1975.04.30:日本,横浜,文化体育館

<セットリスト>

① Procession / Now I’m Here
② Ogre Battle
③ Great King Rat
④ White Queen (As It Begin)
⑤ Flick Of The Wrist / Brighton Rock (Ending)
⑥ Doing All Right
⑦ Medley
  ;In The Lap Of The Gods
  ;Killer Queen
  ;The March Of The Black Queen
  ;Bring Back That Leroy Brown
⑧ Son & Daughter (Inc. Guitar Solo)(Guitar Solo中盤からの収録)
⑨ Keep Yourself Alive
⑩ Seven Seas Of Rhye
⑪ Stone Cold Crazy
⑫ Liar
⑬ In The Lap Of The Gods . . . Revisited

<マテリアル情報>

1.音源:AUD録音
2.音質:(^^)/(冒頭は入力オーバーだったのか、音がぼやけて割れがちだが、Processionの途中からは音質向上。少々低音域の出力が不足しているが、かなりクリアな音で、フレディの声が目立つ)
3.収録:⑧がGuitar Soloの途中からの収録、⑬以降は未収録

<レビュー>

今回のレビュー対象は、初来日横浜公演である。

この公演、最近まで音源・映像ともに流出しておらず、公演の様子は体験者の証言を聴くしか方法がなかったのであるが、突然You Tubeに音源が流出

アンコールが未収録で、⑧がGuitar Soloからの収録となってはいるものの、音質はけっこう良好である。

内容については、①は冒頭低音域の入力過剰で音がぼやけているが、徐々に回復している。

この時点で、バンドは3日間連続でライヴをこなしているが、演奏は疲労を感じさせないものである。

前日は調子が一定ではなかった、フレディもこの日は冒頭から安定したパフォーマンスを披露している。

この日、最大のトピックは③

音源としては、1974年の北米ツアー以来の登場である。

この曲、これまで翌日の日本武道館最終公演では演奏されていることが昔から判明していたが、実はこの日も演奏していることが、この録音から判明。

かつて、1974年の北米ツアーで演奏された時は、ブライアンがギターをしっかり弾きこなせないほど超高速で演奏されていたが、今回の演奏はそこまで速くない。

それでもスタジオVer.よりはずっと速く、それでいて風格をそなえた好演となっている。

④の前には、前日には聴けなかった、「ヨコハマ、カンパイ」というMCも飛び出し、会場は大盛り上がりである。

前日、録音の性質とも相まって、非常に幻想的な演奏となった⑥は、この日は録音のクリアさによって、非常にすばらしいテイクとなっている。

また、フレディも途中でスタジオVer.よりも高いキーで歌ったり、中間部のギターソロ部分で会場から拍手がわき上がっていて、バンドと会場ともに非常に良い雰囲気でライヴが進行している。

⑦のKiller Queenではギターソロ直前で、何らかのトラブルでもあったのか、突然フレディのヴォーカルが消えてしまう

The March Of The Black Queenでも、なかなかヴォーカルが入ってこず、その間何回か同じ部分を演奏している

なお、⑦のBring Back That Leroy Brownの最後の音が鳴っているうちに録音が途切れている。

録音が再開された⑧は、Guitar Soloに入ったあたりから。

このGuitar Soloには、てるてる坊主っぽいメロディーが登場。

ただ、このメロディーけっこう崩して弾いているので、はっきりてるてる坊主と断言するだけの勇気は私にはない

この曲が終わると、おなじみ怒濤のハードロックナンバー連続演奏へ。

⑨では、フレディがさかんに会場をあおっている。

⑩では曲終盤のギターソロで、普段より長めにフィードバックをかけている。

この曲が終わった時点で、会場は大興奮状態である。

ところが、⑪でフレディのマイクにトラブル発生。

途中、10秒程度だがヴォーカルが落ちてしまう

⑫では、時折フレディがスタジオVer.よりも高いキーで歌っている。

中間部のコール&レスポンス部分では、この日もオーディエンスが積極的に参加。

フレディも煽りに煽っている。そして、この録音では最後の収録曲となる⑬へ。

この日の⑬は、録音の性質上、フレディの声が目立つのだが、この日のフレディは、スタジオVer.を超えるような高音域のキーを披露することはないものの、時折声をかすれさせながら、本当に一生懸命歌っており、この曲のベストテイクの一つといえるかもしれない。

また、随所でそんなフレディをサポートするようにロジャーがコーラスを付けているが、それもまたすばらしい。

正直、ここまで聴けただけでも大満足な内容だが、将来、残りの部分が発掘されてほしい。
最終更新:2011年04月22日 19:19