1976.03.24;日本,姫路,姫路市厚生年金会館

<セットリスト>

BGM:F・ショパン作<英雄ポロネーズ>
① Introduction / Bohemian Rhapsody (Opera Part) / Ogre Battle
② Sweet Lady
③ White Queen (As It Begin)
④ Flick Of The Wrist / Brighton Rock (Ending)
⑤ Medley
  ;Bohemian Rhapsody(Ballad Part)
  ;Killer Queen
  ;The March Of The Black Queen
  ;Bohemian Rhapsody(Finale)
  ;Bring Back That Leroy Brown
⑥ Brighton Rock / Guitar Solo (Inc. さくらさくら?) / Son & Daughter (Ending)
⑦ The Prophet’s Song (Inc. Death On Two Legs) / Stone Cold Crazy
⑧ Doing All Right
⑨ Lazing On A Sunday Afternoon
⑩ Keep Yourself Alive
⑪ Liar
⑫ In The Lap Of The Gods . . . Revisited
⑬ Now I’m Here
⑭ Big Spender / Jailhouse Rock (Inc. Stupid Cupid, Be Bop A Lula)
⑮ God Save The Queen

<マテリアル情報>

1.音源:AUD録音
2.音質:(^^)/ (まるで会場にいるかのような臨場感に溢れた音)
3.収録:完全収録

<レビュー>

今回のレビュー対象は、3月24日姫路公演である。

この日の様子を収録した音源については、以前から少々音の悪い音源が流通していたが、2010年に突如TARANTURAレーベルより、まるで自分が会場の中にいるかのような臨場感に溢れた音源をリリース。

現時点では、決定版といってよいものになっている。

また、この音源はライヴ開始前の会場BGMもわずかな時間ではあるが収録しており、ショパンの<英雄ポロネーズ>がかかっていることが分かる

さて、演奏の方だが①のBohemian Rhapsody冒頭から、フレディはキーを下げまくっており、なんとも痛々しい

すさまじく臨場感のある音質のおかげで、このNight At The Opera Tourにおけるオープニングがいかにドラマティックなものか痛感させられるだけに、かなり残念だ。

Ogre Battleの後、「コンバンハ、コンバンハ、イカガデスカ?」という日本語MCが登場。

MCの声だけ聴くと、フレディの体調は良さそうだが、どうしても声だけはいつもと調子が違うようで、②でも少しでもハイトーンを披露しようと頑張っているのは伝わるのだが・・・

会場のオーディエンスの中にもそのことに気付いている人がいるようで、②が終わった後、「なんかおかしな声・・・」といった話し声が聞こえる。

それでも、救いなのはフレディのヴォーカル以外は非常に充実しており、⑤のMedley中にあるBohemian Rhapsodyのギター・ソロも非常に美しい

このMedleyでもフレディは頻繁に歌いまわしやキーを変えており、相当喉の調子が良くないことが窺える

実際、地声に近い声でもヨレが見られたりしている。

よく、この2回目の来日公演については、Queen側、さらに言えばフレディの奢りが云々といった評価を目にすることがあるが、少なくとも残されている音源をこうして聞いている限り、本当に喉の調子が悪かったように思える。

むろん、実際のステージを見ていないので、断定しかねるが・・・

⑥のBrighton Rockでも、フレディが若干遅れ気味になり、ロジャーとのユニゾンにもズレが生じてしまっている。

Guitar Soloでは超優良な音質とあいまって、ブライアンによるド迫力のパフォーマンスを聴くことができる。

途中から、オーディエンスが手拍子で参加し、良い雰囲気になったところで“さくらさくら”っぽいメロディが登場している。

続く、⑦では⑥に挿入されているGuitar Solo中の休息が良かったのか、若干フレディの声に余裕が感じられる。

ちなみに、この日も一人多重アカペラにDeath On Two Lesgの一節が挿入される。

ところが、⑦でがんばりすぎたのか、⑧になると、またもやフレディの声のかすれやキーの変更が目立ってしまう。

ほんの1分半程度の⑨だが、フレディはノリノリで、音質が良いこともあってなかなか楽しい出来となっている

⑩、⑪とハードなナンバーが続くが、さすがにブライアンにも疲れが出たのか⑪の冒頭では、ミス・プレイ寸前の危なっかしいギター・ソロになっている。

メイン・セットの締め⑫は、イントロにRevisitedではないIn The Lap Of The Godsの冒頭メロディを使った即興をフレディが一瞬奏でている。

前日はなんともゆる~い感じの演奏になったこの曲だが、この日はフレディが声は出ないなりに、一生懸命歌っている。

アンコール1曲目となる⑬は、前日同様ファースト・ヴァースからヴォーカル・ディレイがかかっている。

⑭のJailhouse Rockに挿入されている曲は前日と同じだが、前日より演奏に勢いがあるように思われる。
最終更新:2011年04月16日 17:59