私はどんなことに対しても、正しく生きていくのが一番いいと思っていたの。
お母さんの影響かもしれない。お母さんはPTAの役員なの。
いつも言ってる。
正しく生きなければダメ、いけないことはしてはダメ。
だから、私はいい子で居たかった。
ずっといい子でいたかった。
でも、もしかしたら、私は、普通じゃないかもしれない、
そう、思うときもあった。
私は可愛いものが好き。
ディズニーのダッフィーベアとか、
携帯ストラップに使ってるくまのぬいぐるみとか。
あと、
可愛い
女の子とか。
お母さんが、ダメ、と言うたびに、
私がダメなんだ、って思えて仕方が無かったの。
いつも身だしなみからきちんとしなければダメ、
生活態度は当然、学業も、スポーツも、とにかく、全てがきちんとしていなければだめ。
心が苦しい。
完璧な、私。
ずっと、そうでいなければならない。
そういう演技を続けなければ生らない。
かわいいもの、やわらかいもの、あったかいもの、
そういう全てがいけないもの、だったの。
そんな私の世界を変えてくれたのが、桐乃ちゃん。
かわいくて、つよくて、かっこよくて。
もう、最高。
たまたま雑誌のモデルのスカウトをされて困っていたところに、
桐乃がたまたま通りかかってくれたの。
「ちょっと、アンタ、どこの人なの?
あたし、○○で読モやってるんだけど、アンタみたいな人、見た事ないわよ?
ね、ちゃんと名刺、もってるんだよね?」
桐乃ちゃんがその男の人に言葉を発するたびに、
男の人はたじたじとして、
そして、
逃げていったの。
「あれ?
ねえ、もしかして、あなた、新垣さんじゃない?
意外。こういう事、興味あるんだ。」
桐乃ちゃんは臆することなく、言ったの。
あれ?と思った。
そういえば、私は、クラスでも目立たないようにしていた。
正しく、いい子で居るためには、そうしなければいけないの。
出る杭は打たれる、っていうけど、そういうの、困るから。
「ねえ、新垣さん、もしよかったら、私の事務所に紹介するから
だから、こういうの、もうちょっと警戒したほうがいいよ?
最近ロリコンで変な人また増えたっていうから」
突拍子も無いことを、私に提案してきた桐乃ちゃん。
やだ、どうしよう。
胸が高鳴る。
だって、桐乃ちゃん、可愛いんだもん。
その桐乃ちゃんが、一緒に読モの仕事をしない?って言ってくれた。
うれしかった。
だから、私は、桐乃ちゃんを目指そうと思ったの。
最終更新:2009年08月30日 02:10