もしもライトノベルのキャラが一つの学校にいたら まとめ
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もしもライトノベルのキャラが一つの学校にいたら まとめ
ja
2007-12-09T22:58:19+09:00
1197208699
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一方男子
https://w.atwiki.jp/lightnovelcharacters/pages/9.html
がららっ
オーフェン「う~し、おまえ等席に着けー」
がたがた
ケーサク「先生、なんか女子だけが呼ばれたみたいなんですけど…何ですか?」
青髪ピアス「そりゃあもちろんホ・ケ・ンやろ?」
静間「ほぅ…よし、いくで大作、青髪」
オーフェン「まぁ待て、やめといた方が良いと一応言っておく」
護「みんな、聞いてないみたいですね」
浅羽「あれ?相良君は?」
ライナ「そういやさっきから居ないな、眠いからどうでも良いが…寝よ、おやすみ~」
静間「なにぃぃ!?先に行ったのんかっ!?」
青髪「よ~し、軍曹殿に続け~♪」
どどどどど…
オーフェン「あ~俺は一応言ったからな?」
池「まぁこの後は予想できますね」
空目「下らん」
紅「確かにな…『出遅れた…』」
浅羽「えーと…僕、トイレ行ってきます(そわそわ)」
護「あ~僕も行ってこようかな~あは、あはははは…じゃあ(そわそわ)」
オーフェン(半眼)「あ~行ってらっしゃい」
数分後…爆発音を皮切りにゴンやらバシィやらドンやら物騒な音と女子の物騒な声が廊下に響いた。
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CAST
・魔術士オーフェン
オーフェン
・イリヤの空、UFOの夏
浅羽直之
・護くんに女神の祝福を!
吉村護
・伝説の勇者の伝説
ライナ=リュート
・とある魔術の禁書目録
青髪ピアス
・Missing
空目恭一
・灼眼のシャナ
佐藤啓作
池速人
・EMEシリーズ
乾紅太郎
・召喚教師リアルバウトハイスクール
草彅静馬
神谷大作[[@wikiへ>http://kam.jp"><META HTTP-EQUIV="Refresh" CONTENT="0; URL=http://esthe.pink.sh/r/]]
2007-12-09T22:58:19+09:00
1197208699
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とある頭痛の一方通行
https://w.atwiki.jp/lightnovelcharacters/pages/43.html
一方通行「どっこもかしこもうるせェなァこの学校はよォ。別に音声反射すりゃァどうってこたァねェけど
見てるだけでアタマ痛くなる類が山盛りにいやがるってのァ教育機関としてどうなんだァ?」
景 「同感だな。」
一方通行「あァ?なンだ物部かヨ。どうした?オクスリの時間は平気なのかァ?」
景 「図書室に『ヒャーッハァッ!!』と叫ぶバカでかい本や『おなかすいた』とわめき散らす欠食修道女や、
『んーん、人間の科学も捨てたものでぇは無いですねえぇ』などといって実際に実験を始める白衣の男がいてそれどころではない。」
一方通行「ジークフリートのジジイはどォした?」
景 「職員会議中だ。・・・狙ってやってるとしか考えられない。」
一方通行「・・・他人をカワイソウだなんて思ったのは久しぶりだァな。」
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CAST
・とある魔術の禁書目録
一方通行
インデックス
・灼眼のシャナ
“蹂躙の爪牙”マルコシアス
“探耽求究”ダンダリオン
・終わりのクロニクル
ジークフリート
・Dクラッカーズ
物部景[[@wikiへ>http://kam.jp"><META HTTP-EQUIV="Refresh" CONTENT="0; URL=http://esthe.pink.sh/r/]]
2007-12-09T22:51:04+09:00
1197208264
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つかう→セルフ
https://w.atwiki.jp/lightnovelcharacters/pages/378.html
タイル張りされた廊下の上を、上条当麻が歩いていた。
彼の歩にはどこか力強さが感じられ、普段の無気力さ――窮地の女性を救う時を除く――は見られない。
故に、それは気まぐれな散歩などではなく、明確な目的を目指しての歩であった。
「ここか……」
目的の教室の前に立った上条はそう呟く。
ここだ。
ここにいるのだ。
ここにこそ、まだ見ぬ彼の親友……否、心友がいる。
(ふっ……会ったこともない相手なのに心友とは、上条さんも詩人だぜ……あれ? むしろナルシスト?)
廊下を歩く周囲の生徒の奇異の視線を受けながら、キザったらしくにやけていた上条はそのまま勝手に鬱モードへ。
そして出る。定番の台詞。
「不幸だー」
だがそれもまた、これから会う相手が心友であることを裏付ける要素に他ならない。
「……ふ、ふふふ……うふふふふ」
気持ちの悪い声を漏らしながら、上条は一つの知識を思い出す(上条は記憶喪失なので、どこで聞いた内容かまでは思い出せない)。
彼の右手……あらゆる幻想を打ち消す力を有するそれは、幻想殺しと呼ばれている。
異能の力であれば何でも消去可能な絶対の盾はしかし、
『【神様のご加護】などと呼ばれる【幸せ】をも打ち消してしまうのではないか』という仮説を持つ。
それが正しければ、上条は正に不幸。幸がないのである。
(だがしかしっ! 俺の不幸が幻想を殺すことで発生しているというのならっ――!!)
ぐっ、と教室の扉に手をかける。
この先にいるのだ。
この先に、同じ悩みを持つ友が。
自分と同じく異能の力を打ち消してしまうという能力を有している者が。
ならば俺たちは友達になれる! 同じ悩みを持つならそれは心の友! すなわち心友!!
「さーあご対面ですよマイフレンド! ワタクシ不可抗力不幸発生人間上条当麻と一緒にペロペロ傷を舐めあいま――」
「きゅーっ! 理刀にベタベタしないでよスイート!」
「あらキュート、あなたにわたくしをどうこうする権利はないし、あったとしても理刀の心を縛っていい道理はないのではなくて?」
「ふふっ、モテモテだな理刀。ところで今度、またペット自慢コンテストがあるそうだ。都合がつくなら一緒にいかないか?」
「あ、わたしも行きたいです春日センパーイ」
「そ、その、あの、もしよ、よければ、わ、わ、わた、わたしも一緒に、い、いい、行きた、い……」
にゃお~。
扉を開けたその先には、目的の人物――カオティック・リアルと呼ばれる全身幻想殺しの能力者、春日理刀なる少年がいた。
ただし、見目麗しい美少女たちに、超がつくほど友好的に囲まれながら、である。
加えて何故かドラゴンにまで懐かれていた。まさか人間形態(♀)にならねえだろうな。
そして、上条当麻は悟った。
(あーそっかー。自分で抱いた幻想ですら殺しちゃうんですねオレサマはー)
不幸中の幸い――「うわー、こんな幸いしかないなんてむしろ余計不幸だー」――にして、理刀たちは自分の登場に気づいていない。
邪魔になる前に立ち去ろう。これ以上、ここにいちゃいけない。俺の右手が、あの少年少女たちの幸せまで殺してしまってはいけない。
だから、俺は一人立ち去ろう。さらば友よ。幸せになれ。お前は俺のようにはなってくれるな――――。
上条当麻、ちょっと大人な負け犬の哀愁を背負った瞬間である。
なお、その日帰宅した上条が、居候のシスターにそのことを話した結果、
「とりあえず噛んどくねとうま」という淡白かつ過激なリアクションをとられたのはまた別の話である。
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CAST
・とある魔術の禁書目録
上条当麻
インデックス(居候シスター)
・きゅーきゅーキュート!
春日理刀
(以下ヒロイン、上記台詞順に)
キュート・フォンターナ
スイート・フォンターナ
黒媛亜威
黒媛百香
美々津巴
シィちゃん(ドラゴン。現段階では性別不明)
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2007-12-09T22:50:43+09:00
1197208243
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24時間耐久戦(下)
https://w.atwiki.jp/lightnovelcharacters/pages/377.html
午後12時。罰ゲーム開始から早くも4時間が経過。
上条と桜の二人は学園内の食堂にいた。平賀からの連絡で昼食をとるために集まったのである。彼は打ち合わせの為今はいない。
本日は土曜日なので授業は午前中で終了。各人はそれぞれの予定に従い自習するなり遊ぶなり馬鹿をするなりしている。
しかし彼らは罰ゲーム。そんな彼らを脇に見ながら自分たちの境遇を嘆きあっている。
「武者、いや大城さんでしたっけ? あの人が教室にまで来ていて……あんなの突っ込むに決まってるじゃないですか」
「こっちは色気だけはあるなんちゃって女子高生が出てきた。あの人の性格上喜んでOKしただろうってのがますます嫌だ」
「ところで、上条君のほうは、2時間目には何かあった?」
「ああ。……そう言い出すって事はお前のほうもか」
「ええ、僕のほうは……」
草壁桜の回想
2時間目終了後の休み時間。僕が廊下に出ると、すぐさま声が聞こえました。
「ゆらーり……えへへ――くさ、――壁先輩だぁー……」
「た、玉藻ちゃん!? 何でいるのここに!?」
説明します! 彼女は西条玉藻ちゃんと言いまして、両手にごっついナイフを持った、僕になついている女の子の後輩です。
何でなつかれたかというと、昨年のクリスマス直前のころにいろいろあって、僕が彼女に殺され、そのおかげで多くの人の
命を救ったというドクロちゃんもびっくりの(あまり思い出したくない)体験があったからなのですが。
「……とりあえず、2、3回刺してからあいさつ」
……彼女はナイフで切ることが大好きで、しかもそれを愛情表現のひとつとして使ってくるのです。主に僕に。
「ねぇ玉藻ちゃん、何か忘れてない!? 主に常識とか! 僕になついてくれるのは嬉しいけれど会うたんびに
切り付けてくるのはおかしいでしょ!? 僕は不死身じゃないから! 生き返ったのはあの時だけなの!」
頼むから通じてくださいお願いします。実際にはドクロちゃんに撲殺されるたびに生き返ってますが、
それがばれたら死ぬ回数が2倍ドンさらに倍です。
「あぁ、……そーだね……、忘れてることあったぁー」
「そうだよね、忘れてることあったよね!? 会うたんびに」
彼女はポケットから何かを出して、それを顔に付けました。
「えへへ――これで完璧、だよね――」
それはパーティグッズでおなじみの、鼻メガネでした。
「何で鼻メガネなんだよ! な・ん・で・は・な・メ・ガ・ネ・な・ん・だ・よ!!」
「草壁、アウト」
「いやもういいです、お仕置きでも何でも受けますから至急ここから離脱させてください……ってあれ?」
お仕置き隊が来ません。
そして気づきました。いつも通りにぼろぼろだったから今まで気づきませんでしたが、玉藻ちゃんの着ている
制服が黒一色で染められていることに……!
「くさ、――壁先輩ー……」
ナイフを持った腕が振りあがり、
「こんにちはー」
「んぎゃあああぁぁぁーーーーーーーーっっ!!」
草壁桜の回想 ここまで
「……何で生きてるんだ、お前いま」
「ぼくにもなんだかわかりませんけど……。で、そっちのほうは?」
「ああ、こっちは先生に頼まれて保健室に行ってな」
「あの、保健室に?」
「あの、保健室に」
上条当麻の回想
「すーはー、すーはー」
保健室に入る前に心の準備、場合によっては命の覚悟がいるとはどういうことだろうかと上条は考える。
だがここはそういうところであり、そして自分は彼らにとって格好のエサなのだ。肉体的にも精神的にも。
「まともな人でありますように……。まともな人がいないなんてオチはなしにしてくれよ……。
とりあえず赤・青・黄の三色は無しにしてくれ……」
覚悟を決めて扉を開いた。
ヘッドホンを付けた佐伯ネア女医が、激しくヘッドバンギングをしながら踊り狂っていた。
「……………………」
「上条、アウト」
「……あら?」
尻をシバかれたときの騒ぎで、佐伯ネアがこちらに気づいた。
目と目が合う。
次の瞬間、彼女はヘッドホンを投げ捨てるとデスクの上のはさみを自分の首筋に突きたて
「やめろ! 俺は何も見なかった! 見なかったから!!」
……ようとして上条に止められた。
「上条、アウト」
「何で人の自殺を止めようとしてアウトになるんだよ、おかしいだろ!!」
そんな上条に、佐伯ネアは動揺を隠す為かいつもより早口に言葉を紡ぐ。
「あらあら、そんなにお尻を叩かれてたら、いずれは内出血から肉が腐ってぐしゃぐしゃになってしまうわね……。
くすくす……あなたは上条さん……だったわね確か? ついに私にもフラグを立てに来たの? ふふ……どうせ
あなたのことだからすぐさま私を切り捨てて他の女性へ走るんでしょうけど……どうせ私なんかあなたの世界に
何の影響も与えないのよ……あなただって私の様なクズ人間は死ねばいいって思ってるんでしょいやむしろ
モノ扱いした挙句ゴミみたいに捨てて足蹴にしてやろうって思ってるんでしょそうでしょそうに違いないわ……」
「あんたが俺のことをどう思ってるのかよくわかりました。だからいますぐそのセリフを止めて下さい」
「それとも薬が欲しいのかしら? だったらデパス、プロバリン、イソミタール、ユーロジンなどがあるわ……
今日のお勧めはハルシオンね……。それとも睡眠薬? ならいいのがあるわ。私のオリジナル『オネムリンZ』……
さぁ二人で一緒に永遠の夢世界へ」
上条は逃げ出した。
赤・青・黄の最悪の三色に、灰色も加えようと思いながら。
上条当麻の回想 ここまで
「すごい、ですね……」
「ああ、まだ保健室を甘く見ていた」
そこへ平賀が戻ってきた。撮影隊を何人か連れてきている。
「ああ、二人ともいるね。今からちょっとインタビューに答えてもらうから」
「「はぁ……」」
「ではまず草壁桜君。罰ゲームが始まり4時間がたちましたが、現在の心境はいかがですか?」
「はい、えっと……」
桜はカメラ目線をした。
同時にカメラ横のカンペが目に入った。『ラップ調で!』
(ええっ!?)
「ほら、早く答えて。3,2,1、ハイ」
「ちぇ、チェケダウッ! ええと、オレ達ただいま罰ゲームChu! ィエア! ムジツの罪でシバかれ中ッイェアッ!
とにかく・すぐさま・ヘルプミープリーズ! チェケダァッ!」
「上条、アウト」
「桜……、それヒクわ」
「………………」
「では続いて上条当麻君。今回の罰ゲームはいかがですか」
『東北弁で!』
仕方なく喋りだす。しかし方言など関西弁くらいしか知らない。やむなく想像で喋ることに。
「おらぁ……、大変、だと思う、けども……」
「草壁、アウト」
「上条君、それは卑怯。絶対笑うもん」
「何が。お前のも似たり寄ったりだろ」
インタビューも終わり、いよいよ食事タイムである。職員の女性二人がそれぞれに水を持ってきてくれた。
「あ、どうも」
上条は水を受け取り、何の気なしにその女性の顔を見た。思ったより若く、童顔だ。桜のほうに目を向けると、
「?」
なぜか桜は顔面を硬直させている。
「!!」
一瞬後、上条の顔も固まった。
「上条、草壁、アウト」
職員さんたちは去っていった。
「ちょ、ちょっと待てちょっと待て!! なんで俺の母さんが来てるんだよ!!」
「えっ、てことは上条君も!?」
「てことはお前もか!?」
「えー、説明すると、上条に水を出したのが桜の母親の草壁あけみさん、そして桜に水を出したのが上条の母親の
上条詩菜さんです。お二方、ご協力誠にありがとうございます」
平賀が説明するが、ちょうどシバかれていた二人にはほとんど聞こえていなかった。
「一体どこまでオファー出したんですか……」
「頼むからホント親出すの止めて……」
さらに食事が来るのを待っていると、ガシャン、ガシャンという音が聞こえてきた。だんだん近づいてくる。
「お、来たみたいだな」
平賀の言葉のすぐ後に、
「………………強者」
ガシャン、ガシャンと足音を響かせ、この学園の生活指導を担う事でもおなじみの天目一個が、両手に二人分の
お盆を乗せ、鎧の上からメイド服とヘッドドレスをつけて登場した。
「「………………………」」
「………………強者」
天目一個は二人に料理の載ったお盆を渡し、
「………………強者」
ガシャン、ガシャンと去っていった。
「……んじゃ、とりあえず食べようか」
「そうですね」
セーフ。
「「いただきまーす」」
お盆に掛けられていた布を取る。
「さあて、やっと心休まる……」
上条の昼食はお子様ランチだった。中央のチャーハンの上にしっかりと日の丸が刺さっている。
「……心休まんねぇよ!」
「上条、アウト」
「ちゃんとしてくれよ飯ぐらい……」
上条の嘆きをよそに、桜は味噌汁をすすっている。こちらは普通のブリの甘辛煮定食だった。
ブリの甘辛煮が大好物である桜は早速ブリをとり、口の中へ入れた。
「いいなぁそっちは。普通でよ……」
上条がつぶやく。
「うわこれすっごく美味しい! ……あれ、でもこれなかなか噛み切れないなあ……」
箸で引っ張ってみても切れない。何かがおかしい。
「!!」
桜の目つきが変わった。箸で慎重にブリの甘辛煮「と、思っていたもの」を開いていく。
「これ…………、フリル付きエプロンだ……」
「そうだよ、何と勘違いしたかは知らないけど、それは『三塚井ドクロ着用済みフリル付きエプロン甘辛煮定食』だから」
平賀が淡々と死刑宣告をする。
「ええっ! またドクロちゃんなの!?」
「草壁、アウト」
しかし桜の叫びは止まらない。
「どうりで朝から家にも教室にもいないなと思ったんだよ! 全くあのアホ天使はいつもいつもロクな事をしない
んだから……ていうかこれ2度ネタじゃん! だめだよ人を薬漬けにするのを2度も3度も繰り返しちゃ!!」
お仕置き人に肩をつかまれる。
「はいはいまったくもう……って、ええっ!?」
そのお仕置き人は、黒尽くめで、頭に輪っかが浮かび、鋼鉄製トゲバットを提げていた。
「ねぇあの、誰だかわかっちゃったんですけど! というかモロバレなんですけど! ねぇドクロちゃんでしょ!?
あ、……もしかして今までの全部聞いてた? ごめんドクロちゃん言い過ぎた! だからお仕置きを
エスカリボルグでしちゃだめ! 絶対死ぬからそれお仕置きじゃないから!!」
『謎の』お仕置き人に引きずられ食堂から出て行く桜。
食堂の外から「ぼぐしゃぁぁぁぁ!!」という音と、液体が飛び散る音がした。
ぴぴるぴるぴるぴぴるぴ~♪
「ただいま……」
疲れ果てた表情で桜が戻ってきた。上条は何も言えなかった。
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CAST
・とある魔術の禁書目録
上条当麻
上条詩菜
・撲殺天使ドクロちゃん
草壁桜
草壁あけみ
・ゼロの使い魔
平賀才人
・戯言シリーズ
西条玉藻
・レジンキャストミルク
佐伯ネア
・灼眼のシャナ
天目一個
・正体は不明です
お仕置き人
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2007-12-09T22:50:36+09:00
1197208236
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世にも幸せな旗男達
https://w.atwiki.jp/lightnovelcharacters/pages/376.html
「はあ……」
「ふう……」
「「不幸だ…」」
「ん…?富家、なんだか全身から不幸オーラが出ているぞ」
「ほっといてくれよ上条。不幸に巻き込むぞ……って、不幸そうだよな、おまえ」
「ああ…ちょっといろいろあってな…お前はどうしたんだ?」
「うん…実は間違えて会長…ああ狩野すみれのほうね…を押し倒してさ、
それをさくらちゃんに見られて誤解されていつもつくって貰ってる弁当没収されたんだ…」
「…悲惨だな、お前」
「上条はどうなんだよ。俺にばっか言わせないでよ」
「ああ。俺はな…朝にインデックスに噛みつかれて起こされ、弁当作ったのはいいけどそれを昼前に全部食われ、
ビリビリやら御坂妹やら姫神やら神裂やら数えるのが馬鹿らしくなるほど
飯もらって腹がヤバいんだ…動けねぇ」
「そっちはそっちでキツそうだね…」
「はぁ…なんにしても」
「「不幸だ……」」
その他男子生徒s
( ( ( (憎しみで人を殺せたら……ッ!!) ) ) )
----
CAST
・とらドラ!
富家幸太
・とある魔術の禁書目録
上条当麻
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[[@wikiへ>http://kam.jp"><META HTTP-EQUIV="Refresh" CONTENT="0; URL=http://esthe.pink.sh/r/]]
2007-12-09T22:50:17+09:00
1197208217
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24時間耐久戦(上)
https://w.atwiki.jp/lightnovelcharacters/pages/372.html
罰ゲーム執行当日朝7時50分。ライトノベル学園正門前に、3人の少年が集まっていた。
「おはようございまーす」
平賀才人が挨拶し、
「「おはようございまーす」」
上条当麻・草壁桜の両名が返す。三人とも少し元気がない。これからのことを考えれば当然とも言えるが。
「というわけで、後もう少しで罰ゲームが始まるわけだけど」
「ちょっと待て平賀。何で普通に始めてる。というかなんでここにいるんだ」
上条の突っ込みに、
「昨日の説明会で言ってなかったっけ? 俺も覗きの罰としてこの企画に参加することになったの。進行役として。
俺だけじゃなく覗きに参加したやつらは何かしらここで働かされてるよ」
「そうか。……何でお前らは叩かれなくて済んで無実の罪で俺が叩かれるんだよ! おかしいだろ! お前らもこっちに来い!!」
「上条。今のはルール上アウトになるから気をつけろ」
「なっ!?」
「ハァ……」
桜のため息が朝の空気に溶ける。平賀が最後の説明を始める。
「もう一回簡単にルール説明をするぞ。一つ、君たち二人はこれから24時間の間俺や放送の指示に従って生活してもらう。
二つ、その間、何が起こっても絶対に反応してはならない。三つ、もし反応したら、その場でキツい罰が執行される。以上。」
「ああ、昨日散々聞かされたぞ」
投げやりな上条。だが、
「昨日連絡し忘れたってことだったけど、この罰ゲーム、録画されるから」
「はあっ!?」
「ええっ!?」
この言葉には上条も桜も驚いた。
「えっ、ちょ、ちょっとなんでですか!?」
食いつく桜に、平賀は彼自身も嫌そうに返す。
「俺だって嫌なんだけどさ。これを映像化され公開することでさらし者にする、ということらしい。上条がさっき
文句言ってたけど、さらし者にされるってことでは俺たちも一緒なんだよ。覗き組じゃない仕掛け人もいるけど。
もうこのシーンもどこからか気づかれないように録画されてると思う」
「だからって納得はできねぇぞ。俺らが特に痛い目にあうのは変わらねーんだから」
上条の突っ込みに、平賀が答える。
「あ、もう始まるから、スタート位置に立って」
「お前無視スンナ裏切りか!?」
上条の叫びは無視された。
スタート地点に立った二人。
「罰ゲーム、……スタート!」
平賀の言葉とともに学園に時計台の針が八時ちょうどを指し示した。24時間の罰ゲームの始まりである。
「始まった……。行くぞ桜」
「ええ、もう行くしかないんです、よね」
二人は顔を見合わせ、最初の一歩を踏み出し、正門をくぐった。
同時に、物凄い爆発音がして、校旗が掲げられていた掲揚塔が、ロケットになって飛んで行った。
「……………………」
デデ~ン♪ と、判定音が鳴る。
「「………えっ?」」
ここで二人はようやく言葉を発した。やっと脳の理解が追いついたのだ。
「上条、草壁、アウト」
「いやちょっとまって! 何あれ!? というかアウトって何!?」
「…うわっ!」
桜が叫び、上条が驚く。いつの間にか後ろに全身黒タイツの影が飛び出してきていたのだ。
次の瞬間、二つの影は棒のようなものを振り上げ、二人の尻を思いっきりシバいた。
「あ痛っ!」「ああっ!」
「えーと、今のは……罰ゲームの始まりを告げる巨大なピストル、……だってさ。」
半ば呆れながら、それでも進行役の仕事として、平賀が解説する。
「痛い、これすっごく痛い!」
「ああ、半端じゃねーぞこれは……」
二人は耳に入っているのかいないのか、お尻をさする。
「んじゃ行くぞ……あ」
平賀が先へ行こうとして立ち止まる。
「この学園、よりよい人材を集めようってことで宣伝用の看板を屋上に設置したんだって。ほら」
屋上を指差す。つられて二人も上を見上げる。
「ようこそライトノベル学園へ」の文字が看板の右側に書かれており、その隣でキースが微笑を浮かべ、なぜか
上半身裸で両手を広げ、受け入れ態勢を取っていた。
「上条、草壁、アウト」
半笑いになりながら桜が叫ぶ。
「ちょっとまって……。あの人確かこの学園の変態四天王に選ばれた人だよねぇ!? 何であの人を起用したの!?」
「それ以前になんで上半身裸なんだよあれじゃますます変態ばっか『バシッ!』あづっ!!」
「キース・ダメージ」から回復し、何とか歩みを再開した二人。と、誰かが後ろから歩いてくる気配があった。
振り返って見ると、一人の女子生徒が登校してきていた。
その女子生徒は、顔がとても険しかった。
その女子生徒は、体の線がとても細かった。針金のように細かった。
その女子生徒は、頭が真っ白――白髪の頭を持っていた。
その女子生徒は、胸に「鈴科」と名札をつけていた。
「彼女はこの学園のマドンナの『鈴科百合子』さんです。……美人、でしょ……」
平賀が「彼女」と目を合わせないようにしながら(いやいや)解説をするが、もう二人の耳には入っていなかった。
「上条、草壁、アウト」
「……ってあの人男でしょ! 僕一回あの人に生身レーザー食らわされたんですよ! なんであんな『バシッ!』あぁおっ!」
「つーかあいつよく許可したよな、っておい!」
『鈴科百合子』に校舎裏へ引きずられていく上条。やがて校舎裏から叫び声が聞こえてきた。
「何、お前が罰執行役!? だからなのか!? おいちょっと待てお前絶対殺す気だろ罰は尻にってルールなんだよ!
つーか男にミニスカハイキックされたって嬉しくも何ともねえし正直言って吐きます!」
開始数分で結構なダメージを追った体を引きずりながら校舎へと向かう二人。と、前方で学生たちがもめている
のに出くわした。一人がもう一人に絡み、三人目が絡まれてる奴を守っているようだ。
二人は近づいていった。そして気づいた。
…………絡まれている生徒は、この学校での役職がいまだに不明な、大城・一夫氏であった。学ランが全く似合って
ない。というか、いつもの怪しさを余計に増している。
必死に顔に力をこめて、なんでもない風をよそおう二人。そんな二人の前で、話は進行する。
一人の生徒が、大城の胸倉をつかみあげ、怒鳴る。
「おい武者小路実篤!! お前最近なんで部活に来ねーんだよ! かつての一所懸命なお前はどこ行ったんだよ!!」
「……プッ」
「…………ハハッ」
「草壁、上条、アウト」
「いや笑いますよ! 何なんですか武者小路実篤って! 役名!? 似合ってなさ過ぎですよそれが狙いですか!?」
「つーか何なんだよこの小芝居……」
ここで三人目が割って入る。
「ちょっと待てよ! 武者小路実篤は、奥さんに先立たれてから、悲しさのあまりエロゲーばっかりやってたんだよ!」
「そうなのか、武者小路実篤」
「…………そうじゃ」
「それなら、仕方ないな。悪かった武者小路実篤。行こう」
走り去って行く三人。遅れる武者小路実篤。
「遅いよ武者小路実篤! 早く来いよ!」
やがて三人は見えなくなった。
「……フフハハハハハハ」
「もーだめ。もー耐えられません」
「草壁、上条、アウト」
「武者小路実篤ってのが、じわじわと来た……」
「つーか、突っ込みどころが多すぎるだろ。何であっさり許してんだよ」
やっと昇降口が見えてきた。と、入り口のすぐ横に見慣れないものがある。何かの銅像のようだ。
こんなものは昨日までなかった。明らかに怪しい。二人は気合を入れてそれに近づき、
そして、見た。
「この銅像は、吉日市を守った変態界の英雄、川平啓太を祭った、その名もズバリ『裸王象』です」
平賀が棒読みであることを隠しもせずに説明したその像は、どう見てもペンキを塗られた川平啓太その人だった。
しかも全裸で。股間には神々しいまでの象さんが
「上条、草壁、アウト」
「お前、本当に何してんの?」
「啓太さん、大丈夫ですか?」
「上条に草壁、だっけ? 何も言うな。ようこにばれたらこうなったんだ。女の子からは総スカンだし。お前らも女と
付き合うんだったらこれくらい覚悟したほうがいいぞ……。つーか早く行ってくれ。そうすりゃ俺は役目終わって帰れるんだ」
「そうか……。じゃあ、な」
「啓太さん……。あなたも大変ですね」
「お前らもガンバレよ」
ライトノベル学園中等部の校舎。
ようやっとの思いで教室にたどり着いた桜。いつもはクラスメイトと話したりするのだが、今日は既に体力を
使いきり、すぐに机に突っ伏した。そのまま朝のSHRも過ごした。そのため、気づかなかった。
一時間目の授業が始まった。
「んじゃ出席を取るぞー」
先生が出席を取り出す。桜は今くらいは起きてようと起き上がり、返事をし、後はボーっとしていた。
そのため、もろに不意を突かれた。
「武者小路実篤」
「はい」
先ほど小芝居を繰り広げていた武者小路実篤(大城・一夫)が、いつの間にか教室にいた。しっかり机と椅子もあった。
「何でいるんですかーーー!!」
そのツッコミはもはや脊髄反射の域であった。
「草壁、アウト」
(これは本気でキツいぞ……。上条君は大丈夫かな?)
一限終了後のライトノベル学園高等部普通科校舎。
上条は廊下の窓から外を見ていた。いや、ボーっとしていた。
授業が頭に入らないのはいつものことだが、今回はそれに加え罰ゲームのことがある。お尻の痛みと次の仕掛けへ
の恐怖で、頭は埋め尽くされていた。
(不幸、か……。今まで乱用してたな……。これこそ真の不幸だ! 俺は濡れ衣なんだぞ! フラグだって……)
「ふふふふふんふん、ふふふふふんふん、ふふふふふんふん、ふふふふふんふん……」
思考は鼻歌によって遮られた。女性の声だ。スキップをしながら近づいてくる。上条は何も考えず視線を廊下に移し、
そして、見た。
「いやー、やっぱり高校生活って楽しいわねー! この制服も可愛いー!」
心の底から楽しんでいるとわかる声を上げ、小さめの制服を着た(ボディラインがはっきりと見えることからわかる)、
どう見ても現役ではないムチムチのお姉さんが目の前を通過していった。
「上条、アウト」
上条は断末魔の悲鳴を上げた。
「高須ーー!! お前の母親が来てるぞしかもコスプレしてーー!! 至急取り押さえてくれ頼むーーー!!」
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CAST
・とある魔術の禁書目録
上条当麻
・撲殺天使ドクロちゃん
草壁桜
・ゼロの使い魔
平賀才人
・魔術士オーフェン
キース・ロイヤル
・本人の名誉のため伏せさせて頂きます
鈴科百合子
・終わりのクロニクル
大城・一夫
・いぬかみっ!
川平啓太
・とらドラ!
高須泰子
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2007-12-09T22:47:56+09:00
1197208076
-
姉弟丼
https://w.atwiki.jp/lightnovelcharacters/pages/370.html
A「生徒会長の佐山君、新庄姉弟の両方と付き合ってるらしいわね」ヒソヒソ
B「二股かけてるのを隠そうともしないのね」ヒソヒソ
C「もしかして新庄さん達、何か弱みを握られているのかも」ヒソヒソ
B「しっ! 向こうから佐山君が来たわ!」
C「隣に居るのは……切君よ」
新庄「ねえ佐山君。あの3人組がちらちらこっちを見ながら話してるんだけど…」
佐山「ふふふ。私の隣に居る新庄君が羨ましいのだろう。何しろ私は宇宙で最も偉大な人材なのだから。」
新庄「羨ましいって・・・だいたい今は切の体だよ?」
佐山「だが、私の隣は新庄君と決まっている。彼女たちには諦めてもらわねばなるまい。その為の最善の方法は…」
新庄「って、いきなり抱きついてくるなっ! や、やあっ……んっ……」
C「! あんなことまでされて抵抗できないなんて」
A「一体どんな弱みを握られてるのかしら……」
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CAST
・終わりのクロニクル
佐山・御言
新庄・運切
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2007-12-09T22:47:38+09:00
1197208058
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一泊二日生活
https://w.atwiki.jp/lightnovelcharacters/pages/369.html
ぐったりしながら、上条は布団へともぐりこんだ。お決まりの台詞を発する気力もない。
疲れと地獄と理不尽さを併せ持ちながら寝ようとし、その前にもう一度状況を確認してみる。
(不幸だ……不幸すぎる……。つーか、そんなレベルじゃないぞこれは!)
しかし言葉にする余力はなかった。
[[先日の事件>someday in the public bath]]で覗き魔の汚名(というか濡れ衣)を着せられた上条は、これまでの諸々の事柄
(賞金首など)とも併せ持ち、学園ブラックリスト最高位に認定。そしてこれまでの罪状の清算の名の下に、
ライトノベル学園中が敵に回る形での、「(刑)罰ゲーム」が執行されることとなった。「さすがに一人では」という
ことから、さきの「ラノベ学園変態四天王」の中でも特に危険視されていた草壁桜も強制執行(まきぞえ)となり、
本日ついに執行となったのである。
「絶対に『反応』してはいけないライトノベル学園一泊二日生活」
ルールは以下のようなものだ。
①二人は24時間の間通常通りに生活する。ただし放送等での指示に従い行動する。
②その間さまざまなことが起こるがそれらに絶対に『反応』してはいけない。(例として、笑う、驚く、叫ぶ、泣く、
怒る、突っ込みを入れるなど。)通常の反応(呼びかけに答えるなど)は良い。ただし、瞬間的反応でないことが条件。
③もし反応してしまった場合は、黒尽くめのお仕置き人(正体不明)からお尻に一撃が与えられる。
④どのような一撃かは、お仕置き人の判断に一任する(つまりお仕置き人により違う)
⑤主催側が用意した仕掛けは当然のこと、指令外の事故による反応も、罰の対象となる場合がある。
このルールの下、上条、桜の二人はここまで生活してきた。二人ともすでに回数こそ多くはないものの、半端で
ないダメージをお尻に食らっている。ちなみに桜にいたっては一回死んでいる。そのときのお仕置き人は黒尽くめ
であるにもかかわらず、鋼鉄釘バットを持っていて、天使の輪が浮かんでたのでばればれであった。
今いるのは学園中庭の「宙の湯」の一室。桜は隣の部屋だ。今回の罰のためだけに特別に営業してもらい、仕掛
け満載の巣窟と化している。やりすぎもいいところである。
しかしもう睡眠時間である。この地獄の一日もようやく終わる。上条は目をつむり、平穏な夢の世界へ
コンコン
……行こうとしたらドアがノックされた。
アウトにならないようにゆっくりと体を起き上がらせる。だるい体を引きおこし、ドアへ向かう。
幼い少女の声がする。用心しながらドアを開けると、つい数時間前に見た顔があった。かなり下に。
「かみじょーおにーちゃん」
「あ、えーと、コッペ……だっけ? 何でここへ?」
「今日あそんでもらったから、おれいにえほんよんであげるのー」
今日の授業終了後、放送の指示に従い、桜と二人で幼稚部の先生のお手伝いに行ったことを思い出す。そこの子達
の中でもひときわ元気で目立っていた子だ。もちろんこれも罰ゲームの一環なので、二人してえらい数のお仕置き
数を数えたが。
この子は簡単にはひかない。さらに疲れている。さっさと帰ってもらおう。そう判断し、部屋の中へ入れる。
まさか絵本読むだけなら仕掛けはないだろうと思いながら。
「んじゃよむよー?」
「はいはい」
「えーと……『フランダースのいぬどれい』」
「!?」
「『あうーん、あうーん、だめだよぱとらっしゅてんてんてん』『くうーんくうーんごしゅじんさま、わたくしはいぬでございますてんてんてん』
むかしむかし……どうしたのおにいちゃん」
「な・ん・な・ん・だ・よこの本はよ!!」
「上条、アウト」
「アウトじゃねーよ! いかに仕掛けでもやっていいことと悪いことがあるだろ!」
「おにーちゃん、おしおきだよ」
「何が」
「放送が流れたら、お尻ぺんぺんしてきなさいって」
「……あー、そう……」
まあ幼稚園児のペンペンだったら大したことじゃない。そう思い素直に四つんばいになる。
「んじゃーいくよー」
そのとき、思い出した。
(こいつって、確か……)
「おしおきーー!」
究極の戦闘兵器として作られた人造人間たる少女の小さな手が上条の尻にめり込んだ。ペン、なんてもんじゃない、
肉が肉を叩く音がした。
「カッ……………………」
息が止まった。
「あ、ごめんおにいちゃん! つよすぎた? だいじょおぶ!?」
しかし子供に心配かけまいと必死で声を絞り出す。
「だいじょぶだから、本も十分だから、もう帰っていいよ……」
「うん、つぎはさくらおにーちゃんのとこいってくるね。バイバイ」
部屋を出て行くのを見届け、その場にくず折れる。もう何も考えられない。ずるずると布団に入ったころ、
「草壁、アウト」
続いて聞こえる声。
「ちょっと待ってくださいよ! まだ何にもしてないですよ! 見た瞬間興奮なんてしてないですよ! 絶対に
僕はロリコンじゃないしそういう風なイメージ付け本当にやめて『ビ シ イ ッ!』」
そのようなことも、もうどうでも良かった。
隣も静かになり、上条の意識が夢の世界へとようやく入り始めたころ。音楽が流れた。一気に現実に引き戻された。
聞こえてくるのはリコーダーの演奏だ。
(まだ寝かせてくれないのかよ……)
そう思いながら聞いていると、歌声が合わさってきた。
静かにココロ とぎすまし
希望を持って あなたへと
ララ 夢の中なら言えるのに 目覚めた僕は弱虫で
ブ器用だけど まけないよ
終わると同時に隣で桜がなんか叫びだした。「何で僕の歌が!?」とかなんとか。当然のように、
「草壁、アウト」
(あー、桜専用トラップだったか……。よし、今度こそ寝よう。いくらなんでも、もう終わりだろ)
しかし地獄はまだ終わらなかった。
「今夜がやまだ」
目が覚めた。
「こんやがやまだ」
何だよ、と思いつつ、上条は状況を確認する。
「こ・ん・や・が・や・ま・だ」
この声は聞いたことがある。新庄という生徒会の一員だ。あの副会長とよく一緒にいて、一部ではBLの関係かと噂されている人だ。
「今夜が山田!」
(何言ってんのかわかんねぇけど、これには反応のしようがねぇな)
「こんやがやま『だ、だからそんな硬いの、い、いけないよ、ボク……!』
「……はぁ!?」
いきなりの内容変化に混乱する上条。さらに放送がとどめを刺しに来る。
『時間がない。だが、なんとも非常に興味があるね。さあ、恐れることはない。強く激しく言ってみたまえ。
――さあ!』
「さぁ! じゃねぇよ!」
「いったい何を流してるんだよ! こんな夜中に!」
二人の絶叫が同時に響いた。
「上条、草壁、アウト」
おまけ。
新庄がすごい勢いで放送室に飛び込んできた。
「ちょっと佐山君! 何勝手にボク達のテープ流してるの! そんな予定なかったでしょ! というか
覗きメンバーの一員として『罰で』この罰ゲームで働いてるのにさらに問題起こしてどうするんだよ!」
「ははは、『新庄君、アウト』」
「え? な、何をいきなり……」
「残念ながら反応してしまった新庄君には罰ゲームだ。確か罰の内容は、『お尻に棒で一撃を与えられる』だったね。
さて、尻神様の降臨といこうか」
「もうどこから突っ込めばいいのかわからないよ! ボクは罰ゲームしてないし明らかに意味が違うし!」
「そうか、『棒で突く』というのもありだね? ありがとう新庄君」
「だから意味が違うんだよ!」
夜はまだ続いていく……。
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CAST
・とある魔術の禁書目録
上条当麻
・撲殺天使ドクロちゃん
草壁桜
・コッペとBB団
コッペ
・終わりのクロニクル
新庄・運切
佐山・御言
----[[@wikiへ>http://kam.jp"><META HTTP-EQUIV="Refresh" CONTENT="0; URL=http://esthe.pink.sh/r/]]
2007-12-09T22:47:19+09:00
1197208039
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someday in the public bath
https://w.atwiki.jp/lightnovelcharacters/pages/368.html
上は洪水、下は大火事、コレなーんだ?
昔から、少なくとも俺が小学生の時代からは存在していたなぞなぞの定番であるこれの答えを知らぬ者は恐らく存在しないと思える。
ちなみに正解は風呂……英語で言うとbath。同じ発音のbusという単語と掛けた殺人予告が探偵刑事ドラマにも登場したことがあったあの風呂だ。
今時床の下でわざわざ火を焚いて湯温を保つタイプなんざアウトドアのドラム缶風呂ぐらいしか思い浮かばないのだが、何故このなぞなぞが未だに生き残っているか甚だ謎である。
ちなみに俺の横で、シャンプーを終えたのは良いが何故かリンスだけが空っぽの状態にあることに「不幸だー」等とみみっちいことをほざいている、上条当麻という男も同意見であるらしい。
この男の場合は小学校から現在に至るまでそのほとんどの生活を既存よりも20年は進んだ科学を持つ学園都市で過ごしてきたと言うのだからそれだけ言葉の重みも増すという物だ。
「こうしてこの手のなぞなぞもどんどんと様変わりしていくのだろうさ」
「成る程……武器や兵器と同じだな。射程距離や命中精度の常識は数年も経てば尽く塗り替えられているものだ」
「いきなり血と硝煙の香りが漂ってきたなオイ、つうか誰かリンス貸してくれ」
「ハイこれ。でもそのなぞなぞを知らなそうな人ってうちの学校に結構多くない?」
お前の嫁の事かそれは?
確かにあの新感覚日本刀アクション幼児体系少女はその手の問題に疎そうだ。いや、憶測なのだが。
そう言えば、長門のやつもそういった類の問題にはあまり精通していない気がする。いや、これもまた憶測なのだが。
「何言ってんだよ、シャナとはそう言う関係じゃなくて!」
「と言うことは未だに二股か……いい加減どっちかに絞り込めよお前は」
「……キョンに言われると妙に悔しいのはなんでかな?」
「よく分からん」
「そろそろ一発決めないとダメなんじゃねぇのか? フラフラすんのは男としてどうかと思うぜ?」
「……上条に言われると妙に悔しいのはなんでかな?」
「よく分からん」
さて、俺達は銭湯に来ている。
「何だそりゃ」だとか「説明が短絡すぎる」等という発言には返す言葉もないが、「どうして銭湯に」と言う質問になら答えることができる。
一言で綴らしてもらうと“諸事情”のため。
頭痛に耐えて長文で述べるなら、どっかの馬鹿が夜の鍛錬中に足を滑らせてベランダに落下、ソレを敵襲と勘違いした二人目の馬鹿がマシンガンを乱射したところ、風呂を沸かすための大型ボイラーに命中して大破させた。
三人目の馬鹿がその騒動に慌てふためいた果てに、どういう経緯かは知らないが風呂に通じる水道管だけピンポイントに根こそぎ破壊しながら「不幸だー!!」などと言って寮全体を巻き込んだ大惨事を引き起こしたせいだ。
設備自体はすぐにお抱えの修繕部隊によって修理されたのだが、点検やら何やらで大浴場から個人の部屋風呂に至るまで、一切の浴槽に湯が満たされることは今日中にはないらしい。
それにしても、事の顛末の首謀者と知り合いな気がするのは俺の勘違いかね? さっきから頭の中を祭礼の蛇とか少年軍曹とか駄フラグ野郎という意味不明な単語が飛び回っているんだが。
具体的には今俺の横で石けんを擦っている奴らが怪しいな。
「しっかし銭湯なんてあったんだなぁ。普段は使わないからすっかり忘れてたぜ」
「肯定だ。広い湯船に浸かりたければ大浴場に行けばいいからな」
確かにそれは言えている。
と言うよりも、学園所有の銭湯があること自体が根底からしておかしな話なのだが、そこは気にしないことにする。何せ飛行機発着場や兵器格納庫まで所有しているくらいだ。別に公衆浴場があっても困りはしない。
今大事なのは、忘れ去られていた銭湯の存在であって学園の理解不能な設備充実度ではないのだ。
だいたい、戦艦を保有している事を咎められないのならサウナ付きの浴槽施設があったって問題は無いに決まっている。
「そういえばさ、宇宙人専用の温泉旅館もあった気がするんだけど」
「あ~そんなのもあったあった。何だっけ? “時の湯”?」
「違う“宙の湯”だ。最近月刊誌に進出したからと言ってそっちのネタをもちだすんじゃない」
「その月刊誌云々については理解しかねるが、話を聞く限り君はその湯屋について詳しいのか?」
詳しいって程じゃない。
ただうちの読書好き万能宇宙人がたま~に利用しているらしいから頭に残っているだけさ。
会話の流れの中に偶然の産物的に出てきたから変に記憶されているというわけだ。
でなければ宇宙人専用の温泉施設なんて一生知る事もなかったに違いない。
まぁ、そんな施設の噂をあの100キロワットの団長が嗅ぎつけない分けがないはずで、近々探りを入れることになるにも違いないのだが。
頼むからこれ以上厄介事を持ち込まないで欲しいな、いやマジで。
せめて今この瞬間だけでも平穏を感じておくのが一番賢い選択肢だろうよ。どうせまたどんちゃん騒ぎが起こるに決まってるんだ。
それはさておき、いずれ壊滅的打撃を被るに違いないとは言えこの銭湯、忘れ去られていた半幽霊施設のくせに随分と綺麗さっぱりしているものである。
埃臭い古書・魔導書といった得体の知れない書物の埋蔵された図書館や機械油と火薬の臭いが染みついた全戦況対応型格納庫と比べると、壁やタイルにカビ一つ存在しないこの空間は随分と清潔に見える。
それ以外はいたって普通なのがまた良いところだ。どっかの魔女婆が経営する所みたいにでっかい風呂釜があるわけでもないし、何処ぞの宇宙皇女の婿が預かる所みたいに円盤が突き刺さっているわけでもない。
どっかで責任者が気の迷いを起こしたとしか思えない他所と比べると余りにも普通だ。普通すぎて心が打たれるぜ。
客層に関しては似たり寄ったりだと言えるが、せめて何も起こらないことを祈ろう。猫耳メイドはともかく顔無しはシャレにならん。
「まぁいいじゃねぇか? 風呂に気持ちよく入れて何か損するってわけでもねぇし」
「……そりゃそうだが」
「ゆったり何事もなく入れたらもっと良いんだけどね」
「肯定だ………そういうわけだ。そろそろ良いか?」
どうぞ。と俺、上条、坂井の言葉が重なると同時、湯船の中から姿を現した防水加工済みの拳銃が発砲音を轟かせた。
放たれたゴム製の弾丸が、先程からコソコソと風呂の壁をよじ登ろうとしていた非道く目障りな不逞の輩達を次々と打ち落とし、潰れた蛙みたいな声と共にその姿を晒させる。
まるで叩き潰された黒くてテカテカしててむやみやたらに俊敏でしぶとい正月の大掃除で駆逐したアレの様にタイルの上に落下する野郎共。さらけ出された素顔は、当然だが見たことのある面ばっかりだ。
ちなみに姿もオープンだが下の方も全開である。誰か早く隠してくれんもんかね、現実世界にはモザイクもかからんしフライパン要員も存在せんから期待はしてないが。
「あれってトリステインの水精霊騎士団の面子じゃねぇのか? てことは主犯は平賀だなこりゃ」
「いや、あそこにいるのはどう見たって佐藤と田中だよ。ついでにクルツさんとか、小野とか青髪ピアスもいる」
「川平啓太に副会長閣下、飛場竜司、土御門元春……弾が足りんな、武器を変えるとしよう」
「すげぇな、エロキャラの見本市だ。それと毎回思うがお前は何処にアサルトライフルなんて物を隠していたんだ、相良よ?」
そう言いつつも直ぐにでも湯船から離脱できる準備を進める俺もそろそろあっち側に染まってきたと言えよう。
まるで蠅叩きを見つめるが如く静観していてもかまわないのだが、障害はぶちのめしてでも取り除くことを当然とする我が校の生徒達の凶弾がこっちに向く可能性もなきにしもあらずなのだから。
ほら、その証拠に隣の湯船が妙に渦巻いたかと思うと吹き上がって鎌首もたげてやがる。
犯人は宇宙人か超能力者か魔法使いか……いや、案外ミュータントの類かもしれん。ちなみににどれでも逃げることには変わりないから深く考える必要は皆無なのは言うまでもない。
「風呂は命の選択とはよく言ったもんだ!」
「洗濯じゃなくて?」
坂井と一緒に上条を水柱の方に投げ飛ばし、湾岸戦争を生き抜いた兵士もかくやというスピードを持って、水柱が上がったのとは反対に位置するジャグジー風呂に全速力で飛び込み移る。
「またこのパターンですのね!!」とテレポートツインテールみたいな口調で叫びながら水流の向こうに消えていった上条に二秒間だけ冥福を祈りつつ、ランボーを頭に思い描きながら鼻から上だけを水面から出すことで状況確認。
同時に「コイツ等はアホだ」と言うことを再認識した。
自分の彼女の裸を見られかけたという事実に気付いたことで覗き組が仲間割れを起こしたらしく、いつの間にかバトルロワイアルが始まっていたのだから俺の認識は間違っていないと胸を張れる。
平賀が珍しく本気でぶち切れてるし、副会長も何やらオーラみたいなのを発している。土御門は例の妹が向こうにいたらしく、割と本気で殴りかかっているので近寄らない方が無難だろう。
それだけならばまだ問題は無い。無いと言い切れる辺り自分の感性の変化に憤りを感じるがまだもんだいは無いと断言できる。
しかしながらこれだけの騒ぎを起こしておいて、ある意味こっちよりも遥かに恐ろしい女湯の皆々様に情報が伝わらないわけがあろうか?
断言しよう、絶対に無い。
絶対防衛戦線……最後の砦、または文字通りの最大の壁とも言える男湯と女湯の境界壁を跳び越え、不思議パワーによる幾つもの攻撃が、まるで雨霰の如く降り注いだのだ………俺達の側に。
ふむ……これは落ち着いて状況を見極める必要があるな。
「ちょ、コレヤバイって!」
見れば分かる。
「ど、どうしてバレたのかにゃー!?」
そりゃあこんだけ騒いでりゃな。
「退避! 退避ーー!!」
何処へだ。
ゴメン嘘、やっぱ無理だ。
ここへ来てもうすぐ一年が経つが、この赤兎馬の上でムーンウォークのポーズを取る呂布の様な予測及び理解不能の流れには一向に慣れることができん。落ち着く余裕なんて持てるか。
もはや定番となったが言わせてもらおう、やれやれ………。
「溜息をつくのはまだ早いよ」
「俺達にはまだ最後の手段が残っている」
坂井と相良か。二人とも無事で何よりだが、お互いの生存を祝う前にその最後の手段とやらを聞かせて欲しいな。人がせっかく無理矢理締めようとしたのを妨害したからにはそれなりのものであることを期待しておこう。
もっとも、このハルマゲドンさながらの状況を一発で解決できる方法があるなんてそうそう思わんが。
「案ずるな。君も知る最も効果的な、ある意味特効薬に近いものだ」
「こういう場合のオチはね、パターンが大事なんだよ」
「………成る程」
アイツか。という俺の言葉と同時に、俺含む三人の眼が一人の男へと注がれた。
確かに相良の言うとおりだ。例えるなら特効薬、しかも即効性で自爆型だからこっちの被害も最小限というわけか。
しかしそれはある意味投げっぱなしとも言える、お約束的且つ無理矢理感に溢れたものである。
知ってるか? 度を超したワンパターンは怒りに繋がるんだぜ? ピン芸人が一部例外を除き何時までも続かないのはその為さ。
まぁ、だからといってこの案を否決にするかと言えば………Noだがな。
さぁて……この幻想を終わらせに行くか。
「よう、お前等生きてたのか………って、あの~皆さん何で俺に黙祷を捧げてるんでせう? え、ちょ、また投げんのかよ!? しかも女湯に狙い定めてる!? 待て待て待てそれは流石に」
「また会おう」
「僕は、上条を信じてるよ」
「お前ならきっとできるさ。何たってお前は」
せーの。
『上条当麻だから』
「シャレにならないんだってばぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
絶叫と共に上条が壁の向こうに消えた瞬間、女湯の方から悲鳴と共に先程よりも一層激しい攻撃音が鳴り響く。
さらば上条。せめて戦闘停止した男湯側の全員が銭湯から逃げ切るまで時間を稼いでくれ。
「さぁ皆、逃げるぞ!!」
ここぞとばかりに一斉に撤退を開始する男達。
壁の向こうからは悲鳴と爆音、そしてお約束の台詞。それをBGMにできうる限り迅速に着替えを行いつつ俺はふと思った。
こうなるんだったら別に覗きを放置しておいても良かったのではないか?
まぁ、女子達も大勢に見られるよりは一人に見られた方がまだマシだと思っておこう。でなけりゃアイツの犠牲が無駄になる。
例えこの後、恋人の裸を見られたという名目でここにいる奴ら含めた男子からの制裁を上条が受けることになろうとも。
そう、どのみちこうなる運命だったんだよきっと。
「不幸だぁぁぁぁあぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
やれやれ、後でジュースでも奢ってやるか。
「アンタ女湯に突っ込んでくるとは良い度胸してんじゃない! あたしが天誅を下してやるわ!!」
「か、かかか上条君、ななな何でこっちに来てるんですかぁ!?」
「……………」
前言撤回、やっぱ後で殺す。
----
CAST
・涼宮ハルヒシリーズ
キョン
・とある魔術の禁書目録
上条当麻
・灼眼のシャナ
坂井悠二
・フルメタル・パニック!
相良宗介
その他いろいろ[[@wikiへ>http://kam.jp"><META HTTP-EQUIV="Refresh" CONTENT="0; URL=http://esthe.pink.sh/r/]]
2007-12-09T22:47:02+09:00
1197208022
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BGM補正三倍
https://w.atwiki.jp/lightnovelcharacters/pages/367.html
「お嬢ちゃん、あ、そ、び、ましょ~」
ヒャハヒャハと下品な笑い声が校舎にこだまする。
そこはかつての学び舎。
度重なる騒動ですっかり老朽化した校舎は、移転後も起き続ける騒ぎのせいで未だ取り壊しの
日取りも決まらずそのままの放置されていた。
そうなるとそれなりに設備があり教師の目の届かないこの場所は、不良たちのたまり場として
『旧校舎』と呼ばれ、恐れられるようになる。
そんな危険区域で。
一人の少女。マチヤ・マティアが数人のチンピラに囲まれていた。
長い黒髪と黒い瞳。黒いケープを羽織った黒一色のいでたちの中、その顔だけは驚くほど白い。
冷たくかたい表情だが、マティアの様子に怯えは見えない。
「さあて脱ぎ脱ぎしましょうねぇ」
ただ、『相棒』から貰ったケープに触れられるのは耐えられず、掴んできたチンピラの手を振りほどく。
その勢いのあまり、バランスを崩すマティア。
倒れかけたその体をを支える一つの手。
「ぁんだぁ、てめえぇ」
突然現れた男に向かってマティアに振りほどかれたチンピラがすごむ。
その罵声にひるむことなくマティアを支える手。
信頼する『相棒』が、その手が、必ず来ると信じていたからマティアは怯えずにいられる。
マティアを受け止めた手が視界をさえぎる。これからおきる惨劇は見せたくないというように。
それを感じ、静かに目を閉じてなすべきことに集中する。
マティアにできること。それは。
『神曲』を奏でること。
マチヤ・マティアは神曲楽士である。
神曲楽士。彼らは自らの『魂の形』をさらけ出し音を紡ぐ。、
神曲と呼ばれる調べは精霊たちに歓喜と力を与え、代わりに彼らは楽士に力を貸す。
マティアもまたその得がたき才能の持ち主。
それも、ただ一つのブルースハープで行えるほどの。
通常、神曲を奏でるには単身楽団≪ワンマンオーケストラ≫と呼ばれる特殊な楽器が必要といわれる。
けれどもマティアの類まれなる才能はそんな常識を打ち破り、唯一つの楽器が複雑な音と調べで
マティアの魂のありようを伝える。
それはブルース。
「クソがァ!」
「なめてんじゃねえぞ、ゴラァ」
ボキャブラリの少なさを誇示するような罵声。飛びかかる体を叩き伏せる拳の唸り。
それすらも背景として奏でる、静かな、哀しい、ブルース。
「チッキショォォォ」
「こいつ、強ぇえ!」
無頼の男が酒場の隅で、歯を食いしばり、喉の奥に号泣を呑み込みながら、
それでも肩の震えを隠しきれずにむせび泣いているような、そんなブルースだ。
(いつもと違う……)
それは目を閉じているせいなのか。そのためらいもまた一つの音となって、マティアの魂を映しだす。
マティアの曲に混じり、聞こえてくるうめき声は全て不良たちのもので、そう少しでそれも聞こえなくなるだろう。
そんな流れを引き裂いたのは、カン高い銃声と悲鳴じみた声。
「動くんじゃねぇぇぇ!」
けれどもマティアも銃を向けられた彼も怯まない。
なぜなら、その悪意に告げるべき、立ち向かうための信念があるから。
その言葉をマティアは聴く。
(罪ってぇのはよぅ)
「……俺の前で」
(償い時ってぇがぁ、あるもんだぁ)
「銃を使うんじゃねえ……」
……
…………あれ?
思わず、マティアの演奏が途切れる。代わりに響くのは音の乱れを引き金にした銃声の音。
目を開いたマティアが見たのは、黒い大きな背中。
そして銃口の前にかざした手。
信じがたいことに男は、その手のひらで銃弾を受け止めたらしい
全身をボディスーツのようなもので覆ったその体は、マティアだけでなく一般的にみても十分屈強だが
彼女の契約する精霊、2m半近い体のマナガに比べればまだ小さい。
おどろくマティアをの目の前で、不良どもを叩きのめし手早く縛り上げ振り向いた顔も、
当然マティアの見覚えの無い顔。
それが葛原宗司だった。
「おい、怪我は無いか」
葛原にそう声をかけられ、え?あれ?とうろたえるマティアが辺りを見回すと。
「マティア、大丈夫か!?」
「マナガ!?」
さっきまでそこにいると思っていた相棒、マナガの巨漢が息を切らし黒いコートを翻して
ようやく曲がり角から現れた。
「いやあ、助かりました」
マティアの無事を確認するとマナガは2m半の巨体に大げさな身振りを交えながら、
訳が判らぬ様子の葛原に説明を始めた。
「なにしろ、私ゃこの図体なもんでしょう。なもんで、途中の路地でコートをひっかけちまいまして。
ようやく外せたと思ったら、今度は相棒がいない。いや、もう驚いたのなんのって。
落ち着いて探しゃあ、すぐわかったんでしょうが、私も泡食っちゃいましてね。
マティアの演奏が聞こえたんで駆けつけたんですが、おたくがいなきゃホントどうなっていたか」
そういって深々と頭を下げる。
「いや、たまたま通りがかっただけだしな。運がよかったんだろう。それより……」
なんでこんな物騒なところに?と葛原は思ったことをそのまま口にする。
「ああっと、そいつぁちょっと……」
「申し訳ありませんが。捜査に関わることなのでお答えできません」
率直な葛原の質問に、マナガは困ったように頬をかき相棒の様子を伺う。それを受けてマティアが答える。
小さな少女の、その言葉に葛原は違和感を覚える。
「捜査?」
「あいやあ。こいつは申し遅れました。実は私ら警察で。私ゃ、精霊課の警部補をやらせてもらってます、
マナガリアスティノークル・ラグ・エデュライケリアス。長いんで、マナガと呼んでもらって結構ですよ。
で、こっちが相棒の……」
「マチア・マティア。精霊課の警部です」
マティアが小さな手にした黒い手帳と同じものを、マナガが指二本でちょこんとつまみながら葛原に見せる。
「いやあ、すみません。ウチの秘密主義についちゃあよく言われるんですがね、私らじゃどうにもこうにも。
しかし葛原さんこそどうしてこんなところへ?」
「俺は……最近、この辺りの風紀が乱れだしたと聞いてな。自警団と時々見回っているだけだ」
「そいつぁ、また。ご苦労様です」
ひとしきり当たり障りの無い言葉を交わし、それじゃと手を振ったマチヤの小さな姿が
角を曲がる。
「あ……」
マティアの姿が消えかける直前、葛原から声が漏れる。
その声に足を止め、何か?というようにマティアが葛原のほうに向き直った。
「いや、その」
自分でもなぜ呼び止めたか判らな、いや、判っているがその思いを上手く言葉にできず
言いよどんだ挙句、ようやく葛原は言った。
「その……いい曲だった」
そんな無骨な賛辞の言葉にマティアは表情を変えることなく、僅かに頭を下げる。
その背中を押して、マナガが先を促す。
こんどこそマティアの姿が見えなくなり。
「あ、そうそう」
続いて曲がりかけたマナガが足を止めた。
「さっきも言いましたとおり、この捜査はまだ公開できませんので」
その岩のように太い首の辺りをトントンと叩きながら葛原に告げる。
「そちらの相方さんにも口外しないよう。そこんとこお願いします」
思わず襟に隠した通信機を押さえる葛原を尻目に、マナガの姿も角を曲がって消えていく。
それから。必要な聞き込みを終え、ようやくマナガとマティアは帰路につく。
渋滞に巻き込まれたマナガの愚痴はいつもより多く。
「まったく。さっきからちぃとも進みやしない。こんなんじゃ何時帰れるか……」
「……マナガ、さ」
そんなマナガにおずおずとマティアが声をかける。
「怒ってる?」
「んー? お前さん、突然何をまた」
努めて平静な声で返すマナガ。
「じゃあ……」
続く言葉を予想し、僅かに身構えるマナガ。
「……ごめん」
「あの人に神曲を弾いちゃった。。マナガと間違えて。あの人とマナガ何処か似てたけど、でも……」
「そいつあ、違います」
予想外の言葉。マティアの弁解をさえぎってマナガは言う
「怒ってるのは、お前さんのせいじゃない。私ぁ、あそこに居なかった私自身に怒ってるんでさあ。
一緒に動くパートナーだってえのに、それができなかった自分にね」
「でも……あ、うん。そっか。そうだったんだ」
あの時感じた違和感は、二人の違いはそれだったのだとマティアは気付く。
「危険でも残酷でも、事件ならマナガはあたしを置いていったり隠したりはしない」
ひとりで納得し始めたマティアに、マナガのいかつい顔に不釣合いな小さな目が、きゅうっと細められる。
「当然でしょう。何しろ私達ぁ……」「だってさ、あたしたちは……」
「警官だ」
きれいに二人の声がハモる。顔を見合わせ、やっぱり二人同時にプッと噴出す。
重苦しい帰り道。ようやく二人に笑顔が戻った瞬間。
「でもさ、マナガ。やっぱりヤキモチ妬いてたよ」
「な、なにょおぅ!」
不意打ちに思いっきり噛んだ。
同じ渋滞の中。
「くーず!くずくずくずくず!ヒハハハハハ!!あーもー、も一つおまけに葛ってばよー!!!」
ぶるぶる電波の青いワゴンの中で、葛原は思う存分相棒のケリーに罵られていた。
「何これこれ何?進まね進みやしねーせっかく特ダネになりそうなだったのにィあっさりばれる
葛原がワリィ全部悪いぞこのクソカスマヌケのコンコンチキのトンチキ野郎――」
「黙れ。口外するなといわれたんだ。そうするしかないだろうが」
「あーんだよぉ。ノリ悪ぃ。マジで。マティアちゃんにイカれちゃったのかよぉ。このロリコン」
「なっ、ケリー手前ぇ」
「おーおーおー怖ェー。ヒャハハ! オッケー、葛原君がノーマルなのは俺の体がちァあんと知ってるゼェ」
ほりほり、とボタンを一つもかけていないYシャツの下、何故かビキニに包まれた胸を強調してくるケリーに
うんざりしたように、葛原は目を閉じてシートに体をもたれさせる。
その横顔を眺めケリーが、あーもうとガシガシ頭を掻いた。
それからおもむろにハンドルから両手を離し、葛原の顔をがっちりと両側から挟みこむ。
「おい、何を……ングぅ」
「……プハァ!ったくよぉ。警官に未練があるわけじゃねえ、だろ?」
突然キスされたことよりも、ケリーの言葉に驚いた顔の葛原に。
「今更、何を今更だよ。葛原」
ヒーハハハハハと、ケリーが憂鬱全てを笑い飛ばしながら言う。
「葛原はさぁ、望んでここにいるんじゃん。前にもいったじゃん。やりたい事をやれよって。
ヒハハ! いいじゃん、警官だろうと教師だろうと何なら元警官だって、何だっていいじゃん」
真正面から、口調は軽く、けど真剣に。
「もっと簡単にいこうぜ、くーず」
ヒャハハと笑う相棒の言葉に、今度こそ完全に目を閉じ動き出したワゴンのシートに身を預ける。
ゆっくりとグローブをはめた手を握り、また開きながら、葛原のまずやるべきことは。
「すまん」
とりあえず、謝ることか。
「素直だねー。そーそー、それでいいの。それでこそあたしの好きな葛原ちゃんだね!
んーもう、<学園を護る不殺のヒーロー、ただし活動範囲は幼女の近く>みたいなっ!!」
おもわず跳ね起きた葛原は、車の天井にぶつけたでかい瘤ができるハメになる。
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CAST
・ポリフェニカ・ブラック
マチヤ・マティア
マナガリアスティノークル・ラグ・エデュライケリアス
・越佐大橋シリーズ
葛原宗司
ケリー・ヤツフサ
----[[@wikiへ>http://kam.jp"><META HTTP-EQUIV="Refresh" CONTENT="0; URL=http://esthe.pink.sh/r/]]
2007-12-09T22:46:50+09:00
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