要約

ゴスシックロリータ(ゴシックロリィタ、ゴシック&ロリータ)とは日本独自の少女趣味的
ファッションロリータと西洋の発祥のゴシックカルチャーを組み合わせた
洋服を中心とした文化様式である。gothic and lolitaを縮めて通称ゴスロリと呼ばれる。
2000年前後に注目を浴びたいわゆる「原宿系ファッション」(デコラサイバー等)
にカテゴライズされ、日本の原宿や新宿を中心に発信されている。
一般にゴシックファッションとロリータファッションを組み合わせたものと考えられているが、
単純なミックススタイルではなくどちらにも無いゴスロリ独特の様式や特徴が存在する。

パニエでスカートを膨らませレースやフリルをふんだんに使用した黒い服を着込み
退廃的、悪魔的、耽美的、少女的なイメージを体現したファッションが特徴的である。
服装以外にも様々な文化があるが、所謂オタク文化からの派生であるものと音楽や
ファッションからの派生であるものに分かれ、オタク的文脈以外では大抵後者を指す。

ゴシックロリータの位置するジャンル

サイバー、デコラ、V系、ロリィタ、パンク等が代表の「原宿系のひとつ」
として紹介された時代が最も長い。というのもゴシックロリータやその周囲の
ファッションの中心地の移動や変化により位置づけは時代によって微妙に
変化しつつある。現在では市場が広まったことからゴシックロリータそのものが
一つのカルチャー、もしくはロリィタファッションの傘下として認識されつつある。

雑誌『装苑』での取り上げ方やパリコレでシャネルなどの有名ブランドが
ゴスロリ・ゴスパンク風のモードスタイルを発表するなどモード界では
ゴシックロリータをモードファッションとして扱う部分があり、
ジャパニーズ・モードとして海外でも注目を集めた。

ゴスロリが派生したきっかけはヴィジュアル系ファンの間と言われている。
(しかし2011年現在正統派のゴスロリを着ている人はファン全体でかなり少ない)
ゴスロリという言葉が派生する前からゴスロリに該当するスタイルの人
自体は存在していたと言われている。ロリィタが大人の少女趣味という見方もあるのに対し、
こちらは大抵の場合ヤングファッションとして扱われている。
メディアの報道等によりコスプレという見方がされるようにもなってきているが、
ファッションとみなされるゴスロリと正式にコスプレとされるゴスロリは別物と
言って良いほど見た目や素材、セールス方法等に違いがある。
しかしどちらか一方しか知らない、或いは布やファッションに関する知識が無い
一般層からは両者は混同される傾向にあり、見た目の派手さや珍しさも相まって
ゴスロリはコスプレの一種と言うイメージを持たれやすい。
残念な事にそれによって起こる情報伝達のミスや盗撮等の実害を無視して
メディアでは見るものの「ウケ」を狙うためあえてコスプレと扱う場合も少なくない。
また、ゴスロリとコスプレの違いが解からないまま着ている者も多くこの二つの
線引きを更に曖昧な物にしている。
実際には、例えばマルイが提唱したインディビジュアルファッション(流行目的ではない、
コスチュームでもない、日常着でもない、アイデンティティを最重視したファッション)
として分類するのが現代のゴスロリファッションの実情も考慮すると実に当てはまっている。

コスプレやオタク的なゴスロリ文化は「ゴスロリ」というジャンルの中では
制圧・住み分けされており、場合によっては邪道だと捉えられることも珍しくない。
ジャンル内では最も権力を持つ「文化やファッション」としてのゴスロリの者が
「ファッション的なゴスロリ」と認められなければほぼゴスロリとは扱われない。
しかしそれはあくまでゴスロリでのジャンル内の捉え方であり、イラストや
オタク等の別ジャンル内だと捉え方がまた違ってくる。

服デザインの特徴

ゴシックロリータファッションはゴシックロリィタのシルエットに当てはめた様な感じと言える。
ゴシックスタイルにロリータで使用されるスウィートなアイテムやモチーフを加えたものは
ゴシックロリータとは異なる。
また、ボリュームはあるものの膨らみの無いスカート(三段フリルなどの)にトップス、
十字架のアクセサリー等のシンプルなスタイルは単なる黒いファッションに分類され
ゴスロリとはまた異なる。

現在のゴシックロリータファッションは「基本は黒一色、もしくは冷たさを感じさせる白色」
「黒尽くめかボルドーやネイビー、ダークブルーなど暗い色を差し色にしたコーディネート」
「プリント物は蝙蝠や薔薇柄、ヴァンパイア、ゴシック建築や鳥かご等のモチーフ」
「髪型は(理想的なのが)黒か金髪の姫カットロングストレートや縦ロール」
「ゴシック調やアンティーク調のアクセサリーを盛り込みメイクはゴシックファッションに近づける」
「編み上げ、レースアップブーツ、チェーン、厚底靴、ヴィヴィアンウェストウッド」
などが定番的なゴシックロリータスタイルの特徴として挙げられる。
また、ただの黒ロリにならない為にはゴシックモチーフを取り入れたりハートやリボンなどの
甘くなりすぎる恐れのあるモチーフはならべく抑え気味にしたとえば洋服が甘めなデザインの時は
ヘッドドレスに使われる装飾はリボンよりも薔薇モチーフを使うほうが好ましい、とされている。
またゴシックロリータの場合レース生地を使用したりロリータよりも肌を上品な程度に露出している
ことも多く、これも甘いロリータになり過ぎないポイントとして有効であると考えられる
アニメやイラストでよく見られる黒×白のゴスロリは現実には滅多に見られない。
黒ロリと似通ってしまう、甘さが出すぎてしまうのが理由として挙げられる。

服単体で見ると通常のロリィタよりややゴージャスなイメージか逆にシンプルなデザインに
纏まっている事が多い。またパニエを控えめに履くデザインや膝上になる丈のスカートも多い。
あくまでもゴシックも基調になっているため若干退廃的なデザインも多く、シャープさがある。
だが黒ロリ服として発売されている服も着方とメイク次第でゴシックロリータのコーディネートが
可能である。ゴシックロリータの専門ブランドはロリィタに比べて極端に少なく、選択の範囲が
狭いためむしろその様にしてコーディネートする者は少なくない。

最近はフルセット1万円台の安価で出回っている商品も存在するが、コストを下げるため
半端なつくりになっていることが多く、大抵のものはコスプレ服として提供されており、
安売りの店ドンキホーテや東急ハンズのコスプレコーナーでも販売されている。
ゴシックロリータ服は基本的にその主な購買層にとっては非常に高価であり、
ワンピース系一着2~3万程が目安。(ブランドによっては5万以上)デザインの細かさや生地の
量から考えると恐らく高くは無いが中には質と値段が見合わない物も存在する。




(コスプレ向けの安価なゴスロリ服と定番ブランドの比較)

エリや長袖が取り外せたりデザインが変えられたり、 一年中着られる工夫がされている為、
非常にエコロジー。流行や廃りもあまり無い。しかし、毎回同じ服を着ているのではなく、
黒と白の割合を変えたり、豊富な種類の頭モノを変えたりしてお洒落を楽しむ。
他ジャンルのブランド物やノーブランド物も組み合わせて着こなす場合も多い。
色も黒以外にグレーベースや紫色等も待望されている。
しかし、コスプレっぽく見える恐れがあるため実現はまだ難しい。

ゴスロリとオタク、ゴスロリと「萌え」

オタク及びオタク文化といったものがTVに頻繁に現れる様になってから、
このファッションに「萌え」という表現がされる事があるがV系との繋がりや
他者を寄せ付けないダークな化粧からも解るとおりそういった要素は本来は無い。
ゴスロリ(ファッション)に萌えを見出す人も意外と少なくは無いが、
舌打ちすべき事に萌え系にゴスロリというジャンルは存在する。
しかしその場合ただ単にフリルいっぱいの服という意味で使われる事も多い。
ゴスロリに「萌える」のは主に男性のオタク(漫画、アニメ等美少女方面)で
あると思われがちであるが、
「腐女子」と呼ばれるボーイズラブ作品を好むオタク人(女性)は作品中にある耽美的な
作風を好む人もおりどこか雰囲気が類似したゴシック的な耽美要素に惹かれる者も多く、
現実の男性や女性のゴシックスタイルやゴシックロリータスタイルに「萌える」女性というのも
数多く存在する。
耽美的な作風に興味はなくとも男性キャラクターにゴスロリを着せたいと言う腐女子は多い。
ゴスロリにはそもそも男女問わずオタクに好まれやすい要素が本来多い。
(吸血鬼、姫、アルビノ、ロングヘアー、ファンタジー、コスプレなど)
しかし一般の愛好者とは見ているポイントが大きく違っている。
中には実際にコスプレ的に「着る」という行動に及ぶ腐女子の女性も居る。
(その場合はゴスロリだったり男性+ゴスだったり)但し主にその舞台はコミケ。
ゴスロリ好きな男性オタクはゴスロリの幼女的な面を好むが(その為幼女的な特徴を持つ
キャラクターに着せる場合が多い)女性の場合淑女的な面を好んでいる節がある。
単にゴシックロリータに彼(彼女)らの好む「二次元的要素」を見出しやすいという理由もある。
しかし、男女問わずその様なゴスロリを好むオタクはゴシックロリータファッションの
愛好者には嫌われている傾向が大きい。
何故かと言うと突然変な言葉をかけられる、盗撮、痴漢、付き纏う等の被害や(女性でも
行う事がある。すべての人が変態的な行為を取るというわけではないが意識していなくても
相手に迷惑を掛けていたりすることもままある。)イベント等でゴスロリを着る腐女子の服装、
男性オタクが好むゴスロリ系フィギュアなどの「ダサい」或いは「極端に乱れた」ゴシックロリータ風
衣装のコスプレ(この場合ファッションとは言い得ない)に対する大きな嫌悪感等が上げられる。

だが元々オタク趣味が高じてゴスロリファッションに興味を持った女性オタクや、
もともとそっち系の雰囲気がある少女漫画が好きで腐女子と
少女趣味的なファッションどちらも兼ねてやっている場合や、
ファッションフリークのオタクや腐女子でゴスロリやロリィタを取り入れているという場合もあり、
必ずしも上記のようなものとは限らない。
だが、この様な愛好者は稀であり、オタクのステレオタイプにも当てはまらず、
オタクでロリータファッションの愛好家というよりはロリータファッションの愛好者で
尚且つその様な趣味も持っていると「逆に」捕らえられることが多い。

ゴスロリ系萌え作品が好きな女性オタクであっても、
同時に「本来の意味でのゴシックロリータ」も好きな女性はオタク文化と
ゴスロリ文化が混同される事や「コスプレとしてのゴスロリ」を嫌う傾向にある。
ゴスロリ系の「萌え」作品を純粋に女性として楽しみながらも
ゴシックロリータファッションが萌えと取られるのが不愉快な気持ちも
同じファッションの愛好者または理解者として理解している為である。

一般人には一見近く見えるジャンルであるが、
オタクがゴスロリに、ゴスロリがオタクに理解を示さない事は多く、
また視点や価値観などの違いが大きいゴスロリ・ロリィタ趣味とオタク趣味は
全く別物であると言える。
またロリータの中の腐女子と腐女子の中のロリータは捉え方やセンスが大きく異なる。
後者はどちらかというとオタクに寄るためオタクカルチャーに近いゴスロリ
いう呼称のほうを好むことが多い。

萌え系作品関連で多く見られる白いゴシックロリータを白ゴスと呼び、
ファッションとしては基本であるはずの黒のゴシックロリータは黒ゴスと名を付けている。
雑誌KERA!では白いゴシックスタイルを白ゴスと呼び白いゴシックロリータも取り上げたものの
何の名称も与えていなかった。(後に白いゴスロリを白ゴスと呼んだ例も)
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ゴシックロリータスタイル

ヘアスタイルは姫カットや縦ロールが理想的とされる。
実際にはそれ以外の髪型も多く、具体的には均等にウェーブのかかった髪型や
細めのコテで作った巻き髪、丸いシルエットのボブ、姫カットでない(段を作らない)
シンプルなストレート等が定番的。

いずれも前髪は下ろして真っ直ぐに切り揃えた「ぱっつん前髪」が基本である。
ただし似合う似合わないがあるのでななめに流す場合もあるが、必ず重めに作る。

野暮ったい髪型やただの一本結び等の髪型、手入れされていない髪等は
ゴシックロリータには相応しくないとされる。
また、ポニーテールや耳が出る短さのショートカット等もカジュアルさな強いため、
優美な定番的なスタイルとは合わせ辛い。
かつては前髪を分けたゆる巻きや「盛った」髪型なども望ましくないとされていたが、
2007年以降はギャル系雑誌小悪魔agehaの影響や、簡単にロリィタにも合うドール風の
盛り髪が出来るウィッグの登場で盛り髪もロリィタファッションに合わせれる髪型となった。

縦ロールや前述の盛り髪、激しいカラー等の再現が難しい髪形やボリュームのある巻き髪
など手間のかかる髪形は地毛の場合もあるがウィッグや付け毛が使用される事が多い。

髪の色はゴールドや真っ黒が理想的とされている。
海外では生まれつき髪が金髪や茶髪の人でも真っ黒に染める場合が多い。
それ以外でも赤みのワインレッドやホワイトゴールド等の奇抜な色も、
服の色自体が退廃的である為コスプレっぽくなりにくく、採用される。
茶髪はゴシックファッションでも合わせる事が少ない色であり出来れば黒髪が推奨される。
しかしポピュラーな髪色である為、実際には茶髪のゴシックロリータは少なくは無い。
ロリータファッションの場合は逆に金髪だと過剰に幼くなりがち、
黒だと合う服や髪型が限られてくるので茶髪は好まれている。

漫画等ではゴシックロリータのヘアスタイルを作者・関係者が知らず、
髪型により違和感を出している場合が多い。
特にキャラクターに着せる場合はそのキャラクターの髪形そのままになる為、
アニメキャラクター独特の奇抜な髪色やそのキャラ自身の、普通のショートカット等の髪形になる事で
ゴシックロリータらしさを損なってしまっているケースが多い。

ロリィタファッションの多くのスカートは全円型や半円型になっている。
中にパニエを仕込んで(穿いて)膨らませるがその際パニエの下にドロワーズを着用する。
それによって下着が見えたりパニエのチクチクする素材が足に当たるのを防ぐ。
下着、ドロワーズ、パニエ、ペチコート(使う場合)、スカートの順に重ね着をする。
冬は保温性の高いもの、夏場は通気性の良い素材の洋服やドロワーズが選ばれる。

メイクはゴシックメイクをベースとしている為、基本的に黒。
ポイントに紫や赤ダークブルーが使われる。
アイラインやマスカラも上記の色が使われる事が多い。
まつげはとくにかく長く強調され、目元は太く囲む事場合もある。
口紅も耽美や退廃さを演出する為鮮やかな真っ赤やダークな色味の赤が基本。
2003年頃までは青や黒を使う物も多かったがブームが下火になると同時に
極端な奇抜な色合いのゴシックロリータメイクをする人は少なくなった。
肌は出来る限り白くし、人形の様なマット肌に仕上げる。
実際に毎日白塗りにすると肌に負担を掛けるため普段は素肌と考えても違和感が
無い程度の白さに留めるか、白塗りはイベントの時のみという愛好家も多い。
チークは入れないか、肌の色に近い色かハイライトを入れる。
もしくは甘すぎない程度にピンクを入れるが、ロリィタの要素が全く無くても
ゴシックロリータらしくならないため全体のバランスに応じてやや甘く仕上げる事も。

服装自体が華やかな為、または服装のイメージを崩さない為に完全なノーメイクや
一般的なナチュラルメイクや健康的すぎるメイクは相応しくないとされている。
とはいえポイントを抑えていればそこまで派手にせずともゴシックロリータメイクは
可能である。

ゴシックロリータの歴史

ゴシックロリータに見られる服装やファッションは90年代後半に現れ、
2002年以降になると一種の流行とも言われる程になる。
しかしそれは、見ての通り一般の女性達がこのファッションをまとうようになったわけではない。
むしろ過激な反応を見せる反対派もネット上等で現れた。
もちろんゴシックロリータファッションの知識が一般に浸透してきた事により
このファッションを知ることが出来、身に纏う様になった女性(や男性)も増えたが
本来の流行服の様に「流行が過ぎたから」といって今更それを脱ぐことはないだろう。
ゴシックロリータはTVに現れたと同時に現れたものではないし、
流行でなくなった今「古い」ものではない。
それ以前から、これ以降もずっと水面下にある。
ゴシックロリータはそろそろ廃れる、という声もちらほら聞こえる。
今の小学生や中学生等のローティーンエイジャー達に対しても未だにV系音楽、
主にそのファッションに対する興味は広がっている。
その中からゴシックロリータを選ぶ者も恐らく居るのだろうからまだ暫くは続くのではないだろうか。

ゴスロリの語源については本来はV系バンドのライブに
黒づくめのロリータファッションで来る人々を 「ゴスロリ」と呼んでいた、という。
黒尽くめがゴシックの様な着こなしであったためそう呼ばれたのではないかと考えられる。
(本来V系ファンからのゴシックの認識とはその程度のものである)
十字架などV系にマッチしたモチーフも取り入れていただろうから
現在ゴシックロリータファッションと呼ばれているものとあまり大差ないだろう。
現在はロリィタとゴシックを融合させたスタイルという認識をされており
そのスタイルを作り出したのは元マリスミゼルのMANAである。
ただしゴスロリという言葉は一体誰が言い出したのか明確にはわかっていない。 
替え歌のように或いは都市伝説のように自然に、急速に広がっていったたのである。
MANAの作り出した言葉EGL(エレガントゴシックロリータ)が語源とも言われるが
ゴシックロリータはその以前からあったとも言われている。
事実一部の愛好者の間ではゴスロリに値するファッションは存在していた。

ゴシックロリータ及びV系が同人界に急激な浸透を見せたのは最近の事である。
今もそれらは広がっている。
ゴシックロリータそのものが同人的なものやコスプレが元であった、
というのではなく次第にそういったものとくっ付いていったのが正しいと言える。
V系が同人層に広がっていったのは現在でも多く見られる
ヴィジュアル系要素を含んだ漫画の影響と言われている。
(最遊記、ヤマトナデシコ七変化など。また最近のアニメは曲のタイアップも多い。)
また、V系バンドマンのコスプレをする「コス」からコスプレの魅力を知りそこから
同人方面へ行く者も珍しくは無い。
V系ジャンル内でも漫画やゲームではなく、
バンドを対象として扱った同人活動が盛んである。
勿論中には同人やオタク文化といったものに興味を示さない者やそれらを毛嫌いするものも居る。
V系がオタクカルチャーにまで広がる事によってゴスパンクやゴシック、
ロリータ等のファッションも同様に伝播した。
以来普段着やここぞと言う時のファッションとしてもそれらが
お洒落と考えられ着られるようになっていった。

メイドブームによりオタク文化がメディアで取り上げられるようになり、
それと同時期に黒色のファッションやヴィクトリアンファッションの流行もあり
一般的なメディアでもゴシックロリータが取り上げられるようになる。
下妻物語効果でそれらはより大きな話題となった。
そこからV系音楽やゴシックカルチャーとは程遠い一般層にもゴシック
ロリータファッションを好む者が現れた。

ゴシックファッションのファンの間でもゴシックロリータは流行したらしく
割と小柄なゴス達に好まれている。(背の高い人に合うデザインが多い
日本のゴシックスタイルに比べゴシックロリータの方が本人達に合うためだと考えられる)
そして既にゴシックファッションの定番の一つとして定着している。
2002、3年あたりの流行により一般からのファンも増加を見せた。
今やヴィジュアル系のファン外のゴスロリの方がよりゴシックロリータらしく、
本来のゴシックロリータはV系ファン外という考え方も多い。

昔は殆どが裕福な家庭の娘であったが現在では
本格意なゴシックロリータファッションが中学生、小学生にも着られている。
ブランドの服が店舗の増加により、より手に入りやすくなり
知名度も上がりゴシックロリータの雰囲気に合う商品が次々と
企業で提案・発売され手ごろにコーディネートすることも出来るようになってきている。
手ごろなゴシックロリータ服も大量に出回るようになった。
きっかけは主にゴシック若しくはロリィタファッションが好きで着始めた者や街で
ゴシックロリータの人を見て始める者が多いようだ。
古株の中ではMANA様に 強く憧れるがために着ている(いた)者も多い。
他は嶽本野ばらや雑誌の影響、特定のブランドが好きになった、等である。

しばしばメイド、コスプレっぽいと言われるがオタクブームの影響と思われる。
数年前まではそのように呼ばれることは無かった。
どこの服飾用語辞典を見てもその様な既述は一切無い。
ただしイラスト雑誌等の解説によると各アイテムの使用法等の点について
随分間違ったものが多いためそれを参照する場合は注意されたし。
メイド服は、伝統的なメイド服を参考に作る場合もあるが、
ロリータ系ブランドの服を参考に衣装を作っている場合もあるらしく、
そちらの方が参考資料としては手早くシンプルなメイド服よりも
面白味が出るからと思われる。
しかしモデルにした服装に比べ明らかに劣っている事が多い。

ゴスロリの拠点は大阪、原宿、池袋、等転々としているが
現在は原宿が主な拠点となっている。
(原宿にはゴシックロリータファッションに身を包んだ女性が沢山居る。
だが大半が普段から着ている人では無いと思われる)
以前は原宿のゴシックロリータといえば集団行動のゴシックロリータの女性が多く見られ、
よく原宿の神宮橋などに一緒にいるコスプレイヤーと混同されていたが、
近年の知名度の上昇により少数行動派やで群がることを避けるタイプの人も増えた。

ゴシックロリータとメンタルヘルス

メンタルヘルスとは精神的健康の事である。それを害している人を侮蔑や自称で
「メンヘラ」と呼ぶことが多い。 {但し侮蔑表現になり得る為この項では実際に俗称や
自称として使われている文脈以外では使用を避ける。}
ゴシックロリータファッション及びゴシックファッションそれを着ない人々から、
ロリィタ業界でのゴシックロリータブームの隆盛が報じられた頃とほぼ同時期に
メディアに度々登場した「メンヘラ」と何か関係があると頻繁に疑われる傾向にある。
これは単に台頭した時期が被ったためゴスロリが増える=ヘンヘラが増える(実際には
以前から同じ数存在していたが情報を受け取る人にはそう感じられる)=両者は同じ
という認識につながりやすい事や記憶の中で情報が混ざりやすいという事もあるが、
この疑いを特に決定付けているのは大阪で発生した河内長野市家族殺傷事件である。

  • 河内長野市家族殺傷事件について
この事件は「ゴスロリの男女」(正確にはゴスロリの少女とメンズスタイルの
ゴシックファッションの男性である)が互いの両親を殺害しようと約束し、
少年の方が実際に実行してしまったという事件である。
共に自称癖があるとしてメディアではそのファッションと共に「リストカット行為」が
クローズアップされセンセーショナルに報道された。
自供により殺人予備容疑で逮捕されたの少女はウェブサイト上にオリジナルの詩や
日記を公開しており、その内容の特異さから容疑者の少年よりも注目を集めた。

この事件は大きく報道されこの事件でゴシックロリータを知ったという者も多く、
ゴシックロリータ=メンタルヘルスを害した人(メンヘラ)及びリストカットという
イメージを定着させた。

この事件が大きく報道された背景には、それまで水面下の存在であったゴシックロリータ
姿の人々を見て「何者かわからないことに対する不安」を感じていた大衆に対し
「心の闇」や「メンヘラ」(この言葉の意味は深く理解出来なくともとりあえず自分
たちの仲間ではない特殊な人々、という記号になる)というイメージを与えることで
多くの人々に「理解した」と感じさせ安心感をもたらす事にある。
「セカイと私とロリータファッション(青弓者)」において著者の松浦桃は
酒鬼薔薇事件以来、「子どもの心の闇」への恐れを抱き続けた人々にとって、
河内長野の二人が愛したゴシックファッションは、見るからに「デモニッシュ」な
モチーフであり手っ取り早く「闇」を納得させてくれる記号だったのである。
と「心の闇」を持つ子どもを恐れる大人たちのためにこの報道があったと指摘し
気になるけれど、面と向かって彼女たちに「その格好は何?」と聞けなかった大人たち。
その興味を満たす機会として、この事件の報道があったのではないか。
とも指摘もしている。
一見ゴシックロリータ=脅威の印象を与え人々の恐怖感を煽っているように見えるが
こうして納得しやすいイメージを与えることで「理解できない存在に対する不安」を
解消した上でゴシックロリータの人々を差別し遠ざけ(自分とは関係ない立場に置く)れば
大衆にとっては何の脅威も無くなるのである。

しかし当時子どもであった平成生まれの若者がこの事件を記憶している事は少なく、
事件によるゴスロリ=リスカというイメージを少なからず受け継いだ空気の中で
ゴシックロリータファッションの「他者を拒んでいるように見えるイメージ」や
「黒一色=暗さ」「病的な印象のメイク」からメンタルヘルスを害した人との関係性を
想像しやすい。また、メンタルヘルスを害している人に対しても「黒い服を着てそう」
「暗そう」「人と違う雰囲気がありそう」といったイメージ先行の印象を持っているため、
二つの特徴が被っている事で二つは関係があると考えるケースが多い。
またゴシックロリータの中でも特に迫力のある服装の場合、
「見た目が何かヤバそう=ヤバい人=メンタルヘルスを害している」と直結する者も少なくない。
これはメンタルヘルスを害している人に対しても偏見を持っている為成り立つ連鎖である。
メンタルヘルスに偏見を持つ者が気に入らない服装を貶す為にわざと関連付ける場合もある。
また音楽の嗜好が被っていることで関係性があると主張する者も居る。
しかし実際のゴシックロリータ愛好家の音楽の嗜好は幅広く、どの様な人でも音楽の
嗜好は人それぞれである。
現在の若い人々の特徴としてこれらの情報から個人的に判断を下し、これらの文化に
対して明るくなく、事実かも全く調査してないのにも関わらず「殆どがメンヘラ」と
言い切る文脈も数多く存在する。
また両者に対して特別差別的意識を持たない者でも後述のメンヘラを演じるゴスロリ(またはその逆)の影響でその様なイメージに行き着き易い。

  • ファッションメンタルヘルスとゴスロリの関係

実際にゴシックロリータやロリィタファッションを着用する者の中にはメンタルヘルスで
ある事をネットやブログ上で公表・アピールする者も全体で見れば少数だが存在している。
それに対しこのイメージに対して誤解や迷惑を受けていると感じている多くの愛好家が反発している。
また、自律神経失調症等を抱え心療内科に通う愛好家の中にはゴスロリ=メンヘラという
イメージを助長してしまうのではないかと考え自分がロリータである事を知る人に対して
その事を隠すというケースも増えている。

中には元々ゴスロリが好きなわけではなく、「ゴスロリはリスカと関係があるのではないか」
といったイメージを逆に利用し、メンヘラである事をアピールする為にゴシックロリータを着用する、
ゴシックロリータが好きな事を主張する者も居る。
逆に、当時流行した「ロリータ精神論」に陶酔する者の中には「真のロリータになる
にはリスカをしなくてはならない」と主張する者も居た。
彼女たちの殆どが自分のHPでリストカットした自分の手首の写真を公開したり
自作の詩や精神科の通院状況や自殺未遂行為、リストカットに関する日記を付ける
などしており、メンヘラやリスカをきっかけに他人との繋がりを求めた。
彼女たちのリストカット行為は本来の症状とは大きく異なり「ファッションリスカ」と呼ばれ、
間違った認識を生む、差別を助長するとして本来の症状に苦しむの者達から敬遠されている。
そしてファッション的な真似をきっかけに本当に症状を発症する者も居る為それに対して警鐘を鳴らした。
単に目立ちたいという目的のファッションメンヘラも少なくないが友人や家族関係が上手くいかず
人間感覚が希薄になるあまり他人との繋がりやストレス解消を求めその様な行為に走るものも少なくない。
これらのHPやファッション的自傷は2002~2005年頃に急激に盛り上がり次第に収縮し、現在では
表立っては見られない。これらはこの行為がたまたまこの時代ではリストカット、
メンヘラ、「痛い子」を演じる行為という形で現れただけで同世代間で価値観を
共有し、所属欲を満たす為の手段であった事を示している。
ゴシックロリータに関しては費用がかかる為ブランドの物より安い衣装を選ぶ傾向もあり愛好家には簡単に見分けられたが、これらは当然一般の人々にとって
「メンタルヘルスの者はゴシックロリータファッションを好む」という定説の決定的な証拠になった。

  • これらのイメージが実際に与える影響

ゴシックロリータのサブカルチャー


ゴシックロリータはサブカルチャー、ひとつの文化として捉えられている。
(以下では「大衆的」ではない文化を「サブカルチャー」と呼んでいます。)

ゴシックロリータの絵を描いている者をゴシックロリータ趣味と呼ぶように、
ゴシックロリータとはファッションだけを差す言葉ではない。
人形、絵、音楽。これら全てゴシックロリータの人形、ゴシックロリータな絵
ゴシックロリータな音楽といったものが存在する。

例えば人形であれば創作人形なら三浦悦子、恋月姫、柏屋コッコなど。
ジュプランニング社のプーリップもゴシックロリータ文化を語る上では外せない。
又人形作家を名乗っていなくとも創作人形を作成したり人形の服を作ったり、
(勿論ゴシック・ロリータテイスト)人形をカスタムしたりオリジナルの人形を
作り出したりして販売をするなどのインディーズ活動をしている者は数え切れないほど居る。
そもそも人形自体がゴシックロリータ的であり、服装自体も人形の服をモデルとしている為、
人形が嫌いなゴシックロリータはあまり居ない。
実物の人形の無機質さを苦手とする人もいるが、見るだけなら好きという物も多い。
逆にドールカルチャーの方面から見るとドール愛好家やディーラーには
ゴシックロリータファッションの愛好者も目立つと言える。
ブライスなどファッション愛好家だけでない一般人気の高い人形でも、
ゴシックロリータテイストの服装を着せたドールは多く、それらは
予約完売が早く、中古取引でもかなりの高値が付く等人気が高い傾向にある。
ゴシックロリータは元々人形の服が元になっているとも言われている為、
その考えで行くと人形やドールにゴスロリ服を着せる事は逆輸入的である。

音楽であればV系も欠かせないが、これは追加要素的に扱われている。
もともとゴシックやロリータがV系と関連付けられるようになったのは
彼女等が好んでいる音楽のジャンルが似通っていたからという為で、
音楽性がゴシックロリータを表現していると言えるバンドは数少ない。
その為中には聞かない或いは嫌いな者も少なく無いし「あくまでもゴシックでも
あるのだからゴシック音楽を聞くべきだろう」という意見もある。
そんな中、宝野アリカ(ALI PROJECT)黒色すみれ、MANA等のアーティストは
ゴシックロリータやファン、一般層からも音楽性そのものが
ゴシックロリータ的であると定評がある。
(しかしアーティスト自体はそれを全面的に容認しているとは限らない)
本人が実際にロリィタファッションを好んでいることも重大な要素である。
又、BUCK-TICKの楽曲の中の人形や吸血鬼、アリスをテーマにした楽曲は
ゴシックロリータ的な要素があると言われている。
大抵人形や少女、それらに加え闇をイメージした歌詞がそうであるらしい。

絵であれば「その絵の中の人物の衣装」がゴスロリの絵があるという以外に
「ゴシックロリータ調の絵柄」というものもある。
愛好家からは後者がより自分たちの文化に近いと考えられているが
正しく服の構造を理解していればファッションカタログ感覚で前者も好まれている。
場合によってはロリィタの部分が抜けていたり『月詠』『コゼットの肖像』のように
「ロリ」をロリータ・コンプレックスのロリータと解する作品もあるが
正統派を意識して所謂萌えだけではないゴシックテイストも絵柄に含んでいる。
服装を絵にしたものが最も理解しやすいがゴシックロリータ風な絵、
という言葉は一般的な世界でもよく使われる傾向にある。
そういったものを描いている人物としては三原ミツカズが有名である。
ゴシックロリータ的な絵柄とは、具体的に退廃的、残酷さ、暗さを表現した物を指す事が多い
全体がモノクロやアンティーク、冷たい感触系の印象にまとまり決して派手ではない
人物が人形的なフォルムを感じさせ、顔も髪や睫がとにかく長く繊細に描き込まれている等
人形を意識して人間を描いているイメージを感じさせる。また独特の静謐な雰囲気がある。
衣装にはこだわりがありオタク向け商業イラストやアニメとは間逆で
「省略するよりも如何に描き込むか」という部分がある。

思春期の少女の好む絵で多い、眼帯や血などをモチーフにしたダークな絵とは少し異なるが
描いている本人或いは見る人の中にはそれをゴスロリ調、ゴシック調と見る人も居る。

必ずしもこれらを好んでいる人=ゴシックロリータではない。
ゴシックメタルに対して生まれたゴシックファッション、
パンク音楽によって流行したパンク等のケースとは異なり、
ゴシックロリータの後から生まれた物も多い。
これらに影響されてゴシックロリータの服装を好むようになる者も存在するが
少数では無いかと考えられる。
どちらかといえばローゼンメイデン(ロリィタ要素が顕著)やデスノート
(こちらはゴシックに重点を置いている)など
その様な服装は見られるがゴシック風、ゴシックロリータ的とは
また違う趣旨の作品を見て着始めるケースの方が多い。
あくまでゴシックロリータはファッションが主体でありこれらを好む必要性も
全く提唱されて居ない。
人によってはゴシックロリータの音楽や小説は存在しないという考え方の者も居る。
しかし少なくとも上記の物は知っていたりいずれかを好んでいる可能性も極めて高い。

ゴシックロリータの名前

ゴシックロリータでゴシックロリータと呼ばれている。
それを縮めたゴスロリのゴスは「ゴシックの人々」という意味合いも持つが
この場合単なるゴシックの略称として使われている。

ゴスロリは元々あった単語だが1999~2000年頃に大衆的メディアに
登場するようになり、正しい情報を伴わずこの単語が一人歩きした結果
興味の無い一般層やオタク層の間では単に対象がそれらしい雰囲気のものや
フリルの沢山付いた服をゴスロリと呼んでいる場合が少なくない。
(オタクは対象が二次元のもの、一般人は普通の現実の服に対して)
また、一般成人男性向けのアダルト関連やコスプレ関連でよく使われていたり
ゴシックロリータに理解が無く軽蔑やネタにする者がよく使っていた為、
ゴシックロリータ愛好家にはゴスロリという呼び方をされる事を嫌う者も多い。

海外ではゴシックロリータの事をEGLと言い彼の海外での活躍や人気ぶりから
MANAの提唱したエレガント・ゴシック・ロリータの事を指している事が多い。
(日本ではゴシックロリータとEGLは別物としている。最近では海外での
ゴシックロリータ文化も成熟してきたため日本同様に区別している人も増えてきた。)
オタク業界では甘ロリが語源と思われるあまロリというジャンルも存在するが
あまロリ=甘ロリとすると実物との間違いを指摘出来る部分も非常に多い。

ゴシックロリータファッションから派生したもの

上記以外で

ゴシックロリータがよく好んでいるもの

殆どゴシックとロリィタの解説にあるものと被るので省略。
ただしロリィタ以上に薔薇モチーフを多用しその色は暗い赤や黒が多い。
また、ロリィタにはなくゴシックでも少ないがゴシックロリータにおいて多用
されるモチーフとして蝶モチーフが挙げられる。




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