1976.03.23:日本,名古屋,愛知県立体育館

<セットリスト>

① Introduction / Bohemian Rhapsody (Opera Part) / Ogre Battle
② Sweet Lady
③ White Queen (As It Begin)
④ Flick Of The Wrist / Brighton Rock (Ending)
⑤ Medley
  ;Bohemian Rhapsody(Ballad Part)
  ;Killer Queen
  ;The March Of The Black Queen
  ;Bohemian Rhapsody(Finale)
  ;Bring Back That Leroy Brown
⑥ Brighton Rock / Guitar Solo (Inc. てるてる坊主?) / Son & Daughter (Ending)
⑦ The Prophet’s Song (Inc. Death On Two Legs) / Stone Cold Crazy
⑧ Doing All Right
⑨ Lazing On A Sunday Afternoon
⑩ Keep Yourself Alive
⑪ Liar
⑫ In The Lap Of The Gods . . . Revisited
⑬ Now I’m Here
⑭ Big Spender / Jailhouse Rock (Inc. Stupid Cupid, Be Bop A Lula)
⑮ God Save The Queen

<マテリアル情報>

1.音源:AUD録音
2.音質:(^^;)(少々音像が遠く、低音域が目立つがかなりクリア)
3.収録:完全収録

<レビュー>

今回のレビューは、2度目の来日公演より、2日目となる3月23日名古屋公演である。

この公演を捉えた音源は、以前から流通していたのだが、いかんせん音質がよくなく、Keep Yourself Alive以降が未収録であった。

ところが、2000年代後半になり、状況は一変。

まず、完全版ではないものの、なかなか良好な音質の音源が流出、そして音質面では少々落ちるものの完全収録版が登場。

ライヴの全貌が初めて明らかになったのである。

さて、その名古屋公演だが、序盤からフレディの調子が良くない

英国と米国での勢いはなく、中低音域はそれなりに出ているが、高音域が出ていない。

この日本ツアーに関しては、ミュージック・ライフ誌で、3月26日の福岡昼夜2回公演以降、フレディの喉が不調になったとの記述が見られるが、この音源を聞く限り、すでにこの日からフレディの喉の調子は良くない

ライヴ全体を通して、声がかすれたり、よれたり、歌いまわしを変えたりと、なんとも頼りない。

②も、歌うというより語るような感じの部分も多い。

MCを聞く限り、「アリガトウ!」とか「ワタシタチハ、ナゴヤニマタキテ、トテモシアワセデス!」などとご機嫌な様子。

なんというか、飲み会などで夜更かしした翌日とか、夜勤明けの翌日に、体は動くが声が思うように出ないような感じか (←私は何度かこういう状態を体験している)

⑤のMedleyのBohemian Rhapsodyではがんばって歌っているのだが、だんだんキーが下がっていき、妙な歌いまわしが頻出

Killer Queenもかなりボロボロ・・・

コーラス部分ではフレディの声が完全にロジャーの声に埋もれてしまっている。

⑥のGuitar Soloではてるてる坊主っぽいメロディが登場。

このGuitar Soloの間の休憩でちょっと持ち直したのか、⑦の一人多重アカペラではDeath On Two Legsの一節を挿入しているし、英国や米国ツアーの時よりも間を効果的に使っており、なかなか聴き応えのあるライヴ・テイクになっている

Stone Cold Crazyでも、多少無理矢理声を出しているような感じはするが、なんとか歌いきっている。

で、この曲が終わると、「カンパイ」のMCが。

フレディが次にやる曲がDoing All Rightであることを告げると、会場から「ブライア~ン」という歓声が起きている。

肝心の演奏については、最初のヴァースからいきなりフレディの声が思いっきりかすれており、録音者付近のオーディエンスからは失笑とも苦笑とも判別尽きかねる笑い声が聞こえる。

先の米国では今のところ、Boston公演でしか演奏が確認できていない⑨は、この日のフレディの調子ゆえキーがけっこう下がり、歌いまわしも一部変更されている。

そして、間髪入れず⑩が始まる。

次の⑪と同様楽器隊の演奏は非常にヘヴィーなのだが、フレディにキレがないため、なんともゆる~い感じの演奏になってしまっている。

この日のフレディの調子を考えれば、高音域のキーが頻出する⑫はセットリストから外されてもおかしくないが、しっかり演奏されている。

ただし、最初から最後までフレディはキーを下げて歌っていることに加え、力強さもあまり感じられない。

アンコール1曲目の⑬は、ファースト・ヴァースからヴォーカルディレイがかかっている。

数分間の休憩ではフレディの調子が戻るわけもなく、フレディの声が頻繁にかすれている。

⑭のJailhouse Rockも喉にやさしい(と思われる)が、少々変わった歌い廻しが頻出している。

レビューを書いてみると、どうしてもネガティヴな内容ばかりになってしまうのだが、本当にフレディの調子が良くないんである。
最終更新:2011年04月16日 17:30