Antipyretic 02


とりつく島もなく一方的に捲し立てると部屋を出て行ってしまった。


「あいつ―――俺に手錠はめたまま帰りやがった」


連絡するなと言われて、連絡しないわけにもいかないので
メールしようとして気付く。
俺の電話はあやせからの着信で通話状態だったのだ。

だからクローゼットにいるあやせにも会話が筒抜け状態。
あいつは俺が桐乃の応対の為にちょっと部屋を出た隙に
自分の靴と服を隠し、ついでに俺の携帯まで弄っていた。

戦慄するよりも素直に感心してしまった。
もしかしたら監視カメラや盗聴器くらい有っても、不思議じゃない。

『あやせ……もう一度ちゃんと話がしたい。
だから落ち着いたらまた連絡して欲しい。俺はいつでも良いから』

とメールしたがもちろん返事はなかった。


やる事なんて無いのだから俺は風呂に入る為に服を脱ぎ
Tシャツは脱げないのでTシャツ来たまま風呂に入った。
お気に入りだったのに、見事なダメージTシャツに………


風呂に入ったのは30分かそこらだと思う。
何気なく携帯を見て俺は100%純粋な恐怖を感じた。


―――着信不在76件 ―――メール未読101件


脅迫文ですらもう少しマトモだろうと思われるほど
悪意、呪詛、恨み、辛みetc、etcの文言………


大あわてで電話するがあやせは出ない。
しょうがなくメールすると、さも迷惑そうな内容が返ってくる。

だから放置しておくと、すぐにメール………が。
あ~女ってマジ面倒くさ―――と言うかこれ絶対解決しねぇだろ。

それでもあやせ自身をウザイと思わなかったのは………。


あやせとメールを始めて数時間後どうやらあやせは寝るらしい、が
最後のメールの文面が

『裏切り者で変態でクズで意地悪なお兄さん。
もうあなたの知らない人のこと、考えてしちゃいます。
でも、でも今後、二度とあなたには絶対に、絶対に、絶対に(15回連続の絶対に)
指一本わたしの身体には触れさせませんからっ!!』

無視してると、メールと着信の硝酸弾雨
しかたなくおやすみとメールの返信をする。


色々考えようとするがため息しか出なかった。
そういや黒猫と付き合って、あいつが突然別れを切り出して、失踪した時
随分酷い奴だと思ったものだが……今の俺よりも全然幸せだったな。


あやせには悪いと思うがあの頃が懐かしかった………
麻奈実と並んで下校した時や黒猫が"神猫"で手を繋いでデートした時が
そして
こうやって別れるカップルもいるのかなとふと思った。


一瞬だけ、ほんの一瞬だけ"別れ"を想像したが
………すぐに頭を振って、俺はそのビジョンを振り払った。


俺は馬鹿馬鹿しいと思うがあやせの気持ちになる為に
何気なくクローゼットに入ってみる。


あやせは

『次、お兄さんが浮気したらお兄さんをぶち殺して、わたしも死にます。
だからそんな心配無用です。
あ、でも寝取られる方が死ぬよりも辛いなら――ふふ(魅惑)』

と言った

そもそも俺が桐乃と食事するのは浮気なのだろうか?
と言うよりも―――あいつ、俺が他の女といちゃついたら
俺への罰としてNTRとかその方面で考える回路を作っちゃってるのか?

桐乃の"偽彼氏"事件は可愛いものだったが、あれも多分俺に嫉妬して欲しくて
俺の気を引きたくてやった事なのは今なら分かる。

だがあやせの場合は―――全然洒落にならない。
普段は清楚、清純、純真なのだが、一度リミッターが解除されると
淫靡、淫乱、猥褻、俺の気を引く為にする行動のレベルが無制限で
或意味、それは男冥利に尽きるのだが、やっぱり危なすぎる。

なら、どうすれば良いのか?
あいつの中にある、気を引く=別の男の発想を何とかして消さないといけない。
じゃないとあいつは、いつか本当に一線を越えるかも知れない。
そんな事をしなくても俺はあやせを見てるし、ちゃんと魅力を感じている事
を伝えなければ………


『…………………………』

俺はある決断をした。

もうしょうがない
ろくでもない発想だがこれ以外に思いつかないのだから。

あやせと桐乃が喧嘩した時に俺が変態と言う事で騒動を丸く収めたように…
一旦事が起これば、俺が何とかするしかない。
あの時は桐乃がエロゲー好きの変態であってはいけなかった。
今回は俺の可愛い彼女を変態にするわけにはいかない。


俺はほとんど眠れずに朝起きると

『昨日の夜クローゼットに入ってみた。暗くて狭くて淋しい場所だ。
あやせをこんな気持ちにさせて本当に悪かった。
もう何の意味もなく手遅れかも知れないが、おまえがかけた手錠そのままにしてる。
馬鹿馬鹿しいと言うかもしれないが、俺はこれがおまえとの絆だと思ってるから』

とあやせにメールを送って、手錠のまま大学に行った。

賢しいが同じ大学にいる赤城に手錠状態の写メまで撮って貰った。
理由を色々聞かれたがおまえのせいだとだけ答えた。
きっかけはエロDVDだったのだから。
幸い麻奈実には会わずに済んだ
―――色々な意味で今、麻奈実に会うのは非常に不味い。


俺は学校が終わるとにあるものを買う為に街に出た。
職質こそされなかったが、すれ違う人々の反応は予想通り。
買うものはなかなか良い値段だがしょうがない。
考えてみれば、桐乃、麻奈実、黒猫、全員に色々プレゼントしてたのに
恋人のあやせにはしてなかった事に気付く。

朝からずっと返事が来なかったが一方的にメールした。
と言うか、本当にストーカーの如くメールしまくった。

やっとあやせが望んでいた事がわかった気がする。
―――そして何であいつが手錠なんかを持ち出したのかも


家に帰っても、ずっと待ったがあやせはなかなか連絡をよこさなかった。
今日はもう来ないのかも知れないと諦めた時にメールが届いた。

時間は深夜

『裏切り者の変態さん、お見舞いに来て下さい』

とだけ書かれていた。


考えるより先に行動した、あやせへのプレゼントをポケットに入れ普段はあんまり
乗らない自転車を引っ張り出して手錠のまま、あやせの家に向かう………。
もちろんあいつは実家暮らしだし、行ってすんなり仲直りが出来るとも思えないが。


そういや桐乃の為にエロゲー買ったことや桐乃を送るために二人乗りもしたっけ
不安な気持ちを誤魔化す様にあの時の事を考えながら自転車を走らせた。


俺とあやせが急速に仲良くなったのは多分、加奈子のライブがあったあの日からだ。
俺は会場で花嫁姿の桐乃と手を繋いでる瞬間をあやせに見られた。
その後、あやせの様子が変だったから俺はあやせに電話した。
それが桐乃や"頼み事"関係なく、純粋にお互いの為だけに話した初めての機会だった。

一度だけのつもりの電話が受験勉強の息抜きと言う口実で
週一から三日に一回になり、毎日話すようになるのには時間はかからなかった。
静かで、とてもささやかな好意があるのはお互いに薄々は感じていた。

普段は『ぶち殺す』だの『変態』だのキツイ言葉を吐くが、普通に話してみれば
女の子らしく、俺は純粋に気軽に話しの出来る年下の友達が出来たのだと
その時は簡単な気持ちで考えていた……のだが。

思えば―――特別なキッカケが無い限りは俺とは話さないと決めていた、
あやせのルールこそ桐乃に遠慮した自制だと今なら或いは言えるかも知れない。


息をきらせて、あやせの実家の目の前に到着する。

『着いた』

とだけメールした。

案外、何の返事もせずにこのまま放置もあるのかもなと高をくくるではないが、
そう期待した部分も正直あった。
流石に真夜中に手錠した男が家に入るのはどう考えてもヤバイ。

だが―――

『裏に回ってください…勝手口が開いてるので入って』

との文面が


ハァ………ため息をつくがしょうがないので言われた通りにする。
しかし前回あやせの家に行ったのは黒猫と付き合ってる時で
階段から転げ落ちてそれこそ命からがら逃げ帰ったんだった。
緊張で胃が痛くなるのを我慢しながらドアを開けると―――


「本当に………来たんですね(無表情)」

「もちろん、風邪は大丈夫か?」

「一応…………わたしは見つかっても構いませんが、それがイヤなら黙って
わたしの部屋に来てください」

俺は靴を持ってあやせの後に従った。


何度かあやせの部屋に上がった事はあるが―――あの時とは状況が違う。

真夜中に不機嫌な彼女の実家に手錠して侵入する

しかも変な企みまで胸に秘めて
―――下手をすると、俺の人生終わるかも知れない。


「………その手錠(抑揚のない声)」

「ああ、おまえカギ持って行ったからな………でもこれってさ
考えてみたら、おまえが俺にくれた初めてのプレゼントみたいなもんだろ?
だから壊すのも悪いかなと思ってさ。俺の可愛い彼女の贈り物だからな」


「返してください…」 「へ?」 「返して」 「な、なんで?」


「良いから、返せって言ってるでしょっ!!!!(大声)」


「へっ、そんな事でビビってたらおまえの彼氏なんてやってられっかよッ!」

「お(兄さ)、あなたはもうわたしの彼氏じゃない!!!(怒声)」

そろそろ声がヤバイと思った俺は―――あやせに覆い被さり、口で口を塞ぐ


ファーストキスはあやせに告白されて、了承した時にした(むしろされた)。
2回目は昨日のエロDVD事件の時にあやせに嬲られながらやられた。
3回目は思い出すのも恥ずかしいが、良い雰囲気で出来たと思うが。
4回目は鉄の味………

あやせとのキスに法則なんてものがもしあるなら、奇数回は良いキスってことだろう。
そして5回目のキスは………?

しっかり鉄の味がする―――痛みが全身に広がるほど、容赦なく俺の舌を噛む
それでもあやせが窒息するほど、無理やり唇を重ねる。
ここで辞めるなら最初から、あやせの彼氏なんてやってられないのだ。


「わ、わかった……から、お、お兄さん苦しいです、息が……ハァハァ」

「ぜぇぜぇ………な、何が分かったんだ?」

「わ、わたし………風邪引いて…て……」

そうだ―――我ながらバカだった
俺の可愛い彼女は風邪引いて寝込んでるのに


「す、すまん…そうだった、俺何やってんだ(猛反省)、(超土下座)」

「それよりも、わ、わたし達もう恋人じゃないんだから!
そっちの理由でちゃんと反省してください!」

「その点では全く反省出来ないな!俺はおまえの彼氏だし(尊大)」

「ち、違う!」 

「(遮って)と言うか"彼氏"と言う点でもやっぱ反省しないとかもな」

「?」 

「俺って全然男らしくなかったもんな。キスにしたってそうだ。
―――告白したのもおまえ、キスしたのもおまえから、2回目もおまえ
3回目もあやせからせがまれてしたし、4回目は途中でひよって未遂
だからこれからは俺が強引にしようと思ったんだが………」

「な、何が言いたいんですか?」

「これだよ、これ(手錠をあやせにかざす)」

「だからそれが何だって言うんですか?!
真夜中にそんな変態自慢されても困ります………気持ち悪い(嫌悪)」

「まだ上手には言えないんだが、手錠もキスも………
本当はおまえが俺にして欲しかったんじゃないのか?」

「……………」

「メールにしたってそうだ、、あんな狂ったみたいに、一方的に―――」


『だ、誰が!!!』

とあやせが叫ぶ前に機先を制して、今度は人差し指をあやせの唇に当てる
―――最悪噛まれるのを覚悟したが、あやせは大人しく黙ってくれた。


「俺が狂ったみたいに送れば良かったんだ、本当はさ。
おまえに………そんな真似をさせた俺が全て悪かったんだ。
だからここからは俺の勝手な独りよがりの妄想で、ストーカーの論理かも知れないが
(本当はその方が良いのだが)、あやせ………」

「い、言ってください、そのストーカーの論理を、京介さんの考えてる事を
わたしに……教えて」

「あやせが色々な事に嫉妬するなら、俺はそれ以上におまえに嫉妬してやる。
あやせが俺の事をいつも考えてるなら、俺はそれ以上におまえの事を考える。
あやせが俺の事を雁字搦めにして縛りたいなら、俺がもっと強い力で
おまえの事を拘束して束縛してやる………おまえを捕まえててやる!」

とこんな立派な演説をやって
もし俺の勘違いで、単なるストーカーで変態のカミングアウトになってたら?

まぁでも、あやせがそうじゃないと言うならそれはそれで良いのかも知れない。
俺の可愛い彼女の為に………俺の人生や名誉は全部くれてやる
―――きっと愛情ってそういうものなんだ。


あやせは―――

「…………………き、気持ち悪い、もう近づかないでください。
わたしに二度と」

―――この時のあやせの顔を、俺は一生忘れないだろう


「そ、そうか………すまなかった」

まぁ普通そうだよな。これで良かったんだ、多分

あやせは無言で俺の手を取ると、カギを取り出して手錠を外した。
手錠の重みと同時に色々なプレッシャーから解放された気分
本当は嬉しい筈なのに………これで良かったと思ってたのに
なのに俺は―――

「これが京介さんの顔―――わたしが、わたしが勇気を出して
初めて好きって言った時、あなたはこんな顔をした………」

「あやせ………おまえは」

なんで……そんなに優しいんだ


「お兄さん………これで解放して貰えると思いましたか?
わたしがどれくらいあなたの事を恨んでるのか、分かってます…か?
こんな事でわたしの復讐終わると思いましたか?」

俺はあやせから手錠を取り上げるとあやせに無理やりはめて
後ろからしっかり抱きしめた………

「俺って、やっぱ情けねぇな。
満足におまえに変態って呼んで貰えるほどの覚悟も勇気もないんだもんな
ごめんな、あやせ」

「本当に救いきれない。
一途にわたしだけにものにはならない癖にわたしのことも、ちゃんと
捕まえてもくれない……最低の人」

「本当はこれでも決心してきたんだけどな………そのつもりだったんだ」

「京介さんは、どうせヘタレでシスコンで、スケベで口だけ――(キスされる)」

「もうおしゃべりの時間は終わりだ、あやせ(強引)」

「まだわたしは病み上がりなんですよ?ヘタレのお兄さん(呆れる)」

「そうだな………でも俺は"優しい変態"を目指してるから今回はこっちだ」

「い、き……なり下着まで降ろして、な、何?お、お兄さん…えぇ?(戦慄)」

「そういや、口でしてもらった時おまえに噛み切られるかも知れないって
ビビったな(苦笑)
おまえはその変態にどんな事されるんだろうな?クク(下卑た笑)」

「ちょ、調子にのってっ!
どうせあなたは、女の子に手錠しないと何も出来ない………
ヘタレの卑怯者の裏切りもぉ…あぁ…ん……ちょっ…と……いき…なり」

「その通り、だからもうトコトンおまえに軽蔑されることにするわ。
今からは中途半端はなし―――0か100かだ。
これが終わったらいくらでもぶち殺して良いぞ(舐める)」

「あっ、き、京介さん………だ、ダメ………駄目で…す
………わ、わたし風邪ひいててお風呂入ってないから
やめてぇ………き、汚いからァ……きたな…い…か…ら……」

「へぇそっか、でも辞めないぜ!舐めるんだ!我ながら最低だな(ノリノリ)
俺がおまえより――あやせが引くほどの変態になってやる(舌入れる)」

「あっ゛……く、苦しいから、京介さ……ん、い、息が…出来ないから」

「ほら――人工呼吸の時間だ。
もう俺は容赦しないぜ!イヤなら俺の舌を噛み切って良いからな(男らしく)」

「変態!レロ、変態!、ペロ………変態のくせに……変態のくせにィぃ!!!」

「やっと…変態は認めて貰えたか。ほら次はこっち(また舐める)」


「あっあんっ……あ、後で覚えてて…おほ゛えてて……ずっと同じ………
ずるいぃ………狡いから………す゛るい………からァ…だめ………」

「俺はヘタレで変態でずるいんだ。でも裏切り者だけにはならないつもりだぜ(舌技)」

「わ、わ、たしの……わ、たしの中に舌入れて………あん、舌入れたまま
舌入れて゛喋らないで゛、へ……へんになるから゛……だ゛め、だからぁ」

「………………(無言)、(舐めたり、吸ったり)」

「はなしぃ、話をきけぇぇええぇ(足をじたばた)」

「いやなのか?(舐めつつ)」 「イヤに決まってるでしょ!変態!死ね!」


「駄目だ、駄目だ、これじゃダメだ!
やっぱ"優しい"だけの変態ではダメなんだ!やっと分かったわ(確信)」

「き、京介……さん?(ぽか~ん)」


「多分、このままだとおまえには、おまえの狂気やおまえの愛情に勝てない。
俺はおまえを変態のままにさせてたらダメなんだ!(決意)」

「あの………京介さん、え、えっと…その口ではイヤって言ってましたけど、わたし
ほ、ほんとうはそれなりに気持ちが良いと言うか愛情も感じてるし(フォロー)」

「あやせ、これが俺の全力だ!(全力)」

「いっ?き゛な゛り゛………そ、そこ吸ったら、吸っちゃ……あ゛あ゛あんっ」

「これから俺はおまえを躾ける、多分、これやったら今日俺はおまえに本当に
ぶち殺されて死ぬかも知れない!だから、だから(愛の)」

「なに………を……な、何をす、する……つもり……?」



俺はあやせのケツ(人知を尽くして)を、ぶった叩く(天命を待つ)



「あやせ……愛してる!!!!!!(告白)」

「い、いたぁぁい、ば、ば、ば、ば―――ちょっとバカじゃないの!!!!!」

「―――――(無言)、(強引に吸う)、(ちょっと噛む)」

「そ、そこは………ん、い、意味が、あっあ゛………強すぎるぅからぁ……」

「あやせ、おまえはこうしてほしかったんだよな?(狂気)、(叩く)」

「そっ、そんなわけないでっ……交互にぃ………交互にしゅるなァ………
そっちは……ほ、ほんとうに……意味が……あっん、っん、い、みぃ…い……みが」

「俺、思ったんだ………この前みたいにおまえの言いなりになって
おまえに支配されるのは楽だなって、おまえはエロくて、綺麗だし、魅力的だし!
(すごく舐める)」

「っ……ぅん………あっ……だから……んっ………だ…か…ら?」

「だけど、本当のおまえは優しくて思いやりのあるちょっとか弱い女の子で(叩く)
俺が頼りなくて、ダメだからおまえ、あやせに無理させてるのかなって(絶舌技)」


「あん………だから……だ……から…ァ…き、きょうは(京介)…んッ…あっ
きょうは………きょうは…あっ…ァ…ん…イキ………そ……う」

「おっとダメだぜ!あやあや、今日の俺はひと味違うんだ(レロレロ)、(叩く)」

「きょうの………きょうの、きょうの意地悪゛、い゛・し゛・わ゛・る゛・!(お尻振る)」


「俺があやあやの為に意地悪になる!変態になる!だから、だから(大地のドラム)」

「わ、わたし、こわい………お尻…叩かれて………た、たから…て……あぁ
気持ちいい…の……叩かれるだけ………きょうに……ァ…たたかれて気持ち…いぃ」

「あやあや……愛してる。
だから、あやあやはもう普通の女の子で、素直なおまえのままで良いんだ!!
無理しなくても………ずっとそのままでっ!
俺が――俺がずっとおまえは捕まえてるから、絶対に離れないからっ!
ずっとずっと一緒だから!!!!!!!
もう嫉妬しなくても、焼き餅焼かなくても、ずっとずっと」

「きょう、きょう………好き、好き、ずっと好き………なの………きょうが」

「ああ、ずっとずっと好きだ、ずっと前から好きだ(思いっきり強く抱きしめる)」

「あっ………あ゛ん……きょうに………きょうに抱きしめられてイ……ク…からァ
わ、わたし……抱きしめられただけでイッちゃう………よ………きょう、イイ?
きょう、きょう………わたし………イッって………イイ………?(昇天)」



五分後

「お兄さんの変態――女の子に暴力ふるうなんて最低ですっ!(抗議)」

「あ~あ、俺が許可してないのに、勝手にイッてさ。マジでガッカリだわ(冗談で)」

「ご、ごめんなさい、ごめんなさい―――えっ?てそんなっ、わたし?!(混乱)」

「おまえってキャラ変わったよな……?(驚愕)」

「っぅ………うっ、うるさい、うるさい、うるさい!!
変態、変態!やっぱり、あなたは―――最低最悪のDV男ですっ!!!」


「へいへい―――あっ、そうだ。
あやせの手錠姿も可愛いんだけどさ、日常でその姿って流石に不味いだろ?
………だからさ」

「可愛いとか言っても許さないんだから!フンっ、ぶち殺しますから――絶対に」


「ちょっと話、聞けってば(軽く尻に触れる)」

「きゃ、あん……ってちょっと……もう、バカ、でも……(心の迷路)」

「やれやれ………はい、これ―――おまえに似合うと思って買ってきた」


結構値の張った、アクセサリー

「これって――ネックレスと言うよりもチョーカーかな?
ど、どうしていきなりプレゼントだなんて………も、物で釣ろうとしても
絶対にDVは許さないんだから必ずぶっ殺すんだから!!!(ジタバタ)」


「まぁ話を聞けってば(おもむろに尻を揉む)」

「あんっ………き、聞くから、聞くから辞めて…く……ださい(敏感)」

「さっきは素直なあやせでイイって言ったけどさ
そんないきなり素直になれるもんでもないだろ?
いや…どっちのあやせも本物で、俺はどっちのあやせも好きなんだが
それだと今まで通りになっちゃうからな………」

「だから……?」

「手錠の代わりにこのチョーカーでおまえを受け止める!
普段はこれつけててヤンデレのあやせのままでイイから………」

「だっ、誰がヤンデレですか!?もう今からぶち殺しますよ!(憤慨)」

「そうそう、そういうおまえ………」

「なら………このチョーカー外したら?」

「別に今まで通りでも良いし、甘えたいなら思いっきり俺に甘えてくれてもイイ。
俺がおまえの為に変態にもなるし、出来るだけ何でもするぜ」

「分かりました。じゃ、きょう………わたしに付けてみて…ください」

「やっぱり似合ってるな。あやせ、本当に綺麗だ」


「お兄さん―――ふふ、処刑開始しましょうか?
と言うかこんなもの付けさせて……本当は虐めて欲しかったじゃないですか?
この変態(魅惑)」

「そうでもないけどな――あっ(ズボン)、(パンツまで降ろされる)」

「うわ………本当に引きます。
わたしのお尻叩きながら……出しちゃってたんですね。
どんだけ変態なんですか?目の前に本物があるのに……レロ(お掃除)」

「おまえが普通にしゃぶってるのってエロイよな?
髪かき上げながら必死にしかも自分の自宅だろ男連れ込んでさ
どう考えても親引くだろ、これ(嘲)」

「あ~!今はわたしのターンなんだから!
お兄さんは虐められて喘いでれば良いんです!じゃないと、
わたし……また意地悪―――(言いかけて辞める)」

「あやせは頭が良いもんな。おまえが嫉妬する気持ちは本当に分かるんだ。
でもさ、変な感じにならない様に俺が変態になるって決めたんだが………」


「……………お兄さん、わたし決めましたっ!」

「な、何を?」

「このまま、お兄さんに全部あげるつもりだったけど、それじゃやっぱりダメ
なんだって………二人で儀式しましょう?」

「ぎ・し・き・?」

「そう――お兄さんがわたしを受け止めてくれたみたいに
わたしもお兄さんに魔法をかけます。残酷だけど、優しい魔法………」


「……………」

「お兄さんが一生、わたしだけのものになる魔法。
二度とわたしが嫉妬してお兄さんを困らせないようにする魔法です。
だから―――あっ、レロ、ちゅ」

「(あやせの口を)、(口で塞ぐ)」




そんな都合の良い魔法なんてあるのだろうか?
あやせが、その魔法を詠唱し終えた時――俺達はどうなるのだろうか?
期待と不安、でもそんな事はきっと知らない方がイイに決まってる。

あやせが二度とこんな事を口走らない様に
俺は何度でもあやせの口を塞がなければならない………………




もし自分が童貞の時に黒髪のモデルで、超が三桁くらいは付く美少女で
自分の事を死ぬほど(或いは殺したいほど)好いてくれる15歳の彼女が
居た場合はどう思うだろう?
多分、こちらがお願いすればどんな事でもしてくれるかも知れないが
単なる言いなりではなく、"怪しい魔法"まで使おうとする彼女が居たら………?



俺は――――












おわり



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最終更新:2013年04月07日 04:58
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