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各機体・各難易度でクリアすると、レポートが一つずつ追加されていく。
PHOENIXでNo.1~5、RYNEX-RでNo.6~10、SYRINXでNo.11~15、の全15個。
池袋のSTG祭で「HARDモードを最後までプレイしてもらえればストーリーがわかるはず」と公言していたが、
高難易度でクリアしたからと言ってそれ以下の難易度のレポートが解放される訳ではない
(例:機体PHOENIX・難易度NORMALでクリアして解放されるのはNo.3だけ)ので、
全てのレポートを読むにはこのゲームを15回もクリアする必要があるから困る。
「だが、そこまで頑張ってでも読む価値がある!」と言えない内容なのがもっと困る。

もちろん5以前のサンダーフォースとは何の関係もない
いや。関係あると思ったならば一度精神科に通院した方がいい
本当に読む価値すら無いが、時間が余っていてしょうがないなら読めば?程度のもんである。
+ ...

REPORT No.1

C=[CTNs]=C大尉による報告書
(「オーン・ファウスト」についての考察)
「オーン・ファウスト」は、2161年2月2日、太陽系外縁カイパー
ベルト付近に突如大挙し出現した。
高度な知性と、凶暴な攻撃性を兼ね備えた地球外文明の勢力である。
意思疎通の試みはほとんど成功せず、彼らの識別信号と思われる
「オーン・ファウスト」という一語のみを発しつつ、地球圏に対し
無差別攻撃を繰り返し、これまで二度の大規模な交戦を経て、
現在最終防衛圏たる地球本星に迫りつつある。

地球圏の軍事力をはるかに量がする、その膨大な勢力の
総規模はいまだに明確ではなく、一説には自己修復、
自己増殖を備えた、一種の機械生命群体のような
存在ではないかと言われている。
(これまでの戦闘において、戦闘空域のデプリ密度が通常考えられな
いほど低く、残骸や負傷兵などが、ほとんど回収できなかったこと。
戦闘後に敵勢力がかえって増強されていく様子から、我々の
文明の一切を、自身のものとして吸収融合していくのではないか
とする指摘もある)

その出現の経緯から、「Vasteel」との関連を指摘されるが、
「Vasteel」の存在を察知し、
これを追うように出現したものか、それともカイパーベルト付近に
外宇宙からの漂流物が集まる、異空間連絡路のようなものが存在
するのかも、現状では定かではない。
(ケンタウリ、バーナードなどの近隣星系から物理的に飛来した可能性
については否定的な見解が多い。これは「Vasteel」にしろ、
「オーン・ファウスト」の各種攻撃兵器にしろ、恒星間航行を前提と
した構造からは程遠いためである)

REPORT No.2

C=[CTNs]=C大尉による報告書
(「オーン・ファウスト」についての考察・2)
「Vastian」との接触により、「オーン・ファウスト」について、
より詳細な情報が得られた。
「オーン・ファウスト」の前身である「オーン帝国」は、長らく
彼らの属する星系の覇権を「Vastian」と争っていた敵対勢力であったが、
これがさらに謎の第三勢力「ファウスト」によって殲滅、
吸収されたものだという。
この「ファウスト」の実態については、まったくの不明である。
吸収後のオーン、ファウスト両者のパワーバランスなども
不明であるが、戦闘系統や戦法などは、かつてのオーン帝国
特有の傾向も多く見られる。
これにより両者はある程度、内部的に同盟状態にあるか、
もしくは「ファウスト」が、吸収相手の能力を生かしたままの行動を
支配するという、寄生コントロール型の知性である
可能性も考えられる。
オーン支配者であったとられる「オーン皇帝」が、
幾度も再生を繰り返す、一種のバイオコンピュータ的存在で
あったことから、「ファウスト」がその発展型であった
可能性も捨てきれない。

REPORT No.3

C=[CTNs]=C大尉による報告書
(「オーン・ファウスト」についての考察・3)
「オーン・ファウスト」の吸収能力についてさらに考察を進めると、
これが単なる破壊と吸収と言うよりは、対象の模倣、一種の擬態能力に
近い要素が存在することがわかる。
具体的には、今回の戦闘中に「オーン・ファウスト」が当機
「Phoenix」の根幹である「Vasteel-Technology」を解析し、まるでその
特性を模倣、擬態してみせるかのように、様々に姿を変化させて
いった例が挙げられる。
これについて関連性を感じさせるのは、2151年の「Vasteel戦争」
において、かの「Vasteel-Original」が見せた、同様の反応である。
推論に過ぎないが、我々人類に驚異的な力をもたらした
「Vasteel-Technology」には、「オーン・ファウスト」となんらか関連が、
あるいは同根の部分があるのではないだろうか?
それは、我々よりはるかに先んじて「ファウスト」の
研究を進めているはずの「Vastian」が、その正体について、
いまだに極めて曖昧な分析結果を出すに留まっていることと
関連があるのかもしれない。

REPORT No.4

C=[CTNs]=C大尉による報告書
(「Vasteel-Technology」について)
「Phoenix」に搭載されたものをはじめ、「Vastian」のエネルギー
システムの根幹ともなっている「Vasteel-Technology」
(彼ら言うところの「クロゥ」システム)について、
超光速航行、無限エネルギー供給など、驚異的な可能性を秘める
技術ではあるものの、驚くべきことに、その基本理論については、
彼らも完全には理解してない。
機密ということで、断片的な情報を得られるだけだが、
その出現は意外にもごく最近のこと、オーン太陽系
(当時はまだ帝国ではない)との第二次抗争の中で登場してきたようだ。
これがオーン由来の技術ではないかということについて、
「Vastian」は名言を避けている。
ただ言えることは、「クロゥ」システムを最初に利用した
可能性のあるオーンはファウストに殲滅、吸収され、
また地球圏も「Vasteel-Technology」の生んだ「Guardian」によって
絶滅の危機に瀕したという、二つの事実の類似である。

REPORT No.5

C=[CTNs]=C大尉による報告書
(ファウストの正体と存在意義について)
ひつとの考えとして、「Vasteel戦争」終結時に、
「Vasteel-Technology」の結晶とも言える人口知能
「Guardian」が人類に対して残したメッセージをもとに、
「ファウスト」の正体と存在意義について、ある程度の推論を
まとめることができる。
「Vasteelは力をもたらし、
多すぎるヒトはやがて、過剰な滅びと殺戮の未来を選ぶでしょう
その事実は、人類の守護者たるわたしにとって、
致命的なストレスとして感じられます。
わたしは、自らと共に、総てのVasteel-Technologyを放棄します」
これによれば、「Guardian」は人間を種として保護するために、
その固体総数を管理しようとしたものの、人間自身の抵抗によって
目的を達成しえず、自壊を選んだことがわかる。
オーンによって「Vasteel-Technology」の原型が作り出されたとする
ならば、オーンを滅ぼしたファウストもまた、「Guardian」と
同様のロジックで動いていたと考えても、あながち的外れと
言えないのではないか。以下も推論だが、オーンは「Vastian」から
自らを守る絶対防御機構として、地球における「Guardian」同様、
ファウストを作り出したのではないだろうか。しかし、その
ファウストが次第オーンの制御を離れ、独自に導き出した
結論もまた、自らによる完全な管理、すなわちオーン全体の破壊と
再吸収、「オーン・ファウスト」は、宇宙のあらゆる生命を吸収し、自己と
同一化することで、永遠の庇護と安寧をあたえることを目的とした、
殺戮と慈悲の守護者と言えるのかもしれない。
「Vastian」は、「Guardian」や「ファウスト」のような人口の神を
作り出す愚を犯さなかった。その語源の通り、彼らこそは
「偉大なる者」と言えるだろう。だが皮肉にも我々は、「Vastian」の
真の偉大さを理解することなく、その作りし鉄塊(Vasteel)を
弄んでしまったようだ。

REPORT No.6

銀河連邦軍第118宇宙航空師団
シン・S・マーキュリー少尉による報告書
(放棄空域に突如出現した所属不明機体について)
既報によれば、放棄された戦闘空域において、
所属不明の機体が幾度にわたり目撃されているとのことだ。
オーン残存兵力と交戦中との未確認情報もある。
機体サイズ、武装などについても、
我が軍の機体に類似するものが
あるとのことで、実に不可解だ。
あるいは試作戦闘機の秘密試験ではないかとも噂されたが、
そのような作戦も存在しないようだ。
目撃箇所は、ヒュードラ、ゴルゴン、アクエリアなど。
共に連邦軍のかつての主要拠点であり、
なんらかの関連も考えられる。
私は調査のため、威力偵察を志願することにした。

REPORT No.7

銀河連邦軍第118宇宙航空師団
シン・S・マーキュリー少尉による報告書
(所属不明機体との遭遇)
我が118宇宙航空師団は、本星上空にてオーンと交戦中、
例の所属不明機体との遭遇した。
徒労に終わった偵察行のその後で、まさか向うのほうから、
しかも本星に姿を現すとは思っても見なかった。
私は交戦中であることも忘れ、謎の機体の分析に没頭した。
その外観は、我が連邦機に多少類似しているが、
極めて異様なものだ。
前時代的な部分と、我々の科学力を遥かに凌駕しているらしい
部分とが入り混じっており、我が軍はもちろん、オーンの
機体でもありえない。あるいは外宇宙より来訪したもの
ではないだろうか。しかも、錯覚かもしれないが、
その機体は我々を接護しているかのようにも見えるのだ。
また、我々の照会に対し、所属不明機は未知の言語で
回答をしてきた。ナビコンピュータでその内容が
翻訳できたのだが、これは逆に不思議としか言いようがない。
「電力第六」
何を意味するのだろう、あるいはかの機体の識別番号なのか。
見るからに旧式と思える機体設計とは裏腹に、圧倒的な性能を
見せ付けている「電力第六」は、決して優勢とはいえない
この戦局にあって天与の助けだ。
今回の対オーン大戦が第六次であることを考えると、
何か因縁すら感じさせる。

REPORT No.8

銀河連邦軍第118宇宙航空師団
シン・S・マーキュリー少尉による報告書
(第六次オーン反攻作戦)
ついに第六次オーン反攻作戦は開始された。
これまで幾度となく我々は、皇帝「カウ・ス」や、
そのサブシステム「ヴィオス」など、オーンの中枢に対し
致命的打撃を与えてきたはずだが、しかしそのたび
オーンは復活を遂げている。この戦いを終結させるには、
どうやら彼らの「真の中枢」とでも呼ぶべき
存在を完全に撃破する意外にないようだ。
現在新たな脅威「ファウスト」と融合したオーンは、
我が軍の敗残兵力をも吸収して、さらに巨大な存在
となっているが、我々はここに新たな機会を見出した。
報告によれば、オーンによる惑星規模の吸収、
融合が行われる際にはコードネーム「ケルベロス2」と
呼ばれる正体不明の巨大艦が必ず出現するという。
繰り返し行われた調査の結果、おそらくこれこそが
大質量の融合を制御する、「真の中枢」と推測されるのだ。
連邦本星を囮として、この「真の中枢」を一気に
撃滅するのが今回の作戦だ。
オーンは今や本星に迫り、すでに「ケルベロス2」の
接近も探知されている。不思議な異星の援軍、
「電力第六」とともに、今我々は「ケルベロス2」に
向け出撃する。

REPORT No.9

銀河連邦軍第118宇宙航空師団
シン・S・マーキュリー少尉による報告書
(ロイとキャロル)
私は、かのロイ・S・マーキュリー准将の血縁にあたる。
ロイ准将は、かつてオーンのサブシステム「ヴォオス」、
さらにはオーンを吸収した「ファウスト」撃破作戦に参加した
エースパイロットの一人だが、膨大な戦史の中に埋もれ、
今は記憶する者もさほど多くはあるまい。
愛機「RYNEX」を駆るロイ准将は、同乗者のキャロル中将と共に、
ファウスト撃破の後、遂に帰還しなかった。彼らの最終階級も、
その栄誉に対し与えられたものだ。
だが、今回遭遇した異星の機体「PHOENIX」の正体を
聞くにおよび、私は運命の不思議に驚愕せずにいられなかった。
「PHOENIX」こそは、彼ら異星人に偶然発見された
「RYNEX」の残骸をもとに建造されたというのだ。
残念なことに、発見された「RYNEX」には、おそらく脱出装置が
作動したものだろうが、コクピット部分が失われていたという。
だが私は確信している。
運命の巡り会わせが私と「PHOENIX」を引き合わせたならば、
あの「RYNEX」の魂も決して失われはしないだろうと。
ロイとキャロルは、時空を越え、今も星の海を
飛び続けているに違いない。

REPORT No.10

銀河連邦軍第118宇宙航空師団
シン・S・マーキュリー少尉による報告書
(異星人ケネス)
私はオーン要塞に単身突入しようとする「PHOENIX」の
搭乗者と最後に交信した。
「PHOENIX」に搭載されているという「RYNEX」の一部が、
遠く離れた異星の言葉の翻訳を助けているのだろう。
驚いたことに、多少の意思の疎通すら可能だった。
思えば本星での交信も、これのおかげだったに違いない。
ノイズ交じりの二重音声で届けられたその声は、
まだ若い女性のもののようだった。
彼女の名は「ケネス」あるいは「セネス」
そのように聞こえた。
そして彼女は、私にこう語ると、要塞内部に突入して行った。
「戦士よ、あなたの前に祝福を」
戦いを前にしての、それは異星の儀礼なのかもしれない。
だがそれは何か、彼女にとって特別な意味を持つ
言葉のようにも聞こえた。
私は、何としてもこの戦闘から生還し、
再び彼女に相まみえねばならない。
彼女と語らうべきことは、あまりにも多い。

REPORT No.11

C=[CTNs]=C大尉による報告書
(SYRNIXについての考察・2)
「SYRNIX」は、「Vasteel Technology」と地球文明のキメラである
「PHOENIX」に、さらに「オーン・ファウスト」の一部が融合し、
誕生した機体である。
パイロットである私自身も、すでに機体と一体化しており、
全体が一つの生命体と言ってもよい。
これまでの武装に加え、オーン由来の特殊攻撃を使用することが
可能であり、また地球、連邦、オーンの戦闘AIパターンを複合化し、
現用のいかなる機体をも凌駕する、驚異的な戦闘能力を持つ。
「オーン・ファウスト」には、(そしてあるいは、「オーン・
ファウスト」と出身を同じくするかもしれない「Vasteel Technology」
にも)生物におけるF1交雑のように、性質の大きく異なる対象と
融合することで、大きく強化される性質があるようだ。
思えば、「Vastian」の不完全な模倣に過ぎない「PHOENIX」は、
技術レベルからすれば「Vastian」に大きく劣るはずだ。
「Vastian」を脅かすオーンに対し、互角以上の戦いを繰り広げることが
できたことは大きな謎だったのだ。
だが、「PHOENIX」が、オーンにとって未知の、まったく異質な
地球文明の要素を含んでいるため、オーンは「Vastian」のために
最適化されてきた攻撃パターンを利用できないでいる、と
考えれば一応の説明はつく。いまやそのオーンとすら融合した
「SYRNIX」が、一体どれだけの力を持つに至ったのか、
私自身にもまったく想像がつかない。
※「2」とあるが、「1」に該当する考察はない

REPORT No.12

C=[CTNs]=C大尉による報告書
(地球人類と銀河連邦との生物学的、文化的類似)
当初の予想では、我々地球と「Vastian」の位置関係は、同じ
銀河系内のきわめて近く、おそらく数十光年内のレベルで
あろうと考えられていた。だが、現在我々の観測精度では、
いまだ「Vastian」の存在する空間座標が特定できてない。
行き来は可能なのに、お互いの場所がわからないという奇妙な状況
続いているのである。
おそらく二つの世界は別個の超銀河団に属していると思われるが、
「Vastian」においても、超空間航法を可能とする「Vasteel
Technology」を完全に理解しているわけではないため、
これは推論の域を出ない。
なにより重要ことは、これだけの時空の隔たり経て、
われわれ地球人類と「Vastian」とが、生物学的な意味においても、
文化レベルにおいも驚くべき一致を見せていることである。
これは確立的に言えばあり得ない、まさに大いなる謎と言える。
「Vastian」が文化レベル的に我々に数百年を先んじていると言っても、
その勢力圏はせいぜいが半径200光年の範囲である。
発見されてたかだか数十年に過ぎない「Vasteel Technology」を
利用して、かつて「Vastian」が地球圏に殖民したとも
考えにくい。
「Vastian」の意見としては、「Vasteel Technology」による
超空間航法は、空間的な移動とは異なり、「近い者が呼び合う」のでは
ないかということである。
この説明を我々の科学で解釈することは難しいが、あるいは
量子論的多世界間の移動ということなのかもしれない。
観測者との「波長の近い」世界に、存在の可能性がフォーカス
されるのではないだろうか。

REPORT No.13

C=[CTNs]=C大尉による報告書
(「Vastian」の文字体系について)
「Vastian」特有の文字体系について、当初は形の似た漢字との関連が
考えられたが、その後の研究により、中世アジアの西夏王国で
使用されていた「蕃字(西夏文字)」との非常な類似が
発見されるに至った。
これまで西夏文字は、漢字文化圏に対抗するため、周辺アジアの
民によって人工的に作り出された文字と考えられていたが、
「Vastian」における同種の文字の起源は12000年以上遡り、
両者の関係には説明がつかない。
考えられることは、「Vastian」のいわく「近い者が呼び合う」
ように、我々と「Vastian」との間には、そもそも何か時空を超えた
関係があるという可能性である。
外見的に高い類似性を示すとはいえ、「Vastian」文字は
西夏文字に比べ、さらに数段高度な文字体系を備えており、
どちらかといえば「Vastian」文字の方をオリジナルと考えるほうが
妥当とも思われる。
あるいは、アジアの文字起源とされている漢字も、実は何らかの方法で
時空を超え、地球に伝播していた「Vastian」文化の影響を受けて
生じたものであり、その中でも西夏文字こそが、もっとも
オリジナルの要素を受け継いでいた、という仮説すら
考えられなくはない。
もっとも西夏文字を生み出した西夏王国は、ごく短期間で滅び、
他の文化圏に飲み込まれていった。
同じく「Vastian」よりもたらされた「Vasteel Technology」もまた、
我々人類には結局制御しえず、恐るべき災厄を招いた果てに、
自ら封印するしかなかった。
我々人類の本質について、ここに何か暗示的なものを感じるのは
杞憂に過ぎないのだろうか…。

REPORT No.14

C=[CTNs]=C大尉による報告書
(ファウストの正体と存在意義について 2)
さらに考えをめぐらせるならば、破壊と死に満ちたファウストや
「Guardian」、それを生み出した「Vasteel Technology」こそが、
我々を育んできたとも言える。
オーンと「Vastian」の絶えざる戦いは、皮肉にも双方の
文明を発達させ、しかも決して一方が一方を滅ぼすということがない。
これはオーンと「Vastian」との双方が、同じ「Vasteel Technology」
の上で踊らされていたからだとも言えるのではないか。
その戦争の結果、これまで隔絶していた別世界、
すなわち我々地球圏への航路が開かれたことまでを考えると、
ファウストは人類の天敵というよりは、文明進化のために
欠かせない「淘汰圧」とすら解釈すべきなのかもしれない。
しかし、もしこの推論が正しいとすれば、我々は星の海にあって、
永遠に闘争と死の輪廻から逃れられないということになる。
あるいはあらゆる時空を超えて、雷の翼は戦いの空を血に染め、
はかなく舞い飛んでいるのだろうか…。

REPORT No.15

C=[CTNs]=C大尉による報告書
(CTNS)
CTNSは強化調整型クローンである。
以前のCTN型クローンは、汎用コントロールユニットとして、
エースパイロットの意識を忠実にコピーしたものであった。
だがその反面、戦闘には不要である固体記憶や生体特性に、
性能を左右される弱点があった。
CTNSは、そうしたノイズをクローニングの過程で除去、
さらに戦闘プログラムの強化を施すことにより、
より完全なパイロットを作り出すシステムである。
私は自ら志願しCTNSとなった。
理由はわからない。その記憶は失われたからだ、
だだ、私は任務を果たさねばならない。
それが私の使命だから。
封印を解いた者は、再び封印を行わなければならない。
私の名は、セネス・CTNS・クロフォード。
残されたものは名前だけ。
無数にコピーされた、一つの意思の欠片。


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最終更新:2011年11月19日 16:40