第15回研究会

  • 日時:2011/12/17 13:30~17:00
  • 場所:東京学芸大学
  • 司会:岡智之(東京学芸大学)
  • 発表者: 雷淼媚(東京工業大学博士課程)
    • タイトル:複合動詞「~ぬく」と「~とおす」の意味構造分析ー認知意味論の観点からー
    • キーワード:複合動詞 ~ぬく ~とおす 意味構造 認知意味論
    • 発表要旨:本研究では、多義的類似複合動詞である「~ぬく」と「~とおす」を取り上げ、認知意味論の観点から、スキーマネットワーク図による複合動詞「~ぬく」と「~とおす」の意味記述を行う。また、「産出テスト」と「使い分けテスト」により、日本人母語話者と中国人学習者が持っている意味構造の違いも調査する。

  • 発表者: 中村文紀(慶應義塾大学博士課程)
    • タイトル: 英語連結詞的知覚動詞構文の意味と補語分布との関係について一考察
    • キーワード: 感覚表現、知覚、知覚動詞、推論、Evidentiality
    • 発表要旨:英語連結詞的知覚動詞構文には、(i)属性叙述、(ii)直接知覚による推論叙述、(iii) 間接証拠による推論叙述という3つのサブカテゴリーが存在することがGisborne (2010)で指摘されている。今回の発表では、それらの補語分布がそれぞれ異なることを示し、知覚をどこまで内在的に含意するのかということがその分布の違いに関係していることを示す。


第14回研究会

  • 日時:2011/10/15 13:30~17:00
  • 場所:埼玉大学 教育機構棟2階会議室2
  • 司会:大谷直輝(埼玉大学)
  • 発表者: 岩崎永一(早稲田大学産業経営研究所特別研究員・明治大学兼任講師)
    • タイトル(仮): 指定疑似分裂文と比較相関構文の意味論的分析
    • キーワード: 指定疑似分裂文、コピュラ文、日英語の比較相関構文
    • 発表要旨:前半を比較相関構文の先行研究(特にIwasaki 2011)の概観に当て、後半にタイトルにある意味論的分析を行う。指定疑似分裂文のうち、den Dikken, Meinunger & Wilder (2000)が‘Type A’と呼ぶ、TPをコピュラ動詞の補部に持つ構造がある。この観点から、日本語の「AはBである」という構文の意味を吟味する。さらに、この分析手法を日本語の比較相関構文の「ほど」節の意味分析にも敷衍する。
  • 発表者: 李在鎬(筑波大学人文社会学研究科准教授)
    • タイトル: 用法基盤モデルによる構文研究の可能性
    • キーワード: 認知言語学、用法基盤モデル、日本語の構文文法、コーパス分析
    • 発表要旨:本発表では、用法基盤モデルによる構文研究のケーススタディーとして、日本語の「XがYに動詞」構文を分析する。分析では、コーパスを活用し、名詞との共起に注目し、分析を行う。


第13回研究会

  • 日時:2011/7/10 13:30~17:00
  • 場所:桜美林大学四ッ谷キャンパス Y308号室(3階)
  • 発表者:浅尾仁彦(京都大学/ニューヨーク州立大学バッファロー校)
    • タイトル:接辞の左右非対称性と確率論的言語処理モデル
    • キーワード:形態論, 類型論, word segmentation, 合理的アプローチ, 言語変化
    • 要旨:類型論的に接頭辞は接尾辞に比べて少ないことが知られている。本発表では、この現象をプロセシングの観点から説明することを試みる。具体的には、言語理解についての合理的アプローチ(不確実な状況下で、人間は確率に基づいた合理的判断をするという仮説)をとることで、接頭辞が接尾辞よりも処理が難しいことが示せることを論じる。このモデルを実証するための予備的なシミュレーションモデルを提示する。


第12回研究会

  • 日時:2011/4/23 13:30~17:00
  • 場所:桜美林大学四ッ谷キャンパス Y308 
  • 司会:岡智之(東京学芸大学)
  • 発表者:濱野寛子(京都大学研修員)
    • タイトル:助数詞のカテゴリー化の機能に関する認知言語学的考察
    • キーワード:身体性、解釈、カテゴリー化、パースペクティヴ、百科事典的知識
    • 要旨:本発表では、助数詞「本」の多義的な使用において、身体的経験を基盤とした話者の主体的な解釈がどのようにはたらいているかという点を中心に考察し、従来のスキーマ的な「本」の意味拡張の動機付けをさらに精緻化することを目指す。

第11回研究会

  • 日時:2011/2/19 13:30~17:00
  • 場所:桜美林大学四ッ谷キャンパス Y308 
  • 司会:李在鎬(国際交流基金)
  • 発表者:
    • 第1発表者:徐 蓮(お茶の水女子大学[院])
      • タイトル:空間表現<上>の意味構造から見た日本語と中国語の事態把握
      • キーワード:上 意味構造 実験 日中対照 認知
      • 概要:心理学実験で日本語の「上」と中国語の“上”のカテゴリー構造、プロトタイプとイメージ・スキーマを探り、日中対照に基づいて、対応していない用法の背後にある日本語と中国語の空間を捉える認知的プロセスの相違を明らかにする。
    • 第2発表者:田島弥生(慶應義塾大学[院])
      • タイトル:日本語、韓国語、中国語の談話構造と認知の仕組みの関係を実験的に解明する研究
      • キーワード:ポライトネス理論、前置き表現、談話構造、認知、field dependence
      • 概要:日本語、韓国語、中国語の依頼談話に見られる「前置き表現」について、ポライトネス理論の観点から行った実験結果を報告し、その上で各言語特有の談話構造と認知の仕組みの関係について考察いたします。


第10回研究会

  • 日時:2010/12/11 13:30~18:00
  • 場所:桜美林大学四谷キャンパス Y308号室
  • 第一発表者
    • 古牧久典(東京大学[院])
      • タイトル:トートロジの扱い再考
      • キーワード:トートロジ、構文、認知意味論、認知語用論、談話
      • 要旨:本発表は、トートロジ構文およびその関連現象を扱い、認知文法、認知意味論の視点と認知語用論(主に語彙語用論)の視点を織り交ぜ、そのメカニズム解明を目指す。それぞれの理論的な背景を紹介し、トートロジに関する先行研究を整理した上で、従来とは異なる観点からトートロジ構文に迫る。
  • 第二発表者
    • 徐 蓮(お茶の水女子大学[院])
      • タイトル:日本語の「上」と中国語の“上”の意味ネットワークの対照研究―心理学実験とコーパスに基づく実証的研究―
      • キーワード:日本語の「上」 中国語の“上” 意味ネットワーク 対照
      • 要旨:本稿では、日本語の「上」と中国語の“上”の意味ネットワークを認知意味論の視点から対照し、両言語の認知モデルの共通点と相違点を明らかにする。心理学実験とコーパスにおける調査に基づいて、日本語の「上」と中国語の“上”のカテゴリー構造、プロトタイプ、拡張距離、拡張手段、拡張力の面から量的
に比較する。その上、二つの意味ネットワークの共通点と相違点から、<上>という概念を認知する際使われる共通の認知プロセスと各言語における個別性を分析する。

第9回研究会

  • 日時:2010/10/23 13:30~17:00
  • 場所:桜美林大学四ッ谷キャンパス Y307号室 
  • 司会:李在鎬(国際交流基金)
  • 発表者:
    • 第一発表者:木下藍子(国立国語研究所)
      • タイトル:日本語学習者における接続助詞の習得に関する研究-接続助詞「から」「けど」「し」の発達過程における「だ」の脱落・付加の誤用に着目して-
      • キーワード:接続助詞,誤用分析
      • 概要:学習者の発話コーパスをもとに接続助詞「から」における発達過程の仮説を明らかにします。そして、その仮説が同様の接続形式をもつ接続助詞「けど」「し」の習得においても、汎用性があるかを検証し、学習者独自の文法習得のメカニズムを探ります。
    • 第二発表者:大谷直輝(埼玉大学)
      • タイトル:前置詞underの文法機能とその認知的な基盤(仮)
      • キーワード:文法化、非対称性、意味拡張、身体性、類推、支配的意味
      • 概要:本研究では、仮定法の帰結節を導くunderの文法機能を(e.g. Under the agreement, most agricultural prices would be frozen or cut.)、overとunderの非対称的な意味拡張という観点から考察し、以下の点を明らかにする。① underの文法機能は空間的意味から支配的意味を通して派生している。② overとunderは共に支配的意味を持つが、これらは異なる空間的な意味から派生している。③ 経験世界での垂直軸に関する非対称性が、言語レベルの非対称的な意味拡張を動機づける。


第8回研究会

  • 日時:2010/8/21 13:30~17:00
  • 場所:桜美林大学四ッ谷キャンパス Y304号室(Y302号室からY304号に変更されました)
  • 司会:大谷直輝(埼玉大学)
  • 発表者:
    • 第一発表者:木山幸子(麗澤大学[院])
      • タイトル:自他両用の「-化する」における自動詞用法と他動詞用法の比較:新聞コーパスの用例に基づく多変量解析(名古屋大学・玉岡賀津雄先生との共同研究)
      • キーワード:「-化する」,自他両用,自他明確化
      • 概要:自他両用の「-化する」の自動詞用法と他動詞用法の現れ方について,新聞コーパスの用例を取り上げ多変量解析で検討します。まず,自動詞用法と他動詞用法,使役形接辞「-させる」と受身形接辞「-される」の分布について,階層的クラスタ分析,正準判別分析,一元配置の分散分析及び多重比較の結果に基づいて議論します。次に,「-化する」が文中で使われるとき,その意味が肯定的変化を表すか否定的変化を表すかに影響する要因を,決定木分析の結果に基づいて考察します。
    • 第二発表者:土屋智行(京都大学[院]//日本学術振興会特別研究員)
      • タイトル:日本語定型表現の分析にかかわる諸問題(仮)
      • キーワード:辞書記述,意味の構成性とゲシュタルト性,創造的言語使用と通時的拡張
      • 概要:本発表では,日本語の定型表現に関する辞書記述を網羅的に観察し,その形式的なパターンの特徴および意味的な特徴を分析する.定型表現には慣用句やことわざなどの下位カテゴリーがあるが,カテゴリーごとの形式的なパターンの特徴や,カテゴリー間の連続性が存在することを分析によって示す.同時に,特定のパターンに存在する意味的な局所性についても検討し,定型表現の通時的な拡張と定着の過程を創造的言語使用の観点から考察する.


第7回研究会

  • 日時:2010/6/26 13:30~17:00
  • 場所:桜美林大学四ッ谷キャンパスY308号室
  • 司会:岡 智之(東京学芸大学)
  • 発表者:
    • 第一発表者:佐治伸郎(慶應義塾大学先端研究センター)
      • タイトル:異なる事態を跨いだ語意知識の獲得:L2語意習得における母語の影響を中心に
      • キーワード:第一言語獲得,第二言語習得,語意の再編成
      • 概要:語意獲得において複数の場面に対する語の使い分けがどの様に進むのかを,L1,L2獲得双方の観点から探ります。特に本発表では,L2学習者がこのような語の使い分けを学ぶ際,L1における語意知識の影響がどのように働くのかを調査します.
    • 第二発表者:有光奈美(東洋大学)
      • タイトル:強意語と完全性の関係:対比表現の意味変化
      • キーワード:対比、矛盾関係、反対関係、段階性、完全性
      • 概要:本発表では、dead/aliveのうち、deadに注目し、これが完全性を持つ強意語となるときの動機づけを提示する。さらに「完全性とは何か?」について、日本語の「丸~」を例に挙げながら、deadの完全性と照らし、論じる。



第6回研究会

  • 日時:2010/4/17 13:30~17:00
  • 場所:桜美林大学四ッ谷キャンパス
  • 司会:李在鎬
  • 発表者:
    • 第一発表者:徐 蓮(お茶の水女子大学[院])
      • タイトル:反対概念の非対称性の普遍性と限界―日本語と中国語における〈上/下〉の非対称性を中心に―
      • キーワード:日中対照、対称、上、下、認知
      • 概要:本稿では、辞書とコーパスに基づき、日本語と中国語における静態意味素<上/下>を含めた表現を考察し、語彙構成と意味の面から非対称現象を量的に記述し、日中両言語の共通点と相違点をまとめる。そのうえ、非対称現象の認知的モチベーションを探り、通言語的な普遍性とその限界を検討する。
    • 第二発表者:三村修一郎(東京学芸大学[院])
      • タイトル:相づち「だよね」の方略から見た終助詞「よね」の性質について -異論や拒否反応に対して相づちを打つ場合を中心に-(仮)
      • キーワード:終助詞、相づち、よね、だよね
      • 概要:相づちとして用いられる「だよね」という表現が、どのような会話状況で、どのような事情に対応して機能しているかについて観察することにより、終助詞「よね」の性質についての考察を行います。


第5回研究会

  • 日時:2010/2/20 13:30~17:00
  • 場所:山梨大学
  • 司会:仲本康一郎(山梨大学)
  • 発表者:
    • 第一発表者:ヤン・ジョンヨン(埼玉大学大学院生)
      • タイトル:定住外国人を対象とした「タスク積み上げ型シラバス」について
      • キーワード:タスク積み上げ型シラバス、脱文法シラバス、生活日本語、生活者として外国人、地域の日本語教育
      • 概要:近年、定住外国人(生活者としての外国人)の増加はめざましく、彼らの日本語教育・支援の場としての地域の日本語教室の役割も益々重要になってきています。このような状況で、地域日本語教育で求められているのは、いわゆる生活日本語ですが、この内容については現状では指針になるようなものがありません。本発表では、日常生活で遭遇する様々な課題(問題)を日本語によって解決する能力を伸ばすための新しいシラバスの考え方についてお話しします。具体的には、易しい課題を積み上げ、より複雑な課題を解決できる「タスク積み上げ型シラバス」についてお話しします。
    • 第二発表者:佐治伸郎(慶應義塾大学大学院生)
      • タイトル:異なる事態を跨いだ語意知識の獲得に関する研究
      • キーワード:第一言語獲得,第二言語習得,語意の再編成
      • 概要:語意の習得過程において複数の場面に対する語の使い分けがどの様に,何を手がかりにして進むのかを,母語習得,第二言語習得双方の観点から実験的に調査した結果を報告致します。


第4回研究会

  • 日時:2009/12/12 13:30~17:00
  • 場所:埼玉大学
    • JR京浜東北線「北浦和駅」西口下車→バス「埼玉大学」ゆき(終点)
    • JR埼京線「南与野駅」下車→北入口バス停から「埼玉大学」ゆき(終点)→西口バス停から「志木駅東口」ゆき(「埼玉大学」下車)、「埼玉大学」ゆき(終点)
    • 東武東上線「志木駅」東口下車→バス「与野駅」ゆき(「埼玉大学」下車)*南与野駅からバスで約10分、北浦和駅からバスで約15分です。
  • 司会:大谷直輝
  • 発表者:
    • 第一発表者:高橋奈津美(京都大学大学院生)
      • タイトル:現代日本語における程度副詞と空間相対名詞の共起
      • キーワード:空間知、相対名詞、コーパス言語学
      • 概要:日本語のどのような程度副詞が空間名詞を修飾できるかをバランスドコーパスを用いて調査をして、共起できる副詞に制限があることと共起できるものの中でも2種類の解釈が生じることを報告します。
    • 第二発表者:今井澄子(東洋大学非常勤講師)
      • タイトル:Transitivization of the English Present Participle '-ing': Four Constructions Related to the Grammaticalization of the English Progressive Form
      • キーワード:英語進行形文法化、現在分詞、近代英語、名詞と動詞、他動性
      • 概要:OED3.1で受身的進行形に関する調査をして、現在分詞-ingの他動詞としてのふるまいが近代英語期に完成したことが分かったので、それを報告・考察します


第3回 TLC研究会

  • 日時:2009/10/31 13:30~17:00
  • 場所:東洋大学
  • 発表者:
    • 第一:月本 洋(東京電機大学)
      • タイトル;日本語は論理的である
      • キーワード;日本語、比喩、古典論理、学校文法、小学校英語教育
    • 第一:内田 諭(東京大学[院])
      • タイトル;フレームに基づく英語の接続詞の意味記述:対応分析を使った試み
      • キーワード;フレーム意味論、FrameNet、接続詞、フレーム結合価、対応分析


第2回 TLC研究会

  • 日時:2009/8/22 13:30~17:00
  • 場所:東京学芸大学(N棟)2F留学生センター
    • 第一:大谷直輝(埼玉大学 英語教育開発センター)
      • タイトル:The particles 'up' and 'out' as the aspectual markers: From a cognitive and discourse perspective
    • 第二:伊藤健人(群馬県立女子大学・文学部・国文学科)
      • タイトル:「意味役割とは何か」


第1回 TLC研究会

  • 日時:2009/6/27
  • 場所:国際交流基金
  • 発表者:
    • 李在鎬(国際交流基金日本語試験センター)
      • タイトル:TLC設立に関する趣旨と運営方針について
    • 岡智之(東京学芸大学留学生センター)
      • タイトル:場所論と認知言語学
最終更新:2012年01月31日 11:54