第三話 『戦う勇気よ、稲妻の剣士』
次元鬼族の本拠地・次元魔城の玉座の間。スクリタはベルディスを笑い飛ばしている。
「お姉さまぁ、あんなに大口叩いていた割には…大事な次元鬼をまんまと倒され敵に背を向け逃げ帰ってきたんですって?」
「まなみだけなら大したことはないのよ!予測なんか出来るわけないじゃない、もう一人剣士が現れるなんて!」
「あらぁ…この前は散々、私を罵倒していたくせに、いざ自分も負けると言い訳とは…人のことが言えない情けないお姉さま…」
「なんですってぇ…!?」
「まなみだけなら大したことはないのよ!予測なんか出来るわけないじゃない、もう一人剣士が現れるなんて!」
「あらぁ…この前は散々、私を罵倒していたくせに、いざ自分も負けると言い訳とは…人のことが言えない情けないお姉さま…」
「なんですってぇ…!?」
実の姉妹とは思えないほど、醜い言い争いが続くなか、唐突に玉座から炎が噴き出す。
その炎が止むと、スクリタよりも深い紫色の蛇のように長い髪をし、
黒のボンテージに身を包んだ女が玉座に現れた。
その炎が止むと、スクリタよりも深い紫色の蛇のように長い髪をし、
黒のボンテージに身を包んだ女が玉座に現れた。
「やめい、スクリタ!ベルディス!見苦しいぞ」
静かに、鋭い声が発せられ、二人は慌てて跪く。
「も、申し訳ありません!フリッデ様!」
「玉座の間での醜い行い、どうかお許しくださいませ!」
「玉座の間での醜い行い、どうかお許しくださいませ!」
二人が恐れ、今は満足に顔も見ることが出来ない相手こそ、次元鬼族の長である女帝フリッデである。
フリッデはニヤリと笑い、次元鬼三姉妹を見下ろす。
「まあよい。貴様たちが破れた者たち、油断はならないようだ。
ウルム、次はお前が奴らを始末しにいけ」
「御意。フリッデ様の御心のままに」
フリッデはニヤリと笑い、次元鬼三姉妹を見下ろす。
「まあよい。貴様たちが破れた者たち、油断はならないようだ。
ウルム、次はお前が奴らを始末しにいけ」
「御意。フリッデ様の御心のままに」
物陰から現れたウルムは、しっかりと頭を上げながら静かに応える。
昼休みの桜花高校は生徒たちは図書室で勉学に励んだり、一方で寝ていたり、校庭で遊びでサッカーなどを
プレイする者もいれば、教室や廊下で駄弁っている者もいる。
まなみはというと担任に頼まれ、裕奈と一緒に教材を理科室へと運んでいる。
プレイする者もいれば、教室や廊下で駄弁っている者もいる。
まなみはというと担任に頼まれ、裕奈と一緒に教材を理科室へと運んでいる。
「まったくぅ、みんなあたしたちが戦ってるの知ってても労うどころか
こき使うなんてひどいよね、まなみちゃん!」
「ぼやかないの。私は今まで通り接してくれるみんなに感謝してるくらいよ」
こき使うなんてひどいよね、まなみちゃん!」
「ぼやかないの。私は今まで通り接してくれるみんなに感謝してるくらいよ」
二人が階段を降り、女子トイレの前を通り過ぎようとしていた。
「ねー、お金持ってきてないの?」
「ちょっと貸してくれって言ってるだけじゃん?」
「ごめんなさい…でも、この前も渡したし…」
「それだけじゃ足りないってこと分かったからさぁ。いいじゃん、ウチら友達でしょ?」
「ちょっと貸してくれって言ってるだけじゃん?」
「ごめんなさい…でも、この前も渡したし…」
「それだけじゃ足りないってこと分かったからさぁ。いいじゃん、ウチら友達でしょ?」
どこからか、女の声が聞こえてきた。声の数からして三人ほど。そのうち二人はどこか下品な言葉使い、
残りの一人は丁寧だが、か細い声で気弱な印象を受ける。
話し声が聞こえたのか、まなみは立ち止まり、聞き耳を立てる。
まなみは眉を顰めると、裕奈に教材を持たせて
「…おおっと!まなみちゃん、どしたの?」
残りの一人は丁寧だが、か細い声で気弱な印象を受ける。
話し声が聞こえたのか、まなみは立ち止まり、聞き耳を立てる。
まなみは眉を顰めると、裕奈に教材を持たせて
「…おおっと!まなみちゃん、どしたの?」
「裕奈、ここでちょっと待ってて」
勢いよくトイレの扉を開け、中へと入っていく。
「あなたたち、なにしてるの!?」
「うわっ!?…なんだ噂の正義の味方さんのじゃん。何ってこの子にお願い事してただけよ」
「あなたたち、なにしてるの!?」
「うわっ!?…なんだ噂の正義の味方さんのじゃん。何ってこの子にお願い事してただけよ」
大声を挙げて中に入ってきたまなみに驚く女だが、誰だか確認すると
怪しく笑みを浮かべながら、あっさりと応える。
怪しく笑みを浮かべながら、あっさりと応える。
「嫌がってる人から無理にお金をもらおうなんて、お願いじゃなくて恐喝よ!恥を知りなさい!」
「ちっ…正義の味方ぶって調子に乗るんじゃないよ!行こう、亜里沙」
「待ってよ、理恵!」
「ちっ…正義の味方ぶって調子に乗るんじゃないよ!行こう、亜里沙」
「待ってよ、理恵!」
鬱陶しくなったのか、舌打ちしながら二人はどこかへ逃げていく。彼女たちの捨て台詞にまなみは少し暗い表情になった。が、すぐにいじめられてた少女の方に向きなおる。
少女は栗色のセミロングの髪をし、穏やかな顔立ちをしている。
少女は栗色のセミロングの髪をし、穏やかな顔立ちをしている。
「大丈夫?」
「はい…ありがとうございます…。あの、新堂まなみさんですよね?」
「そうだけど…あなたは?」
「私は姫倉伊織、まなみさんにお話ししたいことがあって」
「はい…ありがとうございます…。あの、新堂まなみさんですよね?」
「そうだけど…あなたは?」
「私は姫倉伊織、まなみさんにお話ししたいことがあって」
そこまで言いかけると、外から裕奈が喧しくまなみを呼び始めたので、彼女とは放課後に会うことにした。
伊織と待ち合わせている、学校の屋上。まなみは裕奈を連れてパンを食べながら彼女を待っている。暇そうに裕奈は空を眺めている。
「お待たせしました」
ようやく伊織が現れると、まなみは笑顔で彼女を迎える。
「そんなに待ってないから大丈夫。それよりも話って?」
伊織は少し、悩んでいるかのような表情をするが、ようやく口を開く。
「まなみさん……私があなたの探してる雷術剣士です」
「えっ!それって本当なの!?」
「えっ!それって本当なの!?」
まなみはもちろん、ボケっとしていた裕奈もこれには驚いた。
「でも、剣士ってことはあなたも素でかなり強いんでしょ?なんであんないじめっ子の一人や二人に…」
「ごめんなさい、私…戦うのが怖いんです」
「どうして?」
まなみが聞き返すと、伊織は眉を八の字にしながら、上目遣いでまなみを見つめる。
「だって…私達の力はとてつもないものです。それのせいで誰かが傷ついたりするかもしれない…
こんな力を持っている自分が…怖い」
「ごめんなさい、私…戦うのが怖いんです」
「どうして?」
まなみが聞き返すと、伊織は眉を八の字にしながら、上目遣いでまなみを見つめる。
「だって…私達の力はとてつもないものです。それのせいで誰かが傷ついたりするかもしれない…
こんな力を持っている自分が…怖い」
語る伊織に、裕奈が真っ直ぐ近寄るといきなり肩を掴んだ。
「ゆ、裕奈ちゃん…?」
「あのねぇ…戦うのが怖いのはあたしもまなみちゃんも同じ!こんな特撮ヒーローみたいな力が現実に身に付いちゃってるんだもん。
でも、あたしたちが使い方さえ間違えないように気をつけてれば絶対大丈夫!剣士の力は悪い奴をぶっ飛ばして
世の中の平和を守ることなんだから。伊織ちゃんは勇気が無いだけ!
それに自分が嫌な目にあっても、我慢してなきゃいけないなんて自分はどうなんのさ!嫌なこと、悪いことには戦わなくちゃ!」
「あのねぇ…戦うのが怖いのはあたしもまなみちゃんも同じ!こんな特撮ヒーローみたいな力が現実に身に付いちゃってるんだもん。
でも、あたしたちが使い方さえ間違えないように気をつけてれば絶対大丈夫!剣士の力は悪い奴をぶっ飛ばして
世の中の平和を守ることなんだから。伊織ちゃんは勇気が無いだけ!
それに自分が嫌な目にあっても、我慢してなきゃいけないなんて自分はどうなんのさ!嫌なこと、悪いことには戦わなくちゃ!」
言いたいことを言い切ると、少し照れながら再び空を眺めだした。呆然としている伊織にまなみが裕奈に続いて
「伊織、戦うのが嫌ならそれでもいい。だけど、時には立ち向かうことも大事だよ。でも、無理強いはしない。自分の意思で決めて」
「まなみさん…」
「まなみさん…」
まだどうしようか迷っている伊織だが、それも束の間、校庭から何かが
爆発するかのような音が飛び出した。
爆発するかのような音が飛び出した。
「な、なに!?」
校庭の方を除いてみるが、土煙がすごくとてもどうなっているか分からない。
「行こう、まなみちゃん!」
「まなみさん!裕奈ちゃん!」
「まなみさん!裕奈ちゃん!」
駆け出そうとするまなみと裕奈を呼び止めようとする伊織。彼女にまなみは振り返って。
「伊織、ここで待ってて」
そう言うと、まなみは再び駈け出した。伊織はまだどうするか悩んでいる表情で。
二人が校庭に辿り着くと、そこには巨大な蛸のような生物がその姿を現していた。
「これって……もしかしなくても」
「次元鬼族!あたしたちの学校に何の用よ!」
「次元鬼族!あたしたちの学校に何の用よ!」
どこからか、低音の笑い声が聞こえてくる。次の瞬間、蛸の前に次元鬼の女が現れた。
「お前たちが新堂まなみと水無瀬裕奈か。私はウルム。スクリタとベルディスの姉だ」
「へぇ、長女ってこと?妹の二人の仇討ちかしら?」
「へぇ、長女ってこと?妹の二人の仇討ちかしら?」
まなみの言葉に、鼻で笑うウルム。
「仇?そんなことはどうでもよい。私は妹たちがどうなろうと知ったことではない。
ただ、貴様らが目ざわりなのは間違いない。死んでもらう!やれ、獣蛸!」
ただ、貴様らが目ざわりなのは間違いない。死んでもらう!やれ、獣蛸!」
獣蛸の足が二人に襲いかかる。それを飛んで回避すると剣士の姿へと変身する。
刀を抜いて、獣蛸へと斬りかかる。が、まなみは斬りかかれなかった。
目の前に剣を携えたウルムの姿があった。
刀を抜いて、獣蛸へと斬りかかる。が、まなみは斬りかかれなかった。
目の前に剣を携えたウルムの姿があった。
「……くっ!」
「妹たちは自ら戦おうとするのを忘れていたが、私は違う」
「ウルムの相手は私がする!裕奈はあの次元鬼をお願い!」
「わかったよ、まなみちゃん!」
「妹たちは自ら戦おうとするのを忘れていたが、私は違う」
「ウルムの相手は私がする!裕奈はあの次元鬼をお願い!」
「わかったよ、まなみちゃん!」
まなみとウルムが斬り合いをしてる中、裕奈は一人、獣蛸に挑む。
「水流波!」
「水流波!」
腕から水の気を飛ばし、牽制しながら何度も斬りかかるが、蛸の足に翻弄され決定打が与えられない。ふとした瞬間、裕奈の体に足が巻きつく。
「しまった!きゃああぁぁぁっ!!」
小柄なその体を足がきつく締めあげていき、裕奈は苦悶の表情を浮かべる。
「こ、このぉ…離れろぉ……うわああぁぁぁぁ!!」
振り解こうと抵抗するが、逆にさらに力を込めて締め上げられてしまい悲鳴をあげる裕奈。
「こ、このぉ…離れろぉ……うわああぁぁぁぁ!!」
振り解こうと抵抗するが、逆にさらに力を込めて締め上げられてしまい悲鳴をあげる裕奈。
「裕奈!」
「よそ見をしている場合ではないぞ、新堂まなみ!」
「よそ見をしている場合ではないぞ、新堂まなみ!」
裕奈に気がいったまなみを容赦なく斬りつけていくウルム。
「あぁぁぁぁっ!!」
ダメージを負い、吹き飛ばされ地面に叩きつけられてしまう。
動きが鈍ったまなみに容赦なくウルムの破壊光線が指先から何発も乱れ飛ぶ。
「ぐぅぅ!ああっ!うああああ!!」
あっという間に全身に傷を負わされ、額を掠めた光線の影響で鮮血が鉢巻を滲ませた。
「あぁぁぁぁっ!!」
ダメージを負い、吹き飛ばされ地面に叩きつけられてしまう。
動きが鈍ったまなみに容赦なくウルムの破壊光線が指先から何発も乱れ飛ぶ。
「ぐぅぅ!ああっ!うああああ!!」
あっという間に全身に傷を負わされ、額を掠めた光線の影響で鮮血が鉢巻を滲ませた。
「ここまでだな、新堂まなみ」
続いて彼女の右肩を掴み上げ、そのまま握り潰そうとする。
「うわああああああああああああああああああっ!!!」
あまりの激痛に悲鳴を上げ、握っていた暁一文字が音を立てながら地面へと落ちた。
「ふふふふ……あははははは!!」
続いて彼女の右肩を掴み上げ、そのまま握り潰そうとする。
「うわああああああああああああああああああっ!!!」
あまりの激痛に悲鳴を上げ、握っていた暁一文字が音を立てながら地面へと落ちた。
「ふふふふ……あははははは!!」
勝利を確信し高らかに笑い声を上げるウルム。
「くぅあぁぁ…ゆ、裕奈……!」
「まなみ、ちゃん……」
「まなみ、ちゃん……」
意識が朦朧とし始め、二人はお互いを呼び合うが、手を伸ばすことも出来ない。
「あっけないものだ…さあ、獣蛸よ。止めを刺せ」
「やめてください!」
「やめてください!」
校舎の入り口から叫び声が響く。ウルムが振り向くと、そこにはキッと彼女を睨む伊織の姿が。
「い、伊織……!」
「貴様は…もしや」
「貴様は…もしや」
ウルムが何かを感じて険しい顔をする。そして伊織は意を決したかのような表情で叫んだ!
「雷心変幻!!」
伊織の身体からオレンジ色の光が放たれ、やはり全裸となり、着物とミニスカ袴、羽織が彼女を着飾る。
その色は山吹色で、足首までの足袋と草履、そして白い籠手が腕を覆い、腰に刀が現れる。
その色は山吹色で、足首までの足袋と草履、そして白い籠手が腕を覆い、腰に刀が現れる。
「大切な人を傷つけ、苦しめる次元鬼族!雷術剣士、姫倉伊織が許しません!孫六刀!!」
刀を抜刀する伊織。剣士へと変身した伊織の姿を見ても、ウルムはとくに驚く様子はない。
「そこの二人だけではないとは思っていたが…なるほど、貴様が三人目か」
「伊織!」
「伊織!」
獣蛸の足が伊織に鋭く突き刺さる。…が、その伊織は霧のように消えうせた。
蛸の足が彼女を探すように足を戸惑わせるが、直後その足は斬り離された。
蛸の足が彼女を探すように足を戸惑わせるが、直後その足は斬り離された。
「なにっ!?」
「まなみさん、裕奈ちゃん!」
「まなみさん、裕奈ちゃん!」
予想外の強さを見せる伊織に驚きを隠せず、思わず声を挙げるウルム。
伊織はまなみと裕奈を救出すると、獣蛸に向きなおる。今度は複数の足が襲いかかるが、それを素早く回避し胸の前に刀を縦に構える。すると、伊織の姿が五つに分裂する。
伊織はまなみと裕奈を救出すると、獣蛸に向きなおる。今度は複数の足が襲いかかるが、それを素早く回避し胸の前に刀を縦に構える。すると、伊織の姿が五つに分裂する。
「っ!?…分け身の術か!」
「はあぁぁぁっ!」
「はあぁぁぁっ!」
分身全員で稲妻を放射し、獣蛸の身を焼いていく。負けじと蛸の口から溶解液が放たれる。だが、それを横からの水流が邪魔する。
「さっきのお返しだよ!てやぁぁぁぁぁぁ!!」
蛸足をつかんだ裕奈が回転しながら投げつける。その様子を見ていたウルムは舌打ちし
「くっ、情けない!こうなれば…」
「あなたの相手は私よ!」
「あなたの相手は私よ!」
先ほどと立場が逆転し、今度はまなみがウルムを攻め立てる。獣蛸の方は裕奈と伊織の攻撃でなされるがまま。
「水迅旋風拳!」
裕奈は水の気を纏った拳で獣蛸を殴り飛ばし、ダウンさせる。そして伊織は雷の気を刀に集中していく。
「雷鳴大破斬!!」
バチバチした雷の気が孫六刀に纏われ、ジャンプしながら縦に斬り裂き。隙を与えず今度は水平に斬り
次元鬼には十文字に斬り裂かられた痕が付き、まもなく斬られた個所から木っ端微塵に吹き飛んだ!
次元鬼には十文字に斬り裂かられた痕が付き、まもなく斬られた個所から木っ端微塵に吹き飛んだ!
「はぁぁぁぁぁぁ!!」
「ぐっ、あああっ!」
暁一文字による斬撃を浴びたウルムの動きが鈍る。
ウルムの動きを押さえたまなみは空高く飛翔し、飛び蹴りの体勢に移るとその脚に炎を纏わせていく。
「ぐっ、あああっ!」
暁一文字による斬撃を浴びたウルムの動きが鈍る。
ウルムの動きを押さえたまなみは空高く飛翔し、飛び蹴りの体勢に移るとその脚に炎を纏わせていく。
「観念してもらうわよ!!火炎閃光キィィィィィック!!」
炎が纏われた瞬間、爆発したかのように目にも留まらぬスピードでキックはウルムの腹部へと直撃する!
「ぐはぁ!…くっ、仕方あるまい…ぬん!」
燃え盛る飛び蹴りを浴びたウルムは状況不利と見て撤退した。
炎が纏われた瞬間、爆発したかのように目にも留まらぬスピードでキックはウルムの腹部へと直撃する!
「ぐはぁ!…くっ、仕方あるまい…ぬん!」
燃え盛る飛び蹴りを浴びたウルムは状況不利と見て撤退した。
「待ちなさい!……くっ、逃げられたか」
「まなみちゃん、今日は深追いは禁物なんじゃない?伊織ちゃんが来てくれたけど、あたしもまなみちゃんもボロボロだもん」
「裕奈に諭されるちゃうなんてね。そうね、次元鬼は倒せたし、これにて…成敗完了!」
「まなみちゃん、今日は深追いは禁物なんじゃない?伊織ちゃんが来てくれたけど、あたしもまなみちゃんもボロボロだもん」
「裕奈に諭されるちゃうなんてね。そうね、次元鬼は倒せたし、これにて…成敗完了!」
夕日がそろそろ沈むかという時間。変身を解いた三人は、その場に固まっていた。
「伊織……決心したのね?」
「…正直言って、まだ怖いんです。でも、まなみさんと裕奈ちゃんの二人と一緒なら」
「…正直言って、まだ怖いんです。でも、まなみさんと裕奈ちゃんの二人と一緒なら」
先ほどまでの弱気な表情と比べるとだいぶ明るくなったようにみえる。
「よかったね、まなみちゃん!そうだ、剣士が揃ったんだから、お祝いしようよ!近くのファミレスでご飯食べよ!まなみちゃんの奢りで!」
「ちょっと、なんで私の奢りなのよ!?」
「だって、まなみちゃんがリーダーだし、お金持ってそうだし」
「いつリーダーになったのよ!?それにお金だって…」
「ちょっと、なんで私の奢りなのよ!?」
「だって、まなみちゃんがリーダーだし、お金持ってそうだし」
「いつリーダーになったのよ!?それにお金だって…」
二人が言い争ってる横から伊織が小さく口を挟む。
「あの、まなみさん…私、イチゴパフェが食べたいんですが…」
「って伊織!あなたまで!?私は…」
「だって、自分の意思で決めることが大事って教えてくれたじゃないですか」
「いや、私が言いたかったのは、そういうことじゃ…」
「ダメ、ですか…?」
「って伊織!あなたまで!?私は…」
「だって、自分の意思で決めることが大事って教えてくれたじゃないですか」
「いや、私が言いたかったのは、そういうことじゃ…」
「ダメ、ですか…?」
キラキラとした涙目を見せる伊織にまなみはゲッと困った表情をし、仕方なく二人の願いを受けることになってしまったとさ。まなみの小遣い日はまだ遠い。
次回予告
「伊織です。おいしいイチゴパフェでした。また、ごちそうになれるといいな。
私が加わって剣士は全員揃ったのですが、まなみさんのお母さん曰くまだ未熟だから三人で修行しなさいとのこと。でも、なんだか裕奈ちゃんが私のこと避けてるような…
裕奈ちゃん、私のこと嫌いですか?
次回は『いきなり仲間割れ!?』です」
「伊織です。おいしいイチゴパフェでした。また、ごちそうになれるといいな。
私が加わって剣士は全員揃ったのですが、まなみさんのお母さん曰くまだ未熟だから三人で修行しなさいとのこと。でも、なんだか裕奈ちゃんが私のこと避けてるような…
裕奈ちゃん、私のこと嫌いですか?
次回は『いきなり仲間割れ!?』です」