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湯上がりで上気した沙織の肌は形容しがたい妖艶さを帯びていた。
俺は沙織を怖がらせないように左手でその頬を掬い取るようにゆっくりと持ち上げ、静かに口付ける。

「んっ……」

同時に右手で沙織の髪に絡めて梳いた。きめ細やかな肌触りが非常に心地良い。
アッシュグレーとでも呼ぶのか、その限りなく灰色に近い黒髪には上品な気品を感じた。
柔らかな唇から名残惜しく離れると、互いの唾液が橋となった。
その光景は極めて煽情的であり、俺は高まる動悸を必死に押さえながら拙い手順で沙織を愛していく。

「沙織の肌も、髪も、とってもスベスベで……まるで絹みたいだ」
「あ、ありがとうございます……」

褒められ慣れていないのか、モジモジしながら呟く沙織の姿に俺は電流が走った。

「沙織……胸、触るぞ」
「は、はいっ……よ、よろしく……お願いします……」

俺ははやる気持ちを抑えつつ、頼りなく沙織の肢体を包んでいたバスタオルを、沙織の両腰を掴んで下へとずり下げた。

ついに顕になった双丘に思わず俺は目を見開いた。
横になっていてもわかるほどその形は張りを保っていた。
先端にある乳首は、その全体像に対してはやや小さめながらしっかりと存在を主張するように浮き出ていて、俺の思い描く巨乳の理想像そのものであった。
これに欲情しないやつは男じゃねえ……!
俺は割れ物を扱うような気持ちで手を震わせながら目の前の膨らみを掴んだ。

「や、柔らかい……」
「あっ、お、兄様っ……あぁっ!」

もはや碌な言葉も出せず、無心で揉みしだいているうちに沙織が突然嬌声を上げた。どうやら掌の真ん中が乳首を刺激したらしい。
ほんの少しだけ余裕が出てきた俺は三本指を作った。

「乳首、弱いんだ……やっぱり、大きいからかな」
「ぁぁっ、そこは……んあっ、ふぁっ、ううぅぅっ!」

右のを三本でコリコリと摘みながら、左を舌で転がしつつ吸い上げる。何が出ているわけでもないのにこの世のどんな果実より甘美に感じた。
口と手の対象を交換して引き続き胸を愛撫する。

「沙織は、何カップなんだ?」
「っ!?い、Eカップですけど……どうしt、あっ、あぁんっ!」

特に意味などないのにこんなに素直に答えるこの少女の健気さは国宝級じゃなかろうか?

「これだけでかくてもEなのか……だけど、この胸は何より最高だな」
「あっ、そんなっ、胸、ばっかり、ふあぁっ」
「じゃあ、そろそろ下もいい?」
「ぇ…ぁっ!」

吸引は怠らずに俺はおもむろに右手を太股に沿わせながら根元へと近付けていく。沙織の従順さが俺のS性を引き出しているのだろうか?

「だ、大丈夫……ですっ。優しく、お願い、します……」

な、なんていじらしい態度取りやがるんだこいつは……!
沙織から今までより強く、貪るように唇を奪い、
バスタオルを掴んで放り投げた。今、沙織は完全に生まれたままの姿となった。

「あっ……!」

咄嗟に沙織は体を抱えるようにうずくまった。
(ちょ、ちょっと急きすぎたか……?)

「あ……沙織、その……ゴメンっ!」
「……ばか……です……」
「え?」
「お兄様ばかり触ってて不公平だって言ってるんです!」
「うおぁっ!」

突然沙織が飛び掛かってきて俺のジーパンをひんむき、瞬く間に俺も全裸にされた。

「お……お前、さっきまでの恥じらいは……」
「わたくしにだって伴侶となる殿方にしてあげたいことぐらいあるんです!一緒に気持ち良くなりたいから!」
「…………」
「…………え、あの、その……」
「……ふっ、ははははは!」
「お、お兄様……?」

突然頭を抱えてケラケラ笑い出した俺を沙織は怪訝な目で見ている。

「……いや、俺は俺の尺度でしか考えられてなかったって話さ。沙織のしたいことなんて全く気づけずにさ」
「い、いや……そんなことは……」
「ありがとう、沙織。愛してる、一緒に気持ち良くなろう」
「わ、わかってくださればいいんですわ、お兄様。では……」

互いに改めて深いキスをしたあと、沙織はベッドに俺を促して、俺と頭の位置を入れ替えて横になった。

こ、これが世にいう69……!
俺が目の前にある沙織の薄い茂みに興奮を禁じ得ない中、俺の股間をとてつもない快感が襲った。
こ、これはまさか……!

「ふふ……お兄様の、こんなに堅くなってる」

さっきまで十二分に堪能していた極上の乳が俺のモノを柔らかく包み込んでいた。

「ちょ、沙織お前なんかキャラ変わってね!?」
「それも私だ……ですよ。あむ」
「うあぁっ!?」

追撃とばかりに先っぽを啣え込んでくる。このままでは沙織より先に俺の一撃必殺砲が暴発してしまう!

「こんなことで……こんなことで俺はぁーっ!!」
俺の頭で赤い何かが弾け(た気がして)、目の前の魅惑的な穴に舌を滑らせる。ヤツにできて俺にできない訳がない!
ここに盛大……いや性大な我慢比べが展開された。

にゅる、にゅる、チロチロ、ぴちゃっ。
レロ、レロ、ジュルジュル、ギュッ、ピンッ。

「うぁぁぁっ……!」
「くぅっ……ふぁっ……あぁんっ……!」

お互いにお互いを高めようとしている結果、舐め方を不規則に変えたり愛液を啜ったり豆粒を摘んだり弾いたり、もうやりたい放題である。もはや意地の問題だった。

「うぅっ……!」
「ああっ……も、もう……!」

びゅるっ!びゅるるるっ!

「「ぅあああぁぁぁぁーーーっ!!」」

結果はものの見事な引き分け。出るものも見事に互いの顔面にかかった。

「「濃い……」」

全く同じ感想を抱いたのを察して、俺達はダラダラの顔でお互いに笑い合った。

「じゃあ、沙織……そろそろ……いいか?」

若さ故か一瞬で再形成されたマイサンを入念に洗った後、俺はコンドームを着ける準備を始めた。

「京介兄様……その……」
「どうした?」

なんとか上手くはめ込んだ。試着したことはないが、図の通りになっているから多分問題ないだろう。

「その……多分私、今日安全日なので……」
「…………」

さっきまでとうって変わってもじもじしながら語りかけてくる。死ぬほど可愛い。

「………………だが断る」

もっとも、返す答えは決まっていた。一瞬どころではない逡巡が混ざったのは健全な男子諸君ならわかっていただけると思う。

「万が一にもお前が妊娠したら、『今の』俺には100%責任を持てない。そんな奴に沙織を愛する資格なんかない」

それとは関係なしに考えても、沙織の膣内から達する前にしっかり引き抜ける保障など全く持てる気はしない。

「だから、いつか結婚する日まで俺は絶対に生でやりたくない。これが俺の立てた誓いだ」
「き……京介さん……!」

見ると沙織は号泣していた。

「ごめんな」
「何を謝るんです……か……。京介……さん、は……わたくしの……全てです……!」


もう言葉は尽くした。
俺は、避妊した自らの分身を沙織の秘所にあてがった。

「行くよ……沙織」

沙織が緊張で震えながらもコクンと頷くと、それがそのまま行為の合図となった。
思った以上にきつい沙織の中を、少しずつ圧し拓いていくと、何かに阻まれるような感触を得た。

「……愛してるぞ」
「……わたくしも……んんんぁっ……!!」

俺は一気にその膜を貫いた。そして間髪入れず奥まで貫き切る。そこで一旦動きを止めた。

「い……いったぁぁい……!」

完全に涙目な沙織を見て、流石に心配になってきた。

「だ……大丈夫か?」
「うぅっ……かなり苦しいけど……それ以上に嬉しいんです。やっと京介兄様といっしょになれて……想像以上でした……」

俺は背中にギリギリと爪を突き立てられながら、接吻を交わした。
しかし、ふと思い立った。

「沙織、あのさ……『想像以上』ってことは、まさか俺で……」
「あ……そ、それは……」

沙織は燃えるような顔色でゆっくりと頷いた。

「なん……だと……」
「ごめんなさいお兄様、こんなはしたない娘で……きゃあっ!?」

気がつくと腰が勝手に抽送運動を始めていた。ヒャア、もうガマンできねえ!
沙織の体を抱き起こし、自分の体を寝かして下から一心不乱に突き上げる。豊かな胸が上下に揺れる様はまさに絶景っ……!
一回完璧に抜いたとはいえ、これほどお互いに気持ちの通じた行為が一回で満足しようはずがない。すなわち、もう限界が近い!
両手で両乳房を揉みしだきながらの上下運動が確実に絶頂を招き寄せていた。

「あっ、あっ、あっ、はぁっ、きょう、すけ、さぁんっっ」
「沙織っ、沙織ぃっ……!」

ドクンッ。溜まりすぎた欲望がついに噴出し、同時に絶頂に達した。

「ああああぁぁぁぁーーーーーっ!!!!」

力尽きた沙織が繋がったまま俺の胸へとへたりこむ。俺は最後の力を振り絞って息子を引き抜いてゴムを縛って何処かへと放り投げ、沙織と共に意識を失った。


目が覚めると、なにやら美味しそうな匂いがした。

「沙織……?」

台所に出てみると、沙織が包丁で長ネギを刻んでいた。……裸エプロンの@ω@で。

「お、京介どのお目覚めになられましたかな?」
「お前何やってるんだ沙織バジーナーッ、恰好はともかく理由を言えーッ!」
「そういう京介どのだってビンビンではござらぬか」
「話を聞け、ってうおおい!」

そういえば昨日全裸で寝たんだっけか!朝立ちと相まって最低な恰好だなおい!

「いやあ昨晩はお楽しみだったでござるなあ」
「まあな……しかし、お前料理できたんだな、すごいうまそうだ」
「京介どののミルクm」
「どうして今の流れでそうなった!」

相変わらずこの沙織は読めない奴だ。でもそれすらも可愛いと思ってしまうんだからどこまでも惚れた弱みだろうな。

「冗談はさておき、花嫁修行の一環としてある程度のレベルまでは叩き込まれているのでござるよ」
「ほう、それはつまり愛妻弁当とか期待して言い訳だな?」
「む、言うでござるな……って、あ……」

俺は喋りながら眼鏡を取り去った。

「で、どうして裸エプロンなんかやってんだ?」
「そ、それは……京介さんのために、こういうことをしてみたかったから……です」

そんでバジーナ状態で照れ隠し、か。全く微笑ましいじゃないか。
でも、デートのときはバジーナでいて欲しいかも、公衆の面前で収まりがつかなくなったら怖いし。
何はともあれ、今はこの彼女との時間をじっくりと味わわなきゃな。
俺より背の高いこの愛しき恋人の頭に俺は手を伸ばして、撫でながら耳元で囁いた。

「たいへんよくできました」


このあと、朝食後に特別デザートがあったり、親父に地獄極楽落としを喰らったり、桐乃と黒猫に散々皮肉と冷やかしを浴びたりしたのだが、それはまた別のお話。



『彼女が眼鏡を外したら』
第一部完





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最終更新:2010年08月21日 08:44
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