1975.04.29:日本,嬬恋,ヤマハつま恋エキジビジョンホール

<セットリスト>

① Procession / Now I’m Here
② Ogre Battle
③ White Queen (As It Begin)
④ Flick Of The Wrist / Brighton Rock (Ending)
⑤ Doing All Right
⑥ Medley
  ;In The Lap Of The Gods
  ;Killer Queen
  ;The March Of The Black Queen
  ;Bring Back That Leroy Brown
⑦ Son & Daughter (Inc. Guitar Solo)
⑧ Keep Yourself Alive
⑨ Seven Seas Of Rhye
⑩ Stone Cold Crazy
⑪ Liar
⑫ In The Lap Of The Gods . . . Revisited
⑬ Big Spender
  ;Modern Times Rock’n’Roll
  ;Jailhouse Rock(Inc. Bye Bye Johnny, Shake Rattle & Roll, Stupid Cupid, Be Bop A Lula)
⑭ God Save The Queen

<マテリアル情報>

1.音源:AUD録音
2.音質:(^^;)(クリアな音だが、全体的に少々焦点がぼやけた感じの音)
3.収録:⑨の冒頭がわずかに欠落

<レビュー>

今回のレビュー対象となるのは、1975年4月29日静岡公演である。

このライヴを収録した音源は、SEVEN SEAS OF TSUMAGOIなるタイトルで突然ブートレグリリースされたものである。

音質的には、少々焦点がぼやけた感じではあるものの、フレディのヴォーカルなどはけっこうクリアに録音されている。

この公演が行われた会場は、ヤマハのつま恋リゾートの一角にあるエキジビジョンホールというホールだが、このホール、いわゆる「ポプコン」の本選会場にもなっていたらしい

私自身は、ポプコンのことは余り知らないが、TWISTとかチャゲ&飛鳥など、そうそうたる面々が参加した一大音楽イベントで、当時の日本の音楽業界における最先端の音楽が演奏される場所だった。

ちなみに、このエキジビジョンホールはいまだ現役で、HPではその歴史が紹介されているのだが、そこにしっかりとQueenが初来日時公演を行うと記載されている

さて、演奏の方だが、この日は前日の岡山公演で張りきりすぎたのが、ライヴ序盤はフレディの声に若干高音域のキレがなく、声も伸びない

まぁ、よく言えば無難なパフォーマンス。

ブライアンも、①でミストーンに近いプレイをしてしまっている

とはいえ、録音の性質上、ジョンのベースがブンブンうなっているのが良く分かり、ジョンのファンにとってはたまらないかもしれない

また、この日は③の前で、「カンパイ」のMCもなく、前日と比べると淡々と進行しているように感じる。

一方で、⑤や⑥のIn The Lap Of The Godsなどは、少し焦点のぼやけた音質も影響して、角の取れたなかなか幻想的な雰囲気の演奏になっており、非常に美しい。

⑦のGuitar Soloでは、この日はてるてる坊主のフレーズはなし。

と、ここまで無難にライヴをこなしている感のあったフレディが⑧では、俄然本領発揮。

高音域のキーも綺麗に声がのびている。

勢いがありすぎて、中間部のロジャーとのコンビネーションがずれてしまうのはご愛嬌。

そして、⑨!至る所でスタジオVer.より高いキーで歌っている

これで、冒頭のピアノソロがしっかり録音されていれば・・・

⑩もすさまじいスピードなのに加え、フレディがまたもやスタジオVer.より高いキーで歌っているところがある。

また、超高速演奏にもかかわらず、リズム隊2人にまったく崩れが見られない。

勢いは、⑪でも衰えず、ライヴはメインセットの締めである、⑫へ。

さすがに、ここまでの大熱演の反動か、この曲では、フレディは無難な演奏に終始しているが、けっして悪いパフォーマンスというわけではない。

⑬のBig Spenderが始まると、ドラムのリズムに合わせて、オーディエンスから「Hey! Hey!」とレスポンスが帰ってきているのが面白い。

とはいえ、やはりフレディの調子は万全ではないようで、がんばってはいるが、Modern Times Rock’n’Rollで突然キーが下がる場面がちらほら・・・

しかし、Jailhouse Rockでは、いろいろな曲を挿入し、オーディエンスを煽っていき、会場が大興奮状態になっていることが音源を聴いていても分かる。

曲によって、フレディの好不調の波が目立ったライヴではあったが、最後はさすがにきっちり会場を盛り上げ、終了するあたりはさすがである。

演奏が終了すると、フレディによるご機嫌なMCがあり、⑭が厳かに会場に鳴り響く。

いよいよ、初来日公演のレビューも残すところ、横浜、東京の2公演。
最終更新:2011年04月22日 19:17