1975.12.24:UK,London,Hammersmith Odeon
<セットリスト>
① Bob Harris Introduction / Now I’m Here
② Ogre Battle
③ White Queen (As It Begin)
④ Medley
;Bohemian Rhapsody(Ballad Part)
;Killer Queen
;The March Of The Black Queen
;Bohemian Rhapsody(Finale)
;Bring Back That Leroy Brown
⑤ Brighton Rock / Guitar Solo / Son & Daughter (Ending)
⑥ Keep Yourself Alive
⑦ Liar
⑧ In The Lap Of The Gods . . . Revisited
⑨ Big Spender / Jailhouse Rock (Inc. Shake Rattle & Roll, Stupid Cupid, Be Bop A Lula)
⑩ Seven Seas Of Rhye
⑪ See What A Fool I’ve Been
⑫ God Save The Queen
<マテリアル情報>
1.音源:SBD録音
2.音質:(^^)/ (まるで目の前でライヴを聴いているくらいの音質)
3.収録:完全収録
<レビュー>
今回のレビュー対象は、Queenのライヴ史上あまりにも有名なクリスマス・コンサートである
この日の公演は、BBCがテレビとFMで放送するため、特別に開催されたもので、Night At The Opera英国ツアーの一環として行われたのだが、放送時間の関係か、この時期の通常のセットリストとは異なったセットリストになっている。
それゆえ、A Night At The Operaからは、バラバラにされたBohemian Rhapsodyのみが演奏されるという (God Save The Queenも一応、A Night At The Opera収録だが・・・)セットリストになっている。
新作アルバムからの曲を取り上げるよりも、ライヴ構成を優先させたのか、わざわざ新作アルバムからの曲を取り上げなくても、アルバムは売れているから、という余裕があったのか、今となっては分からないが、ちょっと驚きのセットリストだ
この日のライヴは、アナログLP時代から数限りないブートレグを生み出してきたが、完全版は近年になるまで流出していなかった。
というのも、テレビ放送用の映像とFM放送用の音声は別に録音されていたらしいのだが、過去に一般的に出まわっていたのは一部欠落のある映像の方だったようである。
FM放送用の音声は完全収録であったらしいのだが、こちらは近年ようやく出現した。
したがって、このFM放送用の完全版が流出したことで、昨今リリースされるこのライヴを収録したブートレグDVDでは、欠落部分をイメージ映像にFM放送用音声をかぶせて補完するという試みが成されているものもある。
さて演奏に関してだが、実は同時期のパフォーマンスと比べると、少し落ちるといわざるを得ない
特に、フレディのヴォーカルは所々、よれたり、掠れたり、高音域のキーが出ていなかったりで、大変苦しそうである
そして、ブライアンのプレイも時々、ミス寸前のようなプレイが聴かれるなど生彩を欠いている
というのも、当然といえば当然で、この日、フレディとブライアンはインフルエンザに罹患しており、高熱を注射で無理矢理下げてステージに上がったらしい
さて、この日のライヴはNow I’m Hereで幕を開けているが、何の前触れもなくいきなり演奏が始まっている。
ちなみに、この日はしっかり最初のフレーズからヴォーカルディレイがかかっている。
それにしても、これだけの高音質だと普通のライヴ録音などでは聞こえない音までよく聞こえる
また、ステレオの分離度も最高で、Now I’m Hereなどで、こまかくギターのフレーズが左右に分離されているのが分かる。
当然ながら、ベースやドラムのリズム隊の音もブンブン聞こえていて、迫力がすごい
②では、FM版では序盤のギターのフィードバック奏法の後に、ノイズらしき音が混入しているが、映像版では混入していない。
まぁ、どちらか本当なのか、今となっては分からないが・・・
この曲ではいつもなら、フレディがドスの効いたヴォーカルを披露してくれるのだが、この日はいまいち声に芯がなく、うわずった感じになっている。
ただ、中間部のインストパートでは、超高音質ゆえにドラムの乱れ打ちで会場の空気が揺れているように聞こえる。
④のMedleyでは、この時期にしては珍しいくらいフレディがキーを変えて歌っていて、なんとも痛ましい
痛ましいのはブライアンもそうで、Bohemian Rhapsodyのギター・ソロも、ミストーン寸前といった感じ
Killer Queenでは、小さく目立たないが、しっかりジョンの鳴らすトライアングルの音が聞こえる。
Bohemian RhapsodyのRepriseでは、会場のオーディエンスも一緒に歌っており、すでにこの時点で、この曲がファンに愛されていたことが分かる瞬間と言える。
⑤では、体調不良にもかかわらず、ブライアンがけっこうな長さのGuitar Soloを披露しているが、最後まで目立った破綻もないのはさすがと言える。
Guitar Solo終了後のSon&Daughterでは、休憩したことが良かったのか、フレディがかなりドスを効かせたヴォーカルを披露している
間髪入れず始まる⑥は、録音のおかげでバスドラ連打の迫力がすばらしく、曲冒頭を聴いただけで圧倒される。
バスドラのリズムに合わせて、オーディエンスも手拍子で参加しており、この部分を聴くだけでも、この音源を耳にする価値はあるかも知れない。
もちろん、中間部のドラム・ソロの迫力もすばらしい。
⑦では、終盤付近でフレディがタメを作りすぎて、アンサンブルが崩壊寸前になっている
そして、声が何度もうわずったり、かすれたりしつつも、フレディが必死に⑧を歌いきり、メイン・セットは終了。
アンコールで再びステージに現れたQueenは、⑨を演奏。
Jailhouse RockにはShake Rattle&Roll、Stupid Cupid、Be Bop A Lulaが挿入されているが、一般的に流通している映像ではかなり編集されたものになっている
そして、この日はセカンド・アンコールにも応えているのだが、なぜかここで⑩を演奏。
当の本人たちもMCで「やるのを忘れてた」云々といったことを言っている。
フレディももうすぐライヴが終わりであることを意識してか、かなりがんばって歌っている。
そして、この曲に続き、⑪が演奏される。
はからずも、英国におけるSingleのA面とB面の順で演奏することになったわけだ。
途中、一瞬だがフレディとブライアンのギターによるユニゾンのインプロも聴ける。
⑪の演奏終了と同時に、⑫が荘重に鳴り響き、この日のライヴは終了。
注意して聴くと、オーディエンスの合唱も聞こえる
最終更新:2011年04月15日 23:02