1976.09.02 UK, Edinburgh, Playhouse

<セットリスト>

① Flick Of The Wrist / Brighton Rock (Ending)(途中からの収録)
② Medley  
  ;You’re My Best Friend
  ;Bohemian Rhapsody(Ballad Part)
  ;Killer Queen
  ;The March Of The Black Queen
  ;Bohemian Rhapsody(Finale)
  ;Bring Back That Leroy Brown
③ Brighton Rock / Guitar Solo / Son & Daughter (Ending)
④ ‘39
⑤ You Take My Breath Away
⑥ The Prophet’s Song / Stone Cold Crazy
⑦ Doing All Right
⑧ Lazing On A Sunday Afternoon
⑨ Tie Your Mother Down
⑩ Keep Yourself Alive
⑪ Liar
⑫ In The Lap Of The Gods . . . Revisited
⑬ Now I’m Here
⑭ Big Spender / Jailhouse Rock (Inc. Whole Rotta Shakin’ Goin’On, Shake Rattle & Roll)
⑮ God Save The Queen

<マテリアル情報>

1.音源:AUD録音
2.音質:(;_;)(なんとか演奏の様子は確認できるが・・・)
3.収録:①は途中からの収録

<レビュー>

今回のレビュー対象は、1976年9月18日Hyde Parkでのフリー・コンサートの前に計3回EdinburghとCardiffで行われた短期ツアーから9月2日のEdinburgh公演を収録した音源である。

音質に関してはなんとか演奏の様子が分かる程度である。

演奏に関してだが、まず録音は①の途中から収録。

そして、音源としては初登場となるのが、You’re My Best Friend。

ジョン作のこの曲はスタジオVer.ではエレピが使用されていたが、ライヴでは普通のピアノで演奏されている。

とはいえ、Night At The Opera TourにおけるMedleyの頭に無理矢理くっつけた感じで、いまいちしっくり来ないが・・・

それに、途中に欠落がある。

フレディの調子自体は好調で、You’re My Best FriendにしてもBohemian Rhapsodyもよく高いキーが出ている。

③のGuitar SoloはFr re Jacquesが挿入されている。

EdinburghはUKとはいっても、スコットランドの首都。

したがって、何かスコットランドにまつわる旋律が飛び出してくるかもと期待していたのだが・・・

正直、ここまでの展開Night At The Opera Tourでのセットリストとあまり大差なく、ずっとNight At The Opera Tour音源を聴いてきた私にとっては展開が読めてしまう・・・と、思っていたのだがここで④が登場。

ヴォーカルは当然、フレディ

スタジオVer.でのブライアンの儚い雰囲気も良いけど、フレディの力強いヴォーカルで聴くと、悲劇を描いたこの曲も、それでも希望はあるんだよ、生きている限りね・・・と言われているような気がしてくる。

この日の演奏は若干テンポが早めだが、ロジャーのコーラスも完璧で、これで音質が良ければベスト・ライヴ・テイクの一つとなったかもしれない。

また、特筆すべき点としてこの曲の演奏ではロジャーがバスドラとタンバリンと共にステージ前面に出てくることで、4人全員がステージ前面に横一列に集合し、演奏するというスタイルが取られている。

後にLove Of My Lifeなどを加え、アコースティック・パートも拡大していくのだが、この時点ではこういうアコースティック・パートがライヴに挿入されるのはQueenにとって初の試みである。

そして、今度は新作の⑤を演奏。

この年の暮れにリリースされるA Day At The Racesに収録されるこの曲だが、驚くべき事に、この日はスタジオVer.のキーをほとんど変えずにフレディがファルセットを使って歌っている。

それだけフレディの調子が良かったのだろうが、非常にすばらしい。

⑥では、一人多重アカペラが始まると、「Freddie~」などと歓声があがっている。

フレディの声に勢いがあって、聴いていてすごいと思うのだが、いかんせん勢いがありすぎて、若干たたきつけるように歌っているので、幻想的な雰囲気はあまり感じられない。

逆にそのような歌い方は、Stone Cold Crazyでは有効に働くわけで、こちらは圧倒的なスピードで駆け抜けるパフォーマンスがすばらしい。

フレディの声も高音域のキーが良く出ており、パフォーマンスだけなら文句の付けようがない(文句を付けたいのは音質である)。

この曲に続いて演奏される⑦だが、随所でハイトーンを使用しているのだが、さすがにこの曲では所々キーが下がっている。

また、曲冒頭一瞬録音が不安定になる箇所がある。

⑧では、冒頭のピアノ・イントロもなんとかクリアしたフレディが全編にわたりスタジオVer.のキーを遵守した歌い方をしている。

音質さえよければこの日のテイクが決定版なのだが・・・

なお、この曲は音源上ではこの日の演奏が最後となる。

この曲が終わると、もう1曲の新曲である、⑨の演奏が始まる。

興味深いことに、中間部でフレディが語るように歌う部分の歌詞が違うように思える。

ちょっと音質が悪いので、なんと歌っているかまではハッキリとは分からないが・・・

演奏に関してはフレディも高音域のキーを多用しているし、スタジオVer.よりも若干テンポを上げたバックの演奏もハードで申し分ない。

⑩もフレディがハイトーンを多用している。

また、ロジャーのかけ声もとても気合いが入っている。

⑫の冒頭ピアノ・イントロではDeath On Tow Legs風の旋律から変化していって⑫の旋律に変化しているが、このパターンは後にBohemian Rhapsodyのライヴ・アレンジで受け継がれる。

この日はフレディが好調なので、この曲でもファルセットも多用していて、すばらしい出来である。

アンコール1曲目の⑬は珍しくブライアンが即興的なフレーズを開始前に演奏しているが、もしかしてチューニング?

⑭のJailhouse RockにはWhole Rotta Shakin’ Goin’OnとShake Rattle & Rollが挿入されている。
最終更新:2011年04月23日 19:24