■日本の自然エネルギーに対する現状はどうだろうか。
余りにもお粗末だろう。
電力会社の妥協を全く引き出せず、こうした結果を招いている。勿論、国民参加の議論も行われてはいない。
■自然エネルギー大国であるヨーロッパの現状。
○ヨーロッパではすでに電力供給の一端を担う現実のエネルギーに成長している
○デンマークでは自分の土地に風力発電のための風車を建てる事が盛んに行われており、風車一基の値段はおよそ7000万円だが順調に風が吹けば年間700万円の収入になると言われる。そのため借金をして風車を建てる人も少なくない。
○ドイツのシェーナウでは市民運動を元に「市民の電力会社が」作られ問題なく運営がなされている。自然エネルギーを購入しそれを供給している。
当時、電力会社はこの計画に猛反発し、新聞紙上で「市民の電力会社は幻想だ。停電する」等、真っ向から批判するも住民投票に敗れた。
そして作られた新しい電力会社では、町の人に節電を促すために電気の料金体系を変更した。基本料金を半分以下に減らし使用量に応じて払う料金を高く設定、節電した人がより得になる料金体系とした。3人家族の場合、以前と比べて25%節電できたと言う。
そして、市民達が生み出す電力は町全体の消費電力量の20%を賄うまでに成長。自ら使う電気を自ら選ぶ。市民のエネルギーに対する意識の変化が自然エネルギーを普及させる大きな力となった。
○風力発電に関して日本の発電量はドイツの70分の1に過ぎない。
ドイツは風力発電大国である。
ドイツが風力発電に力を入れた理由とは?
1987年、環境問題への懸念から自然エネルギーへのシフトを検討。それら自然エネルギー技術の中では風力発電がもっとも実用性が高いと判断。
しかし、乗り越えなければならない二つの問題があった。
コストの問題と一定の電力を維持出来ない不安定さだ。
発電能力の安定性については、研究の結果、風車が増えるに従って発電量の変化は20%以内の範囲に抑える事が可能と判断。
つまり、風車の数を増やせば出力も安定するという事が分かった。
コストの問題について。
それを克服した決め手が電力の買取法である。
電力会社に風力発電を始めとした自然エネルギーによる電力を高い価格で買い取る事を義務付けた。
勿論、電力業界の団体からは「自然エネルギーだけを保護するばら撒きだ」等と強い反発を受けた。しかし、1990年、同法を圧倒的な賛成多数をもって可決した。以後、風力発電=風車の建設はは「投資の対象」となったのである。そして、ITと並ぶ成長産業と言われるまでになる。
ヨーロッパに於ける自然エネルギー普及の背景にはこのような事情がある。
時代は、大規模な企業が独占的に電力を作っていた時代から小規模な発電者が繋がり(ネットワーク)電力を賄う時代へ変わりつつある。
(自然エネルギー関連の動画や資料についてお勧めのものがあれば是非、教えてください。)
2009/3/14 管理人
最終更新:2009年03月14日 11:47