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争点の現場 選挙に走る教員「見返り信じてる」

8月20日0時20分配信 産経新聞

 「教師がこんなことをやっちゃダメだってことは、本当は分かっている」

 北海道教職員組合(北教組)に所属する札幌市近郊の自治体の男性中学教師は、自分が今回の衆院選に向けてやっている「選挙運動」について、こうつぶやく。渡された名簿に無作為で電話をかけ、民主党系の特定候補への支持を訴える電話作戦。近所へのビラ配り。指示は連合の選挙事務所から来るという。

 「本当はやりたくない。電話もガンと切られたりするし。でもやらないと言えば、組合の上の人が負担をかぶることになるから…」

 教師は続けて、「これだけ民主党を応援しているのだから、政権をとれば、必ず何か見返りがあると信じている」と語った。

 教員の選挙運動は公職選挙法と教育公務員特例法で禁じられている。文部科学省は7月22日、「教職員等の選挙運動の禁止等について」とする局長通知を全国の教育委員会に出した。国政選挙前の恒例の通知だが、この「禁止」は長い間、組合教師によって有名無実化されてきた。

 組合に加入していない男性教師によると、約10年前の北海道内の公立中学校では、職員室での朝礼が終わった後、校長や教頭がいる場所で引き続き「組合朝礼」が始まったという。「今日の道徳活動についてお知らせします」。続けて、「○○先生と××先生には、この地区をお願いします」などと指示が飛んだ。教師は赴任当初、「道徳活動」の意味が分からなかった。後で同僚から、それが2人1組で行う特定候補の応援のための戸別訪問や、ビラ配りの隠語だと知らされた。

 「ふざけた隠語がまかり通っていることに腹が立った」と教師。自宅に遊説への参加を指示するファクスが送られてきたこともあった。送信元は学校で、発信時間は勤務時間中だった。

 道内の公立中学校長の男性は「今でも組合の組織率が高い一部の学校では、学校の電話やファクス、コピー機、プリンターなどを自由に使い、選挙運動用の文書作成や、やりとりをしている」と実態を指摘する。

 北海道教育委員会によると、平成16年の参院選で北教組網走支部専従の教員が公職選挙法違反(買収)で逮捕。道教委から停職3カ月の処分を受けている。

 北教組は昨年1月、賃金カットに抗議して時限ストライキを行い、教師約1万2500人が戒告処分を受けるなど、日教組の中でも突出した活動が目立つ。

 昨年11月、北教組は「改悪学習指導要領に対峙(たいじ)するために」と題した資料を各学校に配布した。副題は「『国家のための教育』は許さない!」。社会科の項目では「『国を愛する心情を育てる』は論外」などと学習指導要領を批判。北方領土については「日本固有の領土式の観点ではなく、アイヌ民族や戦争との関係でとらえさえて考えさせる」としている。

 同年12月に配られた職場討議資料では、指導要領が道徳で「約束や社会のきまりを守る」ことを重視していることを取り上げ、「『国家に従順な人づくり』をめざす戦前の教育回帰」と批判。「文科省の道徳教育は内面の自由を侵害する」が組合の立場だ。

 道教委関係者によると、こうした資料の教育現場での取り扱いは地域差があるものの、組合活動が活発な地域では、自治体の「教育振興会」「教育推進協議会」などの場で資料に基づく自主研修が行われる。この関係者は「反学習指導要領の勉強の場に税金が投入されている」と憂慮する。

 麻生太郎首相は選挙戦で、民主党本部に国旗が掲げられていないことを批判し、「日教組の影響を受けている」と指摘した。冒頭の教師は「自民党は教員に厳しい。(反対闘争をしてきた)日の丸、君が代でも国にやられっぱなしだ」と嘆く。

 そして、「それでも選挙活動をやってきたのは、北教組の意見が国政に影響を与えることを期待したから。今度、民主党政権になって、何も教育行政が変わらなければ、怒るよ」と力を込めた。

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最終更新:8月20日0時20分

産経新聞

 

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最終更新:2009年08月20日 01:15