逃げ場にならない一人暮らし(3)

題名「逃げ場にならない一人暮らし(3)」


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 連日これでは、身体が保たないんじゃ無いか?と思うこの頃だが、否応なく朝がきて、
無情にも目覚まし時計が俺をたたき起こすのだった。

 ふぁーねむい。起き上がって布団をたたんでいた所、ドアを控えめにコンコンとノックされたので、
ドアを開けに行った。

「おはようございます、京介さん」
「ああ、沙織か。俺は眠いよ…。」

 沙織のふくよかな胸に俺はもたれかかった。
 こんな所に天国があったなんて知らなかったよ。

「うふふ、甘えん坊さんですね…。でも、こんな所を他人に見られたら困りますよ」
 と、俺はくるっと向きを変えられて現実に戻り沙織に背中を押されて部屋に入った。

 沙織は、トートバッグの中からいくつかパックを取り出し、電子レンジで温め、棚から皿を出して
手際よく並べ始めた。

「何だか、お疲れのようですね。食後にこれを飲んでください」
 と2000錠も入ってるでかい瓶を置いた。エビオス錠?
「ビール酵母で健康に良いんです。さあ、朝食にしましょう」

 テーブルには、きれいに盛りつけられた温かい皿とジュースが並んだ。
「そうだな。へー、オムレツと、こ、これってモーニングステーキって奴?」
「ええ、元気が出ますのよ。脂身の少ないフィレ肉を使ってますから胃にもたれませんし」
「すげぇなあ。金持ちはいい物食ってるぜ」
 付け合わせのポテトやサラダまでもレベルが違う気がしてきた。

「さあ、冷めないうちにどうぞ」
「いただきまーす!」

 朝から、ナイフとフォークを使うなんてアパートの台所には違和感バリバリだけど、
沙織が座っているだけで、それらしい雰囲気になってしまうのが大したものだ。

 上質な肉だけに噛むほどにうまみが染みて、ぼやけていた脳を活性化させるなあと味覚に浸っていた俺を、
沙織は微笑みながら見つめていた。

「沙織は、こんな朝食をあのマンションに一人で?」
「そうなります。 だから、こうして誰かと朝食と言うだけで、とても楽しくて…。」
「うちは家族一緒だから、想像も付かないな。ふーむ…。」

 そんなところにいる自分を想像しつつも質は高いが量はたいしたことない朝食をあっさりと食べ終えて、
沙織がごっそりと盛ったエビオス錠をもらい、なんとかジュースで流し込んだ。

「こんなに飲んで大丈夫なのか?」
「1日30錠が基本ですから、多すぎるってほどじゃないですよ?これはお昼のお弁当ですので、どうぞ」

 保温が出来るちょっと重いくらいの弁当箱だな。

「ありがとう。朝からありえないくらいうまかったよ、ごちそうさま」
「うふふ。昨夜から準備しておいた甲斐がありました。では、そろそろこれで。」
「ああ、気をつけてな」

 すっと寄ってきて、柔らかなキス。

「はい、行ってきます…。」
 ふわっといい匂いを振りまいて、沙織は去っていった。
 その残り香にほんわりとひたっていたら、そろそろ危険な時間だ。
 俺は慌てて準備し、部屋の戸締まりをして階段を駆け下り、学校に登校した。

 特にどうということもなく午前中を終えて、昼休みは今日も麻奈実と。
「今日のは、ちょっと変わった弁当だぜ」
 サーモスだったか?大ぶりの弁当箱だ。何段も容器が入っているぜ。

「すごいねー。おかずとスープが冷めてないね。沙織ちゃんのだっけ?」
「おう。今朝も豪華だったよ」
「今日も一口ちょうだい。ふむ~みんなすごい気合いだね。きょうちゃんの好みが変わっちゃうんじゃないかなあ」
 麻奈実は、むむむ?としている。

「そうだよなあ。どうなってしまうのか」
「ねえ…やっぱり、桐乃ちゃんは、ちらりとも来ない?」

「ああ…そのせいか、スゴイ平和だ。 あいつが気を遣うとは思えないが…。」
「たぶん、近々、おどろくような事があるよー麻奈実は予言するよ。」
「むぅ。何が起きるんだ!?」
 とか話しつつ、微妙な心持ちで昼休みを終えて、授業を終えたらさっさと下校した。

 帰り道にスーパーに寄って買い物した後、ぷらぷらと歩いていると桐乃の姿を見かけた。
 何処かに出かけて行くようだった。しゃれた格好だったのでモデルの仕事かな?
と思ったのでスルーしてアパートに帰った。
 着替えて、今日の課題とか片付けていると、こんこんとノックが。
「おかえり、沙織」
「ただいま、京介さん。ちょっと遅くなりました」

 何も言わずともおかえりのキス。

「かなり遠いからなあ、お前のマンション」
「でも、ぜんぜん辛くないですよ? ふふふ。 早速、夕飯の支度しますから」
「ああ、頼むよ」

 明らかに楽しそうな沙織を尻目に俺はまじめに勉強を続けた。
 しばらくしてから、後ろに気配がして柔らかな手が肩に置かれた。

「ご飯ですよ、あ・な・た」
「お、オイ! 驚かすなよ」
 おどろいて振り返る俺に沙織は満足げだ。くそー。

 テーブルには、色とりどりの料理が並んでいる。華やかだなあ。
「あのさ、今回は変なハーブとか入れてないよな? 念のため。」
「もちろんですわ。あのときはとんでもない事をしてしまって、済みません」
 沙織は、立ち上がって深々と頭を下げている。

「いや、めったに出来ない経験させてもらったので、そんなに謝らなくても」
「お父様に詳しく聞いたんですが、あれはいわゆる"秘薬"で、タントラや房中術でも使われるようで、
用法を間違えると死に至る事もあるとか…後で冷や汗をかきました」
「タントラ? ぼうちゅう?」
「いえ、性のエネルギーで秘儀、秘術を行うというたぐいで、あとでググってみれば、大体判ると思います。
それはいいとして」

 ああ、本題に入るんだな。
「私の姉の話を以前したと思いますが、ああいう人だから相談事も出来ないので、
今まで本当に頼りになる、あり得ない状況にも対処できるパートナーを求めて、
サークルや友人を作っていたのですが、なかなかそういう人が居なかったのです」

 苦労と絶望が頭をよぎったのか、表情が曇ってきた。

「きりりん氏を中心とした、今までの事であなたならその可能性がありそうだと思って、綿密に計画と準備をして、
招待したわけなのです」

 神妙な顔で沙織が語り続けている。

「俺は、試されていたのか?」
 軽い怒りがこみ上げてきた。

「…でも、あのときの言葉、思いは本物です。そして、あんな展開にも京介さんは対処でき、
大変、満足の行く結果を私に下さいました」

 沙織はあのときの事を思い出したのか上気した顔で、晴れ晴れと俺に思いを語っている。

「あなたなら、私のパートナーになれる存在だと思います。だから、私の事をもっと知って欲しい、
あなたの事をもっと知りたい、独占したい!と思っているのですよ」
「そう、だったのか、沙織」
「はい、京介さん…。まことに身勝手な願いですが」

 熱く思いをぶちまける沙織の姿に俺は打たれて、無謀にも何とかしてやりたいと思った。

「俺は、平凡な人間だよ。たいしたことが出来るわけじゃねえ。でもさ、沙織には何か、してやりたくなるんだ」
「京介さん、今は…沙織を抱いて下さいませんか? この間のことが忘れられなくて」
 恥じらう沙織が愛おしい。思わず、立ち上がって、後ろから抱き締める。

「ああ、抱いてやるともさ!」
 いそいそと布団を敷いて、コンドームも用意して。

 お互い、裸になって抱き合い甘く熱いキスを貪った。
 そして、我慢できなくなった沙織は、布団に四つん這いになって、俺に陰部をさらけ出して尻を上げて
長い足の付け根にある、熱く濡れたひだを指で広げながら、

「避妊薬は飲んでありますから、沙織のここに、京介さんの熱い物をぶち込んでください。」

 その強烈な媚態に俺の陰茎は瞬時に張り詰め、反り上がった。
 沙織の素晴らしい柔らかさの尻を掴み、一気に挿入すると熱い肉壁が俺の物を迎えて、ぐっと締め付けてくるのを
押しのけて奥まで入れた。

 沙織は背筋を震わせて、感じ入ってる。

「あぁ…、いい…。」

 腰を掴み、焦らすようにゆっくり出し入れしていく。

「俺はさ、沙織。もしかしてこういうことしか期待されてないのかな」
「はぁ、ふぅ…これもあなたとの大事なこと。私と話したり、遊んだり、時には、あぁ…、難しい、ことも、
頼むかもしれません。でも、あなたが出来る範囲でしてくだされば」

 たわわな乳房を弄び、乳首を弄りながら沙織の中の磁力を帯びたようなたまらない感触を味わいつつ、

「今の俺には想像も付かないけど、はぁ…、楽しいこともあるかな?」
「あなたに抱かれて、あぁ…んんっ、私は体中が幸せでいっぱいですよ。だから、はぁはぁ、二人で出来ることは、
楽しいこと」
「そうだな、そんな気がしてきたよ、沙織」

 自信を持ってぱんぱんと沙織の溶け合ったようなような中に漲った陰茎を突き入れていくと沙織の太ももに
濃い愛液がしたたり落ちていく。

「あぁ、逞しいですわ、京介さん」

 沙織の身体を起こして、腕を掴みながらずんずんと。汗の流れる首筋を舐め、振り向いた沙織と舌を絡ませ、キス。

「京介さんの上に乗りたいです…。」
「わかった」

 俺は寝そべり、沙織は俺に跨がり、淫らな顔をして陰茎を握って挿入していた。

「手をつないで、京介さん」
 指を絡ませ、しっかり握って、沙織はぐいぐいずんずんと思うがままに俺のを弄び、歓喜の表情で喘いでる。
そんな沙織も綺麗だなと思う。
 汗だくになり、沙織は倒れ込んできたら乳房が近いので揉みながら乳首を吸ったり、舐めたりしていると膣が
反応して沙織は、ぎゅっと抱きついてきた。

「もう…、そろそろ…いいか?」
 沙織がうなずいたので、沙織の下から出て正常位に戻して抱き合い、密着しながら、激しく沙織の中を暴れ回り、
沙織の喘ぎ声に合わせて奥に突き入れ、激しく射精した。
 何かをやり遂げたような爽やかな気持ちだ。沙織にキスをして、頭を撫でてやる。
「京介さんも、気持ちよかった?」
「もちろんだよ。今もまだ俺のが余韻で痺れてるよ」
「うふふ。独りよがりじゃないですよね」
「そうだよ、沙織」
 シャワーで汗を流して、ふたりできれいに洗って出た。

 窓を開けて換気し、さっきまでのことが嘘のように沙織はお嬢様に戻っていた。
「では、お勉強のお邪魔にならないうちにおいとまします」
「沙織のこと、よくわかったよ。じゃあ、おやすみ」
 ぎゅっと抱きついてきて、キス。
「おやすみなさい、京介さん。沙織はパートナーを心待ちにしてますよ」
「ああ、じゃあな!」
 華やかな雰囲気を残して沙織は去って行った。

 窓を閉めて、気持ちを入れ替えて勉強しているが毎日生涯の約束みたいなことに
なっているが、どうなってしまうのだろうか?と思いつつ、激しい運動をした後は
自然な眠気が襲ってくるので、そんなに頑張れずに寝てしまった。
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次回、最終回。

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最終更新:2012年04月20日 20:12
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