1976.04.01:日本,東京,日本武道館

<セットリスト>

① Introduction / Bohemian Rhapsody (Opera Part)* / Ogre Battle
② Sweet Lady
③ White Queen (As It Begin)
④ Flick Of The Wrist / Brighton Rock (Ending)*
⑤ Hangman*
⑥ Medley
  ;Bohemian Rhapsody(Ballad Part)(大半が欠落)
  ;Killer Queen
  ;The March Of The Black Queen
  ;Bohemian Rhapsody(Finale)
  ;Bring Back That Leroy Brown
⑦ Brighton Rock / Guitar Solo (Inc. さくら さくら)/ Son & Daughter (Ending)*
⑧ The Prophet’s Song / Stone Cold Crazy
⑨ Father To Son*
⑩ Doing All Right
⑪ Lazing On A Sunday Afternoon
⑫ Keep Yourself Alive*
⑬ Liar
⑭ In The Lap Of The Gods . . . Revisited
⑮ Now I’m Here*
⑯ Big Spender / Jailhouse Rock (Inc. Stupid Cupid, Be Bop A Lula)
⑰ See What A Fool I’ve Been*
⑱ God Save The Queen*

<マテリアル情報>

1.音源:AUD録音
2.音質:(;_;)(2種類の音源から構成されているが、主に使用されている音源は、音像が遠く、低音だけがボンボン響くので、聴きづらい。*マークの曲は良好な音質。)
3.収録:2種類の音源で構成されているが、Medley中のBohemian Rhapsodyは大幅欠落

<レビュー>

今回のレビュー対象は、3月30日の振替公演として急遽開催となった4月1日の日本武道館公演である。

この日の音源は、アナログLP時代から「Invite You To A Night At The Budo Kan」に一部の曲が収録されていたが、テープ・トレード界ではその音源に加え、別の音源を使用し、ほぼ完全収録したアイテムが以前から流通している。

しかしながら、メインで使用されている別音源というのが、音像が遠い割に、低音だけがボンボン響くというもので、あまり何度も聴きたくなるような音質ではない

さて、演奏に関してだが、前日のライヴにおいて、見事復調を果たしたフレディはこの日も①のBohemian Rhapsodyもオリジナルのキーで歌っており、好調なのが分かる。

②でもハイトーンを随所で披露している。

この日は③の前で「カンパイ」MCが登場している。

③の静かな部分を注意して聴いていると、この日も会場から「キャ~」だとかいろいろな歓声があがっているのが分かる。

③が終わると、ブライアンによる「アリガト(ウ)ゴザイマシタ」MCが入っている。

④に関しては、「Invite~」音源を使用しているので、聴きやすい。

曲の途中で、フレディが巻き舌を使った歌い廻しをしている。

そして、この日はここで「前回日本に来た時も演奏した曲(意訳)」とのMCから⑤を演奏

音源としても3月1日Milwaukee公演より1ヶ月ぶりの登場であるが、3月1日以降も北米ツアーでは演奏されていたのか、目立った破綻もなく重厚かつハードなパフォーマンス。

続く⑥は、Bohemian RhapsodyのBallad Partの大半が欠落しているため、この日どのような歌い方をしたのか分からないままになっている。

次のKiller Queenを聴くと、しっかりオリジナルのキーで歌っているのできっとすばらしいパフォーマンスだったと思うのだが・・・

ちなみに、ジョンのトライアングル・パフォーマンスはこの日もけっこう大きな歓声が上がっている。

⑦のGuitar Soloは日本武道館では最終公演なためか、普段あまり聴かれないフレーズをちょこちょこ挟んでいる。

そしてこの日も“さくら さくら”が登場。

会場からも歓声が起きている。

また、Guitar Solo終了後に他のメンバーがステージに現れた時の歓声はすさまじい。

この日は、⑧の前のMCで「ワタシタチハ、トーキョーニマタキテ、トテモシアワセデス」というフレディの日本語MCが登場。

⑧は、フレディもよく声が出ていて、きっとすばらしいパフォーマンスだったと思われるのだが、ベースやバスドラの音が鳴る度に音像がゆがむのでなんとも聴きづらい

一人多重アカペラ部分がきれいに聞こえるのが救いか。

Stone Cold Crazyもひどく音がゆがんでいるが、フレディもハイトーンを多用しているうえ、すさまじい高速&ハードなパフォーマンスのようである。

そして、この日最大の驚きが⑨

少なくともNight At The Opera Tourでは他に演奏されている公演はこの日まで確認されていないので、音源としては前回の日本公演以来となる。

しかも、冒頭のアレンジが変わっていて、なんとピアノによってイントロが演奏されている

パフォーマンスに関しても、フレディがハイトーンを多用していることに加え、ブライアンも中間部でSon&Daughterっぽいフレーズを即興で演奏していたり、すばらしいテイクになっている

そして、ありがたいことにこの曲は音質のよい方の音源に収録されている。

⑩の冒頭は静かなため、会場中からメンバーの名前を呼ぶラヴ・コールが起きているのが聞こえる。

会場内はさぞかし大騒ぎだったのだろう。

息抜きナンバー⑪では、冒頭のピアノ・イントロでフレディが恒例のミス

ただし、ヴォーカルの方は好調である。

⑫は、さすがにここまですさまじいパフォーマンスを繰りひろげてきたせいか、フレディも少々疲れたようで、ハイトーンにキレが感じられないが、中間部でアドリヴの歌詞を挟んでいる。

また、この日もドラム・ソロはかなり長い。

続く⑬は、ドラムが大活躍する曲だけに全編に渡って音がゆがみがち。

ただ聴いていて面白いのは、会場の女性陣が自発的にコーラス参加しており、フレディやロジャーが「Liar」とシャウトするのに合わせて、会場からも「ライアー」とコーラスが聞こえる。

もちろん、「All day long」にもこのコーラス隊は参加。

誰か、この大観衆のまっただ中で録音したような音源(もちろん音質がクリアであれば言うことなし)を出してくれないものか・・・

大混乱状態の会場内の様子がもっと分かるのだが。

⑭は冒頭のピアノ・イントロ部分の音の定位が不安定だが、すぐに回復している。

⑮は最初からヴォーカル・ディレイがかかっているVer.。

⑯のJailhouse Rockには、Stupid Cupid、Be Bop A Lulaが挿入されている。

この曲が終わると、「Thank You! Good Night, Tokyo! Sayonara!」と言っている。

トレードなどで流通している完全版音源は、ここで録音が切り替わりSee What A Fool I’ve Beenが演奏されているように編集されているのだが、一応前日も演奏されているので確認したところ、幸いにも別の演奏であることが確認できた。

同じ演奏だったらどうしようかと思ったが。

ライヴは⑱が荘重に鳴り響き幕を下ろす。

これで、Night At The Opera Japan Tourは残すところ仙台公演と追加公演となった日大講堂公演のみ。
最終更新:2011年04月16日 18:32