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ヤンデレ2

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orz1414

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■病み2

私が求め、探し続ける音色は、
○○の中に、ある。

○○は人里の人間だ。最初は、ただの私たちのファンだった。
それが、何かのきっかけで交友を持つ事になり・・・ええと、
コンサートの後にお花を持ってきてくれたんだっけ。それで、
そこから、色々と親しいお付き合いをさせてもらって。
いつも、すごいすごいと私たちの演奏を褒めてくれて。手を叩いて喜んでくれる。
はじめは楽屋に顔を見せに来る程度だったのに、今ではこんなふうに、私たちの家で一緒に夕食なんかとってる。
今、彼が食べているのは私が作ったビーフストロガノフで、ええと、
とても、おいしそうに食べてくれていて、それがなんだか、嬉しい。
妹達とも仲良くしてくれているみたいで、姉としてもすごく安心できる。
リリカなんてあの子初めてのお友達じゃないかしら?
少し前まで三人だった食卓が、四人になった、それだけなのに、
私の家は灯をともしたように明るくなった。

今日みたいに○○はよく遊びにきてくれて、一緒に食事をしたり、メルランのわがままに付き合ったり、
あとはリリカのわがままに付き合ったり、一緒にお買い物に行ったり・・・
もう○○が私たちの中でかけがえのない存在になってるってことは、○○もわかってるんじゃないかな。
時には○○に楽器を教えたり、○○のためだけにミニコンサートをやったり。
私たちの演奏を聴いた後、○○は眩しい笑顔で褒めてくれる。
褒められるのは慣れてたつもりだけど、○○に褒められるとどうしても嬉しくて、
気圧が、上がって。
むぅ・・・。

間違いなく、それは誰が見ても間違いなく、そう、私は○○が好きだった。
種族だの、年齢だのそんなものはどうでもよかった。
私は○○が、その全てが好き。虜になっていた。
私は演奏中ですら○○の事しか考えられない。頭が○○でいっぱいになってしまっている。
○○が一緒に居てくれないと、どこか不安で。
だから夜も眠れなくて。それでも、○○は夢の中で私に会いに来てくれるから、いいの。
・・・夢の中の私は大胆だ。○○と、手なんか繋いじゃってる。
混乱しちゃって目と目を合わせて話せない、そんないつもの私はどこへやら。
周りには、メルランも、リリカもいない、私だけ・・・私と○○だけの時間。
夢の中の○○は、いつもどおりに私に接してくれるんだけど、夢の中の私はそれに笑顔で答えていて。
○○にお似合いの私・・・
・・・なんだか、私が妬ましい。

そんな夢ばっかり見てるから、ついつい寝すぎちゃって。
朝ごはんを待ちきれなくなった妹達が私を起こしに来る。
気圧が、下がる。

雨の日。
楽器にとっては好ましくなく、かつ、○○が遊びに来てくれないから、私にとっても好ましくない日。
私は、ふと思った。
人間は、違う。○○は、楽器なんじゃないか。
○○を、奏でるのが、私で。
私に答えて、鳴ってくれるのが○○。
その音色は、私のための愛の言葉で。目は真っ直ぐ私を見ていて。
リリカの出す幻想の音なんて目じゃない、とてもとても素晴らしい音で。
そう考えると、自慢のヴァイオリンも形無しだ。○○の事しか考えられない。
溜め息が増えてしまう。
○○・・・
私の、○○・・・
明日晴れたら、また遊びに来てくれるだろうか。
明日はおやつでも作ってびっくりさせてあげよう。

夢の中は、いつも都合よくいい天気だ。
今日の夢の中でも、○○は笑ってくれて。
夢の中の私じゃない私は、○○の目を見て「好き」と言うの。
それに○○は「俺もだよ」と答えてくれる。
これ。これなの。
私が○○から聞きたい音色。
私と○○が心から繋がって初めて出せる、美しい音。
たまらなく愛おしい。
私が本当に出したい音は、暗く歪んだ音じゃない。
私と○○の心を埋める、温かい音なんだ。
何回、何回言っても、その度に愛の言葉を返してくれる○○。
私、悶える。

そして、夢は残酷だった。
朝は気圧が下がる。

昼すぎ、○○が少しの手土産を持って、いつもどおり、どこか図々しく、それでいて軽やかに遊びに来る。
玄関の○○にメルランとリリカが抱きつく。これも、いつものこと。
私はもちろんそんなことはしない。姉だし、大人だから。
○○が来てくれると自然に出せる軽い笑みで、○○をリビングに招く。
・・・私が、長女じゃなかったら。それとも、私がもっと素直だったら・・・?
○○に抱きつけるのかなと思った。
その答えはもちろん出なくて、私の気圧が、下がってしまう。
むぅ。

お茶の用意をする私。
テーブルには、○○。その両脇には赤と白の妹。
戻った私が座るなら・・・、○○から離れたリリカの横だろうか。
私はふと思う。
妹がうらやましく、妬ましくなるほどに○○を欲しているが
○○は、私の事をどう思っているのだろう。
そう考えると、ほつれた糸の様に脳内で思考が繰り広げられる。
もしかして、○○は妹達を好きなんじゃないか・・・。
メルランは大胆だし、人気もあるし、胸も・・・。
リリカは賢いから、○○の喜んでくれるような事を考えてあげられるのかも・・・。
壊れた蛇口のように私の頭の中は不安でいっぱいになってしまう。
手が止まる。
そうだ、実際に○○とふれあい、話をし、笑っているのは妹達で、
私はそれを離れて見て、勝手な恋心を抱いているだけなんじゃないか?
もしかしたら、○○の目には私は映ってなくて、メルランと、リリカが映っていて。
私の事を気に留めていないんじゃないだろうか。
○○は、私のために鳴ってくれない・・・?
不安が不安を呼び、テンションやら、気圧やら、そんなものが下がっていく感じを覚えた。
嫌だ、○○は私の。
私だって○○のもので・・・。
ずっと私は○○の事を考えていて・・・。
頭の中が、ぐるぐる。
もし、○○がメルランを、リリカを選ぶ、とする。
私はそれを、姉の立場から祝福してやることができるだろうか・・・?
い、やだ。
○○を・・・取られたくない・・・。
・・・胸が苦しい・・・。

リリカが私を呼びに来た。その声で私は我にかえる。

お茶を出す。
そして今日はプリンを作ってみた。喜んでくれるだろうか。
さくらんぼとクリームの乗ったプリンは○○のために用意したつもりだったが、メルランが食べてしまった。
みんな喜んでくれたので、よしとしよう。

いつもみたいに、テレビを見たり。適当な話をしたり。まったり。
テレビに夢中になっている妹二人の目を盗むよう、○○を呼び出す。
いつもの笑顔でどうしたの?と私に聞いてくる○○。
どうもこうもない、私は聞いてみたくてしょうがなかった。
怖いけど、どうしても聞いてみたかった。
「私の事・・・好き?」

上手く言えたかなんてわからない。
上手く伝わったかなんてのもわからない。
それでも私は答えが返ってくるまで、うつむいて待った。
真っ赤になっているであろう顔を見られたくなかった。

答えが返ってくるまでの時間が、すごく、すごく長く思えた。
私は、その永遠にも感じる時間で、気が変になりそう。
だけども、○○の答えは、なんだかとても期待はずれなもので。
私の事は、好きだと言ってくれた。
その後に続けて、妹達も同じように好きだと言った。
○○はみんな大好きだと言ったのだ。
私だけを、選んでくれない・・・?
私の想いは、幻想だったのだろうか?
届かない・・・。

適当にはぐらかして、妹達のところへ戻る。
その後私は決意を固めて○○に言った。
今日、泊まっていってくれないか、と。
妹達から黄色い歓声があがる。
わざとらしく頬をかき、焦っているような○○。
異性を家に泊めるのはもちろん、騒霊として生まれて、人を家に泊めるなんてはじめての事だ。
○○は(さっきの私の質問もあってか)驚いていたが、快く承諾してくれた。
メルランとリリカもあからさまに喜ぶ。嬉しいのだろう。
だが、嬉しいはずの私の心は落ち着いていた。

○○が私のために鳴ってくれるのではないと知った今、
○○を「鳴らせる」しかないのだ。
私が。
私のために・・・。

いつもより少し豪華な夕食を終え、○○は入浴を済ます。
シャンプーが髪に合わないとか言っていた。
○○はどこで寝ればいいのか、と私に聞いた。
私はためらいもせず、私の部屋で待つように伝えた。
○○はすこし躊躇いながらもそれに従い、私の部屋へ向かう。
メルランが「ルナ姉やるじゃなーい」なんて言って私の肩を叩く。
・・・少し前まではかわいい妹だったが、今では敵のようにも見える。
私の愛する○○を、横取りしようとする敵。
醜く薄汚い、私と○○の邪魔になる存在。
私は何も言わずメルランを突き飛ばし、風呂へ向かった。

決心が鈍りそう。
でも私は鳴らさないといけない。
○○を・・・。
メルランにも、リリカにも聴かせてあげないんだから。

湯船に浸かり、ゆっくりと考える。
○○の一番は私じゃない。でも、私の一番は○○で。
どうしても私は○○を鳴らさないといけない。
○○は、私の想いに答えてくれるだろうか?
また、あの笑顔で答えてくれるんだろうなと思うと、私の顔も緩んでしまう。
○○には、感謝しないと。
○○のおかげで、私も自然に笑うことができるようになった。
鬱を引き起こす音を使う私。顔にも、鬱が張り付いているみたいだと言われたこともある。
そんな私を溶かしてくれた○○。
嬉しい。
私は本当に○○の事が好きなんだと、改めて思った。
○○を、私のものにしたい。
今まで笑えなかった私だもの、少しくらい、笑ってもいいよね?

入浴もそこそこに湯船からあがる。
身体を拭き、髪を拭き、寝巻きに身を包む。
自分の部屋へ行くと、私のベッドに○○が腰掛けていた。
どこに寝ればわからない、と言う。それはそうだ、私のベッドしかないのだから。
○○ったら、こういう所だけ可愛いんだから。
そことはかなく、一緒に寝ることを伝えたら、○○もわかってくれたみたい。
顔を赤くして、私のベッドに寝てくれた。
私は電気を消す。
寄り添うように、○○の横に寝ると、○○の心音が聞こえる。
すごく、ドキドキしてる。
真っ暗で、本当は何も見えないけど、私は○○の方を見て、寝ながら言う。
「ねえ」と私が言うと、○○は少し慌てた様子で返してくれた。
私は言う。

「私の事、好き?」
言えた。今度は自然に言えた。
私は○○からの返事を待たず、台所から持ち出したそれ・・・
包丁を、○○の喉元に立て、力を込める。

本当はポルターガイストだから、自分の手を使わなくても道具を動かすことはできるのだけれども
愛する人には、自分の手でやってあげたい、というのが私の思い。
○○ははじめ、何が起きたか理解できないらしく固まっていたが、
本当の意味で身を裂く痛みと、生温かく、ぬめり、目の覚める赤をしているであろう液体で気づいたみたいで、必死に身体を動かし始めた。
○○は助けを呼ぼうとしているのかもしれない。何かを言おうとしてるのかもしれない。
でも喉を潰されていて、それは声にならない。赤い何かが飛び散り、汚いくぐもった音が出るだけだった。
文字で表す事も、機械で表す事もできない、この声。
これ。これなの。
私が聞きたかった音・・・。
これが聞きたかった・・・!
○○の、最後の音!
○○のすべて、すべての音・・・
私だけ、私だけが聞ける!○○の音・・・!
私に、私に言ってくれている○○の・・・!
私が鳴らす、○○の音!

喉元に突き刺した包丁をぐりぐりと楽器を愛でるように動かした後、一旦私はそれを引き抜いて、○○に馬乗りになる。
素敵。夢の中みたい。今日の私は、大胆。
こんどは○○の寝巻きの上から、おなかに一突き。そして、横にぐいー、って。
○○の肉が裂けるブヂブヂと醜い音も、暴れる○○の四肢が立てるリズミカルな音も、
飛び散る温かい何かも、喉を潰された○○が出すこの世のものと思えない声も。
興奮する私の息遣いも。
全てが合わさって最高のアンサンブルを奏でる。
私は絶頂。○○とひとつになっている、と肌で感じられた。
ゾクゾクして、たまらない。○○を好きにしている。○○を好きに鳴らしている!
嬉しくて、嬉しくて・・・!

私は自分でも気づかない間に笑っていた。
あはは、とか、うふふ、とか。
笑いが口からこぼれでて、止まらなくなって・・・
きっと、○○もこんな気持ちなんでしょうね。
私と○○は、この瞬間、一緒なんだから・・・。

本当は一分も経っていないのかもしれない。だが私は、とても満ち足りていた。
○○の中身を弄んだ後、包丁は投げ捨てて○○の首を、抱き寄せる。
夜の闇に目が慣れてきた私に移るのは、虚ろな目を見開き、輝きを失った○○。
異世界の妖怪のような、汚い呻き声ももう聞こえなくなってしまった。
今は私の荒い呼吸と、風前の灯のような○○の呼吸だけ。
それが、二人を祝福してくれているようだった。
○○。
かっこいい○○。
素敵な○○。
私の○○。
ふふ。
髪を撫でながら、語りかける。
私のために鳴ってくれた○○。もう、それはほとんど動かない。
温かかった何かも、もう流れ出ることは無く、
私と○○のあらゆる所に飛び散って、二人をお似合いの色に染め上げていた。
ようやく一つになれたね。
大好き。
夢じゃないだろうか。今の私なら・・・想いを素直に口に出せる。
ずっと言いたかったこの言葉も、言えた。
私、本当に嬉しい・・・。

不意に電気がつく。
駆けつけたメルランとリリカが私を見て悲鳴をあげた。
シンプルに白と黒でまとめていた私の部屋は、全て赤黒く染まり、
その真ん中で、私は満面の笑顔で座っていた。
大好きな○○の首を抱いて。心の底から嬉しくて。笑えていた。
メルランも、リリカも、信じられないといった様子で固まった後、
みんなで食べた夕食を戻していた。

何故だろう。
私はこんなにも幸せに包まれ、
笑っているというのに・・・

二人の愛は、他人には理解されないものなのかな?
ふふ。


















ルナサに狂おしいほど愛されたい 終

>>新ろだ332

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「痛…イタイイタイもう少し優しくやってくれよ○○」

「やっとこの前の肩の傷が塞がりかけたと思ったら、治りきる前に飛び出して傷を増やして帰ってくるような
馬鹿娘にはこれ位がいい薬だ。弾幕ごっこもいいが怪我した状態で無茶ばっかりしてるとその内足腰立たなくなる様な怪我するぞ?」

「その時は○○に一生面倒見てもらうぜ」

「アホぬかせ、ほら、終わったぞ」
包帯を巻き終わり、余った部分を鋏で切り落とす。プロとは比べるべくも無いが最近は治療も大分さまになってきている。

「いつもすまないな、この埋め合わせは怪我が治ったらするぜ」

「はいはい、期待せずに待っておくよ。と、流石に徹夜明けで疲れたし少し寝るわ、起きたら家事はやっておくから最低三日は安静にするんだぞ」
そういって○○はソファーの置いてある隣の部屋に出て行った。


一人になった部屋で誰に言うともなしに魔理沙は呟いた
「……この程度の怪我じゃ三日しか稼げないか」


○○と魔理沙は恋人同士でも、ましてや同棲している訳でもない、足に大怪我を負って○○の家の前に倒れていたところを○○が見つけて
介抱したのが出会いの切っ掛けである。
命に別状は無いとは言え、一人で歩けないような怪我では支障が出るだろうと竹林に住むと言う噂の薬師の所に入院を提案した所、
この少女はついさっきその薬師の主と喧嘩をして弾幕ごっこを展開した結果がご覧の有様だ。とのたもうた。
薬師の身内と喧嘩をした怪我で薬師の世話になるのはプライドが許さない、と散々駄々をこねた挙句家まで送ってくれと頼まれ
やむを得ず魔理沙を背負い霧雨亭についたところで一人で森に暮らしていると知った。オマケにこの辺りの森は物騒であり、
普通の人間では森を抜ける前に低級な妖怪や獣に食われてしまう可能性が高いと知った時は、間抜けな顔で硬直してしまい暫くそのままであった。

1年ほど前に外界から迷い込んだ○○は、村の顔役の配慮で村外れの小屋を貸してもらい、偶の村人の差し入れと日雇いの仕事で
生計を立てていた。外の世界でも割りと似たような生活をしていたのですぐ適応し、半年も経ったころにはすっかり1人前の
幻想郷の住民になったつもりでいた。

しかし…てっきり家族か誰かと住んでいて、とにかく家にさえ送れば後はどうにかなると思っていた○○は
こんな年端もいかないような少女が一人で森に暮らしてるとは露ほども思っておらず、まだまだ外の世界の常識に囚われていることを
思い知らされた。

まさか足が不自由な状態の少女を一人放置する訳にも行かない上に、単独で森を抜けるのがかなり難しいと知った○○は、
では此処に来る時はなぜ襲われなかったかと問うた所、ずっと○○の背中で八卦炉を魔理沙が構えたままだったと説明を受けた。

「獣に食われる筈のところを助けたんだし、怪我の分の礼はするから私の怪我が治るまで面倒見てくれよ」
謝礼にはさほど興味はない上に、元々この森に入った原因は魔理沙にあるので釈然としない○○だったが、
怪我が治れば森の外まで送り届けると言う約束で魔理沙の世話をするようになった。

最初こそこんな森に一人で住んでいるなんてよほどの事情かそれとも性格に問題があるのかと訝しんだ○○であったが、
明るく社交的な魔理沙に、次第に恋心とはいかなくても好感を抱くようになっていた。

――しかし

魔理沙の傷も大分癒え、後数日もすれば日常生活も問題なく送れる様になると思っていた矢先に事件は起こった。

ある日食器を洗っていた○○は大きな物音がしたので何事かと駆けつけてみると、魔理沙が倒れていた。
慌てて抱き起こし、事情を聞いたところ、リハビリも兼ねて踏み台を使って棚の上の物を取ろうとした所、
バランスを崩して落ちてしまったと魔理沙は説明した。
幸い大事にはならなかったものの、落下した時に受身を取ろうとして失敗したのか手首を捻挫してしまっていた。

リハビリもいいが、怪我が治るのが延びたらどうするのだと軽く叱った後家事に戻った○○であったが、
その時点で気づくべきだった。魔理沙の瞳に微かに発見と喜びの光があった事を


それからである。魔理沙の怪我が増えるようになったのは、最初は手首の捻挫のリハビリに芋の皮を剥いていた時に
うっかり指を切ってしまった事だ。その時は軽く血止めをして済んだのだが、その二日後には鍋をひっくり返してしまい、
最初に怪我した足と反対側の足首を火傷してしまった。
そしてその傷が治るか治らないかと言う位になった時に、今度は風呂場でこけて膝を擦り剥き、膝の傷もそろそろ塞がるかと
いったところで今度は氷精と弾幕ごっこを展開して肩に深い傷を負ってしまった。
庭を散歩していた筈の魔理沙の悲鳴が聞こえて慌てて飛び出した○○は、左肩を血に染めて蹲っている魔理沙と、
顔を真っ青にした氷精を発見した。
咄嗟に襲われたと判断した○○は魔理沙を庇う様に立ち、怪我人になんてことをするのだ。食って掛かったが
氷精は、「私じゃない、魔理沙のほうから先に手を出してきたんだ。それに今だって軽く撃ち返しただけなのに」と後半は消え入りそうな声で反論した、
しかし魔理沙の怪我による出血で興奮した○○は ふざけるな と一方的に恫喝してしまった。
もし、この時妖精としては破格の力を持つ氷精が暴れだしていたら、怪我をして動けない魔法使いと一般人では
どうしようもなかったのだが、結局は
「フ、フン!ずっと宴会にもこないから みまいって奴をしてやろうと思ったのに、もう知らない!」
そう言って何処かに飛び去ってしまった。
氷精が飛び去ってから無謀なことをしたと気づいた○○であったが、とにかく魔理沙の治療をしなければと家に運び込んだ。
今回も幸いと言うか、左の肩口で出血こそ多かったが、傷自体は深くなく、大事には至らなかった。
それどころか、傷口からみた素人判断ではあるが、○○の目には氷精の撃った弾は確かに本気ではなく、
正面に立っていればそのまま外れそうな角度で撃った様に思えた。

流石にここにきて○○も魔理沙の怪我が多いことに疑問を抱くようになってきた。氷精の言葉も気にかかる
とは言え出血と痛みのせいで青い顔で眠っている魔理沙を起こして確かめるわけにいかず、
結局その日の真偽は有耶無耶になってしまった。

その日を境に魔理沙の怪我は更に増えていった。
1日に1回はどこかしら怪我をするし、日にちが経てば怪我は癒えていくものの
治りきる前に必ず大きな怪我をして戻ってくる。
家の中の家事は全部やって家から出さないようにすればいいが、
「家の周りの結界は定期的に見ないといけないし力が強い奴は力ずくで追っ払わないとだめなんだぜ」
と言われると外から来た○○は反論することが出来なくなってしまう。

――しかし、流石にもう限界だった。
家事や魔理沙との会話が苦痛だったわけではない、○○の家である村外れの小屋にも盗まれて困るような物は無い
だが、もう1ヶ月以上帰ってないし、すぐ帰れるだろうと判断して此処に来る時に誰にも何も言わずに来てしまっていた。
いくらよそ者とは言え責任感の強そうな顔役の女性の事だ、一ヶ月も姿を見せなければ多少は心配するだろうし
魔理沙の事は嫌いではないが他の人との会話にも飢えていたのは事実だ。

一日だけだ。
魔理沙には悪いが村に一旦戻ることを決心した。
顔役の女性に今までの事情の説明と、村人との少しの会話、これだけでいい
魔理沙が結界の見回りに昼間出かけていた間に準備をした。
後は昼間のうちに眠って夜に魔理沙が寝た後起きだして、夜に森を出歩くのは無謀かもしれないが何とかして森を抜ける、
夜明けから早朝には村につけるだろうから、顔役に事情を話して野暮用をすませたら、急いで戻れば昼過ぎには戻れるだろう。

夕方目を覚ました○○は、魔理沙との夕食をとった後、何食わぬ顔で二度寝を決め込んだフリをした。
そして夜中、足音を立てないようにそっと裏口のほうに回った。消灯前にこっそり鍵を外しておいたから
後は押すだけでドアがあく、家から少し離れた所で魔理沙の家から拝借したランタンに火をつけて、
後は一路村に向かうだけだ…なのに…おかしい、ドアが開かない 鍵は間違いなく外しておいたから
暗闇でも間違うはずが無い、押すだけでドアが開くはずだ…なのに…


――どこに行くんだ○○

はっと振り向くとすぐ背後に火のついたランタンを持った魔理沙が立っていた。しかもそのランタンは…
事情を説明しなければと頭では冷静に考える・・考えている積もりだったが旨く言葉が出てこない。
体はもっと正直に今のパニックを表していた、片手でドアを押しながら反対の手で腰を掻く様な動作で背中の袋に入っているべきものを探す。
――無い…絶対に忘れるわけに行かないから間違いなくいれたはずの、ランタンがない。という事はやはり魔理沙が持っているランタンは…
「もう一度聞くぜ、こんな夜中にどこ行くんだ○○?出かけるのか?怪我人の私をおいて」
「ま…魔理沙の怪我はもう大分治ってるじゃないか」
苦し紛れに○○がそう言うと、魔理沙は持っていたランタンを石の床に叩き付けた。
ランタンの火は消えなかったが当たり一面に散らばるガラス、その中でも一番大きなガラスの塊を魔理沙は手に取ると

――サクッ

何のためらいもなく自分の腕に突き刺した。
「ほら、○○、怪我しちゃったぜ、いつもみたいに手当てしてくれよ。」
満面の笑顔で魔理沙が近づいてくる。天使といっていいほどの笑顔だ。首から下が血まみれでなければ
血に塗れた魔理沙の腕が恋人に対する抱擁のように○○を包み込む。
そのまま軽く背伸びをするようにして○○の耳元で囁いた


――約束したろ?怪 我 が 治 る ま で 面 倒 見 て く れ るって

>>新ろだ338

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ヤンデレ&グレイズ表現多数です多分、閲覧注意


――――――――――――ガタッ

…ぅ、それじゃぁ……ょ

――――――――――――カサカサカサ

っふふ…

――――――――――――パタンッ

なんの音だ?
『う…ん……?』

部屋の奥に誰か居る
ここは何処だ?見覚えがあるが……
確か俺は今日、いつものようにリグルに会いに行くつもりだった
最近リグルの様子がおかしいのだ
これといって病気であるわけでも無いのだが、何かがおかしい
よくわからないが普段とは雰囲気というか威圧感というか「気」のような者が違う
何かあったのだろうか?こちらから話かけても気付かないことも多い
人間で言う思春期にあたるものなのだろうか?
彼女は蟲の妖怪。俺のような人間とは違う。
身体能力も人間により優れ、人間をも食べる種族だ
もしかしたら人間には理解できない何かがあるのだろうか?

それより…何の音だろうか?
というか此処は何処だ?本当に見覚えはあるのだが……
とりあえず起きて現状を確認せねば……

『うん?』

体が動かない
疲労や怪我によるものではない

糸のような物で「拘束」されている

『何だ……これ?』

部屋を見やる。よく見ると部屋の天井隅には何匹か蜘蛛が巣を張っている
部屋に蜘蛛が居るのも不気味だがそれよりもさらに不気味なことに気付いた
この部屋は……

『…俺の…部屋!?』

何処か見覚えがあると思ったら、それは自身の部屋であった
何故俺はこのような場所に居るのか?
俺はさっきまで森に居たはずだ
リグルの住まいの近くで彼女を見つけたとき、意識がとんだ
突然世界が黒く移り変わったのだ

現状で理解できることは、
場所は俺の部屋。俺はリグルに会いに行き意識を失った。そして今、拘束されていること
それと、 誰 か が こ の 家 に 居 る こ と
誰だろうかと考えたとき扉が開く音がした
幸い頭部と首の固定はされていなかったので音のほうを見ると

「やっと起きたね」

誰が居るのだろうと思った
その誰かが、まさか会いに行こうといていたリグルであったとは思いもつかなかった

『リグ…ル…?』
「うん、そうだよ」
『ここは…俺の部屋…なのか?』
「うん…そうだよ」

いつもと違いやはり様子がおかしい。妖怪の性分なのか、俺を食べるつもりだろうか?

『なぁリグル』
「なぁに?○○」
『この糸のような物をとってくれないか?気付いたらこの状態なんだ。』
「………ょ」
『リグル…?』
「だめだよ。逃げちゃ…」
『!?…何を……?』
「ねぇ○○一つ聞いていい?」

リグルは一言ごとにこちら側へよってくる
顔を見やると、その瞳はまるで光を失っているかのようで
どこか正気ではないような気がした。
何処と無く恐怖を覚える。コイツは俺の知っているリグル・ナイトバグなのか?と

『なん…だ?』
「○○は私のこと…好き?」
『………は?いきなり何を…』
「ねぇ、○○は私のこと…好き?」
『あーと、何というか…好き…だな。多分』
「それは妖怪に対する敬愛や畏怖として?親しみやすい友達として?アナタとは違う異性として?」

最後の言葉だけ、若干語気が強かったのは、俺の聞き違いだろう。

『そ、それは……』
「それは?」
『…わからない。それよりリグル?なんで一言ごとに近づいて来るんだ?すこし怖いんだけど……』
「わからない…か……じゃぁ……」
『なぁ、リグル。もう一度言うけど、この糸を外してくれないか?動けないんだが…』
「だめ。」
『なんで?』
「……私がそうさせたから」
『……なんだって!?』
「私がさせたの。大蜘蛛に糸を張らせたの」
『何のために?』
「あなたを捕らえるため。アナタを逃がさなイタメ」
『リグル…大丈夫か?』

リグルの様子がおかしい
どうやら何かあったようだ?森の瘴気にでも当てられた?悪い病気にかかった?誰かに脅された?
その答えを俺が知る術は無い

「だいじょうぶよ。だから…!」
『な!?リグルいきなり何を!!』

突然、彼女は俺の下腹部から下半身にかけてのしかかってきた
いわゆるマウントポジションという奴に近い状態である
俺はコレを好かない
この状態では反撃する術も限られ、ほぼ一方的に攻撃されるからだ
ただ相手の居る場所がどちらかといえば下半身よりだから特有の手を押さえられることは無いのだが
拘束されているので押さえられて反撃できないことに変わりない

「どうしてアナタは私だけ見てくれないの?」
『いきなり何を!?』
「どうしてアナタは他の女と話をするの?」
『リグル?』
「質問に答えて。どうしてアナタは私だけと付き合ってくれないの?」
『…俺は人間だ。お前みたいに一人で生きていくことはできないんだ。だから村人同士での交流は不可欠。生きていくためだ』
「アナタが人間だから?私たちとは違う人間だから?」
『そうだ。俺たちはお前たち妖怪と比べ非常に弱い存在だ。まぁ例外は居るがな』
「ネェ」
『なんだリグ…!?』

問いかけに答えようとしたとき口を押さえられた

『むぐぐぐ、ひぐる…?』
「今、私はアナタを殺すことが出来る。アナタが弱い存在だから、私が怖い?」
『おわぐあい』
「どうして?」
『うごごぎぎ』
「わからないわ」

口を押さえられてわからないのは当然だろう
俺は顎を振って手から離れた

『はぁはぁ……質問に答えよう。俺は怖くない』
「どうして?」
『俺は確かに弱い人間だ。でも生きているような人間じゃない。俺はすでに死んだような人間だ。死ぬことも怖くない』
「じゃぁ、妖怪になることも?」
『何だって!?』
「あなたは人間じゃないんでしょう?それにこの世界の人間でもないんでしょ?じゃぁ、妖怪になっても……」
『待て!待て!待て!確かに俺は外来人で、死んだような人間だが妖怪になるつもりはなっ!?』

また口を押さえられた。今度は手ではなくリグルの口で……

「んん…ぬちゅ、くちゅ……んぅん…」
『~~~~ッ!!』

前に事故で大量出血したときに近い音がした…
血液が溢れ出し、嫌な音を立てる音…
口の中に何かが入ってくる…
粘り気のある何かが…
彼女の舌だろうか?でぃーぷきすとか言うものか?
知識としては知っていた物の経験は無い
ただ舌以外の何かも入ってくる
粘液のか何かが…
息が苦しくなってくる

「……っぷは…」

リグルは口を離したが、俺の口の中には粘液があり呼吸が出来ない
体が酸素を欲している
俺の意思とは反し、体はその液体の飲み込み、立て続けに呼吸をした

『~~っハァハァ……リグル…いきなり何を…!!?』

カチャカチャ

『おいリグル!!何処を触っている!?』
「………」

リグルは無言でベルトに手をかけている

『待て!待て!待て!早まるな!!こういうことは巡回を踏んで!!ってか服脱ぐな!手を離せ!!糸ほどけ!!!』

リグルが明らかにおかしい
今までもおかしかったが、今度は相当ヤバイ気がする

俺を喰うきか?性て(ry


「アナタと私では寿命が違いすぎる」
『……っは?』
「私がどんなにアナタを思っていてもアナタは私よりも早く死んでしまう。そうしたら時が経つにつれてアナタを忘れてしまうかもしれない。ずっとずっとアナタと居たいけど、人間であるかぎりそれは無理。妖怪になってもらおうとしてもアナタは嫌がる。だから私は考えたの。」
『……何を?』
「あなたを忘れないために取れる方法は二つ」
『……一つは?』
「アナタを無理やりにでも妖怪にすること。でもアナタが嫌がるからそれは無理」
『…………聞きたくないがもう一つは?』
「アナタ……○○との子供を作って一緒に生き続けること」
『なっ!?!?!?!?』

俺は絶句した
今なんていったコイツは?
俺を妖怪にする?子供を作る?表情と行動から冗談には思えない
俺は妖怪になるつもりも、まして子供を作るつもりも今は無い

「私ね、考えたの。別に片方に絞る必要はないんじゃないかな?って」
『…!!…まさか……!!?』
「ねぇ、しってる?妖怪になる方法って?一つは力あるものが転生して。一つは強い想いから。そして妖力を体内に取り入れ、体液を交じわしこと。」
『……!!さっき飲ませたのは!!』
「そう。私の妖力が詰まった蟲蜜。これで残る条件はただ一つ……」
『や、やめろ!やめろ!!やめろぉぉぉぉ!!!』
「ねぇ○○、アナタをいっぱい頂戴?私もあげるから…ね?」


<此処より先は閲覧制限にかかります。続きを希望する方は冬眠中の妖怪に大声でババァと言って起こしてください>


~半刻後~

『……ぅ……ぁ』

声を出す気力も無い
文字通り精力尽き果てた

「うふふ、コレで○○も私と一緒だよ。同じ一緒の蟲の妖怪だよ。これからもずっとずっと一緒だよ。○○、大好きだよ?アナタの姿も、顔も、声も、知識も、心も、体も、魅力も何もかも全て。だから私のこともずっとずっと愛しててね?」




森に入った少年は行方不明になった
それと同時に蟲の妖怪が一匹現れた
姿形は行方不明の少年に似ている妖怪が
傍らには孕んだ蟲の妖怪を携えて
妖怪の名は、リグル・ナイトバグとその夫○○
森の虫、いや幻想郷の蟲全ては彼らを祝福し、人々は呪った

男は少女から逃げられない
男は妖怪であるから
蟲の妖怪であるから
男は彼女から逃げられない
彼女の能力は蟲を統べる能力
妖怪であると同時に蟲である彼もまたその能力からは逃れられない

数年後、森には蟲の妖怪が増えた
数年前、行方をくらませた少年の面影を持つ子供の妖怪が何匹と……






-蓬莱前の後書き-
グレイズかこれ?当たってるよね?(当ててんのよ
ども、ヤンデレ(?)物は初書き
どうもヤンデレは自分の中で
・流血表現多数(コレ大好き)
・逆○○プで見事御懐妊、中に誰もいないじゃないですか?(nice boat(笑)
・パルパルパル→厄い!→魔理沙うふふ→みんな死ねばいいのに
ってな感じでこうなった(最後は嘘ですが)

経緯
ヤンデレ版発見!→うwwはwwすげwww→ヤンデレ化したら面白そうで見たこと無いのは?→部屋の隅見たら蜘蛛が居た!!→とりあえず殺す→頭の中にリグルが出た→捕食ネタ?イマイチ→蟲らしく妖怪化&交尾ネタでいこう!→今

どんだけ不埒なんだよ俺の頭ん中ww特に最後
どうもエロネタは厳禁らしいッスね?自分では問題ないとおもうけど大丈夫か?
グロネタは何処までおっけーね?以下オマケ


<下位交換(?)非エロ>


「ねぇ○○一つ聞いていい?」

リグルは一言ごとにこちら側へよってくる
顔を見やると、その瞳はまるで光を失っているかのようで
どこか正気ではないような気がした。
何処と無く恐怖を覚える。コイツは俺の知っているリグル・ナイトバグなのか?と

『なん…だ?』
「○○っておいしいの?」
『は!?』
「誰にもアナタを渡したくない。○○を私だけのモノにする方法を考えたの」
『……もしかして……!?』
「あなたを殺して食べて、私だけのモノにする」
『や、やめろ!やめろ!!やめろぉぉぉぉ!!!』
「頂きま~す♪」
『WAGYAAAAAAAAAAAAAAAAAA!!!!!!』

ガツガツガツ、ガリガリガリ

少女の前には紅く染まった肉塊
少女の口には紅く染まった口唇
少女の顔には紅く染まった笑顔

幻想郷では当たり前の「外来人は食べてもいい」ルール(ホントかよ
だが今回ばかりは妖怪の本性とは違う、別の目的で捕食されたようだ


オワレ

>>新ろだ354

───────────────────────────────────────────────────────────

俺、こと○○は元外界の人間だ。

幻想郷に迷いこみ、亡霊に襲われている所を偶々通りかかった幽々子様に助けてもらって以来、妖夢の仕事を手伝いながら白玉楼で世話になっている。

なんでも外界で交通事故にあった時の衝撃でこっちに来たらしく、むこうで俺は死んでしまったらしい。

事故にあった衝撃のせいかその時の事は記憶に無いが、既に死んでいると聞いた時はおもわず自暴自棄になってしまった。

それを幽々子様が文字通り身体を張って落ち着かせてくれた。

最初は幽々子様にさえ辛く当たってしまい、時には暴力をふるった事もあった。

そんな俺でさえも幽々子様は優しく抱き締めてくださり、その優しさに触れた時俺は思わず涙していた。

それから数日たって精神的に落ち着いた頃、俺は幽々子様の事が好きになっていた。

だが俺なんか普通の人間(亡霊?)が気持ちを告げてもよいのだろうか。

そう思った俺はある程度強くなったら、妖夢に剣術で一本取れたら告白しようと決めた。

妖夢と稽古を始めてからはや5ヶ月、ついに妖夢から一本取る事ができた。

妖夢はこの後何か用事があるらしく神社に行くらしい。

もう告白をするのは今日しかないと思った俺は幽々子様の部屋に向かった。

そして今幽々子様の部屋の前に着いたのだが、中から話し声が聞こえる。

来客は誰もいなかったと思ったが、とりあえず出直そうか

「はいこれで結界は完成よ。それで幽々子、結局の所○○はどうして幻想郷に来たのかしら?」

この声は紫さんか。

神出鬼没な人だからなんとなく部屋にいることは納得できたけど、何を言っているんだ?

事故にあったって事を説明してくれたのは紫さんだったのに。

話の内容に気を取られた俺は、思わず立ち聞きしてしまった。

「あらあら、それはどういう意味かしら紫」

「彼は交通事故にあった結果こっちに来た、これは確かよ。でも不自然なのよ」

「不自然?」

幽々子様がくつくつ、と笑いながら問う。

「何が不自然なのかしら?」

「何がじゃないでしょう。何で街中の人通りの中で、○○だけがトラックに轢かれるのよ」

「そんなの決まっているじゃない。私が○○だけを死に誘ったからよ」

今何て言った?

まさか、聞き間違えだよな。

「それならもしかして、○○がこっちに来たときに亡霊に襲われていたのも」

「勿論私の指示よ」

「○○の精神状態が不自然に不安定だったのも」

「もしかしたら蓬莱の薬師の薬を飲んでしまったのかもしれないわね」

はあ、と紫さんがタメ息をつく。

「タメ息を付くと幸せが逃げていくわよ?」

「その原因が何を言っているのかしら。まあ仕事も終わったし、聞きたい事も聞けたし今日はもう帰らせてもらうわよ」

「そう。じゃあまた今度」

「ええ、また」

声からして紫さんが帰ったのだろう。

「それで○○。そこにいるんでしょう?」

幽々子様が俺を呼んでいる。

しかし返事ができない。

部屋に入りたくない。

それどころか幽々子様に会いたくない。

「全部聞いていたのよね」

立ち上がり、こちらに向かって歩く音が聞こえてくる。

逃げたい、逃げたい。

だが身体が、足が動かない。

聞いた事のショックに頭が麻痺しているのだろうか。

動け、俺は逃げるんだ、ここから出るんだ。

「あら、どうしたの?そんなに震えて」

目の前の襖が開き、歪な笑顔の幽々子様が出てきた。

誰だこれは?

信じていた物は、全てまやかしだったのか?

あの優しさは、全て偽者だったのか?

俺の想いは、無意味なものだったのか?

「ほら、これで大丈夫」

幽々子様が俺を抱き締めた。

優しさなんて感じない。

冷たい、怖い、冷たい、怖い。

「もう何処にも逃げられないのだから」









その日、白玉楼に新たな結界が張られた。

博麗の巫女でさえ気づかない様な微弱なそれは、特定の人間にのみ反応するものだった。

その結界は、特定の人物はそこから出れず、身体・思考さえ操られてしまう物だという。

そしてその日以来、白玉楼ではまるでオシドリの様な亡霊の夫婦ができたらしい。

多くの人間や亡霊、そして妖怪はその事を祝った。

しかしその夫の方の剣の師匠は次の日の日記にこのような一文を書いていた。

「あの人の剣の筋が変わった。幸せで稽古に身が入らないのは分かるが、まるで別人のようだ。まあ数日もすれば元に戻るだろう」と。

>>新ろだ358

───────────────────────────────────────────────────────────

永遠亭に居候してる○○に好意をもつてゐ
といっても素直に愛情表現をするわけがなく、「好きな子ほど苛めたい心理」でとにかくいたずらだの罠だのを○○にしかけまくったり
そんなこんなで日々生傷が絶えない生活を送る○○
それでも無理に自分を押し止めたりする様子が無いので、「なんだかんだで○○も楽しんでるんじゃない?」と勝手に解釈するてゐ
日々徐々にエスカレートしていく手酷い罠を見かねた永林や鈴仙が注意しても、その場は適当に返事をしてやりすごしたり
そしてある日、いつものようにどんな罠をしかけようかと思案している所で、偶然に鈴仙に看護されてる○○を発見
向こうはこっちに気づいていないのでなんとはなしに盗み聞きして、後でからかってやろうと企むてゐだが…

適当に雑談をした後、鈴仙は○○に「なんでこんなに傷だらけになってもてゐのいたずらを止めようとしないの?」と聞く
(そりゃ、○○も楽しんでるからよね~。色々言っても虐められて喜ぶなんて変態、どうしようも無いウサ)
とか勝手な事を思っているてゐを尻目に歯切れの悪い様子で答えを中々言い出さない○○

てゐ(幾らなんでも鈴仙に言えるわけないかぁ。私だってそんな変態相手にしたら全力で引くウサ~♪)
鈴仙「ちょっと、真面目に答えなさいよ。いつもいつもズタボロになりながらやって来て…いつか本気で大怪我するわよ!?」
○○「……じゃ、じゃあ言うけどな……怒るなよ?絶対に怒るなよ鈴仙?」

てゐ(それって確か『怒ってくれ!』って前フリじゃなかったっけ…?ま、真面目な鈴仙には理解できない事だろうしそんな前フリなくても大丈夫だろうけど)

鈴仙「いいからさっさと言ってみなさいよ」
○○「その…俺がてゐの罠を、特に止めない理由は……さ…」

てゐ(『てゐにいぢめられるのが好きだから~』はい、言ってごらん○○!それと同時に私が突貫して思いっきりいじめたげるから♪)


○○「…………け、怪我したら…こうやって、鈴仙に治療してもらえて…一緒に居られて、話したりできる時間が増えるから…」


てゐ(よし、それじゃあ突げk………………え?)

鈴仙「なっ……!?な、なにバカな事言って…!!」
○○「俺は本気だ!!その、一番最初にてゐの罠で怪我して、鈴仙に治療してもらうまではまともに話す機会なんて無かったけど、
   でもそれからはちょくちょく怪我したお陰で話せるようになって、それがその、嬉しくて……。
   ま、前々から鈴仙とはもっと仲良くなりたいとも思って………ああもう!!お、俺はお前に『一目惚れ』してたんだよ!!」
鈴仙「!!」

てゐ(―――――――そ)

○○「そりゃ、てゐの所為で痛い目にあったり酷い目にあったりするのは『本気で嫌だし辛かったけど』、でも、鈴仙の為ならって…」
鈴仙「…………自分勝手ね。信じられない」
○○「っ…………ごめん…」
鈴仙「本当に信じられないわよ………貴方がボロボロになる度、私がどんな気持ちになってたかも知らないで」
○○「えっ…?」
鈴仙「私が気を付けるように言っても○○はへらへら笑ってるだけだし、てゐ自身に注意しても全然言う事聞いてくれないし……
   どんな気持ちで私が怪我の治療をしてたかわかってるの!?……どんな気持ちで、傷だらけの『好きな人』の姿を見てたか……」
○○「……鈴、仙……」

てゐ(――――――うそ)

鈴仙「もう駄目。絶対に何をしても許さない。一生、私の傍で償わせるんだから」
○○「……ああ。ずっとお前の傍にいるよ、鈴仙」

てゐ(うそ。こんなの全部うそ。うそに決まってる)

鈴仙「悪いけど、○○。言葉だけじゃ信じ切れないの。……人間の言葉は信用しきれないから」
○○「じゃあ、どうすればいい?俺は、お前と一緒にいる為ならなんだってやってやる」

てゐ(嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘嘘ウソウソウソウソウソウソウソウソウソウソうそうそうそうそうそうそうそうそ)

鈴仙「簡単よ?言葉だけじゃなくて、実際の行動でも示してもらうだけ」
○○「行動?……お前、狂気の瞳っ……!!」
鈴仙「大丈夫。全部、私が癒してあげるから。○○の体も、心も全部…薬だけじゃなくて、私自身でも……
   『私のせいで貴方が傷つく』なんて事、絶対にさせない……全部受け入れてあげる」

てゐ(あは、あはははははは…そうかー、やられてばっかじゃ気に喰わないから仕返しって訳?あーあ、私とした事が一本取られたウサ)

○○「――――――鈴仙っ!!!」
鈴仙「んっ、んむっ……ちゅっ……んんんんっ……ぷぁっ……いい、よ……全部して…今まで、貴方が私で想像してた事……全部、ぶつけて……」
○○「鈴仙っ!!鈴仙っ!!好きだ!!大好きだ!!愛してる!!誰よりも愛してるんだ!!全部…全部俺の物にしてやる!!」
鈴仙「あっ、はぁっ、いいよっ、して、全部○○の物にっ、私も好き、愛してる、だからぁっ――」

てゐ(でもダメだよねーこれじゃあ。○○の分際で私を怒らせたんだから。しっかりと『仕返し』してあげなきゃ。
   いいよね○○?あんなに、てゐ様もびっくりなぐらいに口からでまかせ言って私を騙したんだから。報いは受けなきゃダメだよね?
   今回はかなり厳しく行くつもりだけど、別にいいでしょ?)



てゐ(『本気で嫌だし辛かった』なんて嘘で、本当は『酷い目や痛い目に会うのが凄く嬉しい』って事なんだから)



○○「…………んー」
鈴仙「どうしたのよ、変な顔して。まだしたいの?」
○○「いや、それはもう結構ですハイ。色々と限界突破したせいで向こう側が見えたよ……」
鈴仙「まぁちょっと波長を弄ったりもしたしねぇ……で、結局どうしたの?」
○○「地味に怖い事言いだしましたね鈴仙さんや。いや……これもてゐのお陰なのかなぁって」
鈴仙「……こういう場所で他の女の子の名前を出すわけね」
○○「待て!誤解だ!!何よりてゐ相手じゃ妹とかにしか見えないから!!それに今までの事あってちょっと苦手なぐらいだし!!
   ただ……俺が鈴仙とこうなれたのも、てゐの能力のお陰かなって」
鈴仙「『人を幸せにする程度の能力』、かぁ。ふふ、確かにそうかも」
○○「今度、一緒にお礼でも言いに行くかー…とっておきの人参とか無いか?」
鈴仙「う、まぁある事はあるけど……(今度○○と一緒に食べようと思ってたのに…)…まあいいか、確かにお礼も必要かな」
  (今まで○○を傷つけてた事も、忘れないけど)
○○「よしよし、俺の恋人はいい女だなぁ」
鈴仙「へ、変な事言わないでよ恥ずかしいから!!はぁ……これからは師匠や姫様やてゐに全力でからかわれそう…」
○○「大丈夫だよ、どんな時でも俺は鈴仙の傍にいるから」
鈴仙「……………うん」







しかしここで終わる、しかも続かない

あれー、途中まではシチュ妄想だったはずなのに最後には台本形式で一本出来てる……アレー?
ついでにきがつくとやんでれてゐだけじゃなくて、やんで鈴仙(仮)まで登場してますね。

やんで鈴仙の病み方はちょっと変わった感じで。
月の戦闘で逃げ出した事がトラウマ→自分の所為で自分の部隊が負けた(であろう)事がトラウマ→自分の所為で好きな人たちが傷つくことがトラウマ
という風に拡大解釈して、このスレ内では結構珍しい言葉様型ヤンデレ(勝手に命名)にしてみました。

『愛する彼には傷一つ付けさせないわ!!もちろん私から彼を傷つけるなんてもっての他!!浮気!?彼は悪くないの、彼を惑わした泥棒猫が悪いの!!』
って感じの非常に男に都合が良ゲフンゲフン……まぁ魅力的なヤンデレの事です。
良い船で有名な言葉様だけど、実は誠死ねに対して攻撃を仕掛けた事は殆ど無かったりします。
ハーレムエンドでも「誠くんが望むなら…」とあっさりと他の女の存在を認めたりしてるし、男に尽くしすぎだよ言葉様。


この後の展開も『○○を傷つけたら許さないやんで鈴仙』と『○○を苛めて虐めて虐め尽くしてやるやんでれてゐ』という組み合わせに心踊ったりはするけれども、
展開がどうにも思いつかないんで多分続きはありません……。

でも拘束した鈴仙の目の前で○○に酷い事しまくるてゐとか良いなぁ……狂乱する鈴仙という物に物凄くそそられるなぁ……

え、てゐじゃないのかって?ごめん俺てゐも好きだけどやっぱり鈴仙も好きだし何よりも言葉様ヤンデレって大好t(ピチューン


>>新ろだ360

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深夜のテラスで二人は紅茶を嗜む、一方は普通の男性

もう一方は普通ではなく、夜の王吸血鬼そして永遠に幼き紅い月 レミリア・スカーレット

夜の王であるはずの吸血鬼で完璧であるはずなのに今は不完全な部分が一つ

俺はそれが気になってレミリアに聞いた

「なあ、レミリア腕大丈夫か?」

そう言い俺はレミリアの腕を見る、肘から先が無く痛々しい
再生できるからといっても唯の人間の俺には見ているだけでもきついものがある

「大丈夫だこの程度、昔では日常茶飯事だった、片腕が無いのは不便だがそう困るものでもない」

そう言い真紅のティーカップを今ある右腕を使い紅茶を飲む

「そう言っても見てるこっちは腕がないには慣れないさ」
「腕を直すのは結構つかれるのだぞ?お前が血を提供してくれると言うのなら話は別だが?」
「提供したいのは山々だが、殆ど零すじゃないか零さないのなら今すぐにでも分けるさ」

俺はそう言い紅茶を一口

「そうか、それは残念だ」

そう言った後にレミリアを紅茶を一口

「所でレミリアから腕一本とって行くって事は相当強いってことだよな?」
「ああ敵は相当強いアレを落とした時を想像するととても正気ではいられない」

そう言いレミリアは妖艶な笑みを浮かべる、ゾクッとするねコレ

「流石に眠たいから俺は寝ることにするわ」

そしてすべて紅茶を飲み干す。

「そうか、では私も起きていても意味が無いな」

座ったままの状態で指を鳴らすが
               スカッ
俺は苦笑しつつ
「失敗してるぞ」
「うー・・・さくやぁ・・・」

一瞬にてレミリアの背後に完璧で瀟洒な従者が現れる
ただし、綺麗な顔に赤い液体が流れていなければもっと瀟洒であっただろう

「咲夜さん、鼻血が出てますよ」

次の瞬間にはいつもの瀟洒な咲夜さんに戻っていたが時間を止めて拭いたのだろう、何時見ても便利な能力だなと思う

「○○様、指摘していただきありがとうございます。」
そう言ったあと俺のカップとソーサーを持ち、また消えた
「何時見ても便利だと思うなあの能力」
そう呟き部屋に戻ろうと思ったが
「忘れてた、レミリアお休み」
少し不機嫌そうになったが
「忘れるのはやめてほしいものだ○○、お休み」
部屋に戻ろうとしてもう一度テラスを見る、レミリアは咲夜さんと何か話しているようだ
まあ俺には関係ないだろう、そう思い部屋に戻った





      ~ザクロは血の味、人の味 恋の味 そして○○の
                             味
                      なら私はどんな がするのだろう?
                                    ソレを知ッテモライタイ~
         

「ねぇ咲夜、○○はもうそろそろよね?」
「はいお嬢様、○○も日が出ている間に活動すると肌がぴりぴりするし体がだるくなると申していました。」
レミリアは両頬を赤く染め、右手を頬にあて嬉しそうにワラッタ
「咲夜、明日始めるわ」
「畏まりました、お嬢様」
そうしてレミリアは席を立ち部屋に戻りそこに残されたのはレミリアのカップとポット
そして十六夜 咲夜
「お嬢様・・・○○様・・・」
そう呟き消えた

これは○○がテラスから出た5分後の話である




            ~気に入らないのよ、よそ見するのなんて私だけを見ていなさい~              



昼-紅魔館

「実に清々しい朝だ、元旦に新品のパンツを履いたような感じだな」
くだらない独り言を言いつつ半開きになってるカーテンをすべて開き窓を開ける
「風が気持ちいいな」

ふと後ろで気配を感じで振り向く
そこには着替えを置きに来た咲夜さんの姿があった

「着替えはここに置いておきますので」
そういい机の上に置き
咲夜さんにありがとうと言おうとしたがもう居ない

やることも無いので美鈴の様子でも見に行こうかなと玄関から外に出るが

「っい、痛いな・・・」

反射的に日陰に戻る
昨日より日の当たった時の痛みがひどくなっている
痛いのは嫌だなと少し思いつつもう一度忌々しい太陽の下に出る。忌々しい?
なんだ今の考えはと思いつつ今度は痛くなかったのでそのまま美鈴の所に向かう

「ういーす暇だから来たぞー」

そう言い様子を見るが

「殺人事件?」

そう思っても仕方がないような状態で倒れている人物が居た。

「大丈夫か?本当に」

流石にまずくないかと思い声をかける

「あ、○○さん大丈夫ですよ。ちょっと咲夜さんの機嫌が悪くてきつくお仕置きされちゃっただけですから」

お仕置きってレベルじゃないと思うんだがこれ
弾幕用のナイフがかなりの数刺さっている、正直ホラー映画も真っ青な状態だ

「美人がナイフに刺されてるのはあまり良い光景じゃないな、抜くの手伝おうか?」

照れた素振りもせずに
「またそんな事言って冗談は程々にしてくださいよ。それに手伝ってもらうほど刺さってませんよ」
「それもそうだな。所で美鈴昼食はまだなのか?」

聞いた途端に暗い顔になって
「お昼どころか昨日から食べてませんよ・・・・・・」
正直スマンかった。
「何か作ってくるわ、後凄く目のやり場に困ることになってるぞ」
そういい館に走っていく後ろで美鈴が何か言っているがよく聞こえない。

屋敷の中を歩き、キッチンに到着隣の食堂にて誰かが居るようだ

なぜか無性に気になりそちらに食堂に向かう

それになんだか懐かしい匂いもする。

「それ幻想入りしてたんですか?」

そこには○清のシーフード○ードルを食べる咲夜さんの姿が

「ええ」

いつもの瀟洒な姿は何処に行ったのやら歳相応?に嬉しそうだ

「何か馬鹿にされた気がするのだけど」

左手にヌードル、右手にナイフと一本だけのフォークを持ちジト目でこちらを見ている

凄く感が鋭いな

「馬鹿になんてしていませんよ所ですごく幸せそうに食べてましたが、好きなんですか?シーフード○ードル」

「ええ、外に居た時にねよく食べてたのよ。」

少し辛そう言った

「そうですか、所で咲夜さんほっぺにネギ付いてますよ?」
指摘した瞬間ネギは消えた
「何処にもネギなんて付いていませんわ」
この笑みを見たら世の男性はすべてこの女性に恋をするだろうと思うような笑みを浮かべているが
なにやら背筋が寒い、ゾクゾクする
「ハイ、何処にも付いていません・・・」
俺はこう答える以外に選択する余地が無かった。


「そうだ、それ二つ程貰えますか?」
「キッチンの中の棚にありますのでご自由にどうぞ」
ありがとうと言おうとしたが、また咲夜さんは何処にも居ず
俺、避けられてるのかなぁ?と思い少し悲しくなった。


うお、箱で1ダースもあるよ・・・・
とりあえず二つ持ってキッチンに向かう
とりあえずコレだけじゃ体に悪いなと思い
種も仕掛けもない鮮度が凄く良い野菜取り出しまな板の上に置き切っていく
なんだか妙に体が重く、意識がボーっとする
こんな状態で刃物使うのは危ないなと頭の片隅で思っていたが
やってしまった。
「痛っ」
指を切ってしまった。
そこにはアカイ液体が流れていてついナメテしまった。
ふと我に返って何をしているんだ俺はと呟いた
そして指の痛みがないことに気づき
「直ってる?・・・」





「すまない、美鈴遅くなった」
「おかえりなさいエッチな○○さん」

どうやら怒っていらっしゃるようだ
「うっ、すいませんつい」
「冗談ですよ次からは最初に教えてくださいよ。」

冗談にしては後ろに見える般若はなんなんだと
やられっぱなしは気にいらないなと
「次がないようにしたらどうだ?」
「あははは、それを言われるとつらいですね。」

そんな軽口を叩きあった

「それなんです?」
「カップラーメンだ」

頭を傾げる美鈴
「かっぷらーめん?」
「ラーメンは分かるだろ?」
「流石にラーメンは分かりますよ」
だよなぁ
「それよりも早く食べましょうよお腹減りすぎて倒れそうなんです。」
どうやら相当キてる所までキようだ。
俺も結構お腹がすいてるし片方を私二人で門の前に座り忌々しいくも清々しい空を見上げながら二人でシーフードヌードルを食べた。



「すっっっっごくおいしかったです。また食べたいなぁ」
「それは何よりだ、あれは咲夜さんからもらった物だからなそうそう食べれないぞ」
「そうですか、残念です。あれだったら毎日でもいいんですが・・・」
「こっちじゃ入手困難だから毎日食べてたらすぐになくなちまうぞ」
「そうですか・・・残念です。」
よっぽど気に入ったのだろうか?
さて屋敷に戻るか
「じゃあ美鈴、屋敷に戻るな」
「ではまた夕食の時にでも」
「おう、じゃあな」
そういい俺は屋敷に歩いていった。

>>新ろだ370

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にとりの日記 <見ちゃダメだよ!勝手に見たらぎったんぎったんにするよ!>






○月○日

 今日はとんでもないモノを拾ってしまった。人間の男だ。
私の家の近くにうつ伏せで倒れていたのを見かけたので家に運んだ。
衣服を見るに、普通の人間ではない気がする。徳のある人間なのだろうか?
一瞬死んでいるのかと思ったけど息はあるみたい。
とにかく人間は河童の盟友なので世話をしてやる。恥ずかしがってもいられない。
怪我などはしていなかったが気を失っていたので布団を敷いて寝かせてやった。
私もなかなか大変なものを拾ってしまったものである。

 それはそうと、この外界から入ってきた機械の修理が終わらない。
ものすごく複雑な構造をしている。どちらが上なのだろうか?
そもそも何に使うものかわからない。困ったものだ。
悩んでも解決しなかったので、今日は作業もそこそこに、きゅうりを食べて寝るとする。



○月×日

 拾ってきた人間が目を覚ます。なんと彼は外の世界の人間だと言う。
私はとても驚いた。彼は里の人間とは似ているようでどこか変わった喋り方で私に礼を言った。
ここが幻想郷という世界であることを説明すると、彼も私と同じように驚いていた。
どうやって来たか、何が原因なのか、まるで見当がつかないらしい。
しかたがないのでしばらく世話をしてやることを約束する。
彼は「夢の中にいるみたい」とか何とか言いながら喜んでいた。
もし私が神隠しなんかされたら、そんなのんきな事は言ってられないのに・・・
外の人間は変わり者なんだということにしておく。

 人間に構っていたら機械の事をすっかり忘れていた。
そもそも人間の世話で機械を弄る余裕が無かった。放置しておく。

 追記。彼の名前は○○というらしい。
初めて会った人には名前くらい聞いておかないと。
普段人を避けて生活してるから、そんなことにも気がつかないんだ。反省。



○月□日

 ○○は本当にのんきな奴で、私の家にある本を読んだり、機械を見たり、
昼寝をしたり、どうして自分がこの世界に来たのかということに頭を悩ませたりしている。

 ○○が私をまたも驚かせる。なんと今修理している機械を「見たことがある」というのだ。
この機械は「ぴーえすぴー」といい、遊んだり映像を見たり音楽を聴いたりすることができる優れものだと言う。
その他にも、電気が無いと動かないだとか、他にも部品が必要だとか、色々なことを教えてくれた。
○○は、まさか機械技師か何かなのだろうか?と思って聞いてみたが、やんわりと否定される。
だが、その後に○○が発する「このくらい向こうの人間なら誰でも知ってる」という発言はさらに私を興奮させた。
すごい。外の人間すごい。

 その他にも○○はいろんな機械の事を私に教えてくれる。私にとっては物凄く楽しい時間だった。
私は食い入るようにして○○の話を聞いてしまった。目も輝いていたと思う。
「ぱそこん」だの「けーたい」だの、外の世界のものは名前が覚えづらい。
やはり○○は機械技師なんじゃないかとにらんでいる。
香霖堂という外の世界のモノを扱う店があると教えたところ、○○が興味を持ったので、
今度一緒に行く約束をした。
そういえば、・・・これは○○から聞いたのではないが
男女が仲良く遊びに行くことを「でーと」と言う、と聞いたことがある。
なんだか恥ずかしいので忘れることにする。



○月△日

 ○○もきゅうりが好きだと知った。そもそも向こうの世界にもきゅうりがあったんだ、なんだか嬉しい。
というわけで夕食にとことんきゅうりを出してやった。今日は「きゅうりときゅうりの和え物」。
やはりきゅうりはおいしい。

 私と○○はやはりどこかウマが合うんだろうか、結構好みが似ているみたい。
最近は機械弄りとかもほっといて○○とばっかり話している。
嫌な顔せず私に付き合ってくれる○○は本当にいい人間だ。
やはり人間は河童の盟友なんだなと再認識した。

 最近、この日記が○○の事ばかりで埋まっている。
そもそも外の人間を拾うなんてことが非日常的だというのもあるけど
なんだか生活の一部に○○が組み込まれてしまっているような気さえする。
・・・元々は自分が発明したり修理した機械の事を記すための日記だった気がするんだけどなあ
細かいことを気にするくらいなら新しい機械のひとつでも弄ればいいのに。と思った。



○月☆日

 最近は私が朝に起きて、そしてから少し離れた布団で寝ている○○を起こしてやる、というのが定番になってしまった。
ずっと一人で過ごしてきたのでこんなことでも新鮮な感じがする。
○○が「なんだか新婚さんみたいだね」と言った。特に意味は無かったんだと思うが、
どうしてもその言葉が私の頭に残ってしまっている。どうしてだろう。

 かねてから約束していたので香霖堂へ連れて行った。
移動する時にいつも使っている光学迷彩スーツを使おうと思ったが、私一人分しかなかったので
諦めて使わずに○○と歩いて香霖堂へと向かった。
(途中、厄神に冷やかされたがあえて無視。)
こうやってみると本当に「でーと」みたいだ・・・。なんだか落ち着かなかった。
当の○○はというと、道具について店主と話したり、うわさを聞きつけた天狗のインタビューに答えたりしていた。
なんだか私が○○に置いてけぼりにされている気がして、話もそこそこに○○を連れ帰ってきてしまった。
○○が少し寂しそうにしていた。悪かった気もする。

 追記。日付が変わるか変わらないかあたりに博麗の巫女が私を訪ねてきた。
天狗に話を聞いて、○○を外の世界に戻すために○○に会いに来たらしい。
隙間妖怪にも話をつけるつもりなので、まず○○と話がしたいと言った。
私は○○が居なくなるのかと思うと急に怖くなった。
一緒に生活するようになったのも急だったが、不思議なことに○○は今では大切な存在になっている。
このまま二度と会えなくなるのもとても嫌だったので、巫女には夜遅いだのなんだの、適当な理由をつけて帰ってもらった。
もう巫女とは会わない。忘れる事にする。
○○はこっちの世界に住む気はないのだろうか?



○月※日

 天狗の新聞が家に三部も届く。昨日○○が話していた事をすぐさま新聞に書いたみたいだ。
この天狗の新聞はいつでも「号外」と書いてる気がする。胡散臭い。
秘密にしていた訳ではないが、なんだか○○がみんなに知られたと思うと快くは思えない。
○○が楽しそうに新聞を読んでいたのでよしとする。

 話の流れを折らないよう、○○に幻想郷に住む気はないのかと聞いてみた。
○○は笑いながら「ここ以外に移る気は無い」と答えた。
もしかして、それはこれからも私と一緒に暮らしてくれるということだろうか?
だとしたら嬉しい。とても嬉しい。盟友を超えた関係を築けるのだ。
○○の前で顔が赤くなってなかったかが心配である。
夕食にはたくさんきゅうりを出してやった。

 追記。身体の相性も良かった。顔からのびーるアームが出るくらい恥ずかしかったが。



○月θ日

 そろそろ少し自分に素直になってみようと思う。
私は○○が好きだ・・・本当に好きだ。
思えば、道に倒れてる○○を見つけたのが私の人生の転機だったのかもしれない。
今まで恋だとか愛だとかそんなのは全く知らなかったが、これがその気持ちなんだろうと思っている。
○○とずっと一緒じゃないとガマンできない。
もう○○には私だけを見ていて欲しいとすら思っている。
少しだけ素直に、というのは、この気持ちを○○に伝えられないから、という意味である。
私には日記に想いを吐き出すことしかできない。

 天狗が私の家まで来て○○に取材をしている。何をそんなに聞くことがあるんだろうか?
特に意味が無い事でも記事にするのが彼女らの仕事なので特に突っ込む部分も無いが、
ずっと私の○○と話されるのも困ると想い、帰ってもらった。
何やらゴネていたが、思い切って○○に抱きついた私を見て、すぐ帰ったようだ。
たまには大胆な行動もいいかなと思った。

 上で「私の○○」とさらりと書いてしまったが、なんだかいい響きなので気に入っている。
私の○○。口に出すと頬が緩む。
○○から見た私はどうなってるんだろう。気になる。



○月†日

 今日も朝から○○とずっと遊んでいた。
話したり、出かけたり、一緒の布団で寝たりもしてみた。
・・・日記に書くことも特にないが、しいて言うなら私は今幸せということである。
○○にもきっと私の気持ちは伝わっていると思う。
そう思うとなんだか、温かかった。

 今日も天狗が取材に来る。頻度が多いのではないか?
取材を受けると○○は私から離れる事になるので、それは嫌だったので今回も帰ってもらった。
と言っても弾幕による強行手段だが。
少し乱暴だったかとも思うが、二人の愛のためにはしょうがないということにしておく。
天狗が去り際に私の事を睨みつけた。その顔は、怒りもあったが、なんだかとてももの悲しそうだった。

 私が今気になっていることは、河童と人間の間に子供はできるのか、ということである。
恥ずかしくて○○には聞けないが、重要な事だとは思う。
私としては、○○似の男の子が欲しいと思う。そのためには色々と頑張らないといけない。




○月ξ日


 朝から○○の様子がおかしい。
私より早く起きているかと思えば、私の事を妖怪でも見るような目つきで見ている。妖怪だけど。
会話もしてくれないどころか、近くに寄ろうともしてくれない。
何か悪いものでも食べたのだろうか?心配だ。
○○はどこか私に怯えるように、私から距離を取っている。

 変な○○は置いておいて、私は久々に機械弄りに精を出した。
・・・なんだか上手く手が動かない。構造も頭に入ってこない。
お嫁さんになるには機械弄りより家事を勉強する方がいいと思ったので、深く考えないことにする。
掃除くらいはできるようにならないと・・・。

 ○○は夜まで変だった。私の顔を見ようとしてくれない。
何かを必死に隠して、私に背を向け続けている。
夕食の「きゅうりときゅうりのサラダ」も食べてくれなかった。それどころか、返事もくれない。
新婚生活が今になって怖くなってしまったのだろうか?
妻としては不安なものである。

 妻。すごくいい響きだ。嬉しくなる。



○月ж日

 ○○の様子はおかしいままだ。
私が話しかけると、ビクッと反応はするものの、言葉を返してはくれない。
不安だ。それと同時に悲しい。
○○とわかりあえたと、繋がりあえたと思ったのに。

 夜。○○の様子がおかしい理由がわかった。
○○が大事に私から避けるようにして持っていたのは、天狗の新聞。
私は記事の内容を見て驚いた。
「特集!人肉を食べる妖怪」「外の世界から来た新たな被害者」
「谷河童のにとりが食用として人間を飼育している」
他にも妖怪の捕食の様子だの、人を食料とする妖怪だのの話を交えて、
私の事が書いてあった。○○を騙して、食らう存在として。
なんだこれは!デタラメにも程がある!
私が新聞を引き裂いた瞬間、窓の外で、あからさまに音を立てて何かが飛び去った。
天狗。ずっと見ていた・・・?

 我慢がならなかった。すぐさま○○に騙されているということを言ったが、
○○は信じてくれない、どころか、○○は声をあげて泣きながら命乞いをし始めた。
私がそんなことするわけない、といくら言っても○○は顔を上げない。
命だけは、だとか、ここから帰してくれ、だとか聞きたくない言葉ばかり言う。
酷い。○○が私を見てくれない。

 なんでこんなことに。どうして?あの天狗のせいか。
そう思うと悔しくて涙が出てしまう。何故私の愛する人を、こんな形で奪った?
○○に泣きつこうとも、もう私の知っている○○は居ない。
私を怯え、いや、妖怪を怯え、それでいて無力で、
泣き叫ぶ事しかできないか弱い人間しか居ない。
私の○○は・・・壊れてしまった。

 (ここから先は、文字が汚く書きなぐられていて読めない)


○月$日

 (この日の日記は無い)


○月Я日

 (この日の日記は無い)



○月а日

 私は気づいてしまった。
○○は壊れてしまった。それなら直せばいいんだ!
単純な事だった。壊れたものを直すなんて簡単な事だ。
私のリュックにはドライバーやら、ドリルやら、六角レンチやら。
工具の数だったら幻想郷では負けない自信がある。
外の世界の機械だってある程度は知っている。
私に直せないものなんてあっただろうか?いや、無い。

 ○○は今、山のもっと上で天狗に保護されているらしい。
明日、光学迷彩を使って○○を奪還、そして修理をする。
修理が終われば、あの温かい笑顔の○○が戻ってくるんだ!
そう思うと居てもたってもいられない、が安全性を考えて、決行は明日の夜とする。
○○、待っててね!



○月З日

 (この日の日記は無い)



○月Д日

 結論から言うと、○○は直った。
それどころか、○○はさらに素敵になった。
いつでも私だけを見てくれる。
口から出る言葉だって、私を愛する言葉だけだ。
力強く私を抱きしめてくれる手だってそうだ。
○○は私の理想の人間になった。
予定より少し修理に時間がかかったが、結果は満足の行くものだった。
これから、また○○と素晴らしい日々が待っているんだと思うと口から笑いが零れて止まらなくなる。

 天狗が見ている。ずっと窓の外で見ている。
青ざめた顔をして見ている。この世のものでないものを見るかの様な顔で。
でも、いい。私は見せ付けてやる。
○○と私の愛を見せ付けてやる。
○○が天狗なんかじゃなく、私を選んだということを教えてやるのだ!

さあ、○○

今電源を入れてあげるからね。







 (この日以降、日記は無い)














にとりに狂おしいほど愛されたい・終

>>新ろだ379

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「幽々子の膝枕は最高だな」

「あらあら、それはどうも」

幻想郷の白玉楼。

俺はとある事情で、亡霊達の住むそこに生きていながら住んでいる。

そんな事はともかく今日は満月の出る秋の夜。

月見団子が食べたい、という幽々子の意見によって白玉楼で月見をすることになった。

団子や芋料理は妖夢が作り、酒は俺が倉に眠っていたものを出した。

夕食を早めにすませて9時ごろに3人で月見を始め、11時を過ぎたあたりで妖夢は部屋に帰り眠ってしまった。

もう12時を過ぎたしそろそろ寝ようか、と言ったら酔っているのか幽々子が膝枕をしてくれると言い出した。

そんなこんなで俺は幽々子に膝枕をしてもらっているわけだが…………酒が回ってきたな、そろそろ寝てしまうかも。

もう視界もぐちゃぐちゃだし、なんだかぼーっとしてしまう。

「ねえ○○」

「なんだ幽々子」

「○○は本当に紫が起きたら帰ってしまうのかしら?」

そのつもりだけど。

でもその事は2・3ヶ月は前から言ってることだし、今更なにかあるのか?

「仕方がないだろう。こっちに残りたいとも思うが、向こうには母さんと姉さんがいるんだ」

父さんが死んで家計が苦しくなったのに二人は俺を高校と大学に通わせる為にパートやバイトをしてくれたんだ。

だから就職して給料で姉さんに何かを買ってあげたいと、母さんには楽をさせてあげたいと思ってるんだ。

「それにたくさん一緒に馬鹿やってきた△△や□□達がいるしな。だから、帰らなきゃ」

「そう」

一言つぶやき、幽々子が無表情になる。

ほんと今日はどうしたんだ?

調子でも悪いのか?

「それより悪い、俺はもう寝ちまうぞ?」

「大丈夫よ、そうなったら亡霊達に運んでもらうから」

そうか。

なら寝ても大丈夫か。

そんな事を考えると俺はもう寝ていた。





春になり紫さんが起きたと聞いてさっそく外に帰してもらおうと思った俺は、紫さんから予想外の事を聞いた。

母さんと姉さん、それに友人達がみんな死んだらしい。

そんな馬鹿なと紫さんに詰め寄ったが、やはり聞いた内容は変わらなかった。

なんでも向こうで俺は行方不明扱いになったらしい。

その情報提供の為に俺の家に集まっていた所に、トラックがつっこんだらしい。

確かにでかい道路に面している家だったが、そんな事が起こるなんて。

ショックで崩れ落ちてしまった俺を幽々子が膝枕で頭をなでながら慰めてくれた。

精神的な衝撃の為か泣きつかれた為か俺はそのまま寝てしまった。

まるで宙に浮くような感覚の、妙に深い眠りに落ちるその直前、ふと幽々子の声を聞いた様な気がした。

「私達の生活を邪魔する人間は全員死に誘った。後は○○さえ…………」




以下、とある日の烏天狗の新聞より抜粋。

 白玉楼在住の外来人○○氏が精神の衰弱によって急死している事があきらかになった
 偶然その現場に居合わせた西行寺幽々子氏が八雲紫氏に協力を仰ぎ、八雲紫氏の力によって○○氏は亡霊化した模様
 無理やりな蘇生であった為○○氏の霊体は強度が足りず、当分の間は白玉楼を出られない様だ
 しかし無理やり亡霊化をさせるという事は輪廻の輪から外すという事であり、その事について閻魔の四季映姫・ヤマザナドゥ氏は「(中略)」とコメントしている
 また精神の衰弱により死亡したのなら、亡霊として蘇生しても精神状態は回復しないのではないのかという疑問点も残っており、当新聞はこの事を次号で判明させる予定だ

>>新ろだ384

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