとしたアタシは脚が縺れ、後ろ向きに倒れた。
その瞬間、アイツはアタシを庇おうとして‥‥‥アタシと向かい合って
ソファーに倒れ込んだ。そして、


チュッ


「なッ! ななな‥‥‥!」
「ちょっと待て! コレは事故だ!! オマエもわかってるだろ!?」

チョー必死なアイツの言い訳に対してアタシはこう言うしかなかった。

「シスコンッ! 変態ッ!! 強姦魔ッ!!!」

アタシはアイツにビンタを喰らわせると、届け物も受け取らずに、
全速力で部屋に戻った。買ったモノなんて、もうどうでも良くなったから。

‥‥‥‥‥‥

「桐乃。お前が買ったモノ、届いたぞ」

アイツが部屋まで持ってきた通販の段ボール箱を開けると、注文通りの抱き枕。
それは、“maschera”の主人公・真夜の抱き枕だ。
べ、別に、黒いのに影響されて買ったワケじゃない!

だって‥‥‥そっくりなんだもん。

でも、もう要らないや。
だって、さっき‥‥‥

ふふん。konozama、サイコー!


『konozama』 【おしまい】





950 名前:短編『フルキャストオフ』 ◆ACPRLbMxAk [sage] 投稿日:2011/05/27(金) 23:51:36.63 ID:UCp75c0/
俺の目の前には黒髪の美少女・新垣あやせ、のスケールフィギュアがある。
桜桃学園の夏服を纏い、スラリとしたプロポーションと長い手足は
まるで本人から型を取ったかのような完成度だ。
思わずスカートの下から覗き込みたくなるシロモノである。

「お兄さん、何かいやらしいことを考えていませんか?」

と、フィギュアの原型が俺を蔑んだ目で睨む。いつも通り、怖えええええ。


「私のフィギュアが出るんです」

俺があやせからの電話で部屋に誘き出されると、あやせのフィギュアが
人気モデルシリーズとして限定生産されると聞かされた。
あやせのやつ、そういういかがわしいモノが大嫌いな筈なのに、どういうことだ?
と思ったが、あやせ本人は乗り気なようだし、俺がどうこうできまい。
しかしなんだって、わざわざ呼び出してまで俺に見せるんだよ?

「そ、それは、お兄さんが陰でコソコソ買わないように釘を刺すために
決まっているじゃないですか!!」

相変わらず信用ねえな俺。確かに『欲しくない』と言えばウソだが。

「お兄さん、両手を出してください」

あやせがこの部屋を中座する時の手錠サインか‥‥‥仰せの通り。
がちゃっという音とともに、あくまでも自然にベッドと繋がれる俺。
あやせは俺を拘束したことを確認すると、上機嫌な様子で部屋から出て行った。
ふと脇を見ると、ガラス製テーブルの上で件のフィギュアがポーズを決めている。
台座も透明なので、テーブルの下から覗けば‥‥‥丸見えの筈だ。
あやせは、俺が中身を漁らないようタンスとの距離は取ってあるが、
テーブルとはさほど離れていない。床に寝転がれば簡単に覗けるチャンス!
‥‥‥だが、悪い予感しかしねえ。あのあやせがこんなに迂闊なわけがない。
きっと隠しカメラがあって、俺の陰獣っぷりを隠し撮りするつもりだろう。
そうなったら、俺の明日は無い。ええい! 止めだ止め! 死にたくねえし。


「お兄さん、お待たせしました」

10分ほどして部屋に戻ってきたあやせは、何やら不機嫌っぽい様子。

「‥‥‥帰って下さい」

はぁ? 何だそれ!? フィギュアを見せられ、手錠で繋がれ、追い出される!?
意味わかんねえ! 一体何が不満なんだよ!?

「うるさい! せっかくここまで用意したのに!!」

俺の手錠を外したあやせはそう怒鳴ると、俺を追い出す際に何かを投げつけた。
なんだコレ? 小さくて白いプラスチックの部品か何かか?
も、もしかしてコレは! ぱ、ぱんつ?
そう言えばあやせ、あのフィギュアはフルキャストオフ仕様とか言っていたな。
つまりコレが外れているってことは、あのフィギュアのスカートの中は‥‥‥!
ヤバかった。マジ、ヤバかった! 覗かなくて良かったぜ!

それにしてもあやせのやつ、何で怒ってんだよ?
覗かなかったんだから紳士扱いしてくれてもいいのにさ。


『フルキャストオフ』 【おしまい】





957 名前:短編『少女誘拐未遂事件』 ◆ACPRLbMxAk [sage] 投稿日:2011/05/29(日) 00:37:27.87 ID:WHQzWEp6
「高坂くんって、ルリ姉とは終わったんじゃなかったの?」
「俺にも良くわかんないんだよ」

俺は黒猫の妹・日向ちゃんと、立て替え間際の秋葉原ラジオ会館に居る。
今日の俺は、買い物に行く黒猫と黒猫の妹たちに引っ張り回される予定だった。
黒猫は日向ちゃんと珠希ちゃんの二人を連れ立ってアキバまで来たらしいが、
どういうわけか、日向ちゃんとはぐれてしまったらしい。
そして偶然にも日向ちゃんだけが、俺とここで会うことができたってワケ。

「ルリ姉、また脳内彼氏とか二次元彼氏とかにどっぷりになっちゃうのかな」
「何度も言うけど、お前、大概酷いな」
「あ、今日はビッチさんは居ないの?」
「あ? ああ、今日は居ないんだよ」
「でもさっき、駅の近くでビッチさんに似た人を見たけど?」

黒猫の妹たちと会うなんて知られたら、桐乃は絶対ついてくるに決まっている。
それもマズイので桐乃には内緒でここまで来た。だから桐乃が居るはずない。
それはともかく黒猫のヤツ、はぐれた日向ちゃんのことが心配だろうな。
電話してやろうと携帯を取りだしたとき、黒猫の声が。

「あ、あなた! 此処に居たの!?」
「ルリ姉!」
「おう、やっと来たか!」

黒猫が酷く慌てた様子で、俺たちを見据えた。

「心配したのよ! 勝手に居なくならないで頂戴!!」
「オイ、そんなに怒るなよ」
「偏見を持つつもりはないけど、アキバには変な人が‥‥‥居ない訳じゃないし。
誘拐されたかと思ったのよ!!」

黒猫が心配するのもわかる。アキバはそういう人の密度が有意に高そうだしな。

「ところで黒猫。珠希ちゃんは?」
「え!? 一緒に‥‥‥? え、ええ!?」
「居ないのか? もしかしてはぐれた?」
「ルリ姉、あそこ‥‥‥」

日向ちゃんが指差す方向を見ると、珠希ちゃんの手を引く女がエレベーターに
乗ろうとしている。
その女はスラリと背が高く、腰まであるライトブラウンの髪が垢抜けた感じを
強く主張していた。両肩を小刻みに震わせる様子は、その女が興奮状態にある
ことが後ろ姿からもわかる。
そんな女と、そんな女に手を引かれる珠希ちゃんを見た俺と黒猫は、
こう怒鳴るしかなかった。

「「待て待てええええええええい!!!!」」

俺と黒猫の完全にハモった声はラジオ会館全体に響き渡った。


『少女誘拐未遂事件』 【おしまい】
 

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最終更新:2011年05月30日 20:34
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