音声知覚の運動説

音声知覚の運動説とは、音声生成における調音器官の運動、またはそれを制御する神経指令を元にして音声が知覚されるという説で、調音参照説ともいう。

この説によると、例えば相手の発した「あいうえお」という音が聞こえたとき、脳内で「あいうえお」という音を調音するときの運動や神経指令を参照して、それが日本語の「あいうえお」という情報に一致したとき、それを初めて「あいうえお」であると認識することになる。

この説によって音声知覚における現象をいくつか説明することができるが、脳内における知覚のメカニズムが本当にそうなっているのか、その真偽は未だ定かにはなっていない。