ホストクラブ用語辞典@Wiki

ホストクラブ

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<ホストクラブ>
ホストクラブは、ホストと呼ばれる男性従業員が、女性客の隣に座って接待をする日本の飲酒店。

料金はフリータイム制でキャバクラのような時間制限はない(混雑時や待ちがある場合はフリータイム制でも帰される場合がある)。多くのホストクラブは永久指名制を採用しているが、中には指名変更可能な店もある。

概要
男性従業員が女性を接待する社交飲食店である。ホストクラブという名称は和製英語であり、「客を接待する男性の主人」を意味する「ホスト」(host)と、社交団体を意味する「クラブ」(club)を合わせた造語である。

『風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律』(以下、風適法という)第2条の定める風俗営業のうち接待飲食等営業の2号営業の社交飲食店に該当する。基本的なサービスは、女性客と飲食をともにしながらの歓談、給仕、カラオケなどである。性的サービスは許されていない。

男性従業員(ホスト)には「笑顔での応対」や「相手に話を合わせながらいい気分で酒を飲ませる」など、『感情労働』を求められる。高収入のホストが度々メディアで紹介されているが、ホスト業界は給与・待遇など全ての部分で完全な成果主義に基づく厳しい世界であり、人間の入れ替わりが激しい(この業界では「飛ぶ」という言葉が日常語である)。

男性が女性を接待する類似の業種にメンズキャバクラや、おさわり系ホストクラブがある。

ホストクラブの歴史

東京にホストクラブが誕生したのは1965年に東京駅八重洲口前でオープンしたナイト東京である。前身は「京の花」というグランドキャバレーであったが、経営に行き詰まり、大量のダンス講師を雇いその広大なフロアをいかした女性のためのダンスホールとして生まれ変わった。ダンスホールには休憩のためにソファーが置かれたサロンスペースがあり、講師にチップを払うことで一緒に酒を飲むことができた。

1990年代前半までは、「中年女性向けのいかがわしい店」という印象が強かったがホストクラブ出身のタレントやホストクラブを題材とした漫画やメディアの普及に伴い、若い女性も楽しめる店という印象が強くなった。

テレビや雑誌に接客のプロフェッションとして紹介され、2000年代には『MEN'S KNUCKLE』、『men's Digger』、『Men's SPIDER』などホストをモデルとして起用したファッション雑誌が登場し社会的認知度も高まってきた。

ネット社会を迎え、自店舗のホームページを開設する店も増えてきた。ホスト関連の掲示板サイトでは、店やホスト個人に関するスレッド(掲示板)が作られ、客同士の情報交換が盛んに行われている。

ホストクラブのスタッフ

ホストクラブでは接待する男性従業員(ホスト)を、店の側から見て「プレイヤー」と呼ぶ。また、その他のサポート的業務を行なう従業員は「内勤」と呼ばれる。店の従業員は風適法第22条により満18歳以上であることが必須とされている。また18歳未満の者を接待に使うことは児童福祉法で固く禁じられている(これに違反すると刑事罰が適用されることになる)。

ホスト(プレイヤー)

ホストクラブで、接待をする男性従業員のこと。通常「源氏名」を使用している(名前の由来は、「好きな当て字」、「尊敬する人物」、「ペットの名前」まで様々)。ホストの仕事は接待であり、給料は歩合制が基本となっている。いかに女性を楽しい気分にして、それを次回の指名につなげるかが重要になってくる。そのため各ホストはそれぞれが指名客を抱え、店という場所を借りて営業している自営業者のような側面がある。

幹部

主任や支配人、部長など役職を持ったホストのこと(店によって役職名や階級は異なる)。通常業務だけでなく、代表の補佐、新人教育、ミーティングの進行、営業前の店内清掃のチェックなどを行う中間管理職的立場。他のホストの模範的存在であり、売上などホストとしての実力だけでなく、遅刻をしない、新人や後輩の面倒を見られるなど人間性も求められる。

内勤

ホストクラブで働くボーイのこと。ホストを引退して、内勤になる人がほとんどだが、逆に内勤として入って、ホストに転向する人もいる。小さい店だと、内勤業務も全てホスト達で済ませて、内勤がいないところもある。内勤の仕事内容には以下のようなものがある。
  • 従業員の出勤管理
  • 客の対応(カウンター、ウエイター)
  • 調理(厨房)
  • 会計(キャッシャー)
  • 付け回し(色々なテーブルの客に対し、ホストを席につかせたり、抜いたりすること)。
  • その他事務作業

代表

代表取締役のこと。店の最高責任者。店によってはオーナーが別にいる場合もあれば、代表とオーナーが同じ場合もある。
ただし『会社法』上の代表取締役や筆頭株主(=オーナー)であるとは限らず、本当の最高責任者(金主)が別にいることが多い。経営者としての働きよりも顔役として就任している場合が多い。

営業時間

風適法第13条で、風俗営業及び店舗型性風俗特殊営業は、原則的に「午前0時から日の出」までの深夜は営業が禁止されている(例外として午前1時までの地域もある)。そのため遅くとも深夜1時には営業を終了しなければならないことになっているが、従来はその制限を守らず、客がいる限り深夜4~5時頃まで営業を行う店がほとんどだった。

しかし近年になって警察の取り締まりが強化され深夜帯の営業が困難になりつつあること、深夜帯の営業中止により減少した売上を少しでもカバーすることなどを目的に、「二部営業」(夕方~深夜1時までの1部、日の出~昼頃までの2部と営業時間を分けて営業する形態)を開始する例が見られるようになってきた。

指名の種類・方法

指名(しめい)とは客が気に入ったホストを自分の卓(テーブル)に呼ぶことをいう。指名をもらったホストのことを指名者と呼ぶ(「担当」・「口座」は本指名を受けた指名者のこと)。

場内指名

担当が決まっていない場合、男メニューなどを見て気にいったホストを自分の卓に呼ぶとき使うシステム。初回は無料のところが多い。送り指名初回で行ったとき、帰りに店の入り口外まで送ってくれるホストを指名できるシステム。「本指名」ではないが、だいたい送り指名をもらった時点で、次回からその客の担当になる可能性が高い。担当者のいない客(新規・フリー)にチェックのときに一番、気に入ったホストを聞く。公平のために内勤が聞きにくるので、ホストは席を空ける。「送り指名」をもらったホスト以外は今後その客と連絡をとりあってはいけない。次回、来店時に必ずそのとき送りにしたホストを指名しなければいけないわけではないので、フリーでも来店することができ、再び送りを聞かれることになる。
  • 手順
  1. 内勤がホストに送り指名が入ったことを伝える。
  2. ホストは客の席に行きお礼を言う。
  3. アドレスの交換をして入り口で「ありがとうございました」と言って送り出す。

ヘルプ

指名担当のいる客が仲の良いヘルプを自分の卓に呼べるシステム。ヘルプ指名をもらったホストにも指名料(500円くらい)が入る。

本指名

本番指名の略。気に入ったホストを自分の担当(最終指名者)に決めること。初回来店のときに見定めて2回目以降に本指名することが多い。担当がつけば来店のたびに指名料金を支払うことになり指名をもらったホストには指名料が入る。ホストクラブの多くは「永久指名制」であるため本指名の決まった客には他のホストは営業をかけてはいけないルールになっている。

料金システム

ホストクラブの料金体系は、1.テーブルチャージ(場所代)、2.飲食料金(ボトルやフードの値段)、3.TAX(税金やサービス料)という組み合わせになっているのが一般的である。これに指名をすれば指名料が加わる。

テーブルチャージ

入店後、席に着いただけで発生する料金のこと。場所代。料金表などに略して『TC』と記載されることもある。

TAX

会計の際に客の飲み代(支払い金額)にかかる税金やサービス料のこと。通常は30%(サービス料25%と消費税5%)程度。

指名料

担当ホストを指名するときに発生する料金。本指名を決めた瞬間から、その店では基本的にそのホストのみが接することになり、来店するたびに指名料を支払うことになる。

初回料金

初めて来店する客のために設定されたお得な料金のこと。ほとんどの店で用意されている。内容はさまざまだが、「焼酎ボトル一本と割り物飲み放題で5000円」というコースが多い。フードを頼んだり、初回サービスのメニューに入っていない酒を頼むと別料金が発生するが特に頼みたくなければ頼む必要はない。店に着いて「初回」と告げると、まず年齢確認のための身分証の提示を求められる。

ホストの営業スタイル

ホストはシチュエーションによって様々な営業スタイルを使い分けている。ここで言う営業スタイルとは客への接する態度、アプローチの手段のこと。

友達営業

『友営』、『友業』と略す。飲み友達的ノリでワイワイやったり、相談に乗ったり友達のように楽しく接っしたりする営業スタイル。

色恋営業

『色営』と略される。客に恋愛関係のように思わせて、店に通わせる営業スタイル。相手を好きな素振りを匂わしたり、恋人のように接する(本当の恋人と思わせるために枕営業をすることもある)。色営をされている女性客を色カノという。色カノに対して恋愛感情を匂わせるような言動をとることを「イロをかける」「色恋する」という。

枕営業

単に『枕』と略すこともある。客と性的関係を持つことで売上を伸ばす営業方法。色恋営業と合わせて『色マク』と呼ぶこともある。

オラオラ営業

『オラ営』ともいう。尊大な態度で客に接し「ボトル入れろや!」と偉そうにしたり、煽る営業方法。この煽りノリが好きでボトルを入れてしまう客もいれば、オラオラが大嫌いな客もいるので、見極めが大切な営業スタイル。


<類義語>

<類似業種>

<参考サイト>

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