沙織からの誘い

題名:「沙織からの誘い」


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 このところの騒動で沙織にずいぶん負担をかけたなあと思っている頃、
一通のメールが届いた。

「京介殿、個人的に相談したいことがありますので、誠にご足労でありますが、
拙宅までいらしていただけないでしょうか?」

 あの沙織が? 高級マンションでのお嬢様姿を見ているだけに、妙に期待してしまう俺だ。
 承諾の返事をすぐに出して週末の十五時頃に向かうこととなった。

「さて、着いたな。携帯で知らせるか」と沙織に電話すると自動ドアが開いた。

 ちょっとしたホテルみたいなエントランスに入り、所在なげに待っているとエレベーターから
沙織が現れた。

「よぉ! 来たぜ」
「こんな所まで呼びつけて、申し訳ございません。付いてきてください」
「ほいほい」とエレベーターに乗った。

 ぐるぐる眼鏡ではなく、ゆったりとしたドレスを着たお嬢様スタイルだ。
 どうも、沙織が緊張しているのが俺にも伝染して、無言のまま最上階へ。

「こちらです」
「ああ…。」

 なんだここは。海が見え、周囲が一望できる巨大なリビングに広い部屋。
 セレブだっていうのがイヤと言うほど判る。
 招かれるまま、革張りのソファーに身を沈めると窓の外に雲が流れる風景に圧倒される。
 こんな所に住んでみたいもんだぜ。

 沙織は紅茶を入れたポットを持ってきて、カップに注いでいく。
 芳香が立ち上り、ふっと気持ちが楽になる。
 そして、沙織は何気なく隣に腰を下ろした。ほんわりと包まれるような温かさが心地よいな。

「それで、相談って?」
「はい。自分なりに、自分のできることを頑張ってしていても、何だかんだで京介さんが
大半を解決してしまいます」
「そうか? 大して役立ってないと思うがな」

 俺こそ、沙織に尊敬してしまうことだって多いしさ。

「それで何でも自分で解決しようとしないで頼ってしまうことも、時にはいいかと思いまして……、京介さんに甘えようかと」

 沙織はしなだれかかり、俺の方に首をもたげてふわっと何か誘われるような香りが漂った。

「誰だって、疲れるときはあるもんな。お前は良くやってるよ、沙織」
 髪の毛をやさしくなでてやる。
「心地よいです」

 午後の気だるさも相まって、蜜のような時間だ。
 雲間に日差しが差し込んで来て、いい雰囲気だなあ。

 紅茶が冷めないうちに飲んでしまおう。ハーブが入っているのかな?
 変わった風味だった。

 雲の形が変わってしまう頃、沙織は立ち上がり、するっとドレスを脱いでしまった。
 午後の逆光の中、全裸だ。

 度肝を抜かれているとくるっと振り返り、俺に背中を向けて密着して座り、
蛇のように首に腕を回して、濃厚なキスをしてきた。
 沙織から、甘く熱い息が漏れる。
 とろけるような微笑みで俺を見つめている。
「沙織…、お前」
「お嫌ですか? 京介さん。そうでなければ、いつも空回りで寂しい沙織を慰めて欲しいのです…。」
 微熱を帯びた柔らかい尻が俺の股間を刺激して、困惑する。
「ここには、私と京介さんしか居ませんし、ひとときだけの事です」

 またかよ!という気持ちだ。でも、沙織は交際範囲が広いようで、親しいつきあいは俺たちだけだって
言ってたっけ。
 その中で男性は俺だけとなれば、仕方ないのか。

「判った。一度だけ、だからな?」
「はい…では、どうぞ…。」

 沙織は、妖艶にほほえんで俺の手を弾力のある乳房に、熱い股間に導いた。
 後ろからなめらかな首筋に舌を這わせ、キスをして乳房を舐め回していく。
 小さく喘ぐ沙織の顔を見上げながら、乳首を吸い、舌で転がす。

 沙織は、するっとソファーから落ちて向き直り、俺のズボンとパンツを脱が
してフェラチオを始めた。
 女性のしっとりとした指で握られ、たおやかな舌で舐められると根元に響く感じだ。
 全体を丁寧に舐め上げられ、生暖かい口の中に俺のが入り、蠢く舌が亀頭をねぶり、吸われると
頭がおかしくなるくらい気持ちいい…。
 だが、何だかぐっと上がってくる射精感が来ない。

「うふふ。お父様にもらったハーブが効いてるみたいですね」
「や、ヤバイ奴なのか?」
「ドラッグや脱法ハーブではありませんよ。どこでもらってきたかは知りませんけど、
灰になるまで楽しめますわ。わたしも避妊のための薬を飲んでますし、
さあ、続きはベッドの上にしましょう」
「そうか、判った」

 思ったより軽い沙織をお姫様だっこして、ベッドルームまで連れて行った。

 キングサイズのブルーサファイアのシルクシーツに沙織の裸身を横たえるとグラビアのようだ。

 俺は、本能的に抱きつき、お互いのからだを感じ合うとめちゃくちゃにしてやりたい衝動が突き上げて
くるので思うがままに乳房を揉みしだき、乳首をこね上げ、脇の下に顔を埋めてキスをし、かたちの良い
指先まで舐め上げたり、脇腹から腰、太ももまでキスして行って、きれいなふくらはぎ、足の指まで舐め
てみたり、俺は謎ハーブでおかしくなってるんじゃ無いかと正気を疑う。

 でも、沙織は、歓喜の表情で歌うように喘いでいた。

「どうだ、沙織。愛されているか?」
「ええ、とっても幸せですわ。京介さん」
 沙織の両膝を大きく広げて、もわっとした匂いがする淡い茂みの奥を舐めている間、沙織は俺の陰茎を
握ってゆっくりしごいている。
 愛液もねっとりしてきたし、もういいだろう。
「じゃあ、入れるぞ」
「どうぞ、ご存分に…」

 へそまで反り返った陰茎を握り、膣口になじませて押すと吸い込まれるように中に導かれ、熱くみっちりと
した肉襞に飲み込まれたような感触に背筋がゾクッとした。
 腰を使って行くと沙織の腰もつられるように動き、長い足が俺の腰を挟み逃さない。
 いつもより低い声であぁー、あぁーと喘ぎ、時折、息を堪えているのは軽くいってるのだろうな。

 汗ばむ沙織に俺は体を起こし、沙織の両腕をつかんで浅く深く腰を使って、まんべんなく沙織の女を堪能する。

 うっかり射精してしまう心配が無いから大胆にできるが下腹が熱く、尿意のような感じが高まってくる。
 今までに無く張り詰めた陰茎は沙織の中に馴染んで自分の物じゃ無く、別の生き物みたいだ。

 そういえば、座位ってしたこと無いなと思って、腰を落としあぐらをかき、沙織を起こして、
濡れそぼる沙織の中に下から突き上げた。

「あ、すごい…」と言いながら、沙織はキスしてきた。腰を回したり、突き上げたりしながら、
口でもつながっている感じ。

 沙織は、首を下げて、俺の乳首を吸ったり舐めたりするので、淫らな気持ちになって、
"あぁっ"とか声が漏れてしまった。

「京介さん、可愛いですわ」
「ば、馬鹿、へんなことすんな」
 照れ隠しに沙織の乳首を甘く噛み、乳房をこね回してやりながらも腰が止まらず、俺の陰毛は
沙織の濃い愛液でびちょびちょだ。
 我を忘れて愉しんでいる間、いつの間にか夕闇が部屋を満たしていた。
 沙織の光るような目が、俺を見つめ、俺の目はそれに囚われたかのようだ。

 お互いの汗もべっとりしてくるような感じで俺の気力も限界に近くなってきた。
 沙織の目もとろんとしてきて、はぁはぁと喘ぐばかりで朦朧としている。
 ハーブの効果は切れてきて、俺の腰から暴走しそうな塊が抑えきれない。

 沙織を押し倒し、正常位に戻ってラストスパートとばかりにぐだぐだとなった沙織の腰に暴力的に打ち込んだ。
 沙織は呻くような、名残を惜しみ抗うような声で高まっていき、やがて沙織の中に俺のがぐっと掴まれ、
強烈な塊が陰茎を駆け抜けて、沙織の一番奥で俺は、爆発した。

 目の前が真っ暗になり、意識が上下に揺さぶられる。
 沙織も息を詰めたまま、時折、荒い気を吐くばかりだ。そのまま俺の意識は暗黒に飲み込まれた。

 目が覚めたら、沙織が見つめていた。
「小一時間ほど、寝てしまったようですね。うふふ」

 沙織がキスしてくる。

「ああ、そうだったのか。俺はもう、ヘロヘロだよ。沙織は満足したか?」
「灰に、なっちゃいました」
「まったくだな、アハハ。まあ、なんだ、シャワーでも浴びるか」
「そうですね、でも、腰が抜けてしまって…。」
「だっこして連れて行ってやんよ!」

 たいへん腰が頼りなかったが、これまた洗練されて広いバスルームで軽くシャワーを浴びて、
ボディシャンプーでいちゃいちゃと洗いっこして、すっきりして着替えた。
「沙織もさ、こんなにストレスをため込む前に俺たちにできることで、発散していこうぜ」
「今更、恥ずかしくなってきました。でも、京介さんが居てくれて良かった」

 やさしく抱擁して、和んだところで今日はお別れだ。
 一緒にエレベーターで降りて、エントランスに来た。

「遅くなると桐乃がまた不機嫌になるからな」
「ほんと、兄妹仲がうらやましいですわ。最後にこれを…」
「カード? なんだこりゃ?」
「カードキーです。京介さんがいつでもここに来られるように、です」

「変な意味じゃ無く、役立つときもあるだろうからもらっておくよ。
じゃあな!」
「ごきげんよう。また、皆さんと遊びましょう」
「ああ、またな!」

 沙織に見送られ、俺はマンションを出た。

 自動ドアを出ると夕凪が心地よい…が、ずいぶん腹が減ったよ。
 足早に駅に向かいながら、俺は誰かを選ぶことができるのだろうか、
それとも強引に決められちまうのか?なんて当て所なく考えて居たはずが、
いつの間にか夕飯のメニューは何だろう?に支配されて、帰宅した。
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おわり。

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最終更新:2012年12月19日 18:52
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