音波が媒質中を伝搬する速度。位相速度と群速度があるが、一般には位相速度のことをいう。
位相速度とは、一定位相面の伝搬速度のことをいい、位相速度を
、角周波数を
、波長定数を
とすると
一方
群速度とは、エネルギーや情報の伝搬速度のことをいい、群速度を
、角周波数を
、波長定数を
とすると
で与えられる。分散性が無い場合、位相速度と群速度は一致するが、分散性のある媒体中を伝搬するときは、位相速度と群速度は互いにことなる。このとき、音源から受音点までの距離をr[m]とすると、
のことを群遅延 [s] という。
空気中の音速
理想気体において、断熱変化を仮定すると、音速cは次式で表される
γ:
比熱比、P:平衡状態における圧力、
:媒質の密度である。気体定数をR、1mol当りの気体の質量M、媒質の絶対温度をTとすると、
という関係が成立するので、
となり、温度が一定であれば、音速は圧力によらず一定であることがわかる。これを近似式を用いて計算すると、
となる。ただし、θ:セルシウス温度 [℃] である。
最終更新:2009年01月22日 18:53