水俣産廃情報ひろば@Wiki
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Web Master 小桃
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2009-02-20T13:31:41+09:00
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千葉県-産廃処分場設置許可取消請求判決(原告勝訴)
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- 1 -
平成19年8月21日判決言渡
平成13年(行ウ)第17号 産業廃棄物処理施設設置許可処分取消請求事件
判
決
主
文
1 本件訴えのうち原告A,同B,同C及び同Dに係る部分を却下する。
2 被告が,平成13年3月1日付けで株式会社エコテックに対して許可番号1
2-ハ-設-1号をもってした産業廃棄物処理施設の設置に係る許可を取り消
す。
3 訴訟費用は,原告A,同B,同D及び同Cに生じた費用と被告に生じた費用
の2分の1とを原告A,同B,同C及び同Dの負担とし,原告E及び同Fに生
じた費用と被告に生じたその余の費用を被告の負担とする。
事 実 及 び 理 由
第1 請求
主文第2項同旨
第2 事案の概要
本件は,被告が株式会社エコテック(以下「エコテック」という )に対し 。
て,産業廃棄物処理施設の設置許可処分(以下「本件許可処分」という )を 。
したところ,別紙1「設置場所目録」記載の前記施設の建設予定地(以下「本
件予定地」という )の周辺に居住する原告らが,本件許可処分は,廃棄物の
。
処理及び清掃に関する法律(以下「法」という )15条1項等に規定された
。
設置許可に係る要件を欠き違法であると主張して,本件許可処分の取消しを求
めている事案である。
1 法令の定め
別紙2「法令の定め」のとおりである。ただし,平成9年法律第85号
- 2 -
を以下「平成9年改正法 ,同法による改正前の法を以下「平成7年法 ,
」
」
平成12年法律第105号を以下「平成12年改正法 ,同法による改正前 」
の法を 平成9年法 平成13年法律第66号による改正前の法を以下 平
「 」,
「
成12年法 ,廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行令を以下「施行令 ,
」
」
廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行規則を以下「規則 ,一般廃棄物の 」
最終処分場及び産業廃棄物の最終処分場に係る技術上の基準を定める命令
(昭和52年総理府令,厚生省令第1号)を以下「共同命令 ,平成10年 」
総理府・厚生省令第2号を以下「平成10年改正命令 ,同命令による改正 」
前の共同命令を以下「平成5年共同命令 ,平成12年総理府・厚生省令第
」
1号を以下「平成12年改正命令 ,同命令による改正前の共同命令を以下
」
「平成10年共同命令 ,平成13年環境省令第10号による改正前の共同
」
命令を以下「平成12年共同命令」とそれぞれ略称する。
2 前提事実(末尾に証拠等の記載のない事実は,当事者間に争いがないか,明
らかに争わない事実である )。
(1) 原告らは,本件予定地と別紙3「原告ら位置関係図」のとおりの位置
関係にある肩書き住所地に居住する者らである。
エコテック(旧商号株式会社伸葉都市開発。平成12年6月20日エコテ
ックに商号変更)は,昭和63年3月14日設立の一般廃棄物及び産業廃棄
物の処理,運搬収集等の事業等を目的とする資本金2000万円の株式会社
である。
(2)ア エコテックは,平成9年改正法2条及び附則5条の施行日(平成1
。 「
」 。) ,
0年6月17日 以下 平成9年改正法施行日 という 前の同月8日
被告に対し,本件予定地に,施行令7条14号ハ所定の産業廃棄物の最終
処分場(いわゆる管理型最終処分場。以下「本件処分場」という )の設 。
置許可申請(以下「本件許可申請」という )をした。 。
イ 被告は,平成11年4月27日,エコテックに対し,本件処分場の設置
- 3 -
を許可しない旨の処分をした。
ウ エコテックは,前記不許可処分について,厚生大臣(当時)に対し,行
政不服審査請求を行い,厚生大臣は,平成12年3月30日付けで,前記
不許可処分を取り消す旨の裁決をした。
エ 被告は,平成12年改正法施行日(平成12年10月1日)後の平成1
3年3月1日付けで,エコテックに対し,本件許可処分をした。
(3) 本件処分場の設置計画の概要
別紙4「本件処分場概要」のとおり。
3 争点
(1)ア 本件許可処分に当たり適用すべき法の規定
イ 各原告の原告適格の有無
(2)ア 本件処分場の平成12年法15条の2第1項1号の技術上の基準適
合性について
(ア) 平成12年共同命令2条1項4号,1条1項4号イ違反の有無
(イ) 平成12年共同命令2条1項4号,1条1項5号について
a(a) 同号イ(1)違反の有無
(b) 同号イ(2)違反の有無
(c) 同号イ(3)違反の有無
b 同号ハ違反の有無
c 同号ニ違反の有無
d 同号ホ違反の有無
e 同号へ違反の有無
イ 平成12年法15条の2第1項2号(周辺地域の生活環境保全について
の適正な配慮に係る部分)違反の有無
ウ 平成12年法15条の2第1項3号,平成12年規則12条の2の3第
2号(産業廃棄物処理施設を設置及び維持管理する経理的基礎)違反の有
- 4 -
無
エ 平成12年法15条の2第1項4号,14条3項2号イ,7条3項4号
ホ(業務に関し不正又は不誠実な行為をするおそれがあると認めるに足り
る相当の理由がある者)違反の有無
オ 平成12年法15条3項ないし6項に規定する手続の要否
4 争点に関する当事者の主張
別紙5「当事者の主張」のとおり。
第3 当裁判所の判断
1 争点(1)ア(適用法規)について
(1) 本件では各争点において本件許可処分に当たり適用すべき法の規定に
ついて争いがあるため,まずこれを検討する。
(2) 前記第2の1の法令の定め及び前記第2の2(2)の事実によれば,
, ,
原告らは平成9年改正法施行日前に本件許可処分を申請したところ その後
平成9年改正法の施行を経て,平成12年改正法が施行された後に,被告が
本件許可処分をしたことが認められる。
平成9年改正法附則5条1項は,附則1条1号に掲げる規定(平成7年法
を改正する平成9年改正法2条の規定及び附則5条を含む )の施行日(平 。
成10年6月17日)前に,平成7年法15条1項の規定によりされた許可
の申請であって,同号に掲げる規定の施行の際,許可又は不許可の処分がさ
れていないものについての許可又は不許可の処分については,なお従前の例
によると規定している。
そうすると,平成9年改正法附則5条1項の規定する経過措置によると,
前記第2の2(2)の事実のとおり,本件許可処分の申請は,平成10年6
月8日に平成7年法15条1項の規定によりされた許可の申請であって,平
成9年改正法附則1条1号に掲げる規定の施行の際,許可又は不許可の処分
がされていないものであるから,その許可又は不許可の処分を行うに当たっ
- 5 -
ては,平成7年法が適用される。
一方,平成12年改正法は,附則4条で,同法施行前に平成9年法15条
1項又は15条の2第1項の規定によりされた許可の申請であって,この法
律の施行の際許可又は不許可の処分がされていないものについての許可又は
不許可の処分については,平成12年法15条の2第2項の規定は適用しな
い旨を規定し,平成12年改正法附則6条でその他の経過措置は政令で定め
る旨を規定しているが,同条の委任を受けた施行令においては,産業廃棄物
処理施設の設置許可に係る経過措置は規定されていない。これは,平成12
年改正法は,廃棄物を適正に処理するために必要な施設の整備が進まず,悪
質な不法投棄等の不適正処分が増大するなどの深刻な状況を踏まえて,廃棄
物について適正な処理体制を整備し,不適正な処分を防止するための改正を
するものであるから,平成12年改正法附則は,廃棄物の不適正な処分を防
止するために規制を強化するものについては,政策上経過規定を設けなかっ
たものと解される。
したがって,平成12年改正法によって平成9年法を実質的に改正した平
成12年法の規定については,原則どおり,平成12年改正法施行の際,許
可又は不許可の処分がされていない産業廃棄物処理施設設置許可の申請につ
いての許可又は不許可の処分であっても,平成12年改正法附則4条の場合
を除き,平成12年法の規定が適用される。
もっとも,平成12年改正法は,平成9年改正法附則5条1項に規定した
経過措置を改正する旨の規定を設けていない。そうすると,一部改正法令の
施行後も,一部改正法令の附則において定められた改正された法令に係る経
過措置については,もとの法令自体が廃止又は全部改正されるか若しくは経
過措置を定めた附則の規定自体が改正されない限り,その効力を失わないと
解されるから,平成9年改正法附則5条1項に規定された経過措置は,平成
12年改正法の施行にかかわらず,いまだ効力を失っていないというべきで
- 6 -
ある。
(3) 以上によれば,本件許可処分に当たっては,産業廃棄物処理施設の設
置許可に関する規定のうち,1 平成9年改正法附則5条1項に規定された
( 「 」
経過措置により平成7年法が適用される規定及び規定の一部 以下 規定等
という )については,平成12年改正法の規定にかかわらず平成7年法の
。
規定等が適用され,平成9年改正法及び平成12年改正法に係る規定は適用
されない。2 平成12年改正法に係る規定のうち,附則4条により平成1
2年法15条の2第2項の規定は適用されず,3 これらを除く平成9年法
を実質的に改正した平成12年法の規定等が適用されることになるというべ
きである。
以下の争点については,これを前提に検討する。
2 争点(1)イ(原告適格)について
(1) 行政事件訴訟法9条は,取消訴訟の原告適格について規定するが,同
条1項にいう当該処分の取消しを求めるにつき「法律上の利益を有する者」
,
,
とは 当該処分により自己の権利若しくは法律上保護された利益を侵害され
又は必然的に侵害されるおそれのある者をいうのであり,当該処分を定めた
行政法規が,不特定多数者の具体的利益を専ら一般的公益の中に吸収解消さ
せるにとどめず,それが帰属する個々人の個別的利益としてもこれを保護す
べきものとする趣旨を含むと解される場合には,このような利益もここにい
う法律上保護された利益に当たり,当該処分によりこれを侵害され又は必然
的に侵害されるおそれのある者は,当該処分の取消訴訟における原告適格を
有するものというべきである。そして,処分の相手方以外の者について前記
の法律上保護された利益の有無を判断するに当たっては,当該処分の根拠と
なる法令の規定の文言のみによることなく,当該法令の趣旨及び目的並びに
当該処分において考慮されるべき利益の内容及び性質を考慮し,この場合に
おいて,当該法令の趣旨及び目的を考慮するに当たっては,当該法令と目的
- 7 -
を共通にする関係法令があるときはその趣旨及び目的をも参酌し,当該利益
の内容及び性質を考慮するに当たっては,当該処分がその根拠となる法令に
違反してされた場合に害されることとなる利益の内容及び性質並びにこれが
害される態様及び程度をも勘案すべきものである(同条2項参照 (最高裁 )
平成16年(行ヒ)第114号同17年12月7日大法廷判決・民集59巻
10号2645頁参照 。)
平成7年法15条2項2号は,産業廃棄物処理施設である最終処分場の設
置により周辺地域に災害が発生することを未然に防止するため,都道府県知
事が産業廃棄物処理施設設置許可処分を行うについて,産業廃棄物処理施設
が「産業廃棄物の最終処分場である場合にあっては,厚生省令で定めるとこ
ろにより,災害防止のための計画が定められているものであること」を要件
として規定しており,同号を受けた規則(平成10年厚生省令第31号によ
る改正前のもの)12条の3は,災害防止のための計画において定めるべき
事項を規定している。また,平成7年法15条2項1号は,産業廃棄物処理
施設の設置許可につき,申請に係る産業廃棄物処理施設が「厚生省令(産業
廃棄物の最終処分場については,総理府令,厚生省令)で定める技術上の基
準に適合していること」を要件としているが,この規定は,同項2号の規定
と併せ読めば,周辺地域に災害が発生することを未然に防止するという観点
からも前記の技術上の基準に適合するかどうかの審査を行うことを定めてい
るものと解するのが相当である。そして,人体に有害な物質を含む産業廃棄
物の処理施設である管理型最終処分場については,設置許可処分における審
査に過誤,欠落があり有害な物質が許容限度を超えて排出された場合には,
その周辺に居住等する者の生命,身体に重大な危害を及ぼすなどの災害を引
き起こすことがあり得る。前記のような法の規定の趣旨・目的及び前記の災
害による被害の内容・性質等を考慮すると,法は,管理型最終処分場につい
て,その周辺に居住等し,当該施設から有害な物質が排出された場合に直接
- 8 -
的かつ重大な被害を受けることが想定される範囲の住民の生命,身体の安全
等を個々人の個別的利益としても保護すべきものとする趣旨を含むと解する
のが相当である。
したがって,管理型最終処分場の周辺に居住等する住民のうち,当該施設
から有害な物質が排出されることにより生命又は身体等に係る重大な被害を
直接に受けるおそれのある者は,当該施設設置許可の取消しを求めるにつき
法律上の利益を有する者として,その取消訴訟における原告適格を有するも
のというべきである。
そして,原告らの居住等する地域が前記被害が想定される範囲か否かは,
本件処分場の種類,規模,本件予定地周辺の地形,予想される災害の規模,
範囲,原告らの居住等する地域の状況,原告らの生活状況,本件処分場との
位置関係等の具体的な諸条件を考慮に入れた上で,社会通念に照らして合理
的に判断すべきである。もっとも原告適格の有無は訴訟要件であり,訴訟の
入り口の段階で行われるべきものであることからすれば,その判断は社会通
念による概括的な程度で足りるものと解するべきである。
(2) 証拠及び弁論の全趣旨によれば以下の事実が認められる。
ア 本件処分場で処分される産業廃棄物により排出されると予想される有害
物質の種類は,別紙6の1「処理工程と処理水目標値及び処理水の水質」
「 (
)
」
の 埋立廃棄物 焼却灰及びばいじん主体 よりの浸出水に含まれる状態
欄で含まれる旨の記載のある同別紙の「項目」欄の有害物質のとおりであ
る。これらは,一般に人体に摂取すると急性又は慢性の各種中毒症状を引
き起こすほか,発ガン性,生殖毒性等を有するものと考えられている。な
お,ダイオキシン類が多量に含まれる飛煤については,本件処分場の受入
品目から除外されている。
イ(ア) 本件予定地付近の地層構成は,別紙7「地層構成図」のとおりで
あり,第1砂質土(Ds1)層は標高約32メートルから約51メート
- 9 -
ル前後に分布している透水層で,地下水を豊富に含んでおり,その水位
は本件予定地の台地部で約38メートルないし39メートル,本件予定
地の谷部で約35メートルから37メートルである。
(イ) 本件予定地は,飯岡台地と呼ばれる洪積台地内の忍川によって開
析された沖積低地に向かう谷の部分にある。飯岡台地は周囲を急崖に囲
,
, ,
まれ 台地面の高度は全体として南側から北西側に傾いており 標高は
最高56メートルであり,北東に向かって緩く傾斜している。おおむね
別紙3「原告ら位置関係図」の赤線囲み枠内が飯岡台地である。
飯岡台地全体の平均的な地層構成は,前記(ア)の本件予定地付近の
地質とおおむね同様である。
ウ 本件処分場に搬入される焼却煤その他の産業廃棄物については,あらか
じめ加湿若しくは固化した上で有蓋車両を使用させること,又は,荷台を
シートで覆って運搬させて,運搬中の産業廃棄物の落下や飛散の防止対策
を講じること,加湿に当たり水分過剰により汚水が漏水しないように配慮
すること,埋立作業中に適宜散水して産業廃棄物の乾燥及び飛散を防止す
ること,産業廃棄物を本件処分場内に投入した当日に覆土すること等の対
策を採る計画となっている。
(3)ア 前記第2の2(3)の事実及び前記(2)認定の事実によれば,本
件許可処分における審査に過誤,欠落があり,本件処分場の水処理施設や
遮水工が十分に機能せず,本件処分場の浸出水が,本件処分場外に漏れ出
す災害が発生した場合,本件予定地周囲の地下水が浸出水により汚染され
るところ,本件予定地周辺の地下水を保有するDs1層は,別紙3「原告
ら位置関係図」の赤線囲み枠内の飯岡台地においておおむね同一の地層を
形成しており,本件予定地周囲の地下水は,同別紙の赤線囲み枠内の飯岡
台地全体に流入している可能性を否定できない。そうすると,飯岡台地内
に居住等し,地下水を生活用水や農業用水等に直接利用している者につい
- 10 -
ては,本件処分場から人体に有害な物質を含有する浸出水が許容限度を超
えて排出された場合に,生命又は身体等に係る重大な被害を直接に受ける
おそれがあるから,本件許可処分の取消しを求める原告適格を有するとい
うべきである。
イ また,前記第2の2の事実及び前記(2)認定の事実によれば,有害物
質を含んだ焼却灰が大気中に飛散した場合には,本件処分場と隣接した一
,
,
定の地域に居住し又は農業に従事するなどし そのような大気を一定程度
継続的に吸引する環境にある者については,生命又は身体等に係る重大な
被害を直接に受けるおそれがあるから,本件許可処分の取消しを求める原
告適格を有するというべきである。
ウ 一方,原告らは,1 本件処分場へ通行する大型車両との交通事故があ
,
,
った場合 2 本件予定地付近を水源とする忍川を将来上水道の水源とし
この水を飲用する場合,3 浸出水により汚染された地下水を農業用水と
して生育した農作物を摂取した場合などにも,生命又は身体等に係る重大
な被害を直接に受けるおそれがある旨を主張する。しかしながら,大型車
両の通行自体が直ちに原告らの生命身体に直接に危険を及ぼす性質のもの
ということはできないこと,忍川は本件許可処分当時から現在に至るまで
上水道の水源となっているものではないこと,管理型最終処分場の浸出水
により汚染された地下水を農業用水として生育した農作物を摂取した場合
に,人体にいかなる影響があるのか本件証拠上明らかでないことなどから
すれば,前記1ないし3の場合に,原告らが生命又は身体等に係る重大な
被害を直接に受けるおそれがあるとまでいうことできない。
(4)ア 前記第2の2(1)の事実,証拠及び弁論の全趣旨によれば,原告
Eは,別紙3「原告ら位置関係図」の赤線囲み枠内の飯岡台地の肩書き住
所地に居住して,そこでカーネーションの栽培を行っており,井戸からく
み上げた地下水を生活用水及び農業用水として利用していること,原告F
- 11 -
は同別紙の赤線囲み枠内の飯岡台地上の肩書き住所地に居住して,本件予
定地付近で水田の耕作を行っているところ,そのために水田近くの湧水を
配水管で水田に送水し利用していることが認められ,この湧水は飯岡台地
の地下水が湧水したものである蓋然性が高いというべきであるから,本件
処分場から有害な浸出水が排出された場合に,生命又は身体等に係る重大
な被害を直接に受けるおそれがあるし,前掲証拠によれば,原告Fは,本
件処分場から約600メートルの地域に居住し,本件処分場から約200
メートルの地域で畑を耕作していることが認められることからすれば,焼
却灰を含んだ大気を一定程度,継続的に吸引した場合については,生命又
は身体等に係る重大な被害を直接に受けるおそれがあるというべきであ
る。
したがって,原告E及び同F(以下「原告Eら」という )については 。
本件許可処分の取消しを求める原告適格を有するというべきである。
イ 他方,証拠及び弁論の全趣旨によれば,原告A,同B及び同Cは,飯岡
台地内に居住しているものの,地下水を生活用水又は農業用水に利用して
いないことが認められ,また,原告Dについては飯岡台地内に居住せず,
飯岡台地内の地下水を生活用水又は農業用水に利用していないことが認め
られるから,本件処分場から有害な浸出水が排出された場合に,生命又は
身体等に係る重大な被害を直接に受けるおそれがあると認めることはでき
ない。
また,焼却灰の飛散に対しても,前記(2)ア及びウのとおり,本件処
分場の焼却灰には多量のダイオキシン類は含まれない計画であること,本
件処分場においては焼却灰の飛散対策が相当程度採られる計画となってい
ることなどからすれば,本件処分場と原告A,同B,同C及び同Dの居住
場所との位置関係からして,これらの者について,焼却灰の飛散により,
生命又は身体等に係る重大な被害を直接に受けるおそれがあるとまで認め
- 12 -
ることはできない。
したがって,原告A,同B,同C及び同Dについては,本件許可処分の
取消しを求める原告適格を有さないというべきである。
3 本件許可処分に当たり適用すべき共同命令(別紙2「法令の定め」8枚目参
照)の規定及び審査すべき技術上の基準適合性について(争点(2)ア共通)
(1) 本件許可処分に当たり適用すべき共同命令の規定について
争点(2)アの各争点について本件許可処分に当たり適用される共同命令
の規定について争いがあるので,まずこれを検討する。
ア 平成7年法15条2項1号は 「厚生省令(産業廃棄物の最終処分場に
,
ついては,総理府令,厚生省令)で定める「技術上の基準」に適合してい
ること 」と定め,同処分場の技術的水準については共同命令によるべき
。
ことを明らかにし,これは平成12年法15条の2第1項1号でも実質的
に改正されていないことから,本件処分場の技術的水準が充足されている
かどうかについては,共同命令で定める要件を満たしているか否かにより
判断されることになる。
そして,本件処分場は,前記のとおり,平成7年法15条1項の許可を
申請している者の管理型最終処分場に該当することから,平成10年改正
命令附則5条3項の規定が適用される。
平成10年改正命令附則5条3項は,既存管理型最終処分場に関する経
過措置について,別紙2「法令の定め」13枚目の平成10年改正命令の
附則欄のとおり規定しており,平成11年6月17日以後における既存管
理型最終処分場の技術上の基準については,1 平成10年共同命令1条
1項4号から6号までの規定については,平成10年共同命令1条1項4
号,5号イ(3)及びヘ並びに6号並びに平成5年共同命令1条1項5号
イ及びロの規定の例により適用され,2 平成10年共同命令1条1項4
号,5号イ(3)及びヘ並びに6号の規定については,別紙2の2「経過
- 13 -
措置に係る共同命令の定め」の「平成10年共同命令」欄のとおりと読み
(
,
替えることになる 平成10年共同命令1条1項5号ヘの規定については
浸出液処理設備に係る「法8条第2項7号に規定する廃棄物処理施設の維
持管理に関する計画に放流水の水質について達成することとした数値が定
められている場合における当該数値」については適用されない 。これ 。)
らの経過措置については,平成12年改正命令においても,改正されてお
らず,その効力はいまだ失われていない。
もっとも,平成12年共同命令1条1項5号への規定は,浸出液処理設
備について,平成10年共同命令1条1項5号ヘで規定された排水基準等
に加えて,ダイオキシン類対策特別措置法施行規則(平成11年総理府令
第67号)別表第2の下欄に定めるダイオキシン類の許容限度に適合させ
るとの要件を加える改正がされたから,平成12年共同命令1条1項5号
への規定のうち,浸出液処理設備に係る前記ダイオキシン類の許容限度の
要件は,適用される。
イ したがって,本件許可処分において適用される共同命令1条1項の規定
のうち共同命令2条1項4号で例によるべき規定は,本件で争点に関係し
ない平成10年共同命令1条1項1号を除外すると,同項4号,5号イ
(3 ,ヘ,6号及び平成12年共同命令1条1項5号ヘ(ただし,ダイ
)
オキシン類対策特別措置法施行規則(平成11年総理府令第67号)別表
第2の下欄に定めるダイオキシン類の許容限度の部分に限る )並びに平 。
成5年共同命令1条1項5号イ及びロになるというべきである(別紙2の
2「経過措置に係る共同命令の定め」の下線部分の規定 。)
(2) 本件許可処分に当たり審査すべき技術上の基準適合性について
法は,産業廃棄物最終処分場について,その設置許可を受けた者は,設置
許可後に都道府県知事の検査(以下「使用前検査」という )を受け,当該 。
産業廃棄物処理施設が法15条2項1号に規定する技術上の基準に適合して
- 14 -
いると認めた後でなければこれを使用できず(平成7年法15条4項 ,使 )
用開始後は,共同命令(環境省令)で定める技術上の基準に従い,当該産業
廃棄物処理施設を維持管理しなければならず(平成12年法15条の2の
2 ,施設の構造及び維持管理が,前記各技術上の基準に適合しないときは
)
当該産業廃棄物処理施設の設置許可を取り消すことができ(平成12年法1
5条の3 ,あらかじめ当該最終処分場の状況が環境省令で定める技術上の
)
基準に適合していることについて都道府県知事の確認を受けたときに限り当
(
,
該最終処分場を廃止することができる 平成12年法15条の2の4第3項
平成12年法9条5項)旨を定めている。このように,法は前記各規制が段
階的に行われることを予定して最終処分場の技術上の安全性を担保している
ことからすれば,設置許可の段階における技術上の基準に係る審査において
は,専ら,使用前検査によって確認すべき事項や,使用開始後の実際の維持
管理において規制されるべき事項,廃止時の規制に係る事項については,そ
の対象とはならないと解すべきである。
4 争点(2)ア(ア (擁壁等の設置)について
)
(1)ア 前記第2の2(3)の事実,証拠及び弁論の全趣旨によれば以下の
事実が認められる。
(ア) 本件処分場は,盛土による堰堤で廃棄物の流出を防止する構造と
なっているところ 一般に盛土の安全性 耐力 は 盛土の構造計算 安
, ( ) , (
定計算)によって求められる。
本件処分場の土堰堤の安定計算は,円弧すべり面を仮定した分割法を
用いて行っている。これは,すべり面上の土塊をいくつかのスライスに
分割し,各スライスで発揮されるせん断力(すべり落ちようとする力)
と抵抗力(滑り落ちるのを支える力)を求め,それぞれを累計し,その
比率によって安全率を求めるものであり,安全率(Fs)は以下の算式
によって求められる。
- 15 -
Fs= RΣ{CL+(W・cosα-Ub・cosα)tanφ}
RΣW・sinα
R:すべり円弧の半径(メートル)
C:粘着力(KN/平方メートル)
L:スライス底面の長さ(メートル)
W:スライスの全重量(KN/メートル)
α:スライス底面が水平面となす角度(度)
U:スライス底面に作用する間隙水圧(KN/平方メートル)
b:スライスの幅(メートル)
φ:内部摩擦角(度)
(イ) 本件予定地の地盤調査報告書等に基づき,各層の土質定数(飽和
単位体積重量,湿潤単位体積重量,内部摩擦角及び粘着率等)を求め,
この数値を基に前記算式によって,本件処分場の土堰堤のすべり面ごと
に安全率を求めると,土堰堤全体の最小の安全率は1.505であり,
法面の最小の安全率は1.386となる。
イ 前記ア認定事実及び証拠によれば,一般に盛土の安全率は常時で1.2
ないし1.3以上が標準とされているから,本件処分場の土堰堤の安全率
はこれを上回るものであって,十分な安全性を有するものというべきであ
る。
(2)ア 原告らは,1 最終処分場の土堰堤の工事と道路工事等の盛土工事
が同じ計算方法で足りる根拠が不明であること,2 最終処分場の土堰堤
の安全率の標準値は道路工事とは別個の考慮が必要であること,3 本件
予定地が地下水を含む地層を有する点を考慮していないことなどから十分
な耐力,安全性を有していない旨を主張する。
, ( ) ,
,
しかしながら 前記 1 認定の事実 証拠及び弁論の全趣旨によれば
- 16 -
1 最終処分場の土堰堤の工事と道路工事の盛土工事は同様の土工事であ
り,力学的にも同様のものであると認められること,2 最終処分場の設
置方法等を解説した指針解説においても道路工事等を同種の工事と考えて
道路工事の安全率と同様の値が基準値として示されていること,3 本件
処分場の安定計算においては,本件予定地の地盤調査報告書に基づき本件
予定地の地下水位を算定し,地下水による影響を考慮して土質定数を算出
していることが認められ,原告らの前記主張はいずれもその前提を誤った
ものである。
イ また,原告らは本件予定地の基礎地盤が十分な強度を有しておらず,堰
堤の自重に対して安全ではない旨を主張する。
しかしながら,証拠及び弁論の全趣旨によれば,1 本件予定地の谷部
が本件処分場の底部となる予定であるところ,その支持地盤は,建設工事
の際に本件予定地の谷部を掘削し,Ds2層(洪積第2砂質土層)となる
予定であること,その地盤強度は,本件予定地の地盤調査の際に行われた
孔内水平載荷試験(ボーリング孔の壁面を加圧し,そのときの圧力と変形
量から地盤の変形特性と強度特性を求めるもの)によれば,本件予定地の
Ds2層の降伏圧は,112.5t/平方メートルであり,産業廃棄物の
単位体積重量を一般的な2.0t/立方メートルとすると,埋立高約56
メートルの産業廃棄物の荷重に耐えられる計算であること(本件処分場の
埋立高は24メートルから25メートルの間となる計画である ,2 。)
本件予定地の谷部のDs2層のN値(N値とはその層における土の固さを
。 ,
。)
いう なお 一般に砂質土の軟弱地盤は10から15以下とされている
は,平成10年5月の地盤調査時で12ないし50(モデル的な地盤で2
2程度 ,同年10月の地盤調査時は12ないし24(平均15)である
)
こと,3 本件予定地の掘削後,支持基盤の平板載荷試験(地盤に設置し
た円状の鉄板に荷重を加えて地盤の沈下量を測定する作業を荷重を増やし
- 17 -
ながら行って地盤の支持力を算定する試験)を実施する予定であり,その
結果,地盤の強度不足や著しい不均一が確認された場合,これを補うため
支持基盤の土を良質土に置き換えるなどして補強工事を行い必要な強度及
び連続性を有する支持基盤とすることが可能であることが認められること
,
,
などによれば 設置許可の段階における技術上の基準に係る審査としては
支持基盤の強度及び連続性は堰堤の自重に対して十分な耐力を有する計画
となっているというべきである。
ウ さらに,原告らは本件処分場の土堰堤は地下水の水圧に対して十分な考
慮をしてない旨を主張するが,前記第2の2(3)及び後記5(2)アの
とおり,本件処分場は地下水集排水管を張り巡らせ,排水ポンプで地下水
を集めて排水することで地下水位を強制的に下げる計画であるから,地下
水の水圧に対して十分な考慮をした計画であるというべきである。
エ 以上によれば,原告らの主張はいずれも採用できない。
5 争点(2)ア(イ)a(a (遮水層の要件)について
)
( ) ( ) ,
( )
1 ア 前記3 1 判示のとおり 平成12年共同命令1条1項5号イ 1
の規定は,本件許可処分に当たっては適用されないから,技術上の基準と
はならず,平成5年共同命令1条1項5号イを充足しているかどうかが問
題となる。
イ(ア) 本件処分場の遮水工の構造は,前記第2の2(3)のとおり,上
層の遮水シート(HDPEシート(高密度ポリエチレンシート )の上 )
には保護層(法面部は遮光性短繊維不織布,底盤部は厚さ500ミリメ
ートルの保護覆土 が敷設され 下層の遮水シート EPDMシート 加
) , ( (
硫ゴム系シート )については,上層のHDPEシートと下層のEPD
)
Mシートとの間に敷設される保護層(法面は短繊維不織布,底盤部は厚
さ300ミリメートルの砂層)が敷設され,更にその下部に厚さ500
(
)
ミリメートルの粘性土ライナー 粘性土とベントナイトを混合したもの
- 18 -
が敷設されるのであり,二重の遮水シートに,更に粘性土ライナーが付
加されている。
( ) , (
)
イ 証拠によれば 各遮水シート HDPEシートとEPDMシート
は,強度,耐熱性等において日本工業規格の標準規格に適合した最終処
分場用に用いられている製品を使用する予定であること,平成10年7
月16日付け環水企第301号・衛環第63号「一般廃棄物の最終処分
場及び産業廃棄物の最終処分場に係る技術上の基準を定める命令の運用
に伴う留意事項について」と題する通知(この通知自体は,平成10年
改正命令の施行に係る留意点を通知したものである )によれば,施行 。
作業及び埋立作業によりその表面に傷が発生した場合においても十分な
強度及び遮水性を確保すること並びに補修等を可能とすることを考慮し
て,アスファルト系以外を材質とする遮水シートについては,1.5ミ
リメートル以上とすることとされているところ,本件の遮水シートはい
ずれも1.5ミリメートルを用いる計画であることなどが認められるか
ら,十分な強度及び遮水性を有するものということができる。
(ウ) 前掲証拠及び弁論の全趣旨によれば,粘性土ライナーの設置自体
は,本件許可処分に係る技術上の基準では要求されていないが,一般的
には,遮水性能として透水係数が毎秒10ナノメートル(1×10のマ
イナス6乗センチメートル/秒)以下程度が要求されている(平成10
年改正命令によって,厚さが50センチメートル以上であり,かつ,透
水係数が毎秒10ナノメートル以下である粘土その他の材料の層の表面
に遮水シートが敷設されていることが要件とされた(平成10年共同命
令1条1項5号イ(1 (イ )こと,本件処分場に設置される粘性土
) ))
, ( )( ( ) )
ライナーについては 前記第2の2 3 別紙4のうち3 2 部分
) ( ) ,
,
及び別紙4の5 及び前記 ア のとおり 厚さ500ミリメートルで
透水係数毎秒10ナノメートル以下の性能を満たすものを用いる計画と
- 19 -
なっていることが認められるから,粘性土ライナーは,十分な強度及び
遮水性を有するものということができる。
ウ 以上によれば,本件処分場に敷設される遮水シート及び粘性土ライナー
の性能,敷設方法等に照らし,本件処分場の遮水工の構造は,十分な強度
及び遮水性を有する計画であるといえ,埋立地からの浸出液による公共の
水域及び地下水の汚染を防止するため,保有水等の埋立地からの浸出を防
止することができる遮水工を設ける計画となっているというべきである。
(2) 原告ら主張の遮水工に係る問題点について
ア 原告らは,1 本件処分場の遮水工は,地下水の有効な排水が行われな
かった場合,遮水シート自体に水圧がかかり破損するおそれがあること,
2 粘性土ライナーが地下水と接触して欠損し,遮水シートと基礎地盤と
が接触して遮水シートが破損するおそれがあること,3 地下水によって
遮水工の周囲が洗掘され沈下がおきることなど,地下水の影響による遮水
工の問題点を主張する。
( ),
, ,
前記第2の2 3 証拠及び弁論の全趣旨によれば 本件処分場では
遮水工が地下水によって浸食されることがないよう,遮水工の下部及び周
辺に地下水集排水管を張り巡らせ,排水ポンプで地下水を集めて排水し,
地下水位を強制的に下げて地下水が遮水工に接触するのを防止する計画と
なっていること,地下水集排水設備は,埋立区域を包み込むように枝状に
敷設された地下水集排水管により,地下水を処分場中央の集水塔へ集め,
ポンプにより排水する構造となっていること,地下水集排水管の断面につ
いては,一般に最小管径は15センチメートル程度を目安に設定するのが
望ましいとされているところ,本件処分場の地下水集排水管の管径につい
ては,底面部幹線では100センチメートル,底面及び小段部では25セ
,
,
ンチメートル 法面では20センチメートルとする計画となっていること
地下水集排水管の間隔については,一般に暗渠については20メートル間
- 20 -
隔程度をめどに,埋立地の地形,地質,土質並びに地下水集排水区域の面
積等を勘案して決定することとされているところ,本件処分場の地下水集
排水管の配置状況については,埋立区域を包み込むように枝状に敷設され
ており,本件処分場内の各地点から概ね20メートル以内に地下水集排水
管が敷設されていること(なお,地下水集排水管の間隔を施工前の計算に
よって確定することは困難であって,地下水の効果的な集排水を実現する
ため,実際に地下水集排水管を敷設する段階でその配置を変更する必要が
生じた場合には変更する予定である ,被告は,使用前検査において,
。)
地下水集排水管敷設工事施工中に集排水管の配置状況を検査・確認するこ
ととしていることなどからすれば,地下水は有効な排水が行われる計画と
なっていると認められるから,地下水の有効な排水が行われなかった場合
を前提とした主張はその前提を欠いたものであって採用できない。
イ また,原告らは,設置工事又は使用開始後の経年劣化など様々な原因に
より遮水シートが破損する可能性があること,破損が発見された場合の工
事方法,費用についても実証的な裏付けがないことから,遮水工が保有水
等の埋立地からの浸出を防止することができないことを主張する。
本件で使用予定の遮水シートは,前記(1)認定の事実,証拠及び弁論
の全趣旨によれば,前記(1)判示のとおり,十分な強度及び遮水性を有
し,かつ,破損が生じた場合には補修等が可能なものであると認められる
ところ,これを超えた設置工事又は使用開始後の経年劣化等による遮水シ
ートの破損可能性,破損が発見された場合の具体的な工事方法及びその費
用の裏付けの有無などは,専ら使用前検査又は使用開始後の維持管理上の
問題であって,設置許可の段階における技術上の基準に係る審査の対象事
項ではないというべきであるから,原告らの主張は採用できない。
ウ さらに,原告らは漏水検知システムの問題点を主張する。
しかしながら,漏水検知システムは,設置自体が本件許可処分に係る技
- 21 -
術上の基準として求められているものではなく,また,計画段階において
その性能を発揮できないなどの不合理な点は認められないところ,原告の
主張はいずれもこれを超えて使用前検査又は使用開始後の維持管理上の問
題など設置許可の段階における技術上の基準に係る審査の対象外の事項を
主張するものというべきであるから採用できない。
(3) 以上によれば,本件処分場の遮水工は,共同命令所定の技術上の基準
に適合したものであって,原告の主張は理由がない。
6 争点(2)ア(イ)a(b (基礎地盤)について )
( ) ,
( )( )
前記3 1 判示のとおり 平成12年共同命令1条1項5号イ ハ 2
の規定に係る要件は,本件許可処分の技術上の基準にはならないから,これを
違法事由とする原告らの主張は失当であるというべきである。
7 争点(2)ア(イ)a(c (遮水層の表面の覆い)について
)
前記第2の2(3 ,証拠によれば,本件処分場の遮水工の表面は,法面部
)
においては表面保護層(表面保護マット)については,遮光性を有するものを
使用し,底盤部においては500ミリメートルの保護覆土を施す計画となって
おり,遮水シートの劣化を防止するための必要な遮光の効力を有する不織布又
はこれと同等以上の遮光の効力及び耐久力を有する物で覆う計画であることが
認められるから,共同命令所定の技術上の基準に適合したものということがで
きる。
この点,原告らは,工事の際に不具合が生じる可能性があること,使用開始
後に風雨,工事又は埋立ての際の過誤等により表面保護マットがはがれたりす
るおそれがある旨を主張するが,いずれも専ら使用前検査又は使用開始後の維
持管理上の問題であって,設置許可の段階における技術上の基準に係る審査の
対象事項ではないというべきであるから,原告の主張は採用できない。
8 争点(2)ア(イ)b(地下水集排水設備)について
前記3(1)判示のとおり,本件許可処分に当たっては,平成12年共同命
- 22 -
令2条1項4号,1条1項5号ハの適用はなく,本件許可処分に係る技術上の
基準とはならないから,これに違反することをいう原告らの主張は失当である
というべきである。
9 争点(2)ア(イ)c(保有水等集排水設備)及びd(調整池)について
(1) 前記3(1)判示のとおり,本件許可処分に当たっては,浸出水集排
水設備については平成12年共同命令2条1項4号,1条1項5号ニ及びホ
の規定の適用はなく,平成5年共同命令1条1項5号ロの規定のみが適用さ
れる。
(2)ア 前記第2の2(3 ,証拠及び弁論の全趣旨によれば,浸出水排水
)
設備については,1 浸出水集排水管幹線(口径600ミリメートル ,)
底盤部浸出水集排水管枝管(口径250ミリメートル ,法面部浸出水集 )
排水管(口径200ミリメートル)を別紙4の6「浸出水集水管平面図」
のとおり配置しており,浸出水は,埋立地の底面に敷設された法面部浸出
水集排水管,底盤部浸出水集排水管枝管及び浸出水集排水管幹線に集めら
れること,集排水管として高密度プレスト管を使用すること,浸出水集排
水管の周辺を包み込むように砕石の被覆材を施しており,目詰まりを防止
する計画となっていることが認められる。
イ また,証拠及び弁論の全趣旨によれば,集排水管(高密度プレスト管)
, ,
,
の強度については 一般にプレスト管は 継手部からの漏水を防止したり
計画した通水断面を十分に確保するため等の必要から,許容たわみ率は管
の外径の8パーセントまでとされているところ,本件では,地質調査から
得た土質定数の数値から土の単位体積重量と内部摩擦角を算出し,埋立完
了時の盛土高を30メートルとした場合の土圧を算出し,これに基づき本
件のプレスト管のたわみ率を算出すると,600ミリメートル管が4.9
4パーセント,250ミリメートル管が4.60パーセントとなることが
認められるから,本件のプレスト管は十分な耐力を有するものということ
- 23 -
ができる。
(3)ア 原告らは,被告が採用した浸出係数は不当に低く,0.9を採用す
べきであって,同数値を基礎とした場合には,本件処分場の保有水等調整
池(浸出水原水貯留槽)の容量では埋立区域内に浸出水が滞留することに
なる旨を主張する。
しかしながら,前記(1)のとおり,そもそも本件許可処分に当たって
は,浸出水排水設備については平成12年共同命令2条1項4号,1条1
項5号ホの規定の適用はないから,保有水等調整池(浸出水原水貯留槽)
の容量は技術上の基準として要求されず,原告の主張は失当というべきで
ある。
イ なお,前記第2の1(3 ,証拠によれば,本件処分場は,浸出水の発
)
生面積を現に埋立て作業中の1ブロック(5000平方メートル以下)部
分に限定することができる計画となっており,これを前提として,本件処
分場における浸出水の発生見込量(Q)を,以下の数式に基づき算出し,
水処理施設処理量を15.0立方メートル/日,20.0立方メートル/
日,25.0立方メートル/日の中で最も控え目な数値である15.0立
方メートル/日として水収支を計算しても,浸出水原水貯留槽の必要調整
容量は2852立法メートルとなることが認められる(乙2の519頁の
検討結果参照 。)
Q=〔1/1000〕×C×I×A
Q:浸出水発生量〔立方メートル/日〕
A:埋立地面積〔平方メートル〕
C:浸出係数0.57
東京都の昭和26年から昭和55年の30年間の降雨量と蒸発量を
基に算出した月別浸出係数の平均値
I:降雨量〔ミリメートル/日〕
- 24 -
銚子市の昭和26年から昭和55年の30年間における降雨量デー
タから,最大降雨年である平成元年(明治20年から平成7年の10
9年間の最大降雨年にも当たる )の2352ミリメートル,平均的
。
降雨年である昭和62年の1640.5ミリメートルをモデル年とし
て,昭和62年→平成元年→昭和62年→昭和62年(水収支計算順
序)と降雨したと仮定した場合の降雨量を用いる。
そうすると,本件処分場の浸出水原水貯留槽の容量は,4070立方メ
ートルとする計画であるから,過去30年間における最大降雨量があった
場合でも十分に対応できる容量であると認められ,これに浸出水集排水管
の能力(本管口径600ミリメートル)等に照らすと,埋立区域内に浸出
水が滞留することはないというべきである。
,
, ,
また 東京都と銚子市の気候及び地理的状況を考慮すると 本件証拠上
日照時間,気温,風の状況及び天候等に照らして,銚子市の浸出係数が東
京都の浸出係数と比べて有意的な差異があることを認めるに足りる証拠は
, ( ) ,
, .
ないこと 前記第2の2 3 のとおり 廃棄物を埋め立てる際には 2
0メートルの廃棄物層に対して0.5メートルの中間覆土を繰り返す計画
であることから,埋立区域内の透水性が特別高くなるものとはいえないこ
となどからすれば,エコテックが採用した浸出係数が不合理ということは
できず,原告主張の浸出係数0.9を採用しないことが合理性を欠くもの
ではないというべきである。
( ) ,
( )
4 したがって 本件処分場の保有水等集排水設備 浸出水集排水設備
は,有効に本件処分場内の保有水等を集め,これを排出することができる
堅固で耐久力を有する構造の集排水設備であるということができるから,
共同命令所定の技術上の基準に適合したものというべきであり,原告の主
張は理由がない。
10 争点(2)ア(イ)e(浸出液処理設備)について
- 25 -
(1) 前記第2の2(3)の事実,証拠及び弁論の全趣旨によれば以下の
事実が認められる。
ア 本件許可処分に係る技術上の基準で浸出液処理設備に要求される排水
基準(以下「本件排水基準」という )は,別紙6の2「排水基準」の
。
とおりである。
イ 本件処分場の浸出水処理装置は,別紙4の7「浸出水処理施設」フロ
ーシート記載のとおり,a 一次凝集沈殿処理,b 生物処理(接触ば
っ気 ,c 二次凝集沈殿処理,d 砂ろ過処理,e 活性炭吸着処理,
)
f キレート樹脂吸着処理,g 滅菌処理の7工程を経て処理すること
となっており,これらの工程が段階的に組み合わさることにより有害物
, 「
」
質が除去され 別紙6の1 処理工程と処理水目標値及び処理水の水質
の「処理水質管理目標値」の処理水の水質基準を達成する計画となって
いる。
ウ 本件処分場の浸出水処理装置は,管理型産業廃棄物最終処分場におけ
る水処理施設の納入実績を有する会社が設計・施工する計画である。
(2) 前記第2の2(3)の事実及び前記ア認定の事実によれば,本件処
分場の浸出液処理設備(浸出水処理装置)は,本件排水基準に適合させる
ことができる計画の設備であるということができる。
(3) 原告らは,1 ダイオキシン類等の有害な有機物に対する有効な除
去手段が計画の中で講じられておらず,活性炭の交換頻度が不明である,
2 キレート樹脂を用いた重金属類の除去はコスト面から大量の処理には
向かない方法であり,カドミニウム,ヒ素,水銀等の重金属類は除去でき
ず,キレート樹脂の交換頻度が不明である,3 SS(浮遊物質)につい
ては砂ろ過を用いただけの方法では粒径1ミクロン以下のような小さなS
Sはほとんど除去することは不可能である,4 浸出水に含まれる汚染物
質の濃度の予測が立てられておらず,本件処分場の工程ですべての有害物
- 26 -
質が問題のないレベルまで除去されるか否かにつき具体的な検討をしてい
ない旨主張する。
しかしながら,本件処分場の浸出水処理装置は,1 ダイオキシン類等
についても前記(2)判示のとおり,本件排水基準を下回る計画となって
いる。2 カドミニウム,ヒ素,水銀等の重金属類は,前記イa及びcの
キレート反応槽においてキレート補集剤により沈殿除去し,かつ,同fの
キレート樹脂吸着処理で吸着除去する計画となっており,これは一般的な
, ,
管理型最終処分場の重金属類の除去処理であるところ この処理工程では
排水基準に適合する処理ができないことを認めるに足りる証拠はない。3
SSについては,生物処理(前記イb)における接触酸化型の循環脱窒
法による除去(微生物等による吸着 ,凝集沈澱(前記イa,c)による
)
除去(凝集剤による吸着沈澱)及び砂ろ過処理(前記イd)により粒径1
ミクロン以下のものについても除去される計画となっている。4 浸出水
処理装置に係る浸出水に含まれる有害物質等についてその濃度等を想定し
て,前記(2)判示のとおり,本件排水基準に適合するレベルまで除去で
きることを計画している。
なお,他に原告らは浸出水処理装置の性能が本件排水基準を下回る性能
を実際に有するか否か,交換を要する設備の交換頻度が不明であるとして
本件の浸出水処理装置が技術上の基準に適合しない旨を縷々主張するが,
これらはいずれも専ら使用前検査又は維持管理上の問題であって,設置に
関する計画の技術上の基準の対象となる事項ではないというべきである。
したがって,原告らの主張は採用できない。
11 争点(2)イ(周辺地域の生活環境保全)について
法は,平成9年改正法によって,平成9年法15条の2第1項2号,15
条3項を新設し,産業廃棄物処理施設の設置に関する計画及び維持管理に関
する計画が,処理施設に係る周辺地域の生活環境の保全について適正な配慮
- 27 -
がなされたものであることを産業廃棄物処理施設設置許可の要件とし(平成
9年法15条の2第1項2号 ,その許可に係る申請書には,厚生省令で定
)
めるところにより,当該処理施設を設置することが周辺地域の生活環境に及
ぼす影響についての調査結果を記載した書類を添付しなければならない(同
法15条3項)旨を規定した。なお,平成12年改正法によって,環境省令
で定める周辺の施設についても適正な配慮がなされたものであることが産業
廃棄物処理施設設置許可の要件に追加された(平成12年法15条の2第1
項2号)が,平成12年改正法は,周辺地域の生活環境保全についての適正
な配慮については,平成9年法15条の2第1項2号を実質的に改正するも
のではない。
そうすると,前記1判示のとおり,本件許可処分に当たっては,平成9年
改正法附則4条により,平成9年法15条の2第1項2号,平成12年法1
5条の2第1項2号(周辺地域の生活環境保全についての適正な配慮に係る
部分 ,法15条3項(平成9年法及び平成12年法)並びに法15条3項
)
(平成9年法及び平成12年法)の委任を受けた規則11条の2の各規定は
適用されないというべきである。
よって,本件許可処分に当たっては,平成12年法15条の2第1項2号
(周辺地域の生活環境保全についての適正な配慮に係る部分)は適用されな
いというべきであるから,原告らの主張は採用できない。
12 争点(2)ウ(経理的基礎)及びエ(業務の不正又は不誠実)について
(1) 法15条の2第1項3号及び4号の規定は,平成12年改正法によっ
て新設された規定であるから,前記1判示のとおり,本件許可処分の要件と
なる。
もっとも,本件では原告らは本件許可処分の直接の名あて人ではないとこ
ろ,行政事件訴訟法10条1項は,取消訴訟においては自己の法律上の利益
に関係のない違法を理由としては処分の取消しを求めることができないもの
- 28 -
と規定しているから,法15条の2第1項3号及び4号の規定が,自己の法
律上の利益に関する違法となるか問題となる。
行政事件訴訟法10条1項の規定の趣旨は,取消訴訟が違法な処分の是正
を直接の目的とする客観訴訟ではなく,違法な処分によって侵害された原告
の権利・利益を救済するための主観訴訟であるから,当該処分により自己の
権利若しくは法律上保護された利益を侵害され又は必然的に侵害されるおそ
れのある者に該当するとして,当該処分の取消しを求めるについて同法9条
にいう法律上の利益が認められる者であっても,取消訴訟において原告らが
具体的に主張し得る処分の違法事由は,自己の法律上の利益に関係のあるも
のに限られるものと解すべきである。
そうすると,同法10条1項の「自己の法律上の利益に関係のない違法」
とは,一般的・抽象的には,処分行政庁の処分に存する違法のうち,原告ら
の権利・利益を保護する趣旨で設けられたのではない法規に違反したにすぎ
ない違法と解するのが相当であって,ここにいう法律とは当該処分の根拠規
定である行政実体法規を意味するものというべきである。もっとも,このこ
とは原告らが行政実体法規による処分の名あて人であることを要するもので
はなく,また,原告らの権利・利益を保護する趣旨で設けられた規定である
かどうかは,当該行政実体法規の立法趣旨,同法規と目的を共通する関連法
規の関係規定との関係等を考慮して判断すべきである。
(2) 争点(2)ウ(経理的基礎)について
ア 法が,平成12年法15条の2第1項3号,平成12年規則12条の2
の3第2号で,経理的基礎があることを最終処分場の設置許可の要件とし
た趣旨は,産業廃棄物処理施設の設置及び維持管理に当たっては多額の資
金を要することから,設置者の経理的な基礎が不十分であることにより不
適正な産業廃棄物の処分や同処理施設の設置及び維持管理が行われること
を防ぐために,産業廃棄物処理施設設置許可申請者の総合的経理能力並び
- 29 -
に産業廃棄物処理施設の設置及び維持管理のための資金計画を審査するこ
とにしたものであって,一次的には公衆の生命,身体の安全及び環境上の
利益を一般的公益として保護しようとしたものと解され,産業廃棄物処理
施設一般について,直接的に産業廃棄物処理施設の周辺に居住する者の生
命,身体の安全等を個々人の個別的利益として保護する趣旨を含むと解す
ることは困難である。
もっとも,平成12年法15条の2第1項3号,平成12年規則12条
の2の3第2号の趣旨は前記のとおりであるところ,前記2(1)判示の
とおり,人体に有害な物質を含む産業廃棄物の処理施設である管理型最終
処分場については,設置者の経理的な基礎が不十分であることにより不適
正な産業廃棄物の処分や同処分場の設置及び維持管理が行われた場合に
は,有害な物質が許容限度を超えて排出され,その周辺に居住等する者の
,
。
生命 身体に重大な危害を及ぼすなどの災害を引き起こすことがあり得る
そうすると,経理的基礎は,単に健全な経営の維持にとどまらず,施設の
安全面をも資金的観点から担保する機能を果たすものということができ
る。このような前記法及び規則の規定の趣旨・目的及び前記災害による被
,
,
害の内容・性質等を考慮すると 設置段階の設置者の資金計画等からして
およそ同処分場の適正な設置及び維持管理が困難であるとか,不適正な産
業廃棄物の処分が行われるおそれが著しく高いなど,管理型最終処分場の
周辺住民が生命又は身体等に係る重大な被害を直接に受けるおそれのある
災害等が想定される程度に経理的基礎を欠くような場合において,平成1
2年法15条の2第1項3号,平成12年規則12条の2の3第2号の規
定が,前記被害が想定される住民の生命又は身体等の安全を保護する趣旨
を含まないものとまでいうことはできないというべきである。
したがって,これらの規定は,前記周辺住民が重大な被害を被るおそれ
のある災害等が想定される程度に至る経理的基礎を欠くような場合には,
- 30 -
,
,
もはや公益を図る趣旨にとどまらず 前記周辺住民の安全を図る趣旨から
前記周辺住民個人の法律上の利益に関係のある事由について定めていると
いうべきである。そうすると,この事由により違法となる場合は,設置段
階の設置者の資金計画等からして,およそ管理型最終処分場の適正な設置
及び維持管理が困難であるとか,不適正な産業廃棄物の処分が行われるお
それが著しく高いなど,管理型最終処分場の周辺住民が生命又は身体等に
係る重大な被害を直接に受けるおそれのある災害等が想定される程度に経
理的基礎を欠くような場合に限られるというべきである。
そこで,前記周辺住民に当たる原告E及び同Fについて,この観点に立
って,経理的基礎を欠く違法事由が存在するか否かについて,検討する。
イ 証拠及び弁論の全趣旨によれば,以下の事実が認められる。
(ア) エコテックは,本件処分場において産業廃棄物処分業を行うこと
を主たる目的とする会社であって,被告に提出した平成12年4月28
日付けの平成11年3月1日から平成12年2月29日事業年度(以下
「平成11年度」という )の決算報告書の貸借対照表及び損益計算書
。
は,別紙8の1「貸借対照表」及び別紙8の2「損益計算書」のとおり
であり,平成12年2月29日現在の資本金は2000万円,資産は2
2億8043万5757円で,資産の構成は,借入金(借入先はG(約
11億8000万円)及びH(10億8000万円 )が主体となって )
いる。また,平成11年度に係る売上げ及び所得は計上されていない。
(イ) エコテックが,被告に提出した本件処分場の事業の開始に要する
資金(以下「事業開始資金」という )の総額及びその資金の調達方法
。
は,別紙8の3「事業の開始に要する資金の総額及びその資金の調達方
法を記載した書類」のとおりであり(これによると,事業開始資金は,
70億2750万円である ,事業開始に係る資金の調達計画(以下
。)
「本件資金計画」という )は,別紙8の4「資金計画書」のとおりで
。
- 31 -
ある。事業開始後の収支計画(以下「本件収支計画」といい,本件資金
計画と併せて「本件事業計画」という )は,別紙8の5「年度別資金
。
計画書」記載のとおりであり,計画の前提とした条件は別紙8の6「事
業収支の計算根拠について」記載のとおりである。
本件資金計画では,本件処分場に係る建設費を始め,事業開始資金の
全てを金融機関等から融資を受けることを予定し,その融資実行までは
ファイナンス会社からのつなぎ融資を受けることとしていた。また,本
件収支計画では,本件処分場における産業廃棄物処分業の収益のみを基
に,人件費,事務所経費,借入金の元利金の返済費用に加えて,危険防
止,環境汚染防止のための原資とすることを目的として,土木工事保険
及び請負賠償責任保険のほか,天災等不稼動保険,環境保険(営業開始
後処分場閉鎖までの間の雨による有害物質の漏出や有害物質汚染による
実害発生に対する補償,汚染を浄化するための費用や汚染防止の補修費
用について補償額5億円を限度)等に係る費用,法所定の維持管理積立
金8億4000万円などを計上しても,埋立て完了時(別紙8の5の1
1年目終了時)において,19億3880万3000円が残る収支計画
となっている。
エコテックは,平成12年11月13日付けで,本件許可処分後,平
成14年12月末までにGが自己資金及びエコテックへの貸付金を基に
して,1億8000万円の増資を引き受ける旨の増資計画書を被告に提
出している。
(ウ) エコテックは,平成12年11月13日付けで,被告に対し,前
記(イ)の事業開始資金70億2750万円の調達方法について,I銀
行(50億円)及びJ銀行等の金融機関(20億2750万円)からの
協調融資を受ける予定であるが,本件許可処分前に融資証明等が得られ
ないことから,ファイナンス会社から同額の融資内諾証明を受けて,前
- 32 -
記銀行等からの融資が実行されるまでの間,一時的に前記ファイナンス
会社からの資金を利用する旨を報告したが,その利息は明確にされてい
なかった。
エコテックは,本件許可処分時までに,被告に対し,同年12月21
日付けの本件予定地に第1順位の抵当権を設定できることを条件に71
億円を融資する旨のKの融資内諾書を被告に提出した。
( )
, 「 」 「 」
エ 本件予定地に対しては 別紙9 被担保債権一覧表 の 債務者
欄記載の債務者のために,同別紙「担保の種類」欄記載の担保権(以下
「本件各担保権」という )が,同別紙「設定日」欄記載の日に,同別
。
紙「債権額」欄記載の被担保債権額で設定されており,これらの被担保
債権(以下「本件各被担保債権」という )の総額は36億7200万
。
円であるところ,本件事業計画において,本件各担保権の抹消に係る費
用は計上されていない。
(オ) エコテックは平成11年9月16日付けで,Lから18億500
0万円の借入れをしているが,これは平成11年度貸借対照表には記載
されていない(なお,エコテックは,前記金員を借り入れたものではな
く,その旨の抵当権設定登記が無断でなされたものである旨を被告に報
告しているが,登記申請書類に当時のエコテックの代表取締役であるG
の署名及び印鑑証明書が添付されていることなどからすれば,前記報告
は信用できない 。。)
(カ) 厚生省の平成12年9月29日衛産第79号「産業廃棄物処理業
及び特別管理産業廃棄物処理業並びに産業廃棄物処理施設の許可事務の
取扱いについて」と題する通知には,経理的基礎について,1 申請者
が法人である場合には,事業の開始に要する資金の総額及びその資金の
調達を記載した書類,貸借対照表,損益計算書並びに法人税の納付すべ
き額及び納付済額を証する書類の内容を十分に審査し,事業を的確かつ
- 33 -
継続して行うに足りる経理的基礎を有するか否かを判断すること,2
事業の開始に要する資金の総額とは,事業の開始及び継続に必要と判断
される一切の資金をいうものであって,資本金の額のほか,事業の用に
供する施設の整備に要する費用,最終処分場の埋立処分終了後の維持管
,
,
理に要する費用 損害賠償保険の保険料などが含まれるものであること
3 資金の調達を記載した書類には,資本金の調達方法,借入先,借入
残高,年間返済額,返済期限,利率など資金の調達に関する一切の事項
を記載させるものとし,利益をもって資金に充てるものについてはその
見込み額を記載させること,4 事業を的確かつ継続して行うに足りる
経理的基礎を有すると判断されるためには利益が計上できていること,
又は自己資本比率が3割を超えていることが望ましいこととされてい
る。
ウ 前記イ認定の事実及び弁論の全趣旨によれば,エコテックは,その資産
のほとんどが借入金で構成されており,自己資本が著しく少ない状態であ
ったから,銀行等の金融機関から本件処分場の事業開始資金の融資を受け
るに当たっては,本件予定地のすべてに融資元の金融機関の第1順位の抵
当権等を設定する必要があったというべきである。そうすると,エコテッ
クは,本件許可処分当時,エコテックが本件予定地を所有していたか否か
又は所有する予定であったか否か,エコテックは本件各被担保債務の債務
者又は保証人であるか否かなど,法的に本件各被担保債務を弁済すべき義
務を負う可能性がある否かに関わらず,銀行等の金融機関から,本件処分
場の事業開始資金70億2750万円を借り入れるためには,本件各担保
権を抹消する必要があり,そのための費用を支出する必要があったと認め
られる。
そして,本件証拠上,本件許可処分当時の本件各被担保債権額の残額は
明らかではないが,本件各被担保債権の借入日が本件許可の申請日に近接
- 34 -
したその前後の借入日であることや本件各被担保債権の利息はそのほとん
どが年15パーセントであること,エコテックは銀行等の金融機関からの
融資を得ると同時に,これら負債を全て返済した上で,本件予定地に融資
元金融機関の第1順位の抵当権等を設定する計画であったと推認されるこ
となどからすれば,本件事業資金を借り入れる時点においては,少なくと
も本件各被担保債権額の元本相当額が残存している蓋然性が高いというべ
きであり,したがって,同元本相当額が本件各担保権を抹消するために必
要な費用額であると推認するに難くない。
よって,エコテックは,事業計画において,本件事業計画の事業開始資
金70億2750万円に,本件各担保権の抹消に係る費用36億7200
万円を加えた106億9950万円を事業開始資金として計上する必要が
あったというべきである。
そして,エコテックは,前記イ(ア)のとおり,本件許可処分当時,自
己資本は2000万円しか有さず,事業開始資金の全額を借入金によって
調達する計画であったのであるから,前記106億9950万円のすべて
を借入金として調達する必要があったことになる。なお,エコテックは,
Gの出資による増資計画を被告に提出しているが,本件事業計画自体,本
件許可処分時点で増資をせずに,事業開始資金を全額借入れとする計画で
ある上,証拠によれば,1億8000万円の増資計画のうち1億6000
万円はGのエコテックに対する既存の貸付金の返済金を増資に係る株式の
払込金に充当する計画としており,この増資によっても借入れ予定の事業
開始資金の額が変更されるものではないから,同増資の点を資金計画上,
格別考慮することはできない。
そうすると,本件各担保権抹消に係る費用36億7200万円を本件処
分場の事業開始資金に加え,収支計画において,これを本件資金計画と同
様に銀行等の金融機関から借り入れることを前提として,その他の条件を
- 35 -
本件収支計画に係る設定条件と全く同様のものであるとすると,エコテッ
クの本件処分場に係る産業廃棄物処分業の収支計画は,別紙8の7「年度
別資金計画(裁判所認定 」のとおりとなる。なお,エコテックのように
)
自己資本が著しく少額であって,その事業開始資金のすべてを借入金のみ
に依存して最終処分場を設置し,営業利益によって借入金を返済する計画
である場合には,設置及び維持管理を的確かつ継続して行うに足りる程度
,
,
に経理的基礎を有するか否か判断するためには 本件許可処分時において
借入先,借入残高,年間返済額,返済期限,利率などの融資内容及びその
条件が明確にされ,融資の実行を受けられることが相当程度確実であると
。 ,
,
いえる必要があるというべきである しかし 前記イ認定の事実によれば
融資元金融機関,融資内容及びその条件は明確ではなく,本件許可処分時
において,最終的な資金調達方法及びその条件はおよそ不明確であるとい
わざるを得ない。そうすると,そもそもエコテックが,事業開始資金10
6億9950万円の融資が受けられるか,仮に融資が受けられる場合にお
いても,本件収支計画で設定した借入れ条件(期間10年,年利2.3パ
ーセント)で融資を受けられるかについて重大な疑問が生じるというべき
である。
しかし,この点はさておくとしても,前記の裁判所認定の収支計画によ
れば,エコテックは本件処分場での事業開始1年目から7年目までは黒字
であるものの,8年目から11年目までは単年度収支が赤字となり,累計
でも9年目からは赤字となる。そして埋立てを終了する11年目には累計
で15億9771万4430円の赤字となることになり,埋立完了時に本
件収支計画どおりの利益を確保できないばかりか,埋立完了までに多額の
赤字が発生することが想定されることとなる。
そうすると,本件収支計画の収入額及び支出額のうち借入金の元利金の
返済額を除く部分を前提とする限り,借入金の返済を優先した場合には,
- 36 -
環境保険等の各種保険料の支払,維持管理積立金の積立て,遮水シート破
損等の事故に対する場内施設補修費等の本件処分場から有害物質が排出さ
れるのを防止又はこれに対応するための維持管理に必要な資金が不足する
ことが明らかである(これら費用の支出を優先した場合には,借入金の返
済ができず,本件処分場での産業廃棄物処分業が破綻することになる 。。)
また,前記のとおりの多額の赤字を生ずることからすれば,その発生を防
止し,又は解消するために当初の計画以上の産業廃棄物の受け入れを行っ
たり,計画外の産業廃棄物を受け入れるなどの不適正な処分を行わざるを
得なくなる事態も想定される。
他方,被告は,本件処分場の事業開始資金が,前記判示のとおり,10
6億9950万円であることを前提とした場合に,本件許可処分当時にお
いて,それでもなお本件処分場でのエコテックの事業の収支計画が,少な
くとも本件処分場で原告らに対して生命又は身体等に係る重大な被害を直
接に生じさせるおそれのある災害等が想定される程度に経理的基礎を欠く
ものではないことについて,具体的な主張立証を行っていない。
そうすると,前記裁判所認定の収支計画を前提とする限り,エコテック
は,本件許可処分時点で,すでに本件処分場の十分な設置及び維持管理を
するために必要な資金調達の裏付けを欠いていたばかりか,仮に何らかの
方法でその調達ができたとしても,その後の事業運営や借入金返済に必要
な費用を支出した場合に事業が適正に運営される基礎を欠いていたという
べきである。すなわち,同社の場合,財政面から,前記時点で,およそ本
件処分場の設置及び適正な維持管理が困難であり,不適正な産業廃棄物の
処分が行われるおそれが著しく高い状況にあったことが明らかである。そ
のような状況の下では,有害な物質が許容限度を超えて排出され,その周
辺に居住等する者の生命,身体に重大な危害を及ぼすなどの災害を引き起
こす事故等が想定されるというべきである。
- 37 -
したがって,エコテックの経理的基礎は,本件許可処分時において,本
件処分場の周辺住民である原告Eらが,生命又は身体等に係る重大な被害
を直接に受けるおそれのある災害等が想定される程度に経理的基礎を欠く
状態であるというべきである。
そうすると,本件許可処分は,平成12年法15条の2第1項3号,平
成12年規則12条の3第2号の規定に反する違法な処分であるといわざ
るを得ない。
エ これに対し,被告は,1 本件許可処分時にはLに対する18億500
0万円の借入れに係る抵当権設定仮登記がなされておらず,設置許可の申
請書類からも見いだすことはできないから,これを理由に不許可とするこ
とは不可能であり,本件許可処分自体の効力が失われるものではなく,職
権による裁量取消が問題となるにすぎないこと,2 被告は,エコテック
は本件各被担保債務を支払う法的義務はないので,資金計画等にこれら抵
当権の抹消費用が記載されずとも計画として不十分とはいえないこと,3
経理的基礎については,産業廃棄物処分業の許可の際に再度,審査する
ことになっており,被告が本件許可処分時に知り得なかった債務があった
場合には,その時点で,その当時の資料を基に改めて判断することになる
にすぎないことなどを主張する。
しかしながら,1については,設置許可に係る経理的基礎を有するか否
かは,本件許可処分時において,客観的にエコテックが本件処分場を設置
及び維持管理する経理的基礎を有していたか否かが問題になるというべき
であるから,本件許可処分時においてエコテックが収支計画に反映させる
べき債務がある場合には,それが申請書類として提出されているか否かな
ど被告の知不知にかかわらず,経理的基礎の判断に用いるべき事情に当た
。 ,
, ,
るというべきである また 仮にこの点はさておくとしても 本件の場合
エコテックは事業に必要な資金を借り入れに依拠していたところ,その借
- 38 -
入れの確実性を裏付ける資料としての融資内諾証明書には,融資先が本件
処分場予定地に第1順位の抵当権を設定できることが条件とされていたの
であるから,これが可能であるかどうかについても,被告として調査すべ
き義務があるというべきところ,被告は,前記認定によれば,この点の調
査を十分行っていないことが明らかである。そうすると,被告の1の点に
ついての主張はいずれにせよ採用することはできない。2については,前
記ウ判示のとおり,エコテックが支払う法的義務の有無に関わらず,本件
各被担保債権額相当の金員は,本件処分場の事業開始資金として必要な金
員であり,これをいかに調達するかによって本件処分場での事業の収支計
画は著しく影響を受けるのであるから,エコテックの経理的基礎を判断す
るための重要な審査事項に当たるというべきである。
さらに,3については,本件処分場の設置に係る資金計画及び収支計画
は,エコテックが自己資本をほとんど有さず,借入金によって事業開始資
金を調達して,本件処分場での産業廃棄物処分業を行い,その収益をもっ
て借入金の返済資金等の費用に当てる計画であるから,設置許可の段階に
おいて,最終処分場の設置及び維持管理を的確かつ継続して行うに足りる
資金計画及び収支計画を有しているか否かという観点から経理的基礎の要
件を検討すべきものであり,この点は,その後に産業廃棄物処分業の許可
の可否の審査の際に,経理的基礎を有することが要件となっているか否か
とは別個の問題であり,その際に再審査が可能であるからといって,本件
許可処分時において経理的基礎の要件の審査を特に緩和することができる
とする合理的根拠にはなり得ない。
よって,被告の主張はいずれも採用できない。
(3) 争点(2)エ(業務の不正又は不誠実)について
法が,法15条の2第1項4号の規定を設けた趣旨は,法に従った適正な
処分の遂行を期待し得ない者を類型化して排除するために申請者の一般的適
- 39 -
性についての要件を定めたものであるところ,産業廃棄物処理施設の設置者
となるべき者を制限し,一般的公益として公衆の生命,身体の安全及び環境
上の利益を保護しようとしたものであって,これを超えて最終処分場の周辺
住民等の個人的権利・利益を具体的に保護する趣旨を含むものとまでは解す
ることはできない。
したがって,原告らが,平成12年法15条の2第1項4号,14条3項
2号イ,7条3項4号ホの規定に係る違法を主張することは,自己の法律上
の利益に関係のない違法に当たり,これを理由に本件許可処分の取消しを求
めることはできないというべきである。
13 争点(2)オ(手続の欠如)について
前記第2の1及び前記1判示によれば,平成12年法15条3項ないし6項
の規定は,平成9年改正法で新設されたものであって,平成9年改正法附則5
条1項に規定する経過措置の適用があるから,本件許可処分に当たっては,平
成12年法15条3項ないし6項の規定は適用されない。
したがって,法15条3項ないし6項に規定された手続を欠いたことを本件
許可処分の違法事由として主張する原告らの主張は理由がないというべきであ
る。
14 結論
以上によれば,本件訴え中,原告A,同B,同C及び同Dの部分はいずれも
不適法であるからこれらを却下し,その余の原告らの請求は理由があるからこ
れを認容することとして,主文のとおり判決する。
千葉地方裁判所民事第3部
- 40 -
裁判長裁判官 堀 内 明
裁判官 阪 本 勝
裁判官高石直樹は差し支えにつき署名押印できない。
裁判長裁判官 堀 内 明
- 41 -
(別紙1) 設置場所目録(省略)
(別紙2) 法令の定め(省略)
(別紙3) 原告ら位置関係図(省略)
(別紙4) 本件処分場概要(省略)
(別紙5) 当事者の主張(省略)
(別紙6の1) 処理工程と処理水目標値及び処理水の水質(省略)
(別紙6の2) 排水基準(省略)
(別紙7) 地層構成図(省略)
(別紙8の1) 貸借対照表(省略)
(別紙8の2) 損益計算書(省略)
(別紙8の3) 事業の開始に要する資金の総額及びその資金の調達方法を記載し
た書類(省略)
(別紙8の4) 資金計画書(省略)
(別紙8の5) 年度別資金計画書(省略)
(別紙8の6) 事業収支の計算根拠について(省略)
(別紙8の7) 年度別資金計画(裁判所認定 (省略) )
(別紙9) 被担保債権一覧表(省略)
2009-01-29T11:51:59+09:00
1233197519
-
福島市・産業廃棄物最終処分場設置許可処分取消請求訴訟判決
https://w.atwiki.jp/komomo/pages/304.html
H14. 5.21 福島地方裁判所 平成9年(行ウ)第14号 産業廃棄物最終処分場設置許可処分取消請求
事件番号 :平成9年(行ウ)第14号
事件名 :産業廃棄物最終処分場設置許可処分取消請求
裁判年月日 :H14. 5.21
裁判所名 :福島地方裁判所
判 決
主 文
原告らの請求をいずれも棄却する。
訴訟費用は原告らの負担とする。
事 実
第1 当事者の求めた裁判
1 請求の趣旨
(1) 被告が平成9年3月19日付けで株式会社Mに対してなした別紙産業廃棄物処理施設目録記載の施設に対する設置許可処分を取り消す。
(2) 訴訟費用は被告の負担とする。
2 請求の趣旨に対する答弁
(1) 本案前の答弁
ア 本件訴えを却下する。
イ 訴訟費用は原告らの負担とする。
(2) 本案に対する答弁
ア 原告らの請求をいずれも棄却する。
イ 訴訟費用は原告らの負担とする。
第2 当事者の主張
1 請求原因
(1)ア 原告らはいずれも福島県内に居住する者であり,原告らの居住場所及び耕作場所は,それぞれ別紙図面1(1)ないし(12)記載のとおりであり,別紙産業廃棄物処理施設目録記載の産業廃棄物最終処分場(以下「本件処分場」という。)の北側を通過する小川には,上流から順に井野目堰,中野堰,小川堰がある。
原告A,同B,同C,同D,同E及び同Fは井野目堰を利用しており,原告B,同C,同D及び同Gは小川堰を利用している。
(ア) 原告Aは,福島市a町b及び同市c地内に農地を所有し,桃や林檎を主に栽培している。灌漑用水として小川の表流水を井野目堰から取水している。この農業用水が汚染されると,高品質を保ってきた原告Aを含めた付近一帯の果樹農家は,品質における信用が失墜してしまい,農業経営に重大な打撃を受ける。また,小川の伏流水を井戸水として取水し,生活用水として使用しており,自らの生命や健康が脅かされるおそれがある。
(イ) 原告Hは,井野目堰水利組合区域内に居住している。井戸を所有し井戸水を飲料水及び生活用水として使用している。この井戸水が汚染されると生命や健康を脅かされる。
(ウ) 原告Bは,福島市a町b字地内に農地を所有し,小川の表流水を小川堰から取水して米や野菜や果樹を栽培している。また,井戸を所有し小川の伏流水である井戸水を飲料水及び生活用水として使用している。これら農業用水及び井戸水が汚染されると,農業経営に重大な打撃を受け,かつ生命や健康を脅かされる。
(エ) 原告Cは,福島市a町b地内に農地を所有し,米や野菜や果樹を栽培している。灌漑用水として小川の表流水を井野目堰と小川堰から取水している。また井戸を所有し,井戸水を飲料水及び生活用水として使用している。これら農業用水及び井戸水が汚染されると農業経営に重大な打撃を受け,かつ生命や健康を脅かされる。
(オ) 原告Iは,井野堰水利組合区域内に居住している。井戸を所有し,小川の伏流水である井戸水を飲料水及び生活用水として使用している。この井戸水が汚染されると生命や健康を脅かされる。
(カ) 原告Jは,中野堰水利組合区域内に居住している。直接の水利用はないが,居住地内の水や土壌環境が汚染されることによって居住環境を侵害される。
(キ) 原告Dは,福島市a地内に農地を所有し,米や野菜や果樹を栽培している。灌漑用水として小川の表流水を井野目堰と小川堰から取水している。また,小川の伏流水である井戸水を飲料水,生活用水として使用している。この農業用水及び井戸水が汚染されると農業経営に重大な打撃を受け,かつ生命や健康を脅かされる。
(ク) 原告Gは,福島市d,同市c地内に農地を所有し,米や野菜や果樹を栽培している。灌漑用水として小川の表流水を井野目堰と小川堰から取水している。この農業用水が汚染されると,農業経営に重大な打撃を受ける。また,小川の伏流水を井戸水から取水し,飲料水,生活用水として使用しており,これが汚染されると生命や健康を脅かされる。
(ケ) 原告Eは,福島市a町b,同市c地内に農地を所有し,米や野菜や果樹を栽培している。灌漑用水として井野目堰から取水している。この農業用水が汚染されると農業経営に重大な打撃を受ける。また,小川の伏流水を水源とする簡易水道(共同井戸)から水の供給を受け,飲料水,生活用水として使用しており,汚染されると生命や健康を脅かされる。
(コ) 原告Fは,福島市a町b,同市e地内に農地を所有し,米や野菜や果樹を栽培している。灌漑用水として井野目堰から取水している。この農業用水が汚染されると農業経営に重大な打撃を受け,かつ生命や健康を脅かされる。
(サ) 原告Kは,井野目堰水利組合区域内に居住している。小川の伏流水である井戸水を飲料水及び生活用水として使用している。この井戸水が汚染されると生命や健康を脅かされる。
(シ) 原告Lは,小川堰水利組合区域内に居住している。小川の伏流水である井戸水を飲料水及び生活用水として使用しているが,これが汚染されると生命や健康を脅かされる。
イ 被告は,廃棄物の処理及び清掃に関する法律(以下「廃棄物処理法」という。ただし,平成9年改正前のもの。以下同じ。)15条に基づき,福島県内に産業廃棄物最終処理場(以下「産廃処理場」という。)を設置しようとする者に対し,その設置許可権限を有する者である。
(2) 被告は,平成9年3月19日,株式会社M(以下「M社」という。)に対し,廃棄物処理法15条1項に基づき,本件処分場の設置許可処分(以下「本件許可処分」という。)をした。
(3) 本件処分場の概要は以下のとおりである。
建設・運営主体 M社
建 設 地 福島市飯坂町中野字赤落18番地外16筆
19万0799㎡
埋 立 面 積 4万7500㎡
埋立廃棄物容量 71万8670‰
受入れ廃棄物 燃え殻(焼却灰),汚泥,廃プラスチック類,紙くず,木くず,繊維くず,ゴムくず,金属くず,ガラスくず及び陶磁器くず,鉱さい,建設廃材,ばいじん(ダスト類),その他産業廃棄物を処分するために処理したもの
処分場の方式 管理型,全面遮水シートの敷設
本件処分場の位置と小川及び取水堰との位置関係
別紙図面2及び3記載のとおり
(4) しかしながら,被告は,以下のとおり,廃棄物処理法,一般廃棄物の最終処分場及び産業廃棄物の最終処分場に係る技術上の基準を定める命令(総理府令・厚生省令,以下「共同命令」という。),福島県産業廃棄物処理指導要綱(平成6年改正前のもの。以下同じ。以下「指導要綱」という。)等に定められた手続を履行せず,あるいは定められた要件を充足していないにもかかわらず,要件を充足しているとして本件許可処分をしており,本件許可処分は違法である。
ア 遮水シート工法の破綻
(ア) 廃棄物処理法15条1項は,「産業廃棄物処理施設(廃プラスチック類処理施設,産業廃棄物の最終処分場その他の産業廃棄物の処理施設で政令で定めるものをいう。以下同じ。)を設置しようとする者は,厚生省令(現,環境省令,廃棄物の処理及び清掃に関する法律施行規則(以下「規則」という。)11条)で定めるところにより,当該施設を設置しようとする地を管轄する都道府県知事の許可を受けなければならない。」旨規定する。
また,同条2項は,「都道府県知事は,前項の許可の申請に係る産業廃棄物処理施設が次の各号に適合していると認めるときでなければ,同項の許可をしてはならない。」として「一 厚生省令(産業廃棄物の最終処分場については,総理府令,厚生省令(共同命令))で定める技術上の基準に適合していること。二 産業廃棄物の最終処分場である場合にあっては,厚生省令(規則12条の3)で定めるところにより,災害防止のための計画が定められているものであること。」と規定する。
そして,共同命令2条1項4号で準用する1条1項5号は「埋立地からの浸出液による公共の水域及び地下水の汚染を防止するための次に掲げる措置が講じられていること」として「イ 埋立地には,産業廃棄物の投入のための開口部及びロに規定する集水設備(水面埋立処分を行う埋立地については,排水設備)の部分を除き,産業廃棄物の保有水及び雨水等(以下「保有水等」という。)の埋立地からの浸出を防止することができる遮水工を設けること。ただし,埋立地と公共の水域及び地下水との間に充分な厚さの不透水性の地層その他本文に規定する遮水工と同等以上の効力を有するものがある部分については,この限りでない。ロ 埋立地には,保有水等を有効に集めることができる堅固で耐久力を有する構造の管渠その他の集水設備(水面埋立処分を行う埋立地については保有水等を有効に排出することができる堅固で耐久力を有する構造の余水吐きその他の排水設備)を設けること。ただし,雨水が入らないよう必要な措置が講じられる埋立地(水面埋立処分を行う埋立地を除く。)については,この限りでない。ハ 集水設備により集められた保有水等(水面埋立処分を行う埋立地については,排水設備によ
り排出される保有水等。以下同じ。)に係る放流水の水質を排水基準を定める総理府令(昭和46年総理府令第35号)第1条に規定する排水基準(当該排水基準に係る同令別表第2の備考2の規定は適用しないものとする。)に適合させることができる浸出液処理設備を設けること。ただし,集水設備により集められた保有水等を貯留するための十分な容量の耐水構造の貯留槽が設けられ,かつ,当該貯留槽に貯留された保有水等が当該最終処分場以外の場所に設けられた本文に規定する浸出液処理設備と同等以上の性能を有する水処理設備で処理される最終処分場にあっては,この限りでない。」と規定する。
(イ) これら規定をふまえて,本件処分場には,本件処分場全面に遮水シートが施工され,その工法の概略は以下のとおりである。
浸出水による公共水域や地下水の汚染並びに起因する周辺環境の悪影響を防止することを目的として,遮水工を設ける。
埋立地の遮水工で特に重要な底辺については,2.0㎜の遮水シート(材質は合成ゴム系シートで熱融着接合タイプである。)とベントナイト混合土による20㎝の遮水層を設ける。
側面には,1.5㎜の遮水シートと10㎜以上の補強不織布防護層を設ける。
底辺,側面とも500㎜の保護層を遮水シート上に敷設する。
このようにして完全に地盤と遮断し,浸出水が地中に浸透しないようにする。
地下水の汚染の有無を監視するため,地下水の流向に沿って埋立地の直下流に1か所井戸を設置し,また埋立地全域の遮水工の下に地下集水管を設け,集水経路別に水質を観測する。
浸出水は,浸出水処理施設によって処理し,福島県の排水基準を下回っていることを確認して河川へ放流する。
遮水シートの上には廃棄物からの浸出水や雨水を集める集水管,遮水シートの下には地下水を集める集水管がそれぞれ敷設されることになっている。そして遮水シートの上に敷設された集水管で集められた汚水は適切に処理されることになっている。
(ウ) このような遮水シート工法の仕組みからすれば,遮水シートは管理型処分場の生命線である。これがないと大量の汚水が周辺に止めどもなく拡散していき,重大な結果をもたらす。
しかし,予測を超える豪雨等があったときには処理施設の能力が追いつかず,汚水が直接放流されてしまうおそれがある。
また,巨大な処分場全体を遮水シートで覆うわけであるから,工事中の破損やゴミ自体の重みで穴が開いたり,廃棄物の化学変化や堆積熱や日光等でシートが劣化し,そこから有害物質を含んだ汚水が地下に浸透するおそれがある。遮水シートは,廃棄物の重圧やトラックの走行,下地の岩盤との接触等の直接の破損原因のほかに,材質としての劣化原因があり,遮水シート自体の現実の条件下における耐久性に関する確たるデータは何もなく,劣化が進行すれば直接の破損の危険も広がる。
さらに,保護土や保護マットの類もさして有用なものではない。保護土や保護マットは数十mも堆積したゴミ圧のもとでは保護の役目を果たせない。
遮水シートの接合部分は,遮水シート自体の欠陥とは別に,遮水シートとしての重大な弱点である。長大な接合部分には必ず不完全な部分が発生する。例えば,東京都多摩郡日の出町の谷戸沢処分場の場合,10m×20mの遮水シート(本件処分場の場合,厚さ1.5㎜のものは10m×50m,厚さ2.0㎜のものは10m×20m)の接合部分の長さは推定で33㎞にも達する。同処分場では,わずか4枚張り合わせた「試験接着テスト」で2mもの部分が接着不良という結果が出た。
このように,遮水シートは,浸出を防止することができる遮水工とはなっておらず,共同命令1条1項5号イの要件が充足されていない。全国的な事例を見ても,遮水シートが破損して浸出水が地下水等の自然水に流入し,環境汚染をひきおこしている。実例としては,神奈川県平塚市の遠藤原処分場,東京都八王子市の戸吹処分場,上記谷戸沢処分場,福島県田村郡小野町の一般廃棄物最終処分場等がある。
東京都多摩郡日の出町の谷戸沢処分場については,遮水シートの破損及び汚水漏れを示す地下水電気伝導度データの公開により,区域によっては埋立開始当初から汚水漏れがあった疑いが強く,また一定期間経過後急激に数値が上昇しており,この時期に何らかの大きな破損が生じたことが一見して明らかになっている。しかも,施工1年後には既に破損しており,それらはいずれも大規模なものであった。このことからすると,遮水シート工法は,せいぜい10年位しか本来の効用を発揮しないことが実証されたことになり,少なくとも50年から100年は有効に機能しなければならない遮水シートがこのような致命的欠陥を有することは,生活環境上の保全という見地からして何とも頼りないものである。
また,福島県田村郡小野町の一般廃棄物最終処分場においても,処分場の調整池及び処分場周辺の対象沢源流河川,排水沢河川の底質は,処分場の稼働に由来する極めて高濃度のダイオキシン類の汚染を受けており,遮水シートが破損しているおそれが極めて高い。
このように遮水シート工法自体が既に破綻しており,処分場において自然の浄化能力が回復するまで破損しないシートなど存在しない。したがって,遮水シート工法による本件処分場の施工は,共同命令2条1項4号,1条1項5号イに違反し,ひいては廃棄物処理法15条2項1号に違反する違法なものである。
イ 本件処分場設置に関する同意の不存在
(ア) 福島県は,指導要綱を制定し,平成2年4月1日から施行している。その目的は,廃棄物処理法,施行令,規則,共同命令,施行細則に定めるもののほか,産業廃棄物の適正な処理に関して必要な事項を定めることにより,生活環境の保全及び公衆衛生の向上を図ることにある(指導要綱1条)。平成2年以降,同6年,同10年,同11年にそれぞれ改正されているが,その目的は一貫して変わらない。この指導要綱は,条例となっておらず,法令ではない。しかし,福島県は,産業廃棄物処理法の趣旨に従い,さらなる生活環境の保全及び公衆衛生の向上を図るために,廃棄物処理法を補完するものとして,この指導要綱を制定したものである。廃棄物処理法15条や共同命令の内容をさらに具体的に表現し,廃棄物処理法15条や共同命令を実効あらしめるための目的で制定したものである。したがって,指導要綱は,廃棄物処理法や共同命令と一体不可分のものと理解されるべきであり,被告を拘束するものであるから,被告が指導要綱に違反した措置や処分をすれば違法といわざるを得ない。また,設置申請者も指導要綱に準拠して申請の準備を進めた限りにおいて,指導要綱違反による不利益を甘受しなければ
ならない。
(イ)a 平成6年10月1日施行前の指導要綱には規定されていないが,同日施行以降の指導要綱12条2項には,産業廃棄物処理業者が保健所に対する事業計画書を提出するに際しては「施設設置等予定地に隣接する土地の所有者,周辺住居者,下流域の水利権利者等の同意書の写し」の添付を要する旨規定している。にもかかわらず,同4年12月7日,M社が福島保健所に対し指導要綱12条1項に基づき提出した事業計画書には,添付書類として添付することになっている下流域の水利権利者である井野目堰,中野堰,小川堰の各水利組合の同意書は添付されていなかった。
b また,平成6年10月1日施行前の指導要綱には規定されていないが,同日施行以降の指導要綱12条3項には,「事業計画書の提出を受けた保健所長は(中略)当該事業計画に係る施設の設置等予定地の市町村の長に当該事業計画書を送付し,当該事業計画と土地利用計画との整合性,周辺環境への影響の有無,地元住民等との調整状況及び関係法令等との整合性について,当該市町村の意見を求めるものとする。」旨規定されている。
福島保健所長は,二回にわたり,福島市長に対して同条項に基づき意見照会をしたところ,福島市長は,これに対し,平成5年3月12日及び同7年8月4日に「下流域の水利権者である3水利組合の同意を得ること,漁業権者であるR漁協の同意を得ること,周辺住民の理解を得ること」を設置許可の条件とする旨回答をした。
にもかかわらず,被告はこれを全く無視し,M社は何ら水利組合や地域住民との調整も行わなかった。
また,福島県は,①処分場からの排水は,小川の水で800倍に薄まるから,下流の井野目堰,中野堰,小川堰の各水利組合の水利権利者には影響がないため,各水利組合の同意は必要ない,②R漁協摺上支部の役員名で「県が認めれば協力する」旨の文書が提出されており,これを同意した文書とみなす,③周辺居住者の同意は,影響のある750m範囲内には誰もいないから不要である,④地区代表者の同意については,大滝部落の区長の同意がある,⑤平成8年3月12日の連絡協議会で福島市長を含む関係機関で調整した結果であり,福島市の意見を無視したものではないことを理由として,平成8年3月18日,事前協議は終了した旨M社に通知した。
しかしながら,①3水利組合の同意が必要であることは,福島県が平成6年9月議会で答弁していたことである,②排水が800倍に薄まる根拠についての説明はなされていない,③R漁協の組合長N県議会議員は,同意文書について「私は何も知らなかった。」「漁業権は組合に付与されているのだから,支部が決められるものではない。」「支部の役員の話では同意をしたことはないと言っている。」等と言明しており,その後改めて福島県からR漁協への意見照会に対し平成8年8月20日不同意の回答書を提出した,④周辺居住者の範囲につき,750m以内とする説明には合理性がない,⑤大滝部落には誰も住んでいないが,同部落出身者で構成される同部落保存会が反対の陳情をしている,⑥連絡協議会に出席した福島市の担当者は,事前協議終了を了承した認識は全くなかったのであり,上記見解は正当なものではない。
c また,平成6年10月1日施行前の指導要綱には規定されていないが,同日施行以降の指導要綱13条2項には,産業廃棄物処理業者が保健所に対する事前協議書を提出するに際しては,処理場に隣接する土地の所有者,周辺居住者,搬入道路周辺居住者,下流域の水利権利者・水路管理者,地区代表者等の同意書の写しの添付を要する旨規定している。
にもかかわらず,平成6年4月21日,M社は福島保健所に同意書の写しを添付することなく指導要綱13条1項に基づく事前協議書の提出をし,被告は,これに基づく本件許可処分をした。
(ウ) 以上によれば,平成6年10月1日施行前の指導要綱には規定されていないが,同日施行以降の指導要綱の規定に違反する手続によりなされた被告の本件許可処分は違法である。
(5) よって,原告らは,被告が平成9年3月19日付けでM社に対してなした別紙産業廃棄物処理施設目録記載の施設に対する設置許可処分の取消しを求める。
2 本案前の被告の主張
(1) 行政事件訴訟法9条は,行政処分の取消しの訴えは当該処分の取消しを求めるにつき「法律上の利益を有する者」に限り提起することができると定めている。そして,この場合,行政処分の取消しを求めるにつき「法律上の利益を有する者」とは,当該処分の取消しにより回復すべき自己の法律上の利益を有する者,つまり当該処分により自己の権利若しくは法律上保護された利益を侵害され,又は必然的に侵害されるおそれのある者をいうと解すべきである。
(2) 「法律上保護された利益」があるというためには,処分の根拠となった行政法規が当該個人的利益の保護を目的としていることが必要,すなわち,行政法規が専ら公共の利益の保護を目的としているときに公共の利益が保護される結果として,特定の者の個人的利益が反射的に保護を受けることとなる場合は法律上保護された利益とはいえないと解すべきである。
廃棄物処理法について検討するに,同法15条1項本文は,「産業廃棄物処理施設(廃プラスチック類処理施設,産業廃棄物の最終処分場その他の産業廃棄物の処理施設で政令で定めるものをいう。以下同じ。)を設置しようとする者は,厚生省令で定めるところにより,当該産業廃棄物処理施設を設置しようとする地を管轄する都道府県知事の許可を受けなければならない。」と定めており,この許可は,一般的に禁止されているところの産業廃棄物処理施設の設置につき,一定の要件を具備した申請者に対し,その禁止を解除し,その設置を適法に行う自由を回復せしめる効果を有するものである。したがって,許可を受けた者に対し特別の権利を付与するものではない。
他方,この許可は,許可を受けた者の産業廃棄物処理施設における廃棄物の処分によって公害等の被害が出た場合に,当該処理施設の周辺住民に対し,被害を受忍する義務を課するものではない。すなわち,産業廃棄物処理施設の設置者に対する許可は,処理施設の周辺住民に対し何らの権利義務の変動ももたらさないものである。
また,廃棄物処理法は,廃棄物を適正に処理することにより公益であるところの生活環境の保全及び公衆衛生の向上を図ることを目的としており,これにより国民が受ける利益は,一般的,反射的利益であって,法の直接保護する利益ではない。
産業廃棄物の処理施設設置の許可は,一定の要件を具備した申請者に対し,その禁止を解除し,産業廃棄物処理施設の設置を適法に行う自由を回復せしめる法律上の効果を有する処分であり,同法は一定の要件を15条2項で規定しているところ,これらの要件は,産業廃棄物を適正に処理するためのものであって,周辺住民の個人の権利を直接保護するものではない。
以上によれば,本件許可処分にかかる本件処分場から直線距離にして約8.5㎞以上離れた場所に居住する原告らにとって,田畑の利用水や井戸水の地下水が本件処分場からの排水により汚染されることにより生活に重大な影響を受ける可能性はほとんどないから,原告らは,本件許可処分につき法律上保護された利益を有せず,本件許可処分によって権利利益を必然的に侵害されるおそれのある者でもないから,本件許可処分の取消しを求める「法律上の利益を有する者」とはいえない。したがって,原告らは,行政事件訴訟法9条に規定する原告適格を有しない者であり,本件訴えは不適法として却下されるべきである。
3 本案前の被告の主張に対する原告らの反論
(1) 廃棄物処理法は,以下のとおり,単なる公益のみならず,廃棄物処理施設の周辺住民の個人的な利益をも具体的に保護するものである。
ア 公害対策基本法が目的とする「国民の健康」及び「生活環境の保全」は,その法益の重大性,貴重性から単なる公益のみならず,具体的な国民個々人の健康,財産といった個人的利益をも保護していると解すべきところ,廃棄物処理法は,公害対策基本法の精神に則って,生活環境の保全も公衆衛生を保持するための手段であるとした旧清掃法を全面的に見直し,「廃棄物を適正に処理し及び生活,生活環境を清潔にすることにより,生活環境の保全及び公衆衛生の向上を図ることを目的」として人の生活環境の保全をその目的に加えた。
そうだとすると,公害対策基本法を承けて制定された廃棄物処理法における「生活環境」も,公益のみならず,施設周辺住民の個人的利益すなわち生命,身体,財産等を具体的に保護の目的としていると解すべきである。
しかも,廃棄物処理法は,平成3年に改正され,産業廃棄物処理施設の設置につき,届出制から許可制へと変更され,許可にあたっては生活環境の保全上必要な条件を付することができるとされ,施設の設置者は周辺地域の生活環境の保全及び増進に配慮しなければならないこととなった。
さらに,平成9年には廃棄物処理法は再び改正され,施設設置手続の改善が図られ,周辺地域の生活環境への影響調査,関係住民や関係市町村長からの意見聴取,専門的知識を有する者からの意見聴取等が行われることとなった。
これら改正により,廃棄物処理法は,周辺住民の個人的利益を保護目的としていることがより明確になった。
イ また,廃棄物処理法に定める産業廃棄物処理施設の設置基準からも,同法が廃棄物処理施設の周辺住民の個人的な利益をも具体的に保護するものであることが窺える。
すなわち,廃棄物処理法15条2項を受けて共同命令や規則により定められた設置許可基準は,周辺地域の環境の保全,周辺住民の生活環境の保全に配慮をしている。具体的には,産業廃棄物が有する危険性に着目し,産業廃棄物の流出を防止するために地滑り防止工を設けることや健全な擁壁,えん堤を設けることと定めている。また,産業廃棄物の保有水等が公共の水域や地下水を汚染しないように遮水工を設けること,保有水等を排水基準以下に抑える処理設備等を設けることが定められている。さらに地表水が埋立地に流入することを防止する施設も要求されている。そして,災害防止のための計画も定めなければならないとされている。
このような詳細な許可の基準を定めた趣旨は,産業廃棄物が有する危険性に着目し,これによって被害を被る対象が人間の生命,身体等の重要な法益であることから,これら法益を最大限に保護することにあることは言うまでもない。このような法規制の姿勢,趣旨からすると,廃棄物処理法は,単に公益としての生活環境の保全のみを目的とするものではなく,周辺住民の個人的利益をも保護していると解すべきである。
そして,周辺住民には,処分場周辺に居住する者だけでなく,排水される河川の下流域に居住し,その河川水を飲用水,農家用水,生活用水として使用する者をも含むと解すべきである。
ウ さらに,福島県では,廃棄物処理法の生活環境の保全に関する不備を補うため,平成2年に指導要綱を設けている。指導要綱は,廃棄物処理法の目的に則り,それを福島県の実情に合わせて規制ないし指導を発展させたものであるが,指導とはいうものの,行政実務の面では規制として機能しているのが実態である。
この指導要綱は,産業廃棄物の適正な処理をするため,事業者及び処理業者を指導し,監督するとともに,処理業者の団体の健全な育成及び指導に努めるとし(指導要綱3条),福島県知事はこの指導要綱等に従い,生活環境上指導しなければならない事柄については指導をし,もし生活環境上許可することが妥当でない場合には,知事の裁量として不許可とすることもありうるのである。
廃棄物処理法は,このような福島県の実情に合わせた指導要綱等の存在を認めていると解すべきであり,指導要綱は,廃棄物処理法が周辺住民の生命,身体,健康,生活の保護を目的としていることを裏づけるものと考えるべきである。
(2) 以上によれば,廃棄物処理法は,単なる公益のみならず,廃棄物処理施設の周辺住民の個人的な利益をも具体的に保護するものであり,原告らは,請求原因(1)ア記載のとおり,本件処分場の排水放流先である小川の流域に居住し,本件処分場に廃棄された産業廃棄物によって小川の水が汚染された場合にはその生命,健康,財産等を侵害される蓋然性のある者であるから,原告適格を有する。
4 請求原因に対する認否及び被告の主張
(1)ア 請求原因(1)アの事実は不知ないし否認する。
原告らは,小川流域には居住していない。
イ 同イの事実は認める。
(2) 同(2)の事実は認める。
(3) 同(3)の事実は認める。
(4)ア 同(4)頭書は争う。
イ(ア) 同(4)ア(ア)の事実は認める。
(イ) 同(イ)の事実は認める。
(ウ) 同(ウ)のうち主張は争い,他の事例については不知。
(エ) 遮水シート工法についての被告の反論は以下のとおりである。
a 遮水工の構造,遮水シートの品質,遮水層の被覆について審査し,遮水工の安全性は確認している。また,集水管等の敷設勾配,材質及び管径を審査し,堅固で耐久力を有することを確認している。
すなわち,福島県は,指導要綱13条3項に基づき,産業廃棄物処理施設の構造に関する基準(平成12年改正前のもの。以下同じ。以下「基準」という。)を定めており,産業廃棄物処理施設を設置し,又はその構造若しくは規模を変更しようとする者に対し,事前協議に係る計画の立案に当たっては同基準を遵守することを求めている。
基準は,産業廃棄物最終処分場の構造について「しゃ断型最終処分場」「安定型最終処分場」「管理型最終処分場」の3つに分類した上で,3つの最終処分場に共通した基準と各類型ごとの個別基準に分けて規定しており,本件処分場が該当する管理型最終処分場について,個別基準として(1)貯留構造物(2)埋立工法(3)しゃ水工(4)浸出水集排水施設(5)浸出水処理施設(6)発生ガス処理施設(7)防災設備について詳細に規定している。
b(a) 本件処分場の許可に当たって,被告は,基準第4,4(3)イ(ア)に規定している遮水シートの厚さ,材質,耐久性,同(イ)に規定している保護層,同(オ)に規定している遮水シートの固定,同(カ)に規定している遮水シートの接合,同(キ)に規定している産業廃棄物の接触又は埋立用重機及び搬入車両の荷重からの遮水シートの保護についていずれも基準の求める要件を満たしていることを確認した。特に,本件遮水シートの材質については,本件処分場の法面部分には「高規格TPO」,底盤部分には「FPA」シートが使用されており,それぞれのシートの特性は,別紙処分場しゃ水シート比較表記載のとおりであり,総合評価としても優れた性能を有するシートである。
(b) また,基準第4,4(4)アに規定している浸出水集排水施設の構造,同ウに規定している目詰まり防止,同エに規定している集排水管の管径及び管路断面,同カに規定している浸出水集排水管の構造について,いずれも基準の求める要件を満たしていることを確認した。
(c) 基準第4,4(5)に規定している浸出水処理施設,同アに規定している計画処理水量,同イに規定してる調整設備,同ウに規定している浸出水処理施設の処理能力,同エに規定している浸出水の水質,同オに規定している処理水の放流先,同カに規定している排水設備について,いずれも基準の求める要件を満たしていることを確認した。
特に,保有水等を排水基準を定める総理府令に規定する排水基準に適合させることができる浸出水処理設備であることを,申請者が提出した施設の設計計算書等により確認した。
処分場からの排水による下流水利権者等への影響については,河川流量と放流量との希釈倍率から汚濁負荷はわずかであると判断した。
具体的には以下のとおりである。
① BOD負荷について
放流地点の河川水量は,降水量や流域面積等から,渇水期の5月に最低値1万1499‰/日,増水期の9月に最大値4万9546‰/日,そして年平均で2万8709‰/日と予測される。
浸出水量も降雨量などから渇水期の5月に最低値8‰/日,増水期の9月に最大値130‰/日(最大処理能力量),そして年平均で35‰/日と予測している。
また,放流水の水質目標を平均5㎎/?,最大10㎎/?としている。
放流水のBOD日汚濁量は,放流水の水質(BOD:㎎/?)に水量を乗じて求められるもので,渇水期の平均値が40g,最高値が80gと,同様に増水期は平均650g,最大1300gと,そして年平均流量で平均値が175g,最高値が350gと予測される。
この日汚濁量を河川流量と放流流量の和で除して汚濁負荷が求められるので,渇水期は平均0.003㎎/?,最大0.007㎎/?,増水期は平均0.013㎎/?,最大0.026㎎/?,年平均流量では平均0.006㎎/?,最大0.012㎎/?と予測される。
つまり,処分場の放流水による河川のBODの上昇は,放流地点において最大でも0.026㎎/?と予測されるが,これはBODの測定精度1㎎/?を遙かに下回るものであり,数値上算出はされるが実際に計測できないオーダーのものである。
これより下流の農業用水取水地点においては,放流地点よりも河川の流量が多いので,汚濁負荷はさらに小さくなっている。
② その他の負荷について
BOD以外の有害物質等については,放流水の処理目標値として定量限界値かそれに近い値が設定されており,放流地点及び農業用水取水地点の希釈率からすれば,いずれも検出限界以下となる。
本件処分場に係る汚濁負荷は,放流地点においても計測し得ないほど小さいものであるが,河川及び農業用水路を流れてあるいはその一部が地下に浸透し地下水脈を経て本件処分場と直線距離にして約8.5㎞以上離れた原告らの居住地付近に達するまでには,希釈,河川の自浄作用,土壌による濾過作用などが想定され,数値的な予測はできないが,放流地点や農業用水取水地点よりもさらに小さくなるものと考えられる。
c 仮に,遮水シートが破損しても検知システム(Mr.センサー)が有効に機能しており問題はない。
検知システム(Mr.センサー)は,遮水シートの健全性をモニタリングする方法の1つで,シート損傷位置を速やかに検出することを目的とする。
観測井戸の設置は義務づけられているものの,検知システムは法的設置義務がなく,検知システムを採用している処分場は少ない。
検知システム(Mr.センサー)の実績は,M社のほかに7件あり,いずれも正常に作動していて,システム設置による問題等は発生していない。
検知システム(Mr.センサー)の検知部は,遮水シートの下の面電極とシート上部にある固定電極で構成される。
面電極の耐久性については,電極体として,金属としての安定性がよく,耐食性の高い材料であるアルミニウムが使用されており,面電極の寿命は半永久的と考えられるが,面電極のアルミニウム電極体は,不織布に内蔵することで機械的強度を向上させ,さらに構造的に安定している2重シート間に設置することにより,耐久性を高めている。
株式会社Oが実施した耐食性試験では,35年以上の耐食性を示すデータが得られている。
仮に遮水シートが破損して,廃棄物を含んだ浸出水による部分的な腐食消耗が発生したとしても面電極は底盤下の全面に敷設されており,性能上何ら問題はない。
固定電極は,株式会社Oがステンレス電極と耐食性特殊樹脂の一体形成で製造した腐食モニタリングプローブであり,これは,腐食・防食監視センサーとして陸上石油タンク底盤の直下やガス・水道などの埋設配管の近傍に埋設設置されており,約20年の実績を有している。
ウ(ア) 同イ(ア)のうち,福島県が指導要綱を作成し,平成2年4月1日から施行していること,その目的が指導要綱1条に記載しているものであること,指導要綱が条例とはなっていないことは認め,その余は争う。
指導要綱は,廃棄物処理法を効果的に運用するための行政指導である。
なお,指導要綱に規定する保健所長は平成9年4月から地方振興局長に変更されている。
(イ)a 同(イ)aの事実は認める。
b 同(イ)bの事実のうち,被告が福島市の意見を全く無視し,M社が何ら水利組合や地域住民との調整も行わなかったことは否認し,その余の事実は認め,主張は争う。
M社がR漁業協同組合に同意願いを提出したのは平成3年1月19日であり,同組合が不同意の書面を提出したのは同8年8月30日である。しかし,同組合摺上支部は,同8年9月13日付け書面によりM社に対し,本件処分場の設置に理解を示す書面を再度提出している。
c 同(イ)cの事実のうち「地区代表者の同意書の写し」との部分を除き,認める。
指導要綱13条3項により設置等予定者が遵守するものとしている「産業廃棄物処理施設の立地等に関する基準」の第3,3には,地区代表者の同意は,「必要に応じて」と規定されている。
(ウ) 本件処分場設置に関する同意の不存在についての被告の反論は以下のとおりである。
a 同意取得の範囲は,産業廃棄物最終処分場建設予定地の所在市町村長から意見を聴き,産業廃棄物処理施設の種類や規模,周辺の土地利用状況等を総合的に勘案しながら個別具体的に判断している。市町村関係機関等から意見を聴取した上で,その意見に対して調整の上,報告するよう事業者を指導し,その意見に対する見通しがついた段階で次の事前協議に進むことになっている。同意については,市町村長の意見等を踏まえ,新たな関係者からの同意を求める場合もあり,このような場合には事前協議の審査の中で対応することとしており,また反対者に正当な反対理由がないのに単に反対であるとの理由で同意が得られない場合にはやむを得ないものと判断して同意がないままで事前協議に進む場合もあり得る。
b 本件に関する同意の取得状況は以下のとおりである。
① 平成6年改正前の指導要綱には規定されておらず,同年改正以降の指導要綱上規定があるが,同意の必要のなかったもの
周辺居住者 本件処分場から750m以内には居住者がいない。
搬入道路周辺居住者 本件処分場から750m以内には居住者がいない。搬入は国道13号線から直接進入する。
下流水利権者 福島市長の意見にあった3水利組合の取水堰は本件処分場の放流地点から約6㎞以上離れ,河川の水質及び水量に影響を及ぼさないと審査したため,指導要綱上の下流権利者に該当しないと判断した。
② 平成6年改正前の指導要綱には規定されていないが,同年改正以降の指導要綱上規定があり今回同意を取得したもの
隣接土地所有者 土地所有者全員からの同意を得ている。
地区代表者 本件処分場建設計画当時,大滝地区(ただし,現在居住者は存在しない。)が存在したことから当該地区の同意を得ている。
③ 平成6年改正前の指導要綱には規定されていないが,同年改正以降の指導要綱上規定があり,今回同意を取得したものとみなしたもの
漁業権者 R漁業協同組合が該当し,当該組合からは不同意とする回答が提出されているが,本件処分場の設置に伴い影響を受けるおそれのある範囲を直接管理している当該組合の摺上支部から協定締結に向けた意思表示が示されたので同意が得られたものと判断した。
以下が裁判所判断
理 由
1 原告適格について
(1) 本件のような行政処分の取消しの訴えの原告適格については,行政事件訴訟法9条により,「当該処分の取消しを求めるにつき法律上の利益を有する者に限り,提起することができる。」と規定されているところ,同条が定める行政処分の取消しを求めるにつき「法律上の利益を有する者」とは,当該処分により自己の権利若しくは法律上保護された利益を侵害され又は必然的に侵害されるおそれのある者をいい,この法律上保護された利益とは,行政法規が私人等権利主体の個人的利益を保護することを目的として行政権の行使に制約を課していることにより保障されている利益であって,それは,行政法規が他の目的,特に公益の実現を目的として行政権の行使に制約を課している結果たまたま一定の者が受けることとなる反射的利益とは区別されるべきものである。そして,当該処分を定めた行政法規が,不特定多数者の具体的利益をもっぱら一般的公益の中に吸収解消させるにとどめず,それが帰属する個々人の個別的利益としてもこれを保護すべきものとする趣旨を含むと解される場合には,かかる利益もこの法律上保護された利益に当たるというべきである。当該行政法規が,不特定多数者の具体的利益をそれが帰属する個々人の個別的利益としても保護すべきものとする趣旨を含むか否かは,当該行政法規及びそれと目的を共通にする関連規定によって形成される法体系の中において,当該処分の根拠規定が当該処分を通して前述のような個々人の個別的利益をも保護すべきものとして位置づけられているものとみることができるかどうかによって判断すべきである。
(2) そこで,本件で問題となる廃棄物処理法及び同法に関連する法規範が,産業廃棄物処理施設の設置許可基準につきどのような規定を設けているか概観すると,以下のとおりである。
廃棄物処理法15条1項は,「産業廃棄物処理施設(廃プラスチック類処理施設,産業廃棄物の最終処分場その他の産業廃棄物の処理施設で政令で定めるものをいう。以下同じ。)を設置しようとする者は,厚生省令で定めるところにより,当該施設を設置しようとする地を管轄する都道府県知事の許可を受けなければならない。」旨規定する。
また,同条2項は,「都道府県知事は,前項の許可の申請に係る産業廃棄物処理施設が次の各号に適合していると認めるときでなければ,同項の許可をしてはならない。」として「一 厚生省令(産業廃棄物の最終処分場については,総理府令,厚生省令)で定める技術上の基準に適合していること。二 産業廃棄物の最終処分場である場合にあっては,厚生省令で定めるところにより,災害防止のための計画が定められているものであること。」と規定する。
そして,この同条2項にいう厚生省令であるところの共同命令2条1項本文で準用する1条1号は,「埋立処分の場所(以下「埋立地」という。)の周囲には,みだりに人が埋立地に立ち入るのを防止することができる囲いが設けられていること。」とし,同命令2条1項本文で準用する1条3号は,「地盤の滑りを防止し,又は最終処分場に設けられる設備の沈下を防止する必要がある場合においては,適当な地滑り防止工又は沈下防止工が設けられていること。」とし,同命令2条1項1号は,「入口の見やすい箇所に,様式第二により産業廃棄物の最終処分場であることを表示する立札その他の設備が設けられていること。」とし,同命令2条1項4号で準用する1条4号は,「埋め立てる産業廃棄物の流出を防止するための擁壁,えん堤その他の設備であって,次の要件を備えたもの(以下「擁壁等」という。)が設けられていること。イ 自重,土圧,水圧,波力,地震力等に対して構造耐力上安全であること。ロ 埋め立てる産業廃棄物,地表水,地下水及び土壌の性状に応じた有効な腐食防止のための措置が講じられていること。」とし,同命令2条1項4号で準用する1条5号は,「埋立地からの浸出液による公共の水域及び地下水の汚染を防止するための次に掲げる措置が講じられていること」として「イ 埋立地には,産業廃棄物の投入のための開口部及びロに規定する集水設備(水面埋立処分を行う埋立地については,排水設備)の部分を除き,産業廃棄物の保有水及び雨水等(以下「保有水等」という。)の埋立地からの浸出を防止することができる遮水工を設けること。ただし,埋立地と公共の水域及び地下水との間に充分な厚さの不透水性の地層その他本文に規定する遮水工と同等以上の効力を有するものがある部分については,この限りでない。ロ 埋立地には,保有水等を有効に集めることができる堅固で耐久力を有する構造の管渠その他の集水設備(水面埋立処分を行う埋立地については,保有水等を有効に排出することができる堅固で耐久力を有する構造の余水吐きその他の排水設備)を設けること。ただし,雨水が入らないよう必要な措置が講じられる埋立地(水面埋立処分を行う埋立地を除く。)については,この限りでない。ハ 集水設備により集められた保有水等(水面埋立処分を行う埋立地については,排水設備により排出される保有水等。以下同じ。)に係る放流水の水質を排水基準を定める総理府令(昭和46年総理府令第35号)第1条に規定する排水基準(当該排水基準に係る同令別表第2の備考2の規定は適用しないものとする。)に適合させることができる浸出液処理設備を設けること。ただし,集水設備により集められた保有水等を貯留するための十分な容量の耐水構造の貯留槽が設けられ,かつ,当該貯留槽に貯留された保有水等が最終処分場以外の場所に設けられた本文に規定する浸出液処理設備と同等以上の性能を有する水処理設備で処理される最終処分場にあっては,この限りでない。」とし,同命令2条1項4号で準用する1条6号は,「埋立地の周囲には,地表水が埋立地の開口部から埋立地へ流入するのを防止することができる開渠その他の設備が設けられていること。」と規定する。
(3) 産業廃棄物処理施設の設置許可基準に関する上記一連の規定は,そこで規定している事故及び悪影響等がもたらす可能性のある被害の内容,状況を考慮した上で,その産業廃棄物処理施設の技術及び能力に関する基準を定めていると解される。
さらに,産業廃棄物の最終処分場の設置許可には,生活環境の保全上必要な条件を付することができること(廃棄物処理法15条3項),産業廃棄物処理施設の設置許可を受けた者は当該処理施設に係る周辺地域の生活環境の保全及び増進に配慮するものとすること(同法15条の4,9条の4)といった周辺地域への配慮を定めた規定を置いている。そして,これら規定が設けられた経緯については,平成3年9月11日及び同月13日に開催された厚生委員会議録等(甲17,18)に,地元住民に信頼される安全性の高い施設を整備していくために届出制から許可制に改正し,生活環境保全上の配慮の必要に応じて個別に対応できるよう条件が付けられるように改正することが明記されている。
このように,周辺の環境に配慮するのは,産業廃棄物処理施設を建築すると周辺地域への悪影響が起きる可能性があるので,これを未然に解消する趣旨であることはいうまでもない。
前記各規定の設けられた経緯,趣旨,前記各号が考慮している被害の内容等に鑑みると,廃棄物処理法15条2項の規定は,単に公衆の生命,安全,環境上の利益を一般的利益として保護しようとするにとどまらず,産業廃棄物処理施設の周辺に居住し,同施設自体あるいは施設の事故等がもたらす災害や悪影響により直接的かつ重大な被害を受けることが想定される付近住民の生命身体の安全等を個々人の個別的利益として保護すべきものとする趣旨を含むと解するのが相当である。
(4) そして,原告らの居住する地域が被害の想定される地域といえるかどうかについては,本件処分場の種類,構造,規模等の本件処分場に関する具体的な諸条件を考慮に入れた上で,原告らの居住地域ないし農地と本件処分場が処理水を排水する小川ないし本件処分場周辺の伏流水との位置関係等を中心として,社会通念に照らして合理的に判断すべきである。
(5) 証拠(乙12,13,15,17)及び弁論の全趣旨によれば,以下の事実が認められる。
本件処分場に受け入れられる廃棄物は,燃え殻(焼却灰),汚泥,廃プラスチック類,紙くず,木くず,繊維くず,ゴムくず,金属くず,ガラスくず及び陶磁器くず,鉱さい,建設廃材,ばいじん(ダスト類),その他産業廃棄物を処分するために処理したもの等である。
これら産業廃棄物により排出されることが予想される有害物質としては,カドミウム及びその化合物,鉛及びその化合物,砒素及びその化合物,水銀及びアルキル水銀その他の水銀化合物,フェノール類,銅,亜鉛,溶解性鉄,溶解性マンガン,クロム,弗素,窒素,燐等があげられる。
そして,本件処分場は,管理型の産業廃棄物最終処分場であり,そのシステムの概要としては,埋立地の底面及び法面部を遮水シートで覆い,その上に上記産業廃棄物を埋立処理し,埋め立てられた産業廃棄物から排出される汚水は浸出水として集排水管を通り浸出水調整池に貯められ,浸出水処理施設及び礫間接触酸化槽並びに消毒槽で浄化処理された上で1級河川小川に放流され,一方,本件処分場内の表流水及び地下水は沈砂池に貯められ,防災調整池から放流槽を通じて同じく小川に放流されることになっている。
(6) そうだとすると,本件処分場において,産業廃棄物からしみ出た浸出水が本件処分場埋立地を覆っている遮水シートの破損等により地下に浸透したり,浄化処理されるはずの浸出水がシステムが作動しなかったなど何らかの原因で浄化処理されずに小川に排出される場合には,小川や本件処分場周辺の伏流水が上記有害物質により相当程度汚染されるおそれがあることは否定できない。
原告らは,本件処分場から直線距離にして約8.5㎞以上離れた別紙図面(1)ないし(12)記載の位置にそれぞれ居住しており,距離に限っていえば必ずしも付近住民とはいい難い。
しかしながら,証拠(乙6)によれば,本件処分場周辺の地質の被覆土層のうち谷中堆積物・河床堆積物は,1m~3m内外の厚さで分布する土砂で,その層相が場所によってかなり変化し,地下水(伏流水)を帯水していることが認められ,本件処分場の機能,運転状況等によっては,同施設から排出される処理水の中に含まれる有害物質により伏流水が汚染され,原告らがその伏流水を井戸などから取水することにより生命,身体に被害を被るおそれがあると認められる(なお,伏流水がどのような流れになっているかについては,甲第7号証によっても必ずしも明らかでないものの,本件処分場の埋立地周辺の伏流水が原告らの居住する地域に流入している可能性があることを否定することはできない。)。また,小川の水が汚染されることにより,農作業を営む関係原告らの農作物自体に有害物質による悪影響がもたらされるという事態を生じるおそれがあることも否定できない。
そうすると,原告らは,本件処分場の付近住民とはいえないとしても,同施設が排出する処理水が放流される小川の水や本件処分場からの排水を含む可能性のある伏流水を生活用水ないしは農作業に使用している状況を踏まえると,付近住民に準じた地位にあるということができ,本件処分場による被害を被ることが想定される地域に居住する住民ということができる。
(7) 以上とおり,原告らは,本件処分場の設置により生命,身体等に被害を受ける可能性があるのであるから,本件許可処分を争う原告適格を有するというべきである。
2 本案について
(1) 証拠(乙5,7,8の1ないし3,乙9,11,12,13,14,15)及び弁論の全趣旨によれば,本件処分場は,廃棄物処理法,同施行令,同規則及び指導要綱並びにそれに基づく基準等に定められた門扉,フェンス,表示板,貯留構造物安定計算,防災調節池ダム安定計算,減勢工の設計,防災調節池ダムの構造,法面安定計算,浸出水調整槽の安定検討,浸出水調整槽側壁の構造計算,浸出水調整槽上流の排水及び腐食防止,浸出水調整槽容量計算,浸出水排水施設計算,放流河川の汚濁負荷,雨水排水施設計算,災害防止等の各種要件をいずれも満たしていると認められ,原告らもこの点を争うものではない。
本件では,原告らは,遮水シート工法の有効性と本件処分場設置に関する同意の不存在について争っているので,以下この点に絞って検討する。
(2) 遮水シート工法の有効性について
ア まず,本件処分場の浸出水処理方式及び処理施設による処理能力について概観する。
(ア) 証拠(乙12,13,40)及び弁論の全趣旨によれば,以下の事実が認められる。
本件処分場の浸出水処理方式としては,浸出水処理施設(主処理工程)で所定の管理目標値まで浄化した後,礫間接触酸化層(後処理工程)を経て,地下水及び埋立地周辺表流水と合流し,放流する。
この処理方式の特徴としては,水質の自動計測により処理水が管理目標値に達しなかった場合には,原水槽へ循環し再処理すること,キレート樹脂吸着により,万が一微量の重金属が浸出(基準値以下も含め)することがあっても取り除くこと,管理目標値を達成した後に,礫間接触酸化層を通すことによりノーメンテナンスによる浄化の効果を向上させることがあげられる。
そして,浸出水処理施設による主処理工程としては,処理水は,まず,凝集沈殿処理により主にカルシュウムイオンが沈殿物として除去されるとともに,その他のコロイド状物質及び重金属類も除去される。その上で生物処理が施され,BOD(生化学的酸素要求量),COD(化学的酸素要求量),窒素が除去される。再び凝集沈殿処理が施され,主に,COD,SS(浮遊物質量),色度が除去され,砂濾過処理ではSSが除去され,活性炭吸着処理ではCOD,色度が除去され,キレート吸着処理では,前工程で除去されなかった重金属が完全に除去され,消毒では大腸菌群他細菌類が消毒される。
上記処理の結果,BODを例にとると,阿武隈川水系に対する福島県排水基準(放流水)(25㎎/?(日間平均20㎎/?))を下回る10㎎/?未満の処理水として処理されることになる。
さらに,後処理工程では礫間接触浄化槽を通すことによりBODが30%除去され,7㎎/?未満とされ,消毒槽を通すことにより,BODは2~3㎎/?にして排水されることになる。また,その他の有害物質についても同様であり,県の排水基準を大きく下回るかそれ以下として排水される。しかも,小川の流量は,本件処分場の処理水放流地点で浸出水量の400倍~1400倍,農業用水取水地点で1000倍~4000倍程度である。
本件処分場に起因する月平均の汚濁負荷は放流地点にて0.003(渇水期における平均値)~最大0.026㎎/?(増水期における平均値),取水地点にて平均0.001(渇水期における平均値)~最大0.009㎎/?(増水期における平均値)と計算される。これは最大の浸出水量が予想される埋立工程上の一時期の値であり,礫間浄化処理も併行して行うので実際の月平均の汚濁負荷はこれを大幅に下回ると予想される。この数値は計算上では算出されるが,観測上の測定精度(BOD1㎎/?が限界)をはるかに下回る検出不可能な値であり,実際上も河川水へ与える影響はないといってよいほどである。福島県の排水基準に定めるBOD以外の項目についても無負荷又はそれに近い状態である。
(イ) 以上によれば,本件処分場の浄化処理システムには何ら違法な点はなく,十分な処理能力を有しているということができる。
しかしながら,これは,本件処分場の遮水シート工法が有効に機能して本件処分場の産業廃棄物からしみ出た浸出水が全て本件処分場の上記浄化処理システムにより処理されることを前提とするものである。このように,本件遮水シート工法が有効に機能することが本件処分場の安全性を確保する上で重要となるから,本件遮水シート工法の有効性について検討する必要がある。
イ 本件遮水シート工法について
証拠(乙17)及び弁論の全趣旨によれば、本件処分場の遮水構成は,底面部が上部から下部へ保護土A(底面部,t(厚さ)=500㎜,良質発生土もしくは購入土,施工段階で設置),保護マットC(t=10㎜,1.2㎏/㎡以上(PET,補強布入り)),保護マットC,遮水シートB(t=2.0 熱融着タイプ),ベントナイト混合土(t=500㎜),保護マットB(t=10㎜,1.2㎏/㎡以上,面電極付,PET,検知システム用),遮水シートA(t=1.0㎜,熱融着タイプ,ベントナイト混合土の施工用及び遮水機能の補助),保護マットA(t=10㎜,1.0㎏/㎡以上,PET,基礎地盤に角れき等がなく良好な場合は不要),基礎地盤となっており,法面部が保護土B(t=500㎜,良質発生土もしくは購入土,埋立段階で設置),保護マットE(t=10㎜,1.2㎏/㎡以上(PET+アクリル,補強布入り),紫外線及び熱劣化対策),遮水シートC(t=1.5㎜,熱融着タイプ),保護マットD(t=10㎜,1.0㎏/㎡以上(PET)),モルタル吹付(t=70~100㎜(不陸整正必要圧),金網入り),面状排水材(t=10~20㎜(湧水量による),片面透水,耐
圧タイプ),基礎地盤となっている(なお,乙第40号証によれば,法面の底面部に最も近い部分については,遮水シートの下にベントナイト混合土(t=38㎝)が吹付け施工されている。また,原告らの主張する遮水シート工法の概要は乙10や15による計画段階のものと思われ,実際の本件処分場建設工事では底面部のベントナイト混合土による土質遮水層は50㎝となっている。)。
このうち,本件では,本件処分場の産業廃棄物からしみ出る浸出水を遮る能力が問題となっているから,その能力を有するとされる遮水シート及びベントナイト混合土の有効性について検討する。
(ア) 遮水シートについて
a 証拠(乙32,33,41,証人P)及び弁論の全趣旨によれば,以下の事実が認められる。
本件処分場に採用された遮水シートには,高弾性熱融着エラストマーが用いられており,法面には熱融着ブレンドゴム(高規格TPO,厚さ1.5㎜),底面には熱融着重合ゴムFPA(厚さ2.0㎜)が用いられている(別紙処分場しゃ水シート比較表参照。)。これらはいずれもJIS A 6008(高分子ルーフィング),現在使用されている遮水シートの代表的な材料に含まれる合成ゴム及び合成樹脂系非補強タイプの中弾性タイプの基準を充分満足する強靱で地盤追従性に富んだTPOシートである。
最終処分場に敷設される遮水シートは,その処分場が供用される間(閉鎖後の水処理期間を含む。)その遮水性能を維持しなければならない(一般的には10~15年)。その間遮水シートは太陽光,熱,風雨及び浸出水,廃棄物中の化学変化等にさらされる中でその遮水性能を維持する必要がある。したがって,耐候性,耐薬品性に優れている必要がある。
(a) 耐侯性について
遮水シートの耐侯劣化は,400nm以下の紫外線を吸収して起こる光劣化を主に,熱劣化や水分,オゾン等が複雑に影響して進行する。
遮水シートの耐侯劣化現象やその速度を観察するには促進劣化試験により劣化状況や寿命推定を行うことが一般に行われている。
そして,耐候性を評価する試験方法としては,人工促進耐候試験と屋外促進暴露試験がある。
屋外促進暴露試験としては,アメリカの各種公的機関より公認されている,アリゾナ州フェニックスの砂漠で行われている太陽光を追跡集光して照射するエマキュア試験があるが,この試験方式はアメリカ規格ASTM-G9-98で規定されており,促進倍率が高く,この試験方法では,照射エネルギー量は通常の屋外暴露の全波長域で約8倍,紫外線部で約5倍である。そこでの約1か月の屋外暴露は日本における天然暴露の約1年に相当するとみなされており,遮水シートは15年に相当する1.5年程度の促進暴露試験の結果,本件で用いられた遮水シートと同種類の厚み1.5㎜の熱融着タイプゴムシート(TPO)は,外観は「差無し」,表面の「みかん層状に見えるのは遮水シート製造時に転写されたシボ模様である。16ヶ月暴露後には表面がわずかに荒れているが,異常な変化は見られない。」,質量は変化率「0.3%」,強伸度変化については,引張強度保持率は「96%(降伏点強度保持率,101)」,引張り伸度保持率は「118%(降伏点強度保持率,99)」,100%伸び時の荷重保持率は「103%」となっており,遮水シートの耐候性について「シート表面を400倍の顕微鏡で観
察すると微細なひび割れが生じているが,他の物性項目の変化は小さい。」と考察されている。
また,本件遮水シートとともに用いられる保護マットについても,6か月のエマキュア試験の結果(具体的には,短繊維不織布(合成繊維製反毛フェルト3種4号,目付け1.2㎏/㎡),長繊維不織布(ポリエステル製スパンボンド不織布,目付け1.2㎏/㎡))とも,耐貫通性の点で貫通強度が約70~80%に低下したが,外観,質量,遮光性,極限粘度(ただし,短繊維不織布については測定不可)等いずれも大きな変化は見られなかった。
人工促進耐候試験としては,カーボンアークの紫外線と水スプレーによって,日光と雨の効果を与えるサンシャインウェザーメータ試験が一般に行われている。光源カーボンの中でもサンシャインカーボンを用いたWS形は分光特性が日光に近く,照射エネルギー量から約250時間が屋外暴露の約1年に相当するといわれている。この試験による遮水シートの5000時間(約20年相当)に及ぶ試験結果は,伸び率,引張強さとも,保持率の変化はほとんどない。
加えて,本件処分場の遮水構成は,遮水シートの上を保護マットで保護することにより紫外線及び熱劣化対策が施されており,耐侯性の点でより安全な構造となっている。
(b) 耐薬品性について
浸出水に対する遮水シートの耐久性に関しては,浸出水の性状に幅があることから,pHを目安に耐酸性,耐アルカリ性の試験を実施している。
社団法人全国都市清掃会議が昭和54年に全国の64処分場を調査した結果,処分場の浸出水の性状は,pH5.26~8.4の範囲であり,pH3からpH12までを想定して試験を実施した結果,本件処分場で用いられているのと同種類の遮水シートTPOは,pH3の場合「引張強さ比97%,伸び率比99%」,pH12の場合「引張強さ比98%,伸び率比102%」であって,物性変化が少なく,実用的に問題はないとされている。
b もっとも,遮水シートの接合が不十分であれば、そこから汚水が漏れることも考えられるが,証拠(乙40,証人P)によれば,遮水シート表面保護マットの接合方法として縫製式接合法,取替式固定法が開発され,不織布同士を熱融着より確実に接合することを可能にし,不織布を固定工に巻き込まず取替えを可能にするなどの工夫が施されていること,遮水シートの接合については,熱融着タイプのシートが開発されたことにより,シート同士を完全に一体化してしまうことで漏出を防ぐことができ,融着の温度,接合時の圧着力,圧着するスピード等をコントロールして施工すれば問題ないことが認められ,乙第19号証の写真撮影報告書には,遮水シートの接着実験を行い,空気圧計及び洗剤の泡による漏出確認の結果,漏れなく接着することができている状況が撮影されており,接合方法についても問題がないことを確認している。
c 以上のとおり,本件処分場に用いられている遮水シートは産業廃棄物からしみ出る浸出水を遮る機能を十分に発揮するものである。しかしながら,遮水シートのみの場合,遮水シートに損傷が生じると漏水に対してほとんど無抵抗である。そこで,次に検討するベントナイト混合土による土質遮水層の機能について検討する。
(イ) ベントナイト混合土について
証拠(乙34,35,36の1ないし3,42,証人Q)及び弁論の全趣旨によれば,以下の事実が認められる。
ベントナイトとは,火山灰の変質作用によって生成した粘土鉱物モンモリロナイトや他の不純物を含んだ岩石であり,水を加えるとスポンジのように吸水膨張し,糊のように粘りが出るという高液性限界特性及び膨潤特性を有し,しかも,食品添加物にも指定されている安全性の高い天然資源である。これに有効応力(重機による締め固め,ゴミ層等積載荷重)が加わると,層間から水が脱水されるが,まだ層間には層間水(イオン的な力で移動できない水)が残る。このため浸出水は,層間水が移動しない限り侵入できないことになる。
ベントナイト遮水層は,現地から発生した土にベントナイトを10%から15%程度混合して構築した土による天然材料の遮水層である。粒子の小さなベントナイトを混合することで組織が密実になり,さらにベントナイトの膨潤機能によって高遮水性能となる。水の通しにくさを表す透水係数は,毎秒1×10-9から1×10-7㎝であり,基準に適合している。
ベントナイト遮水層は,遮水シートと組み合わせることによって,遮水シートに不具合部が発生したときのバックアップ材となり浸出水の漏洩を遅らせることができる。厚さ50㎝のベントナイト遮水層を浸出水が通過する時間は,透水係数が毎秒1×10-7㎝で水圧が常時1mかかったとして計算上約8年となる。
そして,ベントナイト混合土の厚さについては,トラベルタイム(混合土内部を浸出水や化学物質等が通過する時間)と混合土のリダンダンシー(体積変化)として重要な要素であり,全体として難透水性を確保するために,重機施工による一層の施工厚さの限度を20~25㎝とし,総厚50㎝以上にするよう推奨されている。
本件処分場のベントナイト混合土による土質遮水層の厚さは,前述のとおり50㎝となっている。
したがって,ベントナイト混合土による土質遮水層は,遮水シートと相俟って産業廃棄物からしみ出る浸出水を遮る機能を十分に発揮するものである。
ウ 遮水シート破損検知システム(Mr.センサー)について
さらに,本件処分場では,遮水シートの破損を検知し,補修するシステムが構築されている。
(ア) すなわち,証拠(乙37、38,39の1ないし3,40,42,証人Q)及び弁論の全趣旨によれば以下の事実が認められる。
a 遮水シート破損検知システム「Mr.センサー」の概要
Mr.センサーは,遮水シート下部に設置する保護マット内にアルミシート(厚さ約35μm)を挟んで一体化させた面電極を設置することを特徴とし,その面電極とシート上部の測定電極間のインピーダンス(抵抗値)を測定するものである。この検知システムの原理は,遮水シートが電気的に絶縁性が高い材質であることを利用したものである。処分場の全面に遮水シートを敷設すると,処分場の内外にある測定電極と面電極の間は遮水シートにより電気的に絶縁状態となり電気は流れない。このような状態で遮水シートに不具合部が生じると,その不具合部を通って電気が流れるようになる。
計測されるインピーダンスは,不具合部付近の測定電極では電気の流れる経路が短くなるので小さくなり,一方,不具合部より離れた測定電極では電気の流れる経路が長くなるので大きくなる。したがって,破損位置は,本件処分場の保護土内部に10m間隔で64ポイントの格子状に設置した測定電極と面電極間に交流電流を流してインピーダンスを測定する。破損位置は,計測値を用いた分布図よりしきい値以下で最もインピーダンスが小さい領域として特定される。
Mr.センサーは,シート敷設時の全面検査から保護土設置後のシート破損位置の検知及び操業時の長期モニタリングまでの各段階においてシート破損検査が可能であり,①シート敷設時,保護土設置後,操業時の各段階で遮水シートの機能管理ができる,②シート敷設時のピンホールや接合不良をチェックするシートの全面検査が可能である,③シート下部全面に面電極を設置するので,計測は全ての計測点で同一条件となり,また,不確定要因が多い廃棄物や周辺地盤の抵抗の影響を受けにくく,精度の高い検査ができる,④シート破損の位置は,インピーダンスの分布図より特定することができるので,複雑な解析を必要とせず,簡単・迅速に管理できるなどの特徴を有している。
このMr.センサーの検知能力については,フィールド検知実験が行われており,実験結果は,破損位置は破損の大きさ,個数を問わず特定でき,破損部を補修したケースではインピーダンスはヤード全域において200kΩ以上となり,破損したケースの際に生じた4.32kΩ以下の分布が完全に消滅し,破損部が完全に止水,補修されていることが判定できている。
b 遮水シート破損補修工法の概要
保護土施工完了後や操業時で廃棄物量が少ない場合の検査において発見された破損は,シート上部の保護土や廃棄物を撤去して完全にシート表面を露出させてパッチ当てで補修することとし,廃棄物の埋立高さが数m以上の開削法による補修が難しい場合におけるシート破損箇所の補修工法としては,処分場表面よりボーリング掘削し,補修材を注入して行うことにより,廃棄物や保護土を撤去することなく補修する。補修後は検知システムにより再度検査を行い,確認する。
補修工法は,基本的にはボーリング注入工法であり,①検知システムにより破損を発見した場合,処分場表面にボーリングマシンを設置し,保護土までケーシングにより削孔する,②保護土まで到達したら,地山とケーシングをシールする,③二重管を建て込み,先端ジェット水でシート直上まで無回転貫入する,④二重管のノズルから水平方向へ超高圧水+エアー噴射により排泥を行い,シート上部の保護土内部に間隙を造成する,⑤注入管を建て込み,間隙底部より補修材を注入する,⑥注入管を底部から引き上げながら補修材を注入する(トレミー方式),⑦補修材がケーシング上部まで充填されたらエアーパッカーをかけ,補修材を加圧注入する,⑧保護土間隙やシート破損部を確実に充填する,⑨検知システムにより破損補修の確認をするといった手順をふんで破損部を補修していく。
Mr.センサーによる遮水シート破損補修工法は,①ボーリング注入工法であるため,直接廃棄物内に入ることが無く安全である,②シート上部の保護土の削孔は,高圧水による無回転掘りであるためシートに破損を与えない,③保護土内部に超高圧水+エアーによって間隙を造成するため補修材の注入が容易にでき,1回の注入で深礎掘削工法と同程度の範囲を補修することができる(補修範囲:直径1~3m程度),④補修材は保護土と混ざり合うことなく固化し,シート破損箇所が確実に補修される,⑤補修材はシートの材質等を考慮して選定することができる(ゴムアスファルト系,シリコン系,ウレタン系など),⑥ボーリングを複数行うことにより,広範囲の面的な補修を行うことができるなどの特徴があげられる。
そして,模擬破損部の大きさを約10×10㎝とする貫通孔による実証試験の結果,インピーダンスは,破損がある場合,その周辺で約0.6kΩ以下の範囲にあり,破損位置を特定できている。破損補修後では,破損付近のインピーダンスが増大し,0.6kΩ以下の分布が完全に消えて破損部が補修されていることが確認できている。シート上部の保護土などを撤去し,補修部分を露出させたところ,補修材は保護土と混ざること無く完全に固化し,固化体は注入孔を中心に幅約100㎝~80㎝,高さ50㎝の大きさであった。補修材は破損部のシート下部まで回り込み,破損部を完全に閉塞していた。
c Mr.センサーの現場導入実績
本件処分場に導入するに先立って平成6年8月から,一般廃棄物処分場においてではあるが,既に導入されており,現在では本件処分場を含めて9箇所の廃棄物処分場に導入されている。
d 本件処分場では,Mr.センサーを用いて建設が終了した時点や操業してからも日常的に遮水シートの点検を行っているが,計測された結果から遮水シートは不具合部がなく健全であることが確認されている。
Mr.センサーは,1年に1回メンテナンスを行い,保守点検されることになっている。
(イ) 以上のとおり,本件処分場における遮水構造は,遮水シートとベントナイト遮水層による複合遮水工に加えて,遮水シートの機能管理を行う検知システムを組み合わせた構造になっている。
この遮水構造は,遮水シートの下層にベントナイト混合土による土質遮水層があるので,遮水シートに不具合が発生しても,ベントナイトの遮水機能と膨潤機能により埋立地内部の浸出水の漏洩拡散を抑えることができ,かつ,検知システムでその不具合部を特定し浸出水が遮水工から漏出するまでに修復することが可能となる。
したがって,本件処分場の遮水シート工法は,従来の遮水シートのみによる遮水工に比べて,浸出水漏洩の危険性が非常に小さい,安全性の高い構造となっている。
エ 以上検討してきたとおり,本件遮水シート工法は,耐候性,耐薬品性に優れたものを使用しており損傷しにくいものとなっている上,遮水シートが損傷した場合でも,産業廃棄物が実際に埋め立てられた場合,目視により点検し検知することはできないものの,ベントナイト混合土により産業廃棄物から排出される浸出水による汚染が生じないよう配慮され,しかも,Mr.センサーにより遮水シートの損傷部位が直ぐに発見できるように工夫され,発見された場合には早期に補修できるようなシステムが構築されており,その上,地下水のモニタリングによって,実際に処理水を小川に放流する場合には基準値を下回る処理水のみを放流することができるようなシステムになっている。したがって,本件遮水シート工法は廃棄物処理法15条2項1号を承けて定められている共同命令2条1項4号で準用する1条1項5号イが定める技術上の基準を十分に満たしているものということができる。
(3) 本件処分場設置に関する同意の不存在について
ア 廃棄物処理法では,前述のとおり,許可制を採用しており(15条1項),都道府県知事は許可申請に係る産業廃棄物処理施設が15条2項各号に適合していると認めるときでなければ許可をしてはならないと定めている。この点,福島県では,廃棄物処理法の規制の他に産業廃棄物の適正な処理施設の確保と適正な処理処分の推進を図る目的のもと,独自に指導要綱を定めており,指導要綱では,処理事業者が廃棄物処理法上の設置許可申請を行うに先立ち保健所長と事前協議をすること(13条1項),同事前協議を申し出るにあたっては,地域関係者への事業計画の説明や付近住民からの同意書の取得などの事前調整を行わなければならないこと(13条2項,別表第4の4,13条3項,産業廃棄物処理施設の立地等に関する基準第3,3)が定められている。このような付近住民の同意を要求した条例等の定めはなく,指導要綱は法律等の委任を受けて制定されたものでもない。
したがって,付近住民の同意書添付は法律ないし条例自体に許可の要件として規定されているものではなく,福島県が事業主と付近住民の紛争を事前に防止し,住民の安全,健康等の保持,公害の防止その他の環境の整備保全を図るという所期の目的を達成するために,行政指導の一環としてその取得を要請しているものにすぎないものである。そして,行政指導は,その性質上直接的な強制力を持つものではなく,指導の相手方の任意の協力を通じて所期の行政目的を達成しようとするものであるから,行政指導に従うことをもって行政行為の条件と解することはできず,被告が本件処分場設置許可手続において,付近住民の同意書を添付しなかったとしても,そのことから本件許可処分が違法になるということはない。
イ なお,証拠(乙3,4,31の1ないし3)及び弁論の全趣旨によれば,北海道の産業廃棄物処理に係る指導指針,栃木県産業廃棄物処理に関する指導要綱,群馬県産業廃棄物処理施設の事前協議等に関する規程で,事前協議者の範囲を当該施設の所在地周辺おおむね500メートル以内に居住する住民や当該排水を放流する地点から下流500メートル以内の利水権者又は農業者等の利用者若しくは当該水利用者の団体の長等としていることをふまえ,①福島県としては周辺居住者及び搬入道路周辺居住者の範囲を広めにとらえて本件処分場から750m以内とした上でM社にその範囲の居住者の同意を取るよう指導したが,その範囲内には居住者がいないことから同意を取らなかったこと,②下流水利権者としては福島市長の意見にあった3水利組合の取水堰は,本件処分場の放流地点から約6㎞以上離れていることから同意を取らなかったこと,③隣接土地所有者全員からの同意を得ていること,地区代表者としては,本件処分場建設計画当時,大滝地区(ただし,現在居住者は存在しない。)が存在したことから,当該地区の同意を得ていること,⑤M社は,平成3年1月19日,R漁業協同組合に同意願いを提出したの
に対し,同組合は,同8年8月30日,不同意の書面を提出したが,同組合摺上支部は,同8年9月13日付け書面によりM社に対し,「県行政当局が,処分場設置に係わる関係法令に従って,行政指導を正しく行い,当支部にも安心できる処分場として貴社に設置許可を出すならば,現在でも,8月26日の役員会で既に了解した通りであり,環境保全に係わる協定書等の締結に向けて話し合う用意のある事を申し添えます。」との回答をしていることが認められる。
したがって,M社としては,R漁業協同組合の同意を除けば指導要綱の要件を満たしており,しかも,同組合摺上支部は県行政当局が設置許可を出すなら話し合う用意がある旨回答しており,M社としては,指導要綱に定める付近住民の同意を得るべく相応の対応をしてきたことがうかがえる。
(4) その他,平成9年9月10日,福島市とM社との間で本件処分場の環境保全に係る覚書(乙20)を取り交わしており,その目的として,M社が設置する施設の建設工事による下流域生活環境の悪化及び公害の発生と自然環境の破壊を未然に防止し,もって,下流域住民の生活環境を保全することを掲げており,特に,福島市及び福島市が指定する者は,M社の承諾を得ることなく,施設放流水の放流先水系の水質調査を実施するため,必要に応じてM社の立会のもとで施設建設工事地内に立ち入り,採水をすることができるなどとして環境保全が図れるよう相当程度配慮していることがうかがえる。
3 以上のとおりであるから,原告らが本件許可処分の取消事由として主張するところはいずれも理由がなく,原告らの本訴請求はいずれも理由がないのでこれを棄却することとし,訴訟費用の負担につき行政事件訴訟法7条,民事訴訟法61条,65条1項本文を各適用して,主文のとおり判決する。
福島地方裁判所第一民事部
裁判長裁判官 吉 田 徹
裁判官 久 保 孝 二
裁判官高橋光雄は,填補につき,署名押印することができない。
裁判長裁判官 吉 田 徹
別紙図面等 省略
判 決 要 旨
主 文
原告らの請求をいずれも棄却する。
訴訟費用は原告らの負担とする。
理 由
1 事案の概要
原告らは,被告が平成9年3月19日付けで株式会社Mに対してなした産業廃棄物処理施設(以下「本件処分場」という。)に対する設置許可処分につき,同処分場からの排水により生命,健康等を害されるとして,その取消しを求めた事案である。
2 争点
(1) 原告適格の有無
(2) 本件処分場における排水シート工法の違法性の有無
(3) 本件処分場の事前協議書を提出するに際し,水利組合等の同意の要否
3 判断
(1) 争点(1)について
原告らは,本件処分場の付近住民とはいえないとしても,同施設が排出する処理水が放流される小川の水や本件処分場からの排水を含む可能性のある伏流水を生活用水ないしは農作業に使用している状況を踏まえると,付近住民に準じた地位にあるということができ,本件処分場による被害を被ることが想定される地域に居住する住民ということができる。
したがって,原告らは,本件処分場の設置により生命,身体等に被害を受ける可能性があるのであるから,本件許可処分を争う原告適格を有するというべきである。
(2) 争点(2)について
a 本件処分場は管理型最終処分場に分類され,浸出水処理施設(主処理工程)で所定の管理目標値まで浄化した後,礫間接触酸化層(後処理工程)を経て,地下水及び埋立地周辺表流水と合流し,放流するという浸出水処理方式をとっている。
b 本件処分場の浸出水処理方式の特徴は,水質の自動計測により処理水が管理目標値に達しなかった場合には,原水槽へ循環して再処理をし,キレート樹脂吸着により,万が一微量の重金属が浸出(基準値以下も含め)してもこれを取り除き,管理目標値を達成した後に礫間接触酸化層を通すことにより,ノーメンテナンスによる浄化の効果を向上させることがあげられる。
その主処理工程として,処理水は,まず,凝集沈殿処理により主にカルシュウムイオンが沈殿物として除去されるとともに,その他のコロイド状物質及び重金属類も除去される。その上で生物処理が施され,BOD(生化学的酸素要求量),COD(化学的酸素要求量),窒素が除去される。再び凝集沈殿処理が施され,主に,COD,SS(浮遊物質量),色度が除去され,砂濾過処理ではSSが除去され,活性炭吸着処理ではCOD,色度が除去され,キレート吸着処理では,前工程で除去されなかった重金属が完全に除去され,消毒では大腸菌群他細菌類が消毒される。
以上の過程を経て,処理水は小川に放流されることになるが,その際の多くの有害物質の濃度は,福島県の排水基準を大きく下回っている。
c 本件浸出水処理方式が有効に作用するためには,遮水シート工法が有効に機能することを要するところ,遮水シートは,強度面のみならず,耐候性,耐薬品性にも優れているほか,熱融着タイプの接合方法をとっていて,シート同士を完全に一体化してしまうことによって浸出水の漏出を防止している。
d 仮に遮水シートに損傷を生じたとしても,高い遮水性能を有するベントナイト混合土を遮水シートと併せて使用するほか,遮水シート破損検知システム(Mr.センサー)を導入し,遮水シート下部に設置された保護マット内にアルミシートを挟んで一体化させた面電極とシート上部の測定電極間のインピーダンス(抵抗値)を測定することにより破損位置を特定した上,シートを損傷することのないボーリング注入工法によってシートを補修し,上記検知システムにより破損部の補修の有無を確認するという補修方法を採用している。
e したがって,本件遮水シート工法は平成9年改正前の廃棄物の処理及び清掃に関する法律15条2項1号等が定める技術上の基準を充足している。
(3) 争点(3)について
原告らが主張する水利組合等の同意は指導要綱に基づくものであるところ,指導要綱は法律等の委任を受けて制定されたものではなく,福島県が事業主と付近住民の紛争を事前に防止し,住民の安全,健康等の保持,公害の防止その他の環境の整備保全を図るという所期の目的を達成するために,行政指導の一環としてその取得を要請しているものにすぎない。そして,行政指導は,その性質上直接的な強制力を持つものではなく,指導の相手方の任意の協力を通じて所期の行政目的を達成しようとするものであるから,被告が本件処分場設置許可手続において,水利組合等の同意書を添付しなかったとしても,そのことから本件許可処分が違法になるということはない。
2009-01-29T09:52:40+09:00
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環境影響評価について
https://w.atwiki.jp/komomo/pages/121.html
*環境影響評価(環境アセスメント)とは…
法律や条例に基づき
環境に著しい影響を及ぼす恐れのある行為について
事業を行う者(ここではIWD東亜熊本)が
事前に環境への影響を調査し、影響を予測し、評価(作っても安全かどうか判断する)し、
その結果を公表して(縦覧のこと)
関係者の意見を聞き(ちなみに関係者=誰でもよい)
環境に十分配慮をして事業を行う/取りやめるものです
-[[環境影響評価情報支援ネットワーク>http://assess.eic.or.jp/]]:アセスメントの基礎知識、アセス法・地方自治体のアセス条例、事例検索などを網羅
-[[地球環境基金のアセス解説>http://www.erca.go.jp/jfge/e_book/assess/]] わかりやすい。アセス講座も開いている。
-[[アセスメント関連用語>http://www.eic.or.jp/ecoterm/?word=%83A%83Z%83X%83%81%83%93%83g&x=24&y=8]]
-[[環境影響評価に関する用語(EICネット)>http://www.eic.or.jp/ecoterm/?category=38]]
-[[熊本県の環境アセスメント>http://www.pref.kumamoto.jp/eco/kankyo/]]:条例・手続きの流れ等
-[[「Hキョージュ、循環型社会形成推進基本計画案を論じ、環境アセスメントの意味を問う」(H教授の環境行政時報)>http://www.eic.or.jp/library/prof_h/h030306_1.html]]:環境アセスメントの問題点と展望
**県知事意見書
-[[熊本県知事意見(方法書)]]
-[[熊本県知事意見(準備書)]]
*審査会情報
-[[2007.07.10 熊本県アセス審査会議事録>http://www.pref.kumamoto.jp/eco/kankyo/sinsakai/gijigaiyou/iwd(b1)070710.pdf]](PDF)
-[[2008.01.24 熊本県アセス審査会議事録>http://www.pref.kumamoto.jp/eco/kankyo/sinsakai/gijigaiyou/iwd(b2)080124.pdf]](PDF)
-[[2008.02.19 熊本県アセス審査会議事録>http://www.pref.kumamoto.jp/eco/kankyo/sinsakai/gijigaiyou/iwd(b3)080219.pdf]](PDF)
*事業者見解書
-[[住民意見書に対する事業者見解書>http://www.minamatacity.jp/jpn/kankyo_etc/stop_sanpai/dl_kenkaisho.pdf]](PDF)
*今後の環境影響評価制度
-[[環境省SEA総合研究会:廃棄物分野における戦略的アセスメントの考え方(平成13年9月)>http://www.env.go.jp/policy/assess/2-4strategic/3sea-2/index.html]]
*他地域の環境影響評価
-[[名古屋市港区藤前地先における公有水面埋立及び廃棄物最終処分場設置事業]] 方法書・準備書・評価書の要約・意見書等々が読めていたのですが、リンク切れです。残念。
*お役立ちツール
-[[市民のための環境アセスメント予測計算セルフサ-ビス>http://www2.plala.or.jp/Natsim/]]
*参考文献
-環境アセスメント (放送大学教材) 原科 幸彦 編 2000年
-環境アセスメント基本用語辞典 環境アセスメント研究会 (編集), 横田 勇, 原科 幸彦 2000
-市民からの環境アセスメント―参加と実践のみち (NHKブックス) 島津 康男,1997
2009-01-21T19:50:05+09:00
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廃棄物のこと
https://w.atwiki.jp/komomo/pages/35.html
#contents
*環境年表
[[環境年表>http://www.eic.or.jp/nenpyo/nt_search.php3?pos=2]]
*廃棄物ってどんなもの?
**廃棄物って何?
-[[廃棄物について>http://haikibutunet.fc2web.com/waste.htm]]「廃棄物問題」についての基礎知識が分かりやすく説明されている
-[[EICネット環境用語検索>http://www.eic.or.jp/ecoterm/?word=%94p%8A%FC%95%A8&x=21&y=12]]廃棄物関連を含む便利な環境用語事典
**処分場の種類
-[[処分場の種類>処分場]]
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**一般廃棄物って?
-[[一般廃棄物(用語解説)>http://www.eic.or.jp/ecoterm/?act=view&ecoword=%E4%B8%80%E8%88%AC%E5%BB%83%E6%A3%84%E7%89%A9]]
-[[一般廃棄物関連法規>http://mpi.ojaru.jp/laws/haisohou_ippan.html]]
-[[一般廃棄物処理状況(H.15)>http://www.env.go.jp/press/press.php3?serial=6512]]
-[[熊本県の一般廃棄物の処理の状況>http://www.pref.kumamoto.jp/eco/links/h15_ippan/pdf/01.pdf]](PDFファイル)
**産業廃棄物(産廃)って?
-[[廃棄物の分類方法(図)>http://www.env.go.jp/recycle/waste_tech/kaigai/02.html]]
-[[産業廃棄物の種類(表)>http://www.city.kobe.jp/cityoffice/24/sanpai/san01.html]]
-[[産業廃棄物の種類(写真入り)>http://www.kuma-sanpai.or.jp/page1-2.htm]]
-[[全国産業廃棄物連合会>http://www.zensanpairen.or.jp/]]:産業廃棄物の基礎知識から現在のデータまで幅広いページ。[[産業廃棄物ガイドブック>http://www.zensanpairen.or.jp/index6/6_3.html]]には基礎知識がコンパクトにまとまっている。
-[[産廃処理の現状>http://www.jwnet.or.jp/waste/genjou.shtml]]([[日本産業廃棄物処理振興センター>http://www.jwnet.or.jp/copyright/]])
-[[熊本県内の産廃処分の現況>http://www.pref.kumamoto.jp/invited/opinion/h17/kankyo_kihon/pdf/02-02-04.pdf]](熊本県環境基本計画素案の一部、PDFファイル)
-[[都道府県別の産業廃棄物処理施設の設置状況(平成11年4月1日現在)]]
*[[廃棄物に関する法令・制度について>法令など]]
→[[独立ページへ移動しました>法令など]]
*[[環境基準について>法令など]]
→[[独立ページへ移動しました>法令など]]
*廃棄物処理業(収集運搬業および処分業)のことを知りたい!
-[[産業廃棄物収集運搬業をしたいが(熊本県産業廃棄物協会内)>http://www.kuma-sanpai.or.jp/page2.htm]]
産廃収集運搬業の「許可される条件」などが解説されている
-[[産業廃棄物処分業をしたいが(熊本県産業廃棄物協会内>http://www.kuma-sanpai.or.jp/page5-1.htm]])
産廃処分業の「許可される条件」などが解説されている
-[[産廃処分場設置・処理業許可件数(環境省)>http://www.env.go.jp/press/press.php3?serial=4742]]
*産廃処分場設置認可までの手続きを知りたい
-[[処分場が建設、稼働するまで手続き(フローチャート)>http://spring.mukade.jp/chart/chart.html]]
-[[群馬県の例>http://www.pref.gunma.jp/d/07/sanpai_jouhou/gp06/001.htm]]
*[[アセスメント(環境影響評価)について知りたい>環境影響評価について]]
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*施設について
-[[最終処分場技術システム研究協会>http://www.npo-lsa.jp/]]
-[[日本遮水工協会>http://www.nisshakyo.gr.jp/index.html]]
*希少生物について
-[[絶滅危惧種(レッドデータ)検索>http://www.biodic.go.jp/rdb/rdb_f.html]]
-[[熊本県版レッドリスト(希少な野生生物リスト)>http://www.pref.kumamoto.jp/eco/red-list/mokuji.html]]
*有害物質による汚染について
-[[廃棄物最終処分場における硫化水素対策検討会報告書骨子(厚生省)>http://www1.mhlw.go.jp/houdou/1209/h0906-2_14.html]]
*環境調査について[[移動しました>環境調査]]
*その他
-[[リスクコミュニケーション・マニュアル>http://www.zensanpairen.or.jp/index2/pdf/2003_risk.pdf]]
-[[産業廃棄物のリスクマネジメント入門>http://www.tokiorisk.co.jp/cgi-bin/risk_info/backnumber.cgi?no=1]] 東京海上リスクコンサルティング研究員の4回連載
-[[菊池産廃の排出水と湯出大森地区の湧水>http://mpo.ojaru.jp/kikuchi/kikuchi_haisui.html]]
-[[廃棄物の体積から重さを求める(比重)係数>http://www.city.kyoto.jp/kankyo/sanpai/text/text2001/sp_txt10.html]]
-[[日本のごみ処理の問題点>http://www.professor.jp/archives/2001/02/post_33.html]](熊本一規)
-[[NIMBY(迷惑施設)を考える>http://www.geocities.jp/negomit/column/column8.html]]
-[[環境正義を考える(金泰昊)>http://www.mskj.or.jp/jukuho/9905jkkimt.html]]
-[[市民と行政のパートナーシップ:環境首都コンテスト講評から>http://www.kankuma.jp/katsudou/teian/ecocity/ecocity06.htm]]
-[[諸外国の廃棄物処理制度>http://www.env.go.jp/recycle/waste_tech/kaigai/index.html]](日・米・EU・ドイツ)
2009-01-21T19:39:48+09:00
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産廃問題の経過
https://w.atwiki.jp/komomo/pages/62.html
#contents
*概略
2004年3月1日 (株)IWD東亜熊本の環境影響評価方法書縦覧(~4月1日)。このとき提出された市民意見書は数件のみ
2004年3月30日 水俣市が水俣市環境審議会(藤木素士会長)で産廃最終処分場建設計画について報告(産廃問題の発覚)
2004年6月27日 産廃反対の「水俣の命と水を守る市民の会」(以下、水の会)が発足
2004年8月17日 水俣市最終処分場検討委員会発足、第1回会合
2004年8月23日 水の会、熊本県知事に訴える
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2005年12月2日 産廃反対16区の会結成
2005年11月27日 産廃反対の市長誕生を目指す「水俣に産廃はいらない!市民連合」結成集会(市公民館)
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2006年2月5日 水俣市長選挙・市議補欠選挙で産廃反対を掲げた宮本勝彬候補と千々岩巧候補がそれぞれ当選
2006年4月1日 市役所に産業廃棄物対策室ができる。また、市役所で大幅な人事異動。
2006年6月5日 「産廃阻止!水俣市民会議」(以下、市民会議)設立(加入団体54団体、会長:水俣市長)
2006年6月21日 市議会が産廃処分場問題対策費約2600万円を可決
2006年6月25日 市民会議主催、「産廃阻止!市民総決起大会」、文化会館で開催。1200人が参加。デモ行進。
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2007年2月21日 (株)IWD東亜熊本の環境影響評価準備書の縦覧が始まる(~3月22日)
2007年2月18日 産廃問題・市民集会(文化会館)、1100人参加
2007年6月18日 市民会議、平通り等の交通量調査 ~22
2007年7月9日 市民会議、地区説明会の開催(市内23箇所) ~192007年7月23日 ~25日 野鳥(クマタカなど)の調査を開始(以後、毎月連続3日以上調査を実施)
2007年11月21日 IWD東亜熊本、住民意見書に対する事業者見解書を提出
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2008年1月14日 熊本県のアセス公聴会 1日目(水俣市文化会館)、2日間で95人の市民が口述
2008年1月28日 5区平通りの会結成
2008年2月7日 産廃阻止!水俣市民会議、IWD東亜熊本事務所を訪れ、事業計画中止の要請書を提出しようとしたが、もぬけの空だったので、ポストに入れてくる
2008年3月1日 このころ、賛成派の「さん賛会」が初めて登場(読売新聞記事中にて)
2008年3月19日 熊本県、43項目にわたる知事意見を提出
2008年4月2日 ~3日 環境省、国会議員への要望、東京ミニ集会、(株)IWD、東亜道路工業(株)、横浜銀行、三井住友銀行へ事業中止要請行動、東京でのチラシ配布(東京都中央区)
2008年6月23日 親会社の東亜道路工業(株)が事業からの撤退を発表
2008年6月26日 (株)IWD東亜熊本が条例に基づき熊本県に事業中止を通知
*詳細
2003年5月11日 (株)IWD東亜熊本が木臼野地区で事業説明会を行う
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2004年3月1日 (株)IWD東亜熊本の環境影響評価方法書縦覧(~4月1日)。このとき提出された市民意見書は数件のみ
2004年3月30日 水俣市が水俣市環境審議会(藤木素士会長)で産廃最終処分場建設計画について報告(産廃問題の発覚)
2004年5月13日 熊本県環境影響評価(アセスメント)審査会が現地視察
4月の中頃 事業者が大森の公民館で説明会
大森地区で区長のリコール運動
2004年5月22日 (株)IWD東亜熊本が湯出地区で事業説明会を行う
2004年5月28日 湯出地区住民約100人が「湯出最終処分場建設に反対する会」を結成
2004年6月1日 環境影響評価方法書に対する水俣市の意見書を県に提出
2004年6月1日 水俣市、環境影響評価方法書に対する市の意見書を県に提出
2004年6月27日 産廃反対の「水俣の命と水を守る市民の会」(以下、水の会)が発足
2004年7月1日 7月(日付不明)水俣市が(株)IWD東亜熊本に検討委員会設置等について申し入れを行う
2004年7月20日 「湯出地区最終処分場建設に反対する会」が、江口隆一市長に陳情書、松本満良市議会議長に請願書を提出
2004年7月30日 環境影響評価方法書について知事意見が事業者に出される
2004年8月17日 水俣市最終処分場検討委員会発足、第1回会合
2004年8月23日 水の会、熊本県知事に訴える
2004年9月13日 江口市長、処分予定地の買い上げを市議会に打診
2004年9月30日 「最終処分場建設の反対を求める意見書」を市議会が県知事に提出
2004年9月30日 市議会、「最終処分場建設の反対を求める意見書」を熊本県知事に提出
2004年10月7日 水俣病患者3団体、処分場反対で声明(水俣病患者平和会/水俣病患者連合/水俣病被害者の会全国連絡会)
2004年10月13日 水俣市最終処分場検討委員会(第2回)
2004年11月13日 水の会、総決起集会。反対決議を採択(水俣市文化会館)
2004年12月21日 水の会、熊本県知事へ建設反対の署名簿を提出し陳情
2004年12月22日 市議会に廃棄物最終処分場問題特別委員会を設置(第1回)
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2005年2月7日 市議会廃棄物最終処分場問題特別委員会(第2回)
2005年2月8日 水俣市最終処分場検討委員会(第3回)
2005年2月25日 元市議ら予定地の買収を市長に陳情
2005年3月3日 IWD東亜熊本、産廃処分場予定地売却に難色
2005年3月3日 市議会廃棄物最終処分場問題特別委員会(第3回)
2005年3月16日 「命と水を守る市民の会」、市長に質問状提出
2005年3月17日 市長、市議会に予定地買収を再打診
2005年3月21日 予定地買収に賛同する「考える会」発足
2005年3月28日 産廃処分場反対・買収に疑問を呈する「憂える会」発足
2005年4月19日 市議会廃棄物最終処分場問題特別委員会(第4回)
2005年4月20日 水俣市最終処分場検討委員会(第4回)
2005年4月27日 本願の会、ほっとはうす、語り部の会の3団体が市長に明確な拒否を要求。5月19日に、知事にも訴え
2005年5月1日 水の会市民集会(市公民館)
2005年5月10日 市議会廃棄物最終処分場問題特別委員会(第5回)
2005年7月12日 市議会廃棄物最終処分場問題特別委員会(第6回)
2005年7月27日 市議会が上京して環境省・県選出国会議員・東亜道路に要望活動
2005年7月30日 水の会設立1周年市民集会と総会(市公民館)
2005年8月11日 市議会廃棄物最終処分場問題特別委員会(第7回)
2005年8月11日 市議会、最終処分場建設反対に関する要望書を県知事・県議会議長に提出
2005年11月1日 宮本勝彬氏が産廃反対を掲げて市長選に出馬する意向を表明
2005年11月2日 水の会、市内各地で説明会(~12月10日)
2005年11月9日 (株)IWD東亜熊本が水俣市文化会館で事業説明会を実施。しかし、事業の内容についてはほとんど説明されず。冒頭で3団体が[[公開質問状>IWD宛「水俣市木臼野地区に建設予定の(株)IWD東亜熊本の産業廃棄物最終処分場」についての公開質問状]]を提出
2005年11月10日 3団体が水俣市に[[公開質問状>水俣市宛「水俣市木臼野地区に建設予定の(株)IWD東亜熊本の産業廃棄物最終処分場」についての公開質問状]]を提出
2005年11月27日 産廃反対の市長誕生を目指す「水俣に産廃はいらない!市民連合」結成集会(市公民館)
2005年12月2日 産廃反対16区の会結成
2005年12月14日 市議会、産業廃棄物最終処分場建設反対に関する決議を全会一致で決議
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2006年1月24日 水俣市長選候補者による公開討論会開かれる(水俣青年会議所主催)
2006年1月25日 水の会・憂える会・本願の会の3団体、環境省・東亜道路等に要望・要求活動
2006年2月3日 鹿児島県鹿屋市の住民、管理型処分場差し止め訴訟で勝訴
2006年2月5日 水俣市長選挙・市議補欠選挙で産廃反対を掲げた宮本勝彬候補と千々岩巧候補がそれぞれ当選
2006年2月22日 宮本市長就任
2006年2月26日 「水俣に産廃はいらない!市民連合」を解散総会。再組織し「水俣に産廃はいらない!みんなの会」(みんなの会結成
2006年3月1日 産業廃棄物最終処分場庁内対策委員会設置(第1回)
2006年3月3日 3月議会始まる
2006年3月9日 芦北町古石の生ゴミ中間処理場を熊本県が調査
2006年3月27日 熊本県、公共関与の処分場の建設地として南関町下坂下を選定
2006年3月28日 宮本市長、緒方市議会議長が(株)IWD本社を訪れ、計画の撤回を要求
2006年3月28日 「水俣に産廃はいらない!みんなの会」(以下、みんなの会)設立
2006年3月28日 市長、IWD東京支社で建設中止を要請
2006年4月1日 市役所に産業廃棄物対策室ができる。また、市役所で大幅な人事異動。
2006年4月11日 水俣市が環境首都コンテストで2年連続全国1位に
2006年4月14日 産業廃棄物最終処分場庁内対策委員会(第2回)
2006年5月1日 水俣病公式確認50年の日。東京のグループが東亜道路前で「東亜道路は第二のチッソになるのか」のビラをまく
2006年5月10日 水の会、県庁で要望活動
2006年5月10日 水の会、県庁行動。建設阻止に向けた関与を求める要望書を提出
2006年5月15日 産業廃棄物最終処分場庁内対策委員会(第3回)
2006年6月5日 「産廃阻止!水俣市民会議」(以下、市民会議)設立(加入団体54団体、会長:水俣市長)
2006年6月11日 産廃対策室、処分場計画地現地見学会開始(以後、9月まで月に2回開催)
2006年6月19日 産業廃棄物最終処分場庁内対策委員会(第4回)
2006年6月20日 市民会議理事会
2006年6月21日 市議会が産廃処分場問題対策費約2600万円を可決
2006年6月25日 市民会議主催、「産廃阻止!市民総決起大会」、文化会館で開催。1200人が参加。デモ行進。
2006年6月26日 市民会議、県知事、県議会議長に要望書提出
2006年6月27日 市民会議、東京行動(IWD東京支社、東亜道路、環境省、県選出議員)
2006年7月10日 水俣市最終処分場検討委員会を再編して設置
2006年7月14日 市長が環境大臣と面談
2006年7月19日 水俣市、(株)IWD東亜熊本へボーリングコア等資料提供依頼
2006年7月24日 市民会議理事会
2006年7月25日 処分場予定地内に「国有地」が存在していることが判明
2006年8月1日 産業廃棄物最終処分場庁内対策委員会(第5回)
2006年8月10日 産業廃棄物最終処分場庁内対策委員会(第6回)
2006年8月29日 水の会が熊本県に「水俣市に計画される産業廃棄物最終処分場建設中止を求める要望書」を提出
2006年9月11日 市民会議理事会
2006年9月25日 産業廃棄物最終処分場庁内対策委員会(第7回)
2006年9月26日 市民会議が東京行動。(IWD、東亜道路、環境省、農水省)。IWD東亜熊本の小林景子社長は面会に応じず
2006年10月5日 水俣市、産業廃棄物最終処分場に関する職員研修を実施(~10月6日/236人受講)
2006年10月27日 熊本県・水俣市の公害防止事業(ダイオキシン処分場計画)の近隣住民(明神・梅戸・汐見町など)向け説明会が開かれる(水俣湾埋め立て地ナーサリー)
2006年11月8日 宮本市長、津奈木町に処分場建設反対の協力依頼
2006年11月14日 宮本市長、天草市に処分場建設反対の協力依頼
2006年11月29日 水俣市、水質分析のための採水(1)
2006年12月1日 みんなの会、ダイオキシンの無害化処理などを熊本県と水俣市に申し入れ
2006年12月17日 産廃反対16区の会、住民集会開催
2006年12月22日 水俣市、水質分析のための採水(2)
2006年12月25日 産業廃棄物最終処分場庁内対策委員会(第8回)
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2007年1月26日 水の会、事業者、知事及び市長に準備書縦覧について要望
2007年2月2日 熊本県が準備書の送付部数を市に通知(40部/要約書10部)
2007年2月6日 産業廃棄物最終処分場庁内対策委員会(第9回)
2007年2月6日 水俣市産業廃棄物最終処分場庁内対策委員会(第9回)
2007年2月15日 水俣市が、会報第1号と一緒に署名式の意見書フォーマット(4種)を全世帯に配布
2007年2月18日 産廃問題・市民集会(文化会館)、1100人参加
2007年2月21日 2月21日 (株)IWD東亜熊本の環境影響評価準備書の縦覧が始まる(~3月22日)
2007年2月22日 水俣市役所、意見書に関する地区説明会を実施(全25箇所 ~3月8日)
2007年3月2日 水俣市議会、「水俣市長崎・木臼野地区に存在する国有地の払い下げを求める意見書」と「水俣港百間船だまり・百間排水路等の底質ダイオキシン類対策事業に関する意見書」を全員一致で採択
2007年3月2日 産業廃棄物最終処分場庁内対策委員会(第10回)
2007年3月9日 市民会議、事業者説明会に関する申し入れ
2007年3月11日 (株)IWD東亜熊本、準備書に関する事業者説明会を開く。住民の質問に答えられず、再度の説明会開催を約束
2007年3月12日 市民会議代表、熊本県庁行動
2007年3月13日 ボーリングコアの開示(市の検討委員など4人が閲覧)
2007年3月13日 (株)IWD東亜熊本が、ボーリングコアを開示(市の検討委員など4人が閲覧)
2007年3月19日 市民会議、国有地の市への優先払い下げを松岡農林相に要望
2007年3月22日 (株)IWD東亜熊本、準備書の縦覧期間延長を公告(~5月22日)
2007年4月8日 [[熊本県議会議員選挙>http://www.senkyo.janjan.jp/election/2007/43/00006218.html#15898]]。[[吉永和世]]候補(自民)再選。
2007年4月9日 (株)IWD東亜熊本、現地住民の立ち会いで説明会で問題となった湧水水源の位置確認を実施
2007年4月14日 熊本学園大学と水俣市共催で、「ごみ減量市民フォーラムへ」を実施
2007年4月14日 ごみ減量市民フォーラムへの産廃関係の資料を展示
2007年4月17日 産業廃棄物最終処分場庁内対策委員会
2007年4月20日 事業者説明会に向けた対策会議
2007年4月20日 水俣市、湧水箇所、河川等の電気伝導度、水素イオン濃度を測定
2007年4月25日 水俣市廃棄物最終処分場検討委員会
2007年4月26日 熊本県アセス審査会?が湧水箇所等の現地調査(下見)を実施
2007年4月28日 事業者説明会に向けた対策会議
2007年5月1日 市民会議、「ストップ!産廃ニュース」No2を発行
2007年5月2日 産廃阻止!水俣市民会議理事会
2007年5月10日 事業者説明会に向けた対策会議
2007年5月13日 IWD東亜熊本 最終処分場事業 環境影響評価準備書に係る2回目の説明会。住民の質問に答えず、強引に打ち切る
2007年5月16日 市民会議代表、IWD東亜熊本の説明会に関する県知事への要望書提出(熊本県庁)
2007年5月17日 全国産廃問題市町村連絡会総会及び現地視察(~5月18日)
2007年5月20日 みんなの会総会・記念講演会「豊島・上勝から水俣産廃問題を考える」(水俣市公民館)
2007年5月24日 熊本県環境影響評価審査会委員による現地視察
2007年5月29日 熊本県環境影響評価審査会委員による現地視察、ボーリングコア観察
2007年5月31日 産廃阻止!水俣市民会議総会(水俣市総合体育館)
2007年6月1日 ストップ!産廃ニュースNo3を発行
2007年6月5日 アセス準備書への意見書提出期限。総数
2007年6月18日 市民会議、平通り等の交通量調査 ~22
2007年6月26日 産廃阻止!水俣市民会議理事会(第2回)
2007年7月6日 市民会議150人が、熊本県庁で環境政策課などに事業者説明会再開催の指導などを要望。(熊本県に対し意見書写しの提出、要望書の提出)
2007年7月9日 市民会議、地区説明会の開催(市内23箇所) ~19
2007年7月10日 熊本県環境影響評価審査会(熊本市、KKRホテル)
2007年7月23日 ~25日 野鳥(クマタカなど)の調査を開始(以後、毎月連続3日以上調査を実施)
2007年7月25日 「産廃処分場に関する市民集会」(もやい館)
2007年7月25日 市民会議、市民集会を開催。長谷義隆氏が予定地の地質について講演
2007年7月30日 水俣市最終処分場検討委員会(第3回)
2007年8月20日 鳥類(猛禽類)調査 ~23
2007年8月24日 水俣市、熊本県環境政策課と協議
2007年9月8日 「産廃処分場シンポジウム」開催:「水俣産廃処分場計画は何が問題か」(市公民館、日本科学者会議主催、市民会議共催)
2007年9月17日 水俣の命と水を守る市民の会総会・記念講演(もやい館)
2007年9月18日 鳥類(猛禽類)調査 ~20
2007年9月20日 水俣市議会で「産業廃棄物最終処分場建設阻止に関する決議」(2度目)
2007年10月10日 福岡県筑紫野市の産廃処分場視察(福岡県筑紫野市)
2007年10月15日 会報「産廃ニュース」No/4発行
2007年10月15日 鳥類(猛禽類)調査 ~17
2007年11月1日 鹿谷川の流水量調査
2007年11月8日 全国産廃問題市町村連絡会研修会(東京都)
2007年11月12日 鳥類(猛禽類)調査 ~14
2007年11月18日 講演会開催:「局地気象と産廃の話」(湯の鶴温泉センター)
2007年11月21日 IWD東亜熊本、住民意見書に対する事業者見解書を提出
2007年11月26日 産廃阻止!水俣市民会議理事会(第3回)
2007年12月6日 潮谷義子知事が三戦不出馬を表明
2007年12月7日 水俣市産業廃棄物最終処分場検討委員会(第4回)
2007年12月10日 鳥類(猛禽類)調査 ~12
2007年12月27日 環境影響評価準備書に関する市長意見を熊本県に提出(熊本県庁)、市民会議は熊本県に要望書を提出(熊本県庁)
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2008年1月14日 熊本県環境影響評価条例に基づく公聴会(市文化会館)
2008年1月14日 熊本県のアセス公聴会 1日目(水俣市文化会館)、2日間で95人の市民が口述
2008年1月18日 熊本県環境影響評価条例に基づく公聴会(市文化会館)
2008年1月18日 熊本県のアセス公聴会 2日目(水俣市文化会館)
2008年1月23日 鳥類(猛禽類)調査 ~25
2008年1月24日 熊本県環境影響評価審査会(熊本県庁)
2008年1月25日 クマタカ学習会(市役所)
2008年1月28日 5区平通りの会結成
2008年1月31日 産廃阻止!水俣市民会議理事会(第4回)
2008年2月7日 産廃阻止!水俣市民会議、IWD東亜熊本事務所を訪れ、事業計画中止の要請書を提出しようとしたが、もぬけの空だったので、ポストに入れてくる
2008年2月15日 ストップ!産廃ニュースNo/5発行
2008年2月18日 鳥類(猛禽類)調査 ~20
2008年2月19日 熊本県環境影響評価審査会開催(熊本テルサ)
2008年2月20日 水俣市議会廃棄物最終処分場問題特別委員会を開催
2008年2月28日 熊本県に対して、事業中止勧告等の要望(熊本県庁)
2008年3月1日 このころ、賛成派の「さん賛会」が初めて登場(読売新聞記事中にて)
2008年3月6日 水俣市議会、事業計画中止を申し入れ(木臼野温泉センターにて)
2008年3月11日 産廃阻止!水俣市民会議理事会(第5回)
2008年3月14日 ストップ!産廃ニュースNo/6発行
2008年3月14日 鹿谷川及びその周辺の生物調査
2008年3月17日 鳥類(猛禽類)調査 ~19
2008年3月19日 熊本県、43項目にわたる知事意見を提出
2008年3月30日 市民会議、市民集会の後、IWDへ中止要請
2008年4月1日 気象の定点観測を3地点で開始
2008年4月2日 ~3日 環境省、国会議員への要望、東京ミニ集会、(株)IWD、東亜道路工業(株)、横浜銀行、三井住友銀行へ事業中止要請行動、東京でのチラシ配布(東京都中央区)
2008年4月7日 頭石地区でクマタカ学習会
2008年4月7日 鳥類(猛禽類)調査 ~9
2008年4月14日 このころビオトープサンド搬入計画が発覚
2008年5月1日 このころ、賛成派の「さん賛会」のブログができる
2008年5月8日 産廃阻止!水俣市民会議理事会(平成20年度第1回)
2008年5月12日 鳥類(猛禽類)調査 ~14
2008年5月17日 映画「赤貧洗うがごとき――田中正造と野に叫ぶ人々」上映会を実施
2008年5月19日 [[市民会議]]代表、熊本県庁と情報交換
2008年6月7日 [[水の会]]総会、馬奈木昭雄弁護士講演会を実施 ?
2008年6月21日 熊日新聞一面に事業者が撤退の記事掲載
2008年6月23日 親会社の[[東亜道路工業(株)]]が事業からの撤退を発表
2008年6月26日 (株)IWD東亜熊本が条例に基づき熊本県に事業中止を通知
2008年6月27日 [[東亜道路工業(株)]]株主総会
2008年8月1日 水俣市長が[[東亜道路]]を訪問
2008年11月18日 [[東亜道路]]、水俣市を訪れ、予定地を「[[木臼野の里]]」(小林景子社長)に販売する方針を伝える
2008年11月25日 [[市民会議]]理事会
2008-12-05T20:32:40+09:00
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2008年8月以降の新聞記事
https://w.atwiki.jp/komomo/pages/303.html
&topicpath()
#contents
2008/11/29 水俣市:産廃問題受け、水源保護条例制定へ /熊本【毎日】
水俣市の宮本勝彬市長は28日、市内への産業廃棄物処分場建設阻止のため、用地周辺の環境保護を目的にした水道水源保護条例を制定する考えを表明した。建設を計画する業者から市への届け出を義務づけ、阻止に向けた迅速な対応を取れるようにする。来年3月議会までに提案する。
28日、市役所であった「産廃阻止!水俣市民会議」(会長、宮本市長)の理事会で表明した。処分場の立地規制まで踏み込むかどうかは未定。宮本市長は「業者の動きを的確に把握して対応できる」と狙いを語った。
水俣市長崎地区で業者が処分場建設を計画したが、市などの反対を受けて6月に中止を決めている。条例は、新たな建設計画が持ち上がった場合に備えたもの。同様の条例は長崎県壱岐市や大分県豊後大野市などが制定している。【西貴晴】
毎日新聞 2008年11月29日 地方版
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2008-12-05T10:14:03+09:00
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新聞記事:チッソのダイオキシン関連
https://w.atwiki.jp/komomo/pages/132.html
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**2008/11/06 水俣のダイオキシン土砂:市、セメントに再利用 高温焼成で無害化 /熊本【毎日】
水俣市を流れる百間排水路などに堆積(たいせき)したダイオキシン汚染土砂の処分問題で、市は5日、しゅんせつ後の土砂をセメント原料としてリサイクルすると発表した。埋め立て処分を決めている県と対応が分かれることになった。宮本勝彬市長は「コストを抑えられ、リサイクルすることで環境モデル都市を目指す市の姿勢にも合う。安全性も確保できる」と独自処理の理由を説明した。来年2月に工事を始め、4月末までに完了させる予定。【西貴晴】
市の計画では、中心部を流れる排水路のうち栄橋~百間雨水ポンプ場間1200メートルにたまった土砂約300立方メートルをしゅんせつし、現地に設けた仮施設で脱水などの中間処理をしてセメント業者に渡す。セメント化の工程で1450度の高温で焼成するためダイオキシンは分解され、無害化されるという。
処分はポンプ場より上流を市、下流を県が担当する。県の処理量は約1万1000立方メートル。当初、市は県と共同で埋め立てする考えだったが、県が提示した市の負担額は想定より割高で、当初見込みの約8000万円から約1000万円増えることが判明した。
対応策を検討した結果、(1)処理量が比較的少なく、業者がセメント化を実現しやすい(2)海水が流入する下流側と比べて塩分濃度が低く、土砂の塩抜き作業が省ける--ことから独自処理を選択した。処理費用は県との共同事業の負担金を下回る見込みという。セメント業者選定に向けた入札や、原因企業チッソとの費用負担割合の協議などに入る。
汚染土砂問題は00年6月、県の調査で環境基準を超えるダイオキシン類が排水路などから検出されて発覚し、チッソ水俣工場の硫酸カリ製造施設が原因と分かった。県は同市梅戸のチッソ所有地を買い上げて土砂を埋め立て処分する計画で、9月に処分場造成工事に入っている。
県は市の処理法について「塩分濃度など市と県は条件が異なる。県の工法でも安全性は保たれる」として埋め立て処分を進める方針。
毎日新聞 2008年11月6日 地方版
**2008/11/06 セメントに/水俣ダイオキシン処分問題【朝日】
2008年11月06日
水俣市のチッソ水俣工場周辺の江添川と水俣港で高濃度のダイオキシン類が検出された問題で、市は江添川にたまった土砂約300立方メートルについて、埋め立て処分するとの当初計画を変更し、セメント原料としてリサイクルすると5日、発表した。当初計画より費用が抑えられるという。
当初計画では江添川の上流部約1・2キロの土砂約300立方メートルを市で、下流部分と水俣港の土砂約1万立方メートルを県で処分し、ともに同市梅戸地区に埋め立てる予定だった。
しかし市担当分について、脱水処理など中間処理費用が予想以上に膨らみ、総費用が当初試算より約1千万円多い約9千万円になることが7月に判明。市は土砂を焼却炉に入れて千度以上の高温でダイオキシン類を分解し、セメント原料にする方法の採用を決めた。今年度中に工事に着手する予定で、総費用は8千万円以下に抑えられる見通しという。
市は今春、水俣署新築建設工事現場の地中から見つかった約900トンのカーバイド残さ処分でも同様の方法を採用している。
県が事業主体になる汚染土砂の埋め立て処分は当初計画通り、今年度中に着工される予定。宮本勝彬市長は「リサイクルを選んだのは安全性ではなくコストの問題から。県の担当分は大量なので、同じ方法は採用できないだろう。県の埋め立て処分は引き続き支持したい」と話した。
**2008/02/26 ダイオキシン汚染土砂 固化処分へ【読売】
県と水俣市、今夏にも着工
水俣市のダイオキシン汚染土砂の最終処分問題で、事業主体の県と市が、今夏にも処分場建設に着工する方針であることが分かった。地元の3団体が無害化処理を求めているが、県側は汚染土砂をコンクリートで固めた上で埋め立てる固化工法を採用する考えだ。
汚染土砂は、チッソ水俣工場の排水が原因で県管理分の水俣港と百間排水路、市管理分の百間雨水幹線に約1万1300立方メートルが堆積(たいせき)。計画では面積約2900平方メートル、容量約9400立方メートルの最終処分場を造る。総事業費は約10億円。
「水俣に産廃はいらない!みんなの会」など3団体は、「水俣病の教訓を生かし無害化処理すべき」などと主張。県と市は3団体と面談するなどして早期着工へ理解を求めていた。県は「固化方式は無害化に匹敵するとの説明を尽くしてきた。これ以上、汚染土砂を放置できない」としている。
**2008/2/25 水俣市の汚染土砂 県、夏にも除去着手【熊日】
水俣市の水俣港や百間排水路などに、国の環境基準を超えるダイオキシン類を含む土砂が堆積(たいせき)している問題で、県は今夏にも汚染土砂の除去などの工事に着手することを決め、二十五日の県議会環境対策特別委員会に報告した。
県は、しゅんせつした汚染土砂を埋め立てる処分場建設から着工する考え。今後、排出源のチッソが所有する処分場予定地(同市梅戸町)を買収し、完成後二〇〇九(平成二十一)年度に汚染土砂の除去作業に入る。
県の処理計画をめぐっては、同市の住民三団体が熱処理などによる無害化や処分先の変更を求めており、工事着工の方針を固めた県への反発が強まりそうだ。
ダイオキシン類を含む汚染土砂は二〇〇〇年六月、百間排水路の川底から検出。県は公害防止事業で、汚染土砂約一万千三百立方メートルをしゅんせつし、処分場に埋め立てる計画。総事業費は九億三千六百万円で、チッソが三分の二を負担する。
県は当初、昨年三月までに処分場を着工する予定だったが、住民の反対を受けて土砂の処理工法を再検討。しゅんせつ土砂をセメントで固めて埋め立てる「変更計画」をまとめたが、昨年八月以降、三度開かれた住民説明会で三団体の納得は得られなかった。
特別委で県港湾課は「専門家による検討結果であり、水俣市も(現在の)工法を支持している。汚染の拡散を防ぐため、これ以上処理を遅らせるわけにはいかない」と説明した。
一方、県計画に反対している「水俣に産廃はいらない!みんなの会」の坂本龍虹会長は「県は住民と対話を続けている途中ではなかったのか。断固抗議する」としている。(並松昭光、渡辺哲也)
**2008/02/07 汚染土処分、合意遠く・・・ダイオキシン検出から6年【読売】
ダイオキシン汚染土砂の最終処分場予定地周辺(水俣市梅戸町) 水俣市のチッソ水俣工場の排水が原因で水俣港などに堆積(たいせき)するダイオキシン汚染土砂の最終処分問題で、事業主体の県と市は8日、市総合もやい直しセンター「もやい館」で市内全域を対象とした説明会を開く。ダイオキシン問題を巡っては処分場予定地付近の地元説明会を3度開いているが、全市民向けの開催は初めて。県側は「コンクリート固化方式での早期着工に理解を求めたい」としているが、「無害化処理」や「チッソの工場内での処理」などを求める反対派の反発は必至だ。2002年春のダイオキシン検出から約6年がたつが、着工のメドはついていない。現状をまとめた。(白石一弘)
■無害化
「ダイオキシンは毒性が強く心配。水俣病の教訓を生かし、安全に処分すべき。無害化処理に計画を変えてほしい」
06年10月。処分場予定地付近の住民らを対象とした説明会で、「水俣に産廃はいらない!みんなの会」の坂本龍虹会長らが猛反発し、県側が目指していた同年度内の着工は頓挫した。
県側はその後、住民側の意向も踏まえ、汚染土砂をセメントで固めた上で埋め立てる方式を採用。07年6月、市も了承した。通常の脱水処理よりダイオキシンが溶け出す可能性が大幅に減るという。しかし、あくまで無害化処理を求める反対派は納得せず、話し合いは宙に浮いたままだ。
地元説明会は07年7月、同9月にも開かれた。県側は「無害化は理想だが数十億円の費用が必要で、財政的に困難。固化方式は無害化に匹敵する次善の策」と早期着工に理解を求めたが、住民側との合意には至らなかった。
■環境基準
事態を複雑にしているのはダイオキシンの環境基準に対する位置付けだ。問題の汚染土砂は水の底(底質)にあり、底質の基準は150ピコグラム。水俣市の汚染土砂は360ピコグラムでこの基準を超えている。陸上での基準は1000ピコグラムで、1000ピコグラム以下の場合、国の技術指針によると覆土処理だけで足りる。
県側は「同程度の土砂が陸上で発見されても処理の対象にはならない」とする一方、「水俣は水俣病を経験した特別な地域。住民感情にも配慮し、二重、三重の対策を施して処分する」と強調。「セメント固化に加え、海岸沿いの処分場を当初の計画より離れた所に移動する対策を講じている」と理解を求める。
こうした県側の説明が住民側をさらに刺激。「処分の必要性もないものに多額の税金を使うのか」という批判を招き、混乱に拍車をかけている。
■チッソへの反発
汚染土砂は、県管理分の水俣港と百間排水路、市管理分の百間雨水幹線に堆積する約1万1300立方メートル。計画では面積約2900平方メートル、容量約9400立方メートルの最終処分場を造る。総事業費は約10億円。国の公害防止対策事業により、県管理分(約1万1000立方メートル、約9億3600万円)の3分の2をチッソ、残りを国と県が折半する。市管理分については事業費、負担割合とも決まっていない。
住民側が納得できない点にチッソの姿勢もある。チッソは説明会に1度も参加せず、謝罪もしていないからだ。住民側は「チッソの工場内での処分」も求めるが、チッソは「計画は公害防止対策事業に基づき事業者の県と市が決めること」という態度。その消極的な姿勢に住民側のいらだちは募るばかりだ。
宮本勝彬市長は「目の前にある危険なものを1日も早く、安全に処理する必要がある」と話す。その点では住民側も一致する。説明会は午後7時から。問い合わせは市下水道課(0966・61・1626)へ。
(2008年2月7日 読売新聞)
**2008/01/13 ダイオキシン問題 県が採水調査 水俣、処分場予定地付近=熊本【読売】
水俣市の水俣港などに堆積(たいせき)する高濃度ダイオキシン汚染土砂の最終処分問題で、事業主体の県は9日、処分場予定地付近の海岸で採水調査を行った。「明神の環境を守る会」(大矢理巳子代表世話人)の要望に応じたもので、県は1か月後をメドに分析結果を報告する。
調査は、県環境保全課の職員らが同会メンバーの立ち会いで実施。岩盤から染み出している可能性がある液体を採水した。
ダイオキシン問題を巡っては、同市梅戸町のチッソヘリポートに処分場を建設し、脱水処理した汚染土砂をコンクリート固化した上で埋め立てる計画が進んでいる。事業主体の県と市は「地形や地質から適地」として、早期着工に理解を求めている。
これらに対し、同会は昨年9月、汚染源のチッソ工場の敷地内で処分するよう要望。さらに「海岸には黒い液体が染み出し、有害物質が含まれている可能性がある」と指摘していた。県は同11月、「岩の割れ目の黒い鉱物が結晶化したことが原因で有害物質ではない」と答えたが、同会が調査を求めていた。
写真=処分場予定地付近の海岸で採水する県職員と住民ら
**2007/11/30 水俣のダイオキシン土砂:汚染土砂の処分問題 市、県計画への同調示す /熊本
◇住民団体に説明
水俣市の百間排水路などにたい積したダイオキシン汚染土砂の処分問題で、市は28日、処分の予定地や方法などについて県の計画に同調する考えを示した。住民団体「明神の環境を守る会」(大矢理巳子世話人代表)の質問に答えた。
処分の主な事業主体となる県は、しゅんせつ後の土砂をセメントで固め、原因企業のチッソ所有地(同市梅戸)を買い上げて埋め立てる方針を示している。宮本勝彬市長は「一刻も早く安全な状態に持っていかないといけない。今の場所、方法でお願いしたい」と述べ、県に同調する考えを説明した。
守る会はチッソ水俣工場構内での埋め立てを提案している。市役所を訪れた大矢代表らは「構内が無理というなら、チッソは住民感情を考えてまず謝罪すべきで、謝罪するよう市がチッソに働きかけてはどうか」と提案、市は検討する考えを表明した。【西貴晴】
**2007/11/28 ダイオキシン処分問題 水俣市が初の単独説明会 着工へ理解求める=熊本【読売】
◆反対団体に
水俣市のチッソ水俣工場の排水が原因で水俣港などに堆積(たいせき)している高濃度ダイオキシン汚染土砂の最終処分問題で、市は26日、事業主体の県と市の処分計画に反対する市民団体への説明会を市役所で開いた。市は「一日も早く処分したい」と述べ、早期着工へ理解を求めた。
市単独の説明会は初めて。「水俣に産廃はいらない!みんなの会」「ダイオキシン類の安全な処理を求める住民の会」を対象に個別に開いた。
計画では、処分場は同市梅戸町のチッソヘリポートに建設。脱水処理した汚染土砂をコンクリートで固めた上で埋め立てる。反対派は水俣病問題を引き合いに、無害化処理や原因企業としてチッソの工場敷地での処理などを求めている。
こうした要望に対し、市側は「今の計画で二次被害が出るとは思えない。(数十億円もかかる)無害化は理想だが財政的に困難。市としてこれ以上、県を説得することはできない」などと答えた。「明神の環境を守る会」にも28日、説明の場を設ける。
**2007/11/21 ダイオキシン処分場 県、住民団体に改めて理解求める=熊本
水俣市の水俣港などに堆積(たいせき)する高濃度ダイオキシン汚染土砂の最終処分問題で、事業主体の県は20日、処分場予定地の変更を要望していた地元住民団体に対し、「地形や地質から適地」と回答し、従来通り、早期着工に理解を求めた。
県担当職員が、「明神の環境を守る会」の事務局を訪れ、口頭と文書で「工場敷地内は地下水位が高く総合的に予定地の安全性が高いと判断した」などとする回答を伝えた。同会は「安全性の保証がない」として改めて変更を求めた。
計画では同市梅戸町のチッソヘリポートに処分場を建設し、脱水処理した汚染土砂をコンクリート固化した上で埋め立てる。
**2007/10/23 ダイオキシン処分場 水俣市、説明会開催へ 反対団体に着工理解求める=熊本【読売】
水俣市の水俣港などに堆積(たいせき)する高濃度ダイオキシン汚染土砂の最終処分問題で、市は22日、事業主体の県と市が進める計画に反対している団体向けに市独自の説明会を近く開くことを明らかにした。
「水俣に産廃はいらない!みんなの会」「ダイオキシン類の安全な処理を求める住民の会」「明神の環境を守る会」の3団体が対象。早ければ今月中にも開く方針で、それぞれ反対理由に違いがあるため、説明会は個別に行い、早期着工への理解を求める。
計画では、処分場は同市梅戸町のチッソヘリポートに建設。脱水処理した汚染土砂をコンクリートで固めた上で埋め立てる。反対派は無害化処理や原因企業チッソの工場敷地への予定地変更などを求めている。
これらに対し市は、「場所も処分法も安全。目の前にある危険なものは一日も早く処分しなければならない」としている。
**2007/09/24 水俣のダイオキシン土砂:住民団体が現地見学会 /熊本【毎日】
水俣市のダイオキシン汚染土砂除去問題で、土砂の埋め立て場所変更を求める地元住民らで作る「明神の環境を守る会」(大矢理巳子世話人代表、約70人)が23日、現地見学会を開いた。
汚染土砂は、原因企業のチッソ水俣本部から水俣湾に注ぐ百間排水路などにたい積している。県は汚染土砂約1万1300立方メートルをしゅんせつ・脱水したうえ、湾に近い同市梅戸のチッソ社有地を買収して埋め立てる計画だ。
水俣病の語り部でもある大矢代表が呼びかけて今月設立した守る会は「周辺には住宅もあり、十分な安全性が示されていない」として場所の変更を求めている。
見学会には会員ら約20人が参加し、予定地周辺の地層などを確認した。大矢代表は「汚染物質が予定地外にしみ出した場合、海から被害が拡大する可能性がある。現地を見て危険性が理解してもらえたと思う」と話していた。【西貴晴】
**2007/09/19 汚染土砂処分場の予定地変更など要望 市民団体、水俣市長に=熊本【読売】
水俣市の水俣港などに堆積(たいせき)する高濃度ダイオキシン汚染土砂の最終処分問題で、処分場予定地付近の住民でつくる「明神の環境を守る会」(大矢理巳子代表世話人)の8人が、宮本勝彬市長に予定地変更などを求める要望書を提出した。
処分場は同市明神町に隣接する梅戸町のチッソヘリポートに建設する予定で、事業主体の県と市が脱水処理した汚染土砂をコンクリートで固め埋め立てる計画。
要望書では、原因企業のチッソ水俣製造所の工場敷地への予定地変更や、住民説明会などで敷地での処理は困難とした調査内容の公表、チッソの謝罪など5項目を求めている。
これらに対し、宮本市長は早期処理を図るとして現計画への理解を求めた。
同会は予定地周辺の約70人で構成し、今月4日に結成した。要望書はチッソにも提出した
**2007/09/12 ダイオキシン処分 水俣市長「固化」を推進 無害化派の反対必至=熊本【読売】
◆県案支持
チッソ水俣工場の排水が原因で水俣市の水俣港などに堆積(たいせき)する高濃度ダイオキシン汚染土砂の最終処分問題に関し、県と共に事業主体となっている同市の宮本勝彬市長は11日、「県の工法は安全性が高い」と述べ、脱水処理した土砂をコンクリートで固化した上で埋める処理方式を推進する考えを示した。予定地の地元住民らは無害化処理を求めており、反発を招きそうだ。
市議会一般質問で、岩阪雅文議員(自民)の質問に答えた。岩阪議員は「(計画への)市の主体性が感じられない。市として県案を推進するのか」と質問。宮本市長は県案を評価する姿勢を示し、「県の工法や場所について住民の理解が得られるよう努力したい」などと述べた。
宮本市長は、8月にチッソの後藤舜吉会長に会ってチッソ構内で処分を行うよう申し入れ、「液晶事業拡張などの計画があり、構内処分は厳しい」との回答があったことを明らかにしたうえで、計画通り同市梅戸町にあるチッソヘリポート用地が処分場になるとの見通しを示した。
**2007/09/08 ダイオキシン処分場説明会 話し合い、依然平行線 チッソに住民猛反発=熊本【読売】
◆チッソの不参加に住民猛反発
チッソ水俣工場の排水が原因で水俣市の水俣港などに堆積(たいせき)する高濃度ダイオキシン汚染土砂の最終処分問題で、公害防止法に基づき事業主体となる県と市は5日夜、処分場予定地付近の住民を対象とした3度目の説明会を開いた。
県側は「通常の埋め立てではなく、コンクリートで固化した上で埋め立てるので安全性に問題はない」と従来の見解を繰り返して早期着工への理解を求めたが、住民側は「無害化すべき」「チッソ構内で処分すべき」などと主張し、話し合いは平行線のままだった。
説明会は昨年10月と7月に続き、3度目。この日は、住民側の質問に県側が答える形で進行。無害化について県側は「コンクリート固化が無害化に匹敵する」などと繰り返した。チッソ構内での処分に関しては「土地の提供を強制することはできない」「予定地が地質的に適地」などとした。
住民側が強く求めていたチッソの原因企業としての謝罪と説明会への参加はこの日も実現せず、住民側は猛反発。県側は「チッソに要望を伝えたい」と述べるにとどまった。午後7時に始まった説明会は同11時過ぎに終了。県側は近く、再び説明会を開く方針。
**2007/09/07 水俣のダイオキシン土砂:汚染土処分方法巡り平行線 県が3回目、住民説明会 /熊本【毎日】
水俣市のダイオキシン汚染土砂除去問題で、県は5日、同市で処分方法を巡る住民説明会を開いた。しゅんせつ土砂について、県はセメント固化によるダイオキシン溶出防止策を示したが、住民側からは無害化処理を求める声が相次ぎ、主張は平行線をたどった。
説明会は昨年10月と今年7月に続いて3回目。住民約40人が参加し、午後7時から4時間余りに及んだ。
県は無害化処理について「行政として採用できる効率的な技術レベルに達していない」などと説明した。これに対し住民側は他県で無害化を試みた例があることを指摘し、比較検討結果を示すよう求めた。また、住民からは原因企業のチッソによる説明がないことへの不満が相次ぎ、県は「説明会出席の要望をチッソに伝える」と答えた。
汚染土砂はチッソ水俣本部から水俣湾に続く百間排水路や河口にかけてたい積している。県は約1万1300立方メートルをしゅんせつ。同市梅戸のチッソ社有地を買収して埋め立てる計画を示している。【西貴晴】
**2007/09/06 ダイオキシン処理 住民側、納得せず【熊日】
水俣港百間船だまりなどにたい積する高濃度ダイオキシン類を含む汚染土砂処理に関する三度目の住民説明会が五日夜、水俣市で開かれた。事業主体の県は、チッソ所有地への埋め立て処分にあらためて理解を求めたが、住民側は納得しなかった。県は引き続き説明会を開き、理解を求める方針。
汚染土砂は、船だまりなどの海や河川の底にたい積している国の環境基準(一グラム当たり百五十ピコグラム)を超えた一万千立方メートル。県と市の公害防止対策事業でしゅんせつしてセメント固化し、原因企業のチッソ所有地(同市梅戸)に埋め立てる計画で、事業費は約九億三千六百万円。チッソが三分の二を負担する。
説明会では、無害化処理を求める住民側から、処理方法の検討や処分地選定の経緯に関する議事録やボーリング調査などの資料提出を求める意見が相次ぎ、県は回答を次回に持ち越した。
一部住民が新たに提案していた港湾用地二カ所への処分地変更について県は「海に近く、現在の予定地に比べて地盤強度も劣る。安全性の面からも適切ではない」と説明した。
また、吉海安丈・市産業建設部長は市の立場について「現在の工法、場所でやむを得ないと考えている。引き続き理解を得る努力をしたい」と答えた。(渡辺哲也
**2007/08/26 [会う聞く話す]水俣市長 宮本勝彬さん=熊本【読売】
◆産廃処分場に断固反対「何もないところに危険持ち込む」 水道水水源地、生活に悪影響
水俣市南部の山林で民間業者「IWD東亜熊本」が進めている産業廃棄物最終処分場建設計画に対し、市は建設阻止の旗振り役を務めている。運動の中心になっているのは昨年2月の市長選で現職に大差をつけて初当選した宮本勝彬市長(63)だ。計画に反対する理由や計画をストップさせる手段などについて聞いた。また、同市で問題となっている国の環境基準を超えたダイオキシン汚染土砂の処分問題について今後の方針も尋ねた。
――計画に反対する理由を聞かせてください。
「水俣は人類史上に残る水俣病という悲惨な公害が起こり、生命の受難を経験した。それらを礎として、新たな夢のあるまちをつくるのが市長の私に課せられた責務。計画は水俣の息の根を止める暴挙と言ってよく、あまりにも厳しい仕打ちと思う。産廃処分場の必要性は理解するが、適地とは言えない。市民の生命、財産、健康を害する恐れがあることも事実であり、受け入れられない」
――IWD側は県環境影響評価条例に基づく環境影響評価準備書を作成し、2度にわたる住民説明会を開催するなど着々と計画を進めています。建設を阻止する具体的な方策は。
「計画がいかに危険性をはらんでいるかを科学的な根拠の下で証明する。そのために専門家にもお願いしている。環境への影響が少ないと主張する準備書の矛盾点も指摘する。それらの積み重ねで会社に勇気ある撤退を促したい」
――とは言うものの、許認可権を持つ県は、法律の要件を満たせば設置を認めるとの立場です。
「県が認めないよう計画の危険性をいろいろな角度から科学的に証明していく」
――市は「産廃阻止!水俣市民会議」をつくっていますが、民間の計画に対し、行政の中立、公平性という観点で問題はないですか。市の考え方を「地域エゴ」という指摘もあります。
「処分場は周辺への影響が少ない所につくるべきだ。計画場所は市民だけでなく津奈木町、対岸の天草市御所浦町への水道水の水源となる水俣川の上流域であり、生活への影響を考えれば適地とは言えず、反対するのが当然。また、水俣病が起こった歴史を考えれば、地域エゴという指摘は理解できない」
――ただ、チッソ水俣工場が汚染源のダイオキシン問題に関しては、市は県と共に最終処分場をつくる計画を進めています。
「ダイオキシン汚染土砂は、今、目の前にある危険なものを処分する話。IWD側の計画は、何もない所に危ないものを持ち込むものであり、根本的に次元が違う。水俣港や百間(ひゃっけん)排水路などに堆積(たいせき)する汚染土砂は1日も早く、安全に処理しなければならない」
――一部の市民は無害化処理を求めています。
「無害化は今の技術では困難と聞いている。現在、セメント固化による処分を住民に説明しているところであり、早期解決につながればと思っている」
――最後に聞きます。「水俣病の教訓」とは何でしょうか。そのための市の役割は。
「行政、事業者、市民……。それぞれの立場での教訓があるが、共通しているのは人間の生命が何より優先されなくてはならないということ。水俣病によって多くの人が社会的、精神的に苦しみ、我々は二度と環境を汚染してはならないことを学んだ。このことは人類の未来への大きな教訓だと思う。水俣の役割は、環境に特に配慮したまちづくりを進めること。そのことが水俣病で亡くなった人たちに報いることになると確信している」
〈記者の感想〉
◆今後問われる真価
「賛否は中立」。産廃最終処分場建設計画に関し、市長選直前までそう言い続けた現職の前市長に対し、当時は市教育長だった宮本さんが「断固反対」を掲げて立候補を表明したのは2005年11月。現職の強力な後援会組織に草の根の戦いを挑み、産廃阻止の訴えが大きなうねりとなって圧勝した。その後は公約通り、産廃阻止を市の最重要課題に位置づけ、専門家による独自の環境影響調査などを実施している。
IWD東亜熊本の本社は市内にあるが、背後には東京の親会社が存在する。その親会社の社長らとも会い、計画の白紙撤回を直談判するなどの行動力に強い決意を感じる。法廷闘争も辞さないとする姿に市民の期待も大きい。
環境影響評価準備書に対して市が集めた意見書には国内外から3万3432通が寄せられた。市の人口は約2万9000人で、関心の高さをうかがわせた。
ただ、会社側は「水俣病の教訓」を生かし、世界に誇れる安全な処分場を建設するとの方針を示す。市長の真価が問われるのは、計画が本格的に進むこれからだ。(白石一弘)
◇みやもと・かつあき 熊本市出身。東洋大文学部卒業後、中学の国語教師として水俣第二中に赴任。市内6中学校で教べんを執り、3小中学校では校長も務めた。人生の半分以上を水俣で過ごし、「水俣は心のふるさと」と話す。根っからの野球好きで、高校時代は野球部主将。教師時代は熱血監督としてチームを指導した。教育長職を辞し、昨年2月の市長選で初当選。就任直後に市役所に産業廃棄物対策室を設置したほか、官民一体の「産廃阻止!水俣市民会議」もつくり、会長に就いた。同会議は現在55団体が加入し、市民一丸となって反対運動を進めている。市政運営に際しては「小さくても輝く街、ほっと安心できるぬくもりのある街」を目指す。同市長野町に妻と2人暮らし。
写真=産廃最終処分場建設計画に対し「法廷闘争も視野に入れている」と話す宮本市長
**2007/07/20 ダイオキシン処分場 水俣市と県が「早期着工、理解を」=熊本【読売】
チッソ水俣工場の排水が原因で水俣市の水俣港などに堆積(たいせき)する高濃度ダイオキシン汚染土砂の最終処分問題に関し、事業主体の県と市は19日、処分場予定地付近の住民や市漁協などへの説明会を開き、早期着工に理解を求めた。
県と市は昨年10月、水底の土砂から環境基準値(1グラム当たり150ピコ・グラム、ピコは1兆分の1)を超えるダイオキシンが検出されたとして、水俣湾沿いのチッソ社有地に処分場を造る計画を発表。その後、地元住民らによる無害化処理などの要望を受け、脱水処理した汚染土砂をセメントで固める固形化方式の導入を決めた。
この日の説明会で県側は、「無害化は技術的に確立していないが、二重三重の安全対策を講じており、健康不安に問題はない」と答えた。
**2007/07/12 チッソ構内を処分地に 水俣のダイオキシン問題 市民団体が申し入れ【西日本】
チッソ水俣製造所(水俣市)の百間排水路などで見つかったダイオキシン類の処分問題で、同市の市民団体が11日、ダイオキシン類の最終処分場として、原因企業である同製造所構内の土地を提供するようチッソ水俣本部へ申し入れた。
ダイオキシン類の処分については、県が公害防止対策事業として、同市梅戸に、中間処理した汚染土をセメント固化し、埋め立てる計画を策定したが、予定地周辺の住民などが反発。
今回申し入れたのは、梅戸地区周辺の住民でつくる「ダイオキシン類の安全な処理を求める住民の会」(緒方利光会長)と「水俣に産廃はいらないみんなの会」(坂本龍虹会長)。両会は「処分場は、民家が近い現計画地ではなくチッソ構内にすべきだ」と訴えた。
チッソ側は「事業主体は県で、チッソは回答する立場にない」とし、県港湾課は19日に地元説明会を実施する予定。
**2007/07/05 ダイオキシン汚泥除去「県の説明は不十分」【熊日】
水俣市の水俣港百間船だまりなどに高濃度ダイオキシン類を含む汚染土砂がたい積している問題で、水俣市議会公害環境対策特別委員会(野中重男委員長)は三日、しゅんせつした土砂をセメント固化して埋め立てる県の除去方針について、住民から意見を聴いた。
出席者からは「方針決定する際、何の説明もなかった」などの意見が相次ぎ、特別委は県に対し説明を求める要望書を提出することを決めた。
県は当初、国の環境基準(一グラム当たり百五十ピコグラム)を超える汚染土砂一万千立方メートルをしゅんせつし、そのまま排出源のチッソ所有地(同市梅戸)に埋め立てる計画だったが、住民が反発。今年六月、新たにセメント固化処理する変更計画を市に伝えていた。
特別委には、地元三地区の住民の会、水俣市漁業協同組合、市民団体の代表が出席。「無害化処理を要望していたのに、何の回答もなくセメント案が浮上したのは理解できない」「なぜチッソの工場内に埋め立てられないのか」などの意見が出た。(渡辺哲也)
**2007/06/19 水俣ダイオキシン汚染土砂 県が固形化方式採用=熊本【読売】
チッソ水俣工場の排水が原因で水俣港などに堆積(たいせき)する高濃度ダイオキシン汚染土砂の最終処分について、事業主体の県がセメント固形化による埋め立て方式を採用し、水俣市も了承した。無害化処理を求めている反対派は反発し、再検討を申し入れる方針。
固形化方式は18日、市議会の特別委員会で市が明らかにした。脱水処理に比べ、ダイオキシンが溶出する可能性が大幅に減るという。市は「無害化には通常の2~3倍の費用が必要。現時点で最善の策と判断した」とし、県と歩調を合わせる姿勢を示した。
汚染土砂の範囲は▽県管理分の水俣港と百間排水路▽市管理分の百間雨水幹線――の計約1万1300立方メートル。同市梅戸地区のチッソ所有地に最終処分場を造り、脱水処理して埋め立てる計画だったが、住民らが強く反発。「水俣に産廃はいらない!みんなの会」などが県側に無害化処理などを申し入れていた。
県と市の方針を受け、みんなの会の坂本龍虹会長は「あくまで無害化を求める。(民間業者による)山の産廃計画に反対しているのと同様、市は強気で対応してほしい」と話している。一方、市漁協は無害化よりも早期の埋め立て処分の必要性を訴える要望書を提出、地元の混乱が続いている。
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**2008/10/15 [[イベント情報]]を更新
**2008/08/17 [[国立国会図書館 テーマ別調べ方にリンク>http://www.ndl.go.jp/jp/data/theme/theme_kagi.html#kankyou]]
**2008/07/17 那須塩原市の処分場反対の会にリンク
-[[各地の事例]]で[[産廃モーイラネ!情報局>http://aoki-no3p.com/]]にリンクしました
**2008/07/12 [[イベント情報]]アップしました
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-暑いですね~。気分だけでも涼しくなるようにデザインを変えてみましたよ~。でもやっぱり季節外れなのでまた変えたりして・・・
**2008/07/10 感想・アンケート
-事業中止の感想募集とアンケートを[[トップページ]]に設置
**2008/05/21 IWDが撤退?
-熊日新聞に記事が載りました。[[新聞記事]]
**2008/05/10 市民団体
-[[水俣産廃をめぐる状況]]の市民団体にいろいろ追加。また、リンク切れが数件あったので整理しました。(まだあるかもしれません)
**2008/03/05 アセス審査会意見が出ました
-[[アセス審査会意見>http://www.pref.kumamoto.jp/eco/kankyo/sinsakai/iken/iwd(b).pdf]](PDFです。重さ注意)
**2008/02/08 細々と更新
-[[法令など]]に野鳥関係の法令を追加
-[[水俣産廃をめぐる状況]]で、IWDの登記関係の記事にリンク
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**2007/12/28 公聴会についての情報を[[イベント情報]]に掲載しました。
**2007年7月20日 用語集
-独断と偏見ありの[[用語集]]のページを作りました。まだ項目は少ないですが、ちょっとずつ充実中です。
**2007年7月20日 産廃処理のリスクマネジメント
-[[産業廃棄物のリスクマネジメント入門>http://www.tokiorisk.co.jp/cgi-bin/risk_info/backnumber.cgi?no=1]] 企業の立場からも処分場問題を考えてみよう。東京海上リスクコンサルティング研究員の4回連載。下の方にスクロールして探してください。
**2007年7月12日熊本県の情報開示等電子申請のページにリンク
-[[情報開示請求をする>http://www.shinseihonpo.kumamoto-idc.pref.kumamoto.jp/shinsei/jsp/POTetsudukiList.jsp]] 気になる情報は情報開示してみましょう。
**2007年6月6日 本・CDのリサイクルで海外協力!
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**2007年5月30日 リユースをすすめよう 譲ります! 譲ってください!
-[[リユース掲示板>http://bb2.atbb.jp/reuse/]] 水俣近辺の譲ります!譲ってください情報を掲載する掲示板を作りました。メールを航海しないでやりとりができるので安心です。
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**2007年5月26日 IWD東亜熊本のホームページにリンク
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**2007年5月9日 掲示板を設置しました
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**2007年5月6日 203万立米は水俣の産廃の何年分なのか計算してみました
-[[200万立米とは言うけれど、いったいどれくらいのゴミが入るのだろうか]]
**2007年4月20日 国の性能指針をアップ
-[[廃棄物最終処分場の性能に関する指針]]をアップ
**2007年4月12日 「ごみ減量」ページ名を「環境首都を目指す」に変更
-ごみを減らすというだけでなく、暮らし全体、地域全体の環境を考える意味から「[[環境首都を目指す]]」と変更しました。
**2007年3月20日 熊本県の条例3つをアップ
**2007年3月20日 準備書の縦覧期間延長に伴う更新
-[[環境影響評価準備書の縦覧]]のページを更新しました
**2007年3月15日 3月の新聞記事のページを設置しました
**2007年2月22日 準備書の縦覧についてのページを設置しました
-[[環境影響評価準備書の縦覧]]
**2007年1月5日-2006年12月の新聞記事のページを設置
-2006年最後の記事は準備書縦覧が2月に行われるというものでした。[[2006年12月の新聞記事]]
**2006年11月の新聞記事のページを設置
-最初のニュースは、市長が天草市・津奈木町などに「一緒に産廃に反対してね」という要望を行ったニュースでした。
**現地のフォトムービーを配信しています
-[[みなまた・水のある風景>http://f.flvmaker.com/mc.php?id=yYxcPpX4__GKUTAF6Eq.PMqehLcwBpXVjEYGJBYuJLOSEhQXPKHlXbvu73Ci8QqIZgVPT3bkbqlbUTIedDH7hzs]] 処分場予定地の豊かな自然をご覧下さい。(約4分)
**新聞記事にチッソのダイオキシン関連の項目を設置
-梅戸港にチッソが百間排水路に排出したダイオキシンの埋立処分場を熊本県・水俣市の負担と国の助成(公害防止事業)により建設する計画が明らかになりました。木臼野の処分場問題と微妙に絡んでくるであろうダイオキシン処分場問題、熊本県・水俣市や水俣市民のそれぞれの動きが注目されます。
**2006年10月の新聞記事のページを設置
-第一号は、芦北の国有林立ち枯れ問題で、吉永商会がアンモニア除去装置を設置したという記事でした。
**2006年10月02日 - お役立ちソフトのページを設置
-管理人がこれは便利だと思ったソフトを紹介しています。 うーん、3Dを誰か作ってくれないかな~(おい)
**2006年09月04日 - 9月の新聞記事ページを設置
-9月の新聞記事第一号は、環境大臣の水俣病私的懇談会の提言についての記事でした。産廃は最後のほうにちょこっと「慎重対応を求める」という提言がされたことが載っています。
**2006年08月26日 - What's New ページを設置
-今までの自動の「更新履歴」では、更新されたページを示すだけで、中身が分からなかったので、新しく手動の「What's New」を設置しました。自動化で省力化できると思ったんですが、結局最後は人間がやらないとダメのようですね。
2008-10-15T17:29:44+09:00
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