A Nexus 02


          ***     ***     ***           


緊張してしまったお兄さんの手を取ってわたしは自分の服を脱がさせる。
同時にわたしも手が震えたけど、お兄さんの服を脱がした…………けれど

「あのお兄さん……ソックスがまだ…………」

「あ~・あ~・あ~」お兄さんは両手で両耳を塞いでて、ひたすら大声を出していた。
そうか、ニーソックスが好きなんですね、そんなに好きなら今度踏んであげよう……。

「ねぇ、わたし、あなたの事を考えて自分でしてるって……言いましたよ…ね?」

「あ、あ、ああ、そう言えば言ってたな……」
わたしは自分の震えた手で、再び、お兄さんの震える手を取ると

「今は、京介さんが、わ、わたしの代わりに触って……ください」
自分で言ってて恥ずかしかったけど、もう全部して欲しいから言っちゃった。

「んじゃ、あやせは俺の代わりにしてくれ、、まぁおまえはもうプロ級……い、痛てぇ。
あ、あやせさん…つねるのは禁止でお願いします」

「はぁ、はぁ…何で…上手なのか…は、お兄さんに喜んで欲しいからぁ…あっ…」
本当はもう、お兄さんに触られる前から…わたし……………

「れ、練習してたからっ…あっ…ぁん…こんなエッチな女の子で…で、引きましたかぁ?」

お兄さんから没収したDVDを参考にしようとしたのだけど、お兄さん以外のはやっぱり
見たくなかったから……自分の指を、あなたのだと思って、試行錯誤してた………

「うぅ…ぐ……いいや…嬉しいに決まってるだろ!最高に魅力的だぜ…あやせ……」

"練習した"と言ってもお兄さんが変な誤解しなかったのが嬉しかった。
嫉妬して欲しいと思うよりも、普通にわたしの事を思ってて欲しいんだ、今はもう

「わ、わたしぃ…ずっとぉ、ずっとあなたに、こうして欲しいと思ってたの…ン…
だから…だからぁ……はぅ……今…気持ちいいっ……れす…あぅ…きもちぃいっ」

京介さんに褒めらながら、されると本当に……心も身体も感化されちゃって……
もう多分、どんなお願いされても聞いてしまうんだ、わたしは……きっと

「あ・や・せ・」と言われて、また強引なキス、優しく口を塞がれるのも好きだけど
今日は、、今はこっちのキスの方が好き……だからわたしも思いっきり強引にする、
京介さんの愛情に負けない様に……ちょっぴり痛いくらいに

お兄さんが右手に巻いていたチョーカーを外して、わたしの首につけてくれた。
これも考えてみたら儀式の様なもの……儀式と言うよりも……もっとエッチなもの。
そして、頭をまた優しく撫でられて、『お願いしても良いか?』と唇が振動した。

だから言葉でお願いされなくても、本当はもう自分がしたくなっていた事をする……

「うぐぐ……やっぱぁ……凄いなぁ、おまえ……頭が変になりそうだわ…俺」

「はぁむ……レロ…ちゅぱ……お兄さん…わたしね…………わたしっ……」

「ど、どうした?」

「お兄さんは、わたしに…その…見たこと無いのかって聞いたでしょ?
わたしが無いって言ったら、父親は?って、言いましたよね?」

「……うん、、言ったな」………何でこんな話をしたのかと言うと

「………わたしの家って多分、教育方針で、物心ついた時にはもうお父さんと
お風呂には入らなくなってたんです。それにわたしは一人っ子で兄弟も居ないから…」

「へ?だ、だから?」…………ちょっぴり意地悪したくなったから

「もちろん、わたしはそういう、いかがわしいDVDも漫画もゲームも見ないから
だからわたしが見た事があるのは……もちろん触った事があるのは…………
あなただけなのに……なのに、京介さんは!京介さんの裏切り者!!!!!」

「ひょ?ぐげぇ……ちょっと……おま…おお…ぎゃぁあ………ヤ、バ、イ…」

「パク…ちゅぱっ……わたしは、わたしはきょう、だけなのに、はむぅ……きょうは、
きょうは!ん~~~~~他の女の、、、んはぁ……人のも見て、レロ…だから、、、
はぁ…許せない、、、はぅ…許せない!、、はむ…許さない!、だ、だから見るな!!
もう見ちゃ~ちゅぅぅ~だ、だ、ダメなんだからっっ!!!!!!!!」

前の罪悪感と言う名前の嫉妬じゃなかった…独占欲・純度100%の完璧な嫉妬。
やっぱりこんなに独り占めして、束縛したがったら、嫌われちゃうのかな?
わたしが不安になって憮然としていると、結局また頭をよしよしされてしまった。

「俺はそういうの見ても絶対に出さねぇから……したい時はあやせにお願いすっから。
もう俺が渡したカギ捨てちゃったのか?」

「も、持ってます……もちろん」 「なぁ思いっきり変態チックな事を言って良いか?」

「ふ、ふんっ……な、何を今更」とニーソを履いたままの足で、お兄さんのを軽く蹴った。
嬉しそうな顔をしたから、追加で、踏んであげた。

「お互い、ソロ活動禁止で良いんじゃねぇ?そしたら会った時、燃えそうだしよ」

何で世紀の大発見をしたかの様な自信満々の顔で、こんな事言えるのだろう?
何でこんな事を言われて、わたしはちょっぴり嬉しくなってしまうんだろう………。

「お兄さんだけ我慢してください……。そ、そしたら、会った時、お兄さんがしたい事
いっぱい、してあげるから。それがダメなら結婚までエッチもセクハラも禁止ですっ!」

「よ、よし!、むしろ……それ(が)で良い!でもテレエッチなら良いよな?」

その後、わたしが了承するまで17回ほど『でもテレエッチなら良いよな?』と聞かれた。
電話でも求められたらするし、本当は…わたしだって一緒に我慢するつもりなんだから。

お兄さん、わたしがあなたの事を思って一人でしたのはいつからだと思ってるんですか?
そして、それまでずっと、どれだけわたしがイクの我慢してたのか知ってますか?
京介さんがお願いするなら、わたしは何だってするんだから、しちゃうんです…からっ!

「あやせが気持ちよくしてくれたから、次は俺のターンだな。もし怖くなったら
いつでも言えよ。別に無理やりする事じゃないんだし、このまま続きするか?」

「わたし…今日初めて、親に嘘ついたんです。凄い大嘘。でもこんな風になるって
期待してたわけじゃ全然無くて……だから嬉しくて……悪い子だけど罪悪感も無くて。
でも親に嘘をつくのは今日が最初で最後です。言ってる意味、分かりますか?」

「ああ、今日ちゃんとあやせを俺のものにして、正式に、おまえの親に挨拶に行くよ」

「分かってるなら、ちゃんとして………し、してくれないとぉ、ぶち殺しますからっ!」


          ***     ***     ***           


今まで聞いた中でもっと萌え殺される危険性が高い"ぶち殺します"を聞いて俺は………

おまえの透き通る様な白い肌が透きだ! サラサラのストレートの黒髪が好きだ!
大きくて全部を見透かされそうなその目が、長い睫が、柔らかい頬が好きだ!
何度も、何度もキスしたおまえのぷっくりとした唇が好きだ!

「お兄さん…褒めてくれて嬉しいんですけど、心の声が漏れてきてます……から。
それにやっぱり見た目ばっかり……じゃないですか、もうぉ!」

おまえが今話している、その声が好きだ! あやせが作ってくれた料理が好きだ!
俺に対していつも健気で、時々かなり我が侭で、凄くエッチなあやせの性格が好きだ!

あやせと一緒にいると、とても静かで、優しくて、暖かい気持ちになれるんだ。
だから俺はあやせ、おまえの全部が好きなんだ!


「ふぅ……………はぁ~~え、遠慮しなくて良いんですよ…………京介さん。
も、もうっ………容赦なく、全部、全部、全部、好きにして良いからあぁっ!」

これは、あやせの照れ隠しなのだろうか?
『ぶち殺しますよ』と同じイントネーションで誘惑された。


「本当にさぁ……もう褒め言葉だけしか思い浮かばないんだ。おまえのこの髪も……」
と言ってあやせの髪を撫でつつ、抱擁する。

「あっ…ん…はぁ……ねぇ、ねぇ…お、お兄さんに…お、お願いがあります………。
京介さんがわたしを求めてくれたから……聞きたくなっちゃった質問です…………。
あなたは動物の中で、"狐"と"狸"と"猫"と"犬"なら誰(が)………何が一番好きですか?」

艶めかしい表情なのだが、目だけは真剣な眼差しを俺へと向けてあやせは問うた。
流石は、あやせ…俺の彼女だ。この期におよんで、超意味深な謎を投げかけてくる。
そもそも"誰"って何だ?

何となく予感がする、、この質問の解答を誤ったら、重大な事態を引き起こすだろうと。
期待する解答を与えなかったら、俺とあやせは致命的に何かが損なわれるんだろうと。

「(難問過ぎて)全然分からねぇ…………」

あやせが悲しそうな顔をして。プイっと横を向いた、全く………本当に退屈しねぇな、
こいつと一緒にいると。

「な~んてな…………"犬"が好きだよ。  俺は、あやせ……おまえが一番好きだ」

ある意味、これがあやせの"最後の試練" で "聖(堕)天使 最後の封印"だった。
あやせが本当は別の言葉で質問をしたい事は知っていた。……でもこいつは気を遣って、
婉曲的に聞いたんだろう、俺が最低野郎になる事を避ける為にさ。

あやせが舐めてくれた頬を(照れくさくて)……かきながら、この瞬間も、さっきよりも
俺の彼女の事が、どんどん好きになる自分を誇らしく思った。


もう何も迷う事も、悩む事もない……これが俺の出した答えなんだ。
二度と同じ質問を俺の彼女にはさせるつもりはない、そんな質問なんてしなくて済む様に
俺は……あやせを全力で掴まえ続ける。


だから、俺は今の気持ちを、その愛情そのものを込める様にあやせを愛撫し始めた。

「はぅ……ずっと…きょうに頭を撫でられたから…だから…多分…エッチにぃ…
エッチなコト考える様に……なっちゃった…んです………………だ、だから…ぁ……
べ、別に答え……聞いたからじゃ、それ、関係無い……んだからっ…!」

「あやせ、好きだ……この照れてる顔もさ……本当に綺麗だ、もう絶対に離さないから」

さっき、あやせが抱いてた独占欲らしきものが、俺の中で拡がるのが……
あやせを愛撫しながら、痛いほど……文字通り……さっきあやせがしてくれたのに……
もう痛いほど自覚される。

「おまえは、俺が胸に興味ないとか言ってただろ?あやせ…これでもそう思うか?」
あやせの桃色の乳首を躊躇無く、断固として吸った。

「んぁ……きぃ…もちぃぃ…れ…す……気持ち…あぅ…あぁ……あん……」

「パク……俺はそんな事、聞いてないぞ?あやせ」

最初は俺なりに考えながら、あやせの反応を見ながらやってるつもりだったのだが
やってる間に夢中になって、もうひたすら吸ったり舐めたり、そして空いてる手で
吸ってない方の胸を揉みまくる。

「…ぅん……おっぱい…好き…れす…か?わたしぃ……のおっぱい……きょう……」

「ああ、滅茶苦茶好きだ……もう俺のものだからな!あやせ……わかったか?」

「ぁあ、、あ゛あん…わかったからぁ…ねぇ……きょうぉ…もっとっ…もっとっ……」

あやせが、胸に埋めている俺の顔を思いっきり両手で抱きしめた。
俺は一瞬その力に怯んだが、それでもやっぱり断固として愛撫を続けた。
今日は…今日だけじゃない、これからはあやせが望んだ事を全部叶えてやるんだ。

「いっぱい、してるやるから!おまえがもうイヤって、言うまでしてやる!!」
キスマークをつける要領で思いっきり吸って、指でちょっと痛いくらいつまむ…でも

「んっ…あん…ああっ…足りないっ……もっと…きょう、きょう…好きっ……」
あやせの魅力で、こいつの身体に幻惑されていたが……"身体"だけじゃダメなんだ。

「あやあや…愛してる…愛してる…愛してる!」
強引に感じさせるのは辞めて…軽くキスしながら、目を見つめて胸を優しく愛撫する…と

「っあ……イ…ギュ……あっ……イッく……イッちゃうっ…わたしぃ…あんッ……はぁ…
ぅん、あ゛……イグ………あ゛、あ、゛あ゛っ!」
身体を痙攣させて、本当に軽く涎を垂らしながら、あやせは可愛く昇天した……。


俺はあやせの手を握って、俺の胸に当てさせた。今度は、あやせが俺の頭をよしよしと
撫でてくれる……俺は自然に笑みが溢れて、あやせも自然ににっこり笑った。

二人共黙っていたけれど、あやせが目を閉じて肯いたので、軽くキスしてから
ニーソの足先、踝、ふくらはぎと、続けて明らかにセクハラする気分で撫でた。

右手で左足、左手で右足を触っていると…左右それぞれ意思をもった生き物の様に
足が揺れ始めて、反応を楽しみながらゆっくり膝、太ももと続けて今度は口で愛撫した。

俺は急がない様に、ワザと自分で自分を焦らしてる気分でゆっくり愛撫を続けて、
やっと太ももの付け根まで辿り着いたのだが……もう触って確認する必要も無く
(それどころか見て確認しなくても分かるほど)濡れていた。

何か言おうとしたが、とても間抜けな気がして、黙って舐め始める。
前に、あやせの家で強引にやった時は何も考えてなかった。むしろ尻をぶった叩く事で
必死になっていたのだが………今回はそこだけに意識を集中する。

しかし三十秒もしないうちにあやせは………
「……イ…キッ…そう…きょう……わたしぃ……もう…あっあっ…あ゛っんん…あ……」

舐めながら、見えるあやせの顔は恍惚然としていて、俺にまたあの独占欲や
今度は強烈な支配欲まで、かきたてさせる。
SMよろしく尻をぶった叩いたあの時よりも、今の方が自分の中の嗜虐心が何倍も、何倍も
刺激されるのを感じる…………だから俺は

「あ……あ゛っあああ……あ゛…あん…きょう……きょうっ……イ゛ク゛…」

あやせが昇天しそうになった途端にわざとペースを緩めた。
そして、落ち着きそうになったら、また責める……時々強く吸ったりもした。
この美しい少女が、自分の意思通りに反応するのが快感だった、俺は我を忘れていた。

「い゛じわ゛る゛っ……きょうの意地悪………でもっ………はぅ…でも……」

「んぅっ……きょうがっ…きょうっ…がぁ……あ゛……いじわるぅ……しゅたい…ならっ……
しぃたいならっ………いっぱいぃ…していいィよぉ…だ…からっ………
わたしっ…我慢しゅるぅ……イ゛ク……かないで…ずっと……我慢しゅ…る…からっ」

全然違う、支配されてるのは俺だったんだ。こいつの魅惑的な身体の虜になって……

「きょう……きょうっすけ…さぁん…しゅき……あっ…いしてるぅ…からっ……」

やっと気付いた。
こいつの健気な愛情に籠絡されて、俺にはもうどんな自由も残されてない事にさ。
俺の心も身体も、完全に、あやせにものになっていた。

まぁ、別にそれで何か変わるってわけじゃない。
一生この愛しい彼女を、俺の大切な恋人を守ろうと改めて、思っただけなんだ。


結局、俺は気がつくと、何度も、何度も、何度も昇天するあやせを強く抱きしめて、
何度も、何度も、何度もこう絶叫してた………

『あやせ…俺も好きだ、愛してる………愛してる…あ・い・し・て・る!!!!!』

ってさ


          ***     ***     ***           


多幸感、安らぎ、喜び、嬉しさ……素敵な感情が全部一気にわたしの身体を貫いて
京介さんに、何度も、何度も、何度も感じさせられた。

本当に夢の様な時間……初恋の人に……あ、そうか、わたしが京介さんを好きになった
のは(自分の気持ちに気付いたのは)夢の中で、京介さんに出会ってからだった。

幸せ過ぎて、怖いって意味が今なら本当に身にしみて分かる。
夢の中のあなたは目が覚めると消えてしまった……ねぇ………京介さん……わたし

「あやせ……?」
ベットから降りて、何かを取りに行こうとする京介さんの手を握って、首を横に振った。

「今日……大丈夫な日ですから。でも、何か有ったら責任取ってくださいね」

馬鹿な事を言ってるのは分かってる。でも、どんなものにも邪魔されたくなかった、、
あなたと一つになりたい……もう、何にも邪魔されたくない……

「ダメだ、おまえが大切だから、今、俺が短絡的な欲望に流されちゃいけないんだ」

わたしは、素直に肯いた。もう……責任取りたくないんですね、なんて言わない。
本当にわたしの事を思ってくれてるのが伝わってくるから…何も言う必要なんて無い。

「あやせが黒いウエディングドレスで、俺に告白してくれただろ?
だから今度は俺がちゃんと言うから、ちょっと先になっちまうかも知れないけど……
必ず俺が言うからさ。だから、それは、その時までのお楽しみだな」

「でも今、ちゃんと予約はしてくださいね……こ、これでも、人気物件なんだからっ!」

「ああ………もちろん、だから俺は、もうメロメロなんだって。
そもそも、俺が取りに行こうとしたのって、おまえが考えてたものだけじゃないんだぜ。
まぁこれは、何の効力も無いから、、今は単なる……紙切れだけどさ、ほら」


"高坂京介" "新垣あやせ"と書かれた、今は本当に、ただの紙切れ……だけど

「はぁ~な、何で、、こんな確実にわたしが"ぶち殺されちゃう"もの用意してるなら、
わたし達が、喧嘩してる時に見せてくれなかったの?
わ、わたし、自分で"儀式"なんて言ってて、馬鹿みたいじゃないですかっ?!」

「ほら………あやせ足開いて」  「あっ…ぁん…はぅ……は、はい」

「隠してるつもりは無かったんだ」 「きょうの嘘つき!、変態の処女厨!、シスコン!」

「ほら、あやあや…キス……」  「はむっ……ちゅっ…ぁあっ…れろ……むちゅぅ」

「あやせと恋人同士だと絶対に、ほんの一瞬も、おまえから目が離せないな。
彼氏になれてマジで、良かったわ……こんな俺と付き合ってくれて感謝してるぜ。
こんなにも、俺を夢中にしちまう、世界で一番可愛い彼女になってくれてよ。
まぁ、でも、こんな時まで罵り合ってる場合じゃないんだが………なぁ?(苦笑)」

「ふふ、やっぱり、わたし達って相性ピッタリですね、京介さん。
実は………わたしも、今、全く同じ事を思っていたところなんですっ(♪)」

「これからも多分、何度も喧嘩するだろうし、おまえを泣かせてしまうかも知れない。
でも最後は必ずあやせを笑顔にするから、これからもずっと俺の隣に居てくれ……あやせ」


 「はい、ずっとずっと、京介さん側にいます……もう絶対に、あなたから離れない」

 『はい、ずっとずっと、京介さん側にいます……もう絶対に、あなたから離れない』

  はい、ずっとずっと、京介さん側にいます……もう絶対に、あなたから離れない


今も幸せ過ぎて、やっぱり怖い……これからも何度も、我が侭を言って困らせるし
京介さんが言う様に泣いちゃうと思う。

それでも
京介さんと一緒なら、沢山泣いても、必ず笑顔になれるから………
そしてわたしも、あなたを笑顔にしてあげたいから…………


「あ~あ………俺、あやせに言わなきゃいけない大切な事、こってり忘れてたわ。
何の為に、あやせにカギ渡したり、これ見せたりしたのか………忘れてた(汗)」

「京介……さん?」

「ちょっとだけ………………言い遅れたけど、あやせ、、あ!、俺、今、凄く
滅茶苦茶、凄く良い事を思いついた!
これは男の野望と言うか、ロマンだから、悪いが、ちょっと小芝居に付き合ってくれ!」

独り言の様に言って、わたしが好きな、いつもの少年みたいな目をキラキラ輝かせて……
はぁ~こうなっちゃうと、この子は……もう止めても無駄なんだ。

「行ってくる!」
さっさと服を着るとわたしを放置して、ドアを開けて出て行ってしまった。
ロマンって、これの何処が男の野望なんでしょうねぇ?

よくも、こんな美少女を、エッチな気分のまま裸で寝かせて、部屋を出れましたね?
全く……もうぉ!
本当にあなたこそ、ほんの一瞬も、わたしの心から、消えてくれないじゃないですかっ!

やれやれ……。

そして気がつく、"あの時"と同じだ。

わたしが京介さんを諦めようと思った時……のこと。

『-----いってらっしゃい、お兄さん』
"過ち"だと思って、笑顔で見送って、京介さんを送り出した時……のこと。


あの時はもう戻ってきてくれるなんて、思ってなかった………
泣いちゃダメだ、今は京介さんが居てくれるのに、、でも……もうわたし…………。


その後、せっかくメイクし直したのに、最高の笑顔で言いたかったのに、意味は無かった。
でもそんな事はもうどうでも良い………二度と嘘はつかないと決めたからのだから


あの時の笑顔よりも、今の顔の方がわたし自身、ずっと好きなんだ


チャイムが鳴った。
わたしはドアを開けて、あなたを出迎える。


最初は単なる、親友の兄だった人
あこがれた、わたしの初恋だった人
好きで、好きで、しょうがなくて恋いこがれた人

今は……………これからも、ずっと、ずっとわたしの大切な人

「少し、いや結構長く……言い遅れちまったけど」と言われて、優しく抱きしめられた。

     「----------ただいま、あやせ」



あの時忘れていた言葉を、もう失ったと思っていた言葉を、あの時は言えなかったけど
本当はずっと、ずっと言いたかった言葉を、今、やっとわたしは言う事ができた………

     「京介さん----------おかえりなさい」













京介×あやせ【"37℃" "Antipyretic" "Stummer Dialog" "A Nexus"】

inspired by『過ちのダークエンジェル』 『妹のウエディングドレス』



本当に、幸せで、おわり








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最終更新:2011年12月02日 02:51
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