1975.11.26(Aft):UK,Manchester,Free Trade Hall

<セットリスト>

① Introduction / Bohemian Rhapsody (Opera Part) / Ogre Battle
② Sweet Lady
③ White Queen (As It Begin)
④ Flick Of The Wrist / Brighton Rock (Ending)
⑤ Medley
  ;Bohemian Rhapsody(Ballad Part)
  ;Killer Queen
  ;The March Of The Black Queen
  ;Bohemian Rhapsody(Finale)
  ;Bring Back That Leroy Brown
⑥ Brighton Rock / Guitar Solo / Son & Daughter (Ending)
⑦ The Prophet’s Song / Stone Cold Crazy
⑧ Doing All Right
⑨ Keep Yourself Alive
⑩ Seven Seas Of Rhye
⑪ Liar
⑫ Now I’m Here
⑬ Jailhouse Rock (Inc.Shake Rattle&Roll、Be Bop A Lula)
⑮ God Save The Queen

<マテリアル情報>

1.音源:AUD録音
2.音質:(^^;)(少々、デッドでやせ細った音だが、なかなかクリアな音質)
3.収録:完全収録

<レビュー>

今回のレビュー対象は、全英ツアー10公演目、Manchesterでの昼夜2回公演のうち、昼の部と言われている公演である。

この音源は、それなりに音がよいので、オーケストラのチューニング音がタクトを叩く音で中断→「Ladies And Gentlemen A Night At The Opera」というMC→Bohemian RhapsodyのOpera PartというNight At The Opera Tour特有のドラマティックな展開を堪能できる。

以前にこのレビューを書いた際、「I see a little silhouette of a man♪」という部分は、なんだか声がヨレていて、日本公演では特にそれがひどかったような記憶があったので、この部分をテープではなくフレディが実際に歌っていると書いた。

ところが、ずっとNight At The Opera Tour音源を聴いていて判明したのだが、この部分、実際に歌っているのではなく、やはりテープらしい・・・

そう、どの公演でも同じだったのだ。

この点は、修正します

ところが、そうなるとまた謎が・・・

スタジオ・テイクのBohemian Rhapsodyのこの部分、別にフレディの声はヨレていないのである。

となると、ヴォーカルだけ別トラックということになる。

あるいはミックス自体が違うのか・・・

どうしてそんな推測をしたかというと、後にQueenはDay At The Races Tourから、Bohemian Rhapsdodyをフル演奏しているが、テープ再生しているOpera Partが若干スタジオ・テイクと違っているのである。

前述の「I see a little silhouette of a man♪」というフレーズ、ライヴではある時期まで挿入されていないVer.が使用されているんである。

とりあえず、そうした謎に関しては、ひとまず置いておくことにして、この英国ツアーでのフレディは本当に好調である

①のOgre Battleなどでも、ドスを効かせたヴォーカルを聞かせたかと思うと、ハイトーンを披露したりと、自由自在といった感じだ。

また、録音がデッドな関係で、この日はギターもかなりワイルドな音に聞こえる。

そして、音の悪い音源だとまったく聞き取れないことも多いジョンのベースも、デッドな音質も影響して、③では車がエンジンを吹かしているようなリズムを弾いていることが分かる

⑤のMedleyでは、すばらしいことにフレディがBohemian Rhapsodyを、歌い方はずっとワイルドだが、ほとんどオリジナルのキーで歌っている

そして、それに答えるかのようなブライアンのギター・ソロもすばらしい。

⑥は、Coventryでは、SHEER HEART ATTACK Tourと同様の構成だったが、本公演では、Brighton Rock (前半)→Guitar Solo→Son&Daughter (エンディング)という構成になっている。

以後、このツアーでは基本的にこの構成で演奏されていくことになるが、この構成が初披露された日がいつなのか気になるところではある。

もちろん、この日からという可能性もあるが、構成の変化についてなんのMCも話していないことから、CoventryからこのManchester公演までの間に、計6公演をこなしているので、そのどこかである可能性の方が高いのではないか。

⑦は、Coventryでは一人多重アカペラ途中で録音が終了していたが、この日はしっかり完全収録しており、The Prophet‘s Songからギターのインプロを挟んでStone Cold Crazyになだれ込む瞬間がしっかり記録されている。

ちなみに、この日のStone Cold Crazy、フレディが冒頭部分をキーを下げて歌っているため、ちょっと締まらない

ただ、続く⑧ではしっかりハイトーンを披露しているので、一人多重アカペラをやったりして、一時的に声が出にくくなっただけだろうが。

この日も⑩が演奏されていて、すばらしいパフォーマンスを聴かせるが、フレディのヴォーカルは若干高音域のキーをあまり伸ばさない。

もしかすると、この音源は、昼夜2回公演の昼公演と言われているので、夜からの公演のことを考えて、無意識にセーヴしているのかもしれない。

また、通常このツアーではSHEER HEART ATTACKツアーと同様、メインセットの締めに演奏されるのは、In The Lap Of The Gods . . . Revisitedである。

ところが、この音源には収録されていない。

Queenのブート関連HPやブート本では未収録としていることが多いのだが、不自然な切れ目や編集跡などが見あたらないので、恐らく演奏されなかったのではないか

このIn The Lap Of The Gods . . . Revisitedは、Day At The Races Tourまでメインセットの締めとして基本的に演奏されているが、残されたライヴ音源の中には、メインセット、アンコールともに収録していながら、この曲だけが収録されていない公演も存在している。

このManchester公演もそうだし、Day At The Races TourのUSA、Cleveland公演、Sweden、Stockholm公演などが、この曲だけ収録していない。

まぁ、現時点では3公演のみなので、断定はできないが、この曲はオリジナルのキーで歌われていることが皆無といっていいくらい、キーが高い曲で、この曲を歌うと、フレディの喉にも相当負担がかかっていると思われるだけに、調子の良くない日やこのManchester公演のように、昼夜2回公演だった場合、セット落ちした日もあったのではないだろうか。

また、この日は⑬でBig Spenderが演奏されていない。
最終更新:2011年04月15日 22:41